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羽田空港アクセスシリーズ

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※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

hanetama

〔羽田バスアクセス〕多摩地区-羽田空港連絡バス試乗記

前回、新設の小岩駅線を取り上げた羽田空港連絡バスリポート第2弾は、2000/03/04に開業したばかりの聖蹟桜ヶ丘・多摩センター線(東京空港交通・京王バス)と、昨年10月の開業以来着実に利用を伸ばしているたまプラーザ線(京浜急行電鉄・川崎鶴見臨港バス・東急バス)。多摩地区と羽田空港との流動を考えてみる。

Limousine01 多摩センター線

14:30 京王多摩センター駅

取材日は03/12、日曜日。さすが多摩ニュータウンの商業中心、家族連れを中心に駅前は賑わっている…。あ、そういえば前回多摩センターを訪れたのは、かの多摩都市モノレール開業日であったが、モノレール駅のほうはといえば…あの喧騒が嘘の様に落ち着いているのが気になる。

hanetama

さて、右記写真は京王多摩センター駅改札口前の看板を撮ったものである。しっかりと宣伝されている…モノレール乗り場はいまだ紙張りだというのに。まあ京王のために弁護しておくが、おそらく場所案内看板は京王負担のものではないので、ということがあるだろうが(矢印の違いにお気づきですよね)。
いずれにせよ開業からはや2ヶ月が過ぎている多摩都市モノレール。京王も多摩市も出資しているのだったらそれ相応の対応を望みたいところだ。

14:45 バスターミナル16番のりば

この日を選んだのは、たまたま別の用事で開業当日の羽田空港での乗車動向を見かけたときに、土曜日開業ということもあって“御同輩”を中心に結構な乗車率となっていたので(しかも朝11:00発で)、しばらく経って落ち着いてから…というのがあったのと、日曜の午後であればひょっとして単身赴任のオトーサンが実家からまた帰る時間にあたるかな…と考えたからでもあった。
果たして、出発15分前の状況はというと…。御同輩が3名ほど、親族の見送りもある女性が1名と、やっぱりか、という感じの男性3名が三々五々バスターミナル16番乗り場に集まってくる。

さてこの16番乗り場。駅前のバスターミナルロータリーではなく、その外側の道路に面するところ、駅からパルテノン多摩方面につながるデッキの下で雨風はなんとか凌げるとはいえベンチも無く、しばし待つにはちとうら寂しいところではある。
それを知ってか知らずか、発車15分前には京王バスのクルマが到着は正直嬉しい。さて乗り込むかと思いきや、チョッとトラブルという事でもないが乗務員に運賃箱の使用法にまだ戸惑いがあるようで、1人1人の支払いにつっかかる。というのもこの運賃箱はいわゆる一般路線バス仕様と違って運賃投入口と両替機が一体となっている上、硬貨と紙幣の投入口が異なるので、1,500円也の運賃を千円札2枚で払おうとすると、一旦両替機能で両替をし、改めて運賃箱へ入れるという操作が必要となるのだ。幸か不幸か、乗客が少なかったのでさほどに混乱しなかったが、スマートにならないものか。

乗車が一段楽すると、運転手から各種案内放送が。『中央道・首都高とも、今のところ空いております』との事で一安心、ただしほぼ全区間が渋滞のメッカであるだけに高速に乗ってみるまで分からない。
と、お婆さんがやってきて運転手に時刻表が無いかを尋ねている。『手元にはないが旅行代理店に行けば(リムジンバス発行のものが)あるかも』と伝えるも、お婆さんどうもピンと来ていない様子…。ふと外の案内ポールを見ると別の親子が時刻をメモしており、関心は集まっているようだ。であればチラシでも車内に常設しておけばいいものと思う。

15:00 多摩センター発車 → 15:07 多摩市役所前通過 → 15:15 聖蹟桜ヶ丘駅BT3番のりば

『本日は、京王をご利用頂きまして、誠に有難うございます…』定刻発車後、改めて乗務員の放送とテープ案内が入る。流暢な英語放送も入った。ひょっとして今度は成田線?
気になるルートだが、てっきり鎌倉街道を通るのかと思いきや、その北側の旧道(?)を通って行く。途中には多摩市役所前を通り、何なら停留所をおいても?という気もしないではない。
聖蹟桜ヶ丘駅前で若干詰まり加減となったものの、余裕をもったまま、京王電鉄本社を横目にBT3番乗場へ。ここで3名が乗車し、しばし停車。チョッと薄暗いBTは午後の端境時か、ひっそりとしていた。

15:20 聖蹟桜ヶ丘駅発車 → 15:35 中央道国立府中IC

結局、総勢11名の乗客で聖蹟発。駅前の川崎街道で若干の渋滞にはまるものの、なんとかクリア。この路線誕生に欠かすことができなかった府中四谷橋を通って多摩川を渡リ、真新しい道路を抜けると国立府中ICだ。情報板に渋滞の文字は無い。
もうこの先は勝手知ったる道…対向車線にも時折中央道高速バスの盟友たちが駆抜けて行く。と、三鷹料金所手前で京王バスが対向。どうも羽田空港15:05発便のようだ。目視ではそこそこの乗りと見た。

15:53 首都高速新宿ランプ付近 → 16:10 首都高速浜崎橋JCT → 16:15 レインボーブリッジ通過

首都高速に入ってもいたってスムーズ、日曜の午後というのに情報板もキレイなものだ。新宿・赤坂・六本木・麻布…右に左に「東京」の光景が展開、ちょっとした遊覧気分だ。
浜崎橋JCTで若干つっかえたものの程無くクリア。そのうちにレインボーブリッジとお台場の光景が迫って来る…。それにしても首都高速の台場線から湾岸線に至る「落差」はジェットコースターは大袈裟としても結構なものがあると感じるのは私だけか…?

そして16:25羽田空港着。心配していた渋滞もなく、85分走破は十分合格点だろう。新宿経由で電車利用だと、まだ品川を出たかどうかというところになるのではないだろうか。出発階の2階でまず南側(JAL・JASカウンター前)で9名が、北側(ANA)で2名が下車した。いや改めてみると、羽田空港で京王バス、様になっているのでは?

16:25 羽田空港着

Limousine02 たまプラーザ線

羽田空港8番バスのりば発 16:35

混雑する羽田空港出発ロビーから階下の到着ロビーへ。こちらも休日の到着ラッシュが始まったと見え結構な混雑だ。
ざっと各バス乗場を見渡すがいずれも列が伸びており、横浜方面や都心方面の「伝統路線」は勿論、つくばセンター線やアクアライン木更津線、小岩線などの新参路線も着実な乗車を得ているようである。

目指す8番のりばは新横浜線との共同ポール。途中まで同一経路を通るだけに、この路線も結構待たれていたものだが、1998/10の開業後予想通りの好成績から当初から多客期増便がなされ、翌3月のダイヤ改正で10便ずつの増便となって現在に至っている。
今日もそれぞれの路線の乗車待ちで長い列ができており、鮮やかなピンク主体のリムジン塗装の東急バスにどんどん吸い込まれている…観察もそこそこに当方も。やはりこちらも同じ運賃箱、ただ1100円という料金がミソでか、乗車はスムーズのようだ。

ほぼ9割の乗車を持って出発。大柄の当方にはシートピッチに京王車と違って「詰込仕様」の感じがするも、1時間弱の路線と思えばそう嫌な気はしない。車内は至って静か。旅の疲れか、皆一様に目を閉じているようだ。こうした信頼感がリムジンバスを支えているということを、関係者は忘れてはならない。何はともあれ、安全第一だ。
羽田空港独特の周回道路を離れ、湾岸線へまっしぐら。なかなか“攻めた”走りを見せ、直線道路を軽やかに、というよりも結構飛ばしている感すらあるが、これは湾岸道路特有の「流れ」に乗っているものと考えようか。
ここも空港連絡バス街道、羽田や成田へ対向車線を飛んで行く。京急空91系統横羽線が首都高湾岸線に経路変更して以来、新横浜・大船方面・本厚木など派生路線も多様化し、またアクアライン路線のメインルートとなったことで色とりどりの高速バスが駆抜けて行くのを見ているだけでも楽しいものだ。

横浜ベイブリッジ通過16:48 → 金港JCT 16:52 → 第三京浜都筑IC 17:00

薄オレンジを一面に引いたような曇天の向うに横浜の市街がだんだん大きくなってくると、湾岸線随一のビューポイントであるベイブリッジが迫ってくる。程無く渡り切ると急カーブを持って市街へと突っ込んで行く。この感覚が個人的には気に入っている。
金港JCTも無難に通過、第三京浜へと歩みを進めると、あっという間に港北IC。出口へむけぐるっとカーブを切る途中でストップ。どうも一般道合流信号の切り替わりが早いようで、なかなか進まない。と、京急便と離合。10人ほどの乗りか。

車内を見まわすと、皆馴れたものか、渋滞にもさほどの反応は無いようだ。当方も改めて腰を落ち着けてみる。目の前のラックにはジュースの空パックやバス回数券の短冊が捨てられたままになっており、気持ちの良いものではない。折り返しの時間も多少はあるのではないか、乗務員の気遣いひとつで印象が変わると思うのだが…。
ラックの中には名刺大の時刻表が入っていた。東急バス作成のようで、他社便についているかが気になるところだが、持って帰るには手頃なもの、こうしたものこそ整備して切らさないように入れて欲しいものである。

なんとか渋滞を抜けたが、やはり一般道、先ほどとは比べ物にならない歩みとなる。どうもそれを見越した高速での「走り」だったようだ。港北NTでも早くから整備された地域を抜けて行くと、右手に横浜市営地下鉄の高架橋が見え、その先にはオープンしたての都筑阪急百貨店も遠望できる。R246、東名と交わった直後に右折し細い道へ。hanetama程無くたまプラーザ駅が見えてくると、運転手の案内放送が入らないうちに一気に車内がざわついた。

17:25、定刻到着。同僚と言葉を交わす運転手は「そこそこ混んでたよ」と情報交換していた。乗客の大多数がそのまま駅のほうへ。田園都市線や向かいのバスターミナルへ向かったようである。

改めて羽田行きのりばをみると、これまた立派な待合室が。発車待ちのバスにも15人ほどの乗客が乗っており、完全に定着したようである。

たまプラーザ駅着 17:25


実際乗車してみて、両路線の設定の“妙”を痛感した。

「先輩路線」のたまプラーザ線は、初参入の東急には譲れない目的地だったはずだ。
それまでのこの地域における対羽田需要としては、横浜市営地下鉄を介した新横浜線が考えられる。
路線設定として、仮に田園都市線方面連絡としては距離的にあざみ野でも江田でも良かったと思われる。また、港北NT地域を経由しているだけに、途中でも地下鉄駅との連絡があっても良さそうなものであるが、運行当事者との東急としてはそれでは面白くない。一般道をそこそこ経由する不利はあっても、急行停車駅であり、東急多摩田園都市開発の象徴であるたまプラーザ直行であれば、田園都市線を経由した後背地需要を見込めるとの判断があったのではないか。

一方でこちらも初参入の京王にとってはバランス良い経由地設定となった。
本来であれば、立川・八王子といったJR線連絡としたほうがより安定した需要を見込めるのではないだろうか。実際、立川・八王子は成田空港直行バスが運行されており、路線開設も苦ではなかろう。
しかし、立川とモノレールで直結された多摩NTの心である多摩センターと、八王子から電車で10分、京王本社をも擁する聖蹟桜ヶ丘とすることで、自社線を核とした後背地はもちろん、対JR線方面需要をもクリアできるとみたのではないだろうか。

こうした両線に対して、実際に乗車して感じた要望点を少々記してまとめとしよう。

■運賃箱をバスカード対応とすること

御存知の通り空港連絡バスは「空港限定輸送」として一般路線バスとは区分されている。
そのためかバスカード対応がなされていないが、せっかく首都圏地域で浸透しているこのシステムを活用することに何の問題があるというのであろうか。
比較的高運賃で、1,000円カードで用を足せないということもあるのだろうが、スムーズな支払いが新たな需要獲得に少なからず繋がると考えるのは私だけであろうか…。

■車内への案内チラシ(時刻表)の常備

ある意味これは当たり前のことではないだろうか。
東京空港交通ではミニコミ誌をラックに常設しているしているし、空港ツアーデスクに時刻表を常設している。この時刻表、自社線が絡んでいない空港連絡バス路線が載っていないのが玉に傷だが、なかなか使える。
また、新規路線では宣伝がてらチラシを幾分か載せている事もあるが、停留所にも持ち帰れるように置いておけば良いだろう。確かに風雨にさらされて見苦しいことになりかねないという懸念もあろうが、リピーター獲得のためにもこうした施策は継続こそ肝要と考える。

■パターンダイヤへの挑戦

これは現在活況のたまプラーザ線に言えることだが、確かに時間帯で利用需要の波があるから仕方ないとしてもせっかく最低1時間1本間隔を確保しているのであれば、その感覚は統一しておくべきではないのか。例えば必ず毎時00分発、あと時間帯で20・40分発もありとすれば時刻表いらずとなろう。
「時刻表を載せておけ」という意見と矛盾すると思われそうだが、ある程度の宣伝が必要なことは当たり前であるし、「時刻表要らず」が新たな宣伝ともなろう。 バスは「定時性」という点に長らく苦しめられてきたことが現在の凋落につながっているが、ある程度の需要と定時性が見込める空港連絡バスには、更なる「利便性」向上を是非とも御願いしたい。

■柔軟な途中停留所の設定・パークアンドライドへの対応

例えば多摩センター線であれば多摩市役所前や、中央道深大寺BSなど。深大寺BSは、組み合わせによって甲信方面との相互接続の役割を持たせると良いのではないか。たまプラーザ線に関しては港北NT(センター南・北駅)方面経由も検討すべきだろう。
そのポイントとして、パークアンドライドへの対応が挙げられる。実際に羽田空港-高崎・前橋線等でも実用化されているが、これによって需要後背地の面的拡大が可能となるうえ、今だ入込みが少ない港北NT地域商業施設への回流が生まれる期待を持たせてくれるのではないだろうか。

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レポートの感想

投稿者--佃大橋万歳氏 (2000/04/08(土) 01:15)

はじめまして、レポートを拝見させていただきました。早速ですが、感想を述べさせていただきます。

多摩プラーザ行きの路線設定には驚きました。
新宿行きは使ったことがあります。運賃が高いのが難ですが、本数が多くて便利です。時刻表には所要50分と書いてありますが、芝浦から三宅坂までトロトロ走ればその程度でしょう、だから、普通に渋滞している限り、電車とたいして変わりません。電車の場合、京急+山手でしょうが。乗換えがないから便利です。

中央環状線が湾岸までつながったら、もっと速くなるでしょう。いつのことやら。でも、13号線乗り入れよりは、早いかも。

Re:レポートの感想

投稿者--551planning (2000/04/08(土) 07:06)

佃大橋万歳様、御来場有難うございます。

@空港バス
京急「搭乗」によって、自社のドル箱路線であった横羽線すら食われている状況に、特に新宿・池袋線といった「帰宅需要」でそれなりのモノを確保している東京空港交通は、規制緩和による新規参入も見えつつあることもあって、東京モノレールのそれよりも危機感を持っていることではないでしょうか。ゆえに京急との激しい新規路線獲得合戦(?)になっているのです。
新宿・池袋方面に関しては、TWRを介した天王洲乗換の利便性如何によっては、かなり食われる可能性もあろうかと思います。

羽田空港アクセスに関しては今後も積極的に取り上げていこうと思っておりますので、どうぞ御期待下さい!

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2010/12

羽田空港連絡バス隆盛の端緒はまさしく1998/10のたまプラーザ線開業にあるとしても過言ではないと当方は考えます。それまで都内拠点駅やホテルが中心であった路線展開の中、まず1995/09開業の大船・藤沢線が地方拠点駅アクセスや共同運行スタイルを開発。たまプラーザ線では3社共同運行となったことや、拠点駅といえど乗換駅ではない場所へのダイレクトアクセスという意味でモデルを確立させたのです。1998年は2路線だった新規路線開業が、1999年には5路線、2000年には実に13路線と爆発的に増加することとなります。たまプラーザ線自体も約25往復から40往復以上となっているほか、GWや年末年始等の繁忙期には臨時便が随時運行される高需要路線として定着しています。

多摩センター線は京王にとって初の羽田空港路線でしたが、その後調布線(2000/07~)、八王子・高尾線(2002/11~)と拡充。各路線とも増便こそ若干で推移している一方、調布線は一部が府中・国分寺へ、多摩センター線も全便が南大沢駅発着化となるなどバスだからできる機動的な展開を見せています(その意味では2002/03開業の中野線について2005/07で共同運行から撤退したのも素早い判断というべきか)。

***
さて、改めて読み返すとえらい大仰な文体だなぁと赤面の至りですが、最後のまとめはなかなかいいところを突いているのではないかと。PASMO/Suica対応こそ2007/03から始まっていますが、事業者間の考えの相違によりまだまだ進んでいません。東空交についてはもともと運賃収受を地上で対応するホテル路線等からの展開とあってか現時点でも運賃箱がついた車両が限られているということもあり、標準化されるにはかなりかかりそうな…。
途中停留所設定も事業者によって対応が分かれるところですし、P&Rについてもロケーション次第ということになろうかと。パターンダイヤ化については特に羽田空港発においてかなり整理が進んできているところですが、反面路線の大幅増加によりバス停のキャパもというところでまだまだ課題がありそうです。

 

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