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サンライズに見る東海道筋夜行列車の可能性 投稿者---とも氏(2002/09/10 17:14:47) http://town-m.vop.jp/ |
サンライズに見る東海道筋夜行列車の可能性 |
東京からのいわゆる「ブルトレ」群に革命を起こすかのように登場した電車寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。
登場からはや4年。一時はプラチナチケット化した寝台券も普通に取得できるようになり、ブーム的なものから一般移動への定着が見られるとともに、瀬戸の多客期松山延長も定着とまさに新世代の夜行列車としての発展を見せています。
先日、急な事情により早朝に香川に着かなくてはならないことになったため、サンライズに東京坂出間2夜連続乗車(苦笑)という機会にめぐりあえましたので、その状況をレポートします。
9/1(日) 下り サンライズ瀬戸 東京→坂出
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9/2 上り サンライズ瀬戸 坂出→東京
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結局、上りは姫路〜大阪で50名前後、岡山で30人以上の乗車ですからいい乗りを見せています。
特にノビノビは客層が全く予想と異なり、男女比4:6ぐらい。若い女性、カップルが多いです。あとは年配の方が少々。
特に大阪は特筆すべき点で、0時以降という時間帯は決してベターではないのですが、東京着7時という点、そして価格でしょうか。
確かに成田空港出発でアジア方面などの場合、このサンライズはいい時間帯になりますし、TDRへ向かう場合やUSJ帰りの場合にも非常に使いやすいです。大阪で飲み食いして・・・というのも魅力的ですし。
特にノビノビは高速バス対策なのでしょうが、高い支持をうけているようです。確かに、この内容、設備で指定席料金というのは割安感があります。値段的には大阪〜東京ならば12,000円程度。ドリーム号で8,610円ですが、時間や快適性ではノビノビに軍配が上がりますから、場所やスケジュール次第ではサンライズ利用が多いのもうなずけます。
東阪間でも数十人とはいえ無視できないだけの利用者がいるわけですし、ノビノビが満席であるという点を踏まえれば潜在需要は多いと考えられます。少なくとも銀河よりは支持は高いのですから。寝台全個室、ノビノビ付きのサンライズはバスに対しても強力な力を有しているのかもしれません。
サンライズは「またこれにするか」という気分にさせてくれるものですし、女性やビジネスマンからの支持も結構厚い。東海道夜行はやり方次第で大化けすることも考えられますね。
正直、考えを改めたとでも申しましょうか。
次の一手に期待したいというところです。それでは
ビジネスに使えない「銀河」をどうするか log053.html#2
東海道・山陽筋夜行列車は未だ可能性がある?
投稿者---TAKA氏(2002/09/10 23:45:08)東海道・山陽筋の夜行列車には未だ可能性があると思います。その為には色々な条件が必要になると思います。私の考える条件は下記の通りです。
個室によるプライバシーの確保、ビジネスホテル程度の環境の提供。
起点を22時程度に出発して、終点に朝7〜8時程度に到着するダイヤ設定。
新幹線+αの運賃で有る事、少なくとも新幹線を利用して目的地でビジネスホテルに泊まるよりかなり安い事。
少なくとも複数の数十万都市と大都市を結びかなりの需要が存在する事。
これらの事が必要になってくると考えます。そう考えると東京から岡山・米子・松江・出雲市を結ぶサンライズ出雲と岡山・坂出・高松を結ぶサンライズ瀬戸はこれらの条件のかなりの部分を満たしているので、需要が定着して成功していると考えます。
これらの事を考えるとサンライズ瀬戸・出雲以外に未だ需要の存在する地点があると思います。具体的に言うと以下の区間であると思います。
東京〜大阪(サンライズ銀河?)
東京〜広島・岩国・小郡(サンライズあさかぜ?)
東京〜新居浜・今治・松山
大阪〜小倉(〜大分)・博多
大阪〜熊本・長崎
これらの区間は上記条件を満たす寝台特急を設置すれば、それなりの需要は存在すると考えます。又サンライズ編成は1編成が7両ですから、近接中規模都市を複数並べれば7両を埋める需要は十分存在し鉄道に取り未だ捨てるには惜しい市場が存在していると考えます。
サンライズ編成はのびのび車両等もあるので多様な需要を吸収できますし、編成の定員を考えると絶妙なキャパであると考えます。また曲線通過速度を上げる事は困難ですが(あげられれば山陽区間で効果は絶大ですが・・・)130キロ運転も出来ますから客車編成よりかなり高速運転が出来ます。
サンライズ編成の九州乗り入れには「交直流電源」搭載スペースの問題を解決する必要が有りますがそれが出来ればサンライズ編成が効力を発揮する場所はかなり広がると考えます。
これからの夜行列車は「ビジネス需要を取り込む」か「ゆとりの旅行を提供する」等のアピール点が無いと生き残れないでしょう。「サンライズ瀬戸・出雲」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」はその事を如実に示しています。これらの基本を考え如何にして夜行潜在需要を取り込むかを考える事も無駄ではないですし、其処にビジネスチャンスが存在すると考えます。もし既存JRがこれらに需要創造に乗り気でないのなら、運行専門の会社を作りその会社に車両を保有させ運行要員のみJRから派遣させ、サービスは運行会社が提供するようなことも視野に入れる事も必要でしょう。線路所有のJRが全てのサービスを提供する必要はないと考えます。これらのJRの線路を利用して特定のサービスを提供する様な会社が有っても良いと考えますが・・・
これらを含め夜行需要を特定区間で提供する事を柔軟に考える事も必要ではないでしょうか?妄想的?「東海道・山陽筋夜行列車改善策」は如何ですか?
投稿者---TAKA氏(2002/09/11 13:47:51)こんにちはTAKAです。度々の連続レスで申し訳有りません。今昼休み&移動中なので昨日考えきれなかった項目を書き込みます。
今東海道・山陽筋の夜行列車はサンライズ瀬戸・出雲を除いて玉砕状態で「只滅び行くのみ」という状況です。前レスでも示したとおり未だ潜在的寝台需要が存在し、改善次第ではぼちぼちの収益を期待できる場所も存在しますし、現在運行中の寝台も需要がゼロではありません。ですから此処で根本的改善策を打ち出して寝台特急を生き返らせないと「寝台特急の将来はない」状況になるでしょう。
ですから此処で私の妄想的?「東海道・山陽筋寝台特急改善策」を多少述べたいと思います。
「東海道・山陽筋寝台特急改善策」→寝台特急運営新会社設立案
(1)運行形態を現在のJRから独立させ関係JR各社+外部資本で寝台特急運行専門会社を作る。 | |
→ |
JR分割の影響を一番受けたのは長距離寝台特急(特に九州特急)です。運営・収支の責任が曖昧で誰も旗振り役が居ないで只運行しているだけという状況になっています。 ですから採算を別会計にした新会社を作り外部の力を受け入れつつ責任を持った運行形態にすれば、必然的に改善は進むでしょう。 |
→ | 新会社はJR各社には線路使用料を払い、JR各社から車掌等の出向を受け、運行その物と列車整備はJRに有償で委託する、その上社内サービス要員(車掌含む)・車内販売等は出向等を受け入れ自前化し車両も新造して自社で保有する(リースも可)、又運賃は対目的地までの運賃・特急料金・寝台料金込みの運賃を自前で設定する(JRには線路使用料はこの運賃から1列車当たりの規定使用料を支払う)。 |
→ | 想定では専門会社が東京・大阪発着の東海道・山陽筋寝台特急の運営を全て行う。 JR各社は出資者として新会社の運行をサポートする。 |
(2)新会社は運行の特急を基本的には「個室寝台電車」にする。 | |
→ | 基本的にはサンライズ車両を基本にする。又編成は1編成当たり5両と7両の2パターンを作り、5両と7両の併結の組み合わせで2〜3方向への列車を東海道・山陽筋では一体として運行する(これでコスト削減を目指す)。東海道・山陽筋の最大連結両数は15両だから「7両+7両」「7両+5両」「5両+5両+5両」の3パターンが出来る。 |
→ |
基本的には交直両用で交流は50・60KHZ対応にして電化区間なら何処へでも運行可能にする。又予備編成等は臨時列車や旅行企画列車として貸し出しや臨時運転も出来る様に柔軟に対応する(それを新会社の収益の拡大源にする)。 最高速度は130km対応、出来れば特定区間(東海道線・山陽本線・伯備線等曲線のきつい区間)では車体傾斜制御をONに出来る様にして曲線通過速度の向上を果たす。それにより東京〜博多で13時間〜13時間半程度の時間で運行できる事を目標にする。 |
(3)基本的運転列車は現行をなるべく踏襲する。 | |
→ |
運行先は「東京〜大阪・出雲市・高松・広島・松山」「東京〜下関・博多・大分・熊本・長崎」にする。前者のグループは東京21時〜23時発後者のグループは東京19時〜20時発にする。 又組み合わせは「7両+7両で出雲市・松山と高松・広島と下関・博多」(この列車は広島で分割し博多行きは九州まで下関以外無停車・下関行きは広島から山口県内主要駅に細かく停車する)「5両+5両+5両で大分・熊本・長崎」「7両単独で大阪」へ運行する。5両+5両+5両で運行の九州特急は繁忙期には増結の上単独運転も考慮に入れる。その為の影筋を予め用意する。 |
(4)車両の必要量数 | |
→ | 上記運行を基本にすると7両*14編成=98両と検修予備7両*3編成=21両計119両と5両*6編成=30両と検修予備5両*4編成=20両計50両総合計169両になる |
→ | 車両投資金額は1両を約1億5千万と計算したら(非常にアバウトであるが・・)253億5千万円になる。この様に高額になる為に車両をリース契約にて調達する事も検討する必要がある。 |
さっと考えこの様な案ですが如何でしょうか?最初のともさんの話から何かそれた「横レス状態」になってしまいましたが・・・ 只どっちにしても東海道・山陽筋寝台特急の24系寝台客車はもうそろそろ寿命ですし、あの様なサービスでは時代にマッチせず、そのまま野垂れ死に状態が待っているとしか思えません。
それならば野垂れ死にはもったいないから起死回生の一策を何とか授けたいとの一念からこの様な妄想的?改善策を考え出してしまいました。皆さんの御批評を聞かせて頂ければ幸いです。もっと別の方法で私の考えの及ばない様な改善策が有れば、是非ともお伺いしたいですから・・・お待ちしています。
大正期以降に成立した鉄道の評価 投稿者---和寒氏(2002/09/29 08:51:35) http://www.geocities.jp/history_of_rail/ |
大正期以降に成立した鉄道の評価 |
拙HPに下記の一文をアップしました。軽便鉄道法以降に成立した鉄道に対して客観的な評価を与えるべきという問題提起です。御笑覧頂ければ幸甚です。
■「鉄道衰退説」という巨大なまぼろし
昭和30年代以降、地方ローカル私鉄を中心として、鉄道の廃止が続いている。昭和60年前後には、国鉄改革に伴う特定地方交通線の廃止が相次いだ。ここ最近では、参入退出の自由化に伴い、専ら退出ばかりが目立っている。
鉄道のネットワークが大幅に縮小されたことは、厳然たる事実である。この状況から、「鉄道は時代から取り残され」「モータリゼーション進展に敗れ」「衰退の坂を下りつつある」交通機関だと、至って文学的な表現を与えられることもある。
しかし、それは確かなことなのであろうか。鉄道は本当に衰退したのであろうか。客観的に考えれば、衰退してなどいない。新幹線をはじめとする幹線系優等列車は今日もなお盛況である。大都市圏の鉄道は、多くの利用者を運び続けている。廃止されてきたのは、主に地方のローカル線である。
路線延長という量で考える限り、鉄道は確かに縮小傾向にある。とはいえ、質を尺度にすれば、鉄道最大の特色である大量高速輸送に不適な路線が淘汰されたにすぎない。
左:善光寺白馬電鉄茂菅駅跡 右:上田温泉電軌依田窪線(のち上田交通西丸子線)馬場(ばっぱ)駅跡
(いずれも平成13(2001)年撮影)
廃線後の今日もなお当時の面影を残す駅跡の、代表的な存在である。どちらも「駅」というよりはむしろ「停留所」に近い。ホームの延長は 2両編成に対応する程度であろうか、ごく小規模な造作である。これら駅の痕跡は、どちらの鉄道も、鉄道として充分な需要が想定されていなかったこと示唆している。
■信州の鉄道を例として
長野県内においては、信越線・中央線・篠ノ井線など幹線系の路線は、明治終盤までにほぼ全線が完成した。その後は、軽便鉄道法の公布(明治43(1910)年)を契機として、大正期以降、規格の低い支線区の開業が相次いだ。
開業初年明治45(1912)年: | 伊那電車軌道→飯田線 | |
開業初年大正 4(1915)年: | 草津軽便鉄道→草軽電鉄 | 【全線廃止】 |
信濃鉄道→大糸線 | ||
佐久鉄道→小海線 | ||
開業初年大正 7(1918)年: | 丸子鉄道→上田交通 | 【別所線を除き全線廃止】 |
筑摩鉄道→松本電鉄 | 【島々−新島々間と浅間線が廃止】 | |
開業初年大正10(1921)年: | 飯山鉄道→飯山線 | |
開業初年大正11(1922)年: | 河東鉄道→長野電鉄 | 【信州中野−木島間廃止】 |
開業初年大正15(1926)年: | 池田鉄道 | 【全線廃止】 |
布引電鉄 | 【全線廃止】 | |
開業初年昭和11(1936)年: | 善光寺白馬電鉄 | 【全線廃止】 |
左:上諏訪に停車中の飯田線直通列車 中:塩尻に停車中の塩尻−辰野区間列車 右:飯山線戸狩野沢温泉−信濃平間にて
(いずれも平成14(2002)年撮影)
今日もなおJRの一路線として営業中の飯田線・大糸線・飯山線は、いずれも開業時は私鉄であった。普通列車の編成は最大で4〜5両、日中は 2両程度が定位、飯山線では単行列車も見られる。
中央本線辰野−塩尻間は、塩嶺トンネルの開通に伴いローカル線化した。幹線の一部であっても、優等列車以外の需要はさして大きくないという、典型例である。現在この区間では、荷物電車を改造した123系単行が専ら運用に就いている。これを見ると、大正期以降に開業した路線のうち大部分が廃止されていることがわかる。全線無事なのは国有化された路線のみ。私鉄のまま残った鉄道のうち堅調なのは長野電鉄長野−信州中野間くらいで、余の区間は軒並み低調な経営を強いられている。
それも無理はない。各鉄道の写真を見ればわかるとおり、列車編成の定位は2両程度にすぎず、しかも運行本数は毎時1〜2本程度と決して多くない。鉄道として経営を続けるには、根本的に需要が少なすぎるのである。
左:上田交通別所温泉にて(平成13(2001)年撮影) 中:松本電鉄新村にて(平成14(2002)年撮影) 右:長野電鉄田上−信濃安田間にて(平成13(2001)年撮影)
上田交通は東急から、松本電鉄は京王から、長野電鉄は営団から、それぞれ中古車両を導入して体質改善を図った。しかしながら、どの鉄道も列車編成は2両程度が定位であり(長野電鉄では朝ラッシュ時の4両編成と特急などに3両編成が見られるがその運用数は少ない)、鉄道としての輸送規模はごくごく微少といわざるをえない。
■「鉄道衰退説」の真相
厳しい見方かもしれないが、敢えて記さなければなるまい。鉄道は衰退したのではない。軽便鉄道法以降に濫立された路線群はもともと需要過小であって、鉄道として維持するに適しているとはいえず、今日も調整過程の途上にあると考えられるからである。2両編成を毎時1〜2本程度運転すれば間に合う程度の需要に、鉄道という交通機関を当てはめるという発想じたいに、根本的な無理があったともいえる。
そうはいっても半世紀以上の歴史を経てきているから、それぞれの鉄道に相応の重みを置きたくなるという心情は理解できる。しかし、それぞれの鉄道が鉄道にふさわしいだけの需要を担っていたかどうか、冷静かつ客観的な評価を加えることが必要であろう。
その評価というフィルターを通して見れば、鉄道は決して衰退したのではなく、過剰な枝葉が剪定されただけという実態が、浮かび上がってくるのではないか。縮小史観からの日本鉄道史再考
投稿者---551planning(2002/11/18 00:42:25)遅レス御容赦。
月刊誌「運輸と経済」9月号((財)運輸調査局発行)に、三木理史奈良大助教授による『鉄道廃止と地域社会−縮小史観からの日本鉄道史再考』という論文が掲載されていますので紹介しましょう。本論は、ひとたび鉄道廃止案が出されると、地元では交通弱者の便確保の下、先ずは公的補助での継続維持、さらには3セク化が検討されるという対策が常態化している中、それに至った過程を遡及し、今後のあり方を再考するという前段階として、鉄道廃止に関わる縮小史観からのアプローチを試みたものとされています。
先ず日本の鉄道の年度末営業距離の推移から、そもそも鉄道廃止は大きく4極に分類されるとし、モータリゼーションの端緒による地方私鉄の廃止が始まった1930年代、戦時対応供出による末端小私鉄切りの1940年代、高度経済成長による自動車社会本格化・道路整備の進展による軌道系私鉄の淘汰が進んだ1960年代、そして国鉄分割民営化を挟んだ地方交通線対策に追われた1980年代を挙げ、具体例から検証を試みています。
日本最初の鉄道廃止…官鉄安治川支線(1877.12)水運整備による競争力低下
鉄道という輸送機関の地域社会定着前の状況…「今日的常識」と成立当時の状況の安易な対比の危険性戦前期の地方鉄道vs自動車…井笠鉄道と神高鉄道(1971.4)国による私鉄買収と地方私鉄の駆け引き
福山−神辺間買収(現福塩線)により成立した神高鉄道(旧両備鉄道)とライバルであった井笠鉄道によるバス路線との対決、神高鉄道廃止に関わる企業と鉄道省の攻防に見る利用者利便性・サービス性の問題内包戦時統制による大手私鉄の地域独占と鉄軌道廃止…桑名電軌と安濃鉄道=三重県における統合過程(1944)
戦時統制という国策の影に見える近鉄の名古屋進出へ向けた地域独占と交通体系再編での「足切り」第3セクター化後の国鉄地方交通線…下北交通大畑線(1985.7転換→2001.3)
住民アンケートに見る「マイレール意識」と生活実態の乖離、平成不況期における鉄道廃止の実像とは鉄道草創期、いまだ鉄道という交通機関そのものが定着していなかった時代はいざ知らず、単なる価格・スピード競争に留まらない、利用時利便性・サービス性の問題ははや戦前時より表出しており、一方で大手資本の論理による廃止過程が国策の名の下に戦時下でも垣間見えたこと、地方交通線対策から15年を経て経済的環境が大きく変化したことへの対応検討が現実的課題として求められていると、これらの具体例から導き出しています。すなわち2000年の鉄道事業法改正(参入退出規制の大幅緩和…地元同意無しでの廃止が(1年間の事業維持期限付きながら)認められた)を受け、公的補助や3セク化という維持対策、さらには既設鉄道での存続という選択そのものの有効性自体の再検討が求められているとしています。
さらに地方鉄道存続やバス転換という対処は既に戦前から問題点を抱えており、一方で現在のLRTブームともいうべき都市内交通案については都市計画からのアプローチであるべきこととし、大手私鉄の地域独占の事例はその成否を別として、地域交通体系全体を見据えた、都市内交通におけるLRT相当の地方交通輸送システムの開発が求められているのではないか、それが縮小史観に立った日本鉄道史から逆照射される将来展望と云えよう、と結ばれています。***
鉄道存続を訴えるためのエネルギーは膨大に必要であることは、今回のJR可部線可部以北における諸事例を引かずとも思い知らされているところです。
ただ、それと同等、それ以上に鉄道を維持するということに対するエネルギーも必要なのだということを、私たちは知る必要があると思います。
確かに「事業者側の論理」は一方からすれば冷酷なものがあるでしょう。ただし別の視点からすれば「公共性」の名の下に注ぎ込まれている「存在」にも注目せざるを得ない。すなわち内部補助の問題ですね。「採算性」という区切りであるべきかはともかく、やはり一定の客観的な基準からの取捨選択が今も求められているように感じます、それがJR化後15年の時間経過なのでしょう。
そして「マイレール」という名の一種の虚構に対しても、広い意味で考えるべきでしょう。それが広義における地方交通輸送システムの開発と解釈します。そしてその意がハードよりもむしろソフト主体のものであるべきことをも考慮すべきと思います。「鉄道衰退説」という巨大なまぼろし
路線延長という量で考える限り、鉄道は確かに縮小傾向にある。とはいえ、質を尺度にすれば、鉄道最大の特色である大量高速輸送に不適な路線が淘汰されたにすぎない。
それぞれの鉄道が鉄道にふさわしいだけの需要を担っていたかどうか、冷静かつ客観的な評価を加えることが必要であろう。
その評価というフィルターを通して見れば、鉄道は決して衰退したのではなく、過剰な枝葉が剪定されただけという実態が、浮かび上がってくるのではないか。例えば、現在話のある岐阜名鉄軌道線区においては、和寒様が自サイトで具体的検証をなされておられますが、「その枝葉になる果実」を事業者、地元自治体、利用者がどのように捉えるかで、剪定の是非結論は変わる可能性があることを伺わせてくれます。それをも踏まえてなお、当方も「鉄道衰退説」は受け入れられないものがあります。
ただし、当板でも議論のあったところですが、整備新幹線並行在来線や都市3セクという新たな構図もまた、鉄道の適性限界の指標を歪める一要因になる危険性についても考慮する必要がありましょう。
その意味では、ここの鉄道路線の分析もさることながら、大量高速輸送機関としてのネットワークのあり方、地域交通輸送システムとしての鉄道、バス、自家用車とのコントラストについて勉強したいな、と感じたのでありました。
名古屋鉄道美濃町線の輸送改善策を検証する http://www.geocities.jp/history_of_rail/mino/00_1.html
鉄道に求められる需要構造そのものが変遷してきたのか
投稿者---和寒氏(2002/12/02 08:23:36) http://www.geocities.jp/history_of_rail/こちらも遅レス御無礼。
手許に東海道新幹線開業直前の時刻表があるのですが、当時の時刻表といえば、実をいうと今日よりよほど不便であることがわかります。それは山田線・岩泉線の時刻表の変遷を追っても実感できましたし、他の路線でも概ねその傾向があるようです。
鉄道以外に頼れる交通機関がない、という時代があったことは確かです。とはいえ、その時代の列車運行本数は現代よりもよほど少なく、一列車あたり輸送量が多かった可能性を加味したとしても、トータルとしての輸送量の絶対値もまた現在よりもよほど少ないと考えざるをえないのです。
そういう需要構造のなかで、ほんとうに全ての鉄道が必要であったのか。これは検証するだけの意味があるといえそうです。
寒風つのりゆく鉄路〜〜山田線・岩泉線実乗記 special/012.html
岡山新快速の乗り入れの可能性 投稿者---光雄氏(2002/10/13 00:09:43) |
岡山新快速の乗り入れの可能性
(以下次ページ) |
お久しぶりです。昔、題記のよう話題があったかもしれないです。
もし重複する可能性があることを、お詫び申し上げます。
参考:新快速の岡山延長は有り得るか log037.html
さて、岡山から姫路まで各駅停車で1時間30分。特急は、1つだけ。快速・新快速無し・・・。通常料金で乗れるのは各駅だけ・・・。この不便さをどう思いますでしょうか?
岡山から姫路、近いように思えて案外遠いぃ。しかも、115系と言う車両での運行。
新幹線で行くお金がもったいない。またはお金がない人は幹線で行くことになるが、各駅停車しか走っていないのは非常に不便だと思う。新快速を乗り入れをしたとしても、利用者の見込みはあるものと思える。。。
もちろん、走らせるのであれば、新長田・近江今津・京都付近からの直通運転になるだろうと思うが、さすがに12両は多すぎるので、4・6両編成での乗り入れは出来ないものだろうか?
JRに要望はしているが、いまだに実現していない。。。
是非とも、このなんともいえない不便さを解消してもらいたいものではある。
岡山〜大阪間の在来線輸送。
投稿者---TAKA氏(2002/10/13 07:47:42)お早うございます。TAKAです。此処には久しぶりの登場になりますが・・・
さて新快速の姫路〜岡山間の延長運転を御提案されていますが、私の私見では、新快速の延長より、「やくも」「しおかぜ」「南風」の山陰特急と四国特急の一部岡山〜大阪間の延長運転の方が需要があるような気がしますが・・・
如何でしょうか?これは新幹線乗り継ぎ特急なので、新幹線の乗客が減るJR西日本が反対するかもしれませんが、山陰地区からも四国地区からも大阪へ高速バスが走っていること(即ち直通需要はある)、岡山〜大阪間なら新幹線と在来線特急となら時間差が1時間半程度で済むでしょうし、意外に乗り継ぎを嫌う直通需要は存在する物です。
「やくも」「しおかぜ」「南風」各3〜4往復程度で良いと思うのですが、半分試験的に大阪へ延長運転してみるのも一策ではないでしょうか?新快速延長も一策でしょうが、岡山〜大阪間は新快速には多少長すぎる距離で有ると感じます。岡山からだと一般的には大阪・広島は新幹線という事になる距離でしょう?そうなると新快速延長は限定的な需要しか吸収できない事になります。
それならば山陰・四国〜大阪間の一部直通指向の客を取り込める特急直通の方が未だ可能性があるような気がしますが・・・岡山〜大阪間に普通料金だけで移動できる快適手段が欲しいから新快速を延長運転して欲しいというのは、JR西日本に取り応じることの出来にくい要望ではないでしょうか?
延長区間の岡山〜姫路間はかなりの距離になりますから、毎時1本延長するにもそれ相応の車両の増備を伴うでしょう。その設備投資の資金を捻出できるだけ需要が増えるのでしょうか?逆に新幹線の利用客が新快速に流れ新幹線の特急料金分JR西日本に取り減収になる可能性が高いでしょう。その様なことに投資するとは考えにくいです。特急では普通料金だけでは移動できないので、言われる趣旨には合致しないとは承知しておりますが、より現実的に考えると、高速バスでの直通需要を取り込めたり、中間地域からの対大阪直通列車の登場による新規需要の創造等の可能性のある山陰・四国特急の大阪乗り入れの方がまだ可能性はあるような気がしますが・・・
基本的にはJRは民間企業なのですから、需要と採算を重視して行動するのが当然ですから、その視点に立ち自分たちの希望を要望する方が現実的でしょう。そうでなければ自治体等の補助が必要になりますが、岡山新快速延長に岡山県が補助を出すとは考えづらいですから・・・。現実を考えると困難であると考えます。
Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
投稿者---とも氏(2002/10/14 22:24:00) http://town-m.vop.jp/ともです。
新快速の延長より、「やくも」「しおかぜ」「南風」の山陰特急と四国特急の一部岡山〜大阪間の延長運転の方が需要があるような気がしますが・・・
どうでしょう。「しおかぜ」にしても「南風」にしても岡山からの乗りとおしはさほど多くはなく、「しおかぜ」なら伊予西条、「南風」なら阿波池田あたりまでがメインではないでしょうか(あくまで個人的な感覚です)。
松山や高知からの高速バス大阪行きは確かに便数もありますが、やはり航空便には速達性では勝負になりませんし、実際問題として主たる利用層は安価移動層ですから、料金面で航空便との差がない特急ではそもそも厳しいでしょう。
「やくも」の場合にも大阪行きであれば速達性では航空機との勝負で負けるのがオチですし、伊丹のコミューター的利用が進めばますますその差は歴然でしょう。そう考えると特急延長には私は否定的にならざるを得ません。大阪から四国方向で高速バスが盛況なのは高松(丸亀)、徳島といった路線です。しかし、神戸淡路鳴門道(明石海峡大橋)を経由し、3時間弱、往復7000円程度で結ぶ高速バスとの勝負ということでは料金差が圧倒的な特急ではやはり厳しかろうと感じます。
妥協的な案としては例えばマリンライナーを新快速にして大阪方面に直通させるといったことではないかと。
しかし、JR四国としてもドル箱である自社高速バスとの真っ向勝負になりますし、JR西日本としても岡山−大阪の新幹線移動需要を快速にということになりますから、難しいかなとは感じますが。そこで、対案ですが、KAZ様ご提案の急行的列車としてセントラルライナー方式の速達系ライナー快速ではどうでしょう。近畿圏〜高松間で運転で、京都方面−姫路は新快速併結(自由席12連+定員制3連で運転できればベスト)、姫路−高松は7連で自由席4連+定員制3連といったパターンであれば可能かと。
追加料金が500円程度なら十分勝負できませんか?
岡山−大阪だけでは需要面が不安ですが、高松−神戸、岡山−京都もカバーできればそこそこの需要は見込めそうです。
マリンライナーには指定席とグリーンが連結されており、それなりの需要が今でもありますから、そこを増結することになりますね。個人的には高速バスの手薄な香川西部、東予に手を出したら面白いな・・・と思うのですが。
まとまりませんが。それでは。
Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
投稿者---TAKA氏(2002/10/14 23:08:00)☆ 一番安易な方法として特急直通を考えました。まあ一番可能性があるのは「しおかぜ」の東予地区〜大阪間でしょう。
距離的にも適当ですし、新居浜・伊予西条等の中規模都市が複数存在しているので需要はかなりあるでしょう。距離的には「南風」の琴平・阿波池田等も適当ですが、需要量を考えるとこの辺りが一番好ましいでしょう。「やくも」は山陰地区にしか需要が存在しない事を考えると対航空機で苦戦するのは仰有られる通りです。
「やくも」の大阪直通ははフリーゲージトレインを待つ方が好ましいでしょう。☆ マリンライナー直通は考えました。しかし言われるような高速バスの存在もありますし、今度のマリンライナー用の新車両では直通運転が考慮されていない以上、今の段階では非常に困難であると考えました。高速バスの需要が奪われるのはJR四国に取り死活問題です。それにJR西日本も新幹線需要が奪われるのにいい気はしないでしょうから・・・
前にも述べた通り実施すべき企業のインセンティブが存在しなければ、設備投資を伴う延長運転は困難を伴います。ですから少なくとも普通運賃の列車の延長運転は難しいでしょう。☆ 此処は実験的に「しおかぜ」を4往復程度京都まで延長運転するのは如何でしょう。その時には岡山以東の特急料金を割引して直通列車へ誘導するインセンティブを作ります。
(しおかぜの直通メリット)
JR四国8000系が直通することで、速度向上が図れる
→JR四国8000系は130km運転可能ですし、振り子制御も可能ですから、山陽線内でも振り子制御を使えるようにすれば、岡山〜京都間で15分ぐらい早く運転できる。「しおかぜ」を延長することで岡山だけでなく、香川西部・東予地区等の需要が取り込めれば延長に伴う基本的需要が確保できる。
特急料金を割引することで、新幹線より安い大阪〜岡山間の交通手段を確保できる。
→割引特急料金にすればJRの減収も最低限に押さえられ、実行への道筋が近くなる?こんな感じで、有る一定の中・長期期間の臨時運転と言う形で実験的に運転した方が好ましいと思います。
それで需要を探ってみるのも一策であると思います。なるべくは投資をしないような形で実験をしてその結果で考えてみた方が良いとは思いますが・・・Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
投稿者---とも氏(2002/10/15 00:04:06) http://town-m.vop.jp/ともです。
前にも述べた通り実施すべき企業のインセンティブが存在しなければ、設備投資を伴う延長運転は困難を伴います。ですから少なくとも普通運賃の列車の延長運転は難しいでしょう。
急行や特急という優等系統を新たに京阪神間に運転するのは、現状でも結構カツカツの同区間にスジを入れる必要があり現実的ではないことが懸念されます。
また、本数の制約があるようでは高速バスのフリークエンシーサービスに絶対勝てないことから新快速併結のライナータイプ=特別料金徴収ということを考えたということです。此処は実験的に「しおかぜ」を4往復程度京都まで延長運転するのは如何でしょう。その時には岡山以東の特急料金を割引して直通列車へ誘導するインセンティブを作ります。
東予・西讃〜京都・大阪を「しおかぜ」というのは否定したくはない発想なんですが、いくつか疑問があります。
JR四国8000系が直通することで、速度向上が図れる
山陽線内においては、線路が現状で振り子対応になっていないと思いますが。よっていくら制御振り子装置がついているJR-S8000とはいえ、振り子を使うのなら曲線改良が必要ではないでしょうか(上郡−大阪を走る「スーパーはくと」のHOT7000は同区間では振り子を殺していませんか?)。
岡山−大阪なら振り子を使わなくても130キロ運転が可能と考えます。香川西部・東予地区等の需要が取り込めれば延長に伴う基本的需要が確保できる。
すでに東予・西讃地区の対大阪(東京)では「しおかぜ」しか移動手段が無いというのが現状です(東京の場合も岡山空港経由というものすらないわけではない)。
よって、基本需要は確実ですが、一方で新幹線を使っている客を逃すだけになり、新たなバスなどからの転換は期待できないと感じますがいかがでしょうか。よって、基本需要は確保できるものの新規需要創出につながらず、結局のところ延長運転の経費増加の回収は困難と考えますがいかがでしょうか。割引特急料金にすればJRの減収も最低限に押さえられ、実行への道筋が近くなる?
JRの減収は抑えられるものの減収になることには変わりはありません。
快速系ならば対バスといった点での新規転換需要はもちろん、マリンライナーからの乗り継ぎ(通し乗車)も狙えますから逆に需要喚起では得策でしょう。こんな感じで、有る一定の中・長期期間の臨時運転と言う形で実験的に運転した方が好ましいと思います。
それで需要を探ってみるのも一策であると思います。なるべくは投資をしないような形で実験をしてその結果で考えてみた方が良いとは思いますが・・・実験的な運行には賛成ですが、正直なところ、1日4往復じゃ期待は出来ないと感じます(それならば時間的メリットを選択されてしまう)。
また、延長運転ならばJR-S8000の増備が不可欠と感じますがいかがでしょうか。「しおかぜ」はすべてが電車ではなく、一部に気動車もあります。よって運用が制約されることは確実です。
逆にマリンライナー用の新車は223ベースですからいくら乗り入れ対応ではないとはいえ乗り入れの制約は少ないでしょう。
また、新規投資を抑える措置として221を使うことも岡山地区や瀬戸大橋線での使用実績がある以上は可能性は否定できません。
実質的に岡山−姫路の延長ですから当面は213を岡山−高松限定、223を大阪方向直通に振り分けることで新規投資は少なくてすみます(高松発を京都か草津で分割併合してすぐの下りにつなぐのならば運用増はクリアできませんか?)。10年ほど前に「やくも」の臨時大阪延伸が行われましたが、定着しませんでしたね。そう考えると特急系では期待薄かと思うのですが。
もし、しおかぜを延伸しても新幹線との料金差が数百円ならお話になりません。
高速バスが普通列車料金とほぼ同額である以上、指定席料金やグリーン料金が支出期待の限界ではないでしょうか。否定的ですが。ではでは
2004.11.02 Update | |||||
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