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(過去ログNo.)

地方バスの苦境に公共交通システムの崩壊を見る

投稿者---551planning (2000/09/02(土) 00:15)

トンでもない事実が発覚した。運転手の独断で路線バスの運行が途中で打ち切られていたというのである。

中国JRバスが運行している路線バス坂上線(大竹駅(広島県大竹市)―長野団地(山口県美和町)間26キロ)で、終点前に運転手が「この先はめったに乗客が乗らない」と勝手に運行していた事が分かった。バスを利用できなかった乗客がいる可能性もあり、中国運輸局は乗客の有無に関わらず終点まで営業運転するように定めている道路運送法違反の疑いがあるとして立ち入り検査する方針。終点手前でこのバスの写真を撮ろうとしていた人の指摘から、同社が同路線の運転手15人全員から事情聴取したところ、うち4名がこれまでにも何度か運行を打ちきっていた事を確認している。
坂上線は全線通過便が平日4・祝日5往復で、一便あたり平均乗車密度が5.8人(5月末)と、採算ラインの15人を大きく割り込んでおり、廃止が検討されている6路線のひとつ。この事態で同社では苦情はなかったという。

通過時刻になってもお目当てのバスが来ない事をいぶかしんだ人が停留所を戻って行くと、停まったままのバスが…「この先はめったに乗客がない。燃料も勿体無いので、この停留所で全員降りた場合は終点まで行かない」とのたもうたそうな…。これは「苦情がなかったから」で済ませられる問題ではない。関係者には猛省してもらわなければなるまい。

当ページで再三言っているとおり、バス業界を取り巻く環境が殊の外厳しい現在、眼前には「規制緩和」の錦の御旗を立てた自由化という黒船が迫ってきている。
運輸省は2001年の需給調整規程撤廃によって生活路線維持のための地方バス運行補助制度を見直し、中長距離系統に限定した補助にする方針を決めた(08/31付交通新聞1面)。これによって黒字会社でも競争力維持の補助を受けられる方向性も示されている。逆に言えば地域短距離路線を多く抱える赤字会社にとっては地方自治体レベルでの補助頼りにならざるを得ず、今後の路線維持が非常に難しくなりつつある状況も現時点からも少なからす見受けられており、いわば市場原理の導入たる需給調整規程撤廃がこうした事業者の事業縮小・撤退を促進し、公共交通維持への大きな危惧となるのではとの懸念すら持たれているのである。
モータリゼーションと過疎化によって窮地に立たされたことを鑑みれば、仮にそのようなことになればまず路頭に迷うことになるのは最前線で働く現業員であることは想像に難くない。利用者には唯一ではあるもの、クルマ(自家用車)という選択肢を持っているからであり、現にそうした先例は日本中数多い。
この事件はまさに危うい立場になりつつある現業員による職場放棄といっても過言ではなく、それを見過ごしてきた事業者側の責任も重い。結果的には実際に利用がなかったから事がここまで発覚しなかったのだとしても、当然来るべきバスがやってこなかったということは、利用者を冒涜しているのに等しい行為ではなかろうか…もしやひょっとして、これはまさしく公共交通に携わるすべての人々の中にも潜んでいるものなのかもしれない。「つい前の」国鉄民営化時に全国で見受けられた「守るべきものへの執念」ともいうべき交通従事者の公共交通に対する信念の「変化」がかいま見えてくる気がする。種々の「システム」が崩壊しつつあるこの国の現状と重ねて見ると、公共交通の将来に空恐ろしいものすら感じてしまうのは、私だけであろうか。

Re:地方バスの苦境に公共交通システムの崩壊を見る

投稿者---打越健太郎氏(00/10/08(日) 01:34)

僕もバスを使うことが多いのですが、流石に運転を途中で打ち切る、というのは聞いたことがありませんが、時間がでたらめで困ることが多いですね。「渋滞のせい?」と思われるかもしれませんが、僕の家は車庫の傍、出庫するバスが見える所です。で、バス停で待っていても、発車時刻をとっくに過ぎても出庫せず、20分待っても来ないので、車庫に電話したらすっ飛んできた(^^;; いつからデマンドバスになったんだ…
運転手さんたちに聞くと、バス会社で採算が取れるのはもはや高速バスくらい、市内バスは慈善事業だと思っている、という情けないお話… バスの活性化には、僕も大変に興味を持っていて、市場に委ねるだけでは駄目、何らかの公的援助が必要だと思うのですが、それにしても、もう少し、職業的な誇りを持ってもらいたいものですよね。

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バスの活性化の秘策は「地下鉄化」にあり

投稿者---打越健太郎氏(2000/10/08(日) 03:57)

前項で、バスの衰退についての紹介があったので、僕が常々考えていることを投稿致します。
最近、公共交通の衰退が深刻で、地方ではバスのみならず鉄道も閑古鳥が鳴いている状態です。でも、それでも鉄道はバスよりもマシな状態が続いています。前項でも少し述べましたが、バスは鉄道よりも遥かに深刻ですね。
嘆いていても始まりません。鉄道に比べてバスが利用されないのは、

  • 路線の存在そのものが知られていない、判り難い
  • 定時性・フリークェンシーに欠ける

こんな理由が考えられます。これに対しては、バスレーンを確保し、バス優先信号を設置する、といった対策が取られています。基本的にはこれで良いのですが、バスよりも鉄道が利用されるのなら、バスを事実上、鉄道にしてしまいましょう。具体的にはどうするか。
バスレーンをカラー舗装する、というのも良い手ですね。また、バスの接近表示機を停留所に備え付ける、というのも宜しい。また(意外かもしれないですが)フリークェンシーを高めるためには、ルートの広がりを犠牲にしてでも、特定の有望な路線を強化する、というのも、案外、バスへの信頼を高めるかもしれません。

つまり、身近な、ただし滅多に来ない路線は廃止されてしまっても、少し遠くのバス停に行けば、必ずバスに乗れる、というような信頼感を高めるわけです。出来るなら、このバス停に駐車・駐輪場を備え、身近なバス路線が無くなってしまう不便を減らせば、なおベターでしょう。
これらは決して特殊なアイデアではありません。しかし、強権的な手を使えない以上、こうしてバスの体力を強化していく、というのが、結局はバスの利用を回復させる王道ではないかと思います。とはいえ、「これだけ? もっとマシな提言は無いの?」と言われるかもしれませんね。それが冒頭の「地下鉄化」です。普通、地下鉄や路面電車などの案内図にはバスが出ていません。それゆえ、地元の人でも路線の経路などがよく判らない、ということが起こっています。

全部のバスを書きこんでも煩雑なだけですが、東京の「都市新バス」・名古屋の「基幹バス」くらいは、むしろ鉄道の仲間として紹介するというのはどうでしょう。具体的には、鉄道と(乗り継ぎ割引ではなく)通し運賃、電車との接続もきちんと確保し、特に東京などではバスカードでなく電車用のプリペイドカードも使えるようにした上で、地下鉄路線図にしっかりと快速バスを書きこむのです。使う手段は自動車でも、あくまでも鉄道の一環としてサービスを提供する、これを僕は「地下鉄化」と呼んでみたい気がします。
この呼び方は僕のオリジナルではなく、ここで述べたような施策でバスの利用を激増させたブラジル・クリチバ市の「地表地下鉄」“Surface Subway”に因んだ呼び方です。

Re:バスの活性化の秘策は「地下鉄化」にあり

投稿者---とも氏(00/10/11(水) 13:02)

むかーしに参加させていただいていらい久々のレスです。議論が白熱化してますね。僕も参戦させてください。

打越さんの意見、ある意味ごもっともなんですが、これは今の世界的な交通政策の流れからみると少しずれますね。
今、欧米のみならず、アジアでも「1都市圏内 単一運賃体系」というものが多くなり、また、交通網の考え方も、基幹交通=鉄道ではなく、その輸送量と距離によって最適な交通機関を選択するという考え方になってます。であるからして、「バスの鉄道化」というよりも、「バスと鉄道の融合」がキーワードなのではないでしょうか。
たしかに、名古屋の基幹バスのようなものは鉄道と同じような位置付けにという考え方はありますが、それでは所詮、バスは鉄道の代替交通機関であるとの位置付けになってしまいます。
それは結果的に、バス相互間の利便性向上による乗客増にはつながりにくく、一部路線のみが強化されることになります。

そこで、僕なりの提案です。

  1. 運賃の共通化(ゾーン化)を図る。
    欧米ではあたりまえのゾーン運賃制を導入するものです。
    これにより、バスと鉄道の乗り換え抵抗が減少し、相互の利便性が向上します。
    この政策は大都市でも効果はありる思いますが、複雑に事業者が入り組んでいる地域では事業者間の競争の効果がなくなるほか、特定路線に乗客が集中するなどデメリットがあるので、中核都市(水戸市や長野市クラス)~中規模な政令市(仙台や広島など)向きだと思います。
  2. 共通乗車券制度
    パスネット・するっと関西の拡大判ですね。
    モデルは香港の「オクトパスカード」です。
    バス、鉄道、地下鉄、新交通、水上バスなど域内の全ての交通機関に共通のプリペイドカード(ICカード)システムを導入し、乗り換えの抵抗をすこしでも減少させるというものです。バスを避けてしまう理由の「路線が分かりにくい」の他にある、「運賃がよくわからない」というものを解決し、乗り継ぎ割り引きなどの割引策も導入しやすくなります。
  3. バス路線網自体の再編を行う。
    バスの利便性低下の最大の要因は、バス路線の複雑さです。中途半端な規制のために、便数の極端に少ない市街地路線が増え、結果的に複雑化していますから、思いきって路線の再編を行い、大阪で行われているような「基幹バス+ゾーンバス」や打越さんが紹介されていたブラジルのクリチバ市の急行バス+ローカルバスの考え方を採用するというものです。

以上が私の考えです。

ところで、紹介されていたクリチバは地下鉄化というよりも、名古屋のシステムと同じものと考えるのが妥当と思いますが...。クリチバは、当初の予測段階で乗客数からみてバス対応が適切と判断し基幹交通網をコンボイバスのような大形で整備したものが発展し、結果的に鉄道のようになったと考えますが、いかがでしょうか。

ちなみに、バンクーバー市(カナダ)に「99Express」というトランジットマップでも鉄道とほぼ同様の書かれ方をされている急行バスがあります。このバスの特徴は、カナダに多いトロリーではなくディーゼルの連節バスで、郊外の住宅・業務地区相互間を結ぶ路線である点です。
東京で言えば、環七あたりに急行バスが走っているイメージですね。
運賃はそもそもゾーン制なので関係ありませんが、かなり打越さんのイメージに近いものだと思います。

乱筆失礼いたしました。では。

Re:バスの活性化の秘策は「地下鉄化」にあり

投稿者---打越健太郎氏(00/10/12(木) 02:42)

とも様、ご意見有難うございます。ご指摘を拝見し、確かに僕は「鉄道が主、パスは従」という考えに少々囚われていたかな、と気付かされました。まあ、僕の意見でも「バス路線を再編すべし」という部分は、とも様と共通でしょうが、通し運賃よりゾーン運賃のほうが遥かにお客さんにとって経済的、僕もこれからは「通し運賃」に宗旨変えさせて頂きます。
因みに、大阪市のゾーンバスは乗り換えの不便が嫌われて不評だとか。では、一体何故ほぼ同じ仕組のクリチバでは特に問題になっていないのか? クリチバのバスにかける情熱は異常な程で、乗換の不便を軽減するために次のような施策が行われています。

  1. プラットホーム
    クリチバのバスは高床式の普通のバスですがステップは無く、その代わりバス停にはプラットホームがあり、都電荒川線と同様の方法でバリアフリーを実現しています。このホーム、屋根にすっぽりと覆われ、冷暖房完備、車椅子用のスロープ・リフトも備えられ、雨の日でも、身体に障害を御持ちの方でも快適な利用が保障されています。
  2. 乗換抵抗打破の努力
    ステップ無しのバス、というのも乗換抵抗の減少に有益でしょうが、クリチバの努力はこれに留まりません。各駅停車のバスの他に急行バスもあるのですが、この急行バス、通常のバスと反対に左側にドアがあり(註・ブラジルの道路は右側通行で、バスのドアは通常右側)、先ほどのプラットホームを経て、全くの同一平面で、しかも外の風雨に曝される事無く乗換が可能です。

今後、わが国でLRTの整備やバス路線の再編が行われる時にも、このクリチバのあり方は有益な御手本になりますね。僕個人的には、大阪でこのクリチバ式のバスサービスをやってみて欲しいですね。果たして、ここまでやっても乗換を含むゾーンバスは嫌われるか、実に興味のある所です。

最後に、ゾーン制などの共通運賃は競争効果を失わせる、というご指摘はあちこちで拝見致しますが、例えば、「スルットKANSAI」のように一旦、全収益を別会社に集約し、そこから実際に利用された会社に分配する、という形を取れば、利用者には便利、かつ事業者間の競争は充分に行われるのでは?

Re:バスの活性化の秘策は「地下鉄化」にあり

投稿者---とも氏(00/10/12(木) 10:26)

打越様、丁寧なレスありがとうございます。

大阪がだめで、似たようなシステムのクリチバはなぜ成功したかということですが、その理由は、ズバリ、市民参加ではないでしょうか。利用者が、バスルートを設定し、形態を決めるやりかたをクリチバはとっています。しかも、その利用者とは市民であり、素人です。この素人をプロの交通計画の技術者がサポートすることで、事実上、市民が形態を構築する形をとっています(岡並木さんが本でかかれています)。
このような形ですすめられたクリチバと、市主導で進められている大阪の差ではないかと考えられます。大阪のシステムは決してクリチバに劣るものではありませんが、やはり細かいところで利用者に不便をかけるものとなっているのかもしれませんね。

また、ゾーン制運賃と競争阻害の話は、単純で、ゾーン運賃を採用した場合、原則同一事業者とする必要があり、その場合、競争路線もすべて同一事業者が経営するので、路線間競争が無くなってしまうということです(営団地下鉄状態と思っていただければ結構です)。
通常、ゾーン運賃を採用している都市は同一事業者化されています(パリ→交通営団、バンクーバー→州交通局、パース→パース交通会社)。

スルッとKANSAIやパスネットは共通乗車システムなので、シームレス化には貢献しますが、ゾーン制とは主旨が異なるものではないでしょうか。

Re:バスの活性化の秘策は「地下鉄化」にあり

投稿者---打越健太郎氏(00/10/16(月) 01:27)

打越健太郎です。とも様のご意見。

大阪がだめで、似たようなシステムのクリチバはなぜ成功したかということですが、その理由は、ズバリ、市民参加ではないでしょうか。利用者が、バスルートを設定し、形態を決めるやりかたをクリチバはとっています。
しかも、その利用者とは市民であり、素人です。この素人をプロの交通計画の技術者がサポートすることで、事実上、市民が形態を構築する形をとっています。

この、「市民参加」という重要なキーワードに関して新規のツリーを立てさせて頂きますので、是非そちらもご覧下さい。

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バスに基幹交通の重責を担えるか

投稿者---打越健太郎氏(2000/10/08(日) 21:26)

引き続いて、打越健太郎です。
福岡や北九州といった九州の政令指定都市には、それぞれ地下鉄・モノレールといった軌道系の公共交通があり、福岡は黒字、北九州も単年度での黒字転換に成功、という良好な経営を続けています。一方で、この両市(特に福岡)では、むしろ人気はバスのほうにあるとか。まあ、バスのほうが経路が自由ですから、より大勢に支持されるのは分かります。でも、果たしてこの両市、バスだけで公共交通の需要を賄い切れるのでしょうか? 北九州には、今や風前の灯火である路面電車が有りました。「福岡は路面電車廃止から地下鉄完成まで、バスで乗り切ったんじゃ?」と御思いかもしれませんが、あの時期にも(やや郊外でしたが)国鉄路線がありましたね。果たして、あのレベルの大きさの街で、バスが基幹交通になり得るのか、軌道系が(路面電車やLRTのような、比較的簡易なものも含め)どのくらいの大きさの都市から望まれるのか、皆様のご意見をお聴かせ頂ければ、幸いです。

福岡の事例では・・・

投稿者---KAZ氏(00/10/09(月) 18:59)

福岡の事例では・・・

  • 国鉄筑肥線は都心向きへの交通の主役ではなかった
  • 基幹となるバス路線が分散していた

ということがありますかね。筑肥線自体が非電化単線で、国鉄の鈍重な気動車が下手くそなダイヤ組成で運行されていたので、実際には平尾で西鉄電車に乗り換えて天神への鉄道ネットワークがあったものの、メインの路線にはなっていませんでした。
バス路線は貫線と呼ばれる現地下鉄ルートと、六本松・国体道路を経由する天神方面行き、六本松から城南線(元の軌道線ルート)を経由する天神・博多駅方面行きの3ルートに分散して運行されていました。他にも都心に近い部分では昭和通りや長浜通り経由の路線もあり、地下鉄が一本で担おうとする区間を複数のルートで分散して輸送していましたから、特定の1ルートで見た輸送力では劣っていても、実際に輸送を担う路線を全部集めればそれなりの輸送力があり、実際にも当時のバスシステムででも何とか輸送していました。今のように柔軟なバスシステムへの対応があれば、結構バスも頑張れるもののようです。但し、当時は西新が副都心にはなっておらず、西新~天神間の特定区間における旺盛な輸送圧力がなかったが故に可能だったという一面もありますね。西新の発展は地下鉄のインパクトも大きく影響したようですから、こういった政策的な意図を含む場合はバスの限界も見え隠れするかとは思います。

Re:福岡の事例では・・・

投稿者---さいたま市民@西浦和氏(00/10/10(火) 23:01)

こんばんわ。

福岡の話題にも参加しますね。よろしくどうぞ。
いくつかのうろ覚えの補足と質問です。

筑肥線のことですが、乗り入れ直前には、30系気動車数両で今は無き東唐津駅から、朝は十数分間隔(交換駅をめいっぱい使っていたはず)、そのほかは数十分間隔で博多へ向かっていたはずです。天神へは平尾乗り換え、でも駅は離れていたはずです。まあ、百万都市の交通路としては、前近代的な路線でしたね。
地下鉄になって、筑肥線は(前からそうだと思いますが)福岡~唐津の都市間輸送と福岡市内の都市交通を担うことになったわけですね。それに、博多へ着く新幹線を初めとするJR各線、福岡空港からの旅客も取り込んで、福岡市内、また、唐津へ向かう旅客を運んでいるわけですね。市交線部分はバスとの競合もあるでしょうが、都市間旅客が市交線部分の最長距離を利用するわけですから、黒字化も納得できます。貝塚でも、宮地岳線や西戸崎線(輸送力は小さいですが)を培養線として、輸送量を確保しているのでしょう。現在の輸送力は、20m電車*6両で数分~十数分間隔で運転されていますね。唐津まで直通する電車は最大35分間隔ですね。輸送実績がどうなっているかは不勉強なので、輸送力と輸送流の概観だけを補足します。
バス路線は、南北方向よりも東西方向の方が発達しているようです。大きな道路が、4~5本あるわけです。そのうちの1本が地下鉄路線になっている「貫線」といわれる通りですね。2つの交通中心(天神と博多駅)はどのバス路線も必ず通りますから、この2地点を行き来する人には、まさに秒単位でバスが来るわけですね。その上、百円区間となって、言うことなし。南北方向は、鉄道(JRと西鉄で北へ2本、南へ2本)がありますし、鉄道のない地域は、おおむね、近郊の住宅地ですから相互間の交通流は少ないかも知れません。

埋め立て地や新都心についてはどうなっているのかが、興味ありますね。また、郊外を環状に結ぶ交通路(道路やバス路線)があるかどうかも知りたいですね。
福岡と言うところは、自家用車の利用はどんな様子なのでしょうか。

水戸についてはこのあとで。いったん投稿します。

管理人さんへ;他のコメントで後から投稿した人より先に入ってしまったのはなぜ?

東京では

投稿者---551planning@管理人(00/10/11(水) 00:52)

皆様、御来場有難うございます。
別記していますが、最近は当方もなかなか参加できず、閑古鳥が鳴いていた時期もございましたが、お約束を守って頂ければ長文・激論大歓迎でございますのでお気軽に。当方もじきに参戦する予定でございます。

東京では大江戸線開通による路線バス整備で「ラピッドサービス」を開始する由。自宅至近の新小22系統(新小岩駅―船堀駅―西葛西駅)にも登場するとのことで、大変期待していますが、この他東京城東地区では南北軌道系交通が稀薄なため、バスが基幹交通的役割を担っています。幕張本郷―新都心間もこれに近いものがあるでしょうが、軌道系と違って路線や運行計画に柔軟性が保てるバスの効果は今後より見直されてゆくのではと個人的に感じています。
 #もう少し具体的に纏められればいいのですが、今日はここまでで御勘弁を。

***
さいたま市民@西浦和様、はじめまして。
当方愛用しているトワックス掲示板はいろいろカスタマイズできるのが良いところなんですが、当掲示板上でのレスポンスは常に新しいコメントを上に持ってくることで議論の活発化を図るため、投稿順にその上に記載される方式を採っております。なお過去ログでは議論の流れをそのまま素直に追って頂くために時間順に組替えて整理させて頂いております。
より多くの皆様にも御覧頂きまして、御意見がございましたら何なりと、是非とも管理者までお願い致します。

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参考資料・バスに対するLRTの優位性(曽根悟教授の説)

投稿者---打越健太郎氏(00/10/09(月) 12:07)

打越健太郎です。僕はLRTが大好きで、ここでも何度も議論していますが、「LRTとバスレーンとの差は?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。東京大学の曽根悟教授がかつて講演(豊橋・路面電車サミットにて)された時のメモを投稿します。僕の意見というより、曽根先生の考えだと思って、参考にしてください(僕が全部同意見、というわけではありませんが、参考資料ということです)。

  1. LRTは幅を取らない
    軌道の上しか走らないLRTと違い、バスはプロの運転手でもレーンをはみ出すことが多いとか。広い道路はともかく、狭い道やトランジットモールなどでは、これは結構重要な差でしょう。
  2. LRTは省エネ
    LRTの使用エネルギーは、(同じ本数を運転して)バスの7分の1。
  3. LRTは排気ガスを出さない
    バスも自動車ですので、都市の大気汚染の原因になってしまいます(とはいえ70人乗りのバスが、5人乗りの自家用車の14倍排気ガスを出すわけではないけれど)。
  4. LRTはバスよりも高速で走れる
    金沢でLRTを導入が検討されている中で、北陸鉄道石川線に直通、最高速度80km/hをという計画が出ています。都市内ではバスはこんな速く走れませんね。
  5. 、LRTはバスよりも輸送力が大きい
    バスは定員約70人(連節バスはその倍ほど)、現行の軌道法(全長30mまで)でも熊本や広島は定員150人を超え、福井はもっと乗れそうです。軌道法が改正されて江ノ島電鉄や京阪京津線のような長編成を導入できれば、この差はさらに広がります。
  6. バスに比べ、LRTは珍しく、街の観光資源に
  7. LRTは線路があり、路線が一目瞭然
    バスでも名古屋の新出来町線(路線をカラー舗装)という似た例がありますが、このレーンを外れて別経路を行くバスが有ると、途端に部外者は混乱しかねません。柔軟な路線設定が仇になるかもしれませんね(知らない都市でバスに乗る不安を思い出してください)。
  8. LRTは静か
    近づいても気づかない程だとか。
  9. LRTは鉄道と直通可
    前述のように、むしろ既存鉄道の強化の為にもLRTは有効でしょう。
  10. LRTはバリアフリーと親和性が高い
    これは低床バスでも同じですね。今度名古屋に開通するガイドウェイバスは原則として高架ですから、却って一般のバスより使いにくいかも…(ドイツ・エッセンでは、ガイドウェイを地上に敷設しているが、道路との平面交差、つまり踏切を造れないという)。

LRTとバスレーンの差、お分かり頂けたでしょうか?


ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

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