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(過去ログNo.)

ディーゼル新税への疑問

投稿者---エル・アルコン氏 (2000/11/27(月) 00:18)

都税調が、未対策の5トン以上の大型ディーゼル車から首都高通過1回につき600円の「税金」を徴収する答申を出しました。早ければ来春からの施行となりそうです。
(特に大型)ディーゼル車に起因する環境問題への対応があまりにも後手後手というか、国も自治体も大甘に過ぎたため(軽油引取税の優遇など)、今回の措置は「総論賛成」というところです。

***
しかし、内容を見るとこれはいけません。
首都高で割増ということは、環七や環八といった一般道へ流出してかえって環境を悪化させる可能性を潰しているでしょうか。
外環道の開通で、埼玉県内の一般道の道路事情が劇的に好転(所要時間が概ね1/3になった)しましたが、一般道に溢れていた通過交通を設備の整った高速道が吸い上げるという都市部の高速道の持つ効果の逆が発生しそうです。
また、通過流動の誘導として、湾岸線への課金を見送るという部分につき、関係者やマスコミは「本格的ロードプライシング」と自賛、賞賛していますが、効果がほとんど望めないばかりか、事態が確実に悪化します。

つまり、何度も言っている話ですが、少なくとも東名から関越までの外環道が完成しない時点でのロードプライシング等の規制は、通過流動へのしわ寄せが大きすぎるのです。
今回の措置では、一般道の規制がないため、東名から東北といった流動が環七・環八(東京IC-R246-上馬-環七-神谷陸橋-R122-浦和ICか、東京IC-環八・笹目通り-笹目橋-R17-美女木-R298-西新井宿-R122-浦和IC)に流れるだけに終わりそうです。
価格差が首都高の1400円に税金600円の2000円となれば、首都高経由と一般道経由の間の所要時間差よりも料金で裁定が働くという「ロードプライシング」の意図せぬ実現という笑えない話になりかねません。

***
さらに、湾岸線への不課金ですが、3つの点で反対です。
まず、湾岸線と小松川線・京葉道ルートは、湾岸線にシフトさせるというような余裕が全く無い飽和状態です。特に湾岸線は葛西-辰巳間の容量不足が深刻で、現在でも渋滞が激しいです。実は東京と神奈川県、千葉県相互間で湾岸線と横羽線、京葉道の通行量を比較すると、千葉県方面の方が神奈川県方面より3割多いのです。これを同じ合計往復10車線で捌いていますから、混雑の激しさがわかります。

次に、千葉へ抜けるクルマだけ公害撒き散らしを容認することで、事業者が千葉方面への定期便に意図的に未対策車を運用する可能性があるということです。
東京の健康は守れても、千葉はどうでも良いのでしょうか。
先のロードプライシング案にしても、千葉県からの移動へ与える影響が大きく、千葉の立場を全く考えていないのではとすら邪推できます。

最後に、湾岸線経由で抜ける未対策車による意外な通行量増加の懸念です。
課金対象外というのは湾岸線を目的地とするクルマも含まれるのか、それとも通り抜けだけなのかというのがありますが、例えば湾岸線のランプ利用も対象外とするのなら、葛西からの環七へ流入するケースが確実に増えます。
また千鳥町から原木松戸線や市川松戸線経由で三郷へというケースも増えます。
この沿線にとっては、降って湧いたような災難以外の何者でもありません。

***
この案は、本来一般道における通行規制とセットにしないと実効性はありません。
しかし、環状道路の整備が無い場合、規制エリアの外側の環状道路、というより放射状の幹線を結ぶ道路にしわ寄せが来るだけで、被害を他のエリアに押し付けるという最悪の結果になります。
また幹線相互を結ぶ道路自体が未整備ですから、今回の規制が一般道の規制を伴っていた場合、R16に頼る以外に手が無いため、「通過交通にNO」という現代に復活した関所になってしまいます。

首都高湾岸線

ディーゼル車公害の原因の一つが、劣悪な道路交通事情がもたらす渋滞であることは言を待ちません。実際、道路改修により渋滞が減ったため、環境が改善されたというデータすらあります(建設省道路局首都国道建設事務所がR357葛西立体の完成で、CO2やNOxが大幅に減少した事実をレポートしている)。

首都・東京の道路事情が何故にここまで劣悪か。これは美濃部都政の12年間、「1人が反対したら建設しない」という、多数の利益、公共の利益よりも1人の利益を重んじるという政策が、都市インフラが飛躍的に発展した時代に貫かれたことのツケです。
今朝の朝日に、例のペットボトルを振りかざす石原都知事の写真入りの広告が出てましたが、その原因は、四半世紀以上前に知事の座を争って敗れた人間の政策というのも因縁話です。

ただ首長が代り、政策を刷新することに熱心ですが、都の名において過去に進めてきた政策の不明の責任は、政策を刷新するように置き去りにはできません。
いわゆる「三環状」(首都高中央環状線、外環道、圏央道)の整備が完了していないという事実は、東京が通過流動対策を怠ってきたという話であり、そもそも他の道府県に迷惑を掛け続けてきたことをまず認識すべきです。

如何にそれが正論であっても、義務を果たさずに権利だけ主張されると鼻白みます。

Re: ディーゼル新税への疑問

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/11/28(火) 00:23)

こんばんわ。偏見に満ちた意見を。

私も長らくディーゼル車に乗っておりました。軽油が安いからです。今でもレギュラー1L100円に対して軽油は1L80円ですね。家庭の事情からガソリン車に乗るようになりましたが、家計に占めるガソリン代は馬鹿になりません。

東京都知事のこの政策は、輸送企業に対する応分の負担の要求なのではないでしょうか。銀行(というより金融企業)に対しての新税と同様に、不況の現在でも産業構造の変化でその需要の拡大している業界に対する負担の要求だと私は解釈しています。ちがってたら教えて下さい。

首都高速道路利用者からの課税は一番わかりやすいと思いますが、むしろ、都内で販売される軽油に税をかける方がいいのではないでしょうか。おそらく東京都で掛けることになれば隣接各県でも掛けることになるでしょうから、税金のがれは出来ないでしょうし、この課税の本来の目的である、低公害車へのシフトのための中小企業への補助や助成に使われるのであれば、道路建設のためにガソリンに税が掛けられているのと同じですから、受け入れられるのではないでしょうか。

道路上で輸送業務に携わっているのは中小企業が圧倒的に多いのですから、この人たちを何とかしなければならないのではないでしょうか。

エル・アルコンさんは千葉の方ですが、私どもの埼玉では東京湾沿岸や東京都内の工業地域から北関東工業地帯へ向かう、またその逆の大量のトラック輸送の流れがあります。また、東京を通り越して神奈川へ向かう交通もあるでしょう。3本の高速道路、2桁番号の国道も3本あります。そして、県知事は「県内移動1時間」を目標に道路整備を進めているようです。ですから、ある意味国家的プロジェクトであろう外環道も県内部分については完成したわけで、今は圏央道の建設が進んでいます。外環道は、これからの高速道路(防音壁で景色が見えない)と高規格国道(シェルターで囲まれ昼なお暗い)の1つの形態の解答を示しているのではないでしょうか。そして道路上の自動車交通の。

東京の不幸は、革新都政(もちろん当時なりに問題はあったのですが)のせいではなかったと思います。今考えてみれば「1人でも反対がいればやらない」政策は、当時も言われていた公共事業での無駄遣いを、そういう形で止めたり戒めたりしたものではなかったでしょうか。当時は環状8号線などなく、環状7号線の渋滞や大気汚染が問題だったはずです。外環道路などは「未来の交通」だったのです。土地価格の上昇時代、都内でも良好な住宅地を通過する幹線道路を建設することは不可能に近かったのです。天文学的な予算が計上されたことでしょう。それでも環状8号線はなんとか、志村坂下から羽田までできましたね。90年代までかかりましたか。大深度地下活用もこれまた「未来の技術」だったのです。80~90年代の鈴木「官僚」都政でも外環道は無理だったでしょう。バブルでしたからね。

外環道東京都内千葉県内区間は今こそ工夫を重ねて実現する時期なのです。中央環状線が完成すれば東名高速から湾岸線までとりあえずはつながります。次は外環道を着工できるでしょう。圏央道も高尾山の問題が解決すれば中央道と関越道がつながることになりますね。もうすこしです。外環道は多摩川の土手や江戸川の土手にコンクリートの箱を埋めて道路にする構想がありましたね。どうなりましたか?

高速料金に課税すれば、信号のない高速道路から信号に満ちあふれた一般道への逆ロードプライシングが起こることは明白ですね。経済的ですから。神奈川~千葉だったら、川崎産業道路から第1京浜・海岸通り・レインボーブリッジ・湾岸道路のコースなどが混雑するでしょう。トラックが少なくなった首都高は走りやすくなるでしょうね。さらに長距離自動車交通から鉄道輸送へのシフトが起こるという可能性はあるでしょうか。

交通計画の先生のご意見も伺いたいところ。

いろんな事を書きました。乱筆ご容赦。

環境対策には対して役に立たないかも

投稿者---とも氏 (2000/11/29(水) 18:02)

ともです。ごぶさたしておりました。

>エル・アルコン様

首都高で割増ということは、環七や環八といった一般道へ流出してかえって環境を悪化させる可能性を潰しているでしょうか。・・・(省略)・・・何度も言っている話ですが、少なくとも東名から関越までの外環道が完成しない時点でのロードプライシング等の規制は、通過流動へのしわ寄せが大きすぎるのです。

コストという視点から見ればまったくもってそのとおりだと思います。
コストを意識して首都高をさけて一般道に回る交通は、今の道路網からすれば、一般道の交通量が増大し、結果的にかえって環境を悪化させることになることは明らかでしょう。
一般論として、一般道と高速道では高速道の方が大気汚染物質の排出量が増大します。
特に問題となっているSPMは発進停止時の排出が大きいものですから、環境対策として行うのであればこのような案では逆効果です。
やるのであれば、逆に首都高の大型車料金を値下げするほうが東京の大気汚染緩和効果はよっぽど大きいです。
とはいえ、環境対策よりも課税対象としてやるつもりのようですから、そういうことならあり得る話ですが。

湾岸線への不課金ですが、3つの点で反対です。

湾岸線への不課金については、住宅の比較的少ない湾岸線にトラックを誘導したいという意図から考えられたものでしょう。
千葉側を考えればまったくもってエル・アルコン様のおっしゃるとおりなのですが、湾岸線に課金した場合には、東京都心をトラックが通過することが考えられるからこそでしょう。
そういう意味では、「東京都」としての課税案ですからそうなるのでしょうが。
とはいえ、これには僕も反対ですね。課税するのであればすべてに課税すべきです。

>さいたま市民@西浦和様

首都高速道路利用者からの課税は一番わかりやすいと思いますが、むしろ、都内で販売される軽油に税をかける方がいいのではないでしょうか。

これは一番簡単な方法なのですが、なぜか実行されませんね。
理由は簡単。産業界からの圧力でしょう。
燃料費が運送コストに占める割合は大きいですから、それが急増するとどうしたってコストがかかるのです。
結果的に収益に影響しますから産業界は反対しているんです。

東京の不幸は、革新都政(もちろん当時なりに問題はあったのですが)のせいではなかったと思います。今考えてみれば「1人でも反対がいればやらない」政策は、当時も言われていた公共事業での無駄遣いを、そういう形で止めたり戒めたりしたものではなかったでしょうか。

僕は美濃部都政自体そのものは評価できる部分もあるとは思いますが、都市計画や道路整備に関しては極めて低い評価しかできません。
やはり、あの時代に道路整備をやっておけば良かったということは事実としてあるのです。
美濃部都政の時代は公共投資を押さえる時期ではなかったのではないでしょうか。確かにオイルショックや公害など多くの問題が顕在化した時期であり、環境への関心も高まっていましたが、第2次ベビーブームのまっただ中で東京の人口急増は目に余る状況だったはずです。
ここで、基礎的な基盤整備を怠れば大変なことになることは容易に想像できたはず。東京の場合は大都市が備えるべき基礎的な都市基盤が無いわけですから、無駄な公共事業の抑制とイコールにはならないでしょう。

さらに長距離自動車交通から鉄道輸送へのシフトが起こるという可能性はあるでしょうか。

正直この程度では無いでしょう。
今のシェアからすれば、動く量は微々たるものです。
とはいえ、建設省の施策にも鉄道や港湾との連携が盛り込まれていますから今後の展開に期待はできますが。

僕の個人的感想から言えば、こんなことをやっても大した影響はないかなという気もしています。
なぜなら、600円出してもタイヤや燃料、その他消耗品の消費量の増加と天秤にかけると大差がないからです。
それであれば、時間が遅れることによる損失の方が大きいですから、首都高のトラックの減少は考えるほどでも無いかもしれません。コストを意識しているトラックはすでに環八や環七に回っていますし。
多少一般道へのシフトは見られるでしょうが、環境対策には対して役に立たないかもしれません。

では。

大深度地下での外環道路の実現を期待

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/11/29(水) 23:26)

こんばんわ。

ともさん、どうもありがとうございます。
そうですよね。大勢には影響ないかもしれませんね。高速道路への課税。

皆さんが話題にしていた、外環道路への流入ですが、大泉から川口ジャンクションまでが交通量が多いように思えます。美女木から大泉は、関越道の一部分ですし、山手通りから東北道へ向かう車で、環七や新荒川大橋を嫌う車が美女木から川口を通って行くものもあります。外環道路がなければ、環七は飽和状態だったでしょう。いまも、ちょうど外環道路を建設中の区間の内側に当たる加平あたりが飽和状態ですね。移行した交通量はどのくらいになるのでしょう。
最近では環八は谷原から玉川まで慢性的に渋滞ですね。西武線のトンネルが出来て、だいぶ良くなって経済効果もずいぶんあったようですね。これを解消するためには大深度地下での外環道路の実現を期待します。

東京の不幸の話ですが、70年代に社会資本の充実が遅れたことについては、私もよく考えればやはり、否定できませんでしたね。革新都政もそれなりに評価しているつもりなのですが、当時何が出来たかな?と考えたときに、都心部の道路交通のスムーズ化のために都電を廃止するのが、他分野の政策とやりくりしたときにベターだったということでしょうか 。30年後にこんな状況になるとは予想できなかったのでしょう。または当時の予想がはずれたと言うことですか・・・。

東京の東多摩地域は、鉄道も道路も南北方向が弱いですね。南北方向の通過交通流というものを念頭に置いていない都市計画なのでしょうか。鉄道や道路がないのは、地域を独占している鉄道会社やバス会社の利権保護や住民エゴ、それとも「国防上の理由?」のためなの?と勘ぐってしまうほどの「なにか」があるのでしょうか。その状態が50年に渡って続いてきたことを現在の都知事は打破しようとしているのでしょうか。この地域の人々の「なにか」を守るために、通過交通流を23区東部地域へ押し込めてしまうように、今までやってきたのでしょうか。

そして最後に・・・埼玉の道路交通はずいぶん整備されました。できっこないと思っていた雁坂トンネルまで完成してしまったのですから。これも東京通過流を受け止められると思います。静岡山梨から群馬栃木方面はどうぞご利用下さい。

乱文ご容赦。

東京都市計画の理想と現実

投稿者---とも氏 (2000/11/30(木) 21:11)

ともです。こんばんは。まだ会社です(はー)。

>さいたま市民@西浦和様

東京多摩東部や23区西部における南北方向の道路は都市計画されているものが結構あるんです。
ところが23区東部に比べなぜ道路整備が進まないかと言えば、都市化の進展と住民エゴではないでしょうか。
東京の場合は中央線沿線がまず最初に住宅地として発展していきました。そして東急、小田急、西武沿線に広がっていったのです。
よって、23区西部の都市化は東京でも比較的早くから進んでいました。
一方23区東部は荒川放水路という一種の「お堀」の存在によって都市化が10年単位で遅れていました。
その差が道路整備の差です。
江戸川区などの区画整理済みの住宅地域の区画整理は比較的近年のものが多いですよね。ところが区部西部では有名な田園調布を初め、井荻町(今の杉並区北西部)、鎌田&玉川(世田谷区西部)などは昭和の初期に区画整理を行っていました。
そのため、道路の考え方がまるっきり異なり、今ほどのモータリゼーションを考えていないため、高速道路や30mもの広幅員道路は計画されていないのです。
また、住民も、区画整理などで入ってきた人が多いため、ほとんどが古くからの地主となってしまうため、土地をなかなか売らないということになります。
ということから多摩東部や区部西部は区部東部に比べ道路の整備率が低いイメージになるのです。

国防上の理由で言えば、もし、戦中の防空計画が実施されていたら、東京の道路や鉄道の状況はいまよりもずっとマシと考える人もいますね。
なぜなら、環状道路も大規模緑地帯も計画されていたんですから(笑)。
それはさておき。

そもそも東京がこんなになってしまったのは終戦後の戦災復興や関東大震災後の震災復興で東京の交通基盤整備がきっちりなされなかったことが原因なんです。
都市計画は立派なのを作ったけれど、震災復興では昭和大恐慌と軍部や政治家の圧力で、戦災復興ではシャウプ勧告などで実行できず、そのままにしてしまったツケですね。
美濃部さん以上にそのころの政治家に責任が有るとも言えますね。

ではでは。また。


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