【検証:】掲示板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.118)
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保守管理に見え隠れする民営化の陥穽
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/19 15:21:57)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

保守管理に見え隠れする民営化の陥穽
└Re:保守管理に見え隠れする民営化の陥穽

 新日鐵名古屋、ブリジストン栃木と大企業の生産設備で昨今相次いだ事故において、直接の収益に結びつかない安全対策、防災対策への投資が不充分ではという指摘があります。

 そういう批判を見てどうしても避けては通れないのが、交通など公共インフラ事業における「公益性」と「収益」の問題です。
 上下分離による分割民営化を実施したが、上下分離によるシステムの断絶もさることながら、インフラ保有会社が保守管理を蔑ろにしたため事故が多発して、結局インフラ保有会社が「収公」された英国はその典型であり、本来備えていて当たり前の保安システムがなく、広域で大停電を起こした米国の電力業界もその問題が指摘されています。
 我が国においても、90年代後半にJR東日本の首都圏エリアで相次いだ車両故障やシステムトラブルによる運行支障は記憶に新しく、公共インフラ事業におけるトラブルが社会生活に与える影響が半端でないだけに、適切な投資がなされているか心配な部分です。

 実は先日、それを疑わせるに十分な経験をしました。
 それは交通部門ではないですが、公共インフラ部門であり、民営化、分割の先駆者でもある電話事業での話です。

 ある休日の午後、突然電話が通じなくなりました。電話機の故障ではなく、明らかに回線の異常と見られるので、「113」に掛けると、営業時間外(休日)というテープ案内が空しく回ります。で、緊急連絡先と案内された番号に掛けますと、全然つながりません。これでは緊急の用に間に合うかどうかも疑問で、結局一夜明けて「113」に掛け直しました。
 これだけならまだいいんですが、指定した時間に作業員が来なかったのです。結局時間外になのでつながらない緊急連絡番号に掛け、ようやくつながった相手にクレームすると、不在なら連絡を、といった携帯に連絡はないのに、連絡した、メモも置いた(あるわけがない)との一点張りです。挙句の果てに意味不明な捨て台詞まで吐く有り様で、会社の質が問われる対応でした。
 話はこれで終わらず、翌日(故障から丸2日)来た作業員は修理らしきことをしたんですが(平日なので家内が対応)、故障しているはずのない箇所だけいじっており、どうも変だと不安になった家内から連絡を受けて帰宅後確かめるとたまたまいじったおかげで接触しただけのようで、すぐ不通です。
 結局さらに翌日(丸3日目)、前日置いていったトンチンカンな作業報告書を証拠にクレームをつけ、ようやく故障から足掛け4日で修理が完了しました。

 携帯電話の普及で固定電話の利用が減っているとはいえ、インターネットやファックスの利用があり、電話線の保守の重要性が減ることはないどころか益々重要になっているはずです。
 しかし、現実はと言うと故障対応一つ満足に出来ず、緊急連絡がつながらないと言う笑い事で済まない事態が横行しています。集合住宅の管理会社の人に聞くと、どうもそれが日常茶飯事で、ほとほと懲りているという話をしているわけで、電話と言う公共インフラの維持が非常にお寒い現実になっています。
 ところが紙名は忘れましたが、その保守を担当する子会社の社長が、固定電話の需要減に対応して、収益の確保のため人員の儲かる分野へのシフトを進めたいというインタビュー記事が出てたりするわけで、収益のために今現在全く対応がなっていない保守体制への投資をさらに削減するというのではもうお話にならないわけです。

 余談ですが、故障など物理的な対応を要する事態があるというのに、電話会社は自分の窓口の所在を一切明らかにしてません。電気、ガス、また鉄道など交通でも、営業窓口の物理的な場所と連絡先はきちんと明記していますが、電話は「113」などの掲出だけです。だいたい理論上は、電話の故障で電話番号以外の連絡先が無いのは自己矛盾であり、責任の所在すら曖昧です。

***
 今回の経験は特殊だと思いきや相当普遍性があると知って愕然としたわけですが、他業界でもそうした「儲からない」保守維持への投資不足を疑わせる事故の発生があるわけで、非常に問題です。
 特に公共インフラの場合は、一般事業会社であれば「投資をケチって大損を出す(ひどいと潰れる)」で済むところ、生活への影響が大きく、あってはならない、そういう危険性の芽は未然に100%摘むという義務があります。
 しかし、電話業界がすでにそうなっている、そして鉄道でも海外事例もさることながら、一時期危険性が高かった時期があったわけです。さらに今後、道路公団等の民営化問題などさらなる公共インフラの民営化(=収益重視の体制への変化)が俎上に上っていることを考えると、公共インフラにおける機能維持に関するなんらかの「規制」「ルール」を早急に整備すべきではないでしょうか。

Re:保守管理に見え隠れする民営化の陥穽
 投稿者---World's Greatest Railway Enthusiast氏(2003/09/20 19:47:11)

 こんばんは、根拠のないWorld's Greatest を自称するGREATであります。
 投稿を見てふと思ったことがあるので簡単にコメントさせていただきます。

 思ったこととは、単純な問題で、「保守管理の問題=民営化により発生」と位置付けていいのかという問題であります。または、「民営のみが過去から現在にわたって利益中心の行動を行う主体で、公営はそうでない」とする認識がいいのかどうか、と言い換えたほうが正確かもしれません。ともかくわたしとしては、公共も民間も巻き込んで進んでいるグローバリゼーションや市場原理主義という動きに問題の一員があるように思えます。ニューパブリックマネジメントとかいって、公営でも民間並みの経営手法を(都合のいいように)導入している現在では、民営化という言葉だけで問題を語り尽くせるのかという感が私にはあります。
 だから、エルアルコン様の最後におっしゃった『公共インフラにおける機能維持に関するなんらかの「規制」「ルール」』、すなわち社会的規制の強化については賛成するところではありますが。

 話は変わりますが、一部鉄道会社ではじめようとしているような、アメリカのMBA的な経営ってどうなんでしょう?外国人投資家は利益を求めるから、自分の会社も利益の上がる都市間輸送などに特化するという言い分は良く聞きますが、都市間輸送なんて競争があって利益の変動が激しいから、あくまでも利益の変動の少ない安定資産としての価値を期待して株式を購入する機関投資家の利益には実は反しているのではないかという説明も出来るわけで、どうも半可通の日本人ががグローバリゼーションに過剰反応しているような気がしてないません。それゆえに、安全性なども極端に悪化する可能性があり、心配してしまうのですが(ただし、私の説明にも穴があって都市間輸送がだめでも都市圏輸送ならいいという話になりますが)。

中央線高架化工事に伴う列車運休への不安
 投稿者---若松河田氏(2003/09/26 18:58:03)

中央線高架化工事に伴う列車運休への不安
└大規模な計画運休だとかえって...
└Re:中央線高架化工事に伴う列車運休への不安
 └果たして大規模運休は正しいのであろうか?
  └ひとまずの結果論
   └実体験記とそれをもとにした短評
   └Re:ひとまずの結果論
    └昨日の京王線、そして・・・
単純比較はできないけれど
 └【JH集中工事の周知】スマートな普遍化としての評価
  └スマートな普遍化に抽象化は必要か?

 ご無沙汰しております。
 プレスリリースでは、かなり前に出ておりますが、こちらで話題になっていないようなので投稿します。

中央線高架化工事に伴う列車の運転計画及び代替輸送について http://www.jreast.co.jp/press/2003_1/20030711/index.html
中央線運休のお知らせ 
http://www.jreast.co.jp/hachioji/info/q_a/index.html

JR中央線、「空前」の工事運休 27日夜〜28日朝 (朝日 09/27) http://www.asahi.com/national/update/0921/009.html

 運休区間では、バス100台を動員して代行輸送。近接する私鉄各線が振替輸送を行うそうです。京王線では臨時電車の運行もあるようです。

9月27日(土)のJR中央線運休に伴う臨時列車の運行について http://www.keio.co.jp/news/newsr/index030925v01.htm

 JR各社では工事運休が多いようですが、他社線の立体工事における切り替え工事は、殆ど運行形態を変えず実施されています。
 ダイヤ乱れに関して社会問題にまでなった「中央線」で、ここまで大規模な運休を行うことには、それなりのリスクを背負うかと思います。
 また延べ500人誘導担当の社員を動員とありますが、ここまで運休を必要とする難工事なのでしょうか?

 明日の夕方からの経過が注目されると思います。

大規模な計画運休だとかえって...
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/26 20:01:36) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 確かに気になる大規模運休です。

 ただ、利用者への周知や運休が土曜夕方から日曜早朝にかけてという時間帯で、通勤通学や用務などどうしても移動しなければ、という需要が相当少ないと見られます。

 こういう計画運休の時に起こる事象としては、普段の流動が代替路線に流れて混乱するのではなく、移動自体を手控えるため、流動自体が相当減少してしまうということがあります(かつての新幹線半日運休など。76年から82年にかけてのべ44回、平日午前中に東海道新幹線の全線で運休してリフレッシュ工事を実行したが、概ね混乱無く、代替交通機関もさほど混まなかったという結果が残った)。

 ですから今回も、まあ工事輸送を見るような野次馬は別として、代替交通機関の沿線住民、利用者も含めて、「中央線の運休で混むかもしれない」という心理が働いて移動を手控えるのではないでしょうか。

Re:中央線高架化工事に伴う列車運休への不安
 投稿者---とも氏(2003/09/26 22:03:19)

 ともです。

 まぁ大胆な施工法で。その筋?からみればうらやましいほどの施工法です。
 端的に言えばこの運休工事は理想的です。

 他社線では確かに直上高架なり仮線切り替えなりで運休は最低限(それでもしているケースは結構ある)にしていますが、むしろこのように大々的に運休して切り替えを行うほうがコスト的にも時間的にもかなり圧縮が可能でしょう。
 特に中央線の場合、首都圏でも屈指の遅い終電、早い始発という路線状況ですから、線路封鎖をかけて始発までの「工事可能時間」は確実に短く、少しずつ工事をするよりも一気にやってしまうほうが効率的でしょう。

 列車の運休による混乱は今の広報体制を見る限り、さほど大きくは無いでしょう。
 車内放送や広告はもちろん、今日の中央線各駅では乗降客に直接手渡しでチラシを配布していますし、並行する京王や西武、営団などの各駅でもポスターだけにとどまらず、放送やLEDサインによる案内がされています。さらには新聞や雑誌の広告(都内だけではなく山梨・長野両県も含め)、テレビでの告知など可能なものは手を尽くしています。
 これであれば、旅行とりやめやルート変更などで需要側の抑制が行われるでしょうし、幸いにして連休後の土曜日ですから移動需要そのものも少ないでしょう。また、代替ルートの京王や西武も体制をとるようですからさほど心配は要らないかと。

 列車運休によるマイナスよりも工事期間短縮のプラスのほうが格段に大きいという東京都とJRの判断でしょう。悪い選択とは私は思えませんが。

 最大の懸念はただでさえ整備されていない道路網への負荷ですね。土曜日の午後といえば渋滞のピークですから、その時間帯に路線バスが大量運行というのは不安です。道路が狭いですからね・・・。

 それでは

果たして大規模運休は正しいのであろうか?
 投稿者---TAKA氏(2003/09/27 19:17:45)

 皆様大変お久しぶりでございます。TAKAです。
 1年近くこの掲示板に書き込みしていませんでしたが、今日久しぶりに書き込みをしようと思い筆を?取りました。

 今日今までまさしく運休の現場にいました。武蔵小金井で検査がありその帰りです。今武蔵小金井→市ヶ谷と移動しています(車も考えたのですが、その後人と飯を食べる約束と2〜3分おきの代行バスを信じ私は電車を使いました。ちなみに他の人々は全員車を使っていました)。

 まず状況を言えば、道路の渋滞はかなり激しいです。平行する連雀通りはかなりの混雑ですし、東八道路も交通量が多いです(検査の場所は東八道路の試験場の近く)。代行バスは北側の道路を走っていますが、混雑状況は変わらないと思います。
 私は代行バスを道路混雑を推察して端から諦め、細々と動く中央線に乗って三鷹まで来ました。しかし単線運行の列車は、何時もと同じぐらいの混雑でした。これに関しては拍子抜けでした。
 その後三鷹で折返しの乗車状況と北口広場の代行バスの状況だけ見てみました。折返し18:35発車予定(実際は40分過ぎ発車)の国分寺行きも混雑率120%〜150%という感じでしたが、代行バスは三鷹駅北口広場で100m近い行列が急行バス・各駅バス乗り場に出来ていて、桜通り(三鷹駅前〜武蔵境駅北口を結ぶ道)は一般車も入り大渋滞でした。只混雑はしていましたが、混乱という感じではありませんでした。しかし忍耐力は求められる状況です。代行バス約100台で2〜3分おき運転という話は聞いていましたが、20分位居ましたが、2〜10分間隔で1台ずつ代行バスが来るという感じでした。

 今は時間がないですし、この運休の全てが終わっていないので、「議論の予約」という事に成りますが、取りあえず私が思った事を箇条書きにしておきます。

  1. 果たして仮線の切り替え工事にこれだけの大規模運休が必要なのか?
    (とも様の言われる「理想的」というのは分かります。切り替え距離も長く、武蔵小金井の車庫線の切り替えは難しいですが果たして本当にこれだけの時間が必要なのでしょうか?)

  2. 代行手段の管理に問題はないか?
    (三鷹駅には30名位の警察官と数え切れない係員が誘導しています。で行政を巻き込んでやるのなら道路の一部通行止め等もやらないと、渋滞に巻き込まれるのではないでしょうか?)

  3. 現在三鷹〜国分寺間は50分毎だがもっと本数は増やせなかったのか?

  4. 三鷹駅前広場の混雑・折返し列車の混雑等を見て誘導等に問題はないのか?

 思っただけで取りあえず書き込みます。未だ結論は出ない問題です(少なくとも明朝までは)。
 ただこれはかなり色々な事が言えるのではないでしょうか?教訓や示唆する事も多くあると思います。ですので久方ぶりに書き込みました。
 今晩は多分酔っぱらってしまい書き込めないと思いますので、詳しい私見は明日ゆっくり書き込みます。取り急ぎ書き込みさせて頂きます。

ひとまずの結果論
 投稿者---とも氏(2003/09/27 23:11:22)

 ともです。

 私も現地を見てまいりました。さすがに首都圏でのこれほどの計画運休はどのような状態になるのか、前代未聞であり非常に関心がありましたので。
 結論から言えば、エル・アルコンさまのご指摘どおりのストーリー、つまりは「需要の抑制が働いた」ということが言えそうです。混乱らしい混乱は局所的にはあれど、その解決がまったく想定できないものではなく、時間とともに解決していると言えるものが多く、結果、混乱憂いは杞憂であったということでしょう。

 個別に見るとこんな感じでしょうか。

●バス代行
 TAKA様もかかれていらっしゃいますが、18時半ごろの三鷹駅は確かに混乱こそしないまでも混雑はしていました。しかし、バスが円滑に回るようになり、交差点での警官の整理が始まってからはさほどでもなく、急行便にいたっては空席も見られる便すらありました(便によってかなり違うが)。
 京王線の状況はわかりませんし、19時すぎに南武線で人身事故というアクシデントもありましたので深夜にかけてどうなるかはわかりませんが、事前の広報が効いているとは想定できます。

●工事の時間
 見る限りですが、武蔵小金井の仮線切り替えはいままで見たことも無いような規模で行われています。少なくとも新宿駅の改良を上回る規模でしょう。しかも相当な省力施工を行っていることは容易に把握できます。
 よって、妥当といえば妥当であり、あれを短時間で行うとしたら数度に分けてとなり、決して得策だったとはいえないかと。

●運行本数
 50分間隔の三鷹−国分寺ですが、単線、しかも信号を切っている状況(手信号・誘導)で、さらに踏切も死んでいる状態での運転ですから交換を途中で行うというのは安全性や保安面からして確実なものではありません。そう考えれば1線を行ったり来たりの現状ダイヤは致し方ないでしょう。

●道路
 これはもともと多摩の土曜日午後で渋滞しないというのはありえませんから(苦笑)、どうしようもないといえばどうしようもない。
 ただ、特に今日はひどい。放射方向で日常的に混雑する東八道路や連雀通り、青梅街道、五日市街道、環状方向の三鷹通り、吉祥寺通り、小金井街道は仕方が無いですが、他の道路も含め醜い混雑が見られます。中央道にまで渋滞影響が出ていますし、高井戸や三鷹付近では年末や年度末のような混雑になっています。
 この辺は需要とともに自動車そのものの抑制をもう少し打ち出すほうが賢明であったのかもしれません。とはいえ、VICS情報によると20時〜21時には渋滞も沈静化に向かっており、移動そのものの抑制は確実に働いていそうです。

 代行バスルートの一般車締め出しは「言うは易し」でして、多車線道路がほとんど無い中央線沿いではかなり厳しいでしょう。沿道アクセスとの兼ね合いや迂回路そのものが無いという事態もありますし、簡単にはできないと思えます。

***
 そう考えていくと、下手に少しずつ仮線切り替えを繰り返し、時間をかけるよりも、今回のように一気にやってしまうほうが効率的と考えられなくはありません。
 都市内交通においても需要の抑制が広報をこれだけやれば確実に行われるというのは今後の鉄道や道路の改良工事において大きなポイントとなりましょう。

 また、今回の広報及び案内で特筆すべきものとして「トラベルブレディング法」とも言えなくはない個別案内があります。車内での放送による詳細な接続案内はもちろん、JR各駅を始め、各振り替え交通機関における個別案内での詳細な乗り換え案内の実施は需要の抑制・変化、有効な経路選択に大きな功績があったといえます。この辺は今後の工事運休や災害時の迂回輸送に大変参考になるものといえましょう。

 明朝までなにがおきるかわかりませんが、注視していきたいですね。
 ではでは

実体験記とそれをもとにした短評
 投稿者---和寒氏(2003/09/28 08:27:58) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 和寒です。私も中央線運休の一断面を目撃・体験してきました。
 といっても、意識して見に行ったわけではありません。ほぼ毎週立川に通っているのに、迂闊なことに「今日運休だったんだ」と気づくという間抜けな展開なのでした。まあ家族連れ乳幼児同伴なので、本当にごく一部の斜め見ではありますが、既に何件か報告がありますとおり、中央線回りだけを見れば「なにがあったの」という感じでした。

■立川駅頭にて
 まずは運休初動の16時頃、様子を見に行ってみました。コンコースは混雑してましたが通常の土休日と同等という感じ。そこかしこで「運休ってどうすれば(行けば)いいんだ」というぼやきが聞こえましたが、混乱はなかったですね。ホームにも格段の混雑や混乱はありませんでした。
 東京方面行先表示が全て「武蔵小金井」という点だけが異様でした。

 第二弾は家族と合流して18時ちょい前。こちらも「たいしたことない」感じです。
 ただ、50分毎という直通列車(大月行)は大混雑でした。まさに朝ラッシュなみでして、ホーム上に多数のお客さんが滞っています。階段が流れて人がはけるまで、えらい時間がかかりました。
 当方らは南武線から武蔵野線に乗って帰るつもりでしたが、「新宿に急ぐ方は分倍河原から京王線で」といやな予感のするアナウンス。実際南武線は時ならず混んでいた感じを受けたものの、吊革がふさがる程度の混雑ですから、冷静に考えればたいしたことないのです。
 分倍河原ではドサッと降りましたが、立席はかなり残りました。しかも乗車も結構あり、元の混雑に戻りましたから、いつもどおりなのかなとも思えます。
 反対側の立川行も混んでいるのとガラガラなのとが交互ですから、均せばたいして影響はないといえそうです。
 府中本町での武蔵野線乗換も、私が乗ってきた列車からはかなりの数が移動しましたが、一本送った次の列車はたいしたことなく、やはり均せばたいしたことありません。
 大混雑を懸念した西国分寺では、意外にも乗車がごく少なく、これは運休の逆影響かなとも思えました。

 総じて見れば、数少ない直通列車に混雑が集中した観があります。
 また、南武線立川行の混雑・閑散が交互だったということは、京王線ダイヤとの関連と見ましたが、振替輸送との関連は見えにくいものがあります。
 全般的に均せば(鉄道だけをとりあげれば)、「たいした問題ない」結果に終わったといえそうです。

■道路状況は如何に
 ただし、道路の渋滞は悲惨だったでしょうね。私が今回なぜわざわざ乳幼児同伴で鉄道利用したかというと、甲州街道・中央道の大混雑に辟易したからなんです。
 同時体験はバルタン星人ならぬ身ですから(分身の術が使えないの意)、別の方の報告に期待するとして、当日はさらにひどかったでしょう。渋滞は臨界点をほんの少々超えるだけで大渋滞に発展します。電車をやめ自動車で動こうとする方、さらに代替バスも走るということで、とんでもない渋滞になったのではないでしょうか。

 ちなみに最初に立川に行った際、往路は1時間半で行けたんです。この時は京葉道箱崎で2kmの渋滞という、いつもどおりの混雑でしたから、すっきり行けた。しかし、この時の印象が強いため、その後の遅延に耐えがたい思いを感じるようにもなったのです。
 この日の帰りは、中央道で7kmほどの渋滞という表示を見て、では甲州街道でのんびり行こうとしました。のんびりどころではありませんでした。こちらも大渋滞で、ちっとも進まない。それではと環八に逃げたのですが、またまた渋滞。結局3時間を超える大旅行になってしまいました。
 次の機会はさらにひどかった。まず首都高が都心で大渋滞。それを抜けたかと思うと、運悪く中央道高井戸の先で事故があり、さらなる大渋滞。ようやくここを抜けても、小仏を先頭に稲城まで渋滞という信じがたい表示。やむなく中央道を稲城で降りたのですが、旧甲州街道が買物などのお出かけの影響か渋滞。甲州街道(国道)に合流した先も滞っている様子でしたので、妻子を分倍河原で降ろして南武線で立川に向かわせ、私が空車回送と相成りましたが、甲州街道がまた動かない。分倍河原−立川間だけで正味1時間を要しました。歩くよりも遅いほどの渋滞です。トータルで4時間を少し超える大々旅行になり、すっかり疲れ果てました。
 この日の帰路も混みました。ただ「高速道ならば渋滞していても最悪1km10分で進む」という経験則がありましたもので、国立府中から中央道に入ってしまい、およそ3時間で帰ることができました。

 なぜこんな大渋滞にばかりつかまるかというと、あのあたり道路事情が悪すぎるとしかいいようがありません。なにしろ甲州街道がひどい。いちおう4車線あるとはいえ、車線が細すぎて普通車でも一杯、大型車は完全にはみ出してます。正規の規格で線を引けば、往復合わせて3車線しか確保できないでしょう。
 しかも南北方向の道路が弱すぎる。ほとんどが細街路レベルですから。甲州街道からの左折車が信号待ちの車とにらめっこして、二進も三進もいかずという状況も寸見しました。中野から国分寺あたりは、もっと道路を充実させなければ、通過交通はもとよりのこと、地元に住まう方もストレスが高いでしょう。


■JR東日本の「大規模運休」の是非
 結果を見ずして建前だけでいうならば、大規模運休というのは問題含みの選択でしょう。車両基地に関連する大がかりな配線変更があったという状況があるとしても、例えば苗穂基地への出入庫線の配線変更が伴ったJR北海道の札幌付近高架化は、0〜6時程度の間合で切替を終了させています。東急目蒲線(当時)の直上直下配線変更は、終電始発を数本犠牲にしてはいますが、 23〜6時程度の間合で切替工事を完成させています。確か試運転列車の設定はなく、営業列車のいきなり本番勝負だったように記憶しています(うろ覚えです間違っていたら申し訳ない)。
 こう記すといささか語弊はありますが、当時の目蒲線の輸送量であっても、即ち社会的影響が中央線と比べてはるかに少ない状況でありながら、東急は列車数本の運休で済ませられるような工法を編み出して実行したのです。そこに列車営業の矜持と責任感を見出す、としては過褒でしょうか。その一方で 16〜7時という、かなり長い間合いで列車を止めるJR東日本の姿勢には、批判される余地がないとはいえません。

 逆の見方をすれば、JR東日本は(人身事故等が原因で)日常的に大規模運休をやっている(しかも予告抜き)という、悪しき実績と低い信頼がありますので、そのうえに胡座をかいていると見ることはできます。
 要は、事故運休が滅多に起こらない路線であれば、こんな運休はできないといえます。ある意味開き直りの成果であり、大規模な「社会実験」を何度も経てきたからこそできる芸当でしょう。
 施工サイドからも長大間合の要求はあるでしょうし、「経済的効率的」に工事を終えるという経営的判断からも、このたびの大規模運休は最善手でしょう。しかしながら、輸送の責任を全うするという姿勢を示し切れていないという点において、私はこのたびの措置をまるごと是とする気にはなれないのです。

■超余談
 ちなみに当日の収穫は、A型ベビーカーでは自動改札を通過できないという事実を発見したことです。おかげでせっかくのSuicaがなんの役にも立たない。
 なんのためのバリアフリー化でしょう。なんのための自動改札化でしょう。あとほんの数mm拡幅すれば通過できるというのに。ちょっと幅広のスーツケースでも通過はしんどいところ、なんとも中途半端なサイズになっているのが惜しまれるところであり、かつ利用者にとっては苦痛なバリアになっているのです。

Re:ひとまずの結果論
 投稿者---TAKA氏(2003/09/28 09:51:37)

 私も所用の18:00〜18:40頃と気になったので終電に近い24:00〜24:20頃見てきました。
 確かに行われた事に比例すれば混乱は想定かつ許容の範囲であると言う事が出来るかもしれません。何せ23区と多摩を結ぶ大動脈を止めたのですから・・・幾ら平行線があるといえども思い切った事であると言えると思います。
 エルアルコン様の言われた「需要の抑制」もかなりあった事は間違い有りません。前にも書いたとおり三鷹で代行バスが混雑していた18時台でも三鷹に着く列車は混雑率50%位でしたし、土曜日の夜でも中野で150%ぐらい混んでいる23時台後半の列車も今日は三鷹着で100%位でした。それと単線折返しの列車混雑率(前に書いてありますが)を見る限りかなり鉄道需要抑制に動いた事は間違い有りません。

☆バス代行
 深夜24:00頃はバス代行は完全に順調でした。逆にバスの輸送力が過剰なぐらいでした。三鷹駅前しか見ていませんが、バスの流れは順調そうでした。これは深夜で交通量が減った事と、代行バスのターミナルにしていた桜通りを通行止めにした事が大きかったと思います。
 平行各線の状況は分かりません。只23:00頃高田馬場駅で見た西武新宿線のホームの混雑はいつもの人数+10%位でした。しかし平行各線から中央線運休区間への路線バスは運転時間延長等を案内していませんでしたから、遅い時間の場合運休区間の人は代行バスへ流れたのかもしれません。
 只今回の運休地域は南北間のバス交通(運休区間各駅と振替輸送路線各駅を結ぶ)が発達している地域です。代行バス、臨時運転列車に加えてもっと積極的に南北間バス路線への誘導も考えるべきだったのでは?(南北間バスについては1箇所で(新宿駅南口)チラシを見ました。しかし終バス等の延長はなかったみたいです)

☆工事の時間
 私は工事の様子は見ていません。しかし此処が妥当であったかは私は疑問です。これは有る程度結果が出てからの議論になるでしょう。
 今の段階では保留しておきます。只鉄道の公共性・鉄道が止まる事での影響等今までわかりにくかった事が、今回分かってきたとも言えますから、今後の検証の段階で大規模運転休止による工事の是非は考えるべきでしょう。

 私の実体験に伴い知る限り今までで一番大規模な計画運休を伴う大規模工事は「小田急線相模大野駅改良工事」で、江ノ島線上り〜4番線のポイント交換と路盤切り下げ工事を行った時に本線終日直通を中止して線内折返しに変更と同時に減便しその上夜間に運休を行った工事はありますが、その時でも「如何にして運休を減らすか」という事で一気にやらず、最低限に工事内容を抑制し前後で1回ずつ運休を伴わない切り替え工事を行っていた記憶があります(実際現場に手伝いに動員され立ち会いましたが・・・)。
 それ以外に小田急線で切り替え工事を2〜3回見た事がありますが、今回の中央線の切り替え工事と比べる訳には行きませんが上記の盤下げ工事以外に大規模な運休を伴う切り替え工事はやった事は有りません。その代わり細かい切り替えを回数多くやると言う形が小田急では一般的になっている状況です(そのたびに動員される可能性が出てきてやなのですが・・・)。
 今回の中央線の工事は確かに仮線切り替え区間は長く武蔵小金井駅構内では車庫線の切り替えを伴うので、大規模になるのは当然です。しかし確か今回は「三鷹駅構内」「東小金井〜武蔵小金井間(仮線と現行線が干渉する)」「武蔵小金井駅構内(車庫線の切り替え)」「武蔵小金井〜国分寺間」の4箇所で、一番大規模なのは車庫線の切り替えですが、それ以外の工事は私の見た感じでは(工事施工前の仮線設置完了状態で)あんなに大規模な計画運休を伴うべき物なのか?と言うのが率直な感想です。
 近々に有った大規模工事と言えば西武線の練馬〜中村橋間の目白通り逆立体工事でしたが、あの時も500tクレーンを動員しての仮設橋脚撤去工事等の近年まれに見る大規模土木工事でしたが、始発〜6時頃までの運休でした(下の目白通りは8時間ぐらい通行止めでしたが)。これも工事の内容が違うとも言えるので一概に比較出来ないですが、工事内容に比してやはり今回の計画運休の長さが目立ちすぎる様な気がします。

 やはり今回の計画運休はもう少し運休のレベルが少なくする方法も有ったと思います。必ずしもJR東日本の鉄道土木工事のレベルは高くないのか?過剰な安全パイを取りすぎているのではないか?とは感じました。

☆運行本数
 確かに18:35分発の三鷹での折返し状況を見ていましたが、入線してくる列車は45km位の徐行(でも出ていく時には普通でした)・信号は全部赤・指導員が乗り込み三鷹発車時には点呼と指導員の腕章の確認と無閉鎖運転のマニュアルの運転をしていました。
 しかし信号関係の軌道回路等の問題もあるのでしょうが、踏切はなんとか生かしておくべきではなかったでしょうか?その上指導員が乗り込みではなく、タブレットか何かを使い武蔵小金井で中線を使い交換して2列車を運転して30分間隔程度(もっと短ければ尚可)で出来ていれば、18時台の代行バスの混雑はもう少し緩和されていたでしょう。
 今後は異常時の代行運転にも最低限対応できるような一部切り離しが可能な保安システム等が必要なのかもしれません(ヨーロッパの双単線のようなシステム等)。

☆道路
 確かに多摩東部の道路状況から考えて何時も渋滞しているのは仕方ないと言えば仕方有りません。しかし今日が酷かったのは同感です。鉄道輸送の需要抑制が逆に乗用車に流れてしまったという感じでしょう。三鷹駅前でも結構代行バスにしびれを切らして、携帯で迎えを呼んでいた人も居ました。この様なのが道路渋滞に拍車を掛けたという事でしょう。
 只代行バスルート全体からの締め出しは難しかったでしょうが、例えば三鷹駅ロータリーからの一般車締めだし(これは効果が有ったみたい。24:00頃は桜通りの締め出しがかなり有効な感じでした)等でもかなり変わったと思います。それか思い切って五日市街道・連雀通りを一方通行にしてバスもその2つの通りを循環させると言う位思い切った手段も考慮しても良いかと思いました。
 今回最大の検討課題はこの様な計画運休の場合、鉄道需要だけでなく自動車需要も抑制させる様な方策を考える必要がある。そうしないと自家用自動車が一番邪魔になるという事ではないでしょうか?

 そう考えていくと、下手に少しずつ仮線切り替えを繰り返し、時間をかけるよりも、今回のように一気にやってしまうほうが効率的と考えられなくはありません。
 都市内交通においても需要の抑制が広報をこれだけやれば確実に行われるというのは今後の鉄道や道路の改良工事において大きなポイントとなりましょう。
 また、今回の広報及び案内で特筆すべきものとして「トラベルブレディング法」とも言えなくはない個別案内があります。
 車内での放送による詳細な接続案内はもちろん、JR各駅を始め、各振り替え交通機関における個別案内での詳細な乗り換え案内の実施は需要の抑制・変化、有効な経路選択に大きな功績があったといえます。
 この辺は今後の工事運休や災害時の迂回輸送に大変参考になるものといえましょう。

 未だ翌朝まであるので今の段階ではなかなか言えないですが、今回の計画運休の広報は成功であったと思います。少なくとも振替輸送への誘導・総需要抑制はかなり上手く行っていました。23:00頃営団南北線に乗っていましたが、四谷での乗り換え案内で諄いぐらい振替輸送の案内をしていましたし・・・。
 今回の様な代行輸送のやり方は、特に非常時に役に立つのではないでしょうか?災害時の迂回輸送の案内等で良い資料になったのは間違いないと思います。
 しかし逆に東京の大動脈中央線が止まる事への影響の大きさも改めて感じました。これでもし地震か何かが起きて1ヶ月間中央線が不通になったらどうするのでしょう?大混乱は間違い無しです。その時の対策を平時の今から考える必要が有るのではないかとちょっと違うかもしれませんが今日は感じました。

 只これで工事の効率化の為に計画運休は可というのは問題有りと思います。絶対に運休しないと出来ない工事とか最低限の輸送を鉄道で確保出来ると言うのなら良いのですが、首都東京の大動脈を工事で止めるというのは頂けません。これは効率の問題ではありません。社会性から考えても、今回は分割施工で出来るので有れば、又何日かの終電車・始発付近の列車の最低区間でのバス代行で切り抜けられるのであったならそうすべきであったと思います。
 今日の計画運休の与えた社会への損失(機動隊や警官の動員費用や渋滞による経済損失まで考えて)は計画運休で行った事による工事の効率性など、簡単に吹き飛ばすぐらいの物であったと思います。そこは鉄道の社会性を重視すべきでしょう。それは十分認識すべきであったと思います。それは今後の重要な検討課題とすべきであると思います。

 全然まとまりませんでしたが取り急ぎ2回見てきましたので感想を書き込みます。

昨日の京王線、そして・・・
 投稿者---串間氏(2003/09/28 12:52:43)

 当日は自転車で調布に行っていました。4時ごろと8時ごろに状況を見ています。

 京王側は混乱はおろか、いつもとほとんど変わりがなかったという感じです。「需要の抑制が働いた」ため、迂回してまで京王を利用する人はほとんどいなかったのでしょう。
 和寒様報告の分倍河原の状況に関してですが、これもいつもとほぼ同じです。南武線の乗り具合もレポートを見る限り同様という印象を受けました。便による影響ですが、これは他路線の影響を大きく受けるので、京王だけではないと思います。南武線が一定間隔運転でないことによる影響もあります。

 道路の状況は・・・というといつも混雑しているので微妙なところですが、武蔵境通り・三鷹通り・甲州街道・狛江通り・世田谷通り、全てが混雑していたという感じです。中央線での混雑が、おそらく多摩全域に伝播してしまったのでしょう。この状況を見る限り、さらに道路状況の酷い練馬の方は完全にパンクしてしまったのではないかと推測しています。
 この地域は外環と圏央道ができない限り、どうしようもないです。環八・R16で捌けない車が周辺地域に流入する現状をどうにかしない限り。
 鉄道側でのフォローよりも道路側のフォローの方が必要なのだな、という事がわかった意味でいい教訓になったように感じます。とはいえ、運休しないに越したことはないのですが。

 で、今日なんですが、信号関係の作業が手間取っているため、正午現在あいかわらず止まっているようです。
 今日は新宿あたりでかなり混乱しているんじゃないでしょうか。今後の経過が気にかかります。

結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか? log119.html

単純比較はできないけれど
 投稿者---551planning(2003/09/27 11:17:44)

 横レス御容赦の程…。

 まず本題のほうは、かなり前から告知されているところ、また東京駅や赤羽駅での前例の蓄積によって適切な対処がなされてきているのだという事を強く感じますね。まぁ一方では京王線・西武新宿線という存在があってできることでもありますが、まさしく「史上最大の作戦」でしょう…。
 まぁ個人的に思うのは、そんなに大規模な仮線移設が可能ならばそちらで高架複々線化は可能なのでは?と(将来予定では急行地下線が線増される…かと)。まぁそう易々行くならやっているよ、という話でしょうが。

***
 さて、期を同じくして?jhが東名集中工事の告知を本格化させていますね。CMを見たという方もいらっしゃるでしょう。

jh http://www.jhtomei.com/index2.html

 それにしてもいつくらいからでしょうか、タレントを使ってかつ凝ったCMなどによるイメージ戦略に走っているのは…。確かに地道に伝えるよりはインパクト、ということでしょうし、今回のような鉄道路線の集中的なものと違って1週間なり10日なりかかるものである以上、さらにはまさしく大動脈であることからも、その重要性は単純比較できるものではないですが、jhを取り巻く昨今の状況を見るにつけ、『こんなところでも無駄金を…』とついつい思いそうになってしまいます。
 その意味でも、ストレートに告知するJR-Eの姿勢がむしろ新鮮に見えたのでした。

【JH集中工事の周知】スマートな普遍化としての評価
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/28 00:29:40) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 JHの場合は年間に何回か計画的に集中工事をすると言うスタイルが定着しており、それがために今回の中央線のような「イレギュラーな大工事」という注目を引くことが出来ないということですね。
 そうなるとどうしてもアイキャッチの問題となるわけで、アイドルを起用するか奇を衒うしかないわけです。
 まあ先述の東海道新幹線の半日運休時には、新幹線が工具を持ったマスコットをデザインするに留まりましたが。

 実際、東阪間の移動で考えると、いずれも土日は除く日程ですが東名の集中工事が10/6〜17ですが、その他中央道が11/10〜20、西名阪道(夜間通行止)が9/30〜10/9と結構頻繁になにかしらの影響があるわけで、年中行事ではありますが、徹底した周知が求められると言う苦しさがあります。
 そうしたなかで、定期的な集中工事をある意味スマートにスケジューリングするようになっているJHの体制は、おアシは掛かっていますが評価すべきではないでしょうか。

スマートな普遍化に抽象化は必要か?
 投稿者---551planning(2003/09/28 11:42:52)

 高速道の集中工事の意義、特に昨今の定常的なセッティングの姿勢や、それに伴う告知の重要性(アイキャッチの問題)であることは重々理解しているつもりですが、であるからこそ、愚直にという表現が適切か悩ましいところながら、「本題の伝達」が肝要かと感じてしまうのですが…。
 今でこそネットなりで情報提供・収集が可能ですのでその詳細を把握することは容易くなっていますが、昔はパンフ・ポスター・横断幕や電光表示が主体、より広く告知する手段としてCMという形態で、日付や工事内容(今回で云えば車線規制や、豊田IC閉鎖、あるいは中央道への迂回対応等)を中心に伝えるものだったと記憶していますが、今回のCMだけを見るに、「準備してます」「かけがえのない道のために」というクリーンイメージが先行して本題があまり伝わってこない気もしてしまうのです。端的に云えば、公団イメージCMをも兼ねた(むしろそれが先行した)形になっているがゆえということでしょうか。

 本末転倒というわけではないにせよ、特に世間の目が集まる中で、「イメージ第一」という当方の穿った見方もできるのではないかと思うのですが…何もタレントを使うなとか、嗜好を凝らすなという完全否定ではないですし、ではそこでどれだけ経費が浮くんだ?という話にもなりましょうが、その意味において、例えばサイトひとつの造りを見比べても今回のJR-Eのように「直球勝負」(テキスト中心=余計な手間が掛かっていない)で必要十分では?と思うのです。

結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
 投稿者---TAKA氏(2003/09/28 23:44:20)

結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
└「大過なく」が暗転して...
└雑感

(以下次ページ)
完全に仮線に移行出来たのか?
 └Re:完全に仮線に移行出来たのか?
Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
 └Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」を…
  └大規模運休の是非と契約論を同列扱いはナンセンス
   └同感です
    └「訂正・謝罪」と私の評価を・・・
     └議論のための議論
      └中央線長期運休の原因が明らかに
       └繰り返しですが
 └
即応体制の検証こそ重要課題
  └最高でも金最低でも金

   └規模は理由になるのか?
    └及第点≒満点の辛さ
     └穴を残したリスク管理
      └是々非々

 皆様今晩はTAKAです。

 さて話題の中央線の三鷹〜国分寺間の線路切り替え工事ですが、思っても見ない形で終わりました。率直に言って今朝書き込みをした段階で未だテレビを見ていなかったので、信号トラブルが発生しているとはつゆ知らず、「振替輸送はおおむね成功」という結論を書いて「後は全部終わってから検証」という形で書き込みましたが、その後この様にトラブルに手間取り午後まで開通が長引くとは・・・想定外でした。
 基本的に線路切り替え工事で一番起きてはいけない事が起きてしまい(今まででもほとんど無い様なミスの筈)、私も想定していなかったですし、JRの対応を考えてもJRも想定していなかったと思います。

 果たしてこの「大規模運休による線路切り替え」に問題点はなかったのか?今後どうすべきなのか?これは十分に考えないといけない事であると思います。ですので此処で私なりに問題を考えてみたいと思います。
 問題は2点有ったと思います。それは「工事計画」「危機管理」に有ったのではないでしょうか?以下ではその2点について考えたいと思います。
 まずはこの切り替え工事の概要について下記サイトにてもう一度振り返りましょう。

http://www.jreast.co.jp/press/2003_1/20030608.pdf
http://www.jreast.co.jp/press/2003_1/20030711/main.html

(問題点1)「工事計画」
 これについては2点有る可能性があります。それは「工事量の欲張りすぎ」「工事関係者間のコミュニケーション」に問題があった可能性があると思います。

☆「工事量の欲張りすぎ」

 これは今回は「計画運休にしたのだから思い切って全部切り替えてしまおう」という事で国分寺〜三鷹間の全切り替え箇所を切り替えようとしたのであると思います。根本的にはこの発想自体は間違いないと思います。確かに細切れで切り替えをすると当然無駄も出てきます。又細切れではこれだけの作業時間を確保は出来ません。線路切り替え工事は「時間との勝負」です。その点から考えると「纏めて大きく時間を取る」という事は正しいです。
 しかし他の今までの切り替え工事と考えても今回は「欲張り過ぎだったのではないか?」という気がします。今までの仮線切り替え工事でも此処までの工事はなかなか有りません。特に武蔵小金井駅と車庫線の切り替え工事はそれだけで新宿・池袋の配線切り替え工事に匹敵する量の切り替え工事です。それも踏まえて「大規模運休」という選択肢を選んだのでしょうが、それでも欲張りすぎたのではないでしょうか?

 上記工事概要を見ると武蔵小金井〜東小金井間で仮線と在来線が被りその部分一部在来線の撤去と仮線の新設をしなければならない所があります(此処を地点Aとします)。それ以東は武蔵境の中線への接続と三鷹での在来線への接続の部分が工事箇所になります。地点A以東の切り替えは極端に難しくないです(これぐらいの量は他民鉄等でも良くやっています)。
 あくまでも素人の私見ですが、地点Aで工事を切り離して始めに地点A以東の切り替え工事を行い(その時には一部終電・始発のバス代行で留める。下り線は減便の上終電までは何とか運行)、その後12時間程度の作業間合いを確保の上(当然今回の規模に匹敵する計画運休で)武蔵小金井駅構内の切り替えを集中的に実施という、2段階作戦が好ましいのではなかったのではないでしょうか?

☆「工事関係者間のコミュニケーション」

 これは工事区間の長い事もありますが、それ以上に工事の発注形態に問題が有るのではないでしょうか?この様な場合、土木工事は工区割りの上入札して共同企業体に発注、設備工事は随契で信号・鉄道電気の専門業者に発注という形態が取られます。特に今回は連続立体化事業である以上都が前面にたっての事業である為、公共事業並みの入札が行われている事は疑う余地もありません(あと軌道工事業者が単独で入っている可能性もあります)。
 そうなるとその担当工区の施工業者(特に土木業者)がこの様な線路切り替え工事に慣れているかと言う問題もありますし、JR東日本・設備業者との真に深いコミュニケーションを図れるか?と言う問題もあります。この様に一発勝負に近い工事の場合、経験とツーカーのコミュニケーションが必要です。それにはこの様な回数の少ない工事を経験した事があるかの経験言うのも重要です。大規模線路切り替え工事の施工主体となるとゼネコンでも以外に限られてくるはずです(鉄建・東急・東鉄工業等の鉄道会社系のゼネコンや大林等の比較的鉄道に強い大手ゼネコンには経験が多い)。
 その様な経験者が全工区を仕切行えば又別の結果が出たかもしれません。幾ら万全の準備を行ったと言ってもJRのミス指示に施工業者は「施主の指示に逆らえない」という事が起きていた可能性はあります。しかしグループ等の身内とか10年来のつきあいで前○○の切り替え現場で一緒にやった等のつきあいが有れば、その様な場合でも気軽に言えてダブルチェックになっていた可能性はあります。
 公正な競争は良いのですが、予めその様な事も考え「工事計画・業者の選定」等もする必要があるのではないでしょうか?

(問題点2)「危機管理」
 今回の切り替え工事で、最終的には「危機管理に問題有り」という事になっても異論はないでしょう。やはり「未だ動いていないのに9時で代行バスを打ち切る」という姿勢には問題有りであったと思います。

☆この事態は予知出来たか?

 今回の6時間もの工事失敗に伴う運休延長でしたが、これは予知出来たのでしょうか?私は難しかったと思います。多分JRは工事自体は困難性の高い事は分かっていたと思います。ですからこれだけの大規模な工事運休をしたのでしょう。又綿密なタイムスケジュールを組み、「これで出来る」との確証を持って行った事は間違いないと思います(それすらしていないので有れば論外です)。
 しかしそれで油断があった可能性はあります。「工事はタイムスケジュール通り進む」「余裕は見ているから雨ぐらい降っても大丈夫」と思って、その上に「今まで予定通り終わらず計画外の大規模運休を引き起こした例はない(私の知る限りない)」という過信があり、「工事が予定通り終わらない」という危機意識を持たなかった可能性は十分にあります。実際広報されない中で切り替え工事が行われる例(乗り場の変更等は広報されるが・・・線路閉鎖時間中に切り替え完了する場合特に広報はされない)も多数有ります。又運休を広報しても「○時頃には運転再開します」で「頃」の表現には「伸びても1時間ぐらい」という事を暗示しているから大丈夫という事で「工事は予定通り終わらないかもしれない」という事は広報する要はない、だからそんな事は起きないと思っていた事はあるかもしれません。そう考えればみんなの頭の片隅には意識として有ったかもしれませんが予知する事は難しかったでしょう(私もまさか6時間も工事が延びるとは思いませんでしたから・・・そうでなければあんな結論調の事は書きません)。

☆危機管理上の問題

 今回イレギュラーの工事失敗に依る不通がなければ「事前の徹底した広報のおかげで混乱無く終了した」という評価で終わっていたでしょう。まさしく危機が起きた時対応出来な有ったという事になります。
 多分有る程度の工事の遅延は考慮して9時までは代行バスを運転できる体制は取っていたと思います。だから9時までは代行バスを運転したのでしょう。しかしその約2〜3時間の間に代行バスの台数を減らしても運転できる様な代行バスの確保に走る事は出来なかったのでしょうか?その点は疑問に思います。代行バスを打ち切っていなければ此処まで大きく非難される事はなかったと思います。
 テレビのニュースでインタビューをしていましたが、そこでは「不通なのに代行バスがない」「ポスターに書いてある事と違う」と言う非難の声が有りましたが、それはポスターに一言「不通が伸びる可能性があります」と書いて有ればそんなに非難されなかった可能性はありますし、代行バスが普通だけでも動いていれば、此処まで非難されなかったかもしれません。
 そう考えれば「JR東日本の危機管理に問題有り」と言われても仕方ないと思います。今後この様な工事の場合「かなりのの余裕を持って代行手段の確保する」「工事が伸びる可能性がある」とポスターに明記して周知徹底しておくという事が必要であると思います。

***
 取りあえず問題点と思われる点を書いてみました。今回の工事は前例のない内容での工事であった事は事実です。何せ東京都多摩地域の大動脈を運休しての工事ですから、今までに誰も経験していない事とも言えますし、それに伴う混乱等は発生する事も十分想定出来たと思います。
 しかし今後この様な大規模運休を必要とする工事が出てくる可能性は十分あります。既存線のリニューアル工事を迫られる年代に入ってきていますし、既存線の工事となれば運休しなければどうしても出来ない工事というのは出てくると思います。
 問題はその時に如何にして今回の事を教訓にするかです。やはり原則は「最低限の運休に留める」「工事はなるべく細分化する」という事でしょう。その上「如何にしてイレギュラーに対応するか」「如何にして工事に問題を発生させないか」という事になります。
 鉄道工事では「予定通り電車を通せなかった」と言うだけで全ては失敗です。それは絶対にやってはならない事です。私が立ち会った事のある切り替え工事では切り替え後の試運転列車をみんなで拍手で迎え、全部終わったらみんなで酒盛り状態でした。それぐらい緊張して「工事を完成させ予定通り電車を走らせる」事に使命感を感じて現場では工事を行っているのです。その様な使命感と努力を無駄にしない為にも、今回の事故を教訓にする事が重要であると言えます。
 まずは来年の中央線下りの切り替え工事です。今回の教訓がどう生かされるか?注目してみる必要があると思います。

「大過なく」が暗転して...
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/29 00:08:52) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 初日の様子で「大過なく」という評価が出揃ったところで期待を裏切らない?というのには呆れてしまいますが、とにかく運行再開が7時間遅れ、収束は夜に入ってからという結果になってしまいました。
 結果として惨澹たるものになったことが、今後のこの手の大規模運休へのトラウマになってしまうことは不可避とはいえ、今後のことを考えると原因と結果、問題点をきちんと整理して、改めるべきは改め、活かすべきは活かすべきです。

●トラブルについて
 大規模運休だったことと直接の関係はないでしょう。もし小規模な仮線振替であっても発生し得るわけで、それが武蔵小金井というある意味「カナメ」の箇所だったことが原因です。ですから現在山手貨物線の新宿駅や池袋駅で進行中の切替工事でも発生および同程度の影響波及の可能性はあるわけで、これをもって大規模運休は駄目だというのは早計です。

 で、原因ですが、ありがちな「新システムへの切替時のトラブル」と共通する面が大きいです。あとは、故障箇所の検知を細分化する必要があること。異常時に取り敢えず全部止めて、という対応姿勢とどこか共通する印象を受けたのですが、故障箇所(言ってみれば回路異常です)が発見できず、全体を止めざるを得ないというのでは困ります。
 さすがに工事規模に応じた対応を盤石にしても、ここでトラブッたら元も子もないわけで、基本を疎かにしないことを願います。

●対応のマニュアル化の陥穽
 初日の対応について、手際がいいと言って良いレベルだったようですが、ひとたび歯車がずれた時に馬脚を現したという感があります。

 特に、NHKニュースで報じられたのですが、代行バスの運行が復旧していない午前9時半に終了したというのは論外で、運行しているが道路事情で来ない、という外部要因と、運行をしていないからバスが来ないという内部要因では印象は天と地ほども違います。

 初日は特別ダイヤなどを組んだ他社の対応を急遽お願いするのは困難とはいえ、代行の体制を万が一作業が伸びた場合は30分刻みとかで延長するというような臨機応変なマニュアル化はされていなかったのか。肝心なところで手抜かりがあったようです。

 

●大規模運休による工事の是非
 新幹線の半日運休では、前夜からの作業の大工程は早朝に終了し、午前中の運休はチェックその他の準備など一種の緩衝として置かれていました。

 今回の工程はどうだったのか。午前3時半頃に故障が発覚ということは、運行再開時間が6時頃ですから結構一発勝負に近い状況かもしれません。
 秋の行楽シーズンの土日を両方潰したくないという意思が働いたのかもしれませんが、どうせここまで徹底するのであれば、日曜朝の運休時間をもう少しとってもよかったのかもしれません。

 重要かつ影響が大きい路線だからこそ、止めるのであれば徹底した、かつ慎重な対応が必要です。

雑感
 投稿者---よりぞー氏(2003/09/29 01:28:29)

 現場に居合わせたわけでもなく、ニュースページ等で情報を知るしかないものですので、工事の是非については皆様の議論に委ねます。

 それはさておき、当方が問題視したいのは、28日午後の会見における、JREの記者会見での一言です。それは、

 JRは「もっとバスを借りられるように手配すべきだったが、ここまでの事態は予想できなかった。しかし、すべての乗客をそもそもバスに振り替えるのは無理。バス輸送は補完的なもので、隣接する私鉄に回って、と前からお願いしていた」と説明した。

とされる、ややもすると「逆ギレ」ともとれる発言です。(すいません、ソース元の記事が消えていました・・・)
 この説明、どう考えますか?利用者に半日迷惑かけた、という紛れもない事実に対し、「誠意をもって謝罪する」意識のかけらも感じられないのです。まして、代行バスの手配がままならなかったことの責任を利用者に転嫁しているともとれる発言。昨年末の埼京線「お客様混雑のため」を彷彿させるものを感じました。

 今回の事案については、国土交通省が調査を開始しており(朝日新聞によれば、29日に事情聴取があるそうです)、新任の石原伸晃大臣も強い対応を臭わせる発言をされていることから、何だかの行政処分は免れないでしょう。特に中央線については、過去に慢性的遅延を理由として、関東運輸局長名で警告文書の発出がなされているという「前科」があるだけに、より強い処分も考えられます(ホンネを言えば、近時の怠慢ぶりに鑑み、鉄道事業法23条に基づき国土交通大臣名で業務改善命令を発出してもよいと思料しますが)。

 余談ですが、中央線の運転中止、当然「あずさ・かいじ」も大量に運休しました(この点に関連し、東京−松本間の移動に長野新幹線への迂回乗車を特認したことは評価できます)。
 その影響でしょうか、28日の中央高速バスは利用者が急増したようです。手元に28日17時現在の甲府・諏訪・松本各線の予約状況を記載したメモ(highwaybus.comから拾いました)がありますが、
   甲府線は27往復中 下りの19便、上りの18便
   諏訪線は11往復中 下りの 8便、上りの 6便
   松本線は18往復中 下りの16便、上りの13便
で「満席」となっていました。

 夜も遅いので、この辺で。

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2004.11.02 Update


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