tw
top

トップページ企画一覧BBS(電子掲示板)新常設板ログ一覧>道路板過去ログ2010

(過去ログNo.)

ヤマは動くか…なんと総務省が国交省に貸切バス安全確保対策を勧告!

投稿者---551planning (2010/09/10(Fri) 13:48)

13時のNHKニュースを何気に見ていたら…いやはや驚きました。

行政の運営全般を対象に適正性・有効性・効率性等から評価し、行政運営改善推進を図る総務省行政評価局は、2008年から2年間にわたり、貸切バス事業者に対する監査および安全確保対策の実施状況、収受運賃の実態把握及び公示運賃の検証状況、旅行業者への指導・監督の状況等について調査を実施。このほど利用者保護の観点から具体的な改善策を国土交通省に対し勧告しました。無論その背景には、2000年規制緩和による貸切バス事業者の急増→高速ツアーバス隆盛の背景に、旅行業者からの圧迫により運行コストのダンピングや安全運行確保の希薄化が指摘される状況を受け、利用者保護の観点から貸切バス事業における安全確保対策の推進が急務との判断に至ったがためです。2007/02のあずみ野観光スキーバス事故も背景の一つとしてピックアップされ、NHKニュースでも改めて当時の映像が流されていました。

結果、主要4点について勧告しています。

  • 貸切バス事業における安全確保対策の徹底
  • 収受運賃の実態把握及び公示運賃の検証
  • 旅行業者への指導・監督の強化
  • 貸切バス事業者に対する監査の効果的かつ効率的な実施

勧告の要旨として法令遵守はもとより、、観光庁と協力してツアーバス関係者による自主的な改善を促すとともに、法令違反に対する金銭的制裁措置の導入検討や、適正な公示運賃の設定など細かく言及しています。

調査概要も、2007/10から2年以内に作成するとされていた貸切バス事業者と旅行業者の相互連携による「安全運行に係るガイドライン」が現時点で作成されていない点や、1日670kmとしている国交省の交替運転者配置指針は健康面や生理学的側面での検討が行われておらず、労働協約等労使間の取り決めや運転者や有識者の意見等は斟酌されていないといった部分にまで踏み込んでいます。
NHKニュースによると、総務省の運転手アンケート調査で、78%の運転手が1日9時間の運転時間の基準に違反し、33%の運転手は1日8時間の休息時間を日常的に取れていない実体が判明。約90%の運転手が、運転中に睡魔に襲われるなどの「ヒヤリ・ハット」を経験していた由。2600余のバス会社調査では、90%以上が公示運賃以下のダンピングによる運行を強いられ、結果人件費抑制につながっているとも伝えています。

報告書についてはまだまさしく目視レベルですが、相当読み応えがありそうです。高速ツアーバス連絡協議会設立(2008/10)を支援するなど現実的対応を中心としてきた国交省が“無策”だったとまではしませんが、行政運営改善推進を目的とした総務省勧告をどのように評価するか、今後の関係各所の反応が注目されます。

上に戻る▲

「新高速バス」制度導入へ

投稿者---551planning (2011/06/01(Wed) 13:20)

過日 石和温泉格安シャトル休止の件 で言及した「バス事業のあり方検討会」、2010/12から短期集中的に討議が重ねられ今年3月にも結論が…ということでいささか拙速かな?ともしていたところですが、東日本大震災を受け順延に。04/25の第6回でたたき台が示され、05/07の第7回で中間報告書案がまとめられた様子。
国交省webでは現時点で第5回までの開示に留まっていますが、交通労連軌道バス部会ブログで速報が出ました。仔細はそちらでご覧頂くとして、要するに『既存の乗合高速バスと高速ツアーバスを道路運送法に基づく一般乗合旅客自動車運送事業の許可を受けて、「新高速バス」という位置づけにする=高速ツアーバスにも(新たな)乗合許可を取得させる』とのこと。

公式情報が出てきた段階でじっくり考えてみたいですが、交通労連ブログ情報を見るに、体力のある高速ツアーバス事業者を新高速バスへ掬い上げるカタチのようで…なおツアーバススタイル(貸切運行)に固執するならば法令遵守の観点からの監視強化をとする一方で、新高速バス事業者としては停留所確保が新たな課題になるのでは?としています。「官民の関係者による調整の場を設置し、ターミナル駅周辺の停留所スペースの活用などの関係者の柔軟な対応を促す必要がある」とも触れられていますが…高速ツアーバスが最も弱かったのが法令違反の部分ですが、いっぽうでターミナルの“権益”は、かつて乗合事業として新規参入した富士交通が公取委に問題提起し注意喚起が出る事態となった意味で、既存乗合事業者にとっての障壁でもあるわけで、このあたりをどうするのかが注目でしょうか。

その点WILLERやVIPライナーの自前施設が新たな道を示しているのかもしれませんが…これについてはまた改めて。
あと、『半年の議論も終わろうとしているが、最後まで、その無理解を埋める努力を続けていきたい』と記している委員氏の所見も是非知りたいところです。

いよいよ今夏にも「新高速バス制度」始動へ

投稿者---551planning (2012/03/23(Fri) 22:39)

2010/12から開催されてきた「バス事業のあり方検討会」、漏れ聞くに侃々諤々の議論が取り交わされてきたようですが(交通毎日記事に前回の会議場写真が掲載されていますが、こんな感じなんですねぇ)、今日の第13回で報告書案がとりまとめられ、いよいよ最終報告となるようです。

図らずも都度読ませて頂いている2つのサイトでも報告されていますが、このBBSにも御登場頂いた成定様の思いがけない熱い述懐の最後にある『まだ制度という「ハコ」が出来たに過ぎない』という視点にも、『掲げられた課題は山積しているが、「絵に描いた餅」にならぬよう、今後も行政に対し働きかけていく』とする交通労連の姿勢にも、ともに頷かされるものあり。この先2年間の移行期間で現ツアーバス組も、既存乗合組もどのように対応してゆくか、利用者としては非常に興味深いとともに、本検討会の各種フォローアップでの更なる議論の深化にも期待したいところです。
早くも先取りした動きの第2弾が発表されたりしているところですが、まずは最終報告書が発表されてから個人的に整理してみたいなと思っております。


ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

上に戻る▲

テンプレートのpondt