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(過去ログ-料金制度・ETC論-No.)

〔ETC〕起こるべくして起きた死亡事故

投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/11 13:25:43)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

なんともはやと言う事故が発生しました。

料金所で係員が不意に横断したといういわゆる「ヒヤリ事故」や、実際に接触したという例はこれまでもありましたが、死亡事故は初めてです。
ただ、亡くなった方には申し訳無いのですが、ETCレーンを横断するという時点で危険極まる行為ですし、幅3メートルに過ぎないレーンの横断で、かつノンストップとはいえそれなりに速度を落としている車両に轢ねられると言うことは、トラックが目の前に迫ったタイミングで飛び出したとしか考えられず、通常レベルでは考えられない事故です。
ましてや料金所の職員という「プロ」の所為と言う点を勘案すると、安全意識の欠落と、管理者である公団側の労働災害防止という観点での安全対策の欠如は強く問われるものです。
特にこれまでも職員の横断による事故や「ヒヤリ事故」が現実に発生していることを踏まえると、クレーンの「玉掛け」のように、「吊り荷の下に入るな」というような「イロハのイ」レベルの安全教育に属する分野であり、それが周知徹底されていなかったという重大な落ち度が指摘出来ます。

今回の「事故」で懸念されるのは、ETCレーン通行時にこの手の突発事態を想定することをドライバーに負わせる、つまり、横断者があるので徐行しないといけない、というような規制を事実上課す方向になることです(現実の規制及び、今回の事故の刑事裁判での責任認定)。
ETCの本旨は、その区間における規制速度でノンストップで走れるということであり、料金所でもランプウェイにおける規制速度で通過して当たり前なのです。
確かに「20km規制」が現実にありますが、これは交信不良に因る急停止起因の事故防止という側面があえうわけで、残念ながらその発生の予測がお互いに不可能なことから止む無く実施されていることです。しかしながら「料金所でのレーン横断」については、本来あるはずの無い話であり、実際、公団側も緊急時等に限定し、かつETC車両の通行の妨げにならないように十分注意するとしているわけです。

これを考えますと、本来は、公団側が「起こしてはいけない事故」として再発防止を公告しても良いレベルの話です。

安全管理の根本が問われる事態

投稿者---エル・アルコン氏(2003/12/24 13:18:42)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

9月の阪和道和歌山ICでの事故を受けてETCレーンにおける料金収受員の安全確保について道路局長通知がなされ、関係各公団・公社に周知徹底が図られたはずですが、12月21日に東北道浦和本線で同じ死亡事故が発生しました。

さすがに3ヶ月あまりでの再発とあって、今回の通知では、「極めて遺憾」とありますが、通知別紙の事故概要を見ると、作業手順における安全確保が根本からなっていないことを痛感させられます。

和歌山ICでの事故と異なる点として、まず本線料金所の専用レーンということで、通常以上に高速であるわけですから、収受員はそのことを十二分に認識していなければいけないはずです。
例の「20km規制」にしても、通信異常への対応であり、その規制はあくまで開閉バーが開くまでという前提になっています。

さらに、事故直前の状況を見ますと、下り線の閉鎖レーンの開放作業を行い、上り専用レーンの異常発生車(カード挿し忘れ)へ対応するため、下り線の一般レーン、専用レーン、上り線の専用レーンの計3レーンを横断しています。
この時点で論外なのですが、さらに異常発生車を左隣の閉鎖レーンに誘導せずに、右隣の専用レーン(事故発生レーン)を横切った右端の閉鎖レーンに誘導しており、最悪の場合、異常発生車と事故車の衝突の可能性すらあったわけで、この誘導においてどういう安全確保がなされていたかも問題です。

しかも右端の閉鎖レーンに誘導する合理的理由があればまだしも、異常発生車の決済処理は異常発生車が当初入った専用レーンの左側の閉鎖レーンのブースで行っており、専用レーンを都合2回横断したことになるわけで、もう論外というか滅茶苦茶です。

ちなみに以前阪神高速神戸長田ランプでETCレーンの一時閉鎖に遭った話をしましたが、その際はレーン内安全確保のために係員がレーン手前に表示を持って立って誘導しており、その意識には雲泥の差を感じます。

***
今回の事故でも当事者である運転手は業務上過失致死の疑いで逮捕され、実名報道までされていますが、通過が本則の専用レーンでの飛び出しでの逮捕、ましてや起訴されたとしたら不当以外のなにものでもありません。
特に料金所レーン内では走路が固定されており、自らと別の収受員を犠牲にしてブースに激突しない限りハンドル操作で回避することが不可能です。

それを考えると、ホームからの転落、飛び込みと言う事態について、ETC専用レーンでの収受員の飛び出しよりも可能性が高く、予見性があるにもかかわらず、回避不可能事として罪に問われることがまずない鉄道よりも、運転手に対する責任追及は軽減されて然るべきです。

死亡事故だからと逮捕するというのも・・そもそもどちらの過失が重い?

投稿者---Tom氏(2003/12/24 22:50:29)

本件、逮捕自体が「不当逮捕」ではないでしょうか。
一般道路の死亡事故の場合、どのような理由であっても運転者の業務上過失致死罪は免れません。

しかし、「高速道路上の通過が原則のETC専用ブースで」「それなりの訓練や知識を持ち高速道路に関わる仕事をしている人間」が不注意な横断をすること、これをプロ意識の欠如、業務上の過失といわずして何としましょう?
そもそも、ETCブースは国が通過を前提でシステム設計しているものです。それも当初は40キロで。それを、「緊急時に人が横断することがあり得ることを想定しろ」とはまことにもって変な話です。
この辺は、国土交通省と警察庁の連携のまずさが伺えます。この運転手が長期拘留されるようなら人権救済の申し立てでもするべきではないかと考えます。

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JHは注意義務に関する責任転嫁をはじめた

投稿者---エル・アルコン氏(2003/12/24 13:18:42)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

道路公団は本件に関してドライバーに責任転嫁をするようです。

緊急時等、料金所係員がやむを得ずETC車線を横断させていただく場合がありますので、十分に注意して通行してください。

とありますが、以前は

緊急時等、料金所係員がやむを得ずETC車線を横断させていただく場合があります。その際はETC車両の通行の妨げにならないように十分注意して横断いたします。ご了承下さい。

という文章でした。
後者の文面だからこそ前回の書きこみでここをリンクにしたのですが、いまリンクを辿ると前者になるわけで、道路公団側が急遽改変したことを証明しています。

***
改変前と後では文意が全く異なることは言うまでもありません。
係員のETC車線横断というイレギュラーな事態に対し、イレギュラーな行動をとる係員側が十分に注意するという当たり前の話が、いつのまにか、本来の行動をとるドライバーが十分に注意するというのでは本末転倒どころの騒ぎじゃありません。

ハンドル操作による回避すら出来ないという本線上よりも条件の悪い場所で、あってはならない、もしくは事故回避の注意義務を十分につくすことが求められて当然のレーン横断におけるこの「改変」が示すものは、公団側の安全意識が「プロ」として恥ずかしいレベルにあることを如実に示しています。

●「書き換え」は道路局長通知違反では

ちなみに昨年12月21日に出された道路局長通知では、国民、即ち利用者に対して安全対策を求めるのではなく、「再度安全対策の徹底を図るため、別紙1のとおり道路関係4公団あて指示しましたのでお知らせします。」というように各公団側に安全対策を求めています。

道路公団に対しての通知では、「料金収受業務における安全対策及び安全教育の再徹底を厳に図るとともに、下記の事項について本年中に報告されたい。」とあり、その内容は、

(1) 今後の事故発生防止に向けた体制を構築するために必要となる安全対策・安全教育の計画に関し、
    料金所における安全対策の見直し
    収受員に対する安全教育の実施
   実施者、対象者、実施時期、具体的な内容について計画を策定すること。
   なお、計画の実施状況は逐時報告されたい。

(2) このような安全教育の不十分な料金収受会社に対する公団としての指導方針

 

となっており、昨年中にこれらの対策が策定されて道路局に報告されているはずです。

***
然るに、それを受けての今回の「書き換え」では、利用者に対して、これまで示していた「その際はETC車両の通行の妨げにならないように十分注意して横断いたします。」を削除という、道路局長通知が求める「料金収受業務における安全対策」とは到底思えない、いや、後ろを向いた感のある対応をしたわけであり、公団はもちろん、対策についての報告を受けたはずの道路局はこれを何と見るかが問われます。

JH自らのネガティブキャンペーン??

投稿者---エル・アルコン氏(2004/02/04 18:36:26)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ETCレーン通行時の心配時といえば「バーが上がるか」というものですが、最近バーが短い、というかバーと言うより標識というか腕木のようなバーになっている料金所を見ます。
心理的圧迫感も無く、それでいてきちんと開け閉めするので反応の有無も分るのでなかなか良いなと思ってたら大きな穴があったようです。

この短いバーはJH関西支社による試験運用ですが、バーという物理的障壁が機能しないことを悪用して無賃走行をする手合いが出ているそうです。
駅の自動改札機でも無人化されたのをいいことに強行突破する手合いが見た目明らかに増えていますが、ETCレーンにおいても同様の推移となると、利便性をある程度犠牲にしないといけないのか、と言う暗澹たる思いに囚われます。

ただ、本件で問題なのは、本来料金所を強行突破した場合、ナンバーを読み取っていることから容易に捕捉が可能なはずですが、実際にはセキュリティホールがあったと言うこと。
これでは話にならないわけで、公団の厳正な対応と迅速な対策が必要です。

***
それにしても思うのは、無人かつノンストップというETCの将来像に対して、ノンストップの阻害となる係員の無思慮な通行を追認するような規則変更に続き、無人化の結果として不正通行も招き入れるようなザル同然のレーン運用を行っていたとなると、ますますETCの根底を理解しているのか、それともまさか普及を阻害したいのかとも疑わせるような公団の対応と言わざるを得ません。

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3度目の死亡事故に見る安全意識の欠如

投稿者---エル・アルコン氏(2004/06/15 10:14:34)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

先月の話ですが、3件目の事故が発生しました。
阪神高速池田線の空港本線TBで専用レーンを横断した収受員がはねられ死亡したものですが、東北道浦和本線TBでの事故同様、運転手が現行犯逮捕されています。
事故の形態としては変わった点は無く、単純な「不法横断」起因の事故ですが、運転手の供述に「かなりの速度で止まりきれず」とあることから、レーン内の「速度規制」を楯にとっての逮捕と思われますが、本来起訴猶予にすべき案件です。

ただ、繰り返しになりますが、「高速道の本線」に準した存在である専用レーンを不用意に横断するケースが、前回の事故から半年近くたっても事態の改善が見られていないことは、道路管理者と安全管理者の安全に対する意識が相当欠如していることを示します。
これがまさか、ドライバーに責任を転嫁しているから、横断しても大丈夫と言うような言語道断の感覚が現場に蔓延していないことを祈るのみです。

「妥当な判決」に運用者側はどう応えるか?

投稿者---551planning(2005/03/20 19:18:42)

3件目の死亡事故の判決が先日出されていました。というか、これにスポットを当てた讀賣記者に拍手でしょうか。

判決文そのものを読んでいるわけではないものの、記事から推測するに事故から約10ヶ月を経ての判決ということで、被告側が被害者側の過失認定で争ったのかもしれませんが、事故発生時に70~80km/h出ていた点を重く見て、制限速度を大幅に超えており「被告の責任は軽視できない」としながらも、ブース内原則通行禁止であることや現場には高架式の安全通路があった(後掲記事参照)ことなどから被害者側の落ち度を指摘、実刑求刑に対し執行猶予付きの判決としています。

くしくも判決前日の記事ですが、本件事故後阪神高速では原則横断禁止・止むを得ない場合レーン閉鎖とする“新たな”ルールを設けた結果、事故はなくなったとされています。一方で公団は業務委託先である収受員の労災事故に直接責任は負わないことや、一方で料金所・ブースの設置者である公団に安全対策が義務づけられていないといった問題も指摘されているように、実際には運用面に依っている状況に変化がないように受け止められます。
ともあれ運用者側が本判決にどう応えるかが注目されるところです、いや、応えてもらいたいですね。

#なお、前2例の司法判断がどうであったか追えないのでなんともですが、確かにETCのそもそもを考えれば本判決の「減速と安全確認があれば防げた事故」と言い切るのもどうかとは思います。しかしながら、当初報道だけで「起訴猶予にすべき案件」「ドライバーに責任を転嫁している」等と論じるのは危険ということを、肝に銘じておきたいと思います。

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〔ETC〕安易なレーン閉鎖が招く利用者の危険と損害

投稿者---エル・アルコン氏(2004/03/29 20:51:37)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ETCレーンがあるのに閉鎖されているケースが目につきます。
個人的な経験では六甲山トンネルの他、阪神高速で森小路から入り南芦屋浜本線を経て魚崎浜に行く間、森小路と南芦屋浜の両方とも閉鎖されていたことがあります。枝線の入口である森小路はともかく、本線TBである南芦屋浜の閉鎖扱いは?でした。

もちろん誘導された一般レーンでETCカードによる手渡し精算が可能なのは言うまでもないですが、ETC利用者のなかには、ETCが使えないと勘違いして現金精算をすることも充分考えられます。
こうなると本来「前割」で50,000円なら13.8%の割引が約束されていたはずなのに、そのメリットを放棄させられた格好になるわけで、兼用/専用の如何を問わずレーンが閉鎖されている状態で「利用者の勘違い」というのも酷な話です。

さらに、最近増えてきた分離型車載機の場合、ETCカードを収納した車載機本体が運転席から離れているケースも考えられます。もちろんノンストップ非対応ICへの乗り入れを考えたら、カード手渡し精算という行為が想定出来るわけで、運転席にいて操作できる範囲に装着すべきなんでしょうが、とは言っても前方確認をしながら操作が出来る(建前上は禁止されていますが)一体型と違い、分離型は手探りで探し当てられなかったら目線を完全に外すしかない前提と手渡し精算が根本的に相性が悪いことをもう少し認識すべきです。

手前のPA、SAなどで対応と言う手もあると思いたくなりますが、今後増加すると思われるフリーフロー型の出口ETCや本線ETCを考えると、途中での着脱はしないことを前提にするべきであり、さらにノンストップで通れると思っていたらいきなり「閉鎖」となった時のドライバーの心理を考えると、無用の混乱を招くだけです。

※先日解消されましたが、阪高北神戸線から新神戸トンネル経由で神戸線に乗り継ぐ場合は、箕谷出口で出口ETCの認証を受け、すぐに新神戸トンネルの手渡し精算と言う、まさにこの手間がデフォルトだった。

現在非対応のICや乗り入れ先の有料道路での普及も今後は進むでしょうから、そう言う意味での手渡し精算は減少するでしょうが、一方で整備区間でも多々見られるETCレーンの安直な閉鎖については、機器の故障のような必要止むを得ない理由が無い限りは禁止すべきです。
係員の違法横断による重大事故の対策を「20km制限」というように利用者に転嫁するような本末転倒な対応をする体質が、利用者に損失や危険を招く不当なレーン閉鎖を放置しているといっても言い過ぎではないでしょう。


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