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羽田空港アクセスシリーズ

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(過去ログNo.)
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東空交PASMO本格対応開始&SuperCabin乗り比べの記

投稿者---551planning (2014/03/20(Thu) 11:19)

PASMOサービスがスタートしたのは2007/03/18、それから丸7年を経て遂に、東京空港交通が交通IC決済サービスを本格開始しました。

昨年04/17付リリースにてパブリックコメントを募集、今年01/21から羽田空港行6路線でのプレ導入を経て、本格開始においては羽田・成田発着とも大半の路線で導入に…とはいえ種々制約付きの導入ともなっており、苦労の跡が伺えます。
単独運行のホテル系統では空港発のみの導入で、ホテル発はホテルフロント現金払いのまま。羽田~東陽町・錦糸町・浅草線のように、東陽町駅のみ双方向IC対応という“並存系統”も存在します。そしてそもそもの部分でもありますが、両空港およびTCAT・新宿駅西口ではチケットカウンターでタッチ決済・発券というスタイルとなっており、PASMO登場時から羽田路線で順次拡大していた京急系の時刻指定券発券→乗車時タッチとは若干異なるスタイルに。そのためか、羽田で京急主管となっている渋谷線・吉祥寺線・幕張千葉地区線は少し遅れて04/01導入開始となっています。

本格導入開始となった03/18、羽田・TCAT・成田での状況をさらり実見までに-なお移動には、昨年11/01に初代8両が運行開始も『更なる高付加価値サービスを追求すべく、インテリアを含めた進化を図るよう諸々準備して参ります』と進化が予告され、去る03/07に満を持して4両がデビューした“新空間SuperCabin”をチョイス、初代との乗り比べと洒落込んでみました。


■TIATはカウンターも非対応~羽田空港

春一番が吹き荒れた03/18昼前、先ずはTIATへ。特段案内表示等はなされていなかった2Fチケットカウンターでさらっと確認すると「時刻指定券を発券します」と案内される。ん?と思いつつのりばに向かうも、こちらも特段の案内はなし。ポーター氏に聞いてみると…「国内線ターミナルのみ対応なんですよ、国際線ではカウンターでも現金のみです」との由。
PASMO 国内線2TBに移動、カウンターに向かうと、確か先月改修工事をしていた背面時刻ボードに、京急系ともども対応路線ののりば表示下に交通系ICカード全国相互利用のシンボルマークが追加されていた!とはいえ全体からしては小さく、カウンター脇にはチラシもあったが、その他には特段案内はなかったような。TCATまでのチケットを所望しICでと伝えると、白い箱型のマルチリーダーをごそっと取り出してタッチ。確認画面にはオレンジなクルマが表示されていた。発券される乗車票は現金払いのものと同一だが、券面にICの文字が加わっていた。
のりばに向かうと先発の川越行イーグルバスが停車中。実は川越線はイレギュラーで、空港行便のみ共同運行の東空交・西武便だけIC対応、空港発は全便非対応というスタイルに。空港連絡バスとともに、PASMO導入も新参系には高い壁となっている一端を示している。当方乗車はTCAT行、入線前にポーター氏が本日よりIC対応開始、ただし現金同様事前にカウンターで発券をとの旨アナウンスしていた。PASMO

■羽田行は遺失物取扱所にて~TCAT

乗車したクルマは運賃箱付きも、ICリーダー部分にはカバーが掛けられていた。対応車両には車内にシンボルマーク掲出ともされていたが特段なかったような。
スーツ姿を中心に乗客20人以上で出発、都心部を中心に首都高がかなり詰まっている様子、9号深川線の渋滞も福住降り手前で然程影響なく気持ち早着にてTCATへ。羽田行は1F自動券売機売りとなっているが、ICカード発券は脇の「遺失物取扱所にて」となっていた…外国人観光案内所と同居したオープンカウンターとなっているので、「観光案内所にて」のほうがスマートでは?なんて。
成田行は3Fカウンターにて、こちらには大きなポスターでIC対応開始をアピール、カウンターにもシンボルマークとともに羽田と同じマルチリーダーが鎮座していた。03/31発売終了予定の当日(日帰り)往復割引を所望、こちらは往路は定額の2900円を支払い、当日往復証明証と往路領収券を成田カウンターで提示すると復路は500円で済むというスタイル故、往路のIC支払は可能かと聞いてみたものの現金のみでの設定、IC支払は通常片道運賃のみとのことであった。

■各カウンター複数窓口中各1か所のみ対応~成田空港

TCAT14:00発便は東京駅八重洲口始発で外国人10人弱が乗っていて、更に15人以上が加わった。都内では陽が差していたものの、千葉市内から佐倉にかけてはどんよりとした曇天模様に。成田はどうかと思いきや再びの晴天、ただし一貫して風は強く、滑走路は土埃が漂っていた。PASMO
成田のカウンターは両ターミナルとも複数か所に分散しており、それぞれ複数の窓口を持っているが、各カウンターとも1か所のみでIC対応となっていた。こちらもカウンター縦置きのシンボルマークが目安となっていたが、2TBでは吊り下げ案内でもアピール、これは判りやすい。
実は当日訪問時には気付かなかったのだが、京成系もこの日から13路線(うち甲府線、熊谷・深谷線は千葉交通主管)で決済開始。ただし空港行便では非対応となっているほか、東京シャトルも非対応となっている。ちなみに、京成ともども背面時刻ボードにシンボルマークは入っていなかったかと。

SuperCabin

【SuperCabin乗り比べ】

今年12月で創立60週年を迎える東空交が、車内空間の更なる快適性追求としてトイレ付10列補助席なし38人乗りを投入したのが昨年11/01-「おもてなしの空間」と「くつろぎのひととき」を提供する“SuperCabin”は成田路線中心で28便に投入されているが、冒頭に記したように含みが持たされていたところ、去る03/12“新空間SuperCabin”投入のプレスリリースが!しかも「03/07にデビューさせました」とまさかの事後報告…。
とはいえリリース画像からして、コーポレートカラーのオレンジを随所に配した内装はなかなかの拘りようが伺え、文字通りの新空間となっている様子。これは乗らない手はない、どうせ乗るなら-と、初代と乗り比べてみた次第。

SuperCabin

TCATからは初代に乗車、出発後に運転手氏からこの車両が座席幅広車である旨、ただしそのため通路が狭くなっている点は御容赦を-との肉声案内があったのは好感が持てた。加えて強風のため車体が揺れるかもとの注意喚起も。湾岸線から東関道でも基本的にキープセンターで確実な走りっぷり、きっちり定刻着となった。
なお初代には羽田→新宿で乗車済みだったが改めて1時間のトリップにて「余裕のあるシートピッチ、快適な空間を提供」「大柄な外国人の方でもゆったり座れるワイド座席」の体感は、大柄な当方的にはあまりピンとこないというか…ま、道中の半分以上記憶が無いというのがいちばん正直な体感というかフィット感なのだろう。

SuperCabin

で、帰路にいよいよ新空間体験。現れたバスは初代同様側面と背面に小さなロゴがついただけで外観からは判別し難いが、乗り込んでみるとヘッドカバーのオレンジが目に飛び込んでくる。近年の車両標準オプション仕様にもなっているとみられる木目調フローリングとあいまって車内がぐっと締まった感じがする。
シートピッチはやはり広々、とまでの感覚はないものの、「機内同様」というには小振り過ぎるもののこちらも標準オプションと思しき背面シートテーブルのおかげで、初代ではドリンクホルダーが邪魔してポケットに折り曲げて入れざるを得なかった車内誌Viaなどもそのままに収まっている。そして「進化したトイレ空間」は一目瞭然!言ってしまえば化粧板でこうも変わるか、ということにもなろうが、車内カーテン然り、小物にも気を配るだけで車内空間は文字通り進化できるのだと実感させられる。
SuperCabin 当方は元来あまり使わないので初代では試さなかったが、新空間での座席リクライニングは思ったよりも倒れなかった。シートピッチと相まってもともと少し寝かせた感じにも思われる分、倒す必要は然程ないのかもしれない。個人的にはリリース画像にあったカーテン全閉シチュエーションとしての成田深夜便充当なんかについ期待してしまうのだが…。あと、初代では通路側双方の座席横にグリップが付けられていたのだが、こちらは運転席側列のみとなっていた。行便運転手氏がアナウンスしたように通路の狭さに関する指摘でもあったのだろうか?

その意味で、帰路の運転手氏からSuperCabinの旨のアナウンスがなかったのはちと残念。アグレッシブながら安定感のあるハンドル捌きで湾岸線浦安カーブを頂点とする渋滞を避け“浦安降り新木場上がり”も繰り出してTCATには定刻5分延での到着と実直さは伺えたのだが。
マイクアピールは必ずしも万人受けするわけではないが、となると初代含め道中前面モニターでは日本の四季のイメージ映像ほかが流されているのだがノーマル車と同じ構成で、知らずに乗った人が車内でこのクルマがSuperCabinであることを見出すことは難しい。「更なる高付加価値サービスの追求」を目指し「旅の始まりと終わり。空港まで、空港からの旅路は海外旅行の一部であり、思い出の大切な1ページ」に華を添えるべくの意欲作なだけに、より積極的なアピールを期待したい…いや、それとも遠からずのうちにある程度の普及≒“いちいち謳わなくても当たり前の存在”という可能性も有りや無しや?『まずは都心のホテルを発着する路線で使い、順次増やしていく計画』とも朝日記事にはあったけれど…(そういえば初代ともども運賃箱なしであった)。

 

IC対応に話を戻すと、消費増税を目前にし、空港連絡バスの運賃改訂案内も出揃いましたが、概ね100円単位でキリ良かったものがほとんど10円単位となり、今後は運賃収受に気を使うこととなりそう。東空交関連路線は窓口販売が主とはいえ羽田路線を中心に車内収受も増えており、小岩線や津田沼線など京成共同運行路線の中には痺れを切らした感じ?で京成車空港行便のみ2009/03にPASMO対応していたという例もあったところからすれば大きな前進と感じられます。
とはいえ、致し方ないとはいえ制約が多いのもまた事実。折角の決済省略ツールも窓口対応では何ら変わりのない話、せめて羽田では定着しつつある自動券売機でのIC対応にも期待したいですし、従来の紙券回数券等に代わるIC割引などによる誘導策といったポジティブな展開があってもとも。

SuperCabin

SuperCabinについては、新空間車両が1つの到達点なのだろうと感じつつ、であれば初代投入はちと先走りだったのかな、なんて。あと、東京シャトル/THEアクセス成田等LCB対抗策として見られがちでもありますが、10列38人乗り車両は東空交にとって嘗ての標準車両でもあり、海外旅行の大衆化と45/47体制終焉、その後の経済を中心とした内外情勢に伴う航空(アクセス)需要の変遷から各世代の東空交車両を探ってみるのもまた一興かな…まさにユーロツアーが去りゆく時でもありますので。


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