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(過去ログ-料金制度・ETC論-No.)

ETCモニター助成の問題点

投稿者---エル・アルコン氏(2003/05/16 10:15:11)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ETC普及を図るため、国交省は6月18日から、「道路3公団ETCモニター」と称して、「モニター協力」と引き換えに車載器購入費用のうち5000円を支援するそうです。
普及遅れが目立つ業務用車両、特に貨物用をターゲットに約35万台、自家用車約10万台のあわせて約45万台先着順という規模です。4月現在のセットアップ累計(再セットアップ除く)が84.5万台ですから、一気に53%も増やそうとするある意味強引な施策です。まあこの3月4月と月あたりのセットアップ台数が従前の4~5万台から10万台弱に大幅に伸びており、単純計算でも年内のセットアップ分で賄える数字なので、どれだけ上積み出来るか、また単なる前倒しとそれに対する単純助成に終わらないのか、微妙なところです。

気になるのは「指定期間中申し込み全部」ではなく「先着順」、しかもお金が直接絡む話なので、数の管理と線引きは非常に重要なんですが、「約」ってなんでしょうね?

ちなみにもう一つ気になるのは、制度利用のための取扱店として「ETC車載器セットアップ店のうち、(財)道路システム高度化推進機構(ORSE)に「ETCモニター取扱店」として登録された店舗。※車載器費用等の支払について、リース、レンタル、ローン等のうちいずれかの分割払いを選択することも可能な店舗。」と限定されていること。 例えば購入して前払登録をして申請すれば前払残高に5000円加算というのなら、普く制度を利用できますが、どうも一部の店舗で分割払いで購入しない限り適用できないようです。
こうなると問題は車載器ならびにセットアップ諸費用の市中実勢価格と、その「取扱店」での価格差でして、5000円のメリットがない、もしくは「定価」に近いため逆転するといったことが続出するようでは、全く意味が無いでしょう。

例えば下記でご紹介した矢崎総業のキャンペーン。一切合財で税抜19,800円ですが、こういうのにも併用出来るのであればインパクトは大きいのですが...

ETCの発想と疑問

投稿者---普通の人氏(2003/05/29 12:42:06)

粛々と普及しているようなETCですが、その発想と疑問についてまとめてみました。

1.発想
 ・高速道路の渋滞の30%は料金所で発生している。
 ・ゲートを増やさずに料金所渋滞を解消するためには、料金所をノンストップで走行する必要がある。
 ・ノンストップで走行するためには、料金所と車両の間の無線通信が必要である。
 ・車両の走行速度に耐え得る無線通信を行うには、高速な処理が必要である。
 ・車両1台毎に無線通信を行うには、電波放射範囲を狭めた複雑な料金所アンテナが必要である。
 ・安全に無線通信を行うには、高度なセキュリティ機能が必要である。
 ・車両1台毎と高速で安全な無線通信を行うためには、料金所の装置と車載器が高くなっても仕方がない。
 ・プリペイドカードでは残高不足で一旦停止することがあるため、クレジットカードが必要である。

2.疑問
 ・高速道路の渋滞の30%は料金所で発生しているのか?

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ETCの普及策と問題点

投稿者---普通の人氏(2003/06/06 12:20:58)

ETC普及策第?弾の「車載器先着45万台5000円引き」が6月中旬から始まります。
ETC車載器の月間セットアップ台数は3月、4月と9万台を超えました。
これは、高額ハイカ廃止の影響であることは、いうまでもありません。
ところで、料金の支払方法には現金やハイカ、回数券などがありますが、JHの2001年度の支払方法別内訳は、おおよそ現金40%、ハイカ25%、別納制度28%などです(別納制度とは業務車両などを対象とした割引制度です)。
したがって、おおざっぱに考えると、従来のハイカ利用者がETCに移行しても利用率は25%程度にしかなりません。
ハイカ利用者以外で車載器を取り付ける人がいるかというと、下記のアンケート結果を見るかぎり、それはあまり期待できません。

それでは、別納制度利用者はETCに移行しないのかというと、移行しません。なぜなら、別納制度の割引率のほうがETCの前納割引制度の割引率よりも高いからです。
一般車両用の高額ハイカをETC化したように、業務車両用の別納制度をETC化する必要があります。そうすることによって、ETCの利用率は当初の目標である50%を達成できます。
ただし、ETCの利用率が50%になっても料金所渋滞は解消しません。
JHの場合、料金所の先は道路が狭窄しており、一般道との合流や信号があるので、渋滞の先頭が料金所の先に移動するだけです。渋滞が解消しないだけではなく、トラブルが多発します。料金所前後におけるETC車と非ETC車の錯綜が激しくなるとともに、ETC車の開閉バーへの接触やETC車同士の追突も予想されます。
これでは、料金収受員の人件費が削減できたとしても、開閉バーの修理やなにやらで帳消しになってしまうかもしれません。
また、ETCはクレジット会社の与信を通らなければ利用できない、つまり割引を受けられないという、憲法違反ともいうべき非常に不公平なシステムです。

Re:ETCの普及策と問題点

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/09 18:20:40)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ご指摘の点について幾つか。

●料金所渋滞の解消可能性について

少なくとも本線料金所の渋滞は解消可能です。そして大都市圏における渋滞の多くが本線料金所で発生している、というか、本線料金所がことごとく名だたる渋滞ポイントとなっていることを考えると、ETC導入と普及促進により渋滞解消を目指すことは間違っていないでしょう。

本線料金所における渋滞の場合、その先にあるのは高速の本線であり、料金所前後で車線数などの条件が変化することはあまりありません。本線料金所を先頭にした渋滞が発生し、その先で渋滞が解消される現状を見ると、「本線料金所」という道路容量を絞る施設を除去することで、渋滞が解消されることになります。

では、出口料金所はどうか。
その先の一般道路との合流地点に渋滞ポイントが移動するだけという指摘ですが、果たしてそうでしょうか。利用の多い高速道路の出口が信号交差点になっているケースは実は少なく、多くは立体構造で一般道に接続しています。さらに幹線道路に接続しているケースではその時点で上下方向に分散されます。もちろん一般道の信号の影響を受けますが、料金所手前の停滞よりも信号による停滞の方が程度は軽いように感じます。

結局、本線料金所もそうですが、料金所手前で多数のブースに拡散するものの、それが収斂するときに輻輳が生じます。ブースを多数配置することで処理台数を増して、ボトルネックにならないようにしていますが、結局もとの車線数に収斂させるときの「合流」で減速・停止となります。つまり、料金所そのものと合流の2箇所に発生源があるわけで、その先の車線数の容量、また一般道への合流の容量よりもこの2箇所の容量が下回って入ると仮定すれば、そこの問題を除去することで解決できます。
ちなみにETCの普及に従い、本線やランプウェイの任意の地点での課金が可能ですから、多数のブースを揃える必要性はなくなり、料金所における拡散-収斂による交通集中は無くなります。

なお、「出口料金所」が無くなったときのシミュレーションとして参考になるのは、首都高や阪神高速のような前払均一制の都市高速道路の状況です。
ここには一部の例外を除き出口料金所がなく、出口の先の一般道の状況に従うわけです。それで実際に「出口渋滞」が深刻になっているかというと、そういう例は多いでしょうか。
出口からの合流地点に信号がついている首都高5号戸田南、かつての湾岸線葛西東行き、阪神高速13号法円坂や、出口の先でのメイン流動が車線変更を伴う湾岸線千鳥町(R357立体化で解消予定)といった特殊事例であり、あまり危惧する必要は無いかと思います。

●クレジットの問題

確かに民間会社の与信というフィルターがかかることは好ましくありません。かつては私もこれが問題と指摘していましたし。
ただ、現実問題として、クルマのオーナー所有者で、銀行系、信販系の与信を受けていないというケースは考えづらいです(キャッシュでクルマを購入しない限りお世話になります)。また国などによる与信である公的金融でも事実上民間金融機関の与信行為とセットになっていることもあり、特定のカード会社に偏重しない限りは現実的な対応として容認すべきと考えるようになりました。

これは別納のように供託金を積んで道路事業者が利用者に与信を出すのと比べて、カード会社に対する与信管理さえしていれば、個々の利用者の与信管理の必要が無い(=リスクを取らない)システムであり、偶発債務を負うことなく、また、与信管理に煩わされないことで各公団の経営健全化にも寄与します。

あと、プリペイドとの決定的な違いとして、与信管理を通す「代償」として、期間ベースの与信が与えられるということであり、残高不足による通行不能(これは重大事故の原因となるうえに、料金収受システムの無人化が絶対に達成できない)の発生頻度と比較すると、期限切れや事故等による有効停止でもない限り利用出来るクレジットカードシステムの方が優れています。

※期限切れについては、残高と違い期限と言う一律の基準で把握できるため、対応も簡単だしカード所有者の責任も問いやすい。

ちなみに一般カードをベースにしたシステムになっているのは実は利用者にとって幸いであり、例えばJR東海のように、ETC利用にあたってはハウスカードの契約が必要、という事態にならなかっただけマシとも言えます。まあ、「民営化」でそうならない保証はないのですが。

利用率50%が待ち遠しい

投稿者---普通の人氏(2003/06/06 12:20:58)

私のつたない文章に対して丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。
ところで、国交省はETCについて、利用率50%で料金所渋滞が概ね解消され、年間3000億円の経済効果を生むとともに、CO2の排出も削減されると言っています。利用率50%が待ち遠しい次第です。
そのためにも、車載器を取り付けないと別納制度による割引が受けられないようにする必要があります(ちなみに、別納制度の最大割引率は30%です)。
ただし、ETCの利用率が増すとともに、事故やトラブルも増加する恐れがあります。
料金所前後におけるETC車と非ETC車の錯綜が激しくなるとともに、ノンストップ走行のETC車と一旦停止の非ETC車という走行形態の違う車両の混在走行が危険であることはいうまでもありません。
また、ETC車の開閉バーへの接触や、何らかのシステム障害により停止したETC車への追突も発生します。
ETCの効果としては料金収受員の人件費の削減もありますが、開閉バーの修理やなにやらで帳消しになってしまうかもしれません。開閉バーなどのETC機器が法外の価格であることは、想像に難くありません。
ETCによる事故については、昨年の秋にマスコミが取り上げていましたが、最近は聞こえてこないのが不思議なくらいです。
道路政策モニターの電子会議室では、安全のためにETC車も一旦停止することを提案していますが、仮に一旦停止するようなことになると、渋滞は解消しないかもしれません。
それと、現在二輪車は前納割引制度を受けることができません。二輪車用ETCは16年度中に実用化されるようですが、実用化までに二輪車が被る損失を国交省がどのように考えているのか、たいへん疑問に思います。

Re:利用率50%が待ち遠しい

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/10 16:46:08)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●料金所前後の錯綜について

料金所手前の問題については、ETCレーン(もちろん専用、兼用の別も)の案内をリアルタイムで徹底すること。今の固定表示は中止時の対応になっていませんし、下記の過去ログで書いた通り、第二神明須磨本線のように、固定表示の部分で判断したら変更が効かないケースもあります。幸い、一部の本線料金所ではLED表示による運用案内を始めているやに聞いており、やがては解消するでしょう。

ただ、問題なのが出入口やJCTで、双方向から合流して料金所になるケースです。全部がETC対応なら問題ないのですが、例えば3レーンあって真ん中がETC、両脇が一般の場合、両方向から来た速度が高いETC車が輻輳します。また空いている逆側の一般レーンに割りこもうとする一般車との錯綜もあります。このため、レーン数が少なく、かつ合流からのマージンが少ない場合は極力両端をETCレーンにする必要があります。ただ、レーン数が多い場合、かつブースの先で左右に分かれるようなケースの場合は、真ん中に複数レーン確保すると同時に、逆側での通過は不可というルールを確立すべきです。
最も厄介なのが2レーンしかないケースで片方がETCの場合、必ず手前で動線が交錯します。この場合、手前に十分なマージンが確保できない場合はどうしようもありません。一つの解決策として、地上側設備の簡素版としてETC車接近センサーを設置し、ETC車の進行を横切る側の車線に注意喚起の表示をするという方策が考えられます。

料金所の先については、一般的な合流時の注意義務に従うことである程度対応が可能です。というか、現状が料金所手前のバラけかたも含めてマナーが悪すぎますから、速度が高く事故ったら大変という因子を混ぜることで、本線JCTの合流のように無茶がなくなるかもしれません。
あとは対応として、ETCレーンだけゲートの先も少し区切って、ゲートの蔭にならない位置で並走することでETC車の接近を確認させるという手があります。

●ETCの普及

結局なんだかんだといっても割引が特効薬のようです。
例えばETC限定割引となっている社会実験中のアクアラインの利用率は他に比べると高いですし、逆にETCより割引率の高い別納制度の存在が、主たるユーザーである業務用車への普及を阻んでいます。
別納制度に関してはお説のとおり「ETC別納」という新制度に移行すべきでしょう。

ただ今後は、7月実施決定の本四公団のETC車のほうが有利な割引、首都高のETC車専用特定料金、また今年度中の実施と言われている長距離割引など、実効性、普遍性のあるETC誘導策が本格化するため、順調な進捗が予想されます。

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割引でつって渋滞は解消するでしょうか

投稿者---普通の人氏(2003/06/11 12:35:48)

ETCレーンによって料金所に危険な環境を作り、料金の割引でつって車載器を付けさせて、はたして渋滞は解消するのでしょうか。
料金所の全てのレーンを混在レーンにして、ETC車も一旦停止にするのが最も安全な方策だと思います。
レーンの設備費用は膨大なものになり、料金収受員も削減できず、渋滞も解消しないとは思いますが...

それでは何の解決にもならない

投稿者---Tom氏(2003/06/11 14:37:44)

普通の人さん、言っていることが矛盾してませんか?「渋滞解消しないと思うが、混在レーンにして全て一旦停車」って。
どうせ極論で語るならば、首都高速や阪神高速は全てETC対応でないと通行不可、とすれば少なくとも渋滞は減ります。
また、停車車両と通過車両の問題ですが、通過車両もだいたい30km以下で走行していますし、だいいち隣がETCレーンであることを認識していれば、当然ドライバーとしてスピード差があることは認識でき、問題ないと考えます。
現在の渋滞は週末のレジャー車両による交通集中を除けばだいたいは料金所渋滞かジャンクションの合流渋滞であることから、これを解消すべく施設を整備するのは急務だと思います。

安全第一とETC車の走行速度

投稿者---普通の人氏(2003/06/11 12:35:48)

Tomさん こんにちは。
安全性を第一に考えると、全ドライバが料金所でETC導入以前の走行形態のままでいられることが最良の方策であり、ただし、これでは渋滞は解消しないということを述べたつもりなのですが、どこか矛盾していますか。
ところで、ETC車の走行速度ですが、国交省は当初、40km/hで渋滞解消と言っていたと思いますが、現在では20km/hを推奨しています。
この速度で渋滞は解消すると思いますか。

何が問題なのかを見極めれば解決は自ずから明らかに

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/11 15:12:48)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

「ETCレーンの危険性」ですが、分散よりも収斂のほうが高いことは確かです。
しかし、非ETCの場合でも、当然クルマはスタートしているわけですから、収斂時にはそれなりのスピードが出ているわけです。

速度自体は問題になりません。これが問題になるのなら、70km程度で合流する本線同士のJCTは非常に危険で即刻改めないといけません。結局問題なのはETC車と非ETC車の速度差であり、両者が収斂する地点の速度差を縮めれば良いわけです。
先も述べたとおり、特に本線料金所ではETCレーンからの出口とその他の間に仕切りを設け、速度差が大きいうちに両者が合流しないようにする。また大規模な出口及び入口料金所でも同様にする。それが出来ない小規模な料金所の場合は所詮ブース数が少ないのですから、十分目配りが出来るはずです。

あとはETCに限らない一般則ですが、渋滞発生時の特徴として、収斂パターンが錯綜して必要以上に手間取ることがあります。これの防止も兼ねて、各レーンから本線車線数になるまでの合流経路・パターンを指定してしまうことも有効でしょう。渋滞時に個々が勝手に合流パターンを決めてしまうため、合流したと思ったら後ろのクルマが先方で合流して頭ハネという事態も多く、そうなると我も我もとギリギリまで粘って3台同時合流で収拾がつかなくなるということや、真ん中あたりのブースから出ると、本線のどの車線に出るのがデフォルトなのか分からず、唯2台飛び出してきたクルマが同じ車線を目指してしまうような笑えない事態も多々ありますから。

あとは分散時に突然空いたほうへ横断するケース、特にETCレーンを跨いでノロノロ横断という危険極まりないケースの防止として、車線が広がるごとにレーンを確定してしまうというのも有効でしょう。整列のメリットは、必要最小限の幅員で済むことにもなるため、限られたスペースの有効活用(=不要な用地の確保がいらない)にもつながります。

明解な解決策をありがとうございました

投稿者---普通の人氏(2003/06/11 12:35:48)

たいへん明解な解決策をご教示いたただきありがとうございました。少し、ほっとしています。
ただ、高速道路の出口料金所における私のイメージは、「ここまで高速度で緊張しながら運転してきて、やっと料金所にたどり着いて、一旦停止できるのだから、どこがETCレーンだとかあまり気にせずに、ゆっくりと走行したいな」というものです。
でも、私みたいなのは極々少数派で、ETC利用者のかたも含めて多くのドライバは、できればノンストップで走行したいんでしょうね。
失礼いたします。

客観的にETCの効果を考えてみたい へ展論

ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

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