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【検証:近未来交通地図】特別リポートNo.047
扇大臣国土交通省
扇千景氏の1176日…「初代国土交通大臣」の功罪
(2003/09/22)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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 自民党総裁再選を受け、小泉純一郎首相は9月22日に内閣の第2次改造を実施、国土交通大臣が扇千景(林寛子)氏(保守新党)から石原伸晃氏(無派閥・行政改革担当大臣からの横滑り)に交代する事が決まりました。

 2001年の中央省庁再編を受け、建設・運輸という2大利権構造組織体というべき巨大官庁・国土交通省のトップを勤めてきた扇千景氏。もともと自民党の元建設相汚職事件の余波を受けて刷新の下に暫定的に就任した形だったのが、あれよあれよという間に丸3年もの月日が流れました。建設相就任から1176日、運輸省兼任から1022日、「初代国交相」となって990日…ここにその意義を考えてみたいと思います。

日時 事象 内閣 政治
2000 03/31
04/01

04/03
有珠山噴火 小渕  
小渕・小沢会談 自由党連立離脱
小渕恵三首相脳梗塞で倒れる
自由党から保守党分離結党 党首就任
  04/05

05/03
05/10
05/14
06/20
06/25

06/30
07/01


西鉄バスジャック事件(死者1名)





航空大手3社が東京−大阪間シャトル便運行を開始
第1次森内閣
(二階俊博運輸大臣 中山正暉建設大臣)

交通バリアフリー法成立

日本道路公団総裁に藤井治芳氏就任
自公保連立政権成立



小渕前首相死去

第42回衆議院議員総選挙
 自公保苦戦も絶対安定多数確保
中尾栄一元建設相、受託収賄罪で逮捕
  07/04


07/21
07/26
08/28
09/04
09/06
10/06
10/15
10/27
11/27
12/05



12/12 12/17




三菱自動車リコール隠し認める

三宅島噴火による全島避難実施

鳥取県西部地震(M7.3 最大震度6弱)







都営地下鉄大江戸線全通
京福電鉄正面衝突事故(死者1名・重軽傷27名)
  第2次森内閣
 建設大臣・国土庁長官

(森田一運輸大臣)




「首都機能移転否定的見解」発言



入契法成立
第2次森改造内閣
 運輸大臣・建設大臣・
 北海道開発庁長官・国土庁長官

 (以下諸担当略)



沖縄サミット開催

与党3党、233の公共事業見直し勧告



田中康夫長野県知事初当選
中川秀直官房長官更迭、福田康夫氏に
2001 01/06

01/16
01/18
01/20
01/26
01/31
02/01

02/16
03/30
04/02



近畿日本ツーリストと日本旅行が合併方針発表

JR東日本新大久保駅ホーム転落死亡事故(死者3名)
日航機ニアミス事故(重軽傷83名)


羽田空港国際チャーター便就航
ETC本格運用開始
  中央省庁再編
 国土交通大臣

三鷹市、武蔵野市の外環予定地を視察




森首相、石原都知事と京急蒲田の「開かずの踏切」視察


東京都心における首都高速道路のあり方委員会開催(日本橋復活など提案)




ブッシュ米大統領就任
  04/26

05/08
05/24


06/24
07/29

09/11
09/17

10/01
10/03
10/19
10/22
11/12
11/30
12/07
12/22
12/27






京福電鉄正面衝突事故(重軽傷25名)






東京地裁、小田急線高架化事業における国の認可取消し

首都高速湾岸線(5期)全通、環境ロードプライシング開始
日本航空・日本エアシステム経営統合を発表
ETC全国展開へ、期間限定特別割引も開始
高松琴平電鉄民事再生法申請
小泉 第1次小泉内閣
 国土交通大臣
都市再生本部設置

参院国土交通委員会で外環問題について住民に対し遺憾の意を表明
特殊法人改革推進本部設置






航空・鉄道事故調査委員会発足







鹿児島に曳航された被弾巡視船を視察







第19回参議院議員選挙 再選
 保守党1議席のみの大敗
米同時多発テロ
参院選敗北で保守党党首辞任
 (野田毅党首)



米英軍アフガニスタン地上戦開始




東シナ海不審船事件
2002 01/30
02/04
2月
02/22
04/18
05/30

06/01
6月
06/21
06/24

06/25
07/05
07/07
07/19
08/01
09/11
09/17

09/26
09/30


10/01
10/02
10/07
11/08
12/01
12/06

12/11
12月
12/25

近畿日本ツーリスト・日本旅行、合併白紙撤回

JR九州快速列車追突事故(重軽傷77名)
成田空港平行滑走路供用開始


道路交通法改正、飲酒運転規制強化
サッカーW杯開催(日本国内10開催地)
JR東日本完全民営化


北海道国際航空(AirDo)民事再生法申請

JR東海バス高速バス飲酒運転事件
ETC前払割引開始
スカイネットアジア航空東京−宮崎線に参入



公正取引委員会、航空運賃対応で大手3社に改善措置指導




日本航空システム発足

JR西日本山陽線救急隊員死傷事故(死者1名)
JR東日本東北新幹線盛岡−八戸間開業



 

「関西3空港不要論」発言







道路関係四公団民営化推進委員会初会合 (今井敬委員長)

改正ハートビル法成立







第1次小泉改造内閣
 国土交通大臣

(石原伸晃行政改革担当大臣)
「神戸空港国際化」発言

鹿児島に陸揚げされた工作船を視察


道路公団民営化推進委最終報告発表
今井委員長辞任
東京地下鉄株式会社法成立
空港着陸料値上げ問題
田中眞紀子外務大臣更迭




与野党、首都機能移転の候補地一本化を先送り合意










不審船引き揚げ
小泉首相訪朝
北朝鮮、不審船を工作船と認める













保守新党結党 (熊谷弘代表)
2003 02/26
03/20
03/31
2〜6月
05/26
06/11

06/24
6〜7月

07/07
07/11
07/18
07/26
8月
08/18
08/25
08/28
09/01
09/22
JR西日本山陽新幹線居眠り運転事件

レキオス航空、東京−那覇線就航を白紙撤回
新型肺炎SARS禍
宮城県沖地震(M7.0 最大震度6弱)


名鉄バス運転手無免許運転事件で逮捕者


能登空港開港

JR九州特急かもめ横転事故(重軽傷36名)
宮城県北部連続地震(1日に震度6強1回・6弱2回)

JRバス関東高速バス飲酒運転事件

都営バスで燃料電池バス営業開始
大型トラックへのスピードリミッター装着規制開始
 
道路公団民営化改革国交省案発表






日本道路公団「財務諸表」問題
藤井総裁更迭問題

成田国際空港株式会社法成立


訪中、新幹線を売り込む




第1次小泉2次改造内閣
 石原新大臣任命

イラク戦争開戦



参議院、国会等の移転に関する中間報告採択(候補地絞込みできず)









万景峰号7ヶ月振り新潟入港、PSC実施
  09/26
10/01

10/05
十勝沖地震(M8.0 最大震度6弱)
東京他4都県ディーゼル車規制開始
 
日本鉄道建設公団改組、鉄道建設・運輸施設整備支援機構へ
石原大臣、藤井総裁を更迭へ
 

 ざっと年表にして振り返ってみましたが、先ず就任時から異例であったという事が伺えます。自公保連立の中で保守党党首としての入閣の上、元建設相逮捕を受けてのイメージ戦略からの「当て馬」(…喩えが不適切、ですね。失礼)として批判的に見られていたのが、突然の与党3党公共事業見直し勧告への無難な対処や直ぐに取り組んだ入契法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)成立などが評価されてそのまま省庁再編対応の改造内閣で運輸省を兼任、初代国交相と相成ったわけです。

 その後小泉内閣でも留任、同一の担当大臣としては前内閣閣僚最長の3年3ヶ月にも及ぶことになったわけですが(なお、川口順子現外相が同期?、第2次森内閣で環境庁長官に就任している)、やはり道路関連問題がクローズアップされる中で、その他特殊法人改革、成田平行滑走路供用開始や羽田国際化といった航空行政の問題、鉄道関連では訪中しての新幹線売り込みという話もありましたし、リミッター規制などの環境対策もポイントになりました。そして忘れてはならないのは北朝鮮工作船対応でしょう…ざっと見ではありますがまさに難問山積、この上辞任会見でも触れられていますが巨大官庁内の舵取りも並々ならぬものがあったと思います。

 改めて「功罪」を考えてみますが、先ず一連の工作船、万景峰号等北朝鮮への毅然とした対応や、外環問題での画期的というべき遺憾表明、羽田国際化推進などは評価できるものと考えます。間接的関連ですが都市再生での成田新高速鉄道建設方針等も任期中の話でしたね。一方で舌禍とまで行かずとも比較的ぽんと口に出す故に、首都機能移転問題、関西3空港問題や着陸料問題、藤井道路公団総裁更迭問題などの先送り案件も目に付きます。
 視点を変えてちょい気になったのは石原慎太郎東京都知事との「蜜月」ぶり?でしょうか。大江戸線開業や外環視察、首都高中央環状線開通式、燃料電池バス御披露目など結構2ショットの記憶があります。首都機能移転問題などでも「連係プレー」があったようですし…しかも後任は御存知の通りな訳で、なにやら浅からぬ縁といいましょうか。

 以上、纏めてみると、良い意味での「非専門性故…」という経緯を見て取れます。勿論その裏には国交省スタッフの健全としたシステム性を見て取れるところでもありますし、その最たる例が藤井総裁更迭問題だったのでしょうが、一方で適宜の「問題発言」が刺激になっていたとでも云いましょうか?そういう意味ではなかなか強かだったとも云えるかもしれません。何はともあれ、お疲れ様ですと申し上げたい気分ですね。
 徒然に書き綴ってみましたが、皆様は如何様にお考えでしょうか…


国家百年の思い付き
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/03/17 04:16)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─国家百年の思い付きの裏にあるもの
 └国家百年の思い付きの裏の裏
国土交通相おおいに語る

 ワールドカップ対応で、羽田を時限的に国際便に開放すると扇国土交通相が表明しました。確かに「横浜に行くのになぜ成田」というのは事実でしょうが、羽田が便利な事例だけを挙げての議論であり、結局、羽田を国際化したい、というホンネがまずありきの「為にする」類の論と酷評しときましょう。

 例えばカシマは成田が圧倒的優位ですし、浦和も中央環状線小菅の車線の引き方をちょこっと変えれば(向島線優先を中環優先に変える)、東関道〜中環〜川口線で安行の方が速いでしょう。
 国内線乗り継ぎという大義名分なら、それこそ関空を活用すれば良いのであり、羽田を国際化するのであれば、税関等国家主権に属する部分のインフラ整備はどうするのでしょう。

mex ***
 これだけなら「ニッポンの空港論」のネタなのですが、今回の論点は実は「個人攻撃」なので、ここでスレッドを立てました。
 実は昨日の朝日夕刊は1面で羽田国際線開放表明を載せ、社会面で、首都高の日本橋近辺の地下化検討を載せており、国土交通相が八面六臂の活躍?です。

 で、「高速道路が上にあるので、懐中電灯を持っていかないと日本橋が見えない」と大臣が嘆いたと記事は伝えてます。

 都心環状線の日本橋近辺の地下化なんか、新聞の言うように「課題が多い」などというレベルの問題ではなく、妄言の類です。
 高架の箱崎JCT、竹橋JCTからどうやって地下に入れ、江戸橋JCTを地下に移すのか?地表すぐから地下5階レベルまである地下街、地下鉄をどうかわすのか。江戸橋や呉服橋のランプはどうなるのか。
 今ですら千代田、霞ヶ関の両トンネルや湾岸線の東京港トンネルが走りづらくて渋滞の巣になっているのに、地下化は状況を悲劇的に悪化させるだけでは。

 都心環状線を作り替えるに等しい話であり、敢えて言えば「たかが橋」のためにそこまでする費用対効果を考えれば、子供でもその是非は分かります。

***
 綸言、汗のごとしという言葉があります。
 大臣程度に用いる言葉ではなく、「お墨付き」と言い換えた方が良いのかもしれませんが、いかに非現実的な話であっても、主務官庁の大臣がいったん口に出してしまった以上、「大臣が賛同」「大臣が検討」という事実が一人歩きするのであり、組織のトップの発言は、それが根回しされたものでない思い付きであっても、組織の意向として取られるのです。

 それを考えた際、昨今の発言はあまりにも軽率の謗りを免れないレベルのものが多すぎますし、自分の発言の重さと影響を本当に自覚しているのでしょうか。
 大臣の発言は同時に政府、つまり国家の発言でもあるのです。

***
 前述の「懐中電灯」ですが、「日本橋」を実際に見た人ならお分かり頂ける通り、如何に上に首都高があろうと、昼間に懐中電灯をかざしても文字どおりの昼行灯です。
 こうした表現は最近石原都知事や田中長野県知事といった文人知事の影響かと思われますが、「強調」というにはあまりにも無理がある「付会牽強」というしかない表現は、世間受けはするでしょうが、ミスリードそのものです。

 本人の「想い」は想いとしても、思い入れや思い込みの面が強い発言を、公人として繰り返すことには、強い懸念を感じます。
 私見と国家の方針をごっちゃにしている。そう捉えられても仕方が無いのです。

国家百年の思い付きの裏にあるもの
 投稿者--- brother-t氏(2001/03/17 15:34) http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 ワールドカップ対応で、羽田を時限的に国際便に開放すると扇国土交通相が表明しました。確かに「横浜に行くのになぜ成田」というのは事実でしょうが、羽田が便利な事例だけを挙げての議論であり、結局、羽田を国際化したい、というホンネがまずありきの「為にする」類の論と酷評しときましょう。

 熱いですね〜、個人的には浦和・鹿嶋へは成田、そして決勝会場でありプレスセンターもある横浜は成田だけじゃ対応できないといった所でしょうか?あとは宿泊場所としての東京も重要です。

 今回の論点は実は「個人攻撃」なので、

 論点を個人の資質に持っていくと結局ずれてしまう様な気がします。と言うのは結局こう言った個人発言を容認している組織(位しか言葉が浮かばない)にも多かれ少なかれ意図はあるでしょうし、少なくとも彼女の親玉の様にたたかれたりしないのはその証左でしょう。

 実は昨日の朝日夕刊は1面で羽田国際線開放表明を載せ、社会面で、首都高の日本橋近辺の地下化検討を載せており、国土交通相が八面六臂の活躍?です。(中略)都心環状線を作り替えるに等しい話であり、敢えて言えば「たかが橋」のためにそこまでする費用対効果を考えれば、子供でもその是非は分かります。

 さて前述の見方をすればこれは所詮「われわれは地方ばかりでなく都市住民のことも考えてるんだ」と言うメッセージであり(本当か)、実現可能性や費用対効果に大した重要性など無く、そう言ったニュアンスのイメージさえ伝われば良いのでしょう。そして彼らに利益を持ってくる人達を「所詮イメージしか考えない愚衆」と考えているならば、あるいはオピニオンリーダーとなるべき存在がイメージ戦略しか出来ない愚かな存在ならば、良い戦略です。前者はともかく後者はほぼその通りなので頭が良いですねぇ。

 綸言、汗のごとしという言葉があります。大臣程度に用いる言葉ではなく、「お墨付き」と言い換えた方が良いのかもしれませんが、いかに非現実的な話であっても、主務官庁の大臣がいったん口に出してしまった以上、「大臣が賛同」「大臣が検討」という事実が一人歩きするのであり、組織のトップの発言は、それが根回しされたものでない思い付きであっても、組織の意向として取られるのです。

 確かにそうですが、問題はそれを彼女の部下達がどう考えているかと言う事で、それほど否定的な意見は聞きませんから思いつきのように見えてそうでないかもしれません。ただ逆に問題なのは部分的な所しか情報が伝わってこない点で、こっちをちゃんと話して(と言うより伝えて)欲しい所です。

 こうした表現は最近石原都知事や田中長野県知事といった文人知事の影響かと思われますが、「強調」というにはあまりにも無理がある「付会牽強」というしかない表現は、世間受けはするでしょうが、ミスリードそのものです。

 僕はそう言った意味でいえばこの国の首相と都知事は問題があると思います。前者は発言そのものは自由な言論は民主主義の基本だと思いますから良いのですが、それよりもその不用意さが生んだ物は厳しいですが彼の責任と言って良いでしょう。結局自分の発言・権力の大きさをわきまえない脇の甘さと言うのは大問題です。後者の厳しいのは一言で言えば「日本のヒトラー」と言うあだ名にその本質が集約されていると思いますが20世紀で良い悪いは別として最も大きな仕事をした政治家になぞらえるには失礼ですが子供と大人と言って良い格の差があります。詳しくは偏見は入っていますが Tadashi's Room 等は参考になると思います。

Tadashi's Room http://w3222.nsk.ne.jp/~otanuki/index.html

 本人の「想い」は想いとしても、思い入れや思い込みの面が強い発言を、公人として繰り返すことには、強い懸念を感じます。私見と国家の方針をごっちゃにしている。そう捉えられても仕方が無いのです。

 まぁ権利(=権力)と責任は裏表ですからそうですが、個人的には自由な発言こそ民主主義の基本ですから別に良いとは思います。ただその裏にある例えば全体的なプロジェクトだとかを書かずイメージだけで書くマスコミ、あるいはそれだけを見て良い悪いをわざわざ言う自称中産階級のプロレタリアの方が問題は大きく根は深いと思いますが、と書くと青木雄二は入りまくりな気はしますがどうでしょうか?

国家百年の思い付きの裏の裏
 投稿者--- さいたま市民@西浦和氏(2001/03/20 05:33)

 おはようございます。花粉がひどくて眠れません。TVではドイツの天気予報をやっています。

 巨大官庁の長となってしまった彼女にいささか同情しながら・・・。言いたいことは言いましょう。
 役所の長として、役所が何をしようとしているか、何を考えているのかを示唆する役目としては、よく見ていると無駄がないわけです。

 「日本橋」上の高速道路は、そろそろ耐用年数になるのではないでしょうか。酸性雨に打たれ、錆の浮いた橋脚、カバーや蛍光灯できれいにしてありますが、常に揺れている構造物、これをそろそろなんとかしたいということなのでしょう。「地下化」といっても銀座のように川の水を埋め、川底を道路にするのでは?

 さて前述の見方をすればこれは所詮「われわれは地方ばかりでなく都市住民のことも考えてるんだ」と言うメッセージであり(本当か)、実現可能性や費用対効果に大した重要性など無く、そう言ったニュアンスのイメージさえ伝われば良いのでしょう。そして彼らに利益を持ってくる人達を「所詮イメージしか考えない愚衆」と考えているならば、あるいはオピニオンリーダーとなるべき存在がイメージ戦略しか出来ない愚かな存在ならば、良い戦略です。前者はともかく後者はほぼその通りなので頭が良いですねぇ。

 それはそのとおりです。

 飛行場問題、外環道問題、そして首都高のリニューアル。いつかは誰かがやらなければならない課題を並べているのですね。芸能人政治家が言いますと、耳目を引きますね。ああ、そうなのか、と。

 確かにそうですが、問題はそれを彼女の部下達がどう考えているかと言う事で、それほど否定的な意見は聞きませんから思いつきのように見えてそうでないかもしれません。ただ逆に問題なのは部分的な所しか情報が伝わってこない点で、こっちをちゃんと話して(と言うより伝えて)欲しい所です。

 逆なのです。部下たちが何とかしたいと考えているから、彼女の口に上るように日夜役所の人たちは動いているのです。彼女は思いつきのように行動しているように見えますが、すべて計画済みなのです。彼女が語る言葉までも。

 こうした表現は最近石原都知事や田中長野県知事といった文人知事の影響かと思われますが、「強調」というにはあまりにも無理がある「付会牽強」というしかない表現は、世間受けはするでしょうが、ミスリードそのものです。

 彼女と慎太郎と康夫ちゃんはそれぞれ全く別なイデオロギーで動いているのです。唯一共通する点は、「芸能人」であるということぐらいでしょう。
 政治家の言説は、その政策や政治思想を表したものですが、政治家にとって、気の毒なことに、有権者の半分以上が「無党派」である現実の上には、彼らも模索しているのではないでしょうか。役人と政治家が「こんなこと言ったらどうなるかね」と有権者を常に試していると考えるくらいがわかりやすいでしょうか。
 「芸能人」政治家は「演ずる」ことが元の商売ですから、役人にとっては世間の風を測るには格好の役割を果たしてくれているのです。私が高級国家公務員ならそれを利用しますね。

 まぁ権利(=権力)と責任は裏表ですからそうですが、個人的には自由な発言こそ民主主義の基本ですから別に良いとは思います。ただその裏にある例えば全体的なプロジェクトだとかを書かずイメージだけで書くマスコミ、あるいはそれだけを見て良い悪いをわざわざ言う自称中産階級のプロレタリアの方が問題は大きく根は深いと思いますが、と書くと青木雄二は入りまくりな気はしますがどうでしょうか?

 その人が、彼が指摘している問題を解決するために政治的に行動するなら(不勉強ですいません)それはそれで筋が通っているかもしれませんね。

 少なくともこの掲示板で対論を楽しんでいる私たちは、彼女たちよりも自由に構想、発言してますよね。ネットの力の源泉というのは、ここにあるわけです。政治家や高級国家公務員が一番気にしているのは、まさにこの点なのではないでしょうか。

 ちょっと社会のお勉強をしてしまいましたね。私もまだまだ勉強しなければなりませんね。
 乱筆ご容赦。バーミャンの大仏に合掌

国土交通相おおいに語る
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/06/11 12:35) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 先週末はいろいろ見て回ってきてネタを仕入れてきたんですが、取り敢えず後日ということで、今回は10日のフジ系「報道2001」に、扇国土交通相が出演し、いろいろ興味深い話をしたことを書きます。

 まず、道路特定財源の一般財源化について、「受益者負担前提の高税率を見直さないといけない」「道路整備については、それを必要としている地方が鉄道か道路かを選択すべき」と至極真っ当なことを言ってました。
 九州における港湾などとの有機的結合を目的とした整備を説明しており、片面的な公共事業否定論でもなく、なかなか説得力があります。
 ちなみに手元のフリップでは、環状道路の整備状況などを諸外国と比較した数字が並んでおり、日本の道路整備が決して充分ではないことを訴えています。

 そして、ETCについては彼女が「今回初めて発表します」と前振りして、「ETCキャンペーンとして秋までに車載器を購入した場合、JH、首都高、阪神高速の3公団それぞれ1万円を上限として、2年間で20%の割引を実施する」と発表しました。
 つまり、2年間、3公団それぞれ1万円に達するまで20%の割引を実施するそうです。
#JHしか使わなかったら1万円が上限になる。各公団で2年間で各5万円の利用をすれば最大限享受できる。

 あと、手元のフリップでは、「ハイカの14%、回数券の18%を超える割引」とあり、現行の割引制度を完璧に意識しています。(ハイカの50,000円券については、プレミアムは16%相当だが、58,000円からの割引率計算では約14%になる)そして、ETC割引は2年間限定かいな、と思ったところにこれもフリップだけですが、「14年度早期に前納割引」とあり、ハイカ同様のプリペイド型割引が導入される見込みです。

 扇大臣は「そのうちETC車しか通れなくなります」と物騒なことも言ってましたが、2年間の割引後は前納割引が出来れば文句も少ないでしょうし、これなら私も早急に車載器を買いたくなります。
 なお、ETCの決済について、クレジットカードとなってますが、クレジットカードを持っていない、持ちたくない、持てない人々の対策が聞こえてこないのは遺憾です。高速道路がETCオンリーになったとき、クレジットカード発行会社という一私企業の基準で利用可否が決まったり、意に反して一私企業のカード発行という受信行為を強いられるということは断じてあってはならないことですから。

 まあ、某所論壇で叩いたように、便利の「対価」を求める某社の姿勢と比べると、比較にならぬ対応です。

***
 扇大臣は成田問題その他で私と完全に対立するのですが、本件のように充分評価出来る出色の施策も目立ちます。それだけに、実際は期待する面が大きいのです..

石原新国土交通大臣への疑問点
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/24 14:58:41)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─「あれだけ大きな無駄」というセンス(本四架橋に対する無理解)
 └Re:「あれだけ大きな無駄」というセンス(本四架橋に対する無理解)

 自民党総裁選挙での小泉氏の勝利を受け、第二次小泉改造内閣が発足しましたが、国土交通大臣が扇千景氏から石原伸晃氏になりました。石原新大臣は行革担当相からの横滑りで、道路関係四公団民営化問題の担当相からの横滑りはこの問題に対する首相の意気を示すものとして注目されます。

 しかし、この人事は果たして適任でしょうか。
 まず、国土交通大臣の所管を考えると、道路公団等の問題は重要ではありますがワン・オブ・ゼムです。旧建設省関係でも、道路のほか河川関係や建築関係の分野がありますし、旧運輸省関係では自動車交通の他、鉄道、航空船舶と多岐にわたります。さらに昨今非常に重要な工作船・不審船対策の要である海上保安庁もその指揮下に入るわけで、相当な政治手腕や行政への精通が求められるポストです。
 もちろん総てに通じている必要は無く、行政組織を上手に束ねて個々の官僚の能力を最大限に引き出せばいい話ですが、行革担当省というポストにあったことがどう働くかです。

 そもそも行革担当相としての職責すら全うしたとは言い難いです。小泉首相が丸投げしたとか梯子を外したといいますが、石原氏に行革に対する信念と、それを周囲に伝える説得力を持っていなかったのが総てではないでしょうか。
 それどころか本人の資質すら疑われる局面が多々あり、「民営化したら国が必要な道路を作る」という反面で、「外環道をフル規格で建設する必要はあるだろうか」といったことはその象徴でしょう。ちなみに国交相就任後、民主党のマニフェストを批判した際に「大都市環状道路はどうやって作る」と言っており、言動に一貫性が見られないのも特徴です。

 仕組みを変えるための特命大臣と、仕組みを統率する組織の長としての大臣は自ずからその職責も職務も異なります。当然組織を動かすからには組織の信頼を得る必要もあり、単なる破壊者では組織はついてきません。ましてや巨大省庁である国土交通省の場合、組織を掌握しなければ何も出来ませんし、行政の停滞もまた許されません。
 就任直後に感情を露にして道路公団総裁の更迭問題を語っていましたが、国交相の立場としてああいう対応が宜しいのかどうか。

***
 今回、行政能力を度外視して組織改革を優先する人事に、第一次小泉内閣での田中真紀子元外相との相似形を見ます。彼女も確かに外務省改革ではそれなりの成果を挙げ、国民の喝采を受けましたが、組織としての外務省と大臣、官邸の信頼感も破壊しました。そればかりか肝心な外交での停滞を招き、機能停止ではないかと言うほどの事態に陥ったことは記憶に新しいです。
 石原国交相も、行革担当相からの「道路公団等改革」という職務においては国民の喝采を浴びるでしょうが、国交相としての職責を全う出来るかどうか。田中元外相との違いは石原氏に破壊者としての信念すら見うけられないだけに、総てが中途半端で終わる懸念があります。
 大衆迎合の人事と後世の謗りを受けなければいいんですが...

「あれだけ大きな無駄」というセンス(本四架橋に対する無理解)
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/10/01 19:55:45) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 石原国交相が9月22日の就任後初の記者会見で、アクアラインと本四架橋を名指しで、「あれだけ大きな無駄を作ってしまった。その過ちを繰り返す余裕はこの国ににはない」と断言したことは、好意を持って迎えられた感があります。

 確かにアクアラインと本四架橋はその負債の大きさと、収益での回収が絶望的であることから「無駄」の象徴のように語られることが多いです。しかし、一方でアクアラインは首都圏の環状道路の一環という役割があり、本四架橋は我が国の主要な島である四国と本州を結ぶ命綱であるわけです。
 その役割を考えた時、道路と建設の所管大臣が軽々に「無駄」と断じることが妥当かどうか、就任にあたって懸念された「軽さ」が早くも出た格好です。

 実際、30日の閣議後会見では、民主党の無料化案を批判する中で、外環や圏央道の完成が無いままに都市高速を有料、都市間高速を無料にした場合は環境面でも大きな混乱を招くとしていますが、アクアラインがその「圏央道」を構成することは忘れているようです。増してや先に批判した行革担当相時代に三郷で外環不要論をぶったことなどは微塵たりとも覚えていないようです。
 また、同じ会見では、三重の方の話をひいて、基幹病院までの所要時間で救命率が大幅に変わるというような問題への配慮も必要と言ってますが、海で途絶された島嶼との連絡はもっと重要だろうに、これも場当たり的な発言です。

●本四架橋に対する誤解
 問題なのは、本来国家が日本列島の基本である「四つの島」の連絡くらい自らの事業として費用支出して行うべきところ、通行料金で回収する有料道路スキームを採用したところにあります。
 しかしながら橋の必要性すら否定する意見が後を絶たないわけです。

 さらに、明石・鳴門、児島・坂出、尾道・今治の3ルートが無駄という意見もよく聞かれます。北海道や九州が架橋やトンネルが1箇所というのに四国は贅沢だと感じるのでしょう。
 これも誤解がたぶんにあり、津軽海峡、関門海峡というピンポイントで本州と接している北海道、九州に対し、瀬戸内海を挟んで長々と接している四国の地理的環境を全く無視した議論です。本四架橋は1箇所で十分というのであれば、例えば、山陰地方へのルート整備は1箇所で十分、山陰線ルートだけだとか、伯備線ルートだけだといった議論に等しいです。

 もう一つ、本州と四国の連絡と同時に、中間の島嶼に対するインフラという側面があります。
 明石・鳴門ルートにおける淡路島は最大のものでしょう。明石大橋を走る無数のバスに占める淡路島発着便のシェアは四国行きに比肩します。
 また、本四架橋の中でもさらにお荷物扱いのしまなみ海道にしても、尾道側から向島、因島、生口島までの広島県側への流動は架橋前から多く、ゆえにかなり早い時期に向島、そして因島までは架橋されていました。このあたりは呉からの音戸大橋などで結ばれた倉橋島、能美島や、安芸灘大橋などで結ばれた蒲刈島、下蒲刈島、柳井からの大島大橋で結ばれた周防大島などと同列なんですが、これらの島嶼への専用である橋もまた無駄な事業だったのか。確かに県の事業とはいえ、当然国費が何らかの形で回っています。

 あと、議論の中で完全に抜けているのが、本四架橋の原動力になった宇高連絡船紫雲丸事故に代表される海難事故の問題です。
 架橋のきっかけが紫雲丸事故というのは知られていても、実際に橋が架かった海峡がどれだけ危険な海峡かであるかは語られたためしがありません。
 例えば2000年度に発生した全国の海峡部での海難事故ですが、1位が明石海峡の40件、2位が来島海峡の39件、鳴門海峡37件と見事なまでに架橋対象海峡であり、海域別でも1位が安芸灘、広島湾の282件、周防灘175件、播磨灘162件、備讃海域西部144件と、瀬戸内海に集中しています(海難審判庁調べ)。

 備讃海峡の航行量は1日1700隻あまり、来島海峡も約1000隻で、もし架橋が無ければその難所を横断する貨客流動が加算そしてクロスするわけで、非常に危険な状態です。
 しまなみ海道の南端に位置する来島海峡の場合、年間の海難事故総数もさることながら、船舶同士の衝突という重大事故も平成に入ってからの12年間で60件あまりと群を抜いているわけです。
 ちなみに、国交省管轄である海保の全国に7つしかない海上交通センターのうち、3箇所が本四架橋の場所(大阪湾=明石海峡、備讃瀬戸、来島海峡)となっています。

 こうした背景を総合的に判断しない批判は論外であり、いわんやそれを感じさせる批判を所管大臣が行うに至っては評価以前の問題です。

Re:「あれだけ大きな無駄」というセンス(本四架橋に対する無理解)
 投稿者---むざさび氏(2003/10/03 10:49:09)

 こうした背景を総合的に判断しない批判は論外であり、いわんやそれを感じさせる批判を所管大臣が行うに至っては評価以前の問題です。

 まったくそのとおりですね。エル・アルコンさんのご意見に同意します。

 同じ石原さんでも親父さん(都知事)は「近年採算性だけで高速道路を考えようという風潮がある。困ったものだ」という趣旨のことをおっしゃっていたのと比べると、やはり、息子さんの方はまだ若いというか、政治家として大成していないという感じを受けました。

 赤字だといらないというなら、その辺の無料の道路は全部いらないのかと訊ねてみたいものです

〔道路公団〕藤井前総裁の解任問題に思う
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/11/11 14:20:28)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─綸言、汗の如しではないのか
 └「選挙モード発言」の痕に残る不信感

 道路公団の藤井総裁の解任劇は、公団総裁がみなし公務員として行政府の一員にも擬せられる存在でありながら、その地位が予想以上に手厚く守られていることなど、国民の前に「知られざる真相」を多く提供してきました。
 この問題、焦点や関心は藤井前総裁が握っているとされる「疑惑」の中身に移った感がありますが、それは今後の推移や司直の関心に任せまして、この解任劇自体の問題を少し考えましょう。

***
 確かに藤井前総裁の資質や言動に問題が無いといえば嘘になりますが、では法に基づく組織の長を法により解任するに足る要件を充たしていたかどうか。法治主義の根本すら問われるケースにおいて、任免権者である行政庁(国土交通省)が聴聞の席上で即答できなかったと言うことは、これが先例として残る限り記憶されるべき事態のはずです。
 「お役所仕事」の典型として、「先例が無い」という駄目出しを良く聞きますが、結局行政府は立法府の作ったルール(法律)に基づいて仕事をする以上、先例=法律等の明確な規定が無いのではある程度やむを得ないのです。しかしながら今回の対応はあたかも行政府がルールを作ったが如き事態であり、法定闘争を示唆するのも、また通常行政訴訟ではほとんど無い勝ち目すらあるとされるのも、そこが源泉なのです。

 では、よしんば監督官庁の長である石原国交相の判断が尊重されるとはいえ、では国交相という個人が納得できなかったら解任出来るのか。「私が納得できない」と堂々と言ってのけた国交相個人の「理解力」を問うことはこの際無しとしても、道路公団法における「判断」にはそうした心証、主観を専らにすることが想定されているのでしょうか。
 近代国家において、主観による処断、懲戒、懲罰を容認しているのはそれこそスターリン刑法における「人民の敵」の名において罪を決める流れを汲むものであり、そう言う意味で「藤井は悪人だから解任は当然!」という議論すら起こるところには、大衆の前で「人民の敵だから有罪!」として処断する人民裁判と同じものがあるわけです。

 特にマスコミにおいてそこの議論がないどころか「国交相が辞めさせたいのだから解任」とキャスターが言ってのけるようなニュースショーすらあるようでは情けないです。「罪刑法定主義」という近代国家の大前提があるからこそ、何が正で何が邪かを客観的に判断できるわけであり、過去数多の「人民裁判」で、それこそ突然訳も無く三角帽を被せられて犠牲になったケースのように、権力者が思えばそれが罪になることを欲しているということに気がつかないのでしょうか。
 自分が正しいと言う主観での行動ですから、自分がそうなるとは想像がつかないのでしょう。しかし、そう言う時、「走狗は煮られる」と相場は決まっているのです。

***
 では藤井前総裁の解任を正当化するにはどうしたら良かったのか。

 結局、公団側は常に、必ずしも「小泉改革」の意に沿うものでない対応であったことには変わりが無いわけです。その状況において、監督官庁・政府が、ある時点ではそれを良しとして、ある時点ではダメ出しをすると言うことは、行政の連続性から言っても理屈が通りません。

 逆に、先にOKを出した時点との間で「政策の転換、変更」があったということが明確になっていれば、当然その解任は正当化できるのです。
 ところが少なくとも小泉内閣は政策の転換、変更を認めていないわけで、国交相が扇氏から石原氏に代わったことが即ち政策転換、変更とも言い難いです。
 そこで泥を被る、いや、せいぜい「汗をかく」程度の事すら欠いてただ藤井前総裁に詰め腹を切らせようとしたのがそもそもであり、本来胸に仕舞ってくれていた理不尽が残ってしまったから理屈も立たないのです。

綸言、汗の如しではないのか
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/11/18 13:30:25) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 さて、限りなく所管大臣の主観に基づく今回の解任劇ですが、石原国交相が不可解な発言をしました。

国有地疑惑発言撤回 石原国交相が藤井氏問題で(共同11/18)http://headlines.yahoo.co.jp/…

 なんでも、例の政治家絡みの「イニシャル」は実は無かったそうで、発言を撤回するとのことです。

 いやしくも公職、行政庁の長たる人物が、ひとたび発言したものを撤回と言えば無かったことになると信じているとしたら空いた口が塞がりませんし、彼が皇帝と言う気は更々無いにしても「綸言汗の如し」という言葉をご存知無いのか、と言いたくなります。

 さてこの「発言」ですが、10月5日の国交相と前総裁の会談を受けて更迭→解任となったわけで、国交相がその話を披露したのは、前総裁が解任されるに足る人物であることを示す一環であったことは容易に想像がつきます。

「藤井総裁が政治との癒着に言及」 石原国交相が明かす(朝日10/12)http://www.asahi.com/…

 その根拠の一角を自ら撤回することが何を意味するのか。
 逆に法的措置をとるぞと言いつつ、メディア向けには喋っても行動に出ないというこちらも不可解な行動に走る前総裁の言動と合わせて、今回の解任劇がただの茶番で、しかし、手続的には非常に悪しき先例を残したものという最低の結果になりつつあります。

「選挙モード発言」の痕に残る不信感
 投稿者---551planning(2003/11/19 22:14:49)

 印象の受けの違いはありましょうが、「イニシャル」までは否定していないようですね。ちょいと「石原大臣会見」を覗いてみましょうか。

Q.哲学家の先生にお会いになってですね、5日の会談以降、かなりテレビですとか遊説なんかで大臣の発言がだんだんヒートアップしてると受け止めてましたけれども、それは今では悔いていらしゃると。

A.悔いてはいません。自分の行動というものには政治家ですから責任を取りますけれども、これはやはり私は哲学家ではありませんから、それこそ汝の敵を愛せよと言われても、私は分からない人間だと思います。しかし、やはり人間ですから、藤井さんも人間ですから、そういうことを高名な先生がですね、たまたま以前からお約束をしていてお話を伺う、その時先方の先生の方から「石原さん」と、「心に愛を持ちなさい」といきなり言われましたから、私も正直言って私はそんなことできませんよと申したんですけれども、「やはりさせられているんだということを分かってあげて同情してあげる」、すなわち、「目が拳固になってますよ」と、「石原さんの顔にも怒りが出ているし、藤井さんの顔も怒りが出ている、そういうことは人間社会の中で醜いことである。」これが私なりに理解したその先生の言われる慈悲の心ですか、そういうものをやはりその方と全然その件でお会いするのではなくて、お約束をしてお話をさせていただいた中で、そういうことを私が感じたと御理解していただきたいと思います。

(10/17会見) http://www.mlit.go.jp/kaiken/kaiken03/031017.html

Q.続いて道路公団問題ですが、昨日民主党の菅代表から小泉首相宛に公開質問状出まして、別途、岡田幹事長から国土交通省に調査チーム立ち上げる要請がありました。国土交通大臣として、例の政治家のイニシャルを挙げての疑惑の調査を始める考えはございますか。

A.総理のところには違う申し入れだと聞いてますが、私のところには国土交通省内にこの問題の調査チームを設置し、総裁が挙げた政治家のイニシャルを明らかとするとともに、徹底的に事実関係を解明し、国民にその全容を公開すべきであるという申入書を頂戴いたしました。これももう皆さんにお話しした話なんですが、会談で総裁が話した内容は、政治家の名前を暗に仄めかしたからイニシャルなんですけれども、それはそのイニシャルの人たちがどういうことをやったとか、個別具体的な話は無かったんです。で私ももし何かあるんだんだったらそういうものを明らかにするのが総裁のお仕事ではないですかと言ったら、総裁はそれ以上言及されませんでした。具体的な問題がありませんので、その総裁のイニシャルが誰を指すかということは私は分かりませんので、今調査チームというものを設置するような段階には私は無いと思います。具体的なこういうところで、何という政治家がこういうことをいつやったと、そういうような具体的なものが出てくれば厳しく対応していかなければならない問題であると考えています。
===
Q.本来の文脈とは関係なく出てきた話かもしれませんけど、せっかく政官の癒着とか言われているときに出てきた話であるから、それはむしろ積極的に追求して明らかにすべきなんじゃないでしょうか。

A. 政官の癒着とか具体的なものがないんです。
===
Q. 国有地の払い下げとかっていう・・・

A.なんか土地の話はしていたんですけれども、そもそも具体的なものではなくて、なんとかって言う、なんとかの土地がどうのこうのとか、だからそれも総裁全然話が違うじゃないですかと、それを遮ったんですよ。そんな話を私にする必要はないじゃないですか。

(10/21会見)http://www.mlit.go.jp/kaiken/kaiken03/031021.html

Q.道路公団の関連なんですけれども、10月の初めに藤井総裁を呼んで話を聞かれた時にですね、国有地の払い下げを巡る話があったんだということ、大臣はおっしゃったんですけれども、最近一部報道でですね、そういう話してないんじゃないかという話もあるんですけれども、これに関してはいかがでしょうか。

A.その時にも申し上げたように、要するに筋論ではない話が出たという趣旨で、広い意味での国絡みの土地に関する話が出たということをお話したわけです。具体的にどこどこの国有地をこういう払い下げがある時こういう疑惑があったとか、そのような話をしたということではありません。国有地という言葉が一人歩きしているのだと思います。私が言ったのは全く本筋と関係ない話を、急にされましたので、その時にはニュージャパンに関する話も表に出ている話かどうかも知りませんでしたから、なんでこんなことを言うんだろうと思い、藤井前総裁がこのような話を急にされたんですと御紹介をさせていただきました。あくまでも広い意味での国絡みの土地の話が出たということで、総裁が自らおっしゃられていますように、ニュージャパンの話が出たということです。

(11/18会見)http://www.mlit.go.jp/kaiken/kaiken03/031118.html

 引用が過ぎたようですが、石原大臣会見をじっくり読んでみるとなかなか面白いものですね。特にこの間はJRの各種問題があったり、圏央道や外環道の話もありましたので、こちらも折を見て考えて見たいと思います。
 上記は適宜抜き出したものをつなぎ合わせただけですので、皆様がどのように感じられるかは大臣の意図するところと異なる可能性もあろうかと思われますが、まぁまさに聴聞会の真裏で行われた10/17会見時からトーンがぐんと下がったのは事実でして、そして昨日に至ったということは事実上の「選挙モード」の終了とでも云いましょうか、まさに藤井前総裁を手玉にとった後味の悪いゲームオーバーという感想を持ちます。もっとも「手玉に取られた」のは当の石原総裁であり、そして我々国民であるということをどのように考えるかでしょう。

 少なくとも大臣自ら『自分の行動というものには政治家ですから責任を取りますけれども』とされている以上は、明確な“履行責任”を見せてもらいたいものです…これも件の哲学者氏に諭されなければならないのかな?そうであれば非常に悲しいものであります。

2005.06.01Update

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