【検証:】掲示板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.110)
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抑止する側に求められる説明責任
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/05/12 17:38:43)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

抑止する側に求められる説明責任
└こういう考えでは被害は解消できない
 └なんといったらいいのか。
  └命を軽視するわけではないのだが
   └「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
    └Re:「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
     └Re:「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
     └安全確保は第一だが、利用者の信頼も必要だ
      └Re:安全確保は第一だが、利用者の信頼も必要だ
       └JRがそんなに悪いのか?
        └Re:JRがそんなに悪いのか?
   └首尾一貫しない措置
    └Re:首尾一貫しない措置
     └見た目の恐怖感と実際の安全確保
      └Re:見た目の恐怖感と実際の安全確保
       └発言趣旨を整理させていただきます。
        └程度問題なんですよ
        └千日手になる前に
私の抑止体験
 └私も抑止体験。
 └事態の推測

 5月10日夜、武庫川付近のJR神戸線で新快速が異音を検知して停車しましたが異常を発見できず発車したのですが、後続の寝台特急が轢死体を発見したため抑止されるという事故がありました。

朝日 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200305090005.html

 21時過ぎの発生に対し、上り線が1時間、下り線は23時頃の開通と実に2時間に亘る抑止となりました。
 もうお馴染みとなった完全抑止が繰り返されたわけで、遅めの帰宅時に6万人が影響を受けました。

 発見列車が轢いたというわけではないため事情が複雑という事情はありますが、既に亡くなっている状態で2時間の現場検証はどういうことでしょうか。上り線の抑止、特に事故現場が下り外側線ですから3線も向こうの上り外側線に至っては意味不明です。
 遺体の収容作業は分かります。問題はあとの検証で、一刻を争うとか、証拠が消滅するということはないでしょう。既に21時を回り、列車の運行はあと3時間程度です。取り敢えず遺体の位置といった現場確認だけして、詳しい検証は終電の発車後にするといった機転は働かなかったのか。深夜にかかる時間帯で抑止してまでするだけの重要度があるのか。所管の兵庫県警の対応が問われます。

 なお当夜は振替輸送を復旧早々に切り上げたことへの批判がありましたが、振替先各線の最終電車が見えている時間帯であり、下手に振替を継続して振替中の途中駅までの終電車に乗ってしまう二次災害のおそれがありますから、この場合はやむを得ない判断だと思います。

***
 結局は「例のマニュアル」なんですが、再改訂が出来ない、どうしても検証優先というのであれば、警察や消防は事後に作業内容とそれにかかる時間の根拠をJRに説明する必要があります。
 前に「所管で無い」警察官を派遣してきた信じがたい対応をするケースもありましたが、現場検証などの段取りが悪くて必要以上にかかったケースは警察、消防側の責任として抑止に関する費用を請求しても良いくらいです。どうも抑止時間を見てますと、営業列車を止めることの重大性の認識が欠けているのではと思うのです。

 また、写真保存などの現場検証などの内容についても、その場で抑止までしてする必要があるのか、きちんと説明を施し、明らかに不要な場合は、これも警察都合による抑止として責任を求めることも考えられます。

 抑止中の列車に缶詰にしてでも先にやる必要があるのであれば、抑止された側が納得するように作業の重要性の説明をするくらい簡単なはずですから。

こういう考えでは被害は解消できない
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/09 00:15:05) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 6月6日の大阪朝日夕刊に、「事故処理ちょっとスピードアップ」と題して、JR西日本の人身事故時の処理時間が1月の平均80分から5月は平均60分になったという記事が出ていました。

朝日 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200306060029.html

 事故記録の簡素化や拡声器の配備拡充などで達成したものですが、そこのJR西日本と大阪市消防局のコメントに、事故発生時に「何を踏まえて行動すべきか」という視点の差違が見られます。

 いわく、JRは「安全を最優先しつつ、なるべく早く運転を再開できるよう今後も工夫する」であり、消防は「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」と注文しています。

***
 結局、「新マニュアル」体制での問題点、つまり、「死せる孔明...」ではないですが、多数の乗客が缶詰になっていることへの配慮を明らかに欠いた現場作業の優先への問題意識の差違が浮き彫りになっています。JRは明らかに問題点をどう解決するかという視点で行動してますが、消防は問題点を理解はしていてもそれへの優先順位を明らかに下に見ています。

 元記事の事例では、所管は大阪市ではなく西宮市か尼崎市なんですが、事故のあった下り外側線のほか、隣接する内側線を抑止していましたが、消防隊員から「危険が認められるので」ということで上り内側線と外側線、つまり全線の停止を要求されて実施したことが被害を大幅に増幅させています。
 当初上り線を運行していたことについて、一部マスコミから安全配慮が足りないという指摘があった訳ですが、現場は武庫川鉄橋上の下り外側線であり、橋梁とその前後は下り線と上り線の間に1線分以上の間隔が開いていました。
 この状態で生存者の救出ではなく遺体の収容という作業をするに当たり、2線、3線分以上離れた上り線の抑止が必要だったのか。その場の救急隊員の安全を必要以上に確保することで、復旧を急ぐことで回避軽減できる「缶詰」という、本来優先して保護されるべき市民が犠牲になる「二次災害」の危険性が増加しているという認識に欠けるといわざるを得ません。

 「復旧を急ぐ」ということは鉄道会社のエゴでもなんでもなく、数万人規模の「被害者」を発生させる「二次災害」の防止であるという当たり前のこと、そして非常に高い優先順位があるということを、関係者一同が再認識すべきです。今回の記事のコメントは、まだ分かっていない当事者がいる、ゆえに今後も被害は続くという懸念を改めて感じさせるものでした。

なんといったらいいのか。
 投稿者---とら氏(2003/06/10 01:40:50)

 コトバが過ぎるかも過ぎませんが、単なる「利用者のエゴ」にしか思えないといいますか…。

 いわく、JRは「安全を最優先しつつ、なるべく早く運転を再開できるよう今後も工夫する」であり、消防は「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」と注文しています。

 消防側のコメントはきわめて真っ当なものでしょう。それとも「復旧のためには隊員の命も惜しくはない」とでもコメントしろと? 

 つまりは「消防隊員の命<復旧」であるべきだ、ということでしょうか? たとえ消防や警察であろうが、その安全確保を最優先に考えるのは当然であり、その安全性確保よりも自分の交通の確保を優先させろ、というのはそれこそ「利用者のエゴ」でしかないのではないか、と。そもそもこの記事を読む限りでは「安全確保を第一に復旧を急ぐ」という点ではコンセンサスの違いは全くないように読めます。立場としての「言い方」は違いますが。

 元記事の事例では、所管は大阪市ではなく西宮市か尼崎市なんですが、事故のあった下り外側線のほか、隣接する内側線を抑止していましたが、消防隊員から「危険が認められるので」ということで上り内側線と外側線、つまり全線の停止を要求されて実施したことが被害を大幅に増幅させています。

 線路上って結構歩きにくいものです。消防隊員といえど線路上での作業はエキスパートではないのですし、夜間の慣れない場所での作業で数メートル先に列車が通過する状況に安全面の不安を感じても不思議ではないでしょう。

 「復旧を急ぐ」ということは鉄道会社のエゴでもなんでもなく、数万人規模の「被害者」を発生させる「二次災害」の防止であるという当たり前のこと、そして非常に高い優先順位があるということを、関係者一同が再認識すべきです。今回の記事のコメントは、まだ分かっていない当事者がいる、ゆえに今後も被害は続くという懸念を改めて感じさせるものでした。

 利用者として一刻も早い復旧を求めるのは当然ではあっても、そのことが関係者の安全確保に優先して求められることだとは、少なくとも私には全く思えません。そんな事態に出くわした乗客はアンラッキーな「被害者」ではありますが、そのことで死の危険にさらされるわけでもなく「二次災害」なんて大げさすぎませんか? 

 そもそも日本人の、異常発生時の「キャパの狭さ」はちょっと常軌を逸している部分があるように、私は感じています。台風や地震などの自然災害時でさえ、列車が運休したことに対して駅員に詰め寄る乗客の多いこと多いこと。国鉄→JRがそういう日本人のメンタリティに対応して世界でも希に見るハイクオリティなサービスを提供しているが為に、多くの日本人はそれが「普通」だと思っているようですが…。

命を軽視するわけではないのだが
 投稿者---Tom氏(2003/06/10 05:36:28)

 結局、「新マニュアル」体制での問題点、つまり、「死せる孔明...」ではないですが、多数の乗客が缶詰になっていることへの配慮を明らかに欠いた現場作業の優先への問題意識の差違が浮き彫りになっています。JRは明らかに問題点をどう解決するかという視点で行動してますが、消防は問題点を理解はしていてもそれへの優先順位を明らかに下に見ています。

 エル・アルコン氏のこの意見を読むに、消防署員の命を軽視しているわけではないと思います。
 むしろ、駅の途中で混雑している列車内で乗客が缶詰になっている状況をどうするのかの改善を問うているだけでしょう。
 昼間の全員が着席しているような列車であるならばいざ知らず、朝夕のラッシュにかかるようなものについては一刻も早い運転再開が求められてしかるべしと思います。
 民鉄の例をみても、現場での徐行+早期運転再開を行っている会社もあるわけですし、要はやり方次第かと。

 線路上って結構歩きにくいものです。消防隊員といえど線路上での作業はエキスパートではないのですし、夜間の慣れない場所での作業で数メートル先に列車が通過する状況に安全面の不安を感じても不思議ではないでしょう。

 これで安全面に不安といわれたら、数メートル先を、それこそ電車とは異なり一瞬のハンドル操作ミスでどこへ行くかわからないクルマと共存している歩行者はどうなるのでしょう?
 すべての道に北海道の国道並の立派な歩道を付けろ!というのと同じ議論のように感じられます。

 利用者として一刻も早い復旧を求めるのは当然ではあっても、そのことが関係者の安全確保に優先して求められることだとは、少なくとも私には全く思えません。そんな事態に出くわした乗客はアンラッキーな「被害者」ではありますが、そのことで死の危険にさらされるわけでもなく「二次災害」なんて大げさすぎませんか? 

 安全確保=全列車抑止 なのでしょうか?
 むしろ、以前の事故の時のようなミスを防ぐフェイルセーフシステムを良く考えることが先決と思います。
 もちろん事故の態様によっては早期再開が難しいケースもあるでしょうが、最近のケースはどうも安全サイドにマージンを取りすぎのように思います。

 尚、気象災害時などにも駅員に詰め寄る乗客については私も問題と思います。
 但し、「事故抑止」という事例は天災ではなく、別の問題でしょう。

「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
 投稿者---とら氏(2003/06/10 11:02:02)

 「安全確保を第一にする」というのは「あたりまえ」だと思ってコメントしたのですが、それが「あたりまえ」ではない、と考える方もいることにかなり驚いています。

 これで安全面に不安といわれたら、数メートル先を、それこそ電車とは異なり一瞬のハンドル操作ミスでどこへ行くかわからないクルマと共存している歩行者はどうなるのでしょう?
 すべての道に北海道の国道並の立派な歩道を付けろ!というのと同じ議論のように感じられます。

 全く例が飛躍していますねぇ…。それをいうなら一切の危険作業に安全の配慮なんて必要ないという理論が成り立ちますね。

 安全確保=全列車抑止 なのでしょうか?

 違うと思います。ただ現場においてそのほうが好ましいという判断をしたのなら、それも仕方ないとは思いますが。

 もちろん事故の態様によっては早期再開が難しいケースもあるでしょうが、最近のケースはどうも安全サイドにマージンを取りすぎのように思います。

 「取りすぎ」というのは何を判断基準にされているのか解りませんが…。

 元の新聞記事を読む限り、事故発生時の「無駄な手続き」をかなり省略したことで復旧までの時間短縮を計った様子が窺えます。「一刻も早い復旧」は日本の組織にありがちなビューロクラシーや杓子定規な部分を改善してゆくことで図っていただければいいことです。「列車内に缶詰になる」ことが問題なら可能な限り最寄りの駅まで運転して停車できるようにすれば解決できるように思われるのだけど…。

 どうしてこう、日本から「思いやりの心」みたいなものが失われてしまうのか、悲しい気分になりますね。「権利」というものが曲解されて、他人のことを思いやる、なんて配慮もなく自分の利便性のみを声高に叫ぶ人が、多くなったように感じていたのですが、ちょっとそれに通じるものを感じた気がします。そういう時代になってしまったということなのかもしれないなぁ。作業する側も利用者に対する「思いやりの心」で復旧に向けて努力する。利用者も作業側への「思いやりの心」で待つ(こういう場面で活躍する人々がいるからこそ、平穏な日常生活が確保されていることをもっと感謝すべきでしょう)、というだけの話だと思うのに。

Re:「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
 投稿者---KAZ氏(2003/06/10 11:18:43) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。ちょっとだけ・・・。

 どうしてこう、日本から「思いやりの心」みたいなものが失われてしまうのか、悲しい気分になりますね。

 これは話が飛躍しているように思いますが・・・。現場の係員や消防士の安全確保は当然のことですが、それが近畿圏全域に亘っての「完全抑止」なのかどうかが問われているだけでしょう。完全抑止にせずとも「現場で一旦停止・安全確認の後最徐行(5km/h程度)で現場通過、という処置も可能な訳で、これなら作業員・消防士の安全は確保された上で、遅れは伴うものの列車の運行は可能になります。そういった工夫もなしに「とにかく全線全列車を停めてしまう」事が本当に必要なのか。誰も現場係員の安全確保などしなくていいからとにかく運転しろ!とは言ってないように思うのですが、如何でしょうか。

 人の命は何物にも代え難いものですが、現在の大都市における鉄道は「ライフライン」として生活に根付き、それの正常運行を前提とした都市活動が行われていますよね。ならば、それの運行をできる限り阻害しないように努力することも必要だと思いますよ。現場の安全を確保しつつ、列車の運行をできる限りスムーズに行うような工夫を双方で考えていかないといけないのだろう、と私は考えています。

 乱筆にて失礼。

Re:「あたりまえ」があたりまえでない時代なのか…
 投稿者---とら氏(2003/06/11 23:52:03)

 これは話が飛躍しているように思いますが・・・。

 まぁカンタンにいえば「自分がこんなこと言われたらどうよ?」ってことです。そういう想像力の欠如=思いやりに欠ける、という表現をしてみたんですけどね。

 それが近畿圏全域に亘っての「完全抑止」なのかどうかが問われているだけでしょう。

 このときは近畿圏全体でのことだったんですか? 元投稿では「現場の上下線」というふうに読めましたので…。もし全域を要求したのなら明らかに行き過ぎですね。ちなみに参考までにお聞きしたいのですが、この当該時は「近畿圏」というのはどのあたりまで波及して抑止されていたのでしょうか。また、所轄の消防がそこまで要求できるのがJRの現状なのでしょうか。

安全確保は第一だが、利用者の信頼も必要だ
 投稿者---とも氏(2003/06/10 12:53:21) http://town-m.vop.jp

 ともです。私も少しだけ。

 基本的には安全確保が第一なのは当然です。
 ですからみなさん、一時的な抑止に批判しているのではないのでは?
 たとえば下り外側線の事故で20mも離れた上り外側線を止める必要があるんですか?ということ、つまり安全の確保の「仕方」を問題視していると私は解釈します。

 他の事故現場の場合はどうでしょう。たとえば車。その事故の状況によりますが、1車線だけであればもう1車線〜2車線は通行可能にしますね。
 高速道路であればいくら50km/h規制がかかっていても100km/h近い速度でバンバン車がぶっ飛んでいきます。その横カラーコーンを隔て、たった1m前後の離隔で警察や消防は作業をしている。この危険性はすさまじいものです。確かに鉄道に比べれば作業性は高いです。でもその条件下での作業は道路交通ではできているのです。なぜか。

 私も以前、仕事で高速道路上での調査をしたことがあります。1車線規制でしたが、ハッキリ言って怖かったです。でも警備員や監視員が保安体制をしっかりしているから大丈夫という信頼感の下で調査をやれた。

 そう、「信頼」です。

 で、これを今回の件と重ね合わせると、そもそも以前の事故のため、警察や消防がJRを信用しなくなった。
 JRが誤った判断をしたがために命に関わる「信頼」を失った。
 結果的にそれが警察や消防の今の姿勢に現れているのでしょう。

 ここに原因の根元があるのですから、まずはここを解決しなくてはならないのではないでしょうか。
 みなさまが仰りたいのはそれに託けて何でもかんでも止めろとする警察や消防の頑なな姿勢への不満であり、ひいてはJRに対する不満でありましょうし、とら様が仰りたいのは警察や消防の完全な安全確保は必要であると言うことでしょう。つまり、根は一緒なのです。

 JR側がしっかりした再発防止を行い、安全確保に対するビジョンを示せば良い問題なのです。

 確かに、日本人の鉄道に対する時間の許容量のなさはハッキリ言って異常です。1分の遅れで「本日は遅れてしまい・・・」などという放送が入る国はおそらく無いでしょう。
 しかし、それを例にだし、「思いやり」をもってというのは「綺麗事」にすぎないと言えると思います。利用者からすれば鉄道に対し「定時性」「輸送確実性」の「信頼」を見いだしている。
 その鉄道が乗客からの「信頼」をも失いかねない。「安全」という名の下での立場間の信頼関係の希薄さが一般利用者にも関わってくる。それは正しいとは言えません。

 安全確保は絶対です。私もマージンを取りすぎているというのは言い過ぎだと感じました。しかし、だからといって今の体制が是とはとても思えない。
 JRが失った信頼をどうやったら取り戻せるのか、近畿圏の消防、警察とJRでじっくり考え、結論を見いだして欲しい。

 だからといってJR西日本を叩くだけなら誰でもできます。バカでもできる。
 そうではなく、マスコミなどが「JRと消防と警察でしっかり話し合え」ということこそが必要でしょう。
 叩いてもなにも出ないし意味がないのだから。

 このままでは利用者はJRにも消防にも警察にも不信感を抱いていくのです。その責任はJRにもそして話し合いをする相手の消防や警察にも向けられていくのですから・・・

 まとまりませんが。ではでは

Re:安全確保は第一だが、利用者の信頼も必要だ
 投稿者---とら氏(2003/06/12 00:03:46)

 そう、「信頼」です。

 それを言うなら、残念ながら今のJR西日本は失格状態でしょう。なんせこの会社はつい最近、消防隊員を二人もひき殺しちゃったんですからね(^_^;)。「作業員の安全確保」という面でのこの会社の「信頼」は、消防や警察にしてみれば非常に怪しい状態なのではないでしょうか。人命にかかわることですから、この信頼回復には時間がかかるのは当然で、しばらくこのような状態が続くんでしょう。

 JR側がしっかりした再発防止を行い、安全確保に対するビジョンを示せば良い問題なのです。

 雪印しかり、東京電力しかり。不祥事を起こした会社は当然それが発覚すれば謝罪し、「もうこんなことは起こしません。こう改善します」くらいのコメントは出すものです。しかしそれだけで「信頼」回復するもんじゃありませんよね? 結局雪印ブランドの牛乳事業はほぼ消滅しましたし、原発も未だに運転再開に至っていません。東電は原発を停止して点検を行い、地元に運転再開への理解を求めていますが、なかなか同意が得られないようです。
 そんな原発立地の皆さんに対して「再発防止を行い、安全確保に対するビジョンを示せば良い問題」じゃないか、なんてカンタンに言えますか?

JRがそんなに悪いのか?
 投稿者---とも氏(2003/06/12 01:22:45) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 それを言うなら、残念ながら今のJR西日本は失格状態でしょう。なんせこの会社はつい最近、消防隊員を二人もひき殺しちゃったんですからね(^_^;)。「作業員の安全確保」という面でのこの会社の「信頼」は、消防や警察にしてみれば非常に怪しい状態なのではないでしょうか。人命にかかわることですから、この信頼回復には時間がかかるのは当然で、しばらくこのような状態が続くんでしょう。

 非常に申し訳ないですが、とら様はどのような経緯であの事故がおきたかをご存知でしょうか?
 そのJR西日本の信頼問題の根幹を理解してますか。
 あの事故の場合、確かにJRにもミスはあったが警察にも消防にもミスがあった。それは双方が認識している中で新マニュアル策定においてマスコミの相当な批判の中で無茶な話がまかり通った。
 つまり、警察や消防の圧力は当然として、それ以外のファクターがかかっている話なのです。つまりJRの信頼はある程度外野的なものでマイナスされた。その状況を踏まえる必要があります。

 雪印にしろ東電にしろ、信頼を失った原因は事故だけですか?違いますよね。事故を隠したわけですよ。だから信頼が無い。信頼が無い原因は事故だけじゃないんです。
 一方、JR西日本は「事故」だけなんです。この差はものすごく大きい。
 JRは事故を隠していませんし、もちろん発覚して謝罪ではないですね。それを東電や雪印と同列に比喩するのはいくらなんでも話が飛びすぎです。

 再発防止策を約束しても納得できないというのはわかる。でもそれを言い出したらJR西日本はどうしようもないわけです。その利用者はどうなってもいいと。そういうことになるんです。
 であるからこそJR西日本が再発防止策を定め、それに関して県警・府警・消防ときっちりした策を協議し示すしかない。それができなくては未来永劫このまま。利用者にとっては不便極まりない状態のままなわけです。
 信頼回復に時間がかかるのは確かに仕方が無い。しかし、だからといってこのままでいいのかと。

 本来的には監督官庁たる国土交通省なりが仲介に入り、適切な形に持っていくことが必要なのでしょう。今のままではお互いに譲らずになります。これでは双方に不幸なのです。

 JRの利用者の多くはおそらく警察や消防に不信感を抱くでしょう。実際、マスコミ報道においても尼崎事故当時とは手のひらを返したような書き方をしているのです。
 また、並行民鉄の利用者にとっても迷惑感は同様でしょう。混雑はますはどうしたって影響はあるは・・・

 であるからして、その頑なな3者(4者?)の姿勢に対し、皆様が批判されているのでは?
 私はその「信頼」を取り戻すために、JRや関係者は努力したほうがいいとそういいたかったのです。

***
 なにも消防や警察の安全性を確保するなとは誰も言ってないのです。貴殿の考え方が単に「JRけしからん」ということをあたかも正論のごとく語っているに過ぎないことを、多くの方が違うと感じているのです。

 JR西日本を叩くだけなら誰でもできるんですよ。
 でも、それは野次馬根性、ゴシップ週刊誌と同じことなんです。
 そんな議論ならする意味はまったく無いのです。

 あれだけ安全安全と騒ぐ県警や府警、消防は民鉄との間にダブルスタンダードが存在しているのもまた事実です。
 なにか違う。それを感じているのです。

 批判的ですが。ではでは。

Re:JRがそんなに悪いのか?
 投稿者---とら氏(2003/06/13 00:41:01)

 なにも消防や警察の安全性を確保するなとは誰も言ってないのです。貴殿の考え方が単に「JRけしからん」ということをあたかも正論のごとく語っているに過ぎないことを、多くの方が違うと感じているのです。

 語ってませんって(^_^;)。私の最初の元発言を読んでいただいていますか? その中のどこに「JRけしからん」と読める部分があるのか、ご指摘ください。

 JR西日本をたたく趣旨は全くないことを明言しておきます。確かに例の事故の件に触れてはいますが、単に「こういうコトがあったという要因もあるのでは」という趣旨で持ち出しただけであり、批判をするつもりはありません。

首尾一貫しない措置
 投稿者---和寒氏(2003/06/10 11:54:37) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 消防は「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」と注文しています。

 当たり前といえば当たり前のコメントではありますが、一方で鉄道の保線作業員は、列車が走っている中での作業をすることもあるのです。勿論安全を確保しながら。
 確かに消防や警察は線路敷内作業のプロではないですし、線路上での作業が残っている限り列車は抑止しなければならない。ただ、当該線路以外での線路には列車を走らせることが出来ますし(特に複々線以上の場合)、線路脇の犬走りに撤収する段階になれば、列車見張員を立てるなど所定の手続きを経て当該線路に列車を走らせることも可能です。本来は。
 全線路を抑止しなければ安全を確保できないというならば、保線作業員の安全は確保されないということになる。逆に、線路を抑止せずとも保線作業員の安全が確保されているならば、消防や警察が線路敷内に入る際に抑止せずとも安全を確保できるはず。
 つまり、JRの対応は首尾一貫していないのです。また、首尾一貫していない矛盾的な措置であるがゆえに、全国的に波及しないともいえるような気がします。

Re:首尾一貫しない措置
 投稿者---とら氏(2003/06/12 00:10:25)

 当たり前といえば当たり前のコメントではありますが、一方で鉄道の保線作業員は、列車が走っている中での作業をすることもあるのです。勿論安全を確保しながら。

 「安全確保」のレベルは万人にとって同じでしょうか? 金魚を飲み込んで吐き出す「人間ポンプ」という芸がありますが、あれが出来る人がいるからといって誰にでも安全に同じコトが出来るわけではないですよね? 工事現場などでも関係者はつけない命綱を部外者立ち入りの時に装着させるなどの措置をとることがありますね。

 全線路を抑止しなければ安全を確保できないというならば、保線作業員の安全は確保されないということになる。

 いずれにせよ、私は別に「全列車が停止していないと安全じゃないんだ!」ということを主張してはおりませんので、そのようなコトを仰られても「全くその通りですね」と同意するほかないんですが…。単に「消防が”止めて欲しい”というのも間違いではないのでは?」と言ってみただけですからね。

見た目の恐怖感と実際の安全確保
 投稿者---和寒氏(2003/06/12 05:04:06) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 とら様。
 工事現場の安全確保と鉄道線路内の安全確保とでは、かなり意味あいが違います。
 列車が100km/h超の速度でビュンビュン目と鼻の先を通過する状況は、確かに恐怖感を与えるものがあります。しかし、一定の距離をとり、列車が通過していく空間から待避してさえいれば、安全は確保されるのです。一見すると“蛸壺”塹壕の類の空間ではあっても、とにかくそこにいれば列車に接触することはない。「見た目こわい」のと「実際に安全」との温度差だと思います。

 首尾一貫していない矛盾的な措置であるがゆえに、全国的に波及しない

 自己引用ですが。
 JR西の措置が正であるならば、国土交通省が全国の鉄道に対して、同様の措置をとるよう通達を出すはずです。しかし、今のところそのような動きは伝わっておりません。
 客観的な状況を比較すれば、それは明らかでしょう。既に他の方が例示されているところですが、例えば実際にある状況として、

などが挙げられ、それらと比較すると複々線以上でも全線路抑止というのは如何にも過重な措置といわざるをえないのです。

 なお余談ですが、

 工事現場などでも関係者はつけない命綱を部外者立ち入りの時に装着させるなどの措置をとることがありますね。

 この命綱は安全帯のことと理解しますが、これは関係者も作業員(プロの鳶職でさえ)も装着します。そうでないと法律(労働安全衛生法)違反となります。プロとはいっても決して曲芸師ではないのですから、法律を遵守しながら安全を守るのです。それにその曲芸師でさえ、例えば綱渡りする際には下にマットを置くかネットを張るなどの「安全対策」をとるのです。要は、安全確保にもTPOがあるわけです。

Re:見た目の恐怖感と実際の安全確保
 投稿者---とら氏(2003/06/13 00:47:49)

 既に申し上げているとおり、私は一度も「全路線抑止でないと安全確保は出来ない」と主張したことはありません。「現場でそういう判断が出ても不思議ではないのでは」ということは最初の発言に触れてはいますが、全路線抑止でなければならない、という趣旨ではないことはもう一度読んで頂ければご理解頂けると思います。

発言趣旨を整理させていただきます。
 投稿者---とら氏(2003/06/13 00:53:19)

 だんだん自分の言ってないことが「私の言ってること」になってきてるような気がしますので、要点をまとめさせてください。

 要は、

 消防の「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」というコメントは真っ当なものでないか。これを「わかってない」と評価するのはいかがなものか。それならどうコメントすれば「わかってる」ことだといえるのか。

と、そういうことであります。

 別に「全列車が止まらないと安全じゃないよ」とか「JRけしからん」とかということは言いたくないです、別に。

千日手になる前に
 投稿者---和寒氏(2003/06/13 08:46:00) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

  とら様。

 消防の「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」というコメントは真っ当なものでないか。

No.1736 冒頭にて「当たり前といえば当たり前」とコメントしております。やや皮肉っぽい書き方になってしまい誤解を与えたかもしれませんが、基本的には同意しています。むしろ「当たり前すぎるほど当たり前」なコメントといえましょう。

 「全路線抑止でないと安全確保は出来ない」と「現場でそういう判断が出ても不思議ではないのでは」

No.1756 にて「確かに恐怖感を与えるものがあります」とコメントしております。そういう感覚を持つ向きがあっても当然だ、とは思います。

 自分の言ってないことが「私の言ってること」になってきてる

 →以上まで記したとおり、基本的な認識はそう大差ないように思われます。そこから先の発展は、あくまでも私の意見です。とら様にレスをつけているのでとら様への反論に見えてしまうのは許容して頂くとして、たとえとら様に「『全路線抑止でないと安全確保は出来ない』と主張」するつもりがなくとも、その主張にそのものに対しては、No.1736 及び1756に記した根拠をもって、真っ向から反対するという私の意志表示です。
 エル・アルコン様のいう「分かっていない」とは、合意可能な基本認識から導かれたはずの措置が、「全線路抑止」という首尾一貫せず矛盾的なものに至っている、というプロセスそのものを指していると思量します。基本認識まで「分かっていない」とする意見だとは、私は受け止めておりません。

程度問題なんですよ
 投稿者---とも氏(2003/06/13 12:23:15) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 だんだん自分の言ってないことが「私の言ってること」になってきてるような気がしますので、要点をまとめさせてください。

 確かに。
 私も熱くなってしまいました。ただ、貴殿の発言を普通に読んで解釈するとそうなると言うことはお考えください。
 これはみなさんの反応を見てもおわかりかと。

 で、

 消防の「復旧を急ぐ必要性は理解するが、消防署員らの安全を確保する基本原則は改めて徹底してほしい」というコメントは真っ当なものでないか。これを「わかってない」と評価するのはいかがなものか。それならどうコメントすれば「わかってる」ことだといえるのか。

 消防の言っていることは真っ当です。
 でもポイントは程度問題なんです。
 安全を絶対にするのは良いとしても、そのマージンの取り方が常識を逸脱していないか。そういうことなんです。
 みなさんが書かれているように、どう考えても止める必然性がない物理的に隔離された線路まで止めなくてはならない。時間もむやみやたらに止めなくてはならない。本来的に道路であっても円滑な交通を確保しながら捜査や検証は行う。同じコトなんです。いくらJR西日本が一回失敗したからと言って、すべてが終わるまで運転するなというのは違うであろうと。そこをおかしかろうと皆言っているのです。

 でも、とら様のご発言では「利用者は思いやりを」といった形で、消防や警察の見解を是として、しかも提議された問題の本筋論ではない理由で正当化していると解釈されている。その解釈はとら様には不本意かもしれませんが、読んでいればそう受けとれてしまう。
 ましてや無関係な事象を持ち出し、比較する、比喩するというのは言葉のゲームをやっているにすぎないでしょう。

 ここまで議論してきて、その程度のことはお判り頂いていると思います。
 でも、あくまで議論をする場なんです。お互いの考えを理解というか解釈をしながら進めなくてはならない。
 確かにとら様のお考えを曲解されたのは不本意でしょう。でも、何度読み返しても「文脈」からはそう読みとれる。しかも私だけではなくみなさんそうなんです。
 そこを考えてはいかがですか。

 ほとんど老婆心のようなものになりましたが。ご容赦のほど。
 では

私の抑止体験
 投稿者---551planning(2003/06/12 19:39:26)

  このスレの論点とはズレる(というか今回はまさしくJR-Wのポカ)のでアップを躊躇するのですが、やっぱり構造的問題でしょうな。

乗客1000人、2時間缶詰め JR神戸線事故 神戸 http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030612ke112400.html
電車手配忘れ千人缶詰め 人身事故で駅間に約2時間 共同 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030612-00000076-kyodo-soci

線路に人、はねられ即死 JR神戸線が2時間不通 神戸 
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030611ke112240.html

 共同では車外からの抑止中の電車の写真が掲載されていますが、立客も多そうで、それこそ気分が悪くなるなどの「二次被害」が少なからず起こったのではないかと思われます。
 それにしても指令の「放置」はさておき、現場の運転士・車掌は一体何をしていたのかとすら思ってしまいます。そんなに後手後手に廻るものでしょうか。神戸記事では「放置」こそ1時間程度(…)だったようですが、その後もなんだかなの世界です…。

 以前JR-E中央線でも連鎖的ともいえる人身事故が発生していましたが、抑止時間が長いとかで揉めたとかは記憶にありますが、ここまでの混乱を見聞したことはありません。尤も大雪時の「缶詰抑止」で相当叩かれ、以後ちょっとの雪でも「事前運休・本数減」という、これまた顕著な策を講じてはいますが…(これにも異論あれど結果論的にはベターと認識されていますからねぇ)。

***
 かく云う当方も、先日訪阪した際に「抑止体験」させて頂きました…。
 5月下旬の土曜日、乗車していた特急「北近畿20号」がまもなく三田というところ、ちょうど新三田の先の車庫の付近で突然減速、そこで10分少々停車、車掌から「詳細不明ですが事故発生の模様」との一報がありまして、徐行で新三田駅ホームへ入線、ドア非開示のままそこで20分ほど停車、ホームでは普通を待つ利用者が車内へ視線を投げかけてきます。「北伊丹駅そばの踏切で死傷事故発生の模様」と断続的に放送は入るものの、車掌にも詳しい情報が入っていない様子で、放送時に後ろで聞こえる指令からの無線が不安感を駆り立てます…。車内を廻る車掌がとある紳士から「この月2回もや」とぼやかれて平謝りでした。
 と、突如動き出し、「とりあえず三田駅へ向かいます」。20分遅れで三田に到着、ホームで待ちわびた200人ほどの乗客が(ホント結構いました)なだれ込んできます。「この列車は特急電車です。特急券を…」と繰り返し放送が入り、多くの乗客がため息交じりにホームへと戻りましたがそのまま居座る人も。ここで状況は「警察の現場検証中」に変わり、対向列車はとりあえず新三田まで引き込もうという感じで数本が到着したものの、こちらはその後5分おき程度に入る放送でもなかなか進展なし。車内には時折携帯の着信音と話し声が。到着後20分ほどしてようやく「現場検証が終了し、先行列車から順次出発」と案内されたはいいがこれまた動かず。仕舞いには「情報によると東海道線でも…」と車掌氏半泣きの態?での放送が入りました。窓の外には神戸電鉄…とはいっても。ちなみに振替等の案内は一切ありませんでした。
 結局30分ほどして「出発信号が出たので発車します、次は宝塚です。なおこの電車は特急で…」とちょっと安堵した車掌氏の放送の後に発車、ただ武田尾でちょっと停まった時は携帯圏外だったのでさすがに焦りましたが、その後はなんとか1時間遅れで宝塚へ。当方はそこで下車し、後続の普通に乗り換えましたが、これも大阪行きでイレギュラーと思われます。川西池田では待避線に入ったもののそのまま出発、案内板が時刻通り(快速接続)となっていたようでホームに残った乗客が多かったのが気になりました…。

 当方の場合は缶詰時間が短かったこと、とりあえず動いたという安心感があったものの、三田のあと遅延の侘びこそあれど東海道線云々の情報提供がなかったのは引っ掛かりました。まさに現場の混乱振りを知見したわけではありますが…。

私も抑止体験。
 投稿者---とら氏(2003/06/13 01:28:02)

 今回はまさしくJR-Wのポカ

 うーん、これはちょっとなんだかなぁという部分はあるのですけど、やはりイレギュラー時にはなかなかパーフェクトな対応は望めないものですから、ある程度は仕方ないのかもしれません。後々考えればこうした方がよかったなぁ、というのはいくらでも出てきますが、いざその現場でそんなにナイスなアイデアがすぐひらめく、なんてワケにはなかなかいかないだろうし…。イレギュラーは「レギュラー」ではないからイレギュラーなのであり、一つとして同じケースはないものです(なんかの歌みたいだなぁ)。マニュアル化をすすめても、それだけで完全に全てカバーできるかと言えば、なかなか難しいのではないかと思います。

 逆にこのケースでは「列車の存在を忘れていた」ということが事故に繋がらなかったことをラッキーとして受け止めるべきなのかもしれない、という気もしました。まぁプレッシャーをかけるあまり変な事故とかになっても困るので、あんまり復旧を急がせないのも利用者の心構えとして悪いコトではないのかもしれませんね、というか(^_^;)。

 かく云う当方も、先日訪阪した際に「抑止体験」させて頂きました…。

 私は3月下旬の北海道で体験しました。上りの「北斗星」が線路上にあった古タイヤを轢いてしまったため3時間ほど立ち往生してしまったのです。で、その「北斗星」の乗客でした。列車は東室蘭到着直前、といったところでしたが、台車に食い込んだタイヤの破片を除去しなければ運転すら出来ず、結局そのまま缶詰にされました。幸いなことに寝台列車ですから缶詰にされても快適でしたし(^_^;)、列車の性格上「お急ぎのご旅行中」な方も殆どいないのか、乗客も少しイベント感覚だったような気がします。ただし、その後に詰まっていたほかの列車の乗客としては大変なことだった筈ですけどね。運転再開後、途中駅で後続の函館行き特急に何本か道を譲ったのですが、列車の性格から考えれば妥当な措置でしょう。

 缶詰中の車内案内は急停車から最初の案内まで間が空いたものの、その後は状況が変わるたびに案内がきちんと入り、必要充分なものと感じました。ただその列車じたいのコトですから詳細がすぐ解るのは当然でもあり、後続の特急列車などでどのような案内がされていたのか、ちょっと興味があります。

 翌朝の車内放送も現在の遅れ状況と振替輸送を検討中の旨がまず案内され、結局その後仙台から東北新幹線による振替輸送が決定されたとの放送が。車掌が乗客の意向を一人一人聞いてまわったようで、そのあたりの対応にも好感が持てました。別に急いではいなかったのですが、こんな機会も滅多にないだろうと私も振り替えられ組になり、上野着は結局、本来とほぼ変わらない時刻でした。

 通勤路線のラッシュ時の抑止とはハナシが違いますが、まぁこんなこともありました、ってことで。

事態の推測
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/14 00:19:02) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 今回はまさしくJR-Wのポカ

 これは単純な「放置」と言えない面もあるのではないでしょうか。
 事故を起こした新快速3645Mは当然事故現場の鷹取−須磨間で停止しました。下り列車線にはその後は特急61D「スーパーはくと11号」、新快速3647M、そして問題の新快速3649Mと続きます。
 3645Mが事故現場に達するのは19時43分頃。後続の61Dは神戸−兵庫間を走行中ですから、即座に防護無線が発報されていたら兵庫に停車できますがどうでしょうか。
 そして神戸で抑止されていたのは3647Mでしょう。

 問題なのは、兵庫の先、列車線は線路別複々線になるため、明石までホームがありません。このため、兵庫を超えて列車を現場に近づけると、必然的に駅間抑止になります。神戸に抑止中の3647Mは、次の、というか最後にホームがある兵庫まで進むと、61Dを駅間抑止にすることになりますし、仮に61Dが兵庫を出ていたとしても、最悪の場合、兵庫まで逆走させて取り込まないといけないため、3647Mを兵庫まで進ませることは不可能です。
 悪いことに3647Mは前から4+8連の12連とMAXであり、問題の3649Mも同じ編成です。そのため3647Mを少し進めて神戸駅で3649Mを取り込むためには、3647Mの前5、6両をホームから出さないと、3649Mの前5両(編成間が非貫通のため、5両目が止まらないと編成全体から乗客を降ろせない)が入りませんし、そうなると3647Mの前4両が駅間抑止になります。

 神戸新聞では3647Mの乗客を降ろして回送させ、と簡単に書いてますが、3647Mの乗客も1000人くらいいる訳で、電車線や上り線の抑止客もいますから、3649Mも合わせてそれだけで2000人の乗客を一時に駅に滞留させることは事実上不可能ですし、上述の通り乗っていたい乗客を乗せたまま対応しようとすると、3647Mの一部車両が駅間抑止になってしまいます。
 神戸まで500mなら1200m戻れば元町なんですが、21時の時点で再開の目処が立ったとあり(実際には更に1時間かかった)、その時点で保安系統を無視して逆進する決断が正しかったかどうか。「一方通行」である区間は前進は出来ますが、出発信号を踏んだ後の逆戻りは基本的には出来ません。これでは安全確保の手配などただでさえ混乱する現場に余計な負荷を与えることになり、かえって復旧の妨げとなりそうです。

 本件でいちばん問題なのは、3649Mが19時43分ころの事故発生から20分以上走りつづけ、どうしようもない袋小路で抑止されるまで走ってしまったことです。防護無線が発報されているのなら一斉抑止のはずで、事故列車の3645Mは発報せずに指令に連絡、指令から各列車に通知という手順なのでしょうか。だいたい事故時刻に3649Mは大阪駅直前。3647Mも住吉−六甲道間ですから、進めるだけ進ませるやり方を取っていた可能性があります。で、3647Mは神戸で抑止、3649Mは手違いで三ノ宮を発車させてしまい、元町でも止められなかったと。

 どうやら東海豪雨の時の新幹線のように、行ける所まで詰めてしまったことによる悲劇といえますが、復旧時の早期回復や、詰まった後続のためには前進もやむなしであり、阪神間の場合、列車線(=外側線)は距離の割に大阪を出ると尼崎、西ノ宮、住吉、六甲道、三ノ宮しか止められないため(芦屋の副本線は本数の多い電車線のために使うでしょう)、そうしたい意欲は分かるのですが、適切な指示が無ければ暗転します。

2004.11.02 Update


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