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(過去ログNo.)

シルバーシート(優先座席)の功罪

投稿者---551planning(1999/01/24 23:42)

阪急電鉄はこの4月からそれまで1車両につき一部区画であった優先座席を全座席に拡大すると発表した(01/22日経朝刊報道)。全席を優先座席にするのは全国初の試みだそうだ。
美濃部東京都知事が提唱した「優先座席」という発想は、1973/09/15から、都営バスの一部座席に銀色のシートがかけられた「シルバーシート」としてスタート、当時の国鉄や私鉄も順次導入した。「シルバーシート」たる名称は高齢者の白髪から採ったとされ、対象者に弱者たるイメージを与えないためともされたが、実際に銀色(灰色)のモケットとされて座席区分されていた。ちなみに関西私鉄では直接的に「優先座席」と呼称されていた。鉄道での導入に当たっては各車両の端部座席とする会社もあったが、概ね先頭車の端部座席のみとする会社が多く、長編成化で存在意義すら問われる位置付けになっていった。
平成時代になってJR東日本が1997/04から「シルバーシート」の名称を「優先席」に解消し、それまでの高齢者中心の位置付けから身障者・妊婦・乳児連れなどの人も対象と明確化した新シンボルマークを策定し、対象座席も各車両の端部座席に大幅拡大、時を同じくして営団地下鉄もシルバーシートの対象座席の各車拡大を行った。その流れの中で、ついに「全座席」拡大という方向性が生まれたのである。

日経記事では「ただ新システムが期待通りに成果をあげるかどうかは乗客のマナー頼りで『逆に優先座席が有名無実化する心配もある』との声も出ている」としているが、それまでのシステム自体がマナー頼りだったわけだから、そんなに心配することは無かろうと、私は楽観的に考えている。というよりも、そもそもこの「優先座席」を分離・特殊化するという概念こそが無理のある考え方ではなかったか。ある意味「シルバーシートには座らない」というお年寄りもいた事実があったりする。「差別」という言葉を軽々しく使う気はないが、そこだけに特定してマナーをアピールことこそに限界は無かったか。とはいえ、バスでの導入は全座席数の中での「優先席」という存在が大きいことや、実際運行時の危険性を考えると着席確保の点で大きな意義があることも否定できないし、現に有機的に機能していることも事実だ。といっても所詮はどの席でもマナーとして譲り合うことが本当のところなのだが…。
最近はより広い視点での「バリアフリー」たる考えが重要視されているが、どうもハード面ばかりに目を向けられがちだ。確かに段差の解消やスムーズな移動空間の確保といった視点も重要ではあるが、ヘッドフォン音もれや携帯電話問題、ベビーカーの電車内利用解禁など、まず自己責任ありきというソフト面で改善すべき点は多々ある。といっても、各交通機関運営体レベルでは限界がある問題というよりも、社会全体のマナー・道徳観そのものを考えなければならないところまできているのは悲しい限りである。
マナーや道徳といった堅苦しいものとして捉えていることが疑問ではないか、という考え方もできる。それまで車両端部という比較的目に付かないところに追いやられていた発想を改め、車両の中ほどにステッカーを掲示するのも考え方としては必要でないか。京王電鉄では側窓と戸袋窓の間のスペースにマナー掲示を実施していて好感が持てる。一方JR東日本では乗降扉内ガラス面に続いてその上部にも広告を掲示しはじめている。ひっくり返すと注目されるスポットだから、ということになろうが、こうしたところに継続的にマナー掲示することが求められよう。乗降扉内ガラス面も当初は駆込み乗車の危険を訴えるものだったのが最近はすっかり広告化している現実もあるのだが…。

「どういう形を採用するにしても、粘り強くPRしていかなければ新しいことは定着しない。思い切った発想の転換をして、優先座席を特定しない形を採り入れることにした」と阪急電鉄。頼もしい言葉であると同じに、ここまで辿りつくのに四半世紀もかかってしまった…という感慨を覚えざるを得ない。

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優先席増設の前にやることはないのか?

投稿者---Tom氏(2001/11/30 08:44:37)

JR-Eの優先席増設のニュースが朝のNHKニュースにて流されていました。
それによると、本来優先席に座るべき人が優先席に座れない現象が発生しているため、1両あたり3席から6席へと増設するそうです。
乗客のマナーの問題はありますが、事の本質はそんなところにあるのではなく、JR-Eの場合は6扉車の増加や中電区間の4扉オールロング化など座席を減らす政策をとっていることに真の原因があると思います。

中電区間については通勤混雑も激しくなっており、ある程度の4扉車の投入はやむをえないとは思いますが、全てを4扉車にする必要などありません。京急のように運用の工夫をすれば、例えばクロスシート車をラッシュ時には逆方向で運用することで快速など比較的長距離を走る列車については多座席タイプの列車を走らせることは十分可能です。
埼京線にしたって、混雑が激しいから6扉車を2両投入しますといわれても、利用者の感覚からするとサービス改悪としか映りません。本来は増発か、埼京線のように増発が困難な路線の場合は編成両数を増やすことによって賄うべきでしょう。りんかい線が10両対応とはいってもまだ建設中の区間も多いため、今からでも15両対応に改造するなどの手はあるはずです。
また、JR-Eの場合は、高崎線などの日中において1両当り座席数が減っているにもかかわらず、平気で10両の快速を走らせていますが、あれだって快速だけでも15両化することによって立席客を大幅に削減することを検討すべきでしょう。

そういう環境の下でああいうニュースを聞いても「はいそうですか、それはいいことです」とはとてもいえません。
弱者に席を譲ることは当然としても、JRへ座席減に対する抗議の意味を込めて、快速アーバンが4扉車10連で、かつ熊谷から座れないときは新聞紙でもひいて床に坐ってやろうかと考える今日この頃です。

優先席=日本の恥ということのほうが重要では

投稿者---とも氏(2001/11/30 23:12:36)
http://blog.goo.ne.jp/koutsu-machi

ともです。

乗客のマナーの問題はありますが、事の本質はそんなところにあるのではなく、JR-Eの場合は6扉車の増加や中電区間の4扉オールロング化など座席を減らす政策をとっていることに真の原因があると思います。

そうでしょうか。これをJR-Eの座席を減らしていることが悪いというのなら、私鉄各社の遠距離ロング運用はどうなるとなります。西武の三峰口への2時間半ものロング運用や小田急の箱根湯本急行なんてとんでもないものになります。
それが真の原因であれば昔はどうなのかということです。さらに言えば山手線や中央快速、京浜東北では問題にならないのかということです。

なにが原因か。
それは、乗客のマナーです。そもそも「優先席」が存在することが不思議な話なのです。障害者や高齢者、妊婦、けが人に席を譲る。当然のことです。それをできないことが問題なのです。
確かに、こういった「交通弱者」側にたった人の中には優先席は当然という人もいますが、それは特別視しているからであって、譲ることが当然の世の中ならばそんな議論はおきません。
少なくとも、車椅子スペースを除き外国で優先席を見たのはソウルだけです。 まずはそこが問題なのでは?

中電区間については通勤混雑も激しくなっており、ある程度の4扉車の投入はやむをえないとは思いますが、全てを4扉車にする必要などありません。京急のように運用の工夫をすれば、例えばクロスシート車をラッシュ時には逆方向で運用することで快速など比較的長距離を走る列車については多座席タイプの列車を走らせることは十分可能です。
埼京線にしたって、混雑が激しいから6扉車を2両投入しますといわれても、利用者の感覚からするとサービス改悪としか映りません。本来は増発か、埼京線のように増発が困難な路線の場合は編成両数を増やすことによって賄うべきでしょう。りんかい線が10両対応とはいってもまだ建設中の区間も多いため、今からでも15両対応に改造するなどの手はあるはずです。

乗客によって考え方が違いますから一概には言えませんが、今の首都圏の人の動きを考えれば不可能に近いです。昔はある程度ラッシュが集中していましたから、それなりのダイヤの工夫で解決できました。
しかし、今の首都圏の場合、鉄道分担率の上昇(本当に上昇しています)とともに混雑の高い位置での平準化がされ、逆輸送投入などが不可能に近くなります。たしかに、運用を相当工夫すれば高崎線や宇都宮線の快速は3ドアセミクロスにできるでしょう。ただ、それには運用の制約が今以上に生じることをどこまで許容できるかということもあります。

短距離利用者が増大している以上、JR-Eの判断は今の時点では間違いとまではいえません。例によく出てくる関西圏のように需要が一定方向に集中せずに、うまく輸送計画が練られる(もちろん大阪への集中が超過しているが)ところであればいくらでもできますが、首都圏では今の施策で乗り切るしかないでしょう。

解決策は周辺都市への適切な分散しかないのかな・・・

Re:優先席=日本の恥ということのほうが重要では

投稿者---brother-t氏(2001/12/01 00:34:15)
http://brothert.web.fc2.com/

こんばんは、brother-tです。

う~ん、個人的には所要時間2時間を乗り通す需要がある程度望まれるようなケースの場合杓子定規に反対する気は無いですがロングシートは避けた方が良いと思います。そう言った意味では私鉄の長距離ロングはあまり良い事では無い事で西武に関しては飯能以遠でクロスシート車が走ったり、そのクロス車が無理をして池袋まで乗り入れてくるケースもあったりと気を使ってる様に感じます。そして中央快速や山手線では電車区間という事で少なくとも1時間以上乗る人はほとんどいないからこそ4扉ロングと取るのが自然でしょう。

なにが原因か。それは、乗客のマナーです。そもそも「優先席」が存在することが不思議な話なのです。障害者や高齢者、妊婦、けが人に席を譲る。当然のことです。それをできないことが問題なのです。(中略)少なくとも、車椅子スペースを除き外国で優先席を見たのはソウルだけです。まずはそこが問題なのでは?

確かに気持ちは分かります。ある落語家(確か立川談志だったと思う)が「今の若い衆には見栄が無い、俺らの若い頃は路面電車では座らないのがかっこいい…」と言ってました。 尤もだと思います。とは言えこの言葉は逆説的にマナーではこの問題は解決しないと言ってると僕は思います。と言うのは路面電車だったら乗ってる時間はせいぜい2~30分、距離だったら10km位と言った所でしょう、確かにその距離だったら僕でも立ってるかと思います。しかし距離50km、所要時間1時間以上位が乗客の主となる中電でそのマナーを当てはめるのには無理があると思います。確かに外国ではそうなのかもしれませんが、その前に50Km、1時間以上も痛勤電車に揺られるケースがあるかを考えてから考えた方が良いのではと思います。

今の首都圏の人の動きを考えれば不可能に近いです。昔はある程度ラッシュが集中していましたから、それなりのダイヤの工夫で解決できました。しかし、今の首都圏の場合、鉄道分担率の上昇(本当に上昇しています)とともに混雑の高い位置での平準化がされ、逆輸送投入などが不可能に近くなります。たしかに、運用を相当工夫すれば高崎線や宇都宮線の快速は3ドアセミクロスにできるでしょう。ただ、それには運用の制約が今以上に生じることをどこまで許容できるかということもあります。

一見もっともに見えますが、その前にJR自身がランダムなダイヤを組んで運用を複雑にしてるように見えます。それを改善した上でクロスシート車を投入し、4扉ロングシート車と2種類の車両で運用するくらいだったら今より返って単純になりそうな気がするのですがどうでしょうか?

短距離利用者が増大している以上、JR-Eの判断は今の時点では間違いとまではいえません。例によく出てくる関西圏のように需要が一定方向に集中せずに、うまく輸送計画が練られる(もちろん大阪への集中が超過しているが)ところであればいくらでもできますが、首都圏では今の施策で乗り切るしかないでしょう。

気持ちは分かりますが、湘南ライナーのため本数が少ない横須賀線や武蔵野線の「混雑率が高いのにその本数?」と言うのを見ると正直うなずけません。しかも国鉄倒産の背景等を考えると尚更です。

解決策は周辺都市への適切な分散しかないのかな・・・

う~ん、これも武蔵野線・南武線・横浜線の状況を見ると返ってひどい事になりかねないような…
なんか反論ばかりになってしまいましたがこれにて失礼します。

優先席という発想

投稿者---551planning(2001/12/01 02:09:16)

議論の方向性として分けておかねばならないのは、とも様が云うとおり、ハード的「着席提供」というポイントと「優等席」というソフト面での存在価値です。着席提供に関しては以前も議論しており、今後も盛り上がりそうなネタであるので、ここでは優先席のほうのみの返信とします。

手前味噌で恐縮ですが、約2年前に当方が指摘したとおり、昨年4月から阪急電鉄が導入した全座席優先席という考えを置いてほかに得策は無いように思います。それだけ、「席を必要としている方」に譲るという行為は至極当たり前ではないでしょうか。

ただし、上記記事中でも指摘している通り、優先座席という発想は路線バスにおいてすっかり定着しているといってもいいかと思われます。東京圏を中心に進行方向左側前部数席は優先座席として確保されており、着席のし易さおよび座席スペースの有効活用でロングシート化されたのも珍しくなくなりましたが、それゆえに鉄道と違って「専用席」的な印象が強くなっており、立ってでも優先席には座らないという傾向も多く見られます。
バスと鉄道で対応の違うものとしては、車椅子移動への対応でしょうか。着座席確保とスペースの兼ね合いから跳ね上げ式シートとして工夫されているバスと、ただ単に座席を切り欠いてしまう鉄道…しかし実際利用するとなると、ノンステ化が進んだとはいえ、ハード面・ソフト面(特に条項の対応が運転手中心になってしまいがち)ともにまだまだハードルの高いバスと、必ず複数の駅員・乗務員のサポートが得られやすい鉄道という、利用可能性に即した対応とも云えなくは無いですが、「着席提供」というサービスの観点からは鉄道側の対応は安楽的過ぎます。

ハードとして区切る、あるいは分離するということばかりが先行している感が否めないと思います。バスにおいて優先座席は成功したといえると思いますが、では他の席ではどうでしょうか…。上記記事では京王の車内掲出マナーシールについて好感を持っていましたが、各社に拡大した今となってはマナー(特に携帯電話)に関する案内放送に次いでしつこさというか、ここまで云わなければ…という思いを抱かせられます。各社工夫を凝らす携帯電話にしてもしかりかもしれません。もっともこれはもはや事業者レベルでの域を越えているのですが…我々利用者の、というよりも、人としての問題であると考えます。そしてこれは「着席提供」論における鉄道会社側の怠慢的な行為とは話を異にするものだと考えます。

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CSを総合的に考えないJR-Eは民間企業失格!

投稿者---Tom氏(2001/12/04 21:34:53)

Tomです。

利用者の弱者へのいたわりの心の欠如という点に関しては同意いたします。
この問題については2つの問題・・「優先席の存在がないと席を譲らなくなってしまった文化」と「座席数を削減するJR-Eの政策」の2点があるのは先刻承知しています。
但し、前者の問題について、座席の少ない車両を投入しておきながら昼間も増結すらしないJR-Eに「弱者優先です。席をお譲りください」とはいわれたくないというのがいつわらざる心境です(アンタにいわれたくない、というやつです)。

JR-Eのプレスリリースでは「まず山手線から実施」となっていますが、NHKによると主要線区に拡大するそうな。
もし、それを実行するならば、東京を起点に1時間以上運行する高崎線のアーバンや宇都宮線のラビットについては供給座席数の増加を図ってほしい。4扉主体ならば昼間でも15両で運転していただきたいと思います。
私のように新幹線定期があるため常に新幹線を使える者はともかく、そうでない人は熊谷付近から東京へ行くのにアーバンを使いますが、既に熊谷から坐れないことが多いです。
1時間も立ち席を強要する会社にCSなどあるのか? また、そういう会社がマナーを云々する資格があるのか? そこが問題です。
もし、アーバンなどでロング10両を主体とするならば、「座席は弱者の方にお譲りください。但し、長距離乗車の方は新聞紙などを敷き床に坐っていただいても結構でございます」ということになるのでは?
ただ、高崎・宇都宮以南の新幹線特急料金をカンテイカイ(定期券用新幹線特急回数券)の1枚あたりに相当する950円にまで引き下げ、「たにがわ」に誘致させられれば多少は話が違ってくるでしょう(更にその場合、東京-熊谷・小山の新幹線特急料金はB特急50キロ以内と同額の500円から750円程度が望ましい。ならばアーバン/ラビットが10両ロングでも文句は言うまい)。

要するに、JR-Eは経済合理性の追求が主になっていて乗客サービスがなおざりになっていること、及び個々の政策に整合性がないことが問題だと思います。
JR-Eも個々の職員は一生懸命にやっている人が多いと感じられるんですけどね・・・。

論より証拠というけれど…。

投稿者---551planning(2001/12/04 23:58:44)

どうも、551@まずはごめんなさい。
折角の議論スペースながら、レンタル元の都合とはいえ、丸2日半に渡って接続不能状態となりましたこと、御覧の皆様にお詫び申し上げます。
これに懲りてもう見ない、書き込まない…などと云わないで下さいね!

さてさて、Tom様の仰ること、確かに尤もです。
対極と云えるかはさておき、着席サービス向上を掲げて積極的に増結をしているのが京急ですね。土休日日中の品川-金沢文庫間快特を12連化するだけでなく、増結車を以遠本線普通車・逗子線直通運用とするなど策も進化しています。関東私鉄の中でも早くから乗客減に悩まされてきた同社だけに、この効果が如実に出ているとはいえないにせよ、羽田空港効果を軸に、他社に先駆けて回復傾向にあるという「事実」を軽んじることはできないでしょう。

JR-Eの施策は多くの厳しい目を向けられるのは、それだけの期待を背負っていることと、その期待を知ってか知らずか見事に裏切ってきた過去の積み重ねだからでしょう。かといって-Eの歩んできた道が完全に間違ってきたかといえばそうも言い切れなかろうと。
重い債務負担を抱えるという「特殊」株式会社形態にあって、新車導入に積極的に取り組んでいる(何気に「ドル箱」以外の地域での体質改善が進んでいる)ことや、トータルシステムの再構築を進めることでの総体的な諸機能向上とコスト減と追求する姿は、さすが世界最大の鉄道会社たるものであると評価でき得るものであると考えます。その最たるものは、消費税転嫁以外に運賃を(あくまで運賃を)15年も変えてこなかったということではないでしょうか(-Cや-Wもそうではないか、という話は別の機会に)。

その流れにおいて、増結をするのとしないとではコストがどのように違うのか、すれば確実に旅客が取り込めるのか、という判断において-Eが採ったのは「しない」ということだったのでしょう。確かにそれを明確に説明することが-Eへの信頼につながるものだとは思います。しかしながら現実として、-Eの利用率が年々低下しつつある、という話を聞くに至っていません。
違うアプローチで-Eを「弁護」するとすれば、東北・高崎線方面は新車置換中であり、運用上のあやもあるでしょう。あるいはダイヤの制約は京急とは比べ物にならないはずです…もっとも、京急は従前連結不能とされてきた2000形を改造して対処しましたし、E217で統一されている総武快速-横須賀線がいまだに日中11連の場合がありますからねぇ…。

1時間も立ち席を強要する会社にCSなどあるのか? また、そういう会社がマナーを云々する資格があるのか? そこが問題です。(略)
要するに、JR-Eは経済合理性の追求が主になっていて乗客サービスがなおざりになっていること、及び個々の政策に整合性がないことが問題だと思います。

公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。「民間企業」として求められていることは何か、という問いへの答えが湘南新宿ラインでありSuicaであり、あるいは「料金」徴収列車の強化というカタチで現れてきています。意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。
-Wの「アーバンネットワーク」との比較がよくなされますが、現実論として-Eが受け持っている輸送力は-Wが開拓してきたそれとは比にならないものであり、別の見方からすれば、これまでは機が熟していなかったともいえましょう。
-Eが「本気」を出してきたら、並行私鉄はどうなってしまうでしょうか…今時点で-Eがパワーバランスを採っている、というつもりはありませんが、よく云われる「殿様商売」もこれからは徐々に通用しなくなってゆくでしょう。「湘南新宿ライン」が試金石と見られますが、その中で-Eがどのような策を繰り出してくるか…評価はそれからでも遅くはない、むしろそこから利用者の厳しい評価に晒されるのではないだろうか、と当方はうすうす感じております。

JR-Eをどこまでならかばえるか

投稿者---とも氏(2001/12/05 23:15:52)
http://blog.goo.ne.jp/koutsu-machi

ともです。

JR-Eの施策は多くの厳しい目を向けられるのは、それだけの期待を背負っていることと、その期待を知ってか知らずか見事に裏切ってきた過去の積み重ねだからでしょう。かといって-Eの歩んできた道が完全に間違ってきたかといえばそうも言い切れなかろうと。(以下略)

少なくとも、私がJR-Eを弁護したくなるのはこの姿勢です。
JR-Wの姿勢と比較されますが、少なくとも競争の無い区間にも新車を導入し、地方都市でも新車投入を進める姿勢はやはり評価しなくてはならないでしょう(JR-Wの地方線区と比較してみてください) 。

違うアプローチで-Eを「弁護」するとすれば、東北・高崎線方面は新車置換中であり、運用上のあやもあるでしょう。あるいはダイヤの制約は京急とは比べ物にならないはずです…もっとも、京急は従前連結不能とされてきた2000形を改造して対処しましたし、E217で統一されている総武快速-横須賀線がいまだに日中11連の場合がありますからねぇ…。

難しいのはJR-Eの場合、首都圏の車両基地が郊外展開してしまっており、段落ちがやりにくいという問題があること、逆需要が小さく結局は空気を運ぶことになりコスト高になるということがあります。

公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。「民間企業」として求められていることは何か、という問いへの答えが湘南新宿ラインでありSuicaであり、あるいは「料金」徴収列車の強化というカタチで現れてきています。意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。

これは確かにJR-Eには旗色が悪いですが・・・
ただ、武蔵野線や横須賀線の話もありますが、仮に増発したとしてどうでしょうか。これ以上乗客が増えるでしょうか。結局、コストが上がるだけでは?としか思えません。
マナーに関してはもし言わなかったらどうでしょう。それはそれで批判されるでしょう。
結局のところ、JR-Eの評価を乗客がどう考えるかです。

-Wの「アーバンネットワーク」との比較がよくなされますが、現実論として-Eが受け持っている輸送力は-Wが開拓してきたそれとは比にならないものであり、別の見方からすれば、これまでは機が熟していなかったともいえましょう。

分担率で言えば、首都圏ではこれ以上鉄道分担率が上がることは考えにくいです。ということは-Eの姿勢はある意味で一つの考えともいえます。
地方を切って都市部で儲ける-W型か、地方にも都市部にも新車を導入する-E方式かということかなと思います。

結局は民間企業のJRにどこまで公共性をたてに文句が言えるかなのです。
今、日本は規制緩和の方向に向かっています。早速その弊害が出たといえます。
すなわち、儲けるためならそこまでせざるを得ないのです(実際、交通機関分野を積極的に規制緩和したイギリスは同じようなことが起きている)。
海外のような上下分離がなぜできなかったのか、公的セクターはどこまで関与すべきだったのか。そういった議論なく、「民営化&規制緩和がよい」としてきたことにそもそもの原因があったとしか思えないのですが・・・

ではでは

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか

投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/06 01:16:58)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

前の携帯電話にしても、今回の優先席にしてもそうですが、個々の方針については至極もっともであり、しかも他に先駆ける先進性すらあるというのに、なぜ批判されるのでしょう。
結局、マナーはマナー、サービスはサービスといっても、ユーザー側から見ると使い勝手という面ではボーダーレスになるのであり、その本来は歓迎すべきマナー論がなぜかサービスの手薄な面を直撃してしまう不幸な?巡り合わせが原因でしょう。

例えば携帯電話は、車内で急な連絡や到着時間の連絡をしたくなるような事故多発やランダムダイヤと相性が悪いですし、今回の優先席は着席サービスの低下傾向に拍車を掛けかねません。少し遡れば、車内の飲食ガラなどの問題解決をロングシート化に求めることで、居住性や着席定員が劣化しました。
厳しく言えば、これは巡り合わせなんかではなく、本来マナーはサービスにしわ寄せする形で解決すべきでなく、また単独で解決できるはずの問題なのを、サービスの分野で処理しようとしただけともいえますが。

***
価格の問題については、据え置きを何処まで額面通り評価するかです。
評論家は値上げ回避を高く評価しますが、ユーザーが「JRは値上げもせずに頑張っているから良い」と評価しているわけではないと感じるのは私だけでしょうか。

取れるところから取るといった感のある均一回数券の廃止やライナー券の値上げ、今回の企画乗車券の見直しという実質値上げは批判が多いですが、サービス水準の維持や経営の安定化といった側面を持つ一定額の値上げまでユーザーは否定するでしょうか。
価格破壊、安売りオンリーの路線を続けて最終的な覇者となったケースはなく、逆に無理な安値攻勢で「安かろう悪かろう」のイメージを植え付けてしまい悪循環に陥るケースが流通などで見られることはご高承の通りです。

座りたければ500円、早く着きたければ500円と迫られるのと、20円値上げするから無料の着席サービスや快速サービスを拡充、というので、どっちがユーザーの支持が得られるか、ということです。

***
結局、民営化や規制緩和というような器の問題を云々するのではなく、どうのような輸送・運輸・移動サービスを提供するのか、という質の問題こそが今後求めないといけないはずです。
公共サービス部門においては、公的セクターが、かくあるべき「質」を条件にして、輸送などのサービスを請け負う業者に運営させるというようなPFIスタイルの事業に、今後は転換していく必要性を感じます。

独占の弊害を排除するための「料金規制」「参入・退出規制」を緩和したとたん、独占の弊害が現れるようでは、その規制緩和といったスキーム自体に何かしらの問題があるということを認識すべきでしょうね。

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか

投稿者---Tom氏(2001/12/08 08:43:40)

Tomです。亀レスで恐縮です。

JR-Wの姿勢と比較されますが、少なくとも競争の無い区間にも新車を導入し、地方都市でも新車投入を進める姿勢はやはり評価しなくてはならないでしょう(JR-Wの地方線区と比較してみてください) 。

上記のような姿勢は確かに評価されることだと思います。でも、それが何故批判されるのか? それはJR-E自身が「新車を導入し、混雑率を低下させました」などと表現しておきながら、実際は「立席定員」を増やしたための混雑緩和などというまやかしの手段を使うからです。
私は少なくとも交通機関は着席サービスを提供するのが基本だと思っております。例外は朝夕ラッシュ時及び山手線内移動などのごく近距離に限られるべきでしょう。
山手線については短距離利用者が多いこと、繁華街が密集していることなどから次期新車導入時に6扉車比率をアップさせるのはやむを得ないと考えます。
しかし、埼京線の6扉2両化や高崎・宇都宮線のE231系導入に伴う座席減は容認できないと思います。ラッシュ対策から1両あたりの座席定員減はやむをえないでしょうが、単位時間当たりの総座席供給量を減らすことが問題なのです。
115系から切替る際、アーバン/ラビットだけでも快速専用車にはできなかったのか、もしそれが無理なら快速は終日15両編成で走らせられないのか、ここを問うているわけです。
混雑するアーバン/ラビットをE231系化した上に10両編成で放置していることには怒りを禁じえません。

東北・高崎は系列事態は211系及びE231系の2系列に集約されつつあり、これに快速専用車を入れたとして3系列です。そんなに大きな制約はないのではないかと考えます。むしろ他社車両が大量に乗り入れかつ専用車(快特用2100形及び普通専用800形)もある京急の方がよほど制約が大きいと思いますがいかがでしょうか。

公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。(中略)意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。

本来、「民間企業」とは顧客から選ばれなければ市場から退場を宣告されるものですが、JRは独占企業ですから。
独占状態を排することは事業特性上難しいので、顧客サービス向上について何らかのチェックが必要になると思います。

マナーに関しての啓発活動というより、私は上記したように自ら座席供給総数を減らしながら優先席だけは増設しようというJR-Eの姿勢がおかしいと感じる次第です。これが山手線だけに留まるならば上述の理由により文句はいいませんが、中電まで同様の措置をとることには強く反対します。
中電については優先席増設と混雑列車の15両化を1パッケージとして考えるべきでしょう。
また、高崎線の場合、快速を15両化すると籠原での増解結が発生しますが、これを同処理するか課題の1つです。15両が止まれない岡部・神保原・倉賀野のホームを延伸するか、または5両締切りにするか、増解結するのか、どれがいいか? 私は、用地の問題は少なそうなのでホーム延伸してもらうのが一番いいと思いますが、ここは意見が分かれるところと思います。

JR-Eが「本気」・・。出してほしいですね。顧客サービス向上の方向に。
ただ、並行私鉄は京急や京王など、ごくわずかだと思いますのであまり大きな影響はないのではないかと思います。仮に東海道がスピードアップした場合、線形の問題から京急は2100でも速度面では太刀打ちできないでしょうが、京急は羽田連絡や着席サービスという別の面の魅力がありますし、その点が理解されればさほど利用者が減少することはないでしょう。
むしろ、大幅にサービスを向上させてくれるのならば、私は5%程度の値上げは受け入れます。

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか・・茶々で失礼

投稿者---樫通氏(2001/12/08 17:16:55)

個人的にはガーラ湯沢の債務をどうこうするという記事を目にするたびに、全くかばう余地なしと考えてます。本業が苦しいのでコストダウンと言うのは同乗するのですが、鉄道が今後役割を主張すべき都市間輸送(首都圏以外)などで利用客から見放されるような施策をするようなコストダウンをしている背景に副業の誤算があるというのがどうにも不愉快です。さらには飛行機で済むようなエリアにわざわざ新幹線と言うのも個人的には不愉快です。鉄道ならではの存在価値を充分高めたうえで、余力で領域を広げるのならともかく、クリームスキミングで他のエリアにちょっかいを出す一方で本分を忘れたようなていたらくというのがどうにもいらいらとします。

・・・といっても湘南新宿ラインは見守っていきたいなぁと思いますが。


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