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(過去ログ-料金制度・ETC論-No.)

均一制の短区間利用をどう救済するか

投稿者---エル・アルコン氏(2004/03/01 17:46:25)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

3月28日に南阪奈道路(阪和道美原JCT~大和高田バイパス間、16.9km)が開通します。大阪と奈良県中部を結ぶ幹線道路としては、西名阪道の南側をサポートする形になり、橿原市や高田市など西名阪では遠いエリアにとっては待望の高速交通となります。

しかし、この開業、大阪市内からで考えると、料金面で不満が残ります。
阪神高速14号松原線で来て、そのまま西名阪に入り香芝ICまでで降りると通行料金は両道路の合計1100円です。ところが南阪奈道を使うと、全線650円はともかくとして、なんと阪和道の松原JCT-美原JCT間の均一料金500円がさらにかかります。料金は締めて1850円と実に750円の差です。ETC割引が阪和道と南阪奈道のJH管理区間(羽曳野IC以東)で採用されており、1150円が920円になり、阪高との合算は1620円になりますが、これでも差は大きく、阪和道柏原ICから下道で大和高田バイパスという流れに変化が出るか疑問です。

松原-美原は5km程度。均一制があだとなった感じですが、事実上無料で流出できる近畿道長原での流出を考えてか、南阪奈道は美原JCTのすぐ先に「たじはや料金所」(本線)を設けて阪和道分を併合収受してますが、西名阪道との関係を考えたらこの区間は料金を徴収しないと言う選択肢であって然るべきでしょう。

***
こうしたケースは均一制の区間にありがちで、どこまで乗っても同じ料金と言うメリットの裏返しとなって利用者を襲います。その最たる例として悪名高いのが東名阪道の名古屋ICと高針JCTの間。名古屋高速四谷高針線から東名にアクセスするとこのわずか4km足らずの東名阪道均一区間に500円を別払いさせられます(区間制の東名は別計算)。
これではせっかくの新ルートも宝の持ち腐れで、こうした例ではせめてETCくらいは特定料金を採用して欲しいものですが。

首都圏ですと東京外環道。関越道から首都高に行こうとすると外環で大泉から美女木に回ります。この10km程度で500円。これもちょっと...の世界です(もっとも、都心まで概ね10km圏の路線網である名古屋高速を考えればマシですが)。

放射道路から環状道路に入り、次のICで降りるとか、環状道路から放射道路に入り、次のICで降りたりすると、打ち切り計算&均一のせいで割高になることが多く、手前で一般道に下りて、一般道での環状と放射が交差する交差点の渋滞の一因になっています。
例えば外環道だと川口JCTから川口中央ICまで乗っても外環の料金がかからなければ、R122やR298の新井宿の負荷が下がるわけです。

これが料金徴収で統一されているかというとそうでもなく、外環の場合、美女木で首都高5号池袋線に入り、戸田ランプで降りると首都高の料金はかかりません。まあ本線に入らないのですからこれで料金を取られたら激怒ものですが...
また冒頭の阪和道関係も、松原JCTを中心に松原ICから近畿道長原ICまでの区間約1.4kmが事実上無料です。実際には松原-長原相互間の利用には400円の料金設定がありますが、西名阪道からの利用、また阪和道から長原、近畿道から松原は400円の合算をしません。そのため松原、長原では料金収受をしておらず、事実上無料区間になっています。
(ETCはどうなんでしょう。長原、松原で徴収にして、阪和、近畿、西名阪の各均一料金所通過情報があれば0円にすれば対応可能ですが、現金客との整合がとれませんね)

それを考えると、南阪奈道からの直通は南阪奈の料金を払っているのだから無料にしても良さそうなんですが、美原-羽曳野がなぜか大阪府公社の管轄であり、JHが丸損になるからでしょうか。
先のETC割引も羽曳野から先のJH区間利用が前提ですし。

とはいえ、こうした割高感を強く感じる料金徴収は、せっかくの高速道路開通の効果を著しく削ぐものです。改善が望まれます。
南阪奈道の場合、たじはやTBを通過して近畿道、西名阪道、阪高の料金所通過データが入れば無料または大幅な割引は可能ですが、長原の出入口にETCを付けないと、乗り継げばタダ、長原で降りたら500円になってしまうため、難しいですが。

均一の主旨

投稿者---とも氏(2004/03/04 00:44:51)
http://blog.goo.ne.jp/koutsu-machi

●なぜに均一??

短距離均一区間の問題はいろいろあります。確かにこれで500円・・・はあるんですが、それとて、そもそも制度がそうなっている以上、それに対する優遇策をとることは「均一」ではなくなるわけで、特定区間とすればいいんでしょうが、その場合、通過車両との区別をどうつけるかという根本的な問題を有します(短距離利用者と長距離利用者を料金所で区別できるか。特に料金所を多く設置するのは決して適切ではないため)。

ところで均一区間はそもそもどうして設定されるのでしょうか。
JHが発行する「ハイウェイレポート」にはこう書かれています。

なお、大都市周辺の住宅密集区間のように料金所の設置に構造上の制約があり、また、大量の交通量の円滑な処理を図るとともに、周辺環境に対しても配慮を要する区間においては、例外として均一制料金が採用されています。料金設定にあたっては、対距離制料金との整合を図るため、1台あたりの平均利用距離に対距離制の料金水準を乗じて算出しています。

つまり、平均的な利用距離であれば対距離と比べ著しく高くはないということになります。となると、短距離利用とはいえ、その道路を利用する以上はこの原則に当てはめれば応分の負担をしていることになります。
ちょっと解せませんね。

では、何キロで対距離の料金と拮抗するのでしょう。
高速自動車国道の料金はTC(ターミナルチャージ)150円と対キロ料金(普通区間:24.6円/km、大都市特定区間29.52円/km)という組み合わせを50円単位で丸めます(出典:高速道路便覧2002)。
とすると、

400円区間 普通区間:10.16km 大都市: 8.47km
500円区間 普通区間:14.23km 大都市:11.86km
600円区間 普通区間:18.29km 大都市:15.24km

となります。となりますと東京外環の美女木-大泉は9kmで500円は大都市区間であることを考えればやや割高という程度でしょう。

そこで、近畿道を考えればやや割高ですが、ではどうすべきでしょう。

●無料?

非現実的と考えます。
まず、たとえば松原J-長原は1.4kmで無料ですが、この場合、料金はまじめに対距離で徴収すれば200円です。この区間を有料とした場合、大阪中央環状線に出る場合に完全並行道路の無い西名阪道路を藤井寺で下りなくてはなりません。となると弊害が大きく、かといって有料にはできない。ということで、この区間を「松原JCTの一部=ロングランプ」と考えれば無料になるわけです(国幹道で「無料」は無い)。案内上は別としても、制度上そういう解釈をしていれば不思議は無い措置です。同じようなものが美女木と戸田であり、三郷と各出口でしょう。

●割引?

ETCならすこぶる簡単ですが(永福で実施例がある)、通常の場合には難しいでしょう。特定区間利用と一般区間利用を単純に分けることは出来ません。となれば、出口払い戻しですが、それこそ非現実的です。
特定区間を設け、その先に再度の料金徴収というのはこれまた非現実的。ではどうしましょうか。

●簡単な割引は

対距離をすべてやめることです。当然阻害が大きいですが、完全公平をETCを使わず果たすのであればそれしかありません。
しかし、それは交通環境を考えればできない。難しいところです。

●均一には実は大きな問題が・・・

均一区間には短距離以上に大きな問題があります。それがTC。ターミナルチャージです。対距離から均一に乗り継ぐ場合、TCを2回払うことになります。これは双方対距離ならかからない料金ですから、不合理です。
一般有料をはさむ場合にもこの問題は生じますが、同じ高速自動車国道でこれはいかがなものでしょう。

最後は料金へのいちゃもんになってますが、まずは考え方の整理ということでご容赦を。では

Re:均一の主旨

投稿者---エル・アルコン氏(2004/03/08 14:55:04)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

均一制の趣旨についてはもちろん理解しています。
ちなみに外環道の場合は建設費償却を考えたら埼玉区間の500円ですら大サービスといえるわけですが、こちらは首都高経由の700円に対してインセンティブを与えるためにわざと500円に設定しているという特殊要因があるわけで、首都高経由と比較すると割安感すら感じるわけです。

で、今回問題視した事例はまさにターミナルチャージの二重どりの部分です。
特に片方、もしくは両方の利用がごく短距離の場合、対距離での賃率との乖離が平均以下という意味での乖離以上に大きくなるわけです。このあたりは鉄道でも同じ問題があるわけで、自社線内は120円~150円と割安なんですが、他社と合算すると途端に並行各線との競争力を喪失する神戸高速なんかその典型でしょう。

●南阪奈道

ではどうすればという部分ですが、ベストはやはり南阪奈道との行き来は無料とすることですが、そうなると松原寄りにある美原北からの利用もお相伴で無料にすることになります。
次善は美原北とあわせて特定料金化。対応料金所は美原北ICとたじはやTBだけであり、対応は可能でしょう。ただ、美原JCT~たじはやTB(実際には阪和道上下からのランプウェイの合流地点がTB)で、松原方面と堺方面の車線を完全に分離し、かつどんな閑散時でも2×2の4ブース開けないといけない問題がありますが、基本的にTCを何度も取られる南阪奈道限定サービスとして可能です。

それにしてもTCの単純加算はなんとかしてほしいですね。
管理者の違いは分かりますが、阪神高速、阪和道、南阪奈道(大阪府区間)、南阪奈道(JH区間)と単純加算ですから。

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その南阪奈道路を走ってみて

投稿者---エル・アルコン氏(2004/05/16 01:19:58)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

その南阪奈道路、ようやく利用する機会を得ました。

阪神高速松原線から向かいましたが、松原JCT手前ではそのまま道なり真っ直ぐの西名阪や、分岐する阪和道、近畿道の文字は目にしましたが、南阪奈道は無し。西名阪のバイパス効果を謳うのであれば、ここで誘導せずしてどうするつもりでしょうか。

阪和道から美原JCTで南阪奈に入るとすぐたじはやTB。美原からおよび阪和道堺方面からと完全分離していますが、これは松原方面からのみ阪和道の500円を併合授受するためです。そうなると松原-美原で500円と割高感が強いこともあっての利用低迷が囁かれていますが、松原JCT以遠からのクルマを峻別して料金徴収が可能ならば、割引もいかようにも可能なはずですが、現在はJH区間同士の連続走行に限り、ETC専用割引があると言うだけです。
料金問題は、美原JCTのすぐ北の美原北までに無割引としているだけに、それとの整合性が取れないこともあるのでしょうが。

ガラガラの道を進みますが、羽曳野で大阪府区間が終わると何と対面2車線に。利用に見合う施設ということでしょうが、これではただでさえ価格競争力で劣る西名阪に対する競争力がさらに損なわれます。
太子の本線TBを過ぎると竹内TNで府県境を越えますが、この勾配区間、高田方面からの西行きの一部に登坂車線があるだけでは、低速車に押さえられて速達効果が出しづらいのです。

皮肉にも「南阪奈道路」が終わり、大和高田BPになると4車線となり、そのまま橿原市小房のバイパス終点まで高架の高規格道路が続きます。もっとも、無料区間に入ったため交通量は格段に増えるのも皮肉です。

***
多難な船出の感がありますが、実力は充分です。
西名阪から地道の国道経由だったのが、橿原まで自動車専用と言うのは大きく、今回は奥吉野から熊野を目指したのですが、大淀の道の駅まで1時間程度と効果は大きいです。さらにR169伯母峰道路の改良・供用などもあり、意外に早く熊野灘に至ることが出来たと言うのが感想です。

その意味でも、奈良県中部への高速交通というのと同時に、奈良県奥吉野地方や三重県南部へのアクセスとしても効果が高いわけで、この道路の活用・運営が問われます。


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