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北関東ライナー

発進!北関東ライナー~夢と未来をつなぎとめるか

20年間に渡って整備が続けられてきた北関東自動車道。2000年3月の友部JCT~水戸南IC間開通を皮切りに、常磐道・東北道・関越道接続部分から順次延伸し、2008年12月に常磐道と東北道が連絡、2011年度中には最後の太田桐生IC~佐野田沼IC間開通により、総延長約170kmに及ぶ“夢と未来をつなぐ道”が完成。北関東3県および主要3高速が高速道路で結ばれることとなります。

これまで北関東道を走行する高速バスは、友部JCT以東の常磐道高速バスみと号(県庁ルート)・勝田東海号と羽田空港連絡バス水戸日立線があり、茨城町西ICと大洗水戸ICには専用駐車場つきのバス停もあり、ニーズをつかんでいます。また、東野交通の真岡益子茂木線が栃木都賀JCT~宇都宮上三川IC間を経由していましたが、わずかな期間で廃止されています。
その意味ではまさに満を持してというべきか、全通を前に北関東道そのものに期待される役割に沿うカタチ、3県庁所在地間を結ぶ高速バス路線-「北関東ライナー」が相次いで運行開始となりました。

  2009/09/17宇都宮~水戸線6往復関東自動車・茨城交通・関東鉄道
  2010/02/24前橋高崎~宇都宮線4往復日本中央バス・関東自動車
  2010/04/01前橋高崎~水戸線1往復日本中央バス

なお、関東鉄道は宇都宮~水戸線運行開始にあわせ、独自に水戸~日光・鬼怒川温泉間に2往復運行しました…が、利用が伸びず04/15で路線廃止が決まっています。『運行開始当初より新聞折込や情報誌への掲載等、販売促進を行ってまいりましたが、利用者が増えず路線を維持するのが困難…』との言葉が泣かせますが、せめて1年継続とか、季節運行というテもあったのかなとも…。。

ともあれ、北関東道全通前ではあるもののトライアングル成立を受け、早速乗車してまいりました。まさしく“つなガール”3県都間公共交通機関の可能性や、如何に-

前橋→水戸 日本中央バス1便

新年度の夜明け、日本中央バス本社・前橋バスセンターは早朝より活気に満ちていた-というか、正確には「眠らない」で朝を迎えるという表現のほうが正確か。 NCB前橋BC
当方は羽田発最終便で1時半に到着、その後羽田行きが2時~3時台に3便出発するのを皮切りに、5時台には同日開業となった静岡・浜松経由名古屋行「東海ライナー」と羽田行が出発、シルクライナーや仙台からの夜行便が到着するなど、クルマの出入りが続くのだ。
前橋BCはJR前橋駅から南南東に5km弱、前橋南IC至近とあって周辺に運輸関連の拠点が集まりこそすれ、集落が点在する場所ということで、大きな需要までは見て取れない場所-と、羽田行には家族連れ2グループ10人弱が乗車。平日ながら春休みとあってひとっ飛びだろうか。この後、6時丁度の秋葉原行にも親子3人が乗車、到着の夜行便からもそれぞれ数人が降車するなど、P&R拠点としての機能性を実感することができた。

さて、東海ライナーは前橋BCでは乗車ゼロでの出発ではあったが、オレンジのジャンパーを着込んだNCB社員が10人ほど見送った。そして秋葉原行に続き北関東ライナー水戸行きが入線すると、再び“オレンジジャンパー”集合。両路線とも同社単独運行ということもあるのか、テープカットや花束贈呈といったセレモニーはないものの、乗務員に声掛けしたり写真を撮ったりと、アットホームな儀式が行われたのであった。
ということで前橋BC定刻発、その後前橋駅南口から高崎駅東口を経由して高崎ICから高速入り-と、結局乗客は第4セクター様と当方の濃ゆぃ試乗組2人のみ。5分前を行く秋葉原行は高崎駅東口時点で補助席を使おうかというかなりの乗り、高崎環状線で離合した前橋BC20分後発の北関東ライナー宇都宮行には前橋ベースで少なくとも1人の乗客が確認できたのに…まあ初日朝イチの便だけにこちら側とすれば想定内だが、出発時から我々2人にも丁寧な案内放送を続けてきた運転手氏も『これじゃぁご飯が食べれませんよ』と-その後も延々とバカ話をお聞かせし、恐縮至極デス!

関越道を少し南下し、高崎JCTからいよいよ北関東道入り。現時点では盲腸線ながら、全線4車線整備の期待を裏切らない交通量だ。利根川を渡れば前橋南IC。高速上からもNCBの証でもあるライトグリーンの前橋BC社屋をちらと見ることができたが、ここまでで80分を要しており、こと前橋BCからの利用を考えるといささか微妙な感じも。左手前に赤城山を見据え、JR両毛線を超えてしばらくすると、右手奥に観覧車が見えれば華蔵寺公園。この観覧車は北関東最大だとか…そういやさらに大きな観覧車を造る造らないでモメていたっけ。ちなみにJR-Eが動態復元作業中のC61-20が去る1月まで静態保存されていた公園でもある。
再び両毛線を跨ぐと太田市内。右手に丘が見えてくると、前橋中心部から丘向こうの桐生市街を廻りこんできたR50との交点・太田桐生ICで、現在はここが高速終点。バスはR50桐生BPから栃木県に入り足利BP・佐野BPと進んでゆくが、さすがに朝のラッシュ時間帯とあって、ノロノロとまではいかないにせよ、信号待ちに引っかかりやすくなった。と、ここで運転手氏に無線連絡。先程すれ違った宇都宮発の関東自動車便からかと思いきや、どこに行くんだなんだかんだと親しげにひとしきり話した後で、『このバスの後ろに貸切車がついてきていて、その運転手さんからデス』と。なるほど、かなり根掘り葉掘り聞いてきたのか-R50は左側車線のほうが流れるよ、との言葉の通り、佐野手前で左からスーッと追い抜いたのだった。

佐野新都市BT 東武佐野線を追い越してしばし、陸橋が見えてくれば右折、さすがにまだ静寂の佐野プレミアムアウトレットを見やって、佐野新都市バスターミナルには結局、一般道渋滞による10分弱遅れでの到着。当方は2008年大晦日以来の再訪だが、何より驚いたのは隣接地に昨年11月に開設されたJRバス関東佐野支店。それまでもJRBK車が結構たむろっているのは見慣れていたが、いつの間にか出来上がった4階建ての整備工場兼事務所・休憩室はなかなか立派だ。プレハブ1つだけのサザンクロス佐野バスターミナル時代を知る第4セクター様と当方も思わず感慨を…?
運転手氏が待合室を確認に行くもここでの乗客もなく、“貸切”決定。前橋高崎地区及びR50経由での時間経過もあるが、時間的にはここから後半戦も、R50はこのまま小山・下館と抜けて岩瀬に至るが、北関東道は北に大きくそれ宇都宮市街南部から真岡を経て岩瀬に至ることもあり、距離的にはあと100km程とまだ全体の2/3弱もあることに気づき、改めて遠さを感じたのだった。 丁度6車線拡幅が完成したR50取り付け部分をスムーズに佐野藤岡ICへ。

しばし東北道を北へ進むと岩舟JCTを通過。04/18に佐野田沼ICまでの開通が予定されている。ここから栃木都賀JCTまでが東北道との重複区間となる。先述の通り、北関東道は宇都宮を経由するべくR50よりも北に振れているとしたが、佐野市街も北に振れており、現在は佐野新都市経由となっている前橋高崎~水戸線が北関東道全通時にどうするか注目される。
さすがに6車線かつ交通量の多い東北道から北関東道に進むと、また朝ラッシュ時間を越えたということもあるのか、群馬県区間よりも少な目の交通量に。
思川を渡れば壬生PAに到着。まさに距離的にもほぼ中間点というところで、10分間の休憩となった。壬生PAはハイウェイオアシス「みぶハイウェーパーク」となっており、PA区画はトイレのみだが、隣接して観光交流センターがあり物産コーナーなども。北隣のとちぎわんぱく公園・壬生町総合公園には「おもちゃ博物館」もある-そう、最寄駅は東武宇都宮線おもちゃのまち駅。トミーテックをはじめとする玩具工場団地が形成されている。TOMIX鉄道模型やジオコレ、鉄道むすめなどのふるさとだ。観光交流センターの展示スペースにも鉄道模型レイアウトが置かれていた。

休憩の後再び北関東道を東へ。宇都宮上三川ICからは進路を南東に取り、鬼怒川を越えて真岡市内を抜けてゆく。ここで水戸発宇都宮行関鉄2便と離合、数人の乗車を確認。山並みが迫ってくると大政山TNを抜け茨城県入り、桜川筑西ICで久しぶりにR50と交差、丘陵地帯を抜ければJR常磐線とクロスした後に友部JCT。S字を描いて常磐道に入りしばし、内原BSは停車しないが、 関東鉄道日光鬼怒川便水戸ICを降りた先は随時停留所が設置されており、乗車時に水戸駅北口で降車の旨伝えているが、引き続き丁寧に案内放送を続ける運転手氏。
赤塚駅前に入る手前で離合した関鉄便は廃止目前の日光鬼怒川線、老婦人1人の乗車と寂しい。当方、水戸市街をクルマで流すのは実に2005年秋以来。その頃建設途上だった京成百貨店が2006年に道路向かいに移り、堂々たる風格。昼前とあって人でもそれなりな様子だったが、シャッターを下ろす店も少なくなかった。

結局、太田~佐野間の一般道渋滞が尾を引く形となり、15分ほどの遅れで水戸駅北口に到着。我々はここで降車し、バスは経路通りに勝田まで回送されていった。

  • Photo:水戸~宇都宮線
  • 関東自動車
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水戸→宇都宮 関東自動車3便

水戸線両毛線乗り継ぎで戻るという第4セクター様とはここでお別れ。当方も水戸駅南口まで行きたかったのではあるが、北口バスターミナルをウォッチしたり、きっぷ売り場でチケットを買うなどして、北口から乗ることとする。2005年にみと号に乗った際には、バスターミナル内からの出発だったかと記憶しているが、2008年にみと号も全便水戸駅南口発着に変更されていることなどからか、高速バスのりばは交差点先の9番のりばに集約されている。ちなみに交差点の手前には茨交と関鉄の窓口が隣り合わせに並んでいる。宇都宮行きはどちらでも購入可能の様子。なお、バスポールの前橋高崎線案内はNCBお手製で、パウチこそされているが下部に外張りされていた。なお予約制ではないのでチケット販売もないものと思われる。
さて、やってきたのは関東自動車便。南口からの乗車はなく、当方の前に母娘3代連れ4人が乗車。大工町など各経由停留所で注目は集めるものの乗車はなく、これで終わりかなと思った赤塚駅で老紳士1人乗車は意外、「赤塚駅は意外と乗るんですよね」との第4セクター様の言を思い出す。

ここからは先程来た道をひたすら戻る。友部JCTから再びの北関東道、笠間PAの先は唐桶山TN…トンネル内はさぞや反響がいいのだろうななどとバカなことをつい…と、前夜からろくに寝ていない当方、ここから断続的に記憶が落ちることに。気づけば宇都宮上三川ICを降りるところだった。R4BPとの交点でもある同IC付近はインターパークとして整備が進められており、北関東ライナーもバス停を設置、チラシで「北関東最大級のショッピングエリア」と謳っているのだが、現地ののりばはアクセス道路上にぽんとポールひとつ置かれているだけはいささか寂しい。 関東鉄道宇都宮便
パーク内を通り抜け、R4BPをしばし北上。石井交差点を左折するところで、宇都宮発の水戸行関鉄3便と離合。先程北関東道上で離合した戻り便だが、あちらは10人弱ほど乗っている様子。正直なところ、乗車便の状況からして聊か訝しんでいたのだが、なるほど第4セクター様が「水戸~宇都宮は乗っている」と言っていた通りだった。

宇都宮から茂木を経て那珂川沿いに水戸へと至るR123をしばし進む。この道には1970年代まで直通及び乗換を挟んで宇都宮~水戸間の路線バスが走っていたという。学生で賑やかな宇都宮大学を横目にラストスパート。JRを潜って更に進み、東武宇都宮線を潜ってR119日光街道に右折すれば、東武宇都宮駅西口にほぼ定刻到着。当方と男性がここで降車した。

kanuma
より大きな地図で 鹿沼バスターミナル付近地図 を表示

■鹿沼バスターミナルを訪ねる

次便までの時間を使い、鹿沼バスターミナルを訪ねた。楡木車庫行関東自動車路線バスに30分ほど揺られて降りたのは赤羽根交差点。丁度楡木街道と新道鹿沼インター通りが合流した先で、南に折れると鹿沼市流通センター、栃木県運転免許センターに通じている。さらに楡木街道を10分弱ほど歩くと、佐川急便営業所の隣に目指す鹿沼バスターミナルがあった。

鹿沼BTは2006年8月に開設。当初は既にJRバス関東単独運行となっていた「マロニエ新宿号」が鹿沼IC入口バス停を移設する形で経由することとなり、P&R拠点として機能することとなる。マロニエ新宿号は2001年7月に関東自動車とJRバス関東で運行を開始するも、思うように利用が伸びず、2004年7月から一部便を佐野新都市経由化、2006年2月には関東自動車が撤退するなどの変遷を経ていた。
鹿沼BT経由化で始発便も設定されていたものの、佐野新都市が旺盛な需要を獲得する一方で以遠は先細る傾向が強まり、結局2009年9月に宇都宮方面への運行を終了し鹿沼BTは終着地として機能。更に2010年3月には鹿沼BT発着便を10往復から3往復に大幅減便する一方で、那須塩原リゾートエクスプレス(NRX)7往復が経由化することで全体の本数を維持するとともに、佐野非経由による速達化、鹿沼BTから那須方面への区間乗車対応、JRBK車に加えて東野交通車も顔を出すようになるという変化を見せている。

120台駐車可能という駐車場利用率はかなりのもの。10往復が維持されているところからしてもそれなりの需要はつかんでいる様子だ。ただし周囲には中華料理屋とリサイクルショップ、民家が点在している程度で、至近のコンビニは赤羽根交差点のセブンイレブンまでない。県道こそ交通量はそこそこあるものの、日中ながら人影は少ない。最寄バス停は先程歩いてきた途中にある赤羽根バス停まで5分ほど、そこからは宇都宮駅と東武日光線楡木駅まで行けるとはいえ、2時間に1本あるかないかの本数、そういう利用はほぼ皆無と思われる。そもそも、宇都宮方面とは鹿沼ICを隔てて逆方向にあたり、後述するが鹿沼工業団地へのアクセス機能すらなくなっている。

鹿沼BT鹿沼BT鹿沼BT

まさしくP&R拠点としてのみの機能というべきで、待合設備も必要最低限。ドリンク自販機とバスポール部付近には庇がかかっているが、プレハブの待合室も後設されたとか…ただしまさしくプレハブコンテナ、居心地はあまりよろしくない。いちげんさんにはあまりに寂しい「バスターミナル」であった。

 
  • Photo:宇都宮~前橋高崎
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宇都宮→高崎 関東自動車3便

関東自動車前橋高崎便 宇都宮駅まで戻り、駅ロータリー横の関東自動車本社も入るチサンホテル宇都宮前高速バスのりばへ。1ブロック先には待合室と高速バス予約センターがあるも、北関東ライナーは予約不能のため窓口売りはなく、出発直前にのりばに社員がやってきて乗車券を販売するスタイル。数人が購入するうちにバスが入線、用務然とした5人が乗車。うち2人は制服姿の女性だが、高校生?

県庁前・東武駅西口では乗車なく、鹿沼インター通りへ。宮環陸橋を越えてしばらく、通りを右折すると関東自動車宇都宮営業所・砥上車庫へ。観光バスなどがずらりと並ぶ構内奥深くまでぐるっと廻ってくれるのは当方にはうれしいものの乗車はなし。
再びインター通りを西へ、丘陵のアップダウンからJR日光線を跨いだ先は鹿沼工業団地に。陸橋を通らずに側道からいったん右折すると、鹿沼市北犬飼コミュニティセンター。マロニエ号成田・羽田・新宿線は当初インター通りの陸橋横にバス停があったが、2002年2月からコミュニティセンター経由となり、センター内駐車場について高速バス利用者にも開放(有料)。先述の通り、関東自動車撤退後のマロニエ新宿号だけ2006年8月に鹿沼BTに変更となり、バス停にも新宿行は移設した旨書かれていた。
先の砥上車庫もマロニエ新宿線は停車していたが成田・羽田線は通過と差があったりするのは不思議な気がする。そもそも、砥上車庫はP&R対応しておらず、インター通り上に路線バス停留所があることから、わざわざ道を1本外れ、構内をぐるっと廻ってまで経由する必要があるかは疑問だ。

スーツケース片手の女性が佇むもコミュニティセンターでの乗車はなく、鹿沼ICから東北道に入り栃木都賀JCTからは朝来た道を戻るカタチに。佐野藤岡ICを降りR50に進むが、朝よりは流れているものの交通量は多い。なおこの路線は佐野新都市は経由しない。マロニエ新宿号の宇都宮発着末期には佐野~宇都宮間区間利用もできたのだが、期待するほどの利用がなかったのかもしれない。
足利市内で車列が詰まったものの、なんとか太田桐生ICまでたどり着くと、北関東道はスムーズ。伊勢崎IC手前で宇都宮行NCB3便と離合したが、夕暮れの中利用状況はチェックできず。高崎ICを降り、市内一般道が少々滞っていたこともあり、高崎には5分ほどの延着。まず高崎BCで夫婦2人が、高崎駅東口では制服姿の女性2人が降車。前橋方面への1人を乗せてバスは走り去っていった。

NCB高崎BC

■高崎BCで高速バス需要の一端を見る

当方はこの後NCB秋葉原行最終便に乗車するべく、高崎BCの小ぢんまりとした待合室でしばし待機。駅から2ブロックと程近いながらP&R・タクシー乗継拠点として役割分担しているのはNCBらしさというところだが、有人チケット売場と発車オーライネットの自動発券機もあり、20分ほどの間に「仙台行きは?」「奈良に行きたいんですけど」「今度のは新宿行くの?」…と数人が入れ替わり立ち替わりやってきたのには驚いた。無論たまたまではあろうが、群馬の高速バス需要の一端を垣間見た気がしたとするのは大袈裟かな?。そういえば先程宇都宮便で高崎BC到着時に目前を走り去っていった新潟行新潟交通便にも10人ほどの乗客を確認しており、ニッチな需要の存在に思いを馳せたのだった。

ところで現在、高崎駅東口駅前ロータリーでは、ペデストリアンデッキおよび高速バスターミナルの整備を実施中。NCBの絡まない関越交通の成田線アザレア号・季節運行の富士急ハイランド便は駅東口のみ経由、駅前に発券所があるわけでなく、工事中ということもあるのかのりばには各路線のポールが林立状態と、アナウンス的には必ずしもよろしくない状態であるのも事実。

高崎駅東口

高崎市役所によれば、案内所をヤマダ電機ビル1Fに設置するほか、ペデ下部に8台分の高速バス乗降スペースを設置する計画とか。若干工事の遅延もある様子ながら、北関東道全通にあわせ、新規路線誘致を積極的に行い、高崎と日本各地の主要都市を結ぶ高速バス拠点として整備していく-という頼もしい言葉も。更には駅前から東に伸びる整備中のR354BP(東毛広域幹線道路)と関越道との交点(高崎JCT南方)にスマートICを設置することで、新幹線と高速道路を利用した高速交通網の構築も目指しているのだとか。
事実、NCBにより既に思いがけない?高速バスネットワークが形成されていることからしても、あながち夢物語とも言い切れない…が、いざ駅東口BT完成時には、高崎BCはどうなるのだろうか…。

 

3県間および北関東道の公共交通需要の今後を占う

これまで、3県(都)公共交通は、JR両毛線・水戸線が担ってきたといえましょうか。両毛線では宇都宮発着列車も設定こそされているほか、かつて水戸線から桐生までの直通列車も設定されていたとのことですが、さすがに広域流動を意識したものではなかったかと。先述した通り、宇都宮~水戸間にはかつて長距離路線バスが設定されていた時期もあることから、結果的に北関東ライナー各路線の運行本数に流動需要が反映されているとするのが適当でしょう。

関東鉄道路線バス

その意味では、宇都宮~水戸線はまず順調な滑り出しを見せたということができるかもしれません。前橋高崎~宇都宮線も、拠点間という意味では潜在需要を掘り起こしつつあるとも。
で、前橋高崎~水戸線は、やはり群馬ベースの1往復ということで、少なくとも初日の状況を見る限りにはちと厳しそうと云う気もしますが…ただし、この路線に拠点間のみの需要を求めるのも酷という気が。その意味で佐野新都市経由というのがヒントになるのでしょうが、北関東道全通時にどのような対応を採るのかが注目となりましょうか。また、水戸ベースでの往復需要を考える意味では、各路線のチラシで各地域での観光スポット紹介のほか新幹線接続を謳っているところが、今後ひとつのポイントになるやもしれません。

なお観光流動という意味では、日光然り、例えば水戸では夏季を中心とした大洗・那珂湊方面への連携をとも思ってしまうのですが、であるならばマイカーだろうなというのが現実的でしょうか。個人的には茨城空港のポテンシャルはさほど低くない、むしろ北関東道との連携次第でSKY神戸便だけでなく、千歳なり福岡なり、飛行機数往復分の需要は仕立てられるのではないかとも思っているのですが、その意味で北関東道沿線での需要が拾えるようなP&R拠点整備の可能性をと考えてしまいます。

【検証:】ではかつて、NCBの特異な展開にあわせ、両毛地域におけるP&R・乗継拠点に注目したことがあるのですが、こと北関東道との関連で見ると微妙な感じが…前橋BCこそ北関東道至近ですが、ルート取りとしては高崎優先ゆえ実質出庫回送の営業利用的なポジションとなっていますし、佐野新都市BTも北関東道全通時には位置的に外れる意味では路線設定として使い難い感じ。伊勢崎まちかどステーションプラザ広瀬やBUSターミナルおおたも北関東道とは大きく離れていますが、ことNCB夜行便でみると下道経由で丹念に需要を拾うスタイル、北関東道乗せ換えの必要性はさほどといえましょう。
ちなみに伊勢崎市の観覧車問題の端緒は、波志江PA/SIC設置の広域交流拠点性を狙ったものでもあったのですが、個人的にはここへのP&R拠点整備に可能性を感じるのですが…昨年運行開始したJRバス関東伊勢崎線は本庄経由での需要確保であり、伊勢崎直行といっても市街北側からのアプローチでの需要確保は未知数といわざるを得ないのかもしれません。

JRBK佐野支店

対東京という意味での路線可能性では、短命に終わった足利わたらせ号の復活可能性。佐野とは別建てにし、太田方面とも絡めれば可能性はありそう…その意味でもJRBK佐野支店の存在は大きそうな。
一方、東野がチャレンジした真岡方面や、茨交単独で頑張ってみた笠間方面などについては、そもそもの需要が細かったということになるのか、復活の兆しはなさそう。このあたりと連動した北関東道近辺でのP&R拠点整備の是非が、3県庁所在地間路線の成長可能性にも影響すると思うだけに、現実はそう甘くないというハナシになってしまうのかもしれません…。

北関東ライナーが夢と未来をつなぎとめるか-まずは全通後の各路線展開が焦点となるものと考えます。

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Re: 発進!北関東ライナー

投稿者---こみゅー氏(2010/04/11(Sun) 04:04)
http://dreamexpress.sakura.ne.jp/

早速のレポートありがとうございます。
うちも昨秋の宇都宮~水戸線の開業初期に北関東ライナーのインプレを書いていました

宇都宮~前橋線も水戸線同様インターパーク経由になるのかなと思ったら開設当初のマロニエ新宿号を彷彿とさせる砥上・鹿沼経由とは・・・
前橋・高崎~水戸線については日本中央バスの1往復というのが苦しいですが、宇都宮乗り継ぎで運賃を割引にできれば実質的な本数増にできるかもしれません。
理想的には九州道基山PAのようにインターパークか壬生PA辺りに高速バス同士の乗り継ぎ拠点を設置して乗り継ぎ割引ができるようになれば、利便性向上に加えてJRやマイカーに対する競争力を確保できそうな気がします。

しかし4月15日限りで関鉄の水戸~日光鬼怒川線廃止とは驚きました。
個人的にはどうもやる気のなさそうな運行体制に見えただけに、早期廃止もやむなしの烙印を押さざるを得ないと考えます。
まず鬼怒川温泉を目的地とするにもかかわらず、朝の水戸発と午後の日光発に偏重させ、宿泊利用をほぼ無視したダイヤ設定は理解に苦しみます。
この背景には栃木側のパートナーとなるべき東武バス日光ないし日光交通の協力が得られなかった可能性も否定できませんが、もう少し妙案はなかったものかと首をひねりたくなります。
新宿~日光鬼怒川線や福島空港リムジンも不振に終わりましたが、高速バスにとって日光・鬼怒川は鬼門なんでしょうか?

バスの中量性と機動性を活かすルート取りの可能性は?

投稿者---551planning(2010/04/11(Sun) 08:32)

御無沙汰しております、御登場頂けると思っておりましたよ!

こみゅー様の実見を見る限り、水戸~日光鬼怒川線は途中休憩なしでは時間がかかりすぎるきらいがあったのやもしれませんね。であるならばいっそ宇都宮駅経由でも良かったのかなとも。ともあれ、新緑の季節を目前に…という意味では、東北道等渋滞の影響もあったのかもしれません。
NCB水戸線も単独1往復と似たスタイルですが、こみゅー様も提言されるように、那珂湊・大洗方面との連携を…と思うのですが、時間間隔がどう出るかというところでしょうか。当方も水戸からの需要喚起については佐野経由がミソとはしたものの、それこそアウトレットなら阿見と大洗にあり、これだけでは弱いですよね。厄除け大師やラーメンと絡めての観光提案としても、JRBK「渡良瀬ストーリー」的な企画を打つくらいならいっそツアーを仕立てたほうが…となりましょうし。

インターパークですが、個人的には可能性を感じつつも現時点では渋滞等ネガティブ指向で捉えてしまうのですが…確かに北関東最大級とはいえ、アウトレットほどの特徴がないような気がしますし、ジョイフル本田ならそれこそマイカーで行かねば、と。その意味では前橋高崎線が鹿沼経由となったのもまぁ順当とは思いますが、こちらはこちらで捻りがないのも事実だったり。

実のところ、各路線というか各県庁所在地とも、最寄高速ICとの距離感が微妙で、結果下道で思わぬ時間が取られてしまう、という印象を受けましたね。その意味では駅BTとSIC連携という高崎市役所の志向性は注目ですし、たとえば水戸にしても大工町経由にせず水戸南ICから駅南口に直行しちゃうとか、前橋高崎~宇都宮線を鹿沼経由のままとしてインターパーク発着にするなど、必ずしも駅を起終点にしないルート取りを工夫してみるテもあるとは思うのですが。

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北関東道全通も載せ替え無し?

投稿者---551planning (2011/03/03(Thu) 13:53)

最後の未通区間であった太田桐生IC~佐野田沼IC間が03/19に開通、いよいよ北関東自動車道が全通します。
さて北関東ライナーはどうなるのかと気に掛けていたのですが、現時点でも運行事業者サイトでは特段情報はなし…載せ替えはないということなのでしょうか。

前橋・高崎~水戸・勝田線は開業時点からでしたが、前橋・高崎~宇都宮線も2010/10/01から佐野新都市BT経由に変更。宇都宮線では前橋・高崎からの佐野下車も可能となり、アウトレットアクセスにも使い手があるようになっています。なお宇都宮~水戸線も同日経路変更となり、水戸側では茨城大学前経由化(ただし赤塚駅・水戸IC経由のまま)、宇都宮側では到着便についてJR駅→東武駅経由に変更されています。
北関東道開通前の毎日連載記事では日本中央バス関係者が登場。『(太平洋の)光輝く海は違う』と茨城方面の海水浴ニーズへの期待感をにじませる一方、茨城空港アクセスについては『お客さんはやはり心理的に遠いと感じてしまう』として直行便開設にためらいを見せた-とありました。探りの意味合いもあったであろう前橋・高崎~水戸・勝田線が動きを見せない(≒現時点で集客に難?)となれば慎重にもなろうかと。その意味でも佐野の需要は底堅いとみているのかもしれません。

とはいえ、佐野・足利BPとして整備されているとはいえR50経由を続けるのは定時性に難があるのではとも。逆に物流車両等の高速転移によって空く可能性を見越しているのかもしれませんが、そうなると足利市内にも停留所があっても…とも思ったり。立体部分ゆえ設置は簡単ではないでしょうが、東武田島駅や福居駅との連携なんてのも路線勢圏を広げるには手っ取り早いのでは?

そしてもう一つ気に掛けているJRBKの動きも特段なし-本庄・伊勢崎線も04/01から伊勢崎駅乗り入れの発表はあれど高速ルートの変更ではないですし、Suica/PASMO対応に伴い行われていた各種割引サービスも3月末での終了が発表されています。
その意味ではとりあえず様子見という感じなのかもしれませんが、果たしてサプライズはあるでしょうか…。

もしやこのまま…/茨交の踏ん張りに期待!

投稿者---551planning (2011/04/01(Fri) 13:32)

先の震災では北関東道も一時全線で通行止めとなり、笠間PA(両方向)では建物等の損傷等により閉鎖が続いていますが、道路は新規開通区間を含め、緊急交通路指定された東北道の浦和~宇都宮間解除にあわせ03/19 12:00までにすべて 復旧、新規開通区間については当初予定より3時間前倒しの開通となったほか、R50の混雑を受け/12 04:00から緊急車両通行対応を行い約2400台が通過した由。

北関東ライナーについては03/17に宇都宮~水戸線が、/23から前橋高崎~宇都宮線が運行再開されていますが、現時点でも前橋高崎~水戸線が再開されていません。日本中央バス単独1往復のところ、仙台方面のミリオンライナー・仙台ライナーを優先運行させている状況もあろうかと思いますが、04/01までに他の全路線がすべて運行再開となる中、『当路線の運行については、運行再開の見込みがたっておりません』との赤文字がなんとも気にかかるところですが…。

***
なお話は逸れますが、茨城県内でも大きな被害が出ており、県内鉄道路線網も寸断状態に。ようやく常磐線が勝田まで到達するなど復旧が急ピッチで進められているところですが、興味深い動きを見せたのは茨城交通。列車代行バスではなく「支援バス」というスタイルで臨時路線を展開しています。
震災後、停電や道路状況で自社路線も満足に動かせない状況の中、ガソリン枯渇を受けた「通勤・通学の足の確保のため」一時的措置として運賃上限200円を03/15に断行。各所に被害を受けたJR水戸駅が報道公開された/18からは駅北口~南口間の直行臨時バスを運行しています(ともに/21まで)。
御承知の通り同社は2008/11に民事再生法適用申請、翌年に経営共創基盤(みちのりHD)による再建が図られているわけですが、『当社は(中略)新経営体制を発足させ、(1)地域のお客様の「公共交通回帰」の実現、(2)グループ一体経営、(3)長期安定的な収益の確保の三点を大きな経営課題として、グループの社員が一丸となって事業再建に取り組んでおります。地域の公共交通機関として当社は、今後も地域の皆さまにとって利便性が向上するような様々な取り組みを推進し、よりよい公共交通ネットワークを構築できるよう、引き続き努力してまいります』(以上リリースより抜粋)との言葉が頼もしいです。
/16以降東京方面との高速バスを順次再開、/20からは笠間~秋葉原間で「緊急支援バス」を運行開始。笠間といえば1999/02から高速バスが運行されていましたが数度のテコ入れ及ばす2007/10に“休止”されており、よもやの復活となりましょうか。なお常磐線運転再開までの期間限定としていましたが、輸送力補填のため04/15までの運行継続が決定しています。さらに/22からは水戸・勝田~日立・大甕間で「緊急支援バス」を、/28からは水戸~大宮・大子間で「大子町支援バス」を運行開始。4月の県内高校始業にあわせ水戸線方面含め支援バスおよび既存路線バスの増便を図ってゆくとのことです。

なぜ列車代行バスでないのかは不明ですが、「支援バス」は国土交通省からの緊急通達・茨城県等地元自治体からの要望を受けたものであり、拠点間輸送に特化していることや運賃収受等の兼ね合いもあってのことかと。なお、JR-E水戸支社のリリースでは那珂川橋梁が被災を受けた水郡線についてはその他区間を4月下旬までに復旧させその後代行バスでつなぐ-としています。
また茨交では大きな被害を受け全線運休中のひたちなか海浜鉄道の列車代行バスを受けていますが、一方でひたちなか海浜鉄道社長からするとこの負担も重いとの言葉があり、なかなかに難しそうです。


最新情報は【検証:】Wiki-両毛地域の高速バス拠点展開状況にて
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