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(過去ログNo.)

気掛かりな美祢線の今後

投稿者---551planning (2010/07/23(Fri) 13:37)

昨年7月の防府豪雨災害の記憶がまだ残る山口県を、今年も豪雨が襲いました。山陽小野田市を中心に1500棟以上の家屋に浸水被害が出るなど大きな爪痕を残していますが、一方で全国で2桁に上ってしまった人的被害は死者ゼロだけでなく負傷者も確認されていない(07/22現在総務省消防庁発表資料)のには、昨年の経験が活かされた面もあると評価すべきかと。

県内JR線は07/13以降、山陽新幹線を含め一時麻痺状態に陥りましたが、07/17までに順次運転を再開しています-その中、未だ復旧していないのが美祢線。JR-W運行情報サイトでも07/15夕方の段階で『災害のため相当の期間運転を見合わせます』とされていたのですが、07/19には『湯ノ峠駅~厚保駅間で橋りょうが流失し、四郎ヶ原駅~南大嶺駅間では盛土が流失しており、運転することが不可能な状態になっています』『道路についても、通行止め等があり、バス代行等は実施しておりません』と悲痛感漂う具体的表現に。その後『厚狭川の橋梁流失等が発生したため』とまとめられ、07/21から全区間でのバス代行輸送も開始されてはいますが、厚狭~美祢間4駅(湯ノ峠・厚保・四郎ヶ原・南大嶺)については沿線県道の通行止め等により非経由直行とされています。

ブログ等で現地写真も掲載されているところ、既に重機が入っている様子も垣間見えますが、『復旧については、相当の期間を要すると見込まれる』とはされているものの、個人的には果たして復旧されるのか…と強く懸念しています。

***
まず、類似例としてJR-C名松線の状況があります。こちらは2009年10月の台風18号災害により、家城~伊勢奥津駅間の38か所で被災し不通に。現在もバス代行輸送となっていますが、JR-Cは発生当月に同区間について事実上廃線とする輸送計画案を発表し地元自治体に打診したものの、反発を受けその後は暗礁に乗り上げている-という状況です。名松線不通区間は山間の区間で橋梁も多いのですが、橋梁流出等大規模な支障は発生していません。
JR-Cとしては仮に復旧しても以後の被災リスクまで対応できないということなのでしょうが、実は1982年にも台風災害で伊勢竹原~伊勢奥津駅間で長期不通となり当時の国鉄も廃線方針を打ち出しましたが、地元の強い反発などにより結局10ヶ月間で全線復旧にこぎつけています。今回は復旧作業も行われていない様子、JR-Cとしても本気なのでしょう。

ここで近年のJR-W被災路線状況を思い起こすと、九頭竜線と三江線が特筆されましょう。九頭竜線では、2004年7月の福井豪雨に伴い足羽川に架かる5橋梁流出などで一乗谷~美山駅間が長期不通となり、総工事費40億円を国と県・JR-Wが負担し3年越しの2007年6月に全面復旧しています。三江線では、2006年7月豪雨に伴い江津本町~石見松原駅間の38か所で被災が確認され全線不通に。沿線の道路整備も進んでいないことなどから島根県などが復旧を強く要請、秋から15億円ともされる工事費をかけた復旧作業が行われ、12月に浜原~三次駅間で運転再開、2007年6月にほぼ11ヶ月ぶりに全面復旧していますが、こちらも橋梁流出がなかったのがポイントになるやも知れません。
特に九頭竜線では廃線の危機も一時囁かれた状況もあり、美祢線においては盲腸線でないなど条件がよさそうにも思えるのですが、そこで気になるのがJR-W佐々木社長が今年4月の記者会見で一部赤字ローカル線のバス転換検討-というハナシです。確か産經等ごく一部が報じ、その後続報が特段聞かれていない点では進展がない、ということなのかもしれませんが、九頭竜線や三江線復旧時の状況とはかなり様相が異なると考えるべきとも思われます。

その意味で美祢線の現状ですが、いちばんのトピックとしては2009年10月の定期石灰石輸送列車の廃止でしょうか。1981年の国鉄再建法に伴う路線指定の際、多量の石灰石輸送により地方交通線でなく幹線指定されたのは知られた話ですが、その主要顧客であった宇部興産は1960年代後半以降の国鉄のスト頻発と度重なる運賃値上げを受け自社で専用道路整備を進め、1977年の専用道路部および1982年の興産大橋完成により順次専用トレーラーによる輸送に移行し、同社の貨物列車輸送は1998年で終了しています。その後重安(太平洋セメント重安鉱業所)→宇部岬(セントラル硝子宇部工場)間の石灰石列車と美祢(宇部興産伊佐セメント工場)~山陰本線岡見(中国電力三隅火力発電所)間の石灰石/フライアッシュ輸送列車が残っていましたが、現在は後者のみとなっています。

太平洋セメント石灰石列車の廃止理由は車齢が40年近くとなっていた“赤ホキ”ことホキ9500形貨車の老朽化とされており、宇部興産専用道路も経由する大型トラック輸送に換えられた由。宇部興産の中国電力輸送列車は1998年からで貨車もその際に新製されていますが、こんどは牽引機関車の老朽化が問題となりつつあり、特に山口線内急勾配対応でDD51重連運用になっている点などからしても、代替輸送の目処がつくならば…という可能性も否定できません。
そもそも1989年度で年間乗車人員が53.5万人、貨物輸送量が約5700tだったのに対し、2008年度で年間乗車人員が24.7万人、貨物輸送量が約800tとなっています。乗車人員も20年で半減、輸送密度が700人弱/日とは大きいですが、1998年度で宇部興産輸送が約5000t減、三隅発電所輸送が約300t増となったものの、太平洋セメント分が約500t落ちることで、まさしく厳しい状態になったということがお判りいただけようかと。(以上数値は山口県統計年鑑より)

***
07/21開催の定例会見リリースが出ていますが、第三厚狭川橋梁の流出状況上空写真には言葉を失います。佐々木社長は『美祢線については、大変大きな打撃を受けており、現時点復旧の目途が立っておりません。今後、被害状況の実態を把握し、あわせて関係箇所との調整を図りながら、復旧工事に着手していきたいと思っております』とコメントしていますが、今後の焦点は地元自治体の出方にかかっているとも思われます。

美祢市や山陽小野田市の地域公共交通関連諸計画を斜め読みする限り、美祢線の位置付けや今後について深く捉えられていると読み取ることは、少なくとも当方にはできないものでした。JR-W側としても、秋芳洞や金子みすゞといった沿線観光要素がありながら、厚狭駅新幹線開業(1999年)前後で大きな活性化策を図ったわけでもなく、みすゞ潮彩号の山陰本線経由も広域流動に即していると言わざるを得ません。近年地域的に熱心な産業観光との関連も図られていないのが実情です。

三江線の場合には地元の危機感が1ヶ月以内での早期復旧要望等につながった経緯が確認できるのですが、果たして美祢線の場合にはどのような展開を見せるでしょうか。

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『まれに見る被害』、復旧までに1年以上-JR-W広島支社長会見

投稿者---551planning (2010/07/29(Thu) 07:16)

07/28、JR-W広島支社長が記者会見を行った旨報道されています。現時点で確認できる4社記事から概要を拾ってみると-。

■記事中の支社長発言とみられる部分(カッコ書き記述)

  • 美祢線の完全復旧には1年以上かかる。部分的な運行も難しい〔中国〕
  • 元の形で復旧するかどうかということも含めて山口県と協議しなければならない。1年というのは絶対でそれ以上だ。何年というのはなかなか申し上げづらい段階〔山口放送〕
  • 流失した第3厚狭川橋梁について、元の形で復旧するかどうか山口県とも協議しなければならない。復旧工事用の道路が近くにないので大きな資材や工事用車両の搬入が非常に難しい現場。川の水が少ない時期にしか工事ができないなど、不確定要素が多い〔山口新聞〕
  • 橋の流出と同時に美祢線全線を集中制御しているケーブルが断線したため部分的な再開は難しく、現場の状況から橋の工事時期も限られる。どんな形で復旧させるか地元との協議が必要〔産經〕
  • 広島支社の歴史を振り返っても、まれに見る被害〔朝日〕

■広島支社のコメントとして記載

  • お客様にはたいへんご迷惑をおかけしますが、関係機関の協力も得ながら早い時期に復旧できるよう努めます〔NHK〕

●4社記事からの発表概要

  • 今回の山口県内でのJR施設被害は7路線(山陽本線・山陰本線・美祢線・宇部線・小野田線・山口線・岩徳線)で、線路脇の土砂崩壊7カ所、線路の盛土崩壊9カ所、線路への土砂流入4カ所、鉄橋流失1カ所。ケーブル断線など電気系統の故障も7カ所で発生。県内の鉄道被害の多くが美祢線に集中している。
  • 美祢線の被害確認は15日の線路点検時。厚狭駅構内冠水のほか、四郎ケ原~南大嶺間で線路の盛土崩壊(約20m)、湯ノ峠~厚保間で第3厚狭川橋梁(63m)流失、線路盛土流出(237m)。橋梁流出により列車を集中制御するケーブル(註:CTCか)も断線、部分的な運行(註:美祢~長門市間か)も難しい。
  • 第3厚狭川橋梁の復旧については、現場近くには道路がなく、工事車両も入れない状態。工事実施も川の水が少ない時期に等の制約もあり、地元との協議が必要との認識。
  • 07/21から全線で代行バスを1日22便運行、美祢線が復旧するまで運行する予定。厚狭~美祢間利用者数は約350人/日(註:全線の2008年度乗車人員は676人/日、美祢駅乗車人員は447人/日[山口県統計年鑑])。
 

なお美祢市役所は、県道33号下関美祢線の被災により代行バスが通過となっている市内3駅(厚保駅前バス停・四郎ケ原駅・南大嶺駅)と美祢駅間を結ぶシャトルバスを07/26から運行しています。県道復旧により代行バス経由化までの暫定措置で、運賃は無料とのこと。おそらくマイクロバスベースかと思われ、JR-Wではこの情報を伝えていません。また、山陽小野田市内となる湯ノ峠駅については対応はない模様です。

代行バス全駅停車化

投稿者---551planning (2010/08/07(Sat) 10:47)

本日08/07より代行バスが変更となりました。厚保駅付近土砂崩落の影響で通行止めとなっていた県道33号線が片側交互通行ながら開通となったことを受け、それまでのR316号経由との2本建ての運行に。なお、美祢市が運行していたシャトルバスは終了となったほか、代行バスがこれまで通過していた各駅については、湯ノ峠駅がR316経由便、その他4駅は県道33号線経由便が停車することとなり、いずれも美祢駅で長門市方面含め乗換に。なお厚狭・長門市駅で他線接続できない場合もあります。

また、山口県はJR-Wに対し「美祢線の早期完全復旧にかかる緊急要望」を実施。08/05付で広島支社長に、翌日に本社鉄道本部長に行っていますが、県サイトによる「要望に対する主な発言」では、

【杉木孝行 広島支社長】
 県より頂いた要望を踏まえ、検討を進めていく。
 最善の方法により、県と連携を図りながら、早期の復旧に向けて取り組む。
【西川直輝 代表取締役副社長兼執行役員鉄道本部長】
 JR美祢線は経営的にも厳しい路線であるため、災害復旧対応については、様々な角度から検討していく必要がある。
 今後、地元と連携しながら、復旧後の利用促進問題も含めて、検討していきたい。

と、とくに後者のニュアンスが大変微妙にも受け取れるのは、気のせいでしょうか…。

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ホンネとタテマエに垣間見える厳しい展望

投稿者---551planning (2010/08/12(Thu) 15:13)

やはりこのような話が出てきましたが…。

山口県サイトの知事記者会見録アップを待って“公式見解”をを確認補足したいと思いますが、まずは各種記事を総合しておくと、08/06の副知事による美祢線早期復旧要望に対し、本社鉄道本部長から「近年の利用状況から本来的に廃止したい路線」という趣旨の発言があった旨の報告があり、復旧には地元の熱意が必要として地元3自治体を中心に利用促進協議会の早期設置を促す考えを示した-とのこと。
先に紹介した山口県報道発表における“微妙なニュアンス”がより具体的な「廃止」という言葉で告げられていた可能性がありますが、この知事発言に対しJR-W本社広報部は『廃止したい路線とは言っていない。復旧を前提に話をした』『できるだけ早期に県などと(復旧に向けた)協議を進めたい』〔中国〕としたほか、「『どうしてそういう発言になるのだろうか』と不信感を募らせた」〔毎日〕とも。

知事は「早いほうがいい、9月までには作らないと」と、県としてもさまざまな形で協力する方針-とも伝えられていますが、地域公共交通活性化法を念頭に置いているとは思うものの復旧費はまた別の話ともなるだけに、“存廃論”というカタチでまず県がカードを切ったことが、更にJR-W本社サイドが反発とも取れる反応を示していることが、今後どのような展開を見せることになるのか-知事発言をホンネ、JR-Wの反応をタテマエだとしてしまうのは現段階ではまだ早いのかな、というのが当方の率直な感想です。

時同じくして、あくまで土砂崩落事故に関する調査検討委員会を立ち上げ、自社方針を明確化しようとしているJR-E岩泉線の動向があり、JR-C名松線の状況を含め“横睨み”な展開となりつつあるのは、なんともはやな気分にさせられるのですが。

知事記者会見を読む

投稿者---551planning (2010/08/14(Thr) 22:45)

県サイトに出ましたので、長いですが当該部分を転載しておきます。

山口放送(KRY)

話は変わるのですが、JR美祢線の関係なんですが、県としては、JRの方に要望もされていますけれども、その美祢線の復旧に当たって、県がどのようにコミットしていくのか、たちまち、9月議会がありますけれども、県として、何か予算化するようものが出てくるものなのか、どうなのかを教えていただけますか。

知事

私が留守中に、副知事が、JR西日本本社にお伺いして、緊急要望、早期復旧要望をしました。その際、副社長から、美祢線は近年の利用状況から、本来的には廃止をしたい路線と位置付けているというような大変厳しい指摘がありました。そういう状況の中での今回の災害ですから、地元として、やはり利用促進について、かなり本気でやらないといけないのではないかと。利用促進策も地元として出しながら、JRに早期復旧を求めるという姿勢が非常に重要になってきているのではないかと思っております。
従いまして、利用促進対策を進めていく、何らかの体制を、これも早急に整備しなければいけない。それもやはり、地元が中心になって利用促進対策をしていただかなければいけませんから、美祢市、長門市、山陽小野田市を中心に、そういう検討する場を早く作っていただくように、県としては、これからお願いをしなければいけないと思っております。
それから、工事の方も、私どもがやらなければならない工事は、災害復旧の関係の工事が当然あります。これもJRの復旧の工事と連携をしてやらなければいけませんから、その辺の技術的な検討は両者で進めていくということです。
ただ、具体的な復旧対策、復旧事業として進めていくということになれば、利用の問題もこれから出てくる可能性もありますから、今申し上げましたような利用促進対策を同時並行的にやっていきたいと思っておりますが、直ちに9月議会で、その関係の予算を出すということは、なかなか難しいと思います。いずれにしても、災害復旧事業の方は、さらに精査をして、9月補正で必要なものがあれば、さらにやっていくという形になります。

山口放送(KRY)

知事が聞かれた感想として、JRは一応は復旧をやってくれるんですか。廃止とてんびんに、今かかっている状況なんですか。

知事

一応、廃止ではなくて、復旧することを前提にしながら、今、技術的な協議を進めていますけれども、副社長から、美祢線の利用状況に対して、非常に厳しい指摘がなされておりますから、廃線にならないようにしていくためには、やはり、地元としての努力も、当然、必要だと私どもも認識をしております。その対策を同時並行的にやっていくということで、JR西日本に理解を得る努力をしなければいけないと思います。

朝日新聞

それは、宇部空港にあります利用促進協議会とか、そのようなものを、県が音頭を取って作るということになるのですか。

知事

県が提案をして、ということになります。ただ、やはり、地元の皆さんが本気になってやっていただかなければなりませんので、地元を主体に、今、お話しがあったような、まだ名称まではどうかと思いますけれども、協議会的なものを、行政と地域の民間とが一緒になって作っていただければと思っております。

朝日新聞

何月ころに作りたいと。

知事

早い方がいいですから、9月くらいまでには作らなければいけないと思います。急いでできるのだったら、8月ということもありますけれども、9月中には作らなければいけないと思います。

山口新聞

それはあくまでも、関係自治体が主導となってやるものであって、県が主導ではないということですか。

知事

そうです。もちろん、県もいろいろな形で協力はしたいと思いますけれども、やはりあくまでも地元沿線の地方自治体、それから民間の皆さんが中心になってやっていくということにしてもらいたいと思っています。まだ、具体的に働きかけをやっているわけではないのですけれども、私としては、そういう方向で地元にお願いしたいと思います。

山口新聞

もう近いうちに3市にはお願いをされるということですか。

知事

はい、できるだけ。

山口新聞

それと、利用促進問題を、副社長が副知事に、あらためておっしゃったということは、復旧はあっても、後々は廃止になる可能性もあるということですか。

知事

私は、そこまではよく分かりませんけれども、少なくとも、今の利用状況が非常に悪くなっております。正確な数字は忘れましたが、去年、1日に約600人台です。確か、私が知事になりました平成8年ころは、1,100人か1,200人くらいあったと思いますから、10数年の間に半分くらいになってしまったという感じです。従って、非常に利用客が減ってきているということもあります。

山口新聞

おそらく、生活路線だと、途中の駅で2人くらいしか乗降客がいないというところもあるらしいのですけれど、そうなると、観光とかでやっていかないと生き残れないのかなと思うのですけれど、そういうときに、やはり県が主導、広域行政の県として音頭を取るべきではないのかなと思われるのですけれども、早期復旧を要望した県の立場として、あらためて、JRの方に、これだけの利用促進をやるので、という説得というのはないのかなと。

知事

観光としての部分もありますけれども、やはり生活路線ですから、生活面を中心にして、まず地元が、利用をこれからさらに増やしていくのだという、その努力が、まずなければ、観光だけでということになれば、いずれまた問題が起きてくると思います。しっかりと地に着いた形で、利用ができるような形ということになりますと、やはり地元が積極的にこの問題に取り組むということが大事です。もちろん観光面からということになりましたら、県も、その辺の具体的なことについては、いろいろ知恵を出していきたいと思います。

中国新聞

今、1日600人台という話がありましたけれど、JRが存続を決めるためには、何人くらいまで引き上げたいということですか。

知事

そこまで具体的な話はなくて、先ほど言いましたようなことが、副社長から発言があったということですから、やはり利用状況がかなり問題になっていると、私どもとしては認識したということです。

 

某紙記事では『県もさまざまな形で協力するとした』とありましたが、「県もいろいろな形で協力はしたいと思うが、あくまでも地元沿線自治体等が中心になってもらいたい」というのが正確でしょうか。協議会設置を促すものの県主導ではないことを再三強調している点が印象に残りました。観光面などで県主導の支援は?と向けられても、あくまで生活路線としてどのように利用増に結びつけるかが大前提であるという点も首肯できるのですが、一方で厳しい現実があるよ…というのを行政の立場としてオープンにした、という印象を受けます。

ともあれ、地元美祢市が早速反応を示しており、9月中の協議会設置も見えつつあります。まずは協議会がどのような進展を見せるか、でしょうかね。

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風向きは変わったか-美祢線復旧問題、その後

投稿者---551planning (2010/09/19(Sun) 12:51)

08/11の山口県知事会見から存廃論がクローズアップされたJR-W美祢線、9月に入って風向きが変わってきたようで…。

廃線となると鉄路を失う美祢市を中心にプロジェクトチームが立ち上げられ、09/17には山陽小野田・長門と3市長をはじめとする委員19人による「JR美祢線利用促進協」が発足。観光・物流・日常利用の3点から促進策を来年3月までに取りまとめJR-Wに提示する方針です。
県もバックアップしており、09/22からの県議会で審議される今年度一般会計補正予算案に盛り込まれた大雨災害対策事業費26億円のうち、美祢線復旧関連の厚狭川改修を県単独事業として2億8000万円を充てる方針。更に来年度にも3億弱を上乗せし総額5億3000万円を見込んでいます。09/15の定例記者会見で知事は『とにかく、今回は、美祢線を何としても復旧させたい、廃線になってはいけないという思いで、JR西日本と精力的に協議を続けてきました』『県の単独河川改修事業についても、できるだけ公共事業として、取り込んでいけるものについては、積極的に取り込んでやるという形にしております』とコメントしています。
その前、09/08にはJR-W広島支社長が橋梁復旧方針等の意見交換で県庁を訪問、その後の記者会見で厚狭川改修関連で財政支援を要請する一方、「現時点での廃線はない」と明言したほか仮に県の財政支援がなくても復旧工事は進める方針とも述べています。このあたりの流れを見るに、関係各所の意思疎通はかなり密に図られているような印象を受けます。
ただし、広島支社長はこれまでも廃線云々を述べたことはなく、知事が来年10月開催の山口国体までの復旧を期待する一方で1年以上という当初の見通しを直近の記者会見でも変えておらず、必ずしも局面そのものが変わりつつあるという印象でもないような気が。

さて、08/30から通学時間帯に増便となった代行バスですが、不便さは否めないようで。朝日記事では地元経済関係者の危機感を伝える一方、「登校時にバスが満員で1本、見送らざるを得ない時があった。鉄道の時はこんなことなかったのに。バスは激しく揺れて車酔いする子も多い」「バスは人と人の間隔が狭いし、息苦しい。やっぱり鉄道は空間のゆとりもあってよかった」といった利用者のコメントが載っています。

時刻表を見ると、道路状況もあるのでしょうが使用バスがマイクロ・中型・大型・ジャンボ?と入り乱れており、全線マイクロで走る便も。記事写真では中国JRバスの中型車?が載っていますが秋吉あたりのをやりくりしている感じなんでしょうか。
このあたりについては機会を見つけて実見してみたいなと考えていますが、それにしても美祢市等での現状広報体制は、部外者には乏しい限り…岩泉町のブログまでは期待しないものの、やはり観光需要による底上げという課題はかなり厳しそうだなとも思ってしまうのでした。


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