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【検証:近未来交通地図】  特別リポート2005-0301

連節バスの新たなる展開
〜ツインライナーに見た可能性〜

(2005/03/14)

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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湘南台駅

連節バスの新たなる展開  投稿者---551planning(2004/11/15 00:04:32)

 事業者訪問東京空港交通編や東京モーターショー、新生那覇バス等の記事がてんこ盛りなのに惹かれて買ったバスラマ86号の巻末読者投稿欄で、前号(85号)で京成の連節バスの状況が取り上げられていたのが興味深かったというものがありました。その記事そのものはまだ未読なのですが、『現在生まれ故郷の伊勢崎で再生を受けているとのこと』とされているところがちと気になりました。1998年12月のデビューからはや丸6年近くが経過、幕張新都心の頼れる足としてその活躍ぶりは知られていますが、やはり相当な酷使ぶりなのだろうかと思ったものです。

…と、意外なところから話題が舞い込んできました!

金沢に「連節バス」お目見え 車体2台分、教習始まる 13日から県など交通実験(04/11/12北国)http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20041112002.htm
長〜い連節バスが金沢に登場(04/11/14朝日)http://mytown.asahi.com/ishikawa/news02.asp?kiji=8206

金沢都心軸基幹バス(シティライナー)利用推進プロジェクト(交通実験2004) http://www.pref.ishikawa.jp/toshi/zikken/

 石川県・金沢市や各種企業などが参加して、バス利用の促進を市民に訴える企画ですが、もとは2003年1月の石川県庁の郊外移転に合わせ、県庁−JR金沢駅−中心街(武蔵ヶ辻・香林坊)…北鉄野町駅間などに新たな公共交通軸を担うべく専用カラーやバスロケの充実などを図ったバス路線「シティライナー」が登場、しかしながらその後の状況はあまり芳しくないとされ(尤も当方ちら見なれど実見を踏まえ思うに、県庁周辺は開発途上、繁華街も県庁関連のビジネス利用の減少で流動に変化が生じたため已む無しの部分が強かろうかと…)、昨年秋に1ヶ月弱行われた利用促進プロジェクトの第2弾の目玉として連節バスに白羽の矢が当たった由。

「シティライナー」実見記 http://ken-show.net/topics/neotrans/log351.html#61

 ちなみに昨年と今回のプロジェクト内容を比較してみると、問題点の明確化が見えてくるような気がします。

2003(11/10〜12/05 26日間)2004(11/13〜11/28 16日間)
・シティライナー接続実験
 2方向3路線へフィーダー(支線)バスを運行
 (26日間、うち12日間無料運行)
・都心部バス利用推進実験
 都心部バス料金均一区間の半額実験(週末2日間)
・中心市街地賑わい創出実験
 ランチタイムバス券実験(平日2日間)
・パークアンドライドの拡大
 モニター制 北部・南部で計2箇所(平日19日間)
・企業参加によるバス利用推進
 フィーダーバス沿線の金沢港周辺企業の公共交通利用推進
・連節バス運行実験
 平日3往復、土休日8往復(16日間)
・都心部交通流動実験
 夕方バス専用レーンの時間延長実験(休日以外12日間)
 荷捌き車両対策実験(平日9日間)
 客待ちタクシー対策実験(16日間)
・中心市街地賑わい創出実験
 ランチタイムバス券実験(7日間)
・パークアンドライドの新設・拡大実験
 モニター制 既設5箇所、新設4箇所(平日9日間)
・企業参加によるバス利用促進
 金沢都心部企業の公共交通利用推進

 シティライナーの運行開始当初は金沢駅−県庁間の利用低調が問題視されがちで、ゆえに昨年はフィーダーバス実験がメインに位置づけられたかと思いますが、今回は繁華街での運行確保と利便性の認知向上に向けた施策中心と云えるかと思います。トータルでの期間が短くなったものの、個別に見ると中身が濃くなっていることを感じます。昨年は期間中にオムニバスサミットが開催されたこともありますが、パークアンドライドの試みも着実に進展しつつあるようです。

 さて、連節バスは京成から1台拝借、白地に青のブロックデザインはそのままながら、カモメの部分に「シティライナー」の文字が入るもの…そういえば先日の東京モーターショー実見の折千葉ロッテマリーンズのマスコットをあしらったラッピングバスを見かけたのでどうせなら何らかのラッピングをするのも1つの手かと思いきや、まぁクリームや白地に赤線の北鉄バス群からすると一目瞭然でしょうね。早速チビッ子の人気者になっている様子は大人にもインパクト大でしょう。また、金沢駅−繁華街間はバス路線が集中するものの、時間的に少しズレるとすぐ混み合う印象があるのですが、あの収容力も注目を集めることになろうかと思います。

***
 日本における連節バスの歴史をさらっと紐解けば、太平洋戦争終戦直後一時期トレーラーバスが活躍の後、1985年のつくば万博輸送で万博中央駅−会場間の輸送で初登場、ボルボベースに富士重工ボディの白地に緑線のクルマが100台投入されて輸送を支えました。首都圏のバス会社が運転手を派遣、バスボディに社名が書かれていましたっけ。翌年にはうち20台が東京空港交通に輿入れ(ちょうどバスラマに写真が出ています。ちなみにその他80台はオーストラリアに行ったのでしたかね?)、TCAT−成田空港間限定路線と成田空港ランプバスとして活躍、限定路線は活躍が短かったもののランプバスは3台が1999年まで利用され、その後旭川電気軌道に移り冬季の通学生輸送対応で第3の人生を歩んでいます。
さらには先述の通り1998年から千葉幕張新都心用に京成バスが同じくボルボ+富士重工製の新デザイン車両が10台登場しています。その折の富士重工リリースでは『今後同社では、輸送人員増大地区での交通手段として連節バスを積極的に提案していく』とされていますが、規制緩和なったとはいえ現実的に取り回し等の運用が難しいこともあるのか実現はしていませんでした。

 そして実は来年3月にはようやくというべきかの国内3路線目が誕生予定なのを御存知でしょうか。神奈川県藤沢市の湘南台駅西口〜慶応大学間に連節バスをメインとした新たな公共交通システムが導入されることとなっています(今年7月の発表時にはちと驚きましたが、【検証:】ではつい取り上げそびれていました)。1999年の横浜市営地下鉄・相鉄いずみの線の延伸により一大ジャンクションとなったことで利用が急増した湘南台駅前ロータリーの混雑緩和などを総合的に考える「新たな公共交通システム導入検討委員会」が国交省や行政等により昨年設立、システム導入に向けた協議が進められていました。

連節バスとそれに接続する支線バスの導入について(藤沢市)http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/press/page100120.shtml
「湘南台駅」〜「慶応大学」間に連節バスの導入を決定(神奈中)http://www.kanachu.co.jp/topics/kanachu_news/rensetu_bus.html

 連節バスはネオプラン製のノンステバスが4台導入され、急行バスとしてピストン輸送を行い、慶応大学(SFC)を乗継拠点にフィーダーバスを運行するというもので、幕張の運行体系に金沢のエッセンスを加えたといえばまとまりがいいですが、まぁそんな感じになるのかなと。個人的には神奈中バスも随分とアカヌケちゃうな、スヌーピーは要らないの…なんてなことを思ったりしましたが。

 金沢の動きと湘南台の試み。時期は合いませんでしたが金沢ではICカードも導入されますし、一方でIMTSバスの方向性も固まりつつある今、大量輸送と運用効率性の追求として連節バスの更なる展開はそろそろ見えてきても良い頃かなと思っておりました。今回はとりあえず情報を整理しましたが、この後で具体的な方向性を占ってみたいと思っています。

速報!ツインライナーに見た連節バスの可能性
 投稿者---551planning(2004/11/15 00:04:32)
―予告
 └とうとうデビューしたのですね

 3/14、藤沢市の新しい公共交通システムが開業しました。湘南台駅西口と慶応大学を結ぶ連節バス「ツインライナー」と慶応大学バスターミナルで接続する支線バス「ふじみ号」です。ツインライナーは幕張・旭川に次ぐ連節バスですが、交通バリアフリー法準拠のノンステップバスとしてドイツ・ネオプラン製の車両が2台導入、昨年末に早々記念バスカードが発売されており、ビビットなピンクカラーを纏ったイメージ図が公表されていたものの、その後2月中旬頃まで音沙汰がなかったのでどうなったかと思っていましたが、イメージどおりのクルマが登場後はマスコミ等でも結構露出するようになっていました。

 ということで開業当日、まずは乗ってみようということで早起きしてきました。

ツインライナーツインライナーツインライナー

 湘南台駅には相鉄・横浜市営地下鉄開業当時に数度訪ねて以来。ましてや早朝は初めてでしたが、小田急線で着いた際、降車客の多さと改札口から綺麗に相鉄・地下鉄両改札口方面に流れができていたのに注目。慶応大学方面は相鉄改札口方面ですが、7時前とあってまだまばら。コンビニ(ampm)があったのを幸い小休止しましたがこちらは大盛況…と、仕切りなく相鉄のサービスカウンターが隣接しているのに、いつぞやリリースで見た記憶と、以前の訪問時にスカスカなスペースであったことを思い出しました。あのとき地下コンコースがだだっ広すぎて淋しいとしていましたがこちらは相変わらず、隅には定住者も居られるようで。

 さて慶応大学行きのバス停は駅前ロータリーから1ブロック離れたところ。地下通路が至近まで延びているものの、出口から乗り場までは庇のない微妙な距離があり惜しまれるところ。ただしその必要性を後程感じさせられたのですが。
 乗り場には早くもバス1台分くらいの列が。ただし予想していた御同輩はそう見受けられず、朝練早出然の中高生が圧倒的、あとは沿線の工場などへ向かうパートさんでしょうか。ただそれ以上に神奈中バス関係者が取り巻いているためにちと異様な雰囲気ではあります。とはいえ、バス停には新バスシステムの告知が出ていましたが、すごく目立つという感じではなく、通常の始発バスがやってくると列のあらかたが乗車してしまいました…結局立客多数で発車。その後少し列が延びたなというところで2台目の白いかなちゃん号がやってきてこちらも立客少々という感じになりました。

 かなちゃん号が客待ち中の間、おっとやってきましたツインライナー。先ず目に飛び込んでくるのはやはりピンク色ですが、思ったほどにいやらしさはありませんでした。大きな窓周りがブラックで引き締められているからでしょうか。栄えある初便としての到着はガラガラとまでは云わずともパラパラ席が埋まる程度でした…駅前ロータリーで降車扱い後、身をくねらせるようにして周回してこちらの乗り場にやってきました…かなちゃん号に乗り込もうとしていた乗客からも思わず声が上がります。
 かなちゃん号が発車後悠々と入線。慶応行では後乗り前降り後払、駅行では前乗り先払後降りとなります。ちなみに途中1箇所南大山停留所に停まるのですが、慶応大学乗車で南大山降車の場合には運賃が異なるため事前申告が必要になります。また、慶応大学バスターミナルで支線バスふじみ号に乗り継ぐ場合はそちらの運賃が100円となりますが、後程同BTで見た際には自己申告制の様子…ふじみ号から乗り継ぐ場合にはどうなるのでしょうかね?

ツインライナーツインライナーツインライナー

 2台目が先発したばかりという事で列はさほど…ということで外観をパチリとやっていると、タクシーがやってきてTVクルーと思しき一団が間に合ったという感じでやってきました。出発式等の華々しさはないにせよ、これで開業気分も高まるというもので? 結局同乗されまして…。
 さて前車中扉から乗り込むと、先ず目が行くのはノンステということで天井が高い分、櫓を組んだかのように張り巡らされた赤いポールでしょうか。緩やかにカーブを描くなどさせてはいるものの、若干見た目煩い感じもしてしまいます。前車後車それぞれ前方にある案内装置がカラー画面で見やすいにも拘らず、着席ベースでポールが横切る部分が多い、ということもありました。昨年の東京モーターショーでの日野のコンセプトカーの黄緑のポールではそんなことは感じなかったのですが…こちらの車内は壁などがシックゆえに余計目立ってしまっているからでしょうかね?
 座席配置は幕張で導入されている京成車では横向き部もありましたがこちらは基本的に前向きのみ、前車では1人掛け中心ですがタイヤハウス部は運転席後ろも含め2人掛けが並んでおり着席志向であります。ただしターンテーブル部を挟んだ通路は狭くなっており、後車から前方を見ても連節バス特有の「長さ」を感じません。一方ターンテーブル部は広くなっていますが稼動部分でもあり、『走行中は立ち止まらないで下さい』との注意書きも。京成車ではターンテーブル部にも座席が配置されていましたがこちらではなし…その代わりというわけではないでしょうが、前車最後部に後ろ向き座席が配置され空間活用を図っています。

ツインライナーツインライナーツインライナー
ツインライナーツインライナーツインライナー

 車内は程良い乗りで、当方も後車の空席に陣取ればまもなく発車…先にちと触れましたが連節バスは急行限定運用で途中の停留所は1箇所のみ、ということで乗場には通常便を待つ列が延びていました…やはりこの時間帯は通勤利用が多いようです。
 長い車体がスーッと動いて発車。先ずは駅前通を西進…と、数ブロック進んだところでいきなり対向1車線に。比較的ゆったりめながら、路駐対応に苦労しそうかな、と思っていると緩やかに右手にカーブして上河内交差点。赤信号で一息ついたあと、その身をくねらせて左に曲がります…京成車での幕張本郷駅から通りに向かう際の左右折よりも幅員がタイトかなと感じましたが、誘導員が配置される配慮もありつつ、実感的にも意外と厳しさはなくクリア。いすゞ自動車藤沢工場を掠めて更に西進すると、左手にイトーヨーカドーのある南大山停留所。この先は丘を下る感じとなり、前方には真っ白な富士山の威容が大きく見えます。京成車も湾岸道路越えなどでアップダウンはありますが、ルート的にはこちらのほうが丘陵地を行く関係でその意味ではタイトと云えましょうか…ただし後車では独特な縦揺れも感じられましたが気になるほどではありませんでしたよ。

 そんなことを思っていると、前車に乗っていた先程のTVクルーが乗客にインタビュー中。そして後車にもやってきて、女子学生に一声掛けました。『NHKですが、お話を伺っても宜しいですか?』…その後のやりとりはこんな感じでしたか。

  Q. この長いバスは今日からだがどうか?
  A. あんまり気づかなかったけど長いなとは思った。
  Q. 後ろの車だが揺れとか感じないか?
  A. 特に感じない。
  Q. この路線はいつも混んでいるが、このバスはどうだろうか?
  A. 今までは何台か待つこともあったので便利になってくれれば良い。

…正解は今夜の首都圏ニュースあたりで出ましたでしょうかね?

 そうこうしているうちに周囲が拓けてきて慶応大学バスターミナル着。朝時はこの先敷地内に入って本館前・中高等部停留所まで乗り入れますが、当方はこちらで降車しました。まずはツインライナーを見送り、振り返ると支線バス「ふじみ号」の三菱エアロミディMEが社員方に見守られつつ停車中。前面LEDには支線バスの証?である(湘南台駅・辻堂駅連絡)との文字が入っています。早速乗り継がれる方もいて差ほど時間を置かずに発車してゆきました…今日は時間がないのでこちらはまたの機会に。

ツインライナーツインライナーツインライナー
ツインライナーツインライナーツインライナー

 バスターミナルは敷地手前にあり、時間帯によってはこちらが起終点となるためもあって結構な滞留スペースを持っています。ふじみ号からの乗継客でしょうか一般客も数人いらっしゃいますが、飲物の自動販売機はおろかベンチもなく、ちょいと寂しい限り。周辺をぶらぶらしているうちにツインライナーが戻ってきました。改めてゆっくり外観をパチリとやって復路と相成りましたが、結局先程よりも少ないガラガラ状態での発車。後車に時間的に慶応生ではないと思われますが通学の女子学生グループが占めたこともあり、前車に腰を下ろしました。
…で、道中は『周りから注目されてる〜』との声も賑やかにそのグループの“ツインライナー評”で楽しめました。基本的には便利だろうという反面、『やっぱり席少ないよね』との指摘も。一番は『あんな待ってるのに通過しちゃうんだ』
 そう、急行便とあって十数人が列をなす途中のバス停をガラガラの連節バスが通過するのですから。規則上の縛りがいろいろあるものとは思いますが、もう少し柔軟であっても良いかなと…まぁ幕張でもその後限定的な運用はされていないようにも思われる感じになっていますから、じきに改善されるものとは思います。と、向かいを大学行の僚車が離合してゆきました…立客が目立つ乗りになっていたようです。

 で、南大山で10人弱が乗り込んで車内も賑やかになりましたが、前車に空席があるとやはり後車へは足があまり向かないようで。前車に立って乗る方もいらっしゃいました。駅行は上河内交差点でなくその先の消防署前交差点を右折、さらにちょいと進んで左折して駅前ロータリーに戻ってきました。現状2台ということで交差点での離合の可能性は低いものとは思いますが、大学行で見たような上河内交差点手前の道路幅員含め一応配慮してということでしょうか。
 さて、すんなり降車が終わるとひと息を入れる間もなくロータリーをくねくねと周回し再び大学行乗り場へ…おぉ、8時となって駅出入口まではまだ届かないものの、先程よりも相当な学生達の乗車待ちの列が延びていました。『新車だよ!』という歓声も挙がる中、早速乗車開始…あれよの間に飲み込んでいく姿は幕張でも見たことはあれど、やはりさすがです…ターンテーブル部にも満載しているんじゃ?と思いつつも、あらかた収まって悠然と出発してゆきました…。

ツインライナーツインライナーツインライナー
ツインライナーツインライナーツインライナー

***ツインライナー
 朝イチ、至ってさらっと見だけではありましたが、とりあえず実車を確認してみて、正直なところ幕張という先輩と比してこれが目新しい!というものはそう感じませんでした。確かに日本初のノンステップ連節バスではあるものの、欧州直輸入ながらもタイヤハウス処理の苦労を実感させられたのと、それゆえの2人掛け席の多用が車内通行を必要とする運用上の都合=運賃収受の問題をクローズアップさせてしまうように感じました。
 運賃収受については最混雑時である朝ラッシュにおいては大学行で構内停留所での係員収受を行うとしています。幕張では本郷で同様のことをやっていましたね。しかし通常時間帯においては大学行で前降りでの移動、駅行で乗車後の後車への移動が発生するときに、連結部の狭さがつい気になってしまいました。この点京成車ではツーステップ車ゆえということもありますが、床が比較的フラットなため立席前提での座席配置で割り切る分、車内移動は比較的スムーズな感じがしました。こう見ると二律背反のところはありますが、床がフラットになれば2−1席の配置での両立追求も可能かなと思われる分、やっぱりいささか頭ごなし感のあるバリアフリー法準拠とバス車内レイアウトの調整は難しいものを感じます。

 しかしながら、やっぱりこの収容力は大きな魅力です。さらに思っているほど道路上の制約はないのでは?とも実感しました。無論隘路に突っ込んで行け!というわけではないのですから、離合などある程度のコントロールが可能になればもっと導入場所は多いものと思います。ちなみに路線延長は4.2km、幕張が4.5kmということですから、5kmくらいのピストン輸送に最適ということなのでしょうか…つくば科学万博ではほぼ専用道でノンストップながら約13kmだったそうで。

 なお、トータルでの「新しい公共交通システム」の評価ですが、支線バスに試乗していないのでなんともという一方、PTPS導入の割りに復路で結構信号に引っかかったという印象が。これは大学行方面の優先ということなのかもしれませんが、導入経緯の1つには周辺居住者の駅方面への通勤通学アクセス改善というところもあるわけで、あちら立てれば、ということかもしれませんが難しいところです。周辺居住者の観点で言えば、折角のシャトルバスの導入なわけですから、慶応大学バスターミナルでのP&R等の考慮も1つ期待したいところ。幸い周辺には利用可能な用地が結構ありそうでしたから。

 改めて支線バスの状況含め再訪を期しつつ、とりあえず2台、更に2台の4台体制でのピストン輸送実現に向けての成功をまずは期待するばかりです。

予告編
 投稿者---551planning(2005/03/14 10:22:17)

 トップの写真の通り、3/14に開業した神奈川中央交通「ツインライナー」の湘南台駅発始発便に早起きして試乗してきました。
 乗車記詳細は少々お時間を頂いて再度上げようと思っていますが、端的な感想としては、旭川は未乗ですが幕張の経験と比してそこそこ道が細くても走れるものだなぁと。慶応大学行のみの経路ではあるものの、駅から最初の左カーブとなる上河内交差点は誘導員こそ出ていましたが実をくねらせながらもすんなりと曲がっていました。
 車内はノンステで乗り降り至便な一方で連節部はさすがにタイヤハウスが出っ張って通路が細め、かつ後ろ向き席もある2席シートが並んでおり、連節後車の後ろ含め着席志向な半面、車内移動に若干躊躇います。なお、幕張の京成車では蛇腹部分にも座席がありましたがこちらはなし。その分蛇腹の大きさに目が行きました。椅子自体は座り心地は良かったです。
 当方往復の乗車時は幸い空いていましたが、折り返し便は大混雑!早速連節バスの威力をまざまざ見せ付けられた気がしました。その一方で急行便での限定使用のため、朝の駅行きでは待ち客列のできるバス停を通過という光景も…このあたりはもう少し柔軟性があってもと思いましたね。

 取り急ぎまでに…。

とうとうデビューしたのですね
 投稿者---Mistral(2005/03/14 14:20:51) http://eurotram.web.infoseek.co.jp/

 管理人様こんにちは。

 とうとう日本でも連接ノンステップバスがデビューしたのですね。ヨーロッパの事例では、LRT事例ばかり有名で、連接ノンステップバスの事例紹介は少なく、実は私はその点不満に思っていました。連接ノンステップバスは比較的安いコストで、しかもインフラ投資もほとんど必要なく公共交通輸送力強化ができるので、非常に合理的な都市交通手段です。LRTよりはよっぽど早く導入すべき手段だったと言えます(連接バスすら受け入れられないようでは、それよりも輸送力も専有面積も大きいLRTの導入はまず無理なので)。

 ヨーロッパでは早くから連接バスを使っているので、技術力も高いです。ストラスブールの連接バスはかなり細い道を走ったり、団地の70度の鋭角の交差点を平気で曲がったりしています。ボルドーなど一部の町では三連接バスもあります。

 ツインライナーの写真、デザインもよく、今後の展開が楽しみです。日本中で連接バスが走り回る日が来るとよいのですが。

 レポート楽しみにしています。

写真:住宅地の細い道を走るストラスブールの連接バス http://eurotram.web.infoseek.co.jp/lrt/str/bus/vh06.jpg
写真:ボルドーの三連接バス http://eurotram.web.infoseek.co.jp/lrt/pg/bus/bor03.jpg

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2007.11.17 Update

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