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(過去ログNo.)

〔国際化〕「対東京」交通政策の終焉

投稿者---551planning (2000/10/28(土) 23:38)

JR九州は利用が好調に推移している博多―釜山間高速船「ビートルII」について現在の2隻からもう1隻増やす3隻体制を検討している(10/26付交通新聞より)。今年上半期の利用者が対前年同期17%増、週末は満席状態が続いており、11/28からはインターネットでの予約サービスを開始。収支面でも1隻のリース期間終了によるリース料低減で本年度黒字が見えている。2002年ワールドカップを控え、更なる需要を見極めたいとして慎重に調査中ということである。

(財)運輸調査局の月刊誌「運輸と経済」11月号では「ローカルからグローバルへ」と題し、JR九州の取組みに関して石井会長と矢田九大副学長の座談会の模様が紹介されているが、ビートルだけで昨年度利用者が21万人、今や博多港が神戸・横浜を遥かに超えた出入国際旅客数を誇る海の玄関口という。「釜山は人口400万、大阪より大きい都市がわずか200キロ先にあるわけです」「福岡の人は欧米へ行くのにほとんどソウル経由です」という会長の言葉は重い。

確かに日本の首都は東京である。しかし「情報」がこれほどまでにあっさりと国境を超えるようになった現在、いかに企業集積が進んでいるからといって、100%東京を見据えた動きをしなくても良くなってくる可能性は今後ますます強まってくるだろう。それは国内外問わず、人々のダイレクトアクセスへの欲求がどのようなカタチで開花するかが見物だといえる。
その意味で今更ながらに「大陸」の重要性を痛感する。地方空港国際化の流れに乗じて対ソウル線は国内19空港から発着している。石井会長も触れていたが、南北朝鮮鉄道の復旧によって、動向如何では中国~シベリア鉄道経由での対ヨーロッパ貨物輸送が鉄道の方が速くなることすら考えられる。人とモノの流れが一気に変わりつつあるのだ。
その中で日本の空・海の玄関口は太平洋岸に集中している。対「大陸」は福岡・新潟・小樽・稚内等が担っているとはいえ、それら相互間、あるいは対東京と言う観点でパイプが絶対的かと問われるとなかなかにYESは出せないであろう。

これまでの総体的な交通施策は対東京・対太平洋ベルト地帯とのパイプライン造りに終始してきたといっていい。しかしそれは政治問題化した新幹線整備・沖転間もないながら早くも切迫しつつある羽田空港の容量・モーダルシフトの掛け声に翻弄される高速道枝葉末節路線に『夢の跡』を見る。
今後は地域圏としての発展を軸とした対外的空港政策や物流政策が望まれる。現に九州や北海道ではその兆候が著しいが、金沢・新潟・秋田等を核とした日本海軸の形成も望まれる所であろう。そうした大所から見て、整備新幹線や首都圏第3空港・関空2期などの必要性を更に問うてみるべきではないのだろうか。
アジア各地に着々と超ハブ空港が整備されつつある今、日本に残された時間はあまりにも、少ない。

中心地理論から考えると

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/10/30(月) 22:43)

こんばんわ。
管理人さんのご意見についての私の考えです。

私はこの国はもう、どうにもならないようだと思っています(私たちの責任もあるのですが)。でも、何とかしなければなりませんね。国際感覚のない既得特権に群がる政治家、大企業、中小企業。真の幸福を見つけようとしない一般庶民。この規制緩和の時代に、すべて「お国が何とかしてくれる」と思いこんで弱い振りをしている図々しい国民の国に私たちは住んでいるのです。私たちのようにアイディアはあるのに、実現の方策を持たない学生や「専門家」といわれる人たちが報われない国に住んでいるのです。この掲示板のアイディアの一つぐらい、もう実現しているくらいでなければ、私たちの将来は暗いと言えましょう。

さて、管理人さんは、「中心地理論」という地理学の考え方をご存じでしょうか。実は私、管理人さんのご卒業された大学(世田谷の方にある学部)で地理学の勉強をした者です。
大雑把(あくまで)に申し上げますと、均等な人口密度がある均一の条件の地域では、人々が集まって商業活動などを行う地点が均等な間隔に立地するという考え方です。元は、東ヨーロッパ平原の都市の立地から考え出されたものですが、都市の規模のレベルによってその間隔は広くなるというものです。だいたい3km・30km・180km・360km・500km・1000kmの間隔に中心地が立地するというものです。間隔が長い中心地ほどそのレベルが高くなります。3kmというのは集落の立地の間隔でしょうし、この一辺を基本として三角形を成すように集落は立地するのでこれを組み合わせた形の都市システムが成り立つわけです。
日本でいえば、東京を中心として考えれば、30kmの位置には、横浜・大宮浦和・船橋津田沼・柏・立川といった都市がありますし、180kmの位置には静岡・いわきなどがあります。360kmの位置には、仙台・新潟・名古屋があるわけです。500kmの位置には京阪神・盛岡があります。1000kmの位置には札幌と福岡があります。
国際的に考えれば、この1000kmの間隔を基本に、巨大都市が立地するといえるのかもしれません。福岡から1000km行けば、北京や上海といった中国の巨大都市があるのでしょう。那覇もこの距離になりますか。中国でも、北京と上海の間は約1000kmですし、北京と香港の間は2000km亜るでしょう。札幌から1000kmの所にはロシア沿海州の大都市があるでしょう。かつての大東亜共栄圏も東京~福岡~那覇~香港~ハノイ~バンコク~シンガポール~ジャカルタと結んで日本の権益を守ろうとした考え方だったわけです。
さて、東京ですが、やっぱり何と言っても首都圏3,000万人の超巨大都市です。世界でも希な人口密集地帯なのです。これに匹敵する巨大都市は、アジアでは上海・ムンバイぐらいなのです。この3都市を直接結ぶ交通路がこれからは期待されるのです。
うまいぐあいに、1000kmというのは飛行機で1時間の距離ですね。500kmは高速鉄道で3時間、360kmは同2時間、180kmは同1時間の距離です。180kmは通常鉄道で3時間、30kmは1時間弱といったところでしょうか。この時間感覚が現在実現しているところです。私たちもこれを受け入れています。
この組み合わせで、都市間の交通を考えていけばいいわけです。
管理人さんがご心配の、現在進行してる「空洞化」の問題ですが、盛んな生産活動は、より、コストの安い場所や社会へ移動するわけです。日韓の経済力の差が、福岡~韓国の交通を盛んにさせているのでしょう。通貨、物価の価値の違いが交流のエネルギーの元の一つでしょう。逆に、韓国の企業には、日本での販売活動を進めるために福岡をその拠点として活動しているものもあるわけです(地理学評論73-10)。物価の安い韓国で生産し、貨幣価値の高い日本で販売する活動が、多国籍企業の商売の鉄則でしょう。朝鮮半島の南北和解もこの動きの流れにあるといえましょう。

長文の乱文ですが、いったん投稿します。大陸の経済活動については、あとで。

仙台圏から見た交通論

投稿者---brother-t氏 (2000/11/01(水) 02:14)
http://brothert.web.fc2.com/

こんばんわ~面白そうな話をしてるのでよってみました。
なんの関係もないのですが、個人的に最近このての話で注目してる場所があります。それは東北地方で、理由としては2つのプロジェクト:東北新幹線延伸と仙台空港線が進行中で10年以内に少なからず形になってくるだろうということです。
というのは現在東北地方の空港は東京線を除くと例外はあるものの乗客が減少しています。そして現状福島・仙台・花巻の新幹線沿線の空港は東京線が無い状態です。そしてその新幹線が延びてくることで青森・三沢、更には乗り換えも考えれば大館能代の各空港に影響が出てきます。そして仙台空港線の開業によって現在東京線の乗客減に苦しむ山形空港が影響をうけると言えます。
簡単に言えば東北地区の流動は対東京に関しては新幹線に大きく移って、航空はこれまで交流が少なかった西日本や海外路線専門にかつ東北最大の空港:仙台空港への1極集中が進むわけです。こうなる中で各県の動きに注目したい所ですが山形新幹線新庄開業で山形空港が厳しい状態に陥ってる山形県の動きを見る限りあまり期待も出来ない部分もありますが、上手く連携して仙台をハブとした広域交通ネットワークを築いて欲しいものです。
乱文ではございますがとりあえずこの辺で。

交流活発化と資本流出を占う

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/11/02(木) 00:59)

こんばんわ。補足と意見です。

中心地理論ですが、30kmと180kmの間に100kmのレベルがあるのを落としていました。あれ、あそこは?と思った方もいるでしょう。東京から100kmの都市には、北関東の県庁所在地群がありますよね。それから甲府や熱海も当てはまるかも。だいたい、3の倍数であると思っていただければわかりやすいでしょう。3角形、6角形上に都市が成立するという理論です。
さて、大陸の動きですが、中国は、北京・上海・広州の巨大都市は日本並みのレベルに達しているのではないでしょうか。韓国も、ソウルはやはりアジアの巨大都市の一つでしょうね。日本やアメリカ、ヨーロッパの技術や資本がこれらの巨大都市から受け入れられ、各国の地方へ流れていくイメージです。北京と上海の間にリニアモーターカーが導入される構想があることからもわかりますね。もう、次のことを考えているのでしょうか。ただ、中国は沿海部と内陸部の格差が大きく、西部開発計画もありますし、巨大都市内でも貧富の差は拡大しているようです。かつての日本のように、国の中に植民地を作るような発展の仕方が進んでいるわけです。
物価や人件費の安い地域で生産し、先進国で販売する商売が成り立っています。国内の市場が狭い韓国などは、日本やアメリカをターゲットに商売しているわけですね。ですから、日本の地方都市と韓国の交通流が発生し、流量が多くなるのは必然です。日本の地方都市には、世界の最先端技術をもつ企業が多いですから、直接交流する必要から交通流が発生しているのでしょう。
ハブアンドスポーク(これはビジネスモデルになっているそうですね)の考え方で路線を設定すると、日本の場合、巨大都市の東京がその中心になるべきなのですが、悲しいかな、ささやかな国際空港は60kmのかなた、国内線空港との間は電車でも2時間という現実。こんな飛行場を誰が使うのでしょうか。地球の裏側とか一万キロも彼方との交流の60kmなら受け入れられるでしょうが、1000km、2000kmぐらいの飛行機で2~3時間の距離の外国へ行くのに2時間かけて国際空港へ行くような国がどこにありますか!かつての大艦巨砲主義を彷彿とする交通政策ですね。都市計画の失敗です。

一般に航空機での交通が成り立つのは、1000kmのレベルからといわれていますね。全国の各都市に小さな空港があって、1日1便ぐらいの、たまに飛ぶ比較的小さな飛行機で遠くの各地へ行く路線があるのはわかります。私はすべての飛行場から東京へ飛行機で行ければいいという考え方は、地方の政治家ぐらいにとどめておくべきと思っています。こういうと、ハブアンドスポークと矛盾すると言われそうですが、360kmレベルの都市から無理して東京へ飛行機で行かなくてもいいのです。
間に海があるとかの地理的条件ならまだしも、他の高速交通機関が完備されているならば、その方が無駄はないのです。ただ、競争を仕掛けて、適正な輸送費用を確立するのであれば、それはそれで意味のあることです。
例としては、話題になっていましたが、山形も新幹線ができる直前には東京便も1日6往復ぐらいあったと記憶しています。高速道路や庄内空港が無かった頃で、滑走路の都合から、小さいB737かYSが飛んでいたんじゃなかったかな。それから、貨物輸送の意味も大きかったはずですね。山形空港周辺には半導体製造工場(NECやPIONEERだと思う)が立地し、製品を搬出するために航空機を使っていたはずです。
新しい交通路がクローズアップされるときは、その多様化の意味を考える事は重要でしょう。その太さが拡張されるとき、既存交通路にとっては真の危機があるわけです。
日本海や東シナ海をめぐる交流が活発になることが、日本にとって発展のきっかけになるのであれば、めでたいことでしょうが、日本からの資本や資源が不当に流出する手段とされるのであれば、これは心配した方がいいのでしょう。
東京の情報発信力をどの程度評価するかという視点も大事にしたいですね。
管理人さん、だいじょうぶ。私たちの「大東京」は世界の巨大都市です。

へんな反論になってしまいましたね。乱文ご容赦


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