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日本版「グレイハウンド」は実現するのか? 投稿者---かもめ氏(2004/01/02 21:24:15) |
─Re:日本版「グレイハウンド」は実現するのか? |
明けましておめでとうございます
かもめです
本年もよろしくお願い致しますさて、新年にふさわしい何かはないかと考えて、表題のネタを思いつきました。
鉄道・航空機・高速バスなどの競争についてはこれまでに何度も取り上げられてきました。しかし、それぞれ本当の意味で同じ土俵にたっての勝負にはなっておりません。その矛盾の一つの解決策として出てきたのがこれです。現状の高速バスは表向きの路線網とは裏腹に全国ネットにはなっていません。ご存知のように、基本的には出発地と目的地のバス業者がペアを組んで交互に路線を走らせるという形態が主流になっています。
これを改めて、地域的な路線バスとは切り離して全国ネットで予約や路線の検索ができ、自前のターミナルを構えてそれぞれの路線の接続もしっかりできる、高速バス専門の業者が日本にも生まれないものか?
そんなことを考えてみました。Re:日本版「グレイハウンド」は実現するのか?
投稿者---wataru氏(2004/01/03 01:04:29)うーん… ぱっと思いついたのですが、何かと話題のMKタクシーあたりがそういうことを考えたとしたら、本当に実現してしまうかもしれませんね。京都だけでなく、名古屋・大阪・東京に営業拠点を持っていますから、上記都市間を結ぶ高速バスならば、車庫などは既存投資を有効に活用できるのでコスト的にも十分競争力があると思います。
というか、無理して路線バスに乗り出す前にこのへんから手を付けた方が儲かるような気がするんですけどね(笑)
Re:日本版「グレイハウンド」は実現するのか?
投稿者---World's Uniquest Railway Enthusiast氏(2004/01/03 03:42:21)あけましておめでとうございます。
年も変わったので改名してみました、WGRE改め、WUREです。私はアメリカのバス事情にも興味があるので表題には非常にそそられました。
私なりに議論を発展させ、日本の未来の長距離バスモデルを幾つか提示することにしました。(1)現状(ばらばらのまま)
(2)企業体はばらばらのまま、サービス提携が行われる。
(3)全国規模でバス運行を行う企業が複数
(4)全国一社アメリカは(4)の全国一社ですが、発展して作られたネットワークというよりは、飛行機や自家用車の発展によるバス事業の衰退で無数にあった同業他社(中には前身が長距離電鉄会社というものも・・・)が整理されて今のかたちになっているので、現状維持にはいいのかもしれませんが、競争力が高まるかどうかは疑問。こうなってしまうと、バスにしか乗らない(乗れない)顧客相手に独占的経営を行ってしまう事になってしまうし。
なったら面白いと思うのは、(3)のパターンですね。携帯電話会社のように2〜4社が全国に展開して、大都市間の移動なら複数の会社が選べるというパターンは魅力です。ただ、日本の高速バス市場にそれだけの需要があるのだかどうか。
現状の問題を解決するなら(2)のパターンでしょうか。現状の日本の高速バスの予約発券システムやターミナルなどネットワークとしての完成度は、半世紀前のアメリカか途上国のレベルで混沌が好みの私には魅力的ですが、一般客(特に外国人客)にとっては悩みの種です。北海道か九州まで統一した予約システムや、共通乗車可の周遊券などはあっても良いかと思います。WURE
Re:日本版「グレイハウンド」は実現するのか?
投稿者---とも氏(2004/01/05 19:42:14)ともです。
なるほど、日本版グレイハウンドですか。私もカナダでお世話になりました。
それに似た全国1社的なサービスですね。
考えてみましょうか。その前に、まずWURE様のご提案に関して。
アメリカは(4)の全国一社ですが、発展して作られたネットワークというよりは、飛行機や自家用車の発展によるバス事業の衰退で無数にあった同業他社(中には前身が長距離電鉄会社というものも・・・)が整理されて今のかたちになっているので、現状維持にはいいのかもしれませんが、競争力が高まるかどうかは疑問。こうなってしまうと、バスにしか乗らない(乗れない)顧客相手に独占的経営を行ってしまう事になってしまうし。
今どういう訳か(笑)、私の手許にとある興味深い雑誌記事があります。それを見ますと、こんなものがあります。
アメリカの主な都市間バス事業者(2000) |
会社名 | 都市間 定期路線旅客数 (百万人) |
総旅客数 (百万人) |
都市間 定期路線収入 (百万USドル) |
総収入 (百万USドル) |
グレイハウンド・ラインズ Greyhound Lines, Inc. |
19.6 | 20.4 | 751.2 | 885.4 |
ピーターパン・バス・ラインズ Peter Pan Bus Lines, Inc. |
2.4 | 2.5 | 47.7 | 57.1 |
カロライナ・コーチ Carolina Coach, Inc. |
1.4 | 1.4 | 22.2 | 22.7 |
ボナンザ・バス・ラインズ Bonanza Bus Lines |
1.5 | 1.5 | 20.9 | 21.5 |
フランク・マーツ・コーチ Frank Martz Coach Co. |
1.1 | 1.5 | 13.9 | 19.6 |
資料) 高速道路と自動車2002.10 米国の都市間バス事業の現状 |
このうち、2位のピーターパンは東海岸を中心に路線を広げており、グレイハウンドとは提携関係、3位のカロライナコーチはグレイハウンドの子会社であり、事実上の1社独占に近い形態です。
とはいえ、小規模事業者は数多くおよそ2000社が全米で都市間バスを運行しているそうですから、1社独占ではあるものの、日本ともどこか似通ったものがありますね。もともとアメリカは1982年にバス規制改革法が施行され、州際バスへの参入の自由化がなされ、以後、雨後の竹の子のように爆発的に増加を続けました。
ところが、規制緩和後の価格競争が激化、賃金カットによるストライキを始め経営が安定せず、1987年にグレイハウンドコーポレーション社がバス事業から撤退。その路線網を引き継いだのが今の「グレイハウンド・ラインズ」です。しかし、その後3年間に渡るストライキなど経営基盤の安定は図れず、結局連邦破産法11条の適用などズタズタになったのですが、その後、競合他社との連携、協力体制確保による相互利益確保などにより経営の安定化がなされ、現在に至っているということです。
その際、興味深いのはこの手の提携云々というと取りざたされる「料金値上げ」が1992年以降起きていないこと。この点は単に規制緩和すれば良いということではないことを表しているんでしょうね。その意味で言えば、日本でもJRなりの全国展開事業者がこのような形で提携することで1社による事実上の独占による弊害が薄れるかも知れません。
なったら面白いと思うのは、(3)のパターンですね。携帯電話会社のように2〜4社が全国に展開して、大都市間の移動なら複数の会社が選べるというパターンは魅力です。ただ、日本の高速バス市場にそれだけの需要があるのだかどうか。
現状の問題を解決するなら(2)のパターンでしょうか。現状の日本の高速バスの予約発券システムやターミナルなどネットワークとしての完成度は、半世紀前のアメリカか途上国のレベルで混沌が好みの私には魅力的ですが、一般客(特に外国人客)にとっては悩みの種です。北海道か九州まで統一した予約システムや、共通乗車可の周遊券などはあっても良いかと思います。複数社がネットワークを敷いていて・・・という例としてはカナダやオーストラリアがありますね。
競争と言うよりは相互補完のような形態にはなってますが、バスターミナルの混乱など利用者からして使いにくいものでもあり、ある程度のルールをもたせたものでやらなくてはいけないでしょうね。
バス周遊券などは積極的に導入して欲しいですね。特に外国人向けはせめてJRだけでもできないものかなとは思います。
外国のガイドブックなどには「日本の高速バス利用にはテクニックが必要」なんて書かれる始末ですから、考える必要がありそうですね。さて、で、私なりの提案。
やはり、全国一元であれば、まずは連携からとなるでしょう。日本の場合、ターミナルの共用すらなかなか上手くいかないわけですし、まずは提携からスタートして、いずれは「見た目の」全国ネットワーク化でしょうか。我が国でも名神高速道路が開通した時期に全国のバス会社が出資して「日本急行バス」を創設し、全国高速バスネットワークの開設を目論みましたが、結局は上手くはいかなかったということもあります。過去の失敗でチャレンジしないのはいかがなものかということですが、経営は別でも見た目のネットワーク化を図るような策も一案でしょう。
JH民営化をにらみ、何らかのアクションを期待したいところです。まとまりませんが。では
大雑把な感覚ですが、グレイハウンド=鈍行、飛行機=特急みたいなもの
投稿者---樫通氏(2004/01/06 00:10:43)★ご無沙汰してます。
なったら面白いと思うのは、(3)のパターンですね。携帯電話会社のように2〜4社が全国に展開して、大都市間の移動なら複数の会社が選べるというパターンは魅力です。ただ、日本の高速バス市場にそれだけの需要があるのだかどうか。
★緻密な話に対して相変わらず(?)感覚論で話を返してしまうのですが、仰せのとおり日本の高速バス市場の需要がカギと言う点、同意いたします。鉄道が移動手段としての地位をかなり落としている米国と、それなりに鉄道網が残存している日本とでは、同じバスでも位置付けが異なる感も持っており、題名に書いたような日米比較が出来るのでは、と考えます。
★日本の高速バスは、夜行列車を中心にある程度鉄道からのパイの転移によって発達してきた感をもちますが、ある意味現在均衡状態と感じます。崩すとすれば、鉄道の維持投資があまりにも高くつきすぎるような事態に陥った時か?と想像します。
★悲観的ですが、各駅ごとに全てホームドアをつけることを求められるとか、軌道敷には完全に進入禁止が求められるとか、一方で高架橋等の構築物に対する信頼性を損なうような事態が一気に訪れるとか・・・。新年早々、書いてる自分も滅入ってきますのでこの辺にしておきますが、他産業に対しての世間の求める安全性と比較して、ほぼ毎日なんらかの形で死傷事故を発生させている鉄道産業に対して求められている安全策のあり方が、感覚的には理解できても理屈が立つかどうかとも思います物で。
★辛気臭くて失礼しました。
Re:大雑把な感覚ですが、グレイハウンド=鈍行、飛行機=特急みたいなもの
投稿者---World's Uniquest Railway Enthusiast氏(2004/01/06 02:28:21)レス、補足ありがとうございます。
公共交通ではバス市場のように、単一企業によるサービス提供の費用上のメリットがない場合でも、複数企業の参入により消費者側の便益が損なわれる事があるので市場原理の活用は馴染まないという話を聞いたことがあります。時刻表などを見る限り、グレイハウントには長距離需要も多いようですし、競争で全米のネットワークが寸断される事は望ましくないという事でしょうか。
アムトラックの時刻表などを眺めていると、連絡バスに聞いたことも無いバス会社の名前があって不思議に思う事が多いんですが、経営や路線の実態(空港連絡?限定された大都市間のクリームスキミング?)はどんな感じなのでしょう。暇をみて調べてみたいと思います。緻密な話に対して相変わらず(?)感覚論で話を返してしまうのですが、仰せのとおり日本の高速バス市場の需要がカギと言う点、同意いたします。鉄道が移動手段としての地位をかなり落としている米国と、それなりに鉄道網が残存している日本とでは、同じバスでも位置付けが異なる感も持っており、題名に書いたような日米比較が出来るのでは、と考えます。
すみません、私も正月ボケでかなり感覚論です。
興味本位で言えば、4つ位の都市間バス企業連合が出来て、東京から長野と金沢で途中下車して大阪に向かうときに、どの会社でも直通切符を発券してもらうことが出来て、しかも「A社は何もサービスが無いが、運賃2割安、B社は独立座席でしかも途中休憩なしでいくので他社より5%高速、C社は女性運転手のサービスが自慢で、途中休憩では名物レストランに立ち寄ってくれ、D社は提携ホテルに割引宿泊でき・・・」のようなサービスのバリエーションがあって100年前のアメリカにおける鉄道旅行のような感じで旅行できれば面白いわけですが、ほとんどの旅行者が余計なサービスや多少の割安感よりは所要時間の短さを求めている現代では夢物語。
また、JR在来線と高速バスとの関係を見たとき、高速バスは分かりやすいターミナルを作るコストや、全国ネットワークを構築するコストを削って低コストの(悪く言えばクリームスキミング的な)サービスを生んでいると見ることも出来るわけで、鉄道網が稠密でサービスがそこそこの現在、あえて全国統一サービスを作る必要があるのかは確かに考え物。九州などの地域ネットワークでは統一のメリットも高そうですが。ただし、イギリスやヨーロッパ諸国、韓国などでは鉄道の全国ネットワークと高速バスの全国ネットワークが並存しているとの話も聞きます。これらの国の成功の秘訣は?田舎町でも鉄道とバスの競争はあるのか?識者の助言を期待します。
日本の高速バスは、夜行列車を中心にある程度鉄道からのパイの転移によって発達してきた感をもちますが、ある意味現在均衡状態と感じます。崩すとすれば、鉄道の維持投資があまりにも高くつきすぎるような事態に陥った時か?と想像します。
今も国鉄が存在して、車両もそのままだったりしたら、四国なんかは高速バス化していたのかもと想像します。夜行列車の引退は今後も進むものと勝手に想像していますが(恐らく当事者も正確な計算はできていないでしょうが夜行列車の運行費用はものすごく高くつく線区が多いのではないかと想像しているので)、移転は均衡を崩す程の数字にはならなさそうな感じがします。昼行列車は勝手に安泰と思っていますがどうでしょうか?
WUGE
高速バスにおける「利用障壁」と裏腹の問題です
投稿者---エル・アルコン氏(2004/01/06 17:25:00) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs我が国における高速バスの成長を見たとき、平成初期の爆発的な成長、そして昨今の低価格路線を中心とした成長の2つのステップが見て取れます。
最初の成長期にけっこう手当たり次第に試乗したのですが、その時に感じた障害が「チケットの購入」の問題でした。当時はJR系の一部がなんとかマルスに収容された程度で、電話予約で当日乗りに行けるケースも少なく、結局代理店で船車券を購入するか、地元に足を運ぶしかなかったのです。
それでも大手代理店が有名どころの路線の大半を取り扱っていたので助かってましたが、ある時期にJTBなどが事務手数料と称して1件あたり税別500円の手数料を徴収するようになったため、廉価というメリットが相当減殺されるため全く足掛かりの無い地方の予約制のバスの利用が困難になりました。
もちろん、東京でも西鉄観光にいけば無手数料で自社系高速バスの乗車券を発券してもらえるように探せば裏技はあるんですが、定価購入が「知る人ぞ...」のレベルになってはいけません。
結局このあたりと、高速バス成長の終息がリンクしていたように感じます。一方で昨今の成長を見ますと、一方の雄であるJR系だけで稠密な路線網を形成したことからマルス発券によりかなり広域な利用の手配が可能になっています。
さらに自社サイトの他、「発車オーライネット」といったポータルサイトも出来たインターネット利用や、コンビニの端末など、購入手段の多様化も見逃せない話であり、このあたりは多彩な運賃体系が初期は「わかりづらい」という批判対象だったのが、ネットの普及でチョイスが簡単になった航空も同じように伸びているのが興味深いです。***
さらに高速バス業界の変遷も底流にあります。
現在はダブル、トリプルトラッキングが当たり前ですが、規制時代、昭和63年まではいわゆる相互乗り入れ、共通運行でしか路線開設が認められていなかったのは有名な話です。
それが良い方向で昇華したのが中央道高速バスで、京王をキーに、富士急、山梨交通、諏訪、信南、伊那、松電、川中島、おんたけ、濃飛の10社による一体運用は会社間の壁を感じません。
このように大需要地側の幹事会社がしっかりしているケースでは一体感のある運用とネットワーク創設が可能になっており、福岡の西鉄はその代表でしょう。規制緩和によるダブルトラッキングが利用者のためになったかと言うとそうも言えないわけで、特に在阪私鉄系各社が競って路線を開設した関西圏−九州方面の路線は同じ都市間路線なのに会社ごとにバラバラな起終点だったりするなど無駄が多く、その多くが淘汰されました。
それでも地方のように広島センターや岡山天満屋のようにどの路線も立ち寄る拠点があるとまた違うわけで、そのあたりも地方発需要のほうが旺盛と言う現象の一因ではないでしょうか。こうした行き過ぎた流れも是正の方向に進んでいるようで、本四・明石海峡大橋関係の路線のように、「たかなんフットバス」の新規参入を前に、既存事業者が大同団結した高松線のようなケースもあります。これも「フットバス」と併せれば非常に利便性が高くなるんですが、そこまでは至っていませんし、関西側のターミナルも会社別(JRは大阪駅桜橋口、阪急は梅田三番街とか、三ノ宮でJRと神姫で場所が違うなどのケース)のままだとか、同一路線として案内しているからこそ感じる不便さも生じています。
***
今後の高速バス業界がどうあるべきか。それを考えると、どうしても不可避な車庫や乗務員休憩設備を考えると、参入各社別のターミナルを持つのはやむを得ないかもしれません。その一方で、その街に関係する高速バスが総て立ち寄るターミナルを決めて、大半のお客さんはそこへ行けば各社のバスに乗れる、乗りかえられると言うシステムが必要です。
先述の広島センター、岡山天満屋のほか、熊本交通センター、高松サンポートなんかもそうしたターミナルとして機能していますし、JR、名鉄がそれぞれ一大ターミナルを持っている名古屋でも、中心街の栄に「オアシス21」が出来たように、統一ターミナルの建設は必須でしょう。別の見方をすれば中間停留所での利用が旺盛なケースは、そこにいけば各社の路線に乗れるからと言うメリットがあるわけで(高速舞子、高速鳴門、松茂ターミナルなど)、それを起終点エリアの大都市部で、出来れば中立色の強い事業者もしくは公共施設として設けたいです。その一方で各社別のターミナルはP&R拠点にするなどの付加価値を付けることで住み分けが可能でしょう。
予約発券に付いては、そうしたターミナルで統一した窓口があれば現地発券は可能でしょう。
松茂ターミナル(徳島県松茂町)の場合は、コーヒーショップの片隅に端末があり、JR系、民間系を一手に発行しています(JR系が満席なら民間系を勧めたり、一本早い他系統があると案内してくれる)。遠隔地での発行に付いては、クレジット引落であれば発車オーライネットのようなポータルサイトの整備が手っ取り早いですが、サイト運営側の与信・受信能力も問われる訳で、その問題を克服することが発展の鍵になります。
さらに簡単なのは、代金収受をコンビニで行うようにすることであり、ポータルサイトでは予約業務を扱い、決済はコンビニという流れ。さらに進めば、カードリーダーがついたコンビニ端末で全国の路線を扱えれば、現金払い、カード払いの両方でワンストップ化が可能です。
もちろん各社が自社サイトでクレジット引落などを含めた予約発券業務を行えばいいんですが、このあたりは収納代行業務に長けたコンビニにアウトソーシングしたほうが良いでしょう。アメリカ バス事業の激しい競争
投稿者---とも氏(2004/03/06 12:35:29) http://town-m.vop.jp/アメリカのグレイハウンドの独占も徐々にいろいろ侵食されつつあるようで。
3.10号のニューズウィーク日本版によると、価格破壊がここでも吹き荒れているとか。
記事によると、「チャイナタウン系」バス会社の猛烈な価格破壊が進んでおり、たとえばニューヨーク−ボストンでは、グレイハウンドの往復料金30ドルのわずか1/3、10ドルで運行されるバスを、中華系バス会社の「フォンワーバス」「トラベルパック・ラッキースター」が運行。しかも低サービスということではなく、車内ではちゃんと映画も楽しめるとのコト。
フォンワーバス http://www.fungwahbus.com/
トラベルパック・ラッキースター http://www.luckystarbus.com/index.shtml
で、どこでコストを削るかといえば「バスターミナル使用料」「公告」「スタッフ」。たとえば、英語が話せるスタッフを削る、暖房を弱めにするといったことで削っているとのコト。発着場所も両者とも街角。ターミナル発着が一般的なアメリカのバスとしては異例です。
まさに「熾烈な競争」といえましょう。とはいえ、ニューヨーク市では基準に満たないバス16台を使用停止処分にするなどトラブルも出ているようですが、ここまでの価格差では利用は減らないでしょう。
日本でも熾烈な価格競争は始まっていますが、同じような展開になっている点、非常に興味深くもあります。
まとまりませんが。では。Re:アメリカ バス事業の激しい競争
投稿者---World's Uniquest Railway Enthusiast氏(2004/03/06 23:04:31)とも様こんばんは。
ニューヨーク−ボストン間は競争が激しいようですね。
そんなに詳しい話は聞いていないのですが、テレビで路上発の都市間バスが何社も出てきている様子を見たことがあります。興味があっても確認していないのは、こうした競合があるのが、この区間に限られるのか、比較的あちこちの都市間で起こっているのかという点、アメリカでも空港バスなんかは競争が激しそうですが。
この区間の競争が激しいことは、距離が短い事と需要が多い事、アムトラックとそうスピードが変わらない(最速アセラで3時間40分に対し、バスは4時間半とのことで)ことが人気のある要素かもしれません。グレイハウンドにとってはクリームスキミング行為以外の何者でもないでしょうか。先ほどアムトラックのサイトで運賃を調べたら、アセラエクスプレスでは運賃が85ドル(料金込み)との事、こんなに差があってやっていけるのかどうかは気になるところです。もっとも、2000年のアムトラックの電化+スピードアップによってバス利用客が減って価格競争が進んでいる可能性もありますが。
選択されるための「第三の基準」
投稿者---エル・アルコン氏(2004/03/08 17:14:32) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbsボストンまで10ドルっていうのもすごい話ですね。
ただ、注意したいのは日本だとこの手の競争は交通モード全体を巻き込んだ競争として捉えられますが、米国の場合は、時間や価格と同列で、「安全」「客層」という判断基準があることです。
ですから航空機やアムトラックが実質所要時間では殊更差が無くとも成立するわけですし、大陸横断のような超長距離においても、飲食その他を考えると必ずしも安価とは言い難いバスや鉄道の出る幕があるわけです。気になるのはNY市当局の「使用停止処分」で、結局「安さ」と「安全」は裏腹なんですよね。
車両の保安基準もそうですし、運転の粗っぽさも然り。10年くらい前、中古のロンドンバスで安値展開をしていたマンハッタンの定期観光バスが、車両の問題、運行時の事故の問題で摘発されてましたし、航空自由化当初に激安路線で売り出した航空会社が事故多発で市場から放逐されたケースもあります。
で、そう言うリスクを承知の上で利用するニーズがあり、それを対象に運行することで成立しているということでしょう。
福島〜仙台高速バス、値下げ競争第2ラウンドへ 投稿者---wataru氏(2004/01/20 22:47:20) |
─興味深いチャレンジャーの「現実的」展開 |
過去ログ117の「駅前広場は誰のもの」でも取り上げられていた福島の富士交通ですが、今日付の日経流通新聞によると再度の値下げに挑むようです。
駅前広場は誰のもの log117.html#3
件の記事によると、値下げは当面三月末までの期間限定で、仙台〜福島・郡山・山形間についてそれぞれ往復料金を200円引き。前回の値下げに対し既存3社(JRバス東北、宮城交通、福島交通)が追随した結果、富士交通は一便あたり平均乗客数が二十人から十五人に減少。昨年末から共同運行を始めた桜交通も一便あたり平均乗客数が十人程度にとどまっているそうで、巻き返しには再度の値下げが必要と判断したとのことですが…企業の体力的に持ちこたえられるのでしょうか?
何にせよ、安全面への対策がおろそかにならないことを祈るのみですが。興味深いチャレンジャーの「現実的」展開
投稿者---551planning(2004/01/21 13:40:47)気になっていたので書こうと思っていましたら先を越されました…御紹介有難うございます。
富士交通絡みの新聞記事はその前にも出ていました。
県境またぐ激戦の冬熱く 高速バス、きょう値下げ−−富士、桜交通/宮城(毎日01/10) |
http://headlines.yahoo.co.jp/… |
2002年10月の富士交通参入で仙台−福島・郡山線は俄かにヒートアップ、ついには公取委の既存3社(宮城交通・福島交通・JRバス東北)への口頭注意という事態にもなり、その後富士交通の福島駅前バスプール乗り入れが実現したりと細かい展開を見せていますね。
乗合バス事業者に対する独占禁止法違反被疑事件の処理についてhttp://www.jftc.go.jp/pressrelease/03.may/03051401.pdf
それにしても福島と郡山に拠点を持つ桜交通(本社は白河)とはいいパートナーを見つけたものです。貸切業界の風雲児的性格も似てますし。富士交通としては「相棒」を手に入れたことでダイヤに余裕が出たのか、遂に2/7に「ドル箱市場」仙台−山形線参入で「次のステップ」に踏み出す事となりました。たださすがに“勉強”したのかワンマン運転になるなど「現実的」になっているようですが。
***
「現実的」といえば、出色の展開を【検証:】でも注目している日本中央バス(NCB)が1/17に長距離夜行バス3路線目となる仙台線を遂に開業までこぎつけました。前からできるできるとされてなかなか実現しなかった印象がありますが、今回注目すべきはなんといっても「共同運行」となったこと、しかもお相手は富士交通と張り合っている宮城交通です。
NCBは羽田線で東京空港交通と、池袋線で西武バスと共同運行をしてはいますが、名古屋・大阪・金沢と展開してきた長距離(半)夜行バスでは果敢というか無謀というか、単独運行を貫いて?きました(単に相手がいなかったという話も)。それについての弊害も実際聞かれていた事から、今回の選択が吉と出ることを期待するものですが、それにしても両地域の流動って…。富士交通の「次のステップ」を迎え撃つのは
投稿者---wataru氏(2004/01/21 15:25:35)富士交通としては「相棒」を手に入れたことでダイヤに余裕が出たのか、遂に2/7に「ドル箱市場」仙台−山形線参入で「次のステップ」に踏み出す事となりました。
ところが、そちらにも既存業者の新たな対抗策が…
山形−仙台バス、28日から大幅増便(山形01/21)http://www.yamagata-np.co.jp/…
さて、200円の金額差とフリークエンシー確保のどちらに軍配が上がるのか?
高速バス戦国時代…東北の「鍔迫り合い」に見る“理想と現実” report/051.html
公取委の「線引き明確化」が高速バス市場にもたらす影響
投稿者---551planning(2004/02/25 00:55:22)昨年5月に、公取委が富士交通の福島駅バスプール乗り入れに際し、既存3社に対して注意喚起がなされた事は既に触れておりますが、その際に「規定の見直しを行う」とされていた点について、明確化が図られました。
公取委、高速バスの共同運行で独禁法違反の具体例示す(日経02/24)http://www.nikkei.co.jp/news/…
高速バスの共同運行に係る独占禁止法上の考え方について
http://www2.jftc.go.jp/pressrelease/04.february/040224.pdf
***
カンタンに経緯をおさらいしておくと、まず1997年に規制緩和の一環として独占禁止法適用除外カルテル等制度の総括的な見直しが行われた際、道路運送法で定める適用除外を一定の共同経営(過疎路線ないし複数事業者による共通路線運行)に関する協定に限定するとされましたが、当時で一般化しつつあった高速バスの共同運行については、公取委が補足的に当時の制度・実態に基づき原則独禁法上問題としながらも、相互運行先での事業施設確保等の必要性などを鑑み、事業者が単独で参入しにくい場合においては問題とはならないという考え方を示しました。ただし実態に沿ってといえど曖昧であった事は否めません。その後2002年2月に需給調整規定撤廃を柱とした改正道路運送法により、新規参入による競争状況に大きな変化が生じ、富士交通の事案となったわけですが、これは
- 富士交通の運行開始前に既存3社が対抗的に運賃引き下げを行った事
- 事業認可の際に事業者間で同一停留所(この場合福島駅バスプール)の調整をすることが求められている状況で既存3社より拒否等は無かったものの速やかに同意が得られなかったために別途自前での停留所で認可を受けた事
について、独禁法に直ちに違反するものではないながらもその可能性を認めて注意喚起に至ったというものです。この際1997年の考え方で想定している状況と大きく変わったことを踏まえ、関係機関(国交省・日本バス協会)に対しても指摘等を行っています。
そして今回明確化されたのは、いわば緩和規定の線引きというべきもので、新規参入に対しては「錦の御旗」となるとともに、既存の高速バス共同運行スタイルにも少なからずの波紋を投げかけるものとも考えられます。「線引き」を挙げてみると、
- 新規参入者への排除行為(バスプール使用に同意しないなど)等の独禁法抵触可能性の明示 (→日経記事ではこれをもって先の富士交通事案での既存3社の対応は今後「違法」になるとしている)
- 共同運行の認容を「事業者が単独で参入しにくい場合」等とする原則の再確認(その状況の継続をもって問題なしとする)
- 単独での運行が可能な場合に、その移行を不当に制限する行為等の独禁法抵触可能性の明示
- 上記抵触可能性事例に該当する場合は独禁法の一般論に基づく判断になることと、その場合の運賃プール性の問題を確認的に記述
ということが具体的に記載されています。これを素直に読むと、単独運行可能との経営判断で既存グループからの離脱による新たな競争関係の発生も予測内にあると考えられるでしょう。無論そういった選択肢が取られるかどうかはかなり否定的ではあるものの、むしろ公取委の立場としてはそれを促すスタンスであるということと当方は理解した(解除条件ではなく限定条件である、とわざと法律用語で考えてみる)のですが…。
利用者不在の競争は規制と同じでは
投稿者---エル・アルコン氏(2004/02/25 20:51:27) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs既存事業者や駅前施設を所有する鉄道側の事情で新規参入が出来ない、もしくはターミナルの設置で冷や飯を食わされるケースは多く、そういうケースの打破は利用者の利益にもつながるので歓迎すべき事象です。
しかし、今回の公取のガイドラインを見て、いささかの違和感を感じた人も多いのではないでしょうか。
高速バスの共同運行や運賃プール制は、利用者から見て事業者間の垣根がないことから、あたかも一つの路線として認識、利用出来るメリットがあります。
また、運賃をプール配分することで、不採算な時間帯の担当も容易になり、ひいては利用者にとってはフリークェンシーを享受出来るメリットが発生します。実際、バス業界における規制緩和の発端となった昭和63年のダブルトラッキング解禁以降、数多の競合路線が発着地の事業者の合従連衡とともに生まれましたが、利用者にとっては互換性が無く、予約や購入、乗降も別々の路線が乱立しても使いづらいだけで、共倒れのように衰退したり、共同運行化して来た経緯があります。
最近では明石大橋経由の京阪神−高松線が、JR系と民鉄系に分れて競っていたのが、新規参入者(たかなんフットバス)の名乗りを前に大同団結した事例があります。これも公取的にはカルテル行為による新規参入への嫌がらせなんでしょうが、利用者的には少なくとも既存路線に関しては使い勝手が飛躍的に良くなったわけで、利用者にとって見れば公取の姿勢は「反消費者」と受け取られかねません。
今回の富士交通の参入路線で見られる「XXの切符は使えません」という一札は、共同運行におけるメリットの裏返しになるデメリットですが、この程度の弊害だから許されるともいえるのであり、何がなんでも競争ではなく、本当に利用者にとってメリットのある形態は何なのか、そこまで考えるのが公僕・行政ではないでしょうか。
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ちなみに独禁法の趣旨がその第1条前段で「この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め」、とあるように、独占を排し、競争による経済活動の活性化を図ることを目的にしているわけですが、それは当然後段の「以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」という結果に結びつくものでないとおかしいはずです。つまり、今回のガイドラインは利用者不在の事業者同士の競争を目的にするために独禁法と公取が機能するがごとき印象を受けたのであり、もし独禁法の想定があくまで事業者同士の競争のみに主眼があり、一般消費者の利益は反射的効果に過ぎないというのであれば、消費者保護の観点から見て「間違った法律」として指弾されるべき存在になります。
競争は経済の活力を維持するうえでも大切なことですが、それはあくまで消費者に利益があることが大前提です。消費者に背を向けた業界のための「競争」は、業界のための「保護・規制」と本質的には何も変わらないということを、業界も公取も考えるべきです。
Re:利用者不在の競争は規制と同じでは
投稿者---World's Uniquest Railway Enthusiast氏(2004/02/25 22:23:15)こんばんは
同様の意見になりますが、別の視点からコメントさせていただきます
ちょっとマニアックな学術書ですが、東京大学出版会の「自由化時代の交通政策」(2001)の14章「バス市場における規制・競争・補助」で、バス産業の学術研究の第一人者である寺田一薫氏はバス産業の規制緩和について次のように言及しています。1996年に運輸省は、すべての交通機関についての需給調整規制撤廃を発表した。わが国の交通部門の規制緩和では、英国をはじめとした各国と比較して取り組みが遅れたために、交通機関ごとの特性に照らして制度をつくる時間的余裕がなくなってしまった。・・・ (前掲書 p236)
こういう記述を見ると、公共交通の規制緩和というのは利用者の便益よりは、行政改革の形式的な実現のための一手段となってしまっているような気がします。規制緩和が単なる言葉上のものならいいのですが、不完全だろうが余裕がなかろうが実行された以上監督官庁は厳格に実行する事が職務上の義務でしょうから、今回の判断を下した公取以下、関係する行政担当者も対応に随分苦労しているのではないかとおもいます。
競争で利用者は利益を受けるといいますが、独占下のバス業界で大金持ちになったバス経営者の成功談があるわけでもない以上(バス運転手が多少羽振りの良かった時期というのはあるでしょうが)、競争によって還元される利益の源も限られているように感じます。行政で緻密な分析をやることは難しいと思いますが、このあたりを多少でも吟味してもらいたいものです。
WURE