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トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート:20

SWIMO

Hi-tram&SWIMOが拓く新たなレール

存廃問題を契機に市電の方向性を様々な角度から模索している北海道札幌市。しかしこの発表を見た時にはいささか唐突にも感じられました。
バッテリー駆動式低床電車の実路線試験ニーズと、老朽代替更新検討を行っていた市側との思惑が一致、今回の試験期間(11月~3月)こそ営業運転は行われないものの、その後の展開に期待含みということなのでしょう。

りっちぃとらみぃ

「架線レストラム」-当方がこのフレーズを聞いたのは、2003年秋の鉄道総研一般公開時。豊橋電鉄から譲り受けた路面電車にバッテリーを一杯積み込んだバッテリートラム「りっちぃとらみぃ」の公開でした。
正直言うと当時はまだまだ未来の話、と思っていたのですが、2年後の2005年はじめにはパンタグラフを取り付けた架線・バッテリーによる(電力)ハイブリッド電車へと進化。同年秋にはエネルギー回生利用バッテリー駆動型省エネLRV車両の研究開発が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の新規補助事業に採択され、2007年秋に架線レスLRV「Hi-tram」として結実したのです。

一方、川崎重工は大型ニッケル水素蓄電池「ギガセル」を独自開発。風力・太陽光といった各種発電システムからのエネルギーを一旦蓄えることにより、安定的な電力供給が実現する“マイクログリッド”の中心となるだけでなく、多面的な活用が考えられているところ、電力回生という観点から鉄道システムへの導入を開発当初から意識。2006年夏に筑豊電鉄から譲り受けた連接車での電池駆動走行試験に成功、2007年秋に超低床電池駆動LRV「SWIMO」を誕生させています。

相次いで報道されたこの2種の新型LRV。早速11月から順次試験運転されているとあっては見てみたいもの…まずは様子見をしていたら、札幌LRTの会公式ブログで毎日レポートされており、
  ・試験運転は月~金の日中主体
  ・Hi-tramとSWIMOが週代わりで通し運転
という状況を把握。平日かぁと思いつつ、やっぱり雪との競演?は見たいし、当初は雪まつり期間を外した2月下旬でもと考えていたところ、1月出発のほうがかなり安いと判り、01/31からの2泊3日でサッポロへと飛んだのでした。


初日は新千歳空港に10時前に到着、まずは白い恋人とラッキーにもじゃがポックルを確保。空港内を一巡りして、快速エアポートでは新型特急電車の乗り心地を楽しみつつ札幌へ。駅近くの宿に一旦荷物を預けて数日後に迫った雪まつりの準備に追われる大通公園を横目に西4丁目電停に向かいます。札幌市電乗車は3年半振り、雪景色の中乗るのは10年振りとなりました…電停には試験運転云々という注記などはなし。
1本見送って運転台横の席に座り、対向電車を見洩らさないよう臨戦態勢を確保。平日昼下がりの車内は賑やかで、西15丁目電停で立客多数に。その後徐々に乗客を減らして電車事業所前電停到着となりました…この週の走行試験は事前確認でSWIMOと判っていましたが、まず事業所車庫屋外にHi-tramを見つけホッとします。ところで新千歳到着後ここまでの間は時折薄日も差し雪はちらつく程度でしたが、電車事業所付近は丁度路線の西南端部にあたり背後には山が迫るとあってか、以後吹き降りる風が強まり雪も降り方を増してゆきます。

Hi-tramHi-tramHi-tram
M101M101Hi-tram

Hi-tramの印象ですが、やはり側面からして伊予鉄2100形ベースであることが伺えます。最大の特徴は屋根に乗るボックス大きなドアや窓には「試運転」の文字が大書されていますね。車内までは窺えませんでしたが、機器等が積まれているのでしょう。銀と青のボディーカラーは雪空の中寒々しくも見えますが、その分黄色時に赤書きのHi-tramのワッペンが良いアクセントになっているような。一方でJR総研のマークは剥がされていましたね。
パンタグラフは上げられており、しばらく後に職員がチェックし、前面のテールランプが点灯していたのですわ走行か?とも思っていたのですが、動く様子まではなくパンタも降ろされてしまいました。

さて、こうなるとSWIMOが気になりますが、すすきの方面まで深追いするよりはここで待ってみようと…どうも西4丁目場面で三足違い程で後追いになっていた様子。雪が降りしきる中、事業所前をウロウロしながら到着を待つこと30分、遠めにも特徴的な連接車が近づいてきました。と、真っ直ぐそのまま事業所内にとりこまれてしまいました。構内はループ状になっており、車庫南手にある屋内に留め置かれなにやらチェックしている様子。しばらく待ったものの動く気配なし、雪も激しくなってきたことからこの日は打ち止めとしました。
ちなみにSWIMOの印象はというと、大柄ながら地味ともいうべきカラーリングは、いい意味で街に溶け込みやすいのかなとも。四角感がやや強いような気もしますが、運転席窓側面の大きなカーブがいいアクセントになっています。車内には機器類がかなり積み込まれており、改めて試験中であることを窺わせます。

SWIMOSWIMOSWIMO
SWIMOSWIMOSWIMO

***
2日目はホテルでゆっくり朝食を摂り、すすきのから再び事業所前へ。Hi-tramが昨日の姿のままに据え置かれているところに数人の見学と思しき関係者が立っていました。それにしても一晩中外にいたのか、雪まみれになっていました…なるほど、後の報道によると極寒地でのバッテリー状況確認試験の一環だったということで、納得。
Hi-tramSWIMO SWIMOはいないなと思ったら、シャッターが開いた庫内に鎮座中。その後電源が入りLEDの行先表示機などがつけられたことから、さぁ出発かと思いきや、先程の見学者が床下に下りるなどしていたことから、時間が掛かるであろうと思い、午前はこれで中断。

小樽などで所用を済ませ、午後に再訪。昨日よりかなり遅い時間になったことから、あまり期待せずでしたが、SWIMOがいることを確認。庫内のため動かなさそうと思いながら事業所の裏手に廻った途端に、入口のほうで動くSWIMOの姿が! 急ぎ駆足で向かうも、シャッターつきの庫内に引き込まれてしまいました。
一方でHi-tramの姿がなく、もしやイレギュラー運行?などと淡い期待を持ちつつ、事業所から1ブロックほど東側の歩道橋にしばし陣取っていると、ふと後ろを振り返った瞬間にこれまたHi-tramが入口付近で動いているではないですか! また駆足で向かうも、やはりシャッターの中に引き込まれてゆきました…どうも、週末は庫内にて過ごすようです。なお、さすがに雪は綺麗に落とされていましたね。

***
最終日は土曜日、昨日の状況から期待薄ながらも新千歳空港行き連絡バス乗り場が近いことを利用して立ち寄るも、シャッターは堅く閉じられたまま。せめてもの救いは、一仕事終え、職員のメンテを気持ちよさげ?に受けるササラ電車軍団を目の当たりにすることが出来たことでしょうかね。


あくまで試験ということもあり、札幌市交も殆ど触れていない状態でしたが、ついに03/09に市民試乗会が開催されました…午前中に3便、Hi-tramのみで計60人とは狭き道になろうとは思っていましたが、はるかに超える応募があったようで、市民の注目度合いが窺えるというもの。
報道などを見るに、試乗も片道だった様子。車庫内でSWIMOともども説明等もあったようですが、やはり実験車両ということはあるも物足りなさも…? それにしても「低床式なので乗りやすいが、従来の電車に比べて車内が狭い」との感想は、松山の兄弟車を想起させますね。

一足先に札幌入りしていたHi-tramは試乗会を以って御役後免となり、早くも札幌の地を離れる様子。試験は3月いっぱいとのこと、実は当方3月下旬に札幌に行く予定があり、それまSWIMOは走行試験をやっているでしょうか…是非街中を走る姿、特にパンタグラフを下ろした走行姿を見てみたいものですが、今春から受注開始とされるSWIMOはかなり引き合いが来ているという話もあるところ、見るだけでなく乗る機会もひょっとしたら遠くはないお話、なのかもしれませんね。

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標準軌SWIMOは堺狙い?

投稿者---551planning(2008/07/30 22:17:35)

札幌市での実証試験運行後、動向をとんと聞かなくなったHi-TramとSWIMOですが、久々に話題が。

まず札幌での実験は、寒冷対策も含め順調に性能を発揮したそうで。ただその「SWIMO-X」は狭軌車両であったことから、世界仕様を睨んだ標準軌車両を2009年度中に別途製造するとのこと。で、新デザインが公表されています。
「青と白を基調にし、丸みを帯びた柔らかい外観。臨海都市をイメージした」そうですが、SWIMO-Xが角ばったところからすると、前面の楕円形がなんともいえない表情を持たせています。

で、「臨海都市をイメージ」の標準軌仕様となると、まぁ浮かんでくるのが、東西鉄軌道基本計画骨子(案)が公表されている大阪府堺市、そして経営予定者とされるとともに相互直通も計画される阪堺電気軌道とするのは早計でしょうかね。ちなみに川重は2年前の車両に関する技術提案にも応募していますし…そういえばトランスロール堺浜試験線はその後どうなっているのでしょうか?

SWIMO、海外戦略加速へ…国内は?

投稿者---551planning (2010/04/08(Thu) 10:48)

久々に川崎重工SWIMOの話題、でもなんだか寂しい…。

次世代型低床電池駆動(架線レス)LRVは海外からも注目を集めており、2011年度中に北米向け試験車両を完成させ、本格的な海外展開を目指すというもの。国内向けは最高40km/hのところ倍の80km/h出せるようにもする由。川重は北米・アジア市場で堅実な実績を重ねていますし、往々にしてそれらの受注は規模がそれなりですので、言うなれば日本国内での小ロットの実績を積み上げるよりはビジネスとして現実的となりましょう…ただ、札幌でSWIMO-Xを見た当方とすると、国内で営業運転を早く見たい気がするのですが。

…あれ、SWIMOといえば、2008年夏にも『世界仕様を睨んだ標準軌車両を2009年度中に製造』との報道がなされSWIMO-X(狭軌)の角ばったスタイルから丸っこいスタイルのデザインパースも出ていたような。『青と白を基調にし、丸みを帯びた柔らかい外観。臨海都市をイメージした』ということで、なるほど堺ですかぃ?なんてなことも思っていましたが。
堺は堺浜開発にあわせ、トントン拍子に?と思われていたところ、2009/09の市長交代により急速に萎んだ-のは御承知の通り。蛇足ながらトランスロール実験線も2009年度で終了しているそうで、とかく国内のビックプロジェクトはなかなかに厳しいのが実情。SWIMOもそれに連動する動きとなっていたのかもしれません。
ともあれ、川重からのリリースを待ちたいと思います。

近畿車輛はリチウムイオン蓄電池駆動「LFX-300」

投稿者---551planning (2010/07/23(Fri) 09:41)

川重の続報がないままに、こんどは近車から意欲的なLRV登場のお知らせ。それにしてもたまたまなのか、これ系は産經が熱心ですね。

国内では広電グリーンムーバーマックスくらいですが、北米で大きなシェアを持つ近車LRV。これまでは70%部分低床車でしたが、今回は100%を達成するとともにリチウムイオン蓄電池車載による架線レス走行を可能とした意欲作です。
『リチウムイオン蓄電池は、ニッケル水素などの従来の蓄電池に比べて軽くて小さく、高出力、大容量の蓄電池です。リチウムイオン蓄電池はセル電圧が高いことも特徴で、鉄道車両の原動力に好適です』というリリース文面には、次世代大容量ニッケル水素電池「ギガセル」技術をベースとする川重SWIMOへの対抗心がちらと見える気も?

車両外観や車椅子の回転を考慮して880mm確保した客室内通路幅を見るに、多分に北米仕様のビッグサイズであるところは国内展開に直結しそうには思われず、狭軌にも対応する川重SWIMOに頑張ってもらいたいのですが、一方で技術確立や商業ベースという意味ではロットの問題もあり、このあたりこそ近車の現実的なところでしょう。無論川重も北米市場は地下鉄でかなりのシェアを占めており、SWIMO海外戦略についても早晩続報があるものと思いますが、「架線レス」を巡る国内2社の切磋琢磨に期待したいですね。


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