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トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート2008-06

きときとライナー

新鮮!中部縦断!きときとライナー乗車記

愛知県の一宮JCTと富山県の小矢部砺波JCTとを結ぶ東海北陸自動車道が2008/07/05、飛騨清見IC-白川郷IC間開通により184.8km全通となります。1986年の岐阜各務原IC-美濃IC間部分開通から実に22年、中部地方を貫通する高速道路には沿線から大きな期待が寄せられています。
その中で、いち早く動きを見せたのが高速バス路線の開設。富山と岐阜・愛知を結ぶ路線は既に名古屋~富山線(名鉄バス・富山地鉄)が2002年より運行されていますが、開通を見越して3グループが申請し、それぞれ4月に運行を開始しました。

名古屋・岐阜~高岡・氷見線岐阜バス・加越能バス04/10開業昼行2往復
名古屋~砺波・高岡・小矢部線イルカ交通
「きときとライナー」
04/20開業昼行3往復(開業当初は4往復)
名古屋~富山・高岡・金沢線JR東海バス・西日本JRバス
「北陸ドリーム名古屋号」
04/22開業夜行1往復

このうち、名古屋~高岡・砺波間昼行便は事実上ダブルトラックとなるのですが、イルカ交通は路線バス新規参入。富山県小矢部市に拠点を置く物流企業・大和トランスポートの貸切バス部門会社として設立されて数年程の新しい会社ですが、路線専用車両3台を投入するなど万全の体制で臨みます…余計なお節介ながら、都市間ツアーバス全盛の昨今、わざわざ1年以上かけて路線新規参入する姿勢はなかなかと感じ入りました…ま、いろいろ調べてみると公的補助が出るとか出ないとかの話もあるようなのではありますが、このあたりは後述。

ともあれ、乗車機会を得ましたので所感までに。できれば東海北陸道全通後のほうが良かったかもしれないものの、結果的には昔語りとなる「イチコロ高速バス走行」を堪能したということで。

「きときとライナー」に乗って

名古屋駅ポール名古屋駅ポール

■ 17:30 名古屋駅前

学校を終えた学生を中心に人の流れが途切れない平日夕暮れの名古屋駅前。出発時刻1時間程前に、まずは昨年オープンしたミッドランドスクエア前のバス停を確認しておきます。名駅で高速バスといえば名鉄BCか名古屋バスターミナルが定番ですが、単独運行ということもあってか違うバス停となっています…尤も判り易さでは一番かもしれませんが。
少し離れて2つポールが並んでおり、片方は名古屋観光日急と平和コーポレーションの文字…ただし、平和コーポレーションは空港連絡バス中津川線の名古屋駅立ち寄りを廃止しており、その旨の注記もされていました。名古屋観光日急の高速バスは名鉄BC発着なので、権利貸しとかだったのか?いずれにせよ無用なのかなとも。
もうひとつが今回のお目当てである「きときとライナー」のものですが、先輩のあおい交通名古屋空港線のものに併記されていました。便数も3本と少ないためか、注記欄もかなり狭い感じがしましたが…そんな心配は無用であることを後程知ることに。

さて、所用を済ませ再びバス停へ…と、1台のバスが当方を待っていました。日が翳り始めている中でも鮮やかな黄色が街に独特の存在感を示しています。車体側面には「きときとライナー」の青文字と白いイルカのマーク。忘れちゃいけないナンバープレートは「・758」。3台とも希望ナンバーだそうですよ。ちなみに、なぜか停まっていたのは日急ポールのほうでした。
何はともあれ早速乗り込み、待ちぼうけ状態然だった運転手氏に予約の旨告げます。座席は予約制ながら電話1本でOK、乗車時直接精算としているため余計な紙などの印刷も不要。その場で支払、運賃箱でレシートが印字され、降車時に手渡す仕掛け、サイトでは「新チケットサービス」と謳っていますが、原始的ではあるもののシンプルです。『スーパーシートで…宜しいですよね?』と遠慮がちに確認があり承諾。高速バスでは珍しい2クラス制を採用しており、2-1シートのスーパーシートが前方2.5列の7席、後方にエコノミーシート6.5列26席の総勢33席という構成で、価格差は1000円となっています。

発車時間まで時間があったことから飲み物を買いにひとっ走り、道路向かいできときとライナーを見やれば、横をあおい交通便が走り抜けてゆきました。なるほど、このためにきときと車は前方待機していたんですね。車に戻って腰を落ち着けていると、きときと車を撮影する御同輩がちらほら…運行開始2ヵ月後でも、まだまだ「きときと」な存在のようで。
名古屋駅前 運転手氏が『こりゃ来ないかな…』とつぶやいた後に男性1人が飛び乗ってきて発車時間…そう、貸切状態こそ免れたものの、この日は乗客2人で確定です。道理でスーパーシートにするのかどうか…ということだったようで。当方予約は単独1席のほうでしたが、『どうぞどうぞ!』との運転手氏の快諾により2席側に移動、4時間余の行程に備えます。

■ 18:40 名古屋駅前発

名駅入口から早速名古屋高速に乗ります。すぐ前には業界の“大先輩”日本中央バスの「シルクライナー」が。「藤岡・佐野」の表示も誇らしげですが、京都を15:30に発ち、名古屋駅太閤口前を18:30に経由して、藤岡ICには23:30、終点の佐野新都市BTには02:40…数人は乗っていましたから立派?です。僅かなランデブーは明道町JCTまで、互いの無事を祈ります。
当方東海北陸道は、2002年に岐阜バス関・美濃線で関ICまで乗っていますが、そのときには名岐国道の渋滞に難儀した記憶が…昨年12月までに全通した6号清須線・16号一宮線を軽やかに走ればあっという間に一宮ICから名神へ、そして一宮JCTから東海北陸道へと入ります。JCTのメイン標識こそ「岐阜・高山」ですが、路側部には白覆が被せられているものの「←富山」の文字が判ります。

雄大な一宮市内の弧を辿り、最近セアカゴケグモ発見で話題となったツインアーチ138、アクア・トトぎふが話題の川島ハイウェイオアシスが右左に展開すると、右奥にもはや巨大要塞とも思えてしまうイオン各務原SCが…。最初の権現山トンネルには「1/56」の標識があり、山登りへの気分が高まります。
といっても、さすがに日も暮れてきて、美濃市街を越えるとほぼ真っ暗に。ようやく郡上八幡の市街を灯りで確かめるも、トンネルの連続でさすがに景色は単調に。郡上八幡手前の美並ICの先から2車線対面通行となり、一部区間では4車線化工事も進展中…途中の平山トンネルでは、2004/07に過積載のトラックと乗用車が正面衝突し炎上、7人が死亡する惨事が起きており、事業の前倒しが図られた区間でもあります。そういえばその事故当日には磐越道でも対面通行区間で4人死亡の正面衝突事故があったのでした。

■ 19:58 ひるがの高原SA着

いくつものトンネルを越えて高度を上げてゆくと、ひるがの高原SAに到着、ここで10分間の休憩となります。
ひるがの高原は長良川と庄川の分水嶺にもあたり、ひるがの高原SAは標高860m、日本最高所のサービスエリア(最高所パーキングエリアは中央道原PA)。昨年には上下線に相次いで24時間営業のコンビニが設置されるなど、東海北陸道随一のサービス拠点といっても過言ではないでしょう。下り線にはサークルKがあり、品物も充実。別棟のサービスエリアは焼きたてパン屋などもあるものの、さすがに時間が遅いこともあり、冷やかしてバスに戻ります。

ここで改めて車内を眺めてみます。黄色の外観と比べ車内は青ベース。スーパーシートは横幅でエコノミーシートの1.2倍程度、かなり厚いクッションに可動式の枕、レッグレストとフットレストもついています。エコノミーシートも新車とあってしっかりしており、ホワイトベースが車内に軽快感を与えています。天井は標準仕様のLED装飾がなされていますが、波型がきときとライナーのイメージにマッチ。

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個人的に注目は化粧室。最後尾1列分を使い、トイレと洗面台が別に設置。昼行バスでコレだけのスペースをもった化粧室は記憶にありません。洗面台の鏡は大きく、乗車時の揺れる車内という実用性はさておき、女性受けを狙っていることが窺えます。

 

ひるがの高原SAを出発、すぐに荘川ICに到着、ここで東海北陸道を降ります。ここから御母衣ダムを経て白川郷に至るR156は屈指の難所、東海北陸道も弧を描くように高山寄りに迂回、かつ日本第2位の長さとなる飛騨トンネルでの峠越えとなるなどからして、まさに東海北陸道が地域の光明となることが窺えるというものです。
荘川ICを降りると眼前に道の駅桜の郷荘川が。ここはバスの駅にも指定されており、大阪・名古屋・金沢とを結ぶ高速バスと地域路線バスが接続する拠点でもありましたが、東海北陸道全通で濃飛バスが高速バス路線の荘川経由を廃止するため、動向が気掛かりなところ…日帰り温泉併設も20:30までの営業のため、この時間ではひっそりとしていました。

いよいよハイライト、R156に突入です。当方は2004年に日中、白川郷から桜の郷荘川まで路線バスで進みましたが、なかなかのルートでありながら交通量が多かった記憶があります。今回は夜中、しかもハイデッカー車での走行となる分、「すれ違い注意」の看板に思わず固唾をのみます。
岩瀬橋を渡り数本のトンネルを通過したところでバスと対向。これが高岡18:30発の便、こちらにはエコノミーシートに7人ほど乗車がありました。

その後も神経を使う道が続きます。中型トラックが先を行き、後ろには大型キャリアカーが2台も続きます。中型トラックはマイペースで、ウチの運転手氏が後続に大型車がいるぞというクラクションでアピール、更にサイドミラーにはキャリアカーのライトがかなり映り込み、対向車が来れば運転手氏が巧みなハンドルさばきで後続車に伝えるなど、神経を使う様にこちらも脂汗を感じるような…ペアピンカーブを一気に下り、御母衣ダムのロックフィルを見かければ狭隘区間終了です。

夜とあって世界遺産・白川郷の合掌造り集落を拝むこともままならないままに、白川郷ICから再び東海北陸道へ。全通すれば、また白川郷や五箇山を訪れる人が増えるでしょうし、地域環境保全への取り組みも求められる分、難しいところだろうな…などと思いを馳せているうちに、R156であれば庄川沿いに飛越七橋で岐阜・富山両県を何度も越えるところを、トンネルで一気に富山県へ。五箇山ICから長大トンネル2本を一気に下れば、砺波平野に躍り出ます。

城端SA

■ 21:24 城端SA着

城端SAで再び10分間の休憩。桜ヶ池ハイウェイオアシスと連絡しているものの、もはや周辺は夜の帳が包んでおりSAといっても自販機くらいしかない簡素なもので、加越能・岐阜バス路線用のバス停の実見も忘れてバスに戻りました。ここで、降車場所を再確認した運転手氏と思いがけず話が弾みます…以下はおぼろげなんですがさほど脚色はしていませんので念のため。

「やっぱりイチコロ、キツイですねぇ」
『いや、(慣れれば)そうでもないんですよ。むしろ高速(道路)を何時間も走っているほうが神経使いますね』
「さっきは後続車に煽られてたんですかね?」
『あそこ走る大型車は無理はしません、ただ(キャリアカーゆえ)車幅的に左に寄れないからあんな感じになるんです』

とのこと。
高速ができたら楽になりますかね…と振ると、一応30分の時間短縮を予定しているものの、なにぶん走ったことがないので判らない。07/01に関係者試走会があるので、私も走るんですけどね、距離が伸びますからね…あと休憩がひるがの高原SA1箇所になるとのこと。「え?距離が伸びるん?」と、もう一人のお客さんも話に加わります。

『高山のほうまで廻り込む感じになるんでね…トンネルも対面(通行)だし、(新規開通区間走行中に)なんかあったら逃げ道がないから』
「それでも30分も違うとかなり違うでしょ」
『まぁね…私らは名古屋でちょっと休憩できるくらいですけどね』

そして、まだ利用客が読めていない雰囲気の話に。砺波・高岡はリピーターがついてきたけど、名古屋のお客さんがまだまだ…と。知名度云々という話にこそならなかったものの、そこが最大のポイントかと個人的には感じました。
ここで「高山経由にでもすりゃぁ?」と相客氏。『いや、直行じゃないとお客さんは逃げますわ』と運転手氏。そして、

『ウチは週末はかなり埋まるようになったけど、加越能サンのほうは苦労してるようですよ』
「岐阜経由だからねぇ」
『岐阜で降りる人が2/3とからしいんですが、そこなんでしょうね…ウチは小牧に車庫があるんで、加越能サンは岐阜バスと組むしかなかったから、拠点の有り無しは難しいですよ』

と。あおい交通車庫でも間借りしているのかと思いきや、どうも大和トランスポートが小牧営業所を持っているようで…ちなみに、名古屋での折り返し休憩地なのか、今回の乗車2時間程前に名古屋高速新洲崎JCT付近高架下の駐車場に停まっていたのを確認しています。

思いがけず話が弾むうちに出発時間となり、若干早着する旨伝えられて発車。いよいよ降車エリアへ進みます。小矢部砺波JCTから北陸道を富山方面に進み砺波ICで高速を降り、砺波駅南口に到着。APAホテルがやけに大きく見えました…ここで相客氏が降車。
そしてすっかり“街の道路”となったR156を北上、部分的に完成している県道高岡環状線を少し東進。このあたりに北陸新幹線がやってくることになろうかと思われますが、これまたどでかいイオンモール高岡の横をすり抜けるように北上すれば、高岡駅南口に到着…あ、ちなみに追接されたイオンのバスターミナルには寄りませんでした。
運転手氏に挨拶をして降車。真新しい駅前のポールも可愛らしい仕様ですが、メイン口には入れない?寂しさも感じさせます。「東海北陸道開通!」の幟がはためく中、回送表示を出したバスが走り去って行きました。

■ 22:21 高岡駅南口着

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高岡到着後、同一経路の夜行便である「北陸ドリーム名古屋号」に乗車しました。金沢から砺波、高岡を経由して富山から高速に乗る変則経路でもあります。

高岡駅正面口は南口と違い駅コンビニや軽トラ改装の屋台ラーメンなどが出ており、少ないながらも人が集まることで活気がありました。その中やってきたのはJR東海バス便。高岡での乗車は2人、先に4人が乗っていた車内は既にカーテンが閉じられていましたが、灯りはついたままで出発です。県道44号線を西進し、富山駅前に到着。ここで4人が乗車しました。出発までしばらく停車となり、コンビニに立ち寄るべく外に出ると、ここにも軽トラ改造の屋台ラーメン店が…富山流?。
富山駅を出発し、運転手氏の挨拶。この先呉羽PA・ひるがの高原SAでの開放休憩、関SAでの乗務員休憩を行うことと、一般道走行時に『道がかなり狭いことから、急ブレーキや警笛を使用することがありますので予め御了承下さい』との断りが入るのがいかにも…。
呉羽PA・ひるがの高原SAでの開放休憩時はいずれも車外に出ましたが、それにしてもひるがののコンビニ(上り線はファミマ)の24時間営業は…全通すればより意味を持つと思っておきましょう。肝心のR156区間ですが、おぼろげに記憶あり…確かクラクションは1回鳴らされただけだったような。それにしても深夜とあってかかなりアグレッシブな走りだったなぁと。
関SAでの時間調整が1時間半以上あり、出発が05:45と、果たして名古屋定刻06:30に間に合うのか?と気を揉みましたが、名古屋高速でなく名岐国道を走って定刻数分遅れ…はさすがというかなんというか。個人的には乗継があったので、定刻少し早着ぐらいが好ましいのですがねぇ。

というわけで、折角の区間が夜でしたので、せめて写真でも…下記はいずれも2004年のものです。

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「きときとライナー」誕生までとこれから

イルカ交通新規参入の経緯をさっくりと追ってみると、まず高岡市役所が2006年秋から庁内ワーキングで東海北陸道高速バスを研究、採算性が確保できるのではという前提のもと、2007/05に広告宣伝・施設整備等に対する補助を行う旨表明。同時期に砺波商工会議所も高速バス路線誘致を表明していました。

これに呼応するように手を上げたのがイルカ交通。2007/06に国交省に路線バス開設申請を行い、11月に許可。申請時点でスーパーシート設置等を決めていたとのことですから、用意周到振りが窺えます。
その後2008/01にJR東海バス・西日本JRバスが夜行便を、2月に岐阜バス・加越能バスが岐阜経由の昼行便について申請、いずれも許可となり4月に相次いで路線開設となったわけです。なお、イルカ交通の許可時点では2月運行開始ともなっていましたが、前後して東海北陸道全通の3ヶ月延期が発表されたこともあり計画修正、既存事業者ゆえに許可も早いであろう他社申請にも影響があったものと推察されます。

こうした動きに焦ったというわけではないのでしょうが、イルカ交通は小矢部市内に拠点を持つものの当初は高岡発着としていたところ、小矢部市にも発着して欲しいとの要望を受け小矢部始発に。加えて小矢部市は2008/03に「市高速路線バス利用促進検討会」を立ち上げ、各種検討を行った結果、6月に市民対象の運賃割引(補助)制度導入などの提言を取りまとめています…ただし、その際に『小矢部市での乗降客が少なく、路線存続が難しい』といった実情も出ているようで…しかもこのあたり、キナ臭いような背景もあるとかないとか。

***
ともあれ、イルカ交通便を実際に利用して感じたのが、「高速バスのニーズをよく研究している」ということ。前面に打ち出さなくとも、メインターゲットを女性に据えていることは明白でしょうし、予約時点におけるツアーバス的味付けを含め、 高岡駅前 気取らない利用を薦めたい意図を実感できます。その分、「富山の会社」テイストがあるためか、名古屋側の需要掘り起こしになお課題ありやとも感じられるのではありますが。

その意味では、当初回数券等の設定も考慮していたとのことながら、往復割引に留まっているところのあたりに、なお需要見極めに時間を要しているのかなとも。
開業時4往復から3往復に計画的に減らしたのもその表れなのでしょうが、今回改正でも出発時間はそのまま、運転手氏との雑談の中で「名古屋発がもう少し遅ければ…」としたところ、『最初はもっと遅かったんですけど、お客さんが…』とのこと。

最後に、今回実見機会のなかった加越能&岐阜バスについて触れておくと、開業記念的な運賃3,000円が高速載せ替えで終了し名古屋3,500円とイルカ交通と同値になる一方、往復割引が6,300円とイルカ交通より200円安、さらに4枚綴り回数券も設定されるなど、便数が1往復少ないながら価格勝負に来ています。まぁ、既に記したとおり岐阜経由であることには変わらず、直結性という意味では一歩譲るところですが、富山側でも氷見発着、城端SAや砺波市役所など停車箇所が多く、バスアンドライドを行うなど細やかな対応も今後が興味深いところです。

東海北陸道高速バスの進化が問われるのはまさにこれから。沿線の高山・荘川・白川郷アクセスの変化、対金沢の北陸道特急バス等を含めた動向が注目されましょう。

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きときとライナー、氷見・七尾・和倉へ

投稿者---551planning(2009/05/03 15:20:32)

東海北陸道全通を見据え、富山のイルカ交通が高速バス路線「きときとライナー」で新規参入を果たして1年、大きな動きがありました。

05/01より、3往復のうち1往復が、氷見を経由して七尾・和倉温泉まで延長されることに。当方実見時、高岡側では固定客をつかんだ一方、名古屋側での知名度が…という話が出ていましたが、テコ入れ策のひとつと思われます。高岡エリアから和倉温泉までの利用も可能なようです。名古屋からの1泊旅行にいいダイヤという感じはするものの、和倉発09:30はチト早いような気も。氷見は加越能バス・岐阜バスが岐阜・名古屋線を2往復運行しているところ、丁度合間に入る感じとなっており、このあたりを意識したのかもしれません。

きときとライナーの動向をおさらいしておきます。

2008
 04/20 運行開始 4往復
 05/20 ダイヤ改正 3往復化 イオン高岡経由に
 07/06 東海北陸道全通に合わせ経路変更 30分ほど時間短縮
2009
 05/01 1往復を氷見・七尾・和倉へ

もともと高岡発着での計画だったきときとライナーですが、地域住民の要望を受ける形で本社のある小矢部発着として運行開始。P&R等を実施はしたものの、小矢部の場所が中途半端だったのか、今回本社停留所は廃止となり、能越道小矢部東ICにバス停を設置しています。これまでは北陸道砺波ICから砺波駅へ向かっていましたが、経路も変更され、小矢部利用者は時間的に短縮されることにもなります(とはいえ、P&Rがなくなる分、微妙かもしれませんが)。

同社サイトからはバスも4台体制としたことも伺え、万全の備えで臨んでいる事が伺えます。もう一度スーパーシートに乗ってみたいですね…。


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