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阪神

【検証:近未来交通地図】Special023
2003「猛虎烈風」…こぼれ噺

 本投稿は、【検証:】掲示板でもお馴染みの、エル・アルコン様より当BBSに御投稿頂きました文章を、読みやすく構成させて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

「電車が一番や」なんだけど...
「クルマで行こう、甲子園」!?
六甲おろしに颯爽と・・・
(「伝統の一戦」での甲子園輸送を見る)

阪神電鉄の収益の源泉は?

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

阪神

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「電車が一番や」なんだけど...
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/09 16:37:20)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─Re:「電車が一番や」なんだけど...

 プロ野球が始まり、阪神電車の各駅、車内にオマリーを使った「駐車場ありまへん。電車が一番や」というクルマでの甲子園観戦を控えるようお願いしているポスターが掲出されています。
 既に春夏の高校野球の時には、阪神をはじめ関西私鉄各社とJR西日本による「電車で行こう甲子園」キャンペーンが定着していますが、今年はプロ野球も大々的にはじめました。

阪神

 なぜにと言うと、実は昨春の甲子園競輪の廃止に続き、今春は阪神パークも閉鎖となり、今まで両施設の駐車場を流用していたのが出来なくなったという極めて現実的な理由があるからです。
 まあ阪神間や大阪、神戸あたりに住んでいる限りは電車の利便性や周辺道路事情、またビール片手の観戦を考えると言われなくとも「電車が一番や」ですし、概ね好意的に受け止められています。

***
 さて、人出が集中するイベントにおける公共交通誘導なんですが、今回の場合、特殊事情によるものとはいえ、駐車場が「無い」という思いきった施策に出ています。
 もちろん、周辺で商売としてやってる駐車場がある限りクルマでの人出は無くなりませんが、少なくとも主催者側はクルマでの観戦を切り捨てたわけです。

 ここで疑問なのは、阪神間、また大阪や神戸であれば阪神電車や阪神バス利用によるJR乗り継ぎなど便利な代替手段はいくらでもあるんですが、全部が全部そうではないということです。
 同じ西宮市域でも、六甲山麓や裏六甲に当たるエリアなんかは、直線距離だとたいしたことは無いですが、公共交通は少なかったり無かったりという感じです。
 例えば西宮市山口町、中国道の西宮北IC周辺のニュータウンですが、バスで西宮名塩か三田、また神鉄岡場に出て...となりますが、最寄り駅にクルマを停めてのP&Rとしても大迂回ですし、試合終了後に岡場や西宮名塩に戻り、と考えたら大好きなタイガースでもちょっと諦めざるを得ないでしょう。

***
 クルマを単に締め出すのではなく、どうやったら自然に誘導できるのか。クルマ利用と公共交通利用の境界点をどこに置いたら利便性を損なわずに移行させられるか。
 この場合でしたらP&R拠点を工夫して整備すればいいわけで、近場の利用を諦めさせるために甲子園浜や鳴尾浜といった少し距離があるポイントに駐車場を置き、バス連絡にするのです。
 阪神沿線程度でしたらバスで駐車場に出るくらいなら電車に乗ったほうがマシといった感覚であれば、それでも便利に感じるという本当に公共交通が不便なエリアだけを救済できるでしょう。

Re:「電車が一番や」なんだけど...
 投稿者---KAZ氏(2003/04/09 18:31:40)

 どうもです。

 阪神パークの閉園に伴って駐車場はなくなりましたが、今後この土地は再開発によってイトーヨーカ堂を中心にしたショッピングセンターに生まれ変わりますから、その時には野球観戦も視野に入れた駐車場整備がなされる可能性もありますね。国道43号線からすぐの土地柄で、ヨーカ堂S.C.は自動車での来店を意識したものになるようですから、何かしらの配慮はあるものと・・・。浜甲子園や鳴尾浜の駐車場は今でも使われているんじゃないかな?どうやって球場までアクセスしてるのか分かりませんが(笑)。

 それでは

「クルマで行こう、甲子園」!?  投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/07 10:27:16)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 以前、「『電車が一番や』なんだけど...」で述べた甲子園球場の公共交通利用キャンペーンですが、既述の通り甲子園球場周辺の駐車場の閉鎖に伴う措置という側面もありますが、このキャンペーンは案外浸透しているようで、阪神タイガースの快進撃もあって、平日の巨人戦以外の試合でも昨年までは考えられないような増発が出ていますし、大阪方面からタクシーが大挙遠征してきての客待ち駐車が問題になると言った予想外の副産物も出ています。

 ところがここに来てポスターで公共交通利用を訴えているオマリー特命コーチも呆れるような様相を見せて来ています。
 夏場を迎えて阪神電車の車内や駅に、とあるポスターが張り出されました。阪神尼崎駅前地下の駐車場の宣伝で、1日上限2,000円(15分100円)の値段を前面に押し出し、尼崎から甲子園まで特急で5分、急行でも6分と謳い、ご丁寧にも黄色い帽子と縦じまのハッピを着た野球応援のイラストを入れています(阪神球団の承認=ライセンス支払を逃れるためか、チーム名やマークが一切入っていない...)。
 絶好調の人出に指をくわえているのではなく、おこぼれに預かろうとする逞しい商魂といえばそれまでですが、これではせっかくの公共交通利用キャンペーンも尻抜けです。

トラばく進で利用台数増加 尼崎市営駐車場(07/11神戸)http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030711ke116230.html

 実は上記の過去ログで私は、電車利用が不便な層への配慮をとは書きましたが、臨海部からも山間部からも距離があり、しかも尼崎市の中心街とも言える阪神尼崎(R2に近い)でのP&Rは無理筋です。
 しかも呆れることに、この駐車場は尼崎市営、つまり、尼崎市がマイカーでの野球観戦を奨励しているに等しいわけです。
尼崎市のHPには、今年4月にまとめられた「環境宣言」があり、また2000年9月に環境マネジメントシステムのISO14001の認証を受けたことも記されています。「尼崎の環境」では交通公害の対策として、阪神7市によるノーマイカーデーなどの啓発活動に取り組んでいると謳っていますが、今回の駐車場の売り込みは、こうした施策と大きく矛盾するばかりか、国道43号線、阪神高速神戸線を舞台とした尼崎公害訴訟のお膝元の自治体として見識を欠くものといわざるを得ません。

尼崎市環境方針 http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/web/contents/info/city/city03/kankyo/kankyouhousin.pdf

 上記の神戸新聞記事では、「(引用者注:タイガースの)勢いをお借りして、市の財政再建にも弾みをつけたい」という尼崎市長のコメントを掲載していますが、いかがなものか、と思います

六甲おろしに颯爽と・・・(「伝統の一戦」での甲子園輸送を見る)  投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/29 01:08:50)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 18年ぶりの優勝にラストスパートの阪神タイガース。久々に甲子園に戻っての伝統の一戦、対巨人3連戦は緒戦が雨で流れた後は、逆転と本塁打攻勢の快勝と、散々だった長期ロードがウソのようで、強い阪神が戻ってきました。

 その勝利に沸く甲子園の帰り輸送を見てきました。
 21時過ぎに甲子園に着くと、派手な本塁打攻勢と大差に満足したのか終了を待たずに家路に向かう人で早くもホームは混み合っています。やはり家路の距離の関係か、早引けする人は圧倒的に大阪方面が多いのが印象的です。
 改札に回ると信号一回で50人程度が帰ってくる感じで、コンコースは閑散としており、ホームの混雑は12分ヘッドのせいでしょう。まさに嵐の前の静けさです。
 21時15分頃、神戸方面のホームには手持ち無沙汰の駅員が大勢。降車ホームには球場方面を凝視して人出を確認する駅員も。大阪方面ホームは混んでおり、駅員が先頭が空いていると案内しますが、広いとは言えないホーム、手を広げて落ちないように誘導しています。
 駅長室のほうから「ツーアウト!」と伝令?の助役が上がってきました。「『あと一人』やな」と軽口で迎えるや否や、「業務連絡 試合終了」の放送が流れ、にわかに空気が張り詰めます。と、球場のほうからジェット風船の音が響いてきたのはご愛敬です。

 上りホームには直特を待避する急行が入り、やがて山陽車の直特も入り、人波を飲み込みます。構内に列車番号を羅列する業務放送が流れましたが、これが今日の臨時のメニューのようで、列車番号、時刻、行き先(下りのみ)から、上りは6本の臨時特急、下りは3本の臨時急行が出るようです。
 下りの臨時急行になる車両が3番線に入り、上りには2000系の臨時特急がついに入線です。甲子園への道すがら、青木に2本、西宮に1本、甲子園に1本回送車が停まっており、順繰りに回ってくるのでしょう。ただ石屋川でスタンバイしているのはありませんでした。
 ホームの人は圧倒的に梅田行きが多く、ラッシュと重なるはずの神戸方面は案外少ないものです。終了後の直特初便は山陽車の東二見行き、虎マークの「姫路ライナー」を付けたなかなかレアな列車です。上りは8000系の臨時特急が入線。この列車から直特の直前に発車というパターンで、クロスの山陽車も入る直特の負荷を下げていますが、初列車だけは2本目の臨特の前走りとパターンが崩れていますが、なぜでしょう。
 上り急行は甲子園で直特待避ですが、さすがに普段はガラガラの急行も、混み合う特急系を避ける乗客が乗り込み、最終的には相当混んでの発車です。で、急行が甲子園に到着すると、実は先発の臨特に接続してるんですね、これが。
 その臨時特急は甲子園を出ると梅田までノンストップ。駅のパタパタ式の発車案内の「停車駅」のところには、直特ですら小さく「尼崎」と書いてあるだけのに、行先よりもデカイ字で、「次は大阪梅田終点」と書いているのも特徴です。そして8000系〜には助士席側の「虎マークサボ」、2000系は右腰に円盤状の虎マーク(ノンストップ)標識。虎マークサボは臨時急行にもついています。
 ところで、俗に言う「ジャイアンツカラー」の9300系や8000系リニューアル車ですが、臨特、臨急にこそ入ってませんでしたが、定期急行に入ってましたし、甲子園21時の下り直特に入っており、少なくとも定期列車では特に禁忌はないようです。

 階段の関係で神戸側が溜まりやすいので、駅員がひっきりなしに大阪側へ誘導しています。下り臨急は発車間際でも最後尾は空席もあるほどで、駅員も「臨時急行は一番後ろが空いています」と必死に誘導します。
 こうした鮮やかなダイヤと誘導を見るうち、前2本の高速神戸行きと違い三宮行きの3本目、最後の臨時急行の時間です。私はこれで帰りましたが、いやいや、手際がいいもんですね。ダイヤと駅員のマンパワーが上手く融合していました。
 優勝を間近に控え、しかも快勝の夜とあって、乗客もえびす顔というのも混雑の割にスムーズな印象を受けた一因でしょうが、スムーズに家路に就かせる甲子園輸送にも、駅に氾濫する黄色と縦縞の奔流同様圧倒されました

阪神電鉄の収益の源泉は?
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/10/29 17:22:24)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─阪神タイガースがなければ阪神電鉄はどうなる?
 └Re:阪神タイガースがなければ阪神電鉄はどうなる?
  └阪神電鉄グループの方向性

 阪神電鉄は10月28日に単独中間の経常利益が過去最高になる決算見通しを発表しました。
 もちろん原因は18年ぶりにリーグ優勝を達成した阪神タイガースの活躍で、鉄道運輸の売上と、電鉄本社の売上になる甲子園球場での売上が寄与したそうで、経常利益が前年同期比18%増の56億円で、見直し前の43億円に比べると減益見込みが一転大幅増益となった格好です。
 売上高も5%増の400億円で、特に鉄道収入が7年ぶりに1%増と、昨今不振を極めている在阪私鉄の中では一人気を吐いた格好です。

 リーグ優勝の効果はあらたかで、このほか百貨店など連結各社への波及効果もあるわけで、まさにタイガース様々です。やはりスポーツは勝ってナンボで、来年もまたその次も優勝を狙え!と思うのが普通の感情でしょう。
 ところが、今朝の大阪朝日のスポーツ面では、電鉄本社がはや補強費の削減を言い出したと報じています。まあ阪神としては毎度の話といえばそれまでですが、星野監督が大胆な補強策で戦力を整えて優勝したばかりなのに、フロントがそんなことだとすぐダメトラに逆戻りと結んでいました。

***
 電鉄本社の球団経営への認識はそんなモノ、ということで終わらせたいところですが、足元の阪神電鉄を「本業」を巡る状況を考えると、タイガースの帰趨が電鉄本体の経営を大きく左右する状態であると言う認識に欠ける気がします。

 JR西日本による12月のアーバンネットワーク改正の目玉が新快速の終日芦屋停車と快速の速達化であり、これは明らかに阪神間、特に芦屋で強い阪神をターゲットにしているということは素人目にも明らかです。
 一方、迎え撃つ阪神に有効な手段は見えないどころか、朝ラッシュ時、14分サイクルに2分雁行の区特、直特が来たあと12分待ちというダイヤで、新快速と快速で4分ヘッドのJRが相手では、勝負以前の問題と言うより壊滅的影響すら考えられます。

 間が悪いことに魚崎−芦屋連立工事の開始を控えており、現在朝夕に活用している青木の待避線への影響が必至であり、ただでさえ西宮−青木間に待避線が無いのがネックなのに、さらに速達列車中心にダイヤ編成が相当苦しくなることは必至です。
 劣勢著しい競争に晒されている阪神にとって、独自路線を築く頼みの綱は西大阪線の難波延伸ですが、30年以上前に計画を阻まれた九条地区の反対運動が再燃しており予断を許さないなど、明るい話題がありません。

 こうした状況下、鉄道輸送を底支えする期待の星、いや、頼みの綱はタイガースの観客輸送と言って過言ではないでしょう。タイガースの成績が輸送量や百貨店に大きく影響するという現実がある以上、もはや電鉄あってのタイガースではなく、タイガースあっての電鉄と言っても良いでしょう。そう、他社が不動産開発やダイヤ編成に工夫を凝らして乗客の増加を図っていることと、阪神にとってのタイガースの強化が同義なのです。

***
 適当に弱くてもそれなりに客が来るのは確かですが、強いと増える部分は大きいですし、それを無視出来るほど客を選べる状況ではないはずです。現実に優勝で輸送量増加と言う結果は出てますし、長期低落傾向のなか、固定費回収と言うことを考えると利用者の確保は何者にも替え難いです。
 観衆輸送にしても、甲子園から梅田、三宮とも個札は260円です。全線乗っても310円の会社でこれは大きいですし、目的地が甲子園なら山陽からも乗り通して来るわけで、直特のてこ入れにもなります。

 一昨年、4年連続最下位に終わった時なんか、夏休み後半あたりだと試合当日の夕方に各駅で来場を促す宣伝をしてましたが、それが今年は同じ時期、あまり入りが期待できそうに無い対横浜戦でも、終了後に大入りの時しか運転されない下り臨急が出るほどの盛況です。
 また、一昨年は甲子園で試合があっても青木に上り臨特用の車両がいなかったことがしばしばありましたが、今年は上下の副本線を両方使っての2本待機がシーズンを通してデフォルトでした。
 だいたい2本待機は一昨年はほとんど見た記憶がなく、昨年も初夏の失速後は巨人の優勝がかかった最終戦で見られた程度だったのが、それだけ観客=乗客が増えた証左です。

 タイガースは阪神電鉄にとって「金の成る木」というか、一蓮托生なんですが、その割には養生が足りないようにも見受けられます。
 リーグ優勝の時、一夜で全編成に記念標識を付けたのには驚きましたが、その後1ヶ月以上付けっぱなしだった反面、シリーズの時には特段の装飾もせず通常対応だったのもあり、ファンの熱狂ぶりとは裏腹の醒めた対応が見え隠れするのが気になります。

阪神タイガースがなければ阪神電鉄はどうなる?
 投稿者---TAKA氏(2003/10/29 23:30:01)

 エルアルコン様今晩はTAKAです。面白い記事読ませて頂いて有り難うございました。

 確かに阪神は日本で一番有名な私鉄です。私は根っからの関東人で鉄道好きなのですから関西の民鉄も知ってはいますが、一般的関東人で京阪を知らない人はかなり居ても、阪神を知らない人は居ないでしょう。その源泉は阪神タイガースです。何せ阪神タイガースを知らない人は居ませんから・・・(阪神タイガースと阪神電鉄の関係を知らない人はいるかもしれませんが)。
 それに阪神は民鉄の中で一番スポーツ興業と本業を上手くリンクさせた好例でしょう。阪神に客が集まれば甲子園球場の入場収入で潤い其の4万近い人数が阪神電鉄を利用し、勝てば連結対象の阪神百貨店が潤うというまさに「相乗効果」です。その点に置いては今年の阪神はまさしくスポーツ興業で儲けるビジネスモデルと言えます。

 日本のスポーツ興業でこれほど儲かるビジネスモデルを作れた所は、阪神・読売・ダイエーぐらいでしょう。西武も投資をして球団を強くして人気を集め、その上西武球場を所沢に作り球場収入と旅客収入で儲けようとしましたが、球団は常勝球団になりましたが、所沢という不便な所とパリーグという立場故観客動員数は伸び悩んでいますし、鉄道利用客も昔ほどではありません。又西武百貨店と西友が名前は一緒でも実質的に別グループですから、流通事業の収益が連結対象に跳ね返りません。そう言う点では二番煎じであるにかかわらず阪神ほど成功しているビジネスモデルとは言えないでしょう(沿線住民の私的にはこの頃「西武球場前」行きの電車を見る事がめっきり減った事で観客動員が落ちていると感じます)。

 以上の様に基本的にはエルアルコン様の意見に賛成です。阪神電鉄の経営にしめる阪神タイガースの役割は、阪神電鉄の社内の人間が思う以上に重い物なのではないでしょうか?それに関しては阪神電鉄は重く受け止め今後とも「阪神タイガース」のブランドを生かして如何にして電鉄グループの収入につなげるか考えるべきでしょう(しかし来年優勝してもこんなにフィーバーするのかな?とは思いますが、何せ阪神ファンは今まで優勝に飢えていましたから・・・。今年はそれが爆発したのでしょう。来年もそうなるかは厳しいのでは無いでしょうか?)。

 しかし確かに投資は必要ですが、これ以上選手の補強は今年は必要なのでしょうか?(私は野球は素人ですが・・・)今年の戦力はセリーグでは無敵の戦力でした。それ以上に何処かの球団みたいに選手を根こそぎ集める必要性はあるのでしょうか?今年は選手に給料を大盤振る舞いしないと行けないでしょう(何せリーグ優勝したのですから)。
 そこから考えると、来年の球団経営に取り人件費が大きく伸びる事は確実でしょう。しかし来年今年ほどの爆発的フィーバーによる大きな収入は望めるか疑問です。そうなると「今年は補強を控えて様子を見よう」というのも有りかな?と思います。只今年の優勝にうつつを抜かして放置しておく事は好ましい事ではありません。優勝という結果が付いてきましたが、ここ数年の補強の中で一番費用対効果が高かったのは星野監督の招聘です。今年星野監督以外の人で優勝したとしたらあれだけフィーバーしたでしょうか?そう考えると、経営と費用対効果を見つつ補強や投資を行うというのも必要でしょう。

 只阪神タイガースのない阪神電鉄は大手民鉄から滑り落ちると言う可能性もあります。幾ら阪神間を結ぶ会社としても、阪神タイガースがなければ神戸電鉄や山陽電鉄とそんなに変わらなくなってしまう様な気がします。それぐらいの危機感を持ち、長期的に阪神を強くする事こそ、阪神電鉄の生きる道ではないでしょうか?阪神タイガースは阪神電鉄グループ最大の資産なのですから・・・

Re:阪神タイガースがなければ阪神電鉄はどうなる?
 投稿者---くるりん氏(2003/10/30 22:08:16)

 こんばんは。
 エルアルコン様ならびにTAKA様、まったくそのとおりに感じます。
 私、別にどこの球団のファンではありませんが、阪神は黄色と黒の球団のイメージが強すぎて鉄道会社であることより先に球団の方を知った口の一人です。交通系ファンの私がそうだったからというわけではありませんが、普通の一般人はなおさらそういうイメージで見ている訳でしょう。

 それに阪神は民鉄の中で一番スポーツ興業と本業を上手くリンクさせた好例でしょう。阪神に客が集まれば甲子園球場の入場収入で潤い其の4万近い人数が阪神電鉄を利用し、勝てば連結対象の阪神百貨店が潤うというまさに「相乗効果」です。

 まさにそのとおりではないでしょうか。私の知る限り昔はセ・リーグではここに出てきた阪神と国鉄、名鉄、パ・リーグに至ってはTAKA氏が書かれた西武をはじめ、球団的にその前身である西鉄、近鉄に阪急、南海、東急といった会社が所持していた(あるいは現在も所持している)わけです。こうした鉄道会社は鉄道の相乗効果を見せようとして球団をもったわけですが、その中で阪神だけは関西唯一のセ・リーグのチームということもあり、やはり伝統のある常勝チーム・巨人と戦っていることもあってか、熱狂的ファンがついたのではないでしょうか?その結果、球団の相乗効果でもって鉄道(親会社)があるという逆転現象が起こっている、こんな珍しい鉄道会社・球団も珍しいのではないでしょうか。

 しかし確かに投資は必要ですが、これ以上選手の補強は今年は必要なのでしょうか?(私は野球は素人ですが・・・)今年の戦力はセリーグでは無敵の戦力でした。それ以上に何処かの球団みたいに選手を根こそぎ集める必要性はあるのでしょうか?

 スポーツ紙にはすでに投資戦略の凍結の報も見られるようになってきましたし、FA対象選手の年棒問題がすでに出回っているところからして、相変わらず地味な阪神グループの一面がでてきたのかなという気がしてきます。本来なら非常勤ながら球団に残った星野前監督が出てきてブレーキをかけるべきですが、現場には口出さないといっている以上、人件費などに関しても介入するかは不透明です。
 まあ、確かに前述のとおり、阪神グループの地味さは否定できない状況でしょう。他の大手私鉄に見られるようなバス事業の分社化はしていませんし、なにより傘下の乗合バス会社が石見交通1社のみです。運送業(阪神トラックなど)も全国展開とは程遠い状況ですし、なにより野菜の絵でおなじみの(笑)高速バスの進出度が4路線(この他に予約のみ受付が数路線)とあまりにも中途半端です。
 ということは、一番まともなのは鉄道と球団くらいに見えてしまうのも無理はなく、果たしてこれから岡田新監督率いる球団が活躍し、それにつられて電鉄・百貨店が上昇するかは未知数すぎるのかもしれません。

 果たして、久万会長はどう思っているのでしょうか。本当はこんなこと書いてはいけないかもしれませんが、まあ、高齢ですので、いまだに電鉄が球団を支えていると思っているのでしょうか?

 それでは

阪神電鉄グループの方向性
 投稿者---TAKA氏(2003/10/31 00:15:33)

 スポーツ紙にはすでに投資戦略の凍結の報も見られるようになってきましたし、FA対象選手の年棒問題がすでに出回っているところからして、相変わらず地味な阪神グループの一面がでてきたのかなという気がしてきます。
 本来なら非常勤ながら球団に残った星野前監督が出てきてブレーキをかけるべきですが、現場には口出さないといっている以上、人件費などに関しても介入するかは不透明です。

☆ 確かに選手のやる気を考えたら、優勝した以上年俸は大盤振る舞いするべきでしょう。そこはプロの世界なのですから成果主義が必要です。
 しかし戦力の増強はそれに加えての大幅投資が必要ですから、今の戦力と岡田新監督の戦力構想と投資資金を天秤に図りながらフロントが慎重に考えるべきでしょう。
 星野前監督は「老害」を何回も言いながら勇退したのですから、院政を敷く様に鼻から口を出すべきではありません。口を出すべきは久万オーナーが老害を出して色々と介入してきたきた時でしょう。其れまでは岡田監督とフロントに相談を受けない限りは任せるべきです(鉄道話とは関係有りませんがね・・・)。

 まあ、確かに前述のとおり、阪神グループの地味さは否定できない状況でしょう。(略)
 ということは、一番まともなのは鉄道と球団くらいに見えてしまうのも無理はなく、果たしてこれから岡田新監督率いる球団が活躍し、それにつられて電鉄・百貨店が上昇するかは未知数すぎるのかもしれません。

☆ 営業範囲が阪神間という狭い地域の一番狭い海側に制約されている状況から考えて必然的に他地域へ飛躍するのも難しいですから、阪神電鉄グループが地味になるのは致し方ないでしょう。その為に全国展開が中途半端になるのは有る意味で当然です。
 しかし今の阪神グループには小粒でも優良な資産も結構あります。阪神電鉄は都市間輸送ですから苦戦しているといえども効率の悪い路線ではありませんし、前述の様に阪神タイガースと甲子園球場は全国ブランドですしグループ経営にも大きなプラスになっています。また西梅田の阪神のビルにあるホテルリッツカールトンは関西一のブランドホテルですし、ホテル阪神自体も壊滅状態の大阪のホテルに比べたら地味ですがまずまずで採算性は悪くないです。それに加え阪神百貨店は大阪梅田店がその大部分ですが、店舗運営の効率性や採算性は経済雑誌のお墨付きの有料百貨店です(近々に西宮に出店予定ですし)。また不動産資産も侮れない優良物件が多いです。

 この様に考えれば阪神グループは成長性は別にして、決して侮れない物があります。しかし何処かに成長の活路を求めるとなると難しいでしょう。可能性があるとしたら資本関係があり直通運転も行っている山陽電気鉄道へ出資を強化して傘下に入れる事で兵庫県姫路地域へ進出する事ぐらいでしょう。山陽はやはり発展は頭打ち状態ですし、経営も芳しくはありません。出来れば神姫バスを含めて大グループを形成出来れば、展開はかなり違ってくるでしょう。なかなか難しいですが可能性としてはあるでしょう。持ち株会社を作りその下に電車部門の阪神と山陽(両方独立して)・バス部門を纏めた神姫・甲子園球場とその周辺施設+阪神タイガース・阪神百貨店+山陽百貨店(合併)がぶら下がり、グループ会社も合併・統合・整理して行けばかなり有力な企業グループが出来るでしょう。

 かなり妄想が入りますが、これぐらい大胆な策を打たないと、阪神グループは知名度はあり優良な会社も多いが小粒で地味で成長性に乏しいグループのままで終わってしまうでしょう。只球団経営にすぐ後ろ向きになる性質を直さないと難しいでしょうが・・・。星野監督を三顧の礼で迎えた位の覚悟を持って今後のグループ経営を考えないと生き残れないかもしれません・・・


阪神電鉄&山陽電鉄構想(妄想)
 投稿者---通りすがりの人tadachu氏(2003/11/03 21:09:51)
─Re:阪神電鉄&山陽電鉄構想(妄想)
 └Re:阪神電鉄&山陽電鉄構想(妄想)
 └阪神電鉄&山陽電鉄構想の返事
  └山陽電車沿線の事情

 私は神奈川在住の人間です。ですので、現状と異なる妄想レスになるかもしれませんが、一鉄道好き(マニア?)の戯れ話として受け止めてください。
 私も、「資本関係があり直通運転も行っている山陽電気鉄道へ出資を強化して傘下に入れる事」に賛成です。もっと言えば、神戸高速鉄道(東西線:阪神元町〜山陽西代)も傘下に入れ、最終的には『阪神+山陽電鉄(阪神陽もしくは阪神磨電鉄?)』として一つの会社にするのも一つのアイデアではないでしょうか。

理由1:  JRが隆盛している現状下では、阪神・山陽とも頭打ち状態であり、阪急とは違って多角化事業・自社内強化政策(山陽への乗り入れ中止も阪急神戸線全8両編成化のため。乗り入れの利便性を捨て、自社線内の輸送力強化を優先したことからも表れている)がしづらい事を考えると、「打倒JR・阪急連合」として、1つの路線になることがお互いに生き残る道ではないかと思われます(スピードは遅くても利便性重視のダイヤ&西大阪線と、安価な運賃で勝負)。
理由2:  未開拓(失礼!)地域を多く抱えながら事業展開できる資本力に乏しい山陽(神姫バス等も含む)と、資本力はあるけど地域的に展開しづらい阪神が手を結べば兵庫県西部・北部地域に強いグループ展開出来るため。
理由3:  阪神ファンは岡山・播磨にも多い(星野効果?星野監督も元々阪神ファンらしいし)ので、球団としての事業展開もしやすい。
理由4:  阪神百貨店は大阪では阪急に負けないくらいのブランドなので(らしいとしか言えませんが。何せ、阪神・阪急とも関東圏ではあまり縁がないので。港北ニュータウンに阪急がありますが、わたしは東急百貨店の方が「港北ニュータウンにあるデパート」のイメージのが強いです。失礼しました)、山陽百貨店もいっしょになることで、出店拡大がしやすいのでは?

 私は持株会社どころか『阪神陽もしくは阪神磨電鉄グループ』なんて言いのけ、さらなる妄想が入っていますが、これぐらい大胆な策を打たないと、阪神グループは知名度はあり優良な会社も多いが小粒で地味で成長性に乏しいグループのままで終わってしまうと私も思います。

 失礼しました。

Re:阪神電鉄&山陽電鉄構想(妄想)
 投稿者---KAZ氏(2003/11/03 23:58:49)

 どうもです。
 阪神・山陽の件ですが、ちょっと気になる点をば。

 「打倒JR・阪急連合」として、1つの路線になることがお互いに生き残る道ではないかと思われます(スピードは遅くても利便性重視のダイヤ&西大阪線と、安価な運賃で勝負)。

 まず利便性重視とはいえ複々線で駅の増設を進めるJRに対抗するには複線で線形も良くない阪神では非常に厳しいと思います。あと安価な運賃という点でも定期運賃が逆転している状況では通勤輸送は決定的に不利で、しかも日中・休日には「昼間特割きっぷ」という武器を持つJRに真っ向勝負を挑むのは得策かどうか、考えないといけないんじゃないでしょうか。西大阪線が完成すれば大きな武器になりますが、西大阪線方面の利便性と梅田方面の輸送をどうやって両立させるのか、複線の阪神には厳しい課題になりそうです。

阪神

 未開拓(失礼!)地域を多く抱えながら事業展開できる資本力に乏しい山陽(神姫バス等も含む)と、資本力はあるけど地域的に展開しづらい阪神が手を結べば兵庫県西部・北部地域に強いグループ展開出来るため。

 山陽沿線ですが「未開発な土地」はほとんどありません。沿線は古くからの集落と農地で構成されており、山林や原野という「未利用地」はありません。沿線の工場も縮小しているとはいえ大規模な撤退は今のところなく、開発余地は非常に小さいのが現状です。私鉄の総合的な生活サポートという形態が取りにくい土地柄と言えましょうか、沿線開発をするには地代が高く開発利潤が得にくいうえに開発したとしてもJRに利用者を渡す結果になりそうです。JRとの競争力を持たせるには明石以東の大改良が必要で、投資額に見合う利益は到底望めそうにありません。

 阪神ファンは岡山・播磨にも多い(星野効果?星野監督も元々阪神ファンらしいし。)ので、球団としての事業展開もしやすい。

 これは現状の直通特急でも甲子園輸送には十分な誘客効果があるようですし、グッズ販売は山陽百貨店で行っていますから、これ以上の対策を急ぐ必要は薄そうです。

阪神

 阪神百貨店は大阪では阪急に負けないくらいのブランドなので、山陽百貨店もいっしょになることで、出店拡大がしやすいのでは?

 阪神百貨店のブランドイメージはさほどではありませんよ。悪いイメージはありませんが「高級百貨店」ではなく「日常生活のサポート役」といったイメージです。山陽百貨店は姫路唯一の本格的大型百貨店(対抗店は売り場面積が狭い)としてそれなりの地位を持っていることと、大丸系の一員なので阪神百貨店との過度な融合は難しそうです。山陽沿線にも百貨店やショップを必要とする場所は少なそうですし、単店主義の阪神百貨店が敢えて冒険するにはちょっと役不足といったところでしょうか。

 阪神グループは知名度はあり優良な会社も多いが小粒で地味で成長性に乏しいグループのままで終わってしまう

 私はそれでいいと思っています。沿線でしっかりとした事業を安定して行うというのはリージョナル企業としての当然の姿だと思いますし、それが阪神の「いいところ」でもあります。限られた経営資源を有効に使うという点でも、展開エリアが限られていれば集中投下による相乗効果も期待できますし、無理して拡大戦略を採る必要はないと思います。ただ山陽電鉄グループは「垢抜けない」戦略やイメージが付きまといますから、それらへの「指導」という点での出資比率アップはあっても良さそうに思います。

 ということで雑感ばかりですが。長文失礼しました。

Re:阪神電鉄&山陽電鉄構想(妄想)
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/11/04 13:03:36) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 阪神と山陽の経営統合案はよく聞きますね。
 確かに直特が取り持つ縁でもあり、お互いJRに対する絶対的な不利という条件下での「生き残り」を図る必要があるわけで、規模のメリットや、単純加算運賃による不利の改善という効果を理由にしているようです。

 ただ、需要の掘り起こしについてはKAZさんご指摘の通り、関連事業を含めて飽和状態にあるわけで、単純に経営統合をして規模を拡大したからといって改善される見通しは少ないわけです。

***
 さて、足下の状況を見ますと、阪神と山陽の課題は微妙に違うわけで、一体化することでそのベクトルの違いの両立がどうなるのかという問題もあります。

 阪神は、阪神間の速達需要の取り込みについては阪急よりも可能性が薄いわけで、強いていえば三宮始発の運転による着席サービスですが、これは山陽との直通とは背反するうえに、こちらも阪急のほうに分があります。
 また駅数が多いことを利用した地域の掘り起こしにも、大型開発がJR駅周辺にで進行する反面、震災復興の再開発も事実上旧市街の再建で終わったことで飽和状態になった沿線では限りがあるわけです。
 となると難波延伸で阪神間からミナミへの足として独自性を出すくらいですが、延伸事業自体への障害や、ミナミの拠点性が今後どれだけ進むか。自社のキタ指向の乗客を切り捨てても他社からのミナミ指向の乗客の増大でペイ出来るのかどうか、というところです。

 一方で山陽は明石逸走、また、加古川などJR駅に直接出る動きをどこまで食い止めて、神戸市内まで乗ってもらうかが喫緊の問題です。そうなると完全並行している神明間では速達性も重視すべきですが、一方で神明間の中間駅から阪神直通客の掘り起こしも必要というジレンマがあります。

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 さて、甲子園観戦客が案外と乗りとおす現状を考えると、阪神間の阪神が強い駅に集客力のある施設を招致して直通客を増やすという方策はあります。
 その変形として阪神間や東播地区の事業所への通勤・用務需要の確保がありますが、現状では神明間ではJRに乗るべしと言うようなコスト面からの要請や、時間的問題から自発的に乗り換えてしまうわけで、そうした障壁をどう除去するのかということは考えるべきでしょう。

 この時の問題になるのは神戸高速を含む3社加算運賃の問題や、中距離域で割高な山陽であり、対キロ運賃の刻みのアヤでJRと比較して割高になる区間が事業所の多い駅で目立つ阪神でしょう。
 この問題については運賃設定をオーダーメイド的にしてしまうとか、神明間を通過する場合は西新町以西から対明石でも対西代でも同額にするといった極端な逓減にするといった施策が考えられます。

 ここでどうしても避けられないのが神戸高速の存在なんですが、例えば神戸高速単独での運賃徴収は廃止して、山陽、阪神両社からの使用料収入として定額化して、運賃収入は山陽、阪神(阪急、神鉄)各社と一体化した運賃体系に任せるという手はあります。
 また、神鉄の場合は先の北神救済スキームで神戸高速を受け皿にしていますが、このときに対価の一部を新開地−湊川間の施設で賄い、同区間を神鉄のものにしてしまうという選択肢もあったわけですが、これの応用で、既存神戸高速の施設を両社に譲渡し、改良を必要とする両社の施設を取得して改良工事を行い、両社の営業収入を当てにしたリースに出すといった、神戸高速のプロジェクト会社化による鉄道運営からの撤退もあるのではないでしょうか。

 このとき、施設所有の境界は高速神戸を境(神鉄は新開地)にして、阪急、阪神、神鉄側からは板宿まで、山陽、神鉄側からは阪急・阪神三宮まで加算せず通算運賃を採用するといった対応が可能であれば、状況もまた変わったものになるかと思いますが。

北神急行、資産分離で再建へ ../../topics/traffic/log042.html#2

阪神電鉄&山陽電鉄構想の返事
 投稿者---通りすがりの人tadachu氏(2003/11/09 03:36:26)

 KAZさんへ。
 他地域に住んでいる私の妄想文に対し、しっかりとした返事を書いて頂き、まことにありがとうございます。やはり無知は怖いですね。

 複々線で駅の増設を進めるJRに対抗するには複線で線形も良くない阪神では非常に厳しいと思います。

 そうなんですよね。かなり難しいことは想像つきます。関東でも京急や京王線がこのケースになるかもしれませんが、やはり通勤時の輸送はJR中心になりますね。もっとも、JRが運休になることが多く、運賃値下げ(京王)や新規需要の開拓(京急)を行っているせいや、独自路線区間・地域があるせいか、関西ほど悲壮感はありませんが。

 安価な運賃という点でも定期運賃が逆転している状況では通勤輸送は決定的に不利で、しかも日中・休日には「昼間特割きっぷ」という武器を持つJRに真っ向勝負を挑むのは得策かどうか、考えないといけないんじゃないでしょうか。

 定期運賃が逆転してるのはイタイですね。でも、普通の運賃は3社の初乗り運賃を払うにも関わらず阪神・山陽の方が安いのは強みだと思います。私が最初にこの考えになったのは「梅田〜姫路まで通し運賃(阪神の運賃率で)だったらかなり安いんじゃないか?」と思ったからです。(だからといって両者の合併は極論ですが)何らかの工夫でこの強みは生かすべきだと思います。方や「スルッとKANSAI」で安くできて、もう一方「ICOCA」で「昼間特割きっぷ」と同じ安さは出来ないし・・・・・・(もし出来るなら失礼!)。

 西大阪線が完成すれば大きな武器になりますが、西大阪線方面の利便性と梅田方面の輸送をどうやって両立させるのか、複線の阪神には厳しい課題になりそうです。

 案外梅田より難波をメインにするかもしれませんね。具体的には姫路〜難波〜奈良と三宮〜梅田を走らせ、尼崎で両車接続など。難しいところですが。でも、阪神を取り巻く閉塞感を打開する材料にはなるんじゃないでしょうか?

 山陽沿線ですが「未開発な土地」はほとんどありません。沿線は古くからの集落と農地で構成されており、山林や原野という「未利用地」はありません。沿線の工場も縮小しているとはいえ大規模な撤退は今のところなく、開発余地は非常に小さいのが現状です。

 失礼しました!私が無知でした。言われてみればその通りですね。JRより海沿いなのは阪神と同条件ですし。ただ、神姫バスも含めればこの考えも当てはまる気がしたんですが、どうでしょうか?無理ありますかね?

 阪神ファンは岡山・播磨にも多い(星野効果?星野監督も元々阪神ファンらしいし)ので、球団としての事業展開もしやすい。

 山陽百貨店でもグッズ販売行っているとはさすが関西圏ですね。まあ、巨人優勝時もまったく関係ない三越がセールやりますが(以前は関西資本のそごう)。

 山陽百貨店は姫路唯一の本格的大型百貨店(対抗店は売り場面積が狭い)としてそれなりの地位を持っていることと、大丸系の一員なので阪神百貨店との過度な融合は難しそうです。

 これも無知でした。山陽百貨店が大丸系なのは知りませんでした。それならわざわざ阪神百貨店とくっつく必要はないですね。あと、山陽百貨店が姫路でそれなりの地位をもってるのは意外でした(失礼!)。てっきり上大岡しか実質店がない京急百貨店と同じように考えていたもので。その上大岡でも、三越が撤退したので京急百貨店も強い気がしますが。

 沿線でしっかりとした事業を安定して行うというのはリージョナル企業としての当然の姿だと思いますし、それが阪神の「いいところ」でもあります。限られた経営資源を有効に使うという点でも、展開エリアが限られていれば集中投下による相乗効果も期待できますし、無理して拡大戦略を採る必要はないと思います。

 確かに私のような拡大路線の発想は結構前時代的な発想かもしれませんね。でも関東の場合はJR東日本がそんな発想のせいか、結構拡大できるイメージを持っているかもしれませんね。

 感想としてはこんな感じです。私も長文失礼しました。

山陽電車沿線の事情
 投稿者---KAZ氏(2003/11/11 18:15:10)

 どうもです。

 山陽沿線の事情ですが、以前にも書いた(過去ログ)ことがありますが、元々京阪神地区のベッドタウンではなく職住近接型の宅地開発が進んだ地域なので、生活面での阪神間方面への依存が低いんですね。明石以東は神戸都市圏内としての開発でしたが、山陽が一番競争力を持たない区間なので厳しいです。神姫バスとの関係も特に仲が良い訳でもなく協力関係も今まではほとんど見られず、それ以前に駅前広場がある駅が非常に少なく(なんと藤江・播磨町・別府・浜の宮・尾上の松・高砂・大塩・飾磨・網干だけ)、バスが駅前や駅周辺に乗り入れることすら困難ですから仕方のないこと。それに明石以西はJRと離れているとはいえ大抵は2km程度で、4kmも離れるところはほとんどない状況ではバス云々の前に自転車でJR駅への逸走が・・・というレベルの話です。山側の住宅地からだとJR線を越えて南下しないと山電の駅には辿り着けず、JR利用を止めてまで山電に乗る動機付けは困難を極めると思われます。
 姫路〜神戸・大阪の都市間連絡ですが、いくら運賃が安くとも姫路〜三宮間がJR40分に対して山電60分では勝負になっておらず、対大阪だと時間差が30分にも開くため数百円程度の運賃差では流れてきていないのが現状です。あとJRでも回数券のバラ売りをチケット屋で買ったなら私鉄ルートと大差ない運賃で移動できてしまうのが悲しいところですね。

山電の歴史と苦悩 ../../topics/traffic/log105.html#4

 あと西大阪線〜近鉄奈良線の乗り入れ系統は「阪神三宮〜近鉄奈良間」と決まっており、神戸高速・山陽電鉄線との乗り入れについては今のところ考慮されていません。車両規格や乗り入れ免許の関係もあって、山電との乗り入れにまで発展するかどうかは難しそうです。

 といった感じでしょうか。悲観的な話ばかりになりますが、現実は現実で受け止めないといけないんですよね(泣)。沿線住民として、また山電ファンとしては残念なのですが、こういった環境の中で生きていくしかないので色々と私も妄想逞しく考えていたりします。またご披露する機会がありましたら(笑)。

2005.06.10 Update

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