【検証:】過去ログSpecial

【検証:近未来交通地図】Special015-5
「のぞみ」シフトを検証する(展論)

 本投稿は、【検証:】掲示板でもお馴染みの、和寒様とエル・アルコン様の対論を中心に、読みやすく構成させて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

展論その1・「マクドナルドのジレンマ」の出現
展論その2・新幹線の付加価値と料金

「新幹線回数券」デビュー
空席状況から感じられること

第3回全国幹線旅客純流動調査が語るもの
改正前に冷静な議論が出てきた意味は
 

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。



展論その2・新幹線の付加価値と料金
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/07/14 00:11:27)
  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
新幹線の付加価値と料金
└自由席が設けられる以上・・・
 └割引商品ののぞみ利用制限継続へ
  └企画商品における「のぞみ」解禁の傾向
   └ああフルムーン
    └Re:ああフルムーン
     └Re:ああフルムーン
      └中高齢者対策の迷走

  言うまでもない話ですが、新幹線に乗車する際には在来線の特急料金よりも高い新幹線用の特急料金を要します。同時にグリーン車に乗車する際には在来線と同じ特急・急行用グリーン料金を要します。
 つまり、新幹線においても「速達サービス」としての優等列車料金と、「快適サービス」としての優等車両料金の体系下にあるわけで、比類なきスピード享受のための新幹線特急料金と、さらに優等車両利用におけるグリーン料金という存在に、制度・体系上矛盾するところはありません。

 速達料金としての急行料金、特急料金、新幹線特急料金の存在において、それぞれの種別におけるアコモを考慮すること無く、単に速度差をもって料金を徴収しているとは言い難く、そこには一部の例外はありますが、それぞれの種別のために用意された専用のクラスの車両が提供されるという暗黙の了解があります。特に下位種別である急行と普通の間では単に速達性をもって料金を徴収しているケースが多いですが、上位種別の場合は、上位種別と下位種別の間の速達性の差が絶対に不可逆でないという現状もあり、下位種別より優れたアコモでない場合での徴収例に対する利用者の批判は根強いものがあります。アコモを気にするのはマニアだけと言う批判もありますが、実際には一般利用者の目が厳しく、古くは581系、583系のボックスに対する不評にはじまり、ボックスだったのが増備車では回転リクライニングになったNEX、更新で転クロから回転リクライニングになった185系という例が物語ります。

 それでも昭和30年代中盤までは特急=最も速い、圧倒的に速いという定義がありましたから、例えば客車時代の特急「かもめ」や、20系置き換え前の特急「あさかぜ」などが急行クラスのボックスシートである10系を使用する例もありました。また151系特急「こだま」が車両の都合で153系で代走する時は特急料金が割り引かれましたが、これも速達性が損なわれることへの補償という色彩が強かったようです。
 これが特急料金=アコモ込みの料金という考えが定着したのは昭和40年代中盤以降で、特急「北斗」の82系気動車の落成遅れで当初急行型の56系気動車で運行されたケース、また臨時特急「しおじ」「つばさ」などで急行用の12系客車が使用されたケースで、特急料金が100円引きになったり、逆に昭和47年の房総電化で、時短効果がほとんど無いのに特急型の183系使用により特急料金を取るようになった房総特急という例もあります。

 そうした経緯を踏まえて新幹線の「料金体系」を考えてみましょう。
 新幹線特急料金は、実は当初、「超特急」の「ひかり」と「特急」の「こだま」で料金が分かれていました。この体系は岡山開業時に新大阪以西は原則「ひかり」の停車駅の差違で対応するようになり、東京−名古屋間を通過するときのみ「ひかり」加算となり、博多開業時に廃止になっています。
 この料金体系の根拠は、同じ0系、同じアコモと付帯設備ということからも、東阪間で「ひかり」3時間10分、「こだま」4時間10分というところから来る速達料金でした。

 そして平成4年3月からの「のぞみ」料金の位置付けはやはり速達料金ということになります。もちろん当初は300系導入によるスピードアップということで同系列が「のぞみ」専用運用ということもあり、速達+アコモというイメージがあったことは事実です。しかし、当初から日中に1往復「ひかり」運用があったように、次第に300系の「ひかり」、ついには「こだま」まで出て来ており、のちに登場した700系も同じ経緯を辿っています。そのため一部の臨時「ひかり」を除き「のぞみ」専用を守る500系運用を除き、「のぞみ」料金は純粋に速達料金という位置づけになります。

 ここで不思議なのは、「こだま」に対する「ひかり」料金が受け入れられたのに、なぜ「のぞみ」料金に抵抗が強いかということです。「ひかり」料金最末期の昭和49年を例に取ると、東阪間の料金は「こだま」1500円に対して「ひかり」1900円。今の「ひかり」5210円に対する「のぞみ」6210円よりも割高感があります。
 これは結局は時短効果の問題と、イメージに帰結すると思われます。当時の「ひかり」「こだま」の関係は東阪間で実に1時間の大差があり、かつ東阪間で3本の待避があったわけで、「ひかり」の400円にはそうした価値があったわけです。

 さらに言うまでもなく「ひかり」は東阪間で名古屋、京都のみの停車、「こだま」は各駅停車とこれも差違は一目瞭然でした。ちなみに昭和47年3月の岡山開業時に「ひかり」料金が山陽区間で採用されなかったばかりか、それまでの東阪間から東名間に短縮されたことについては、京都以西の利用への対応もありますが、同年10月に「ひかり」の一部が米原に停車するようになり、名阪間で目に見える差違を打ち出せなくなったのもその遠因だと思われます。

 これを「のぞみ」に投影すると、時短効果も実際は最速の「ひかり」に比べると20分も無いわけで、料金差が無い「ひかり」同士の時間差と比較しても新たに付加価値を取るには説得力に欠けたことは否めません。
 さらには看板の「時速270km運転」も「のぞみ」待避の「ひかり」が、ダイヤを痛めない工夫として270km走行を実施したことで、「のぞみ」の「価値」というものが極めて限定的なものになっています。

 さて、新幹線特急料金に速達料金という付加料金を加える試みが上手くいってない反面、もう一つの附加料金とある優等車両料金はどうでしょうか。
 昭和44年のモノクラス制以降、新幹線、特急、急行ともグリーン料金は同額になりました。これは現在も変わってない訳ですが、基本的には普通車とグリーン車のアコモは意図的に差が付けられており、料金徴収に値する車両となっています。
 そして在来線特急の場合、183系以降簡易リクライニングの採用など優等列車グリーン車の最大の特徴である「リクライニングシート」がグリーン車の独占でなくなっていますが、リクライニング角度やシートピッチなど明らかな差は維持されています。

 新幹線の場合はと見ると、リクライニングのほか、普通車の2+3の5列に対してグリーン車は2+2の4列とまさに上記の停車駅でないですが素人目にもはっきりした差違がありました。
 0系も昭和50年代中盤に背反式一方向きながらリクライニング化され、100系の登場で3人掛けを回転させるため在来線グリーン車に匹敵するシートピッチを確保し、今日に至った時点で、グリーン車との差違が曖昧になってきました。特に100系の一部では簡易型ながら足載せも用意されており、ますますその傾向が強いです。
 さらに東海道区間の「こだま」指定席の2&2シート、山陽区間の「ウェストひかり」で、0系編成の一部に普通車ながら2+2の4列シートがお目見えし、在来線グリーン車に匹敵するアコモを備えたケースが出てきました。

 JR西日本の100系「グランドひかり」の階下席も同様のアコモで登場しましたが、先の0系「こだま」の2&2シート、そしてJR東日本の「つばさ」「こまち」そして「MAX」のように自由席と指定席でアコモを分けるケースと合わせて考えると、興味深い傾向が見て取れます。
 つまり、「グランドひかり」では階下席という居住性の悪さを補うべくアコモを改善したわけですが、普通車指定席に明らかにアコモの違う2タイプの座席が用意されました。これは設定のやりようによっては旧JASのレインボーシートのようなミドルクラスの優等車両への発展性を秘めていたとも言えます。

 しかし現実は、510円(時期によって310円〜710円)という価格差を追認する形での指定席と自由席のアコモ格差という形で進行しており、あの「レールスター」もそのスタイルを踏襲しています。
 とは言っても、季節や時間帯による指定席車の増減に対応できない現実もあり、季節指定となる車両は予めアコモを改善していたり、「のぞみ」のように全車指定席を前提にした列車への充当を考えるとアコモ格差が付けられないとか、「こまち」のように後から全車指定にすると同じ指定席車でのアコモ格差が発生するといった不都合も生じます。
 こうした矛盾もあり、結局「510円」はあくまで「指定席料金」というアコモとは別の「予約料金」という位置づけになっています。

 新幹線の附加料金を考える時、純「速達料金」である「のぞみ」料金の「価値」は非常に弱いです。10月以降、静岡県内の停車駅の有無という差違(おそらく待避もあるでしょう)が弱いながらも加わる東海道区間はともかく、最高速度が700系「のぞみ」と同じ「レールスター」がある山陽区間では、新大阪−岡山で1分、岡山−広島で1分というようにほぼ差が無い訳で、かろうじて姫路、福山、小郡といった「のぞみ」通過駅への停車による所要時間差で面目を保っているに過ぎない状況では、10月以降値下げされるとはいっても大手を振って徴収できる性格のものでないことは確かです。
 さらに純「優等車両料金」としてのグリーン車にしても、現状が割引率の高い回数券や企画商品でかろうじてつないでいるといってよく、かといってアコモをそこそこ改善した(実質追加料金としては現状追認型の)安価な優等車両を設定しようにも、そうした車両を「普通車指定席」として投入するスタイルが定着しており、それも難しいです。

 この矛盾が噴出しているのが「レールスター」です。
 航空からの巻き返しという目立った効果は上げていますが、そのスピードとアコモを従来の「ひかり」と同額で売り出したことで、本来徴収してもおかしくない付加価値に対する料金徴収の可能性を放棄したのです。「のぞみ」と同等のスピードで、しかも上質なアコモを持つ専用車両という存在は、汎用車両の「のぞみ」よりも抵抗無く附加料金を取れるはずですがそれをしませんでした。
 その実質ダンピングが航空との競争で流れを変える一石になったとも言えるのですが、経営的にはさらに、現実に附加料金を徴収している「のぞみ」が「レールスター」の特徴を際立たせる「当て馬」になってしまうという二重の失策になっており、新幹線の附加料金徴収の可能性も封じてしまっています。

 「レールスター」は確かに良く出来た車両ですが、いつの日かはそれがスタンダードになってしまう日も来ることでしょう。そうなった時、JR西日本と利用者の両方にある、かつての「レールスター」での「成功体験」がもたらすのは何か。「速達サービス」でも「快適サービス」でもその改善に対して附加料金を賦課することはない、という足枷が残りかねないのかもしれません。

自由席が設けられる以上・・・
 投稿者---あんぱん氏(2003/07/30 19:50:40) http://homepage1.nifty.com/m-fujii/

 本日夕方、10月1日ダイヤ改正の内容について発表になりました。

 岡山支社では東京〜新横浜往復26,000円で制限が殆どない割引切符が発売されます。
 それから、自由席回数券が大幅に削減され、岡山からだと名古屋以東については廃止されます。
 これが多分一番致命的だと思われます。

 で、のぞみに自由席が設けられる以上、特急券別タイプの割引切符利用制限は物理的に難しいと考えています。
 自由席特急券を買ってのぞみ号に乗ることは防止することが出来ないのです。
 だからこそ、自由席回数券発売区間を大幅に削減する強行手段に訴えたわけです。

 10月1日から一番警戒するのは、のぞみ号の自由席が常にパンク状態で運行される危険性です。
 一方でのぞみ号の指定席が常にカラで走る状況になることです。
 レールスター運行開始後の山陽新幹線で起きた現象をそのまま全線へ拡大する危険性をはらんでいます。

割引商品ののぞみ利用制限継続へ
 投稿者---あんぱん氏(2003/07/30 20:48:45) http://homepage1.nifty.com/m-fujii/

 JR西日本のニュースリリースでは以下の様に明記されました

http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/030730a_waribiki4.pdf

 ディズニーなどの主力割引商品では、例外的に認めるみたいですが、全体的にはのぞみ利用禁止の措置が継続され、これは接客対応面では凄まじく大変な混乱をもたらすでしょう。
 のぞみ自由席を設ける以上、この様な制限は無意味だと思っていないのでしょうか?車内改札では怒号が飛び交いそうです。過去、智頭急行経由の扱いでも大変に難儀している実績があります(現在は割引商品の大幅な見直しでこの様なことはなくなりました)。

 JR東海ではひかり限定の早期発売割引商品を発売するそうで、ひかり号のきっぷが益々取れない事態になるでしょう。
 ひかり号は東海区間ののぞみ非停車駅救済が主目的へ移行するという今回のダイヤ設定の根幹を商品設定面で完璧に破壊しそうな気配です。

 山陽管内では自由席の座席数が大幅に増えますが、東海区間では10月以後、自由席はどういう混雑になるのか、考えるだけでも嫌ですな。

 JR東海はインターネットや貨物電車などの事例を全く反省することなしに更に勢いに乗ったみたいで会社の体質が全く変わっていません。
 JRの他社を潰す方針は維持されているようです。

企画商品における「のぞみ」解禁の傾向
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/07/31 14:23:11) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 西日本のプレスリリースのその部分、改正を機に発売を終了する企画商品で、改正後に有効期間がかかる場合の取り扱いですよ。

***
 JR東海、西日本のリリースを見る限りでは、基本的には「のぞみ」解禁のようです。
 ただし、設定区間の大幅縮小がまずあり、西日本管内からの新幹線利用タイプの商品は「のぞみ」利用を解禁するかわりに「のぞみ」停車駅からの設定のみになっています。
 また、普通車利用商品では200〜1,000円程度の値上げを行っているほか、新幹線回数券になって割引率が大幅に縮小したグリーン車利用タイプでは5,000円近い大幅値上げになっている商品もあります。
 大阪市内発のアルペンルートきっぷのような新幹線乗車が全区間東海管内であっても同じ扱いであり、東海管内の扱いも同様でしょう。

 新幹線回数券については、西日本管内では既報の主要駅間の指定席タイプのほか、近距離に自由席タイプの商品を設定しており、「のぞみ」と「ひかり」の性格が比較的分れている東海管内とは扱いが異なっています。

あと、西日本関係で目についたのは下記の2つの商品関係です。

  1. 東京往復割引きっぷ
     山陽、福岡地区から東京、横浜へ「ひかり」グリーン車、普通車(福岡のみ)、B寝台を組み合わせられる商品です。
     これが横浜市内の設定が全廃。東京都区内も東京発は全廃、山陽、福岡地区は「のぞみ」解禁と引き換えに「のぞみ」停車駅及び下関の設定のみに削減されます。
     また、岡山、福山は片道グリーン、片道B寝台のみ。広島市内、徳山、新山口はそれに加えて往復B寝台。下関は往復B寝台のみ。福岡は片道普通車、片道B寝台のみと利用タイプも限定されます。

     あと、価格の上昇が厳しく、広島市内発の片道グリーンタイプで従来の35,090円が39,860円に。福岡市内からは普通車指定席が前提なので35,360円が36,590円に値上げになります。

     もともと昭和56年頃に「東京SSSきっぷ」として設定された時のスタイル(片道ロザ、片道ハネ)に戻りますが、三原以西の広鉄局主要駅発の設定だったことを考えると、岡山、福山、広島市内、徳山、新山口のみ(広島市内、徳山、新山口、下関には往復ハネ設定あり)というのはなんとも使い勝手が悪いです。
     
  2. 東京新幹線回数券
     またビジネスきっぷの設定があったのに新幹線回数券から漏れた西明石と和歌山ですが、和歌山には「東京新幹線回数券」が登場します。当然「のぞみ」対応で、従来のビジネスきっぷ比でハザは1,220円アップの1枚13,920円、ロザは3,450円アップの同18,560円。
     「のぞみ」対応による単純な値上げではなく、和歌山−新大阪の特急自由席(新幹線ロザ用も)に乗車可能というのが大きく、同区間の自由席特急券が940円ですから(回数券は乗り継ぎ割引の対象外)、大阪市内や神戸市内に比べるとお値打ちになっています。
     もっとも、関空経由のほうが速くて安い土地柄ゆえの戦略的商品なんでしょうが。

***
 企画商品の傾向は、普通車用は小額の値上げで「のぞみ」解禁(「ひかり」との峻別は出来ないということですね)、グリーン車用は大幅値上げで「のぞみ」解禁ということです。

 新聞で大きく報じられた「フルムーン」「ジパング倶楽部」「レール&レンタカー」ですが、こうなるとこれら商品だけ「のぞみ」規制というのも考えにくく、割引率の調整(「のぞみ」は5%引きといった感じ)になる可能性があります。ただ、「フルムーン」と「ナイスミディ」(グリーン車用)は一切合財混みの価格設定での全線フリーであり、他の商品同様グリーン車の値上げ幅を大幅にすると影響が大きすぎるうえに、JR各社統一商品なので、例えば東北筋の新幹線利用での利用を促進したいJR東日本がJR東海や西日本のみの事情での値上げを受け容れるかという問題もあります。

 これを機に四半世紀近い伝統商品が瓦解するのか、それとも、というところです。

ああフルムーン
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/24 20:24:09) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 焦点の「フルムーン」の今シーズンの発売が決まりました。

http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/030822a.html

 なんと、「のぞみ」規制はそのまま継続どころか、「のぞみ」自由席への乗車も出来ないという内容になっており、不便どころか話にならないといっていいです。
 東海道・山陽新幹線、特に東海道新幹線沿線でこの商品を買っても、例え自由席であっても取り敢えず「のぞみ」の特急券を別払いしないと旅行にならないのでは、商品の価値はおおいに損なわれたといって良いでしょう。

 気になるのはこの「規制」は、商品の性格に鑑みると非常に利用者の受けが悪くなることが予想されます。すなわち、グリーン車乗り放題のきっぷで、自由席にすら乗れないという「等級の常識」を覆す規制です。もちろんこれまでも「のぞみ」規制は存在しましたが、秋臨で「ひかり」の増発がスジとしてはわずか1本になるように、「のぞみ」に乗れないと話にならない状態での規制ですから、余計に印象が悪いです。

Re:ああフルムーン
 投稿者---Light Rail氏(2003/08/25 00:38:30)

 しかし、フルムーン利用者が長距離速達を主眼とする「のぞみ」をそんなに望むでしょうかね? 更に、フルムーン利用者は「のぞみ」を使わねばならないような急ぎの旅の形態をするでしょうかね?
 東海道新幹線はなまじ本数が多いので、駅に行けば直ぐに乗車可能というイメージがあり、10月からは「のぞみ」が多くなるのですから、自由席利用ならば新幹線改札を入ってから直近の便(それも速達)に乗りたい筈だと思われがちで、本数の少ない「ひかり」を待たねばならない施策などもっての外、と思われがちですが、羽田から出る便数の少ない地への旅行、または毎時1本かそれ以下の在来線特急を使う旅の場合を考えた場合、フルムーンの旅行者ってのは、それに合わせて行動する場合が多いのではないでしょうかね?
 フルムーンで使用できる種別が「ひかり」「こだま」だけだとしても、急行タイプと言える「ひかり」は毎時2本もあるのですから(所要時間の関係で「こだま」は選択外かもしれませんが、それでも近場へのフルムーンという‘遊び’を主眼とした旅行なのですから、充分、選択肢に入れてもらえる可能性はある)、取り立ててフルムーン旅行者にとって不便とは感じられないと思われますが。

 「のぞみ」使用制限がかかっている例として、ジャパンレイルパスがありますが、その扱いが10月以降どうなるのかの方がフルムーンより心配です。
 ヨーロッパにも周遊パスのみでは乗れない優等列車がありますが、大抵は別会社の運行なので、多少の追加料金があることにも納得できますが、JR東海という一つの事業者の運行する列車でも、パスのみでは乗れないというのは訪問外国人にとって理解出来ないのではないかと・・・。
 ただ、一つの事業者が運行云々と書きましたが、これをもって「のぞみ」乗車可能を認めるとすると、500系はどうなるの?とか、京都観光などのJR東海管内はよくても、JR西日本管内の広島観光はどうなってしまうの?とかややこしい決め事が起こりそうな・・・。

Re:ああフルムーン
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/25 10:14:32) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 まあ5日間用のノーマルで80,500円、1人あたり40,250円ですから、片道20,000円分は乗るでしょう。
 確かに鉄道で長距離移動と言うことは少なくなりましたが、片道20,000円は乗らないと元が取れない商品が定番商品になっているということは、「フルムーン」利用客は相当足が長いということです。
 すなわち、首都圏発で考えると、まさか熱海や伊豆あたりへの温泉旅行で使う人はいないでしょうし、飛騨高山や下呂温泉あたりでもちょっとないのでは。
 今はどうかは知りませんが、かつてはフルムーン利用前提の旅行会社の商品がありまして、九州や萩・津和野、四国、山陰、南紀一周というあたりが定番でしたが、今でもこの商品で利用しようとしたらそれくらいのエリアでしょう。
 論より証拠として、北東北や北近畿方面の特急列車でグリーン車を半室ながら整備したのも「フルムーン」利用者(およびグリーン往復割引の利用者)からの批判が元であり、利用者の足の長さを示す例といえます。

 結局こうなると「のぞみ」利用不可では話にならないわけです(2001年10月改正の「のぞみ」シフトでそのあたりの動向が既に変わっているでしょうが)。今回の改正では広島「ひかり」(名古屋で「のぞみ」退避ですが、広島までそれなりに速達列車として機能していた)も消え、山陽直通が名古屋から各駅停車の「ひかり」が毎時1本になり、広島(宮島方面)のみならず、岡山(四国、山陰連絡)の利用も事実上不可能です。岡山は直通が残るとはいえ、そこからの乗り継ぎや、フルムーンの利用者が中高年であることを考えると、ただでさえ時間がかかるのに速達性のない列車ではちょっと、というところでしょう。

 東阪間では確かに「ひかり」が毎時2本残り、東名間先着も残るわけですが、「フルムーン」の特性から東名間利用でメリットがあるのは名古屋発東北方面くらいであり、首都圏発着にとってはあまり意味がありません。また、今までは朝夕の移動に適した時間帯に増発されるのは「ひかり」でしたが、今回からは「のぞみ」になるわけです。
 もちろん、ビジネス需要に比べると微々たるものかもしれませんが、各観光地の「入りこみ」という意味では大きいわけで、特に首都圏から西日本、関西方面から東・北日本への観光利用の減少につながりかねないことへは懸念を覚えます。
 実際、先般の「東日本パス」が東北地方の観光産業にとっての「特需」になったことは記憶に新しく、ましてや今や払いの良さでは定評あるリタイア層、しかも旅費だけで80,000円以上を出せる層の入り込みが減少するのは大きいです。

***
 なお、ご指摘のジャパンレールパス、またジパング倶楽部の問題もあります。「ジパング」の影響はフルムーンと相似形ですが、まあこちらは距離比例の割引なので短距離利用も多いでしょうから影響を受ける層は限られるかもしれません。(ただ、「フルムーン」も含めて、孫の顔を見に行くというような意外な利用法を聞くので、こうした需要を取りこぼす可能性は大きい)
ジャパンレールパスはなんともはやで、国交省が外国人観光客の増加を図っているというのに、それに冷や水といってもいい施策です。

1日千円電車乗り放題、観光施設タダ 訪日外国人増加策 朝日(08/25) http://www.asahi.com/national/…

中高齢者対策の迷走
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/10/02 15:09:39) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 「のぞみ」中心ダイヤでありながら「のぞみ」規制が残る問題については、東京朝日も改正前日の9月30日に取り上げていました。乗車すると運賃から別払いになるフリー型のフルムーンやジャパンレールパスの影響は甚大ですが、同時に乗車券部分は割引が有効とはいえ、特急券の割引が一切無いジパング倶楽部やレール&レンタカーも影響は少なくありません。

 ところで、記事では中高齢者狙い撃ちというニュアンスで書かれており、実際、フルムーンやジパング倶楽部は人気商品だけに問題が多い措置であることは既述の通りです。
 しかし、その「のぞみ規制」を押しきった感のある当のJR東海が、中高齢者向け会員制度を開始しています。
 「50+」(フィフティ・プラス)と銘打ったこの制度、50歳以上なら年会費無料で参加でき、専用ツアーやツアーズ商品の割引購入が出来るというメリットを謳っています。特徴は専用ツアーについては会員1人あたり5名までの同行者も非会員、年齢に関わらず同一料金で参加出来ることで、家族での利用など応用が効く制度です。

50+ http://jr-central.co.jp/station.nsf/doc/50plus_top

 JR東海としては「ジパング」、「フルムーン」からの誘導を図っているのでしょうが、果たして乗り換えるに足る商品でしょうか。
 例えばJR東日本にも高齢者向け会員制度、「大人の休日」がありますが、これは「ジパング」会員を対象にした制度、というかJR東日本における「ジパング」のセカンドブランドであり、域内専用商品を提供するシステムになっています。
 当然「ジパング」のJR各社共通のサービスは享受出来るわけで、全く別個の、しかも自社完結商品しかない「50+」とは全く別物です。(「大人の休日パス」のように非会員にも提供するサービスがある)

「大人の休日」 http://www.jreast.co.jp/otona/index.html

 商品自体を見ても、フリープランをはじめ、東海道新幹線での単純往復に現地観光(京都、東京など。東京着では北関東一泊もあるが)と、スタートしたてという事情はありますが、魅力に乏しいです。まあ自社完結だとあとは飛騨、南紀、伊勢志摩、木曽路、伊豆箱根程度であり、エリアが広く周遊コースが組みやすいJR東日本と比較するのは酷ですが、であれば自社完結型の商品への誘導が如何に無謀か、少し考えれば判るというものです。

 もうひとつ、「ジパング」は「大人の休日」パスに代表されるように、自分で行程を決めるというスタイルの旅行で支持を集めていますが、「50+」はフリープランも含めて利用列車や行程に制約のある団体旅行のスタイルです。
 最近、比較的豊かな中高齢者向けの優雅なライフスタイル実践を謳う雑誌が相次いで発刊されていますが、そういう雑誌での情報をもとに、情報個々の趣味、興味に合わせて自分で旅をするというのが流行りのスタイルですが、お仕着せのスタイルが今の風潮に適うかどうか。

 さらに新幹線駅での集合となっているので、かつての「TXきっぷ」、また人気の「ぷらっとこだま」と同様に、新幹線駅までのアクセスコストがかかるわけで、これではいくら商品自体は安くとも、使い勝手が悪いという問題外の話です。
 同じ自社囲い込み政策でも、「大人の休日」が「ジパング」の利便性を残した上で、利便性の高い自社商品を提供することで自社管内の旅行に誘導しているのと比べると、まさに雲泥の差であり、商品設計の根本が何か間違っている感じです。

 のちにJR東日本が「駅からハイキング」で真似た「さわやかウォーキング」というロングセラーを育てたJR東海にしては綻びが多いですが、考えてみれば自社管内から出る可能性の低い商品ゆえ成功した面は否めず、そういう意味で巷間囁かれる他社との連携の拙さがここにも出たといったら穿ち過ぎでしょうか。

第3回全国幹線旅客純流動調査が語るもの  投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/03 19:29:52)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 これまでの議論、また巷間の議論で問題になる東阪間の鉄道と航空のシェアですが、おそらく総括的にまとめている唯一の公的データと思われる、「全国幹線旅客純流動調査」のデータを簡単にまとめてみましたので、ご紹介します。

 2000年度に実施された第3回の調査結果ですが、データ自体は既存の航空、鉄道、道路の調査に、バス、旅客船及びフェリーの調査を行い調整・総合したものです。なお、航空と道路が1999年度、その他が2000年度と昨今の傾向を計るにはややデータが古いことを申し添えます。

●前提となるデータ
 生活圏のメッシュで拾った流動データ。実際に調査した秋季1日データを元に補正した年間データを使っている(元資料では年間と秋季1日の両方がある)。
 また、複数の交通機関を利用した場合については主たる交通機関を採択(元資料では主機関のみのデータと両方カウントの2種類がある)。

今回、全国の生活圏相互間のデータから抽出したのは、

  1. 首都圏、関西圏の広域相互間
  2. いわゆる大都市近郊に属すると思われる相互間
  3. 首都圏、関西圏の政令指定都市相互間
  4. 東京23区と大阪市の間
  5. 京都エリアを除く大都市近郊相互間
  6. 東京都(島嶼を除く)と大阪府の間

です。

 エリアとしては4が一番狭く、次に6になります。以降、3では4に「浦和」「千葉」「横浜」「川崎」「京都」「神戸」を加え、2では「川越」「船橋」「多摩」「相模原」「宇治」「堺」「東大阪」「豊中」「尼崎」を加え、1では「土浦」「安房・君津」「成田」「小田原」「滋賀南部」「亀岡」「京都南部」「播磨」「淡路」「奈良」「和歌山」を加えています。なお、5で除いているのは2から「京都」「宇治」になります(括弧内は元データの生活圏区分)。

●集計(なお端数の関係で合計欄は各欄の合計と一致しない)

凡例 航空 鉄道 船舶 バス 自動車 合計
1 5,637 28,403 17 271 0 34,331
2 4,773 22,808 5 221 0 27,811
3 1,124 9,756 5 70 0 10,953
4 603 3,289 0 48 0 3,940
5 4,640 17,621 5 189 0 22,455
6 2,418 8,047 0 164 0 10,628

(単位1000人、年間)

●分析
 母数の範囲を広げる過程を見ると、23区対大阪市という母数は東京都対大阪府の37%程度。大都市近郊の14%程度に過ぎないことが分かります。
 逆に大都市近郊からさらに首都圏全域に近いエリアに拡大してもあまり伸びないので、大都市近郊で考えるのが妥当かと思います。

 このとき、2の表では航空対鉄道は17:83。バスはわずかに0.8%です。
 一方、鉄道がどう考えても圧倒的優位に立つ京都を外しますと21:79。京都関係が大都市近郊移動で占める割合は全体で約20%ですが、航空は3%、鉄道は23%と、空路が不便な京都絡みの需要が鉄道に占める割合の大きさがうかがえます。

 俗に鉄道と航空は85:15とかいいますが、このデータから言えることは1999年度の段階ですでに実質2割のシェアを航空が確保しているということです。
 このあとの航空の伸びと「のぞみ」増強の2001年10月改正、また「昼特急」に代表される高速バスの急増がどう影響しているかですね。

 これを試算してみますと、鉄道については新幹線の輸送人員がほぼ横這いというデータもありますが、一方で航空機の搭乗数を見ますと、国交省のサイトでデータが取れる2000年度から2002年度の伸びが12%、2002年度第一四半期から2003年度第一四半期の伸びが7%なので、荒っぽく計算すると足下までの伸びは20%となります。あとはバスを2倍にしてみましょうか。
 これで計算すると大都市近郊で20:80、京都を除くと24:76となります。

 ちなみに「3割」という数字はどうも出てこないので、どういう算出根拠か知りたいところですが、もっとも航空優位に出る東京都対大阪府で足元の試算結果が27:73ですから、丸めたか、厳密にデータをとったらそれくらいになるかでしょう(1999年を発射台にしたら伸び率が20%を超えるでしょうから)。

●数字の評価
 航空が20%伸びても全体のパイの大きさから、鉄道とのシェアは3ポイント程度の奪還にしかならないということから、悲観することはないと見ることは可能です。今後懸念されるシフトが、航空が需要を創出した従来型の変化ではなく、鉄道からのシフトという場合は、劇的なシェアの変化も有り得ますが、一方で羽田、伊丹、関空のリソースを考えると、明らかに需要に応じきれないわけです。
 その状況下においては、「のぞみ」を睨んだ運賃政策による収益の上限はありますが、一方で不健全なダンピングによる空席対策も不要になるわけで、限られた範囲内での収支改善が予測されます。

 ただ、悲観することは無いとはいえ、足元の状況は予想外に食われているというのも事実です。
 従来、大都市近郊の利用者分を加算すれば新幹線のシェアはまだまだ大きいというのが通説でしたが、それを入れても8割「しか」ないわけで、航空が不利、というか名古屋同様航空がライバルになり得ない京都を除くと、すでに4分の1を侵食されているという見方も出来ます。

 10月改正がどう働くのか。2005年度になる第4回の調査結果が楽しみです。

【のぞみ論】改正前に冷静な議論が出てきた意味は  投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/21 22:11:58)
  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 10月1日の東海道・山陽新幹線ダイヤ改正を間近に控え、東海、西日本のJR両社のボルテージも一段と上がり、人気グループや歌手を起用しての大型キャンペーンになっています。

 この改正については「品川駅開業」「『のぞみ』中心ダイヤ」「『のぞみ』料金値下げ」が前面に押し出され、「安く、速く、近くなります」というイメージ戦略にマスコミも乗ってきましたが、ここに来て冷静に現実を見据えた報道が相次いでいますし、挑む、いや、もはや「迎え撃つ」ともいえる航空各社の対応も熾烈になっています。

●「のぞみ」は安いか
 9月17日の日経は総合面(3面)で「『のぞみ』反転攻勢」と題して東阪間の新幹線対航空の争奪戦を記事にしています。
 目を引いたのは「のぞみ」と航空機の比較表で、これまで正規運賃ベースがせいぜいだった比較が、回数券やシャトル割引など実質ベースでの比較になったこと。また売り出し中の「エクスプレス予約」と絡めてネット利用の比較も出ています。
 まあ、新幹線側の回数券が「新幹線回数券20」でないのは片手落ちですが。

 さらに19日の大阪朝日(東京版は数日前の夕刊に掲載された模様)では、経済面で「のぞみ増発、出張どうする」と題して、これまで多くの企業が原則認めてこなかった「のぞみ」利用の解禁問題にスポットを当てています。
 原則解禁というのが流れのようですが、年間総額を考えると差額負担は馬鹿にならないと言って乗り継ぎ利用をしてでも解禁を見送りたいという広島市の担当の話もあり、経費削減が課題のなかでどう折り合いを付けるかという問題を指摘しています。

※大阪発行のため西日本の事例を出していますが、確かに名古屋や京都から山陽方面といった利用では今回の「制度変更」は痛撃と言って良いです。

 また、20日発売の鉄道ジャーナル11月号でも、「空の攻勢か、新幹線の攻勢か」と題した記事でこの問題に触れています。「専門誌」と謳う同誌ですが信じられないことに今回初めて「ビジネスきっぷ」をベースにした比較をしており、対するシャトル割引についても、当日購入や変更可能という事実上の正規運賃である面を指摘しており、ようやく実態に触れたという感じです。

●航空の逆襲
 朝日の記事で、国交省作成資料を元にJR西日本が作成したシェア表が出てますが、02年度(速報値。カッコ内は93年度の値)で航空が東京−広島が62%(43%)、岡山が49%(19%)、そして大阪が31%(15%)とあります。それだけに航空各社は鼻息が荒く、記事のトーンも全体的に「鉄道の逆襲」というイメージです。

 17日の各紙には全日空が「具体策を出せ、ANA」と題した1面広告を出稿しており、特割にシャトル割引、ラウンドダイヤの採用など航空の「目玉」を掲出しています。
 また、全日空は首都圏や関西圏の企業へ営業攻勢をかけ、所要時間で1時間20分、運賃料金で2980円安くなると売り込んでいます。企業への出張パッケージの提案もあるようで、メディアを巻き込んだ「宣伝戦」で後れを取った格好の航空がここに来て巻き返しに来ています。

●背景は...
 10月改正の発表、また「のぞみ」料金値下げとそれを先取りした格好の「新幹線回数券」の登場もあって、冒頭指摘した「イメージ戦略」が効果を上げてきたのは事実です。実際、10月から「のぞみ」が安くなって品川駅も出来て便利ということは相当周知されてました。

 しかし、8月末に「新幹線ビジネスきっぷ」が発売終了となり、金券屋の店頭価格も上昇に転じたこと。新ダイヤが発表され、内容が徐々に知られてきたことにより、今回のダイヤ改正に対する評価が微妙に変わってきています。
 特に値上げ幅の大きい名阪間では改正を待たずに回数券を切らす企業も出て来たことに代表されるように、実際に「新幹線回数券」にシフトすることで、コストアップが目に見える形で現れたことや、実際に改正を控えて出張規定の見直しの具体的作業に入る企業が増えたことで、改正の問題点が一気に広まっています。
 航空会社側の売り込みはその意味で良いタイミングです。

 個人的には「『のぞみ』は原則解禁、ただし管理上の総額は増えない」という取り扱いが主流と読んでいましたが、航空側のパッケージ提供を含む個別攻勢や、朝日記事にあるように絶対額としてのコストアップへの抵抗感が予想以上に強いことは、今後の展開を占う上で重要な要因でしょう。
 そしてそれが無視し得ないからこそ、改正直前になりこのような分析が出て来ているという見方も出来るかと思います。

 余談ですが、掲示板その他での今回改正における新幹線対航空の評価について、最近、環境面での比較から新幹線を使う「べき」という論調が見受けられます。
 利用者にとって便利であれば、使う「べき」などといわれなくても使われますが、そういう評価に走らざるを得ないというところに、今回の改正に対する評価、そして懸念があるのかもしれません。

2004.11.14 Update


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