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羽田空港アクセスシリーズ

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※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

光が丘線

〔羽田バスアクセス〕検証:大門乗換vs.高速バス…羽田空港-光が丘

東京都交通局が威信を掛けた地下鉄大江戸線全通から丸4ヶ月…ある意味「予想通り」の利用低調が話題となっている。強気過ぎる需要予測が原因であるわけで、確かに列車単位での客数を見るところでは終日に渡り落ち着いているというか低調というかが実感できるのだが、毎朝門前仲町で営団東西線からの乗換風景を見ている当方にとっては、大江戸線への流れは着実に伸びつつあると見ているのが正直な感想だ。

大江戸線開業は大門(浜松町)駅を介した都営浅草線~京急羽田空港アクセスルート強化の期待も強かった。虎の子「エアポート快特」の大門停車がその象徴といえよう。京急も大江戸線ホームに多数の広告を出してあおっている(というのは同駅が東京モノレール乗換駅であるためでもあるが…)。
片や当リポートで常に動向をお送りしている羽田空港アクセスバス新路線がまたひとつ加わった…都営三田線高島平駅・東武東上線/営団有楽町線成増駅・そして大江戸線の起点である光が丘駅を結ぶ路線が04/20から運行を開始したのである。東京北西部からの羽田アクセスが変わるのか…「大門乗換」の現状とあわせてお送りする。

羽田空港→光が丘駅 空港行2便

夕方のラッシュを目前にエアーポケット…もとい、比較的落ちついた状況の羽田空港到着ロビー。しかしGW直前の土曜日にあっても人の流れは絶えることなく、モノレールへ京急へリムジンバスへと都心アクセス各方面のりばへと向かう足が交錯する。
前日とうって変わっての寒さにバスのりばで待つのは少々辛い。しかも04/01から乗り場が大幅に変更された事も多少の混乱を招いている様子。路線増加に伴う処置なのかどうか、1番と18番が新設され、1番には東京駅と大網方面、宇都宮、太田、高崎・前橋行きの中長距離路線が、18番には大森・蒲田駅の路線バスが移されたほか、渋谷(8番→14番)、茂原(11番→14番)などが変更となっている。特に新設乗り場は既設とタクシー乗り場を越えたターミナルの両端というべき場所にある事から、到着時の場所によっては余計に歩かされる結果となっているのは残念というか要改善というべきか…本題と外れるのでこのあたりとするが、東ターミナルでは根本的な改善を期待したい。光が丘線

で、光が丘行きは14番乗り場から。14:55発の渋谷行き東空交便が10名ほどの乗客を乗せてしばし、「光が丘駅」のLED行き先表示も眩しく京急便が入線、当方含め6名が乗りこんで程なく発車した。京急の地上職員によると『このクルマはコレ用の新車なんだ。幕じゃなくてLEDは便利だよ。え、この路線?昨日からだから、どこの路線もそうだけどまだまだじゃない』とのこと。
車内にはなるほど専用車を伺わせる張り紙が…「お得な回数券について」往復・2名以上での利用の場合は車内売りもされている回数券がオトクであるとの告知である。しかしながら乗車した老夫婦が支払の際、運転手は「2名ですか…合わせて2600円」と。決して間違っていないわけではあるが、リピーター獲得が最重要である開業初期であることを考えれば…。
当方、たまたまその老夫婦にバス待ちの際、会話を交わした。『チラシが入っていて開業は知っていた。18日から旅行で、行きは浜松町からモノレール。のりかえ無しで行けるのはありがたいねぇ』と。あらあらモノレールですか?『羽田にはモノレールでしょう』-京急が乗り入れて2年あまり、現実はこんなものか。

「ご乗車有難うございます…光が丘駅は16:30の到着予定です。そのほか路上での降車には対応致しませんので予め御了承下さい」との運転手によるちょっと変わった案内放送があったのち、バスは雨の首都高へ。大井料金所から短絡線経由で1号羽田線へ、都心環状を内回りに5号池袋線へのルートはこの数年で池袋線から高崎・前橋線、大宮線も走る「主要ルート」になった。この日は浜崎橋はスルーしたものの、外回りの西神田付近で事故処理が行なわれており見物渋滞もあったのか、竹橋JCT付近で若干渋滞にはまった。

光が丘線

池袋線は順調に走行、アタマでは高島平ランプまでかと思っていると手前の中台ランプで首都高を降りる。西台交差点を北上、西台駅から三田線に沿って高島平駅前へ。この時点で当初アナウンスよりも10分以上の早着で、高速も普通の走りをしていたことから考えれば恒常化している池袋線の渋滞を折り込んだダイヤであると伺える。
降車はなく高島平駅前を南へ、首都高をくぐって成増方面へ向かう。行き交う国際興業バスの前面には高速バス便開業の幕が出され、地元浸透を図っている。途中新大宮BPと交差、付近は東京大仏などもある閑静な住宅街か。対面2車線の大型バスには多少窮屈な道を進む。
東武東上線を跨いでR254川越街道に入り、賑わう成増駅前へ。駅でいうと有楽町線営団成増駅の上で、東武駅ロータリーへは入らない。ここで1名が下車した。本社が移ってきたダイエー成増店を横目に川越街道がカーブする直前で左折、光が丘線先程よりも細い道を南へ…東京と埼玉の都県境を縫うように走るかたちで裏道然としたルートから笹目通りへ合流、しばし走って左折する。丁度16時発の羽田行き西武便と離合、乗車は3名…時間にしてはということで試乗組かな?。

結局20分の早着にて光が丘駅交通広場に到着、路線バスを待つ人の羨望?を受けつつ、乗客が足早に降りるとバスは回送幕を出して走り去って行った。当方久々の光が丘だが、生憎の天気にせいか付近SCなども出足はいまひとつ。そんな中で大江戸線駅はそこそこの賑わいを見せていたのは、さすが都区内最大の住宅団地街から唯一の対都心直結交通機関の面目躍如と云ったところであろうか…。


ところで同時間に電車利用だとどうなるのだろうか…時刻表を見るとこうなった。渋滞次第とはいえ、意外と高速バスが時間的にも健闘していることが伺える…というか大江戸線が遅いといえようか。

羽田空港15:0016:30光が丘¥1300
京急羽田空港15:0015:27大門(浜松町)15:3316:12光が丘¥740(エアポートきっぷ購入時)
モノレール羽田空港15:0215:24モノレール浜松町¥780
 
  • Photo:京急=大江戸線
  • 光が丘線
    最寄駅までいくら…?運賃表示板を見る人が絶えない京急羽田空港駅
  • 光が丘線
    大江戸線開業時に路線図表示は追加されたが…
  • 光が丘線
    大門(浜松町)駅大江戸線ホーム
    「羽田へ行くなら京急」へはホームを戻った階段から…奥の階段を真っ直ぐ上がればモノレール

ここで注意というか問題が1つある。御存知の通り京急線・都営線ともパスネットが使用可能であるが、この場合使うと損をするという“ねじれ現象”が依然改善されていないのである。京急羽田空港と都営線全駅間では通算運賃から60円割引となる「エアポートきっぷ」という企画切符が設定されていて、しかも券売機で通常の切符のように購入できる。しかしパスネットではこの割引が適用されず、800円が引き落とされてしまうのである。
あえてモノレールの時刻を載せたのはこのせいでもあるが、先述の老夫婦のようにまだまだ「羽田へはモノレール」という意識は根強い。京急も首都圏および地方での浸透を図るべく広告戦略を練っているわけであるが、悲しいかな肝心の設備面で「初心者にはとっつき難い」印象が拭えない。現東ターミナルでは京急改札口1か所に対しモノレール改札口が2か所、自動券売機も圧倒的にモノレールのほうが多い。独自規格「ルトランカード」更新で導入が遅れたパスネットの威力も“ねじれ現象”の他、いまだ羽田空港駅自動券売機および精算機で未対応という状況で、都営線方面切符購入にしてもウリであるはずの大江戸線の運賃表は見易いながらも券売機の横に別表となっているなど、「とってつけ」感が…。

大門駅の乗換は確かに便利である。「京急羽田空港方面」の表示のもと大江戸線からは階段を2階上がれば浅草線ホームへ直結、空港行き直通電車も20分も待つことなくやってくる…しかし羽田から大門へ向かう場合、「青砥」「高砂」「印旛日本医大」など、東京に住んでいても耳慣れない行き先の電車でどこまで乗ればいいのか気になる初心者も多い事だろう。京急の一部電車では「品川・日本橋方面」の表示幕を掲げるものもあるが、直通運転の都合上日中羽田空港に顔を出す電車は都営車や京成、北総・公団車などが多く、結局「モノレールで浜松町」の圧倒的安心感に勝るものではない。京急ホームでも大門から大江戸線乗換が便利というような表示を見かけられないのは残念というしかない。

京急では来年のサッカーW杯へ向け、決勝戦などが行なわれる横浜国際競技場(新横浜)へのアクセスガイドとして、まず韓国語のHPを公開している。英語版など順次充実させて行く由、日韓シャトル便の羽田発着を見越した策といえようか。また浅草線を介した東武線との羽田空港連絡往復割引きっぷをGW期間に発売するなど、「対品川」「対都心部」連絡から先へと目を向けはじめている。
その一方で現実問題として新横浜へは京急の高速バスが速いなどということもあり、会社としての羽田アクセスの売り込みの統一感が今後の課題というべきか…。今回の光が丘線開業の行方も総体的な面からは小さいかもしれないが、影響の度合いを注目してみたいところである。

2011/06

結果的に、空港連絡バス光が丘線は2周年を迎えることなく2003/03/31限りで廃止となりました。その間ダイヤ等テコ入れが全くなされることはなかったのが意外とも思われますが、京急・浅草線~大江戸線・三田線方面の鉄道アクセスが定着したというのが背景になろうかと。
ちなみに東武東上線方面へは、2006/07に西武&東空交にて和光市・大泉学園線が開業。直後に西武バスが一旦撤退するもその後復活し、当初より増便がなされていることからも定着化が伺えます。西武バスは所沢線や川越線も東空交とのコンビで成功させており、京急とは縁がなかったのでしょうか…大宮線でカルテットを組んでいた内の3社という意味では、国際興業もその後対羽田空港路線拡充には至っていません。

なお、エアポートきっぷとパスネットの“ねじれ現象”ですが、2005/08/24から京急~都営地下鉄~京成線相互での「空港連絡特殊割引」に移行され、パスネット→pasmo/Suicaでも対応されています。ただし、東京メトロへ乗り継ぐ場合には都営-メトロ連絡特殊割引が優先適用となるので注意が必要です。

 

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