tw
top

トップページ企画一覧BBS(電子掲示板)>常設板過去ログ2000

(過去ログNo.)

鉄道のシームレス化の方策、その2(リニア地下鉄)

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/10/15(日) 14:52)

打越健太郎です。広義の「新交通システム」とされるAGT、モノレール、HSSTなどは、実は「既存鉄道と直通できない」という欠陥を持っています。今後、公共交通のシームレス化が求められていく中で、恐らく現時点よりは広まらず、既存鉄道と直通できるLRT、バスと直通できるガイドウェイバスだけが生き残っていくことになると思っております。
ここで微妙な位置付けなのが大阪の長堀鶴見緑地線、東京の大江戸線などの「リニア地下鉄」です。この「リニア地下鉄」は、広義の新交通システムの中でもっとも既存鉄道に近い形をしており、もしも既存鉄道と直通が出来るなら、「急カーブや急勾配に強い」というメリットを持つことと相俟って、今後も生き長らえることが出来るでしょう。また、大江戸線はさらに郊外に延長が考えられているのですが、もしも既存鉄道の規格で建設できるのなら、地下や高架に限らず、踏切のある一般路線として開通できるわけです(リニア地下鉄は中央に「リアクションプレート」というものがあるので、踏切を造ることは出来ません)。また、仙台・神戸などではLRT導入案があるのですが、これとリニア地下鉄(神戸・海岸線、仙台・東西線)と直通が可能であれば、今後の都市計画にも大きな影響を与えることでしょう。リニア地下鉄と一般鉄道との直通が可能か、考えてみましょう。

  1. リニア規格の一般車両(川島令三案・その1)
    川島令三氏は、「どうなる新線鉄道計画・‘98最新版」(産調出版)の150ページで、リニア地下鉄と同じ大きさのLRVの開発を提言しています。確かに京都・東西線は一般規格の車両でもリニア地下鉄並の小型車ですから、これ自体は不可能ではありません。しかし、リニア地下鉄と一般車では最小曲線半径(リニア50m、一般車120m)や、最急勾配(リニア80パーミル、一般車35パーミル)と差がありすぎ、直通は相当に困難でしょう。
  2. ハイブリッド駆動編成(川島令三案・その2)
    川島氏は前掲書の234ページで、例えば6両編成のうち3両をリニア駆動、3両を一般駆動とするハイブリッド編成の開発も提言しています。一般鉄道区間ではリニア駆動車はトレーラーとして走り、リニア区間では(急勾配でしょうから)一般車のモーターも駆動させて走る、という手法も提言されています。これは可能でしょうし、このような編成なら急勾配にも強いでしょうが、果たしてカーブには強いのでしょうか。疑問です。
  3. 南海式・a
    ここから僕のオリジナルです。一般鉄道であるLRT区間ではLRTが単行~3両程度で走り、リニア区間では連結して、リニア車にトレーラーとして牽引される、というのは如何でしょう。昔、南海が国鉄に客車を直通させていたのと同じ方法です。
  4. 南海式・b
    3とは逆に、リニア車が一般鉄道区間ではトレーラーとして一般編成に牽引される、という方法も考えられます。
  5. 碓氷峠式・a
    リニア車を一般鉄道区間では客車として、機関車に牽引させる、という方法です。事実、大江戸線の車両は整備の為に浅草線内を走る際には、ディーゼル機関車に牽引されます。ただ、これを営業で行う際には、機関車の解結にかかる時間や、一般鉄道区間が電化されていない場合にはサービス用の電源車まで用意する必要などが気に懸かります。
  6. 碓氷峠式・b
    逆に一般車両が、リニア機関車に牽引される、ということも考えられます。
  7. 客車の使用
    いっそのこと直通するのは客車だけ、一般機関車とリニア機関車とを用意してそれぞれの区間で牽引するというのも一案です。先頭客車にも運転台を設けて、機関車を後ろにつけて運転できるようにすれば、この方法も考えられなくはありません。但し、機関車の付替を短時間でしなければなりません。

これほど苦労しても、実際にリニア鉄道が使用されるのは仙台・東京・大阪・神戸・福岡だけ、無駄かも知れませんが、もしも急勾配・急カーブに強いというのが本当なら、両方を走れる車両を開発、急勾配やカーブが続く区間だけリニア駆動にする、ということも考えられるので、あえて提言してみました。皆様のご意見は如何ですか。

ケースバイケースに考える

投稿者---P氏 (00/10/16(月) 00:22)

こんばんわ。Pでございます。先ほど、プリントアウトして、今月アタマからの皆様の議論を拝謁させていただきました(さすがに30枚は読み応えあり過ぎ^^; )。
打越健太郎様、KAZ様は相変わらず素晴らしい御見識で、何より、さいたま市民@西浦和様…地理の先生をなさっておられるだけあって、素晴らしいです。私も負けていられません^^

さて、リニア地下鉄と在来型鉄道とのシ ームレス化ですが…私も打越様とまったく同じような事を考えたものですよ^。^ただ、急カ-ブ対策としてですが、機械制御式車体傾斜機構を持った連接型車両を導入するという手があります。トンネル内走行という点ではむづかしいかもしれませんが、傾斜角度を大きくしなければ(川島令三氏の著作では新幹線の振り子式導入提言が最近多いので、新幹線ではなく「しなの」「 スーパーおおぞら」「ソニック」などを思い浮かべてくださいましな)地下鉄での振り子式走行も問題は無いように愚考いたします。ただ、当然車両単価が高くつくというデメリットがあります。
また、リニアの線路にはごついリアクションプレートがありますね。これは線路踏面にほぼ同じ高さまで箱が出張った断面です。このサイドの部分に凹凸を持たせれば…そう、ラックレール式を応用することが可能です。もちろんこれも車両製造費にはねっかえってしまうのが…。ただ、急勾配急カーブでは通常の車両でも難渋する所なので、ラックレールで少し徐行するのも現実的であると、私は考えます。事実大阪の下水道保守用の地下トロッコではとんでもない急勾配をラックレールで乗り越えていますので。

シームレス化に関してですが、私は打越様が提示された案を一番適したものをそれぞれ、ケースバイケースでチョイスすれば良いと思います。(1)と(2)は特に直通需要の大きい所で。乗り入れ距離が均衡している場合。たとえば神戸なら山陽電車・同社線(あそこは「株式会社神戸市」なんですヨ♪)の山手線・阪神阪急と直通する場合に。福岡なら西鉄線と。西鉄線は小型車体の甘木線車両が大型車の走る本線に堂々と直通していた過去があるので適していましょうか。
(3)は相互直通2社局間で運転本数に隔たりがある場合。仙台の場合に適していましょう。ただ、JR東日本が何でも良いので純新型車両を造ることが条件でしょう。また先述したラックレ ール併用で行けば、青葉城山上や東北大学への足が至極便利になりますね。(4)(5)は同じ物と考えます。これも2社局間で運転本数が異なる場合で、さらにどちらか一方での走行区間が倍程度異なる場合でしょうか。以前皆様が上げられていた「水戸周辺広域トランジットシステムネットワーク-略してMTN(?)」にこれを応用するのは良いかもしれません(リニアではありませんが…、架線を使わないLRTの研究も現在進行しているということなので、もしかすると…)。
(6)は線路幅だけでなく既存の車両規格が概ね合致した場合、浅草線グル-プ各線と大江戸線、また改軌を行なった上での荒川線・世田谷線・丸の内・銀座線のシ ームレス化には過渡的にこれを応用するのがよかろうかと…。(7)論外と言うべき所かもしれませんが、これ…貨車で行なうと都心部での貨物・トラックの整理に役立つと思いますよ。つまり、モーダルシフトに一枚噛ませられるのです。

なんだか今回は「小判鮫レス」です。そして最後に。このリニア式地下鉄…いやリニアモ-ター鉄道…拡大の余地が、私にはある様に思うのです。それは、建設が解禁された国定公園内での鉄道:登山鉄道に採用するのです。富士山・上高地・長野県下各スキー場アクセス、北海道各地など…。(このBBSは通勤電車に固執していませんよね?この提案、許されますか?551ぷらんにんぐ様…?)
最後に打越様、札幌市内の地下鉄はご存知のとおりゴムタイヤ式電車(あれはAGTではないんですよね?)ですが、私、これとJR北海道との直通:シームレス化を何年も前から考えているのですが、妙でも名でも迷でも…案がまとまらないのです。もし同じ事をお考えでしたらぜひお聞かせ願いたいのですが…。KAZ様、さいたま市民@西浦和様もご見識がおありでしたらお願いいたします。
おやすみなさい(行ってらっしゃい?)

Re: ケースバイケースに考える

投稿者---打越健太郎氏 (00/10/16(月) 02:20)

P様、丁寧なレス、どうも有り難うございます。リニア地下鉄と既存鉄道との直通、何らかの方法で可能になると良いですね。
札幌のゴムタイヤ地下鉄ですが、あれとJRとの直通が可能になると、本当に便利ですよね。かつて「ガイドウェイに線路を敷けば鉄レール車と軌道を共用できるのでは?」と考えてみたこともあるのですが、それが可能かどうか。全く逆に、車両のほうに鉄車輪とゴムタイヤと両方を装備する、というのも考えられるでしょうか。一見暴論ですが、パリの地下鉄6号線はこの方式です。と言っても、一般鉄道に直通するためではなく、急カーブをスムースに曲がるために鉄レールを併用しているだけなんですが… ただ、ドイツではLRTの高架専用軌道にバスも走る、という例が見られますので、何らかの方法で可能になるかもしれませんね。諸賢のご意見を伺いたい所です。

上に戻る▲

リニア地下鉄の利点が?

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (2000/10/17(火) 00:02)

こんばんわ。ディスプレーのスピーカーからは田中康夫の声がしています。

リニア地下鉄の利点が分かりません。
建設費減少?運転間隔の短縮?急勾配に耐える?線路に磁石を並べるの?
なんか、ゴムタイヤの「新交通システム」と本質は違わないのではないの?

「大江戸線」。都庁の新宿移転の見返りじゃなかったかな。この予算があったら都電のほとんどの路線を復活できたのでは?たしか、廃止の張本人だった美濃部「革新」知事(もう故人ですが)でさえ、「(都電の廃止は)失敗だった」と認めているとのこと。

私の考えは、これからの(今までもだけど)行政ははっきり言って、「万能ではない」と思っているので、限られた予算と人員でどれだけの効果(「便利になった」とか、「助かった」、「守られた」、「やる気になった」といろんな人がが思ってくれれば)が出るかということを考えながら、援助する役割になるのだろうと考えています。税金はそういうために使われるものですよねえ。もらっている立場ですが。

地下鉄を造るということは、たくさんの人が働く事になるのですよね。そおか?
道路を掘り込んで駅を作る(開削工法)のはそうかもしれないけど、駅の間は、今はもぐらロボットで掘っているのですよね。もぐらロボットがトンネルの壁まで作ってしまうのですよね。シールド工法のトンネルの壁はコンクリートのブロックを張り付けるのですが、これもロボットがやっているのですよね。あんまり人がいないような気がするのですが。線路を引くのも、最初にロボットが乗る線路を作れば、あとは線路を引く仕事はロボットがやるのではないですか。レールや枕木は出来上がってきた線路に貨車を乗っけて運んでくればいいのですよね。あんまり人がいないような気がしますが。

小型の地下鉄ははっきり言って居住性がいいとは思えません。ちょっと小さい車体ではなんか閉所恐怖な感じがします。私はあまり、この路線についてコメントしたくありません。鉄道としての魅力がない。「新交通システム」の一つでしょう?この路線と他の路線の直通をする意味がわかりません。
いっそ、貨物輸送のために活用したほうがいいかも。そういう意味で、東所沢延長は意味があるかな?新座貨物ターミナルへつないで関越自動車道や、JR貨物との連携をすればよいでしょう。舎人新線も規格を変えて、足立市場や東北自動車道と連携すればいいかな。木場から新木場へ伸ばして建築資材輸送。汐留から大井埠頭へ伸ばせば、東京貨物ターミナル、高速湾岸線、大田市場や羽田空港もターゲットになりますね。西新宿には新宿の市場もありますし。もちろん、飛行機用の小型コンテナを積める貨物電車を走らせて、春日や江古田、元浅草、木場、汐留、麻布十番、都庁前あたりでトラックへ積み替える貨物駅を作って軽トラックなどで配達するようにすれば、都内の宅配トラックなどはずいぶん減るのでは?
それから、分別したゴミを運ぶコンテナも作ればいいかも。臭いのしないものなら地下鉄で運んでもいいのではないでしょうか。埋め立て地にリサイクルセンターとか作って、再利用すれば、その製品をまた運べるかな。

誰かが書いているかも知れないけど、変な大江戸線活用策を書いてしまいました。ご笑覧のほど。乱筆ご容赦。

Re: リニア地下鉄の利点が?

投稿者---打越健太郎氏 (00/10/17(火) 03:12)

さいたま市民@西浦和様、ご指摘有り難うございます。
さて、「リニア地下鉄の利点が分からない」「何の為に直通するのか」とのご指摘ですが、実は僕も全く同感であります。リニア地下鉄は「建設費が安い」とされていた時代もあり、事実、長堀鶴見緑地線は、建設費を2割ほど節約できたようですが(「新しい都市交通システム 21世紀のよりよい交通環境をめざして」都市交通研究会著・山海堂・109ページ)この後の建設例では、結局安上がりには出来なかったという事です。特に大江戸線などは、既存路線を避けるために地下深く掘り進む必要があったため、随分と建設費がかかったとされています。僕としても、このリニア地下鉄は、殆ど評価できません。
ただ、現実に各地でリニア地下鉄が導入されてしまっている(先日挙げた都市に、横浜を加えて下さい)現状を踏まえると、将来LRTを導入する際、既に存在するリニア地下鉄とどう折り合いをつけるか、という問題が生ずる恐れが多分にある(広島市でも「東西線」をLRTで建設するか、それともAGTにするか、かなり揉めたようです。何とかこれらを融合したい所なのですが…)かと思い、一応、このような提言をしてみました。でも、本来は、「地下鉄」というステータスなどに惑わされず、初めからLRTを導入するような見識を持った政治家や、そのような政治家を支持する市民がいれば、それがベストですよね。

私もミニ地下鉄には疑問

投稿者---P氏 (00/10/17(火) 16:02)

お元気ですか?Pでございます。
はい。私もミニ地下鉄には疑問です。強いて言うなら急カ-ブ・急勾配に強いという特性によって地権問題が嵩まなくて済むというぐらいでしょう。既存のシステムとの互換性というか共通規格を改めて考えなければならないし、大江戸線は、やはりミニ地下鉄の特性(建設費用が安い)を生かすことが出来なかったんですね。実際、落合南長崎-新宿間を往復してみて(私がどこへいったかはお分かりですか?)特にメリットらしきものを再確認するには至りませんでした。相変わらず乗り換えには足を使わされるし…。あれだったらあの放射部と呼ばれる区間は西武の支線的なもので十分だったと考えますし、JR規格であれば常磐新線の新宿ル ートとして環状部は機能したはずです。どうせあのルートでミニ地下鉄をするのであればもっと急勾配に強い特性を活かして地上に顔を出すべきでした。たとえば新宿も都庁を過ぎたあたりで地上に出てルミネに平行する形でJRの上に駅があれば、便利だった上、今後のLRT展開の拠点となったでしょう。

ですが、出来上がってしまったものを今さら規格変更するのはミニ地下鉄の場合、並み大抵ではありません。また、LRTの改良という進化の果てにたどり着く最終形態はまさにミニ地下鉄となるわけで、ここにミニ地下鉄とのシ ームレス化の議論の意義がございましょう。とくに、大阪の交通網の再構築(を私:Pは個人的に妄想するのがただ今のマイブームなんですが…)には、大きく役に立つように考えます。今後建設される今里筋線・長居公園通線により、ミニ地下鉄の勢力を伸ばすことになる大阪ですが、阪堺電車やニュ ートラム、そして利用率の芳しくない千日前線のなんば-南巽間をミニ地下鉄:LRV対応とすれば、かなり利便性の高い「ライトレール網」が構築できると考えています(長くなるのでまたの機会にしますね、これ)。

さて、皆様の討議を拝見していていくらか気が付いたことがあるので、この場を借りて…。
熊本市電は1067mmゲ-ジなので、3線軌道にする必要はないはずです。確か、熊本のLRVは高速走行試験を「電車カンパニー」宮島線で行なった際、台車を標準軌のものに履き替えていたように記憶しています。
鉄レ-ル鉄車輪式のAGTはロンドン・ドックランドのライトレールのことですね?しかも同線は旧埠頭地区の廃止された貨物線の高架を流用しているという点が良いですね。横浜もみなとみらいでこれをやれば良かったのに…、と悔やまれます。
札幌式とパリ式は違いまして、建設用鋼材のごついような案内軌条(H型をエの字状に寝かせています)があり、日本型の鉄道車両を直通させるには一筋縄ではいかないんです、札幌式の場合。
クリチバって…何ですか?スイマセン、不勉強です。

さいたま市民@西浦和様、
地下鉄への貨物列車運転という提言は「交通のエコロジー(上岡直見:著 学陽書房:刊)」という書で拝見したことがあります。どこか環境テロ的な過激な意見書で、大変興味深くおもしろい1です。また、LRTにも貨車を併結せよと言う提言もありました。
水戸周辺LRT網整備草案ですが、国土地理院発行の地勢図を使われたのでしょうか?私は地磁気観測所に影響を来たさないのなら、JRは電化方式を水戸周辺を直流に改めた方が得策であるように考えましたが…いかがなものでしょう。
さて、ミニ地下鉄といえば私も2つの路線(現・大江戸線と、現・長堀鶴見緑地線、コロコロ名前が変わるのもミニ地下鉄の特性?)に乗った事があります。居住性に関してはさすがに研究したようで、両線ともそれなりの配慮のある車両であるようにPは感じました。が、狭いのは否めないですねぇ…でもLRVが地下線走行をするっていうのはあのような感じなんでしょう。
毎度、長くて失礼いたしました。

上に戻る▲

リニア地下鉄・AGTの評価

投稿者---とも氏 (2000/10/17(火) 18:44)

ともです。
みなさんリニア地下鉄やいわゆる新交通システムに対しかなり批判的な御意見をお持ちのようですね。
特に、大江戸線に関しての批判はなかなか痛烈です。
ですが、僕は大江戸線をリニア地下鉄とした東京都の選択を支持したいと思っています。ということで、東京都の援護射撃??をしてみます。

1 事業費

大江戸線はリニア地下鉄にしたことによって大幅な事業費の削減が行えたのは事実と考えます。なぜなら、従来型地下鉄でこの線を整備したらどうなっていたでしょうか。
トンネルの工事費はよく言われるように、その直径と深さで決まります。
今回の大江戸線の場合、直径はかなり小さくできたのですが、深さが深いため、トンネルを掘る機械(シールド機といいます)を入れるための地上からの穴(立坑といいます)を深く掘る必要が生じ、結果的に事業費が高くなったように見えるのです。シールド機というのは地盤(砂なのか粘土なのかはたまた砂利なのか)や線形によって設計が異なるので、使い回しが聞かないいわば「オーダーメイド」なのです。また、シールド機は無人で動いています(もちろんオペレーターはつきます)が、その堀った後のトンネルを構築するブロック(セグメントといいます)を組み立てるのはまだ全自動にはなっていないので、人間が操作することがほとんどです。
そもそも、深さが深いのは東京の今の地下事情を考えれば容易に想像でき、あれだけの地下鉄と地下構造物(ほとんどがライフライン)を避けながらの工事ですから、相当深くなるのはやむを得ません。
ちなみに、東京の地盤は土木工学的に言えば決して良い地盤ではないので、トンネルを掘るのには対策をいろいろとる必要が有ることを付け加えます(地盤沈下や振動を防止するために、対策をしなくてはなりません)。

2 駅が不便

これも1と同じなのですが、深くなったがために駅自体も深くなり、深いところを通る地下鉄どうしの乗り換え以外はまず不便を感じてしまうのかも知れません。
また、一部地上にとの意見もありますが、用地買収を考えると汐留ぐらいしか可能性はなかったでしょうし、仮にやったとしても、線形上の無理がどこかに出ることが考えられ、現実的では有りません。
ただ、乗り換え利便性の向上を図るために、もう少し考えてもよかったんじゃないのというところはありますけど(都庁前とか新宿西口とか)。

3 地下鉄での貨物輸送

これはちょっと。
日本の物流形態がそれの善し悪しは別として「ジャストインタイム」が基本となっている以上、貨物輸送は現実的ではないでしょう。
東京の場合、荷物の集配を早朝や深夜に限定することができ、かつ共同での配送が可能であればもっとトラックの台数は減らせます。
しかも、首都高が言うように首都高の約4割は都心をただ通るだけの車ですから、環状道路(圏央道でも外環でもいいです)が出来上がって、かつ鉄道と道路輸送の積み換え拠点整備が進めば減少することが明らかですから、地下鉄での貨物輸送は必要とは言えないと思うのですが。

以上が援護射撃です?? もちろん反論はあると思いますが、思いきって書いてみました。
大江戸線に関して言えば、東京都はかなり良くやったと思いますよ。
大江戸線 御存じかも知れませんが、南長崎から中野坂上までは地下に作っている首都高中央環状線と一体で整備してますし(上の道路と一体ですすめることで、事業費をやすくする)、トンネルの工事費を押さえるために工夫をかなりしてます。ただ、このへんはいわば「技術者的にすごいけど、一般の人から見たらどうでもいい」ことなんですけどね。

さて、やっと本題?です。
シームレス化(ミニ地下鉄の直通化)は技術的にそれほど難しくはないでしょう。簡単なことで、既存軌道敷の中央にリアクションプレートを設置するだけです(なにを言っているんだといわれそうですが)。
トレーラーと同じ発想で編成中の一部(理想は半分程度)がリアクションプレート上にあればモーターは回転しますから走行可能なはずです。ということは、踏み切り程度のいわば「無磁気区間」があっても、それは技術的に解決できるかも知れません(実際ポイント部にはプレートは無いですよね)。
あるいは、リアクションプレートの電磁石を電車の運行の少し前を先行して作動させることで、電車の前後数mをリアクションプレートに、残りをただの板にといったことだって考えられなくはないですよね。
地上での設置も、熊谷のさいたま博覧会での実績がありますからそれほど困難ではないでしょう。

そう言う意味で、ミニ地下鉄は結構可能性がある交通機関だと思うのですがいかがでしょうか。

長々と失礼しました。

Re: リニア地下鉄・AGTの評価

投稿者---打越健太郎氏 (00/10/18(水) 02:18)

打越健太郎です。皆様にはそれぞれ見識に溢れたご意見を賜り、毎日この掲示板を拝見するのが楽しみになっております。少々、気付いた点についてコメントをさせて頂きますので、今日もお付き合い下さい。

熊本市電は1067mmゲ-ジなので、3線軌道にする必要はないはずです。確か、熊本のLRVは高速走行試験を「電車カンパニ-」宮島線で行なった際、台車を標準軌のものに履き替えていたように記憶しています。

あれ?と思い、手元にあるデータを調べてみました。熊本市電は、やはり標準軌(1435mm)のようですよ。ただ、熊本の場合は、元来同じ軌道線であった熊本電鉄(だから江ノ電のように、道路上も走っているのです)は狭軌(1067mm)なので、確かに混乱しやすいのですが…この2線の直通、というのは誰もが一旦は考え付くのですが、「赤字の熊本電鉄には改軌など無理。諦めよう」と、あっさり断念される方が多いのですね。実際には熊本電鉄はほぼ収支均衡の大健闘ですし、それほど高速運転していないので、箱根登山鉄道のように3線軌化、トラムの直通(市電のほうを3線軌して、あの都営三田線の車両が市内を走るというのはチョット…)は充分に現実的す。

鉄レ-ル鉄車輪式のAGTはロンドン・ドックランドのライトレ-ルのことですね?しかも同線は旧埠頭地区の廃止された貨物線の高架を流用しているという点が良いですね。横浜もみなとみらいでこれをやれば良かったのに…、と悔やまれます。

これは全く同感です。「横浜博」の時、1度は貨物線に気動車を走らせて会場アクセスに充てたのですが、博覧会閉幕と同時に廃線になってしまいました(その時の車両は三陸鉄道で健在です)。当時LRTについて知られていれば、或いはロンドンのように活用されたかも知れないのに、本当に残念です。

札幌式とパリ式は違いまして、建設用鋼材のごついような案内軌条(H型をエの字状に寝かせています。)があり、日本型の鉄道車両を直通させるには一筋縄ではいかないんです、札幌式の場合。

そうですか… やはり違ったモード間で直通するのは難しいんですね。

クリチバって…何ですか?スイマセン、不勉強です。

クリチバは、ブラジルの都市です。環境問題の見地から自家用車濫用を避けるために、都市交通にバスを活用し、地下鉄並の効果を上げている所で、その他、ゴミの分別などでも優れた方法を採っているようです。

それから、水戸の直流化ですが、地磁気観測所は筑波山の北東側柿岡町にありますので、鉄道路線を電気的にシールドする技術が実用化出来るまでは、待たなければならないでしょう。

これに関してですが、地磁気観測所から30km圏内では直流電化できないわけで、これのせいで戦前、水戸~石岡間を結ぼうとした「水石電気鉄道」は、結局電化が許可されず、途中の茨城町まで建設したものの、10年も持たずに廃線になってしまったそうです。では水戸は30km圏内なのか? そのはずですが、かつての水戸市内電車「水浜線」は直流電化されていましたから、或いはギリギリで直流電化が許可されるのかもしれません。ただ、先に紹介したドイツ・ザールブリュッケンのLRVは交直流電車ですから、JRは交流のままで差支え無いと思います。

シームレス化(ミニ地下鉄の直通化)は技術的にそれほど難しくはないでしょう。簡単なことで、既存軌道敷の中央にリアクションプレートを設置するだけです。(なにを言っているんだといわれそうですが)トレーラーと同じ発想で編成中の一部(理想は半分程度)がリアクションプレート上にあればモーターは回転しますから走行可能なはずです。ということは、踏み切り程度のいわば「無磁気区間」があっても、それは技術的に解決できるかも知れません(実際ポイント部にはプレートは無いですよね)。

これは盲点でした。確かにその通りかと思います。何で今まで気付かなかったのかな…コロンブスの卵を地で行くお話ですね。まあ、自動車道路と同一平面を走る併用軌道は、やはり駄目でしょうけれど。
ただ、地下鉄で貨物輸送というのは、なかなか魅力的なお話ですよ。バリアフリーの見地から、人間は地上のLRT&バス、地下鉄は貨物線に、というのは、1つの提言として検討に値するような気が致します。

最後に、僕の新規の投稿も宜しく! 皆様のご見識を拝見して、自分の考えをより妥当なものに鍛えていきたいと望んでおりますので。

貨物輸送の可能性

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (00/10/17(火) 23:14)

こんばんわ。

大江戸線問題でだいぶ盛り上がりましたね。ちょっと言い過ぎましたか。

続きです。悪のりついでにおつき合いの程。
貨物輸送の可能性ですが、根拠のある意見ではありません。あくまで構想(というより思いつき)の域を出ません。
ただ、いろいろ書いたりするのは、鉄道輸送や流通について、「こうなったらいいなあ」という希望がありますし、そのための技術革新(というより「新思考」「ブレークスルー」というやつか)が日本は遅れていると思うからです。失われた90年代を取り返すために、私たちはがんばりましょう。

で、大江戸線ですが、もちろん貨物駅は地下でいいのです。急勾配を建設できる特性を生かして、公道下の本線から、高層ビルや公共機関の地下駐車場へ横付けできるように建設すればいいわけです。旅客のダイヤは5時から1時までの運転の場合、早朝や深夜は間隔が開きますし、また、昼間も10分おき程度になるでしょうから、その隙間をねらって貨物電車を走らせればいいわけです。前の投稿で、地点を申し上げましたが、これらは、都心地域の隣接地点で、比較的配送事業のしやすい地域であると思います。公共市場の敷地などはまとまった公用地ですから、高度利用にはもってこいなんですね。
そして、「都営」地下鉄なのですから、今をときめく宅配便業者が、第2種鉄道事業の免許を取れば(公共ファクターなのだから取りやすいのでは?)、道路上にトラックを走らせるのと同じように貨物電車を走らせることはたやすいのではないでしょうか。
これからの流通は、小単位の輸送を需要に応じて行う形になるのですから、鉄道がこの流れに乗るためには、小さな車体のリニア地下鉄で試してみてはどうでしょうか。もちろん、コンテナがトラックの荷台に当たるのですから、どのように無駄なく運用するかは、宅配便会社のノウハウが生きるのではないでしょうか。

それから、水戸の直流化ですが、地磁気観測所は筑波山の北東側柿岡町にありますので、鉄道路線を電気的にシールドする技術が実用化出来るまでは、待たなければならないでしょう。取手からの関東鉄道が電化できないのも同じ理由だったはずです。また、交流電化も施設面でメリットがありますから、あえて「古い」電化方式である直流にこだわることは無いでしょう。むしろ、燃料電池の鉄道車両への応用が進展することを期待したいです。電気式ディーゼル車の歴史もあるのですから。

都内のトラック輸送ですが、通過する車両の問題は、私たちの今のテーマでは無いと思います。実際、昼間に裏秋葉原などへ行きますと、~急便などのトラックがきびすを接して路地へ入ってきます。これをなんとかならないかなあと、いつも思います。

今夜いいたいことはこのへんかな。

岡山についても今、地形図を見ています。う~んむずかしい。

乱筆ご容赦。おやすみなさい。

上に戻る▲


メトロ・カ-ゴ(貨物地下鉄)について

投稿者---P氏 (2000/10/18(水) 17:03)

お元気ですか?Pでございます。

地下鉄における物流ルートとしての可能性ですが、これはかつての前例を使えばよいかと考えます。20代前半より若い方にはピンとこないかもしれませんが、かつて国鉄は郵便・手荷物において大きなシェアを確保しておりました。専用の車両・ダイヤを使ったり、私:Pは幼少時を東海道線の線路っ傍で過ごしましたが、当時の呼称である「湘南型」の前なり後ろなりに箱型の荷物用電車を連結して、停車駅で荷役を行なっていました。これはモータリゼイションとそれによる小口宅配業の躍進、そして当時の国鉄の現場事情で時代に合致させられず、今は昔となってしまいました。東京で考えてみるとそれほどかさばったり特別な手作業を必要とする貨物を扱う事は少ない…つまり書類・出版物やあらかじめ破損しにくく梱包されたもの(コンビ二飲食品)主体になるかと思います。ラッシュの輸送力との兼ね合わせを考えれば、1編成の末端の車両の3分の1から2分の1をカーゴスペースにして(つまりクハニ・クモハニにするということです)荷のある駅で荷役作業を行うということは不可能ではないでしょう(停車時間が短い等難点はあるのですが、これは何とかなると思います。流行りのバイクメッセンジャー業者とタイアップするとか)。近年でも関西空港行きの快速で同じ試みがありましたが、今は(やはり)なくなってしまいましたね。
また、これも有名なはなしですがパリには(現在も機能しているのかは未確認ですが)郵便専用ミニミニ地下鉄(地下軽便鉄道といったほうが良いくらいのものだったように記憶しております)があります。もし、東京都心の空洞化が顕著になって不採算路線が出るようなことになったらこういった形での活用はできると思いますし、何より通常規格であればピギーバック輸送をして都心でのディーゼルトラック排除にも一役買えるというのは愚考でしょうか?(あくまで可能性のはなしですが)

さて、打越健太郎様
申し訳ございません。熊本市電は標準軌ですね。こちらの認識不足をお赦しください。代車を履き替えたというのは「高速運転用のものに」ということだったのでしょうか。また、かつての京都市電は標準軌と1067mmゲ-ジの3線区間があったようなので、今後の熊本市内のネットワーク化の芽は無いわけではありませんね(しかし、例えば水前寺駅で熊本市電のLRVと「つばめ型」が並ぶ姿って…味がありますね)。

さいたま市民@西浦和様
直流電化方式は車両製造費用が安く高頻度運転に向いた電化方式なので、現行の交流電化のままだと、これを施行した時には車両の増備費用が馬鹿にならないのでは?と私は考えました。でも、交流方式でも大容量の通勤輸送をしているJR九州という会社もありますから、あまり意味が無いですね。非電化区間との直通、せっかくレールを敷くのなら排気ガスは極力出したくないというのがPの愚考なのですが…水素モーターとか…?^^(ここまで来ると漫画の世界でしょうか。茶化してるわけではありません、半分は本気です)

とも様 はじめまして。
申し訳ありません、言葉が足りませんでした。「いきなりミニ地下鉄を造ることについては懐疑的です」と言い換えましょう。東京もそうなんですが、「少ない、少ない」と溜め息続きの自治体のお財布から、高い買い物である地下鉄(一概にそうとも言い切れない場合もあるのですが)を造るというのは慎重さに欠けると思うのです。今回「東京」がこれをやった事によって、必ずしも必要でない中小自治体が範を倣う可能性:危惧があることも指摘したいものです。多くの都市・都市圏ではGWB・LRTを併用した「デュアルトランジットシステム」を導入すべきです。順次これを立体化・ロードリザベーション化していって最終形態としてミニ地下鉄を目指す方が何かと良いと、Pは考えます。リニア式の鉄道そのものは現在はその本当の効果を見せつける形態の路線が無いのが惜しい所です。例えば箱根登山鉄道に導入するというのは結構良いかと思うのですが…。
シームレス化についての鋭いご指摘、感謝いたします。誠に盲点を突かれた思いです。

最後に、「多系統・高頻度運転こそが鉄道系都市交通機関の目指す場所」という考えをPは持っております。規格違いの交通システム相互間のシームレス化による総合的・体系的なネットワークへの昇華を唱えるにはこういう(ある面「手前勝手な」)考えに基づいた上です。ふと歩いている道すがら思い立って、行きたいところへ楽に、快適に向かえる交通体系こそが理想だと思うのですが…。
打越様、私もヒトサマの事はいえません。お互い長文書で頑張りましょう。

「貨物電車」実現への道

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (00/10/18(水木) 23:30)

こんばんわ。今宵もおなじみの顔が・・・。

鉄道(というより、電車での)での貨物輸送についての意見です。
今日、上野駅から東北線に乗ったのですが、地上ホームから出る中距離電車に新聞を積んでいるのを見ました。まだ、そういうのがあるんですね。夕刊は、新聞トラック(朝刊を運ぶ夜中はめちゃ速い)より電車が速いのでしょうね。
そうです。かつては列車による手荷物輸送が当たり前だったのです。飛行機で旅行するときと同じように、荷物は駅の扱い所から別送したのです。いつから大きな荷物を持って列車に乗るようになったのでしょう?荷物だけを送ることも珍しくはなかったのです。この時期、我が家でも山形の田舎から栗を駅留めで送ってもらって、駅へ取りに行ったりしたものです。宅配便が発達する前の時代の話です。
いまは、宅配便が発達して、トラックやピギーバックで運ばれているのですが、自分たちが乗っている列車に、駅で預けた手荷物が乗っているという安心感というより贅沢感は、旅行気分を高めてくれるのではないでしょうか。近所のコンビニで預けて、観光地のホテルで受け取るというのは、一番便利ではあるのですが・・・。荷物もいっしょに旅するのではないのですが。
まあ、電車で運べる貨物は限られているのかも知れませんが、小型コンテナを使って荷物電車や郵便電車を復活させるのはできないかなあ。規格の決まったコンテナなら、積み降ろしをホームのロボットなどにやらせればいいのですから、経済的なのではないのかと思うのです。でも輸送力の問題があるかも知れません。道路をひっきりなしに走っているトラックの数を考えると、電車が運べる量は限られています。旅客に比べると、荷物の料金は安いから、儲けがないですかね。
ただ、過酷な労働条件のトラックから、燃料効率の良い鉄道へシフトすることを目標とすれば、壁をクリアできるのでしょうか。意識の問題ですかね。

日本の企業と外国の企業の差は、外国では目標を定め、達成のために努力する経済活動だが、日本は現状を維持することで、利益を拡大するために努力する経済活動ばかりをしてきたというような違いが見えます。90年代に私たちが失ったのは、この点でしょう。IT技術でも日本独自のブレイクスルーは私には見えません。もちろん鉄道技術でも。その理由もわかっているのですが、ここでは言いません。だから、鉄道で移動する人の数が減る事がわかっていて、努力してきた企業がどれだけあるのでしょう。
大江戸線の新宿駅が、地下7階にあることで、私はキレました。

私は23区内でも車でどしどし入っていきます。他の埼玉県人はびっくりしますが。

ああ、ますます乱文。ツリーを移動します。

上に戻る▲

鉄道荷物輸送の可能性

投稿者---とも氏 (2000/10/19(木) 00:57)

みなさんこんばんは。
ともです。

先の鉄道貨物の意見、ちょっと書き過ぎてしまいました反省しております。

ということで、今回は鉄道荷物輸送の可能性についてちょっと書いてみます。
鉄道荷物(あえて貨物とはいいません)輸送が廃れて結構立ちますが、いまさら昔のシステムを復活させるのは厳しいでしょう。

そこで、提案したいのが、スイス国鉄のシステムです。
スイス国鉄では、飛行機と同じような預託手荷物の扱いをしています。この方式をさらに発展させ、飛行機の預託手荷物との間でシームレス化を行っており、乗車駅で預けた荷物は、途中で飛行機に乗り換えてもその最終目的地まで預かってくれるそうです。

これって日本では難しいのでしょうか。
関空特快でこのシステムを採用していましたが、利用率が低く失敗したそうです。
しかし、新幹線や在来線特急との連係ができれば可能性はあるのではないでしょうか。
潜在的需要が有る証拠に、成田空港への宅配便は大盛況ですね。
年間数千万人もの人が海外に行っていますから、その1割~2割でもかなりな需要だと思います。
まず空港利用者関係の荷物からスタートし、いずれは新幹線駅相互間などとのあいだでサービスを行うのも一つの手でしょう。
京成と東京都あたりでやってみても面白いかもしれませんね。それこそ地下鉄を使った貨物輸送です。

ちょっと的がずれるかも知れませんが、まず今にもできそうな案です。

御意見お待ちしております???
ではでは。

Re: 鉄道荷物輸送の可能性

投稿者---さいたま市民@西浦和氏 (00/10/21(土) 00:15)

こんばんわ。

どうして、鉄道による荷物輸送が廃れてしまったのかを思い出してみます。現状は、宅配便の発達で、非常にきめの細かいサービスが行われているのですが、その前はどうだったか、をまとめてみましょう。

1950年代後半からの高度経済成長の都市への人口集中時代は、ものが移動するのは、鉄道貨物中心でしたね。貨物扱いをする駅が当たり前で、どこの駅にも引き込み線などがあったものです。鉄道のダイヤも旅客と貨物で等分されていたと思います。その輸送力で納まっていたのでしょう。ものが動くより人が物のあるところへ移住する社会でした。
60年代後半ぐらいからか、ものの動きが活発になり、鉄道の輸送力が逼迫して、道路交通へシフトするようになり、長距離トラックによる輸送が一般的になったのですね。工業地帯から人口集中地帯への輸送や、産出地から消費地への輸送など、複雑な組み合わせが数限りなく生まれて、一人の運転手の人件費と、燃料費だけで直接輸送できるメリットがトラック輸送を発展させることになったのでしょう。
70年代、「日本列島改造論」などの政策で高速道路が計画、建設されるようになると、この動きはますます加速されることになったわけです。しかし、トラック輸送で働く人たちは、大企業を除けば、決して良いとはいえない労働条件で、現在も働いているわけです。高速道路上での大事故を見ればわかりますね。そして経済の論理は、一銭でも安い費用でのサービスを求めるのですから、この現実は、道路整備が続く限り、永遠に変わらないでしょう。
そのような、道路と道路輸送の現実の上に、鉄道輸送は貨物・荷物輸送を道路へシフトしてきたのです。本来保証されるべき、鉄道による貨物輸送が公的ファクターである(70年代当時は労働争議なども多く、信用を失ったのだが)ことから、トラック中心の民間へのシフトが正しいこととして、続いてきたのでした。

また、日本の産業活動全体が、その立地を経済論理にゆだねてきたことは、地域に根付かない空虚な活性化と荒廃を続けさせてきたわけです。古くから根付いた産業を廃れさせ、人件費のみの最小化を目指す企業の進出は、そのときだけの輸送の拡大を見せるのですが、その役割を終えるとさっさと撤退する、というむなしい繰り返しを全国で続けているわけです。その空回りが私たちの「高度経済成長」だったのではないでしょうか。海に囲まれ、自然に囲まれていたはずの島国の、天然の海岸線が数%ということは世界の他の国々にはないでしょう。

これからの縮小再生産の時代に、世界の経済発展を全体として分析し、その中で日本の生産活動を維持するために、どのように産業を立地させるかというデザインを戦略的に行う中で、鉄道による貨物輸送のメリットが明らかになるのだろうと思います。輸送機関の主従の逆転だってあり得るのではないでしょうか。

現在の宅配便の興隆は、ITの興隆と表裏一体であると思われます。この状況は今後ますます進むことになるのでしょう。ただ、これを支える人々も、高齢化すれば、従事する人の数も減少するでしょう。

配送の共同化が話題になっていますが、このような動きに地下鉄やLRTの荷物輸送は有効な手段となるのです。本当なら、国際標準コンテナさえ運べるような規格で、人々がまとまって住む地域には、経済効率のよい公共交通機関が配置され、活用されることが、公的資金の有効活用になるのだと思います。技術革新というものは、新技術を高く売ることだけでなく、既存の技術を安く活用できるようにする事のなのでしょう?それなら、鉄道を中心とした、貨物輸送を含めた公共交通網の再構成は望まれていることではないでしょうか。

貨物輸送についての意見はこのぐらいにして・・・。

大江戸線の2つの車庫を活用したら、貨物輸送できそうですよ。光が丘は環状8号、関越自動車道外環自動車道に近いし、木場は埋め立て地に近い。どっかの企業(東京都を含む)がやらないかなあ。

空港輸送で手荷物を運ぶのはTCATからのリムジンバスがやってますね。輸送料金がバス代または航空運賃に入っているのでしょうか。鉄道会社も、航空会社とタイアップして、料金込みで、鉄道の定時性を生かして、ぎりぎりの時間まで受け付ければ、結構人気が出るかもしれません。JASあたりにやってほしいですね。人形町駅からなら、羽田成田両方向にできますね。

今日も言いたいことばかり書いてしまいました。
乱文ご容赦。

Re: 鉄道荷物輸送の可能性

投稿者---打越健太郎氏 (00/10/21(土) 02:47)

打越健太郎です。鉄道貨物・荷物の復権についてですが、現在、「宅配便を送りたい」と依頼すると、家に配達してくれるのは当然として、荷物を受取りに来てくれるサービスがありますよね。あれを採用すれば、鉄道で旅行する人は鉄道貨物・荷物を利用するのではないでしょうか。旅先で荷物が多い場合は宅配便で送るのが普通ですが、折角の御土産が手元に届くのに数日掛ってしまいます。もしも乗客と同じ列車で荷物を運び、家まで届けてくれるのなら、人間と荷物がほぼ同時に到着できます。こんなサービスの需要が無いはずはないのですが… あとは、「東京~大阪2時間半」を売り物に、「新幹線便」などという荷物配達を行っても(受付場所は東京駅・新大阪駅に限ったとしても、その異常な速さで)結構需要があるんじゃないかなあ…
因みに、都市内の鉄道貨物輸送ですが、ドイツ・ドレスデンでは「カーゴ・トラム」という全長60m(ドイツでは軌道の全長は75mまで)の路面貨物列車が2001年3月に走り出します(「鉄道ピクトリアル」2000年7月臨時増刊号「【特集】路面電車~LRT」33ページ)。この街のフォルクスワーゲン・アウディの工場と倉庫はそれぞれ市の東側と西側に別れているのですが、この間を時間通りに走る、ということで採用されたようですね。わが国でもこれを参考に出来るか否か、興味のある所です。

Re: 鉄道荷物輸送の可能性

投稿者---P氏 (00/10/21(土) 15:35)

お元気ですか?Pでございます。

皆様、レスをありがとうございます。地下鉄における本格的貨物輸送に関しましては、現在在来線貨物がまだ衰退の流れから抜け出ていない事から(話題をフッておいて何ですが…^^)実施に至るまでさらなる熟考が必要かと考えます。ただ、現在の道路上の小口宅送サービスと鉄道とのリンクは鉄道物流復権の突破口となるとは思います。空港・新幹線など長距離移動の際の行李託送やコンビニ配送(名古屋鉄道も夕刊電車配送を行なっています、地下の手狭なことでつとに名高い新名古屋駅にはカーゴシューターやエレベーターなど荷役設備が結構ちゃんと整っています。目を凝らしてよく見るとこの手の駅は結構そこらじゅうにあるような気がします)。
コンテナ輸送ですが…日本と規格が酷似している台湾鉄路(国鉄)のコンテナ輸送は「EVERGREEN」や「HYUNDAI」などのあの電車並の大きさの国際規格コンテナ対応になっています。日本ではなぜこれをしないのでしょう?余談ですが台湾では鉄道物流は一時よりは衰退したとのことですが、私が見た限り日本よりも元気なようです。
また新幹線は航空機を意識しているのが現状ですが、航空機のメリットをなぜ、いつまでたっても、取り込もうとしないのでしょうかねぇ?マイレージサービスとか、バゲッジサービスとか…。やれば絶対に好評だと思うのに…。
また日本の鉄道はかつての「建主改従論派」と「改主建従論派」との構想の末、前者が勝ち、その末に行き着いたエントロピー(国鉄分割民営化)の呪縛からまだ抜けられないでいるように見えます。少なくとも現在はまだ「建主改従」の暗い渦の中にいます。新線建設に対して尻すぼみの今をして、何を言うかとおっしゃられるかもしれませんが…、かといって改主というほど「大掛かりな事」は未だ行なわれていないとPは感じます。もう、改主建従にはっきり転換すべきだと思うのですが…。
すいません、また的が外れてしまいました。


ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

上に戻る▲

テンプレートのpondt