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(過去ログNo.)
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佐賀空港の逆襲?

投稿者---551planning(2005/05/27 10:27:40)

「最後の地方空港」と云われた能登空港が開港してまもなく2年。東京便2往復確保のための「搭乗率保証制度」なる“賭け”が成功し、低迷に喘ぐ地方空港活性化のモデルとしてもてはやされました。2年目も設定ラインのクリア=利用増が見込めているとのことですが、新鮮味が薄れる今後がまさに正念場になろうかと。

佐賀空港 能登空港の成功を語るときに対照的に扱われたのが、有明佐賀空港。1998年7月に九州本島で最後の「空港あり県」となったわけですが、その直後にスカイマークエアラインズが羽田-福岡線に就航したことで同区間の運賃が一気に値下げされたこともあり、利便性ともあいまって利用低迷が続くことに。県が団体客に対し助成金を出してまでなんとか…という苦渋の施策にも拘らず、伊丹線の一時減便や名古屋線の撤退といった話題ばかりがクローズアップされ、税金の無駄遣いの象徴とまでされていたものです。

しかしようやく風向きが変わりつつあるようです。きっかけは夜間貨物便の就航。2003年11月にANAが就航させた羽田-新千歳線に次いで、首都圏-九州間の輸送を担うルートとして佐賀空港が決定、国交省のバックアップ(24時間空港化していないところがミソ!)もあって、比較的スムーズに実現にこぎつけています。

更に行政の地道な取組みが徐々に搭乗率に反映され羽田線では7割を着実に上回るようになったことから、活性化組織を統一し、2004年10月からは大阪便乗継制度導入や、それに併せてレンタカーや乗合タクシーといった二次アクセスにもスポットを充て、利便性を前面に押し出したアピールへと変化したのが目を惹きます。そしてついにこの10月から羽田線3便化に到ることとなりました。

最大のポイントが佐賀発時間の大幅前倒しでしょうか。現行が09:20発(→11:00羽田着)であるところ、06:45発(→08:25)に。福岡空港の羽田便が07:10発(→08:40)、熊本空港が07:50発(→09:25)ですので、佐賀空港駐車場が無料ということ含め十分ウリになりましょう。それを見越してというわけではないでしょうが、先日には地元NPO主導で面白い企画(西鉄バス佐賀営業所から佐賀空港まで、福岡空港発高速バス便に接続する乗合タクシーを運行)も行われていましたが、行き帰りで空港を選択する潜在需要の存在を感じさせます。

当方は昨秋、「九州収穫紀行」の帰路に同空港を利用しました。
空港連絡バスに乗るため佐賀駅下のバスセンターへ。かなり前に立ち寄ったときには小汚い(失礼!)トコだったなぁと思っていたら、直前に改修工事が完了したそうで、白を基調とした随分綺麗さっぱりとしたスペースになっていました。屋内の待合スペースと屋外の発着バースの配置バランスや、コンビニ(ampm)を入店させての利便性と安心感醸成など巧みさが感じられます(何でもampmは佐賀県内唯一店舗とか!)。何でも「公募型プロポーザル方式」を導入、審査委員長はかの水戸岡鋭治氏だとか。

佐賀駅BC佐賀駅BC佐賀駅BC

市営バスや祐徳バス・昭和バスなど佐賀県勢事業者と、かの「わかくす号」等西鉄バスを眺めているうちに、市営バスの空港行きが入線…なかなか年季が入っている様子。ちなみに空港は有明海沿いの川副町内。市営バスは周辺町にも路線を広げています。
パラパラと集まった15人ほどが乗り込み発車、駅前通りを南下して県庁前でも2名が乗車。さすが1日2便とはいえ(だからか?)利用客あるなぁと思っていました。バスは急行運転で、主要停留所のみの停車。と、市街の外れとなる袋入口で早速の降車。 佐賀空港 更に小々森・咾分で降車が続き、気づいてみれば残るは5名…最後は漆黒に包まれた干拓地をずんずん進み、遠くから光の集まりが大きくなってくると空港に到着です。駐車場も結構埋まっているように見えます…奥にYS-11が展示されていると聞いていましたが、暗闇で確認できず。なお、貨物ターミナル増設の関係でこの5月に公開を終了した由、その後どうなるんでしょうか。

ターミナルビルはさすがに横には小振りながらも3階建てで大きな吹き抜けや各階の天井高も高くとられるなど大層ゴリッパにも感じられます。1Fでチェックインをすると満席表示、2Fの出発ロビーも混み合っています。ただし、出発まで未だ小1時間あるものの3Fのレストランは出発前に閉まることとやはり“空港価格”のせいかガラガラ、2Fのショップを冷やかす人も多かったですが正直目ぼしい品物はなく…。
そのうちにセキュリティチェックが開始され、ゲート前には長蛇の列。早めに並んでおいて良かった…ただし搭乗待合室はソファがずらっと並んでいるものの手狭で、あっという間に人で埋め尽くされました。中の売店も少々物足りない感じは残念。そのうちに搭乗ゲート前に人が溜まりだしてようやく機内へ。A320に押し込められて出発、西方から暗く沈んだ有明海を横目にテイクオフ、視界には大牟田・荒尾の灯が広がっていったのでした…。

 

改めて地図を見ると、佐賀市南方ながらほぼ同じ距離で東方には柳川があり、久留米や大牟田などの市街地もそう遠くはありません。有明海を真っ直ぐ南下すれば島原もかなり近く感じられます。しかし道路環境的には、確かに九州全域から見れば鳥栖JCTが至近とあって貨物輸送には最適であるものの、旅客流動で見るに地域メインルートの長崎道からはかなりの距離があり、東方移動も筑後川河口が阻んでいます。地域高規格道路として有明海沿岸道路計画もありますが…。佐賀空港

こうした環境に注目する向きは多く、福岡空港の逼迫による新空港整備構想“論争”において佐賀空港は必ず“是非の存在”でもあったわけですが、下手に大風呂敷を広げる前に各種報道等でダメ空港の烙印を捺されてしまった印象が強かった中、開港から7年を経て着実にステップアップしつつあることを知るに、これからの行政の関与が問われることになろうかと。
JALが羽田-熊本間夜間貨物便計画を出すなど競争環境も敏感に変化しつつあり、今回の増便では伊丹線プロペラ化との実質相殺で着陸料収入が増えるということにはあまりならないともされていますが、またただ漫然と利用者補助をするだけではなく、2次アクセスやボーナスマイルといった需要喚起策から、観光需要限定というべき「能登モデル」に替わる、地方空港のあり方を問う「佐賀モデル」が生み出されることを願ってやみません。

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補足記事2題

投稿者---551planning(2005/06/07 12:36:17)

佐賀空港関連の記事が2題出ておりましたので、補足として紹介をば。

●地道な努力…

06/01付時事通信「官庁速報」アンテナ欄で『「一番乗り」効果に期待』と題され、東京3便化の記事が掲載。
開港後4~5年は利用率が伸び悩み苦境が続いたものの、その背景を始発便の遅さゆえビジネス客には使い勝手が悪いと分析、県は03年3月中旬に極秘に実地調査…それは朝5時から夜23時半まで、空港・交通課職員総出で佐賀駅からの福岡空港便利用客を目視カウントするというもので、結果始発便に28人の利用を確認、分析が裏付けられたことからANAと交渉を進め、ANA側も積極的な営業展開を実施し、04年度利用率は国内線トップレベルの74.9%を確保、ついに3便化に結びついたというもの。今後は利便性と安全性を図りながら、年間約2億7千万円(03年度)の収支ギャップの縮小が課題-とまとめています。

まぁ地道な努力であることは理解できますが、記事構成的にはちと無理な展開に引っかかりました。ともあれ、利用率向上への道程は平坦でなかったことが伺えます。

●先陣の利や如何に?

06/02付西日本新聞朝刊解説面「深く読む 核心に迫る、追う」で『実績伸ばす佐賀空港 夜間貨物便まもなく1年』と題された記事が掲載。
昨年7月の就航時400t/月の貨物取扱量が現時点では満載近い800t/月となり、県幹部も胸を張る。東京からはビジネス関連文書が中心、佐賀からは有田焼や農産物・魚介類も運ばれている由…ただし実に取り扱いの7割が福岡県内、半分が福岡都市圏発の貨物。輸送量は陸送の3割増~2倍するもののやはり早さが魅力のよう、トラックへのリミッター取付(03/09~)の影響もあったのだとか。
開港前予測で2000年には年間74万人弱を見込んでいた空港利用客は04年度実績で26万8千人。赤字経営の中、ANAから持ちかけられた夜間貨物便は初年度(1年半実績)3500万円もの収入をもたらすことになったそうで、JALによる熊本空港や佐川急便が意向を示す新北九州空港の動向を横目に、来年の名古屋便就航・羽田便貨物専用機化(現在1便あたり10t(×2便)の積載量が、1便だけで45tになる)を控え、航空貨物「大競争時代」に先陣として如何に実績を伸ばせるかが空港経営に直結する-とまとめています。

福岡都市圏の需要の深さは当然理解しつつも、個人的にはオール九州の潜在需要と佐賀空港の位置で考えていたため、逆にJALの熊本空港は熊本以南3県、新北九州空港も大分や山口などを見据えてある程度の需要確保も可能かな…とも思ってしまいました。さりとて主戦場は福岡であることは変わらないでしょうし、行政の立場として何が出来るのか、旅客のように目に見える利便性等のソフト戦略とは違い、アプローチや取り扱い場所といったハード面が求められることになる意味では難しいところかもしれません。

***
なお話はそれますが、確か新北九州発着のスターフライヤー(渋い機体を早く見たいですねぇ…)は、24時間空港を活かして早朝深夜発着旅客便を検討していたはず。佐賀は効率性等から貨物機に変わるとはいえ、ひとつテストで深夜旅客扱いを検討してもいいのでは? 2次交通はレンタカーが最低限対応できるでしょうし。無論羽田含め人員配置のコストが掛かるわけで単純にペイできるものでもないでしょうが、今飛べているものを使わない手はないと思うのですが…。

Re:補足記事2題

投稿者---あかみ氏(2005/06/07 15:20:03)

羽田側はたとえばスカイマークの深夜便などもありますし、極端に早い&遅い時間帯でなければ対応は可能ですね。
いま24h離着陸可能な空港ってどれだけあるんでしたっけ。

24時間空港の前途

投稿者---551planning(2005/06/08 10:33:23)

現状の国内24時間運用(可能)空港は下記の5空港ですかね。

   那覇空港 航空自衛隊と共用
   新千歳空港 1994.06~
   関西空港 1994.09~
   羽田空港 1997.07~ ※新C滑走路
   中部空港 2005.03~ ※新潟県中越大震災時に新潟空港が物資輸送受入で臨時運用

もともと成田を横目に新千歳が国際貨物ハブを目指して開始したものの、当初あった国際線貨物便も数年で撤退(旅客チャーター便もあったかと思うが、98年以降実績はない由)、羽田がその地位を伺ってはいますが御承知の通り千葉との兼ね合いがクリアされておらず、その横から関空がフル活用による利便性向上を謳って2本目の滑走路をなんとしてでもと血眼になっている…と、下地造りはあれこれ進んではいると。
結果現状では夜間貨物便絡みで羽田と新千歳が稼動しているほかは定期の実績がなく、今後熊本と新北九州がそうなる計画ですが、熊本も周辺住民の反対があり難航も予想されるようで…今後の展開も不透明といえましょう。

その意味では「ムーンライト便」復活も夢のまた夢…かとは思いますが、確かにSKYの那覇線は盲点というべきでしょうね。であれば、現在旅客機を活用している羽田-新千歳・佐賀は試験的にやってみるのも、とつい。期間限定であればこそ逆に話題になると思いますけど…。

熊本空港夜間貨物便のダイヤは…!

551planning(2005/06/08 18:08:29)

丁度JALから発表されてました。

07/07からの就航、当面は週3便、11月以降デイリー運行をとし、併せて住民要望に応える形で離着陸時の騒音対策を採るとしています。最初はA300-600R(貨物積載量11t)、将来は(国交省リリースでは来年度から)B777(同15t 国交省リリースでは-200で同16t)への以降を視野に、往復20t/日の需要を見込む由。佐賀を意識してか『空港から高速道への容易なアクセスを利用し』との文言も見受けられますね。
注目はダイヤでしょうか! 羽田00:05→01:45熊本04:15→05:50羽田とは、ムーンライト便にはもってこいでは?…とまた夢想をば。セキュリティの問題は承知、羽田からの片道だけでもいいじゃぁないですか。ツアー狙いで週末だけでもやったら面白いと思うのですがねぇ。

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Re:佐賀空港の逆襲?

投稿者---あいごう氏(2007/07/13 18:53:34)

日本には現在、四大都市圏のうち九州を除いた成田(→坂東改称希望)・関西(泉州)・中部(常滑)といった第一種空港があります。
然るに、四大都市圏のひとつである九州にはいまだに存在しない。福岡空港も第二種空港であり、軍用空港をかねていることもあり都心に近いためこれ以上の拡張は望めません。
そこで北九州空港と佐賀空港のどちらかを第一種空港「九州国際空港」に脱皮すべく、強く望みます。

ですが、北九州空港へのアクセスは自動車交通に依存しており、都心からは比較的離れている。しかも、埋立地にある北九州空港を拡張化することは非常に難しい。
それに比べて佐賀空港は佐賀駅からは遠いものの、少し東へ行けば西鉄天神大牟田線の「蒲池」駅があるため、西鉄が少ない距離の分岐路線を建設するだけで充分だと思います。
しかも佐賀空港には充分、拡張できる要素(住民には失礼だが、土地が安いのと、遠浅のため海への埋めたてが可能)といった恵まれた立地条件があるので、そこを九州のハブ空港に昇格させることは可能です。

博多(天神)~佐賀空港間も1時間未満で結ぶこともできます。西鉄にとっても、初めて県外へ出ることができるのでメリットはあると思います。


ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

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