【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.078)
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〔鉄道経営〕ビジネスと公益の整合性
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/20 17:54:15)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

〔鉄道経営〕ビジネスと公益の整合性
└補遺・利潤追求と社会的使命感
└減損会計など(半分うろ覚え)
 └減損会計・土地再評価の実体は?・・
                其処から私鉄業界の勝ち組と負け組を検討する。
  └「東高西低」からの多極分化
   └優勝劣敗の中身と「東高西低」
   └気が付いた事の雑談です・・・
└社会的使命と利益を両立させる好ましい民鉄経営モデル

 純商業ベースに公共・公益部門を総て委ねることの是非については、NZの民営化施策が現下修正段階に入っていることが証明しているかと思います。
 また、旧国鉄などいわゆる三公社の民営化をその成功例として挙げるのであれば、当時(80年代中盤〜後半)における我が国民間企業の経営スタイルと、現在との差異を充分踏まえる必要があります。
 そして、その変化こそ、JR発足当時の評価と、昨今の不満というコントラストを証明し得るものでもあります。

 ちなみに、JR発足時の評価で留意すべき点は、挨拶などサービス向上は看板が掛け変わっただけの段階で可能になっており、経営形態というより自覚や方針を徹底すれば公社形態でも可能であったこと。また「ダイヤが地域密着で良くなった」というのは、事実上86年11月に日本国有鉄道が実施した最後の白紙改正のことであり、青函トンネル、瀬戸大橋開通絡みの88年3月(瀬戸大橋関係は4月)改正による系統変化を除けば、今に至るまで基本的には86年11月改正がベースといって良いでしょう。

※民営化の象徴ともいえるJRWのアーバンネットワークも、そのベースとなった新快速の外側線走行は実は86年11月改正からです。同時に全列車の姫路延長と、毎時1本の彦根・近江舞子延長が実現しており、建設中だった東西線関係を除いてパターンの基礎が固まった。

***
 商業ベースでの運営における問題は経営破綻リスクだけではありません。

 株主の出資を仰ぎ、利益を還元するというモデルにおいて、企業に求められることは収益の追求です。企業の使命を収益よりも社会貢献に重きを置いて、株主への還元を抑えてきたのがいわゆる「日本的経営」であり、そのモデルは足下の潮流では株主軽視として株主・経営両方から否定されてきています。
 先の「民営化の成功」は「日本型経営」を前提にした側面が大きく、その後企業が「グローバルスタンダード」に舵を切ったことで問題や軋轢が噴出したともいえるのです。
 TAKAさんが例示した東急の田園都市計画。これも当初は数多のNT鉄道同様に苦しんできたのを育てた結果なのです。大東急の始祖故五島慶太氏から親子3代のプロジェクトが許されたのも、当時の企業のあり方が今とは違ったからだという指摘も可能です。

 鉄道事業が成熟産業であることは間違いないでしょう。そして新たな需要を求めて新線を建設したり設備を増強することも、投資の回収可能性を考えたら非現実的です。
 そうなると「副業」による下支えですが、本来、「鉄道業」が儲からないとなったら儲かる事業に経営資源を集中して売却など撤退する方向に動くべきなんです。
 金融業に事実上転じた電機のGE、メディアに転じた重電のWHなど、歴史に名を残すような創業部門をあっさり捨ててトンでもない異業種に転じた「名門企業」がありますが、収益を上げ、利益を株主に還元するという大前提で考えたら全く正当な行為なのです。

 我が国においても例外ではなく、「未完の国鉄改革」でJRCの葛西社長が述べていますが、株式上場における海外ロードショーで、なぜローカル線を切り捨てないのか、という問いかけがあったように、収益の足を引っ張るのであれば、内部補填が充分可能でも切り捨てて収益を極大化するという視点で株主は見ており、例えばJRCが新幹線と東海道線と中央線だけの会社になっても不思議はないのです。株主が求めたとしたら。

 このことは「公共・公益事業」として求められる事業の継続性と真っ向から対立します。
 これまで運輸行政により参入規制とともに退出規制が敷かれていたのはそれを防ぐ目的でした。その折り合いをどうつけるのか。企業の根源ともいえる収益追求を向いた行動を従来通り規制するのか。
 いずれにしろ、運行や管理を受託するという形態での参入以外で「鉄道業」を純商業ベースとして考えるのは最早適切ではないかもしれない。敢えてこう考えるのです。

補遺・利潤追求と社会的使命感
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/20 18:12:45) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 余談ですが、故五島慶太氏やそのライバルであった西武の故堤康次郎氏が覇を競った戦前〜戦後の私鉄史においては、五島氏が「強盗慶太」、堤氏が「ピストル堤」と異名を取るほどの強引かつ貪欲な企業買収やライバルへの鞘当てなど、「日本的経営」どころか原始的な資本主義の姿そのものでした。

 しかし、そうした経営にもかかわらず「鉄道業」など公共・公益事業がなぜ発展したかというと、この手の事業の成長期であったことや、収益が高かったことが大きいですが、もう一つ、彼ら経営者の社会的使命感、公共心にそれを求めることが出来ます。
 これは「マネシタ」と異名を取るような貪欲な経営という側面がありながら、同時に「水道哲学」で電化製品の安価な普及という理想を掲げた故松下幸之助氏など同時代の経営者に共通しています。

 実は米国の経営者もそうした側面はあり、ベンチャーへの出資など「慈善的出資」に見られるように、後進に奉仕するという姿は、「資本主義の総本山」においてはまさに社会的使命感と公共心ということも出来ます。
 今の「鉄道業」の問題は、「過去の遺産の運用」を超えて社会に貢献・アピールするものが見えないということもあるのです。

減損会計など(半分うろ覚え)
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/22 11:13:46) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●減損会計
 企業の所有する固定資産につき、資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの継続的な赤字、使用範囲・使用方法の著しい変化(事業のリストラなど)、市場価格の著しい下落などの「減損の兆候」が発生したとき、帳簿価額を回収可能価額(使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額)まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とする。

 ですから、単純な時価簿価の差異による強制低価法ではなく、その固定資産が将来どれだけの価値を生むのかという側面が大きな要因となります。

 鉄道業の場合ですと、本業関連では路線、車両を概ね独立したキャッシュ・フローを生成する最小の単位でグルーピングを管理会計上の区分、投資の意思決定を行う際の単位等を考慮して定め、その固定資産の回収可能価額(使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額)による判定になりますから、赤字路線や運用効率の悪い車両(極端な例としては、乗車率が非常に悪い特急専用車両とか)がその対象となる可能性があります。

※実施時期、適用範囲は現時点では確定していません。

●土地再評価
 企業が保有するすべての事業用土地を路線価など時価で再評価し、取得時の価格(簿価)との差益分のうち、実際の売却時に発生する税金相当分を差し引いた額(差益分の約6割)を「再評価差額金」として貸借対照表の自己資本に算入するほか、累積損失の圧縮や自社株消却の原資にも活用できるという制度です。
 ここで注意すべきなのは、再評価の対象は「企業が保有するすべての事業用土地」であり、バブルの処理、会計制度変更に伴う特損の処理見合いの益出しに限定した恣意的な利用は出来ないことです。

 減損会計の問題はありますが、「すべての事業用土地」を再評価することで、バランスシートが激変する場合、総資産を基準に事業や企業の評価を受けることを考えると、特損処理とのバランスがあまりにも益目に効き過ぎている場合は、敢えて再評価をしないで損失処理だけをする選択もあります。

●リース
 資産流動化もそうですが、オフバランス化を指向する意義を考えると、再評価によるバランスシートの膨張を良しとしない発想も理解できるかと思います。

 なお、基本的にはオフバランスでの調達による総資産圧縮と、その費用を「支払利息・割引料」として区分表示しなくて良いことから来る「金融収支」の表面上の圧縮という効果が大きいはずです。
 建設機械や航空機のような汎用性のある機器ですと、中古マーケットが発達してますからオペレーションリースとして扱えますが、鉄道車両の場合はファイナンスリース、つまり資産担保借入でしょう。

 金融商品会計に関する実務指針で、かつてはオフバランス化が否定されていた(脚注表示)買い戻し付の流動化も、その買い戻し条項の実現可能性(貸し倒れ比率に基づくのが一般的)で割り引いた部分をバランスシートに計上することで、残額を事実上オフバランス化出来るようになったので、かえって隠れ借金ともいえる部分が見えづらくなったことも事実です。
 今の会計では資産の流動化はバランスシートの圧縮と自己資金の捻出と見なされますから、「健全」なんでしょう。
(余談ですが償却資産である車両の流動化で益出しが出来るケースというのが今一つ理解できず、阪急の車両流動化による利益計上がどういうロジックなのか。ご存知の方はいませんでしょうか)

●京成
 京成の再建は、谷津遊園などの売却による益出しと合理化もありますが、基本的にはバブル期の入口にあって、通勤圏の拡大による独占エリアの利用者増加が大きく効いています。
 特に昭和60年10月の通勤特急の運転開始が大きく、利用者逸走への歯止めだけでなく、八千代、佐倉エリアの価値を高めたのです。実際、乗客増はこのときからであり、それによって平成元年度の累損一掃が可能になったのです。
 損失を処理するにあたって、事業を整理するのであれば手当たり次第ストックを処分すればいいのですが、事業を継続する前提であれば、ストック売却による益出しも必要ですが、やはりフローの改善が絶対です。苦しい中にもその手を打っているか、現下の私鉄各社が今後も鉄道業を継続できるかどうかを占うには、その分析が必要です。

減損会計・土地再評価の実体は?・・其処から私鉄業界の勝ち組と負け組を検討する。
 投稿者---TAKA氏(2002/08/23 00:45:56)

 エル・アルコン様。わざわざ詳細な説明の書き込み有り難うございます。
 前の管理人さんとの話の中で話の基になっていた私鉄の財務内容に関する週刊ダイヤモンドの5/25日号が家で発見されたので、それとエル・アルコン様の比較して読みながら、一応私の考えを述べておきます。

●減損会計

☆仰有られているとおりであると思います。個人的意見では本来ならば「減損の兆候が発生した時回収可能金額まで減損する」と言う恣意的判断が入る要素というのは問題有りとは思いますが、基本的には減損会計導入は避けられないでしょう。
(これは「減損の可能性」の解釈次第では減損会計足り得ない状況になるでしょう。減損会計を避ける事も解釈一つで可能になるでしょうから・・・)

●土地再評価

☆この場合含み益>含み損の場合、確かに全部の土地再評価をした場合、株主資本に参入される金額即ちバランスシート上の資産が増強され株主資本利益率(ROE)が低下してしまいます。上記の様な状態でしかも含み損が一部資産の売却や各種資本等を使って償却出来れば問題ないでしょう。
 しかし含み益≦含み損の場合再評価法で全ての事業用地を再評価の上含みの損益を相殺して、損失が多い場合は株主資本が毀損する事になります(相殺してプラスなら株主資本に参入できる)。ですから、含み損の償却に四苦八苦している問題大手民鉄は再評価を実施したのです。でも法律上は正しくても実体として「線路を売ったら電鉄は商売にならない。売れるはずのない物を含み益として計算するなんてまやかしでしかない」(ダイヤモンド5/25日号より引用)と言う状況です。ですから正しい会計上の評価をすれば含み損益≧株主資本の会社は存在しません。しかし上記の「まやかし」を除いた、即ち鉄道用地の含み益を除いた実質含み損益で見ると02年3月決算で実質含み損益≧株主資本に限りなく近い、実質債務超過ギリギリ状況の大手民鉄が1社存在します。

 この様に土地再評価法の運用を見ると、含みが益に触れる為再評価せず損失処理だけした会社、本体は再評価せず会社だけ再評価させた会社、電鉄本体が再評価を行った会社等に分かれてきます。必ずしも一概には言えませんが、この処理を見ると勝ち組と負け組がハッキリしてくるでしょう。何処が勝ち組で何処が負け組とは言いませんが、少なくとも未だデフレが停まらず地価の下落要因がある今で、再評価法を使いそれで実質の含み損益でマイナスの会社は勝ち組とは言えないでしょう。少なくとも含み益は何かしないと何もないですが、含み損は借金の返済等金融収支に直結する借入金等で当初買われているはずですから、実体が存在します。会計上のマジックで実体の有る物で実体の無い物を消してしまうと言うのは、最後に無理がでてくるでしょう・・・もう一度地価が下がった時はどうするのでしようか?そこら辺を再評価では真剣に考えるべきでしょう。

●リース

 阪急の列車を売却して自社へのリースに変えると言うスキームは、資産のオフバランスと益出し以外に無いと言えます。
 最初から電車をリースしているのなら未だ話も分かりますが、これは完全に一時しのぎの窮余の一策に他なりません。即ち減価償却が進んでいく車両で、その車両を売却する場合簿価≦売却額で有れば当然売却益がでて来ます。
 これこそ含み益の現実化であり益出しでしょう。しかしリース会社が損しないで行くなら、売却してリースを受ける鉄道会社へのリース金額の総計は売却金額+経費+利益金額になりますから、鉄道会社としては一時的に利益が上がっても長期的には損失になります。
 まあ車両なんかは事故で廃車か大破でもしない限り減損は発生しないでしょうから、車両売却は減損会計対策の資産の切り離しと言う事になりません。単純に考えても短期的には利益計上できても長期的には支払金額の増加で総支払が増えるというようなことは誰にでも分かる事でしょうから、私なんかには窮余の一策でそれだけ苦しいのを必死で回避しようとしているのでは無いでしょうか?

「東高西低」からの多極分化
 投稿者---551planning(2002/09/05 01:08:03)

 9/3付でJCR(日本格付研究所)から民鉄5社の格付け見直しが発表されています。TAKA様がえらく気にされている「あの」会社や「この」会社も…でしょうか?

JCR http://www.jcr.co.jp/topics/min0209.htm

 意外にも京成への評価は堅調です。「北総問題」も成田新高速含みで『現状の枠組みの中では、新線が当社の損益的負担になる可能性は低い』とのことでございますよ。如何?あとグループ事業再構築の成果の評価にも触れています。
 京成は大規模なバス事業分社化を実施しましたが、成田という地の利を活かしていることも触れておく必要があるでしょう。これまで千葉交通や(不採算路線は)成田空港交通にやらせていたのが結構自前でやるようになってますし。

 一方でそのバス事業で大規模な分社化前夜の東武。事業再編の過程を注視するも件の土地再評価による財務体力の脆弱化を大きな懸念材料とし、損益を下支えしてきた不動産分譲・賃貸事業の収益性の低下を重大視しています…このあたりは事情にお詳しい方にお任せしましょうか。
 東武は昨年もR&Iから厳しい評価を貰ってますし、今後資金調達への少なからぬ影響が予想されます。

「警鐘」にどう応えるのか log024.html#21

 阪急・近鉄には底力に期待を寄せつつ辛口評価になっています。「ホテル」とともに、「レジャー事業」というよりも「遊園地」がキーワードになろうかと思いますが、こと近鉄については事業規模から機動性が…、阪急にしても「ネームバリュー外」の事業を結構抱えているだけに、というところでしょうか。阪急は新大阪あたりを中心に土地の爆弾も抱えているとかいないとかですし。

***
 R&Iのレーティング情報9月号では、『超高齢化と鉄道会社経営』と題して、「縮小均衡」が現実の経営課題になりつつあるとの特集記事が掲載されているようです。多彩な事業展開の私鉄経営根本がどのように変化してゆくのか、超高齢化からの切り口とはどのようなものなのでしょうか…。

http://www.r-i.co.jp/jpn/publication/pu_01/pu_01_new.html

優勝劣敗の中身と「東高西低」
 投稿者---TAKA氏(2002/09/06 23:58:57)

 管理人様TAKAです。書き込みと情報有り難うございます。一応私の意見を少々・・・

 究極的に簡潔に物事を考えると「民鉄各社の格付け評価の優劣=財務上のバッファーの有無」という傾向が強い様な気がします。即ち前にも述べていますが、土地再評価法の運用により優劣が見えるというのは余裕がないと今後の二次損失に耐えられないという事になります。それはJCRの格付け再評価でも明白になったと思います。
 今後の経営で大切になる事は「如何にして有利子負債を減らすか」という事になるでしょう。今はゼロ金利に近い状況ですから、有利子負債の量は収益の足かせへの影響が少ないですが、単純に考えて此処で金利が1%上がると1000億の有利子負債があったら、10億の金利増ですから必死に積み重ねた経常利益はあっという間に飛んでしまいます。そう考えると有利子負債を減少させる為のキャッシュフローの改善や含み益の有効活用が重要になるでしょう。其処で優劣がハッキリしてくるでしょう。

 では優劣の条件は

  1. 不良資産が少ない事

  2. 財務上の余裕がある事

  3. 収益源を確立している事

  4. 事業に成長性を確立している事

等であると思います。これは格付けにも反映されているでしょう。京成の場合色々なとらえ方があるでしょうが、基本的には「オリエンタルランド株の含み益」が大きいです。現況では京成の収益に対し中立的であるとされる「成田新高速鉄道」「北総開発鉄道」関連の投資や債務が財務に悪影響を及ぼすことのないことを祈るのみです。京成の場合は問題の項目がそんなに無いと言えるでしょう。

 しかし東武の場合は深刻であると思います。今回かなり進んだリストラを含む再建計画を行っていますので、これが100%実行され目標を達成できれば問題ないでしょう。方向としては正しいと思いますが、余力を使い切っての損失処理ですから、この深刻度に関しての見解は分かれると思いますが、財務上の余裕はない状況ですから土地等で二次損失が出ない事を祈るのみです。

 これで全て勝ち組と負け組がハッキリしてくるでしょう。但し大逆転が起きる可能性がないとは言いません。東武はかなり踏み込んで改革を進めていますので大逆転もあり得るかもしれません・・・只私鉄経営が曲がり角に来ている事は事実でしょう。此処で損失処理を仕切れない会社や損失処理をしても懲りずに山奥で開発事業を行っている様な会社は根本的に経営の方向性その物を考え直さないと勝ち組として生き残るのは難しいと思います。

 私は「東高西低」は続いて居ると思います。昔は私鉄経営の優等生と言われた阪急・東宝グループも昔の栄光は何処へやらですし、近鉄は自社が筆頭株主の会社を切り捨てるほどの余裕がありません(大日本土木→まあ外様ですが・・・)それに対し関東の京王・京急は好調な業績を続けて居ます。京成も悪くないですし小田急も比較的好調になりました。それに関東ではバブルの土地を抱えている民鉄は東武・東急ぐらいです(西武は余りにも財務内容が不明確な為グループ全体の事は講評出来ませんが・・・)。今回の再評価法の事ですが関東で鉄道資産(=線路等)にまで手を付けたにのは東武だけですから、全体的に見たら未だ「東高西低」は続いて居るのではないでしょうか?
 どちらにしても重要な公共交通を預かる民鉄ですから経営の健全化が進む事を祈りますが・・・

気が付いた事の雑談です・・・
 投稿者---TAKA氏(2002/09/07 00:35:42)

 管理人様度々ですいません。TAKAです。管理人さんの書き込みの中でちょっと気になった雑談を此処でちょっと・・・

  1. 京成の日暮里駅改良について
     これは「成田新高速」の掲示板の所でも私を含めて色々議論しましたが、JCRの京成に関する格付けコメントを見ると、京成が投資する事になったようですね・・・
     一体どうなるのでしょうか?京成日暮里駅は議論にも出てきましたが改良余地に乏しく、大改良をするとなると日暮里駅の全体の再配置を含めた大規模な物でないと大改良の余地は存在しないのは「成田新高速」掲示板での議論でも出てきていましたし、JCRのコメントでも「有利子負債大幅削減が困難」とコメントされる例示として使われるという事は少なくとも数十億円を投資する事になるでしょうし、そうなるとかなりの大改良になるでしょう。
      一体どんな改良工事をするのでしょうね?只成田新高速はまだ先の話(2010年予定)ですから先行的に改良工事をするのでしょうかね?

  1. 阪急の新大阪の土地の話
     どうも今回で損失処理の項目に入っていたはずですが、新大阪周辺の土地は一時阪急が計画していた十三〜新大阪間の連絡線用の土地らしいです。まあ損失処理をしたという事はもう新線建設を考えていないという事でしょう。損失処理した土地の周辺の土地を又買い足して新線建設は考えづらいですから・・
     まあ私は大阪を良く知らないのでコメントしづらいですが、阪急の路線網に十三〜新大阪間が必要であるとは考えづらいですから、重要性の低い路線の用地を買収したあげくに損失を出したという事でしょうが・・・
     でも阪急は未だ箕面の山奥や大阪湾岸のゴルフ練習場等で損失処理しても使い道の無く、買い手も居ないし二次損失のリスクが多い土地も未だ有るみたいですし・・・どうなるのでしょうかね?

社会的使命と利益を両立させる好ましい民鉄経営モデル
 投稿者---TAKA氏(2002/09/07 01:12:36)

 エル・アルコン様TAKAです。忘れた頃の書き込みで申し訳有りません。

 鉄道という公共性の高い事業を民間企業に任せる事へのリスク、これは確かに存在するでしょう。民間企業が関連事業が原因で破綻して公共交通の運営に支障を来すリスクも存在しますし、仰有られる様な不採算事業から撤退による経営の機動化と効率化による不採算ローカル線等の切り捨て問題も存在します。現在では名鉄の例が示す様に路線廃止の届け出制による不採算ローカル線の切り捨てが行われた事は記憶に新しいです。これらも重大な問題です。

 又過去において私鉄の経営者が社会的使命と成長期による事業の拡大による会社の成長を目的として新線建設等の事業を押し進めそれが社会的な発展の為に役に立っていたのも事実です。
 有る意味で東急の伊豆急行の建設もその例でしょう。五島慶太氏は自分の会社の伊豆で勢力拡大と伊豆東海岸の開発の為に伊豆急行の建設に心血を注ぎ、免許獲得と完成を悲願とし完成へ向かって最大限の努力をしていたのは有名な話です(伊豆急行の完成時一番列車に五島慶太氏の遺影を飾り運行するという非常に珍しい形で運行されたという事が、生前の五島慶太氏の伊豆急行建設に賭けた執念を知っている人々(五島昇氏等)が示したと言えます)。
 この様な新線建設に社会的使命と会社の成長を賭けたいわゆる「社運をかけた新線建設」は過去の物となってしまいました。

 しかし今では言われた様な「株主利益と収益の局限化」を目指すグローバルスタンダード経営がもてはやされる時代で、公共性・事業の継続性と会社の利益の局限化、社会的使命・社会への貢献と株主や会社の利益は必ずしも並立する物でなく、対立する物とも言えます。この様な相反する物を求められる中で今後私鉄経営はどの様にあるべきなのでしょうか?
 私は少なくとも公有セクターの運営は余りにも非効率的であり、社会全体の効率性を考えると好ましい事ではなく、この様に総合的にも収益を上げられる範囲の鉄道事業は少なくとも民間経営であるべきだとは考えますが、同時に必ずしも利益局限化へのグローバルスタンダード経営が好ましいとも考えていません。鉄道事業の社会的使命も民間企業で有れども忘れるべからずと考えます。
 この様な中でどの様な経営モデルが好ましいのでしょう?構築できていれば苦労はしませんが、今の大手民鉄の経営上の問題のかなりの部分は昭和40年代前半までの言われている様な「原始的資本主義」的経営時代の拡張前進路線の踏襲が引き起こした拡張の失敗が大きな側面でしょう。
 そう考えると今後私鉄経営の新しい経営モデル、即ち各種社会的使命の達成と利益の追求を同時に効率よく追求できる様な経営スタイルを確立する必要があると思います。
 但し総論的には語れても、現実は?と言われると何も答えられません。具体策は見あたらないとも言えるでしょう。一体どうすべきなのでしょうか?何か良い案が有れば教えてください。

宮島航路バトル JR西日本vs宮島松大
 投稿者---長州藩近未来交通奉行氏(2002/09/02 01:48:49)

宮島航路バトル JR西日本vs宮島松大
└古きよき時代のライバル関係だが...
 └とうてい私のかなう相手ではなかった……。
  └紅葉と鹿
   └広島支社はもっと熱をあげよetc.
    └宮島再び
     └Re:宮島再び

 はじめまして。長州藩近未来交通奉行と申します。

 宮島航路と聞くと、多くの方はJR西日本の航路を思い浮かべられるのではないでしょうか。青函航路や宇高航路なき今、JR唯一の鉄道連絡航路であり、山陽鉄道以来の古い歴史を有する航路です。
 しかしながら同航路にはもうひとつ、宮島松大観光船なる会社が船舶事業を行っております。ちなみに同社は広電グループに属しています。

 国鉄時代は前者は赤字で後者は黒字でした。「まったく同じ航路なのに、どうして松大は黒字で国鉄は赤字なんだ」と皆にいぶかしまれていましたが、民営化後は黒字に転換できたと聞いております。

 両社ともに運賃は170円。しかも時刻表をご覧いただければおわかりのとおり、JRはデイタイムに厳島神社の大鳥居を経由するため航行時間が2分ほど長いのですが、観光客にしてみればこのほうがありがたいはずです。船内の設備についても、両社にさほど差があるわけではありません。松大のほうが船の造りが豪華とか、そんなことはなく、むしろ外見からしてJRのほうが新しそうにすら見えます。

 ところがどういうわけか、私の目には管見ながらJRより松大のほうがはるかに賑わっているように見受けられるのです。JR航路の平成12年度の年間輸送実績は217万8千人。元就ブームの折は300万人を超えていたのですが、以降は200万人強で推移しているようです。いっぽう松大はというと……じつは統計が見つかりません。おわかりの方はどうぞご教示を。
 これでは「松大のデータがないのにどうして松大のほうが賑わっているとわかるのか」とお叱りを受けてしまいそうですが、実際に宮島口桟橋に行ってみると、松大の桟橋には絶えず客が行き来しているのに対し、JRのほうはどうもイマイチ閑散としています。特に団体客が顕著で、ツアー客も修学旅行生もすべて松大のほうに流れており、私としてはまず間違いなく松大のほうが輸送量が多いとみています。

 どうしてこんなにも松大のほうに客足が流れてしまうのでしょうか。
 その理由はただひとつ、松大は「待たずに乗れる」からです。
 まず運行間隔。基本的には両社ともに15分間隔で運航していますが、松大は一般の「観光船」とは別に「フェリー」を30分間隔で運航しており、1時間あたり2便ほど多いことになります。

 ちょっとややこしいのですが、「観光船」といっても純粋な旅客船ではなく、小型車であれば積むことができます。いっぽうJR航路はすべてフェリーです。もっとも宮島の観光ポイントはほとんど徒歩圏内にあり、対岸の宮島口に駐車場が整備されているので、観光客が船に車を積む必要はまずありません。

 しかし最大のポイントは、船数にあるのです。JR航路には3隻しか配備されていないのに対し、松大は6隻。
 そう、松大は桟橋で常に船が待機しており、待つことなく乗船できるのです。
 たとえば宮島口の松大桟橋を見ていると、宮島からの船が到着してから別の船が出港する。そして次の宮島からの船が到着してから先ほどの船が出港する。このように、松大の桟橋には入れ代わり立ち代わり船が入港するため、桟橋で並ぶことなくすぐに乗れるわけです。
 これに対しJRは船数が少ないため、船に乗り遅れると次の船が到着するまで桟橋で立ったまま待たなければなりません。ここに最大の問題があります。

 松大はCMを流しており、「待たずに乗れる松大船」は地元の者にとってはごく常識になっています。まして旅行会社の社員なら宮島へは松大で行くのが当たり前になってしまっているのでは……。

 ではどうすればいいか。結局、JR西日本が船を新造し、乗務員も増やしたうえで、松大に対抗すべくピストン運航するしか手はありません。とはいえ莫大な投資を要しますし、難しいところです。JR西日本は経営が苦しいやに聞いており、私個人としてはJR航路にもっと奮闘してもらいたいのですが、どなたか名案がおありでしたらご教示くださいませ。

 ではさようなら。

古きよき時代のライバル関係だが...
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/09/02 16:39:51) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 宮島口サイドですとわかりづらいですが、確かに宮島桟橋ですと松大船は繁盛してますね。

 松大のサイトを見ると、旅客船4隻、高速艇1隻の5隻体制(でもトップは6隻とあるが...)ですね。
 これは待たずに乗れるというよりも、広島市内まで440円という値段が大きいと思います。市内からですと1日乗車乗船券が往復より安い840円とか、宮島ロープウェイも乗り放題で2日有効の宮島フリーパス2000円といった企画商品のラインナップ。団体利用の多さは学校や企業をこまめに回る営業力もあるでしょう。もちろん宣伝力も大きいですね。実際はJRと同じとはいえ、「待たずに乗れる松大船」というフレーズを定着させていることは見事です。

 かたやJRは広島まで570円、電車乗り換えの西広島まで490円ですから、近郊や遠距離中心といって良いでしょう。ただ、宮島口から市内への電車は座れますが、市内から宮島方面は下手をしたら廿日市付近まで座れない可能性もあり、安いなりの悩みはあるようです。
 あと、肝心な電車のフリークェンシーは広電有利ですが、船が一緒(電車よりも長い間隔)ですから、市内行きでは宮島口の待ち時間が短いですが、宮島行きは同じですね。

***
 JRですが、大鳥居回遊便は確かにサービスですが、実際に乗るとそんなもんか、という感じです。どうせ宮島に着いたら厳島神社の回廊突端から仰ぎますし、干潮時にはそばまで行けますから。

 まあ古きよき時代の交通機関の競争が残る味わいもありますが、宮島観光の質を高めることを考えると、共通が効かない2社が別個に運行するよりも、1社が例えば10分間隔で運行するほうが合理的かつ便利でしょう(ここまで間隔が詰まっていれば、シーズンは1社のピストン運行というサービス提供が可能になる)。

 個人的には最後に残った鉄道連絡船としてJRに頑張って欲しいのですが、冷静に考えると共通性のない船舶部門を他社との厳しい競争、しかも総需要がジリ貧のなかで継続するよりも、松大船に一本化したほうが、例えば赤字ローカル線の維持に少しでも経営資源が回るのではと思うのですが。

***
 余談ですが、宮島観光ではたいてい歩けるので島にクルマを持ちこむ必要はまずありません。クルマが走れるエリアは限られていますし、その道も狭いし観光客が多いしと他所者が簡単に走れる状況でないです。
 またマイクロバスタイプの宮島乗合タクシー(メイプルライナー)も日中30〜60分ヘッドであります。

 とはいえ観光施設や宿泊施設は微妙な距離を桟橋から保っており、中には送迎のない宿もあるため、天候や同行者次第では交通機関を必要とすることもあります。で、注意したいのは、そういう時、特に雨でも降ってくると皆同じことを考えるため、メイプルライナーの積み残しが発生します。また、タクシーもあるのですが、確か17時を回ると島内に1台しかなくなり、さらに夜間はサービス自体がありません。
 こうなると桟橋で延々と1台のタクシーが運び尽くすのを待つという悲劇も実際に発生するので、場合によっては島内へのクルマ乗り入れを視野に入れたほうが良いかもしれません。
(かつて実際に経験した。最終のメイプルライナーは多数積み残しだけど救済便は無しとのことで、タクシーが回転するのを小一時間待った)

とうてい私のかなう相手ではなかった……。
 投稿者---長州藩近未来交通奉行氏(2002/09/03 04:19:07)

 さっそくのご返信、ありがとうございます。鉄道とか道路とかに比べるとはるかに地味なテーマですので相手にされるかどうか少々不安だったのですが、ほかならぬエル・アルコン様と交信することができ、光栄です。

 さて……。
 松大の盛況の裏には、やはり広電の1日乗車・乗船券の存在が大きいのでしょうか。ただ、遠方からの観光客にとっては安さのみならず路面電車そのものも魅力なのでは。彼らにとっては路面電車は乗り物というより観光名物みたいです。広島から宮島口まで山陽線なら20分なのに対し、広電だと1時間近くもかかってしまいます。

 ただ、エル・アルコン様のご分析は宮島口へ電車で行く人のみを対象になさっていますが、車利用の客までもが松大へ流れている実態についてはどうお考えなのでしょうか。私としてはやはり「待たずに乗れる」点がやはり大きいとみているのですが。

 それから

 JRですが、大鳥居回遊便は確かにサービスですが、実際に乗るとそんなもんか、という感じです。どうせ宮島に着いたら厳島神社の回廊突端から仰げますし、干潮時にはそばまで行けますから。

 う〜ん。だいたい大鳥居のあたりは当然ながら浅瀬ですので船がさほど近寄れるはずがなく、おっしゃるとおりたしかにあまり意味のない愚策かもしれません。時刻表の「大鳥居を経由します」という宣伝文句にだまされた遠方からの不案内な人しか乗らないように思われ、少なくとも地元の者はまず乗りません。単に遠回りして時間が余計にかかるだけです。
 JR西日本は早急にこの「大鳥居経由」をやめるべきでしょう。

 まあ古きよき時代の交通機関の競争が残る味わいもありますが、宮島観光の質を高めることを考えると、共通が効かない2社が別個に運行するよりも、1社が例えば10分間隔で運行するほうが合理的かつ便利でしょう。

 嗚呼……(泣)。
 JR西日本の当面の対抗策としては、JR線と宮島航路の乗継割引を行ってはどうかと考えています。広島駅の運賃表には「宮島 570円」とありますが、要するに宮島口までの運賃400円と宮島航路の170円の合計額なわけです。これを10円でも20円でも割り引けば、少しは違ってくるのではないかと……。
 ただ、やはり松大に同じく「待たずに乗れる」ようにする必要はあろうかと思います。あと1隻増やすだけでもぜんぜん違うはずです。どこかの船会社からポンコツ船を安く譲り受けることはできないものでしょうか。

 個人的には最後に残った鉄道連絡船としてJRに頑張って欲しいのですが、冷静に考えると共通性のない船舶部門を他社との厳しい競争、しかも総需要がジリ貧のなかで継続するよりも、松大船に一本化したほうが、例えば赤字ローカル線の維持に少しでも経営資源が回るのではと思うのですが。

 嗚呼……(号泣)。
 でも少なくとも私の知る限りでは民営化以降JR航路は黒字が続いているようですので、廃止することはありません。もし赤字ならとっくに廃止しているでしょう。
 それに、民間企業たるJRに「爪に火をともして」まで赤字ローカル線を維持する法的・社会的義務があるんでしょうか。素朴に疑問に思います。

 またマイクロバスタイプの宮島乗合タクシー(メイプルライナー)も日中30〜60分ヘッドであります。

 これはたしかロープウェー乗り場のあたりまで行くんでしたっけ。でも私自身はただの一度も乗ったことはありません。歩けない距離ではないですし、どうしても歩くのが嫌ならレンタサイクルを借りる手もあります。

 桟橋で延々と1台のタクシーが運び尽くすのを待つという悲劇も実際に発生するので、場合によっては島内へのクルマ乗り入れを視野に入れたほうが良いかもしれません。

 宮島航路の話題とちょっと離れますが、たしかにこれは問題ですね。
 まず島内への車の乗り入れですが、僭越ながらこれには反対です。べつに感情的に車を嫌っているのではありません。宮島の観光ポイントには商店や神社仏閣がひしめいており、駐車場ももちろんありませんからおよそ車向きではありませんし、新たに道路や駐車場を建設するのももちろん不可能です。しかももともと観光だけで食べている宮島町は折からの不況で深刻な財政難に陥っており、宮島ボートも赤字だそうで、財政上も宮島町にそのような余裕はありません。加えて鹿を轢いてしまうおそれがあります。現に奈良公園周辺では鹿がらみの自動車事故が絶えないと聞いております。
 かといってバスやタクシーを増やすのにも限界があるでしょう。町営で運行するのもほとんど期待できません。既述のとおり宮島町はまさに「火の車」ですので……。
 雨天時対策としては、宮島桟橋で傘を貸す、あるいは売るにとどめるのが得策かと考えています。

 それにしても、エル・アルコン様の膨大な知識量はほとんど驚異(脅威?)的です。いったいどのような脳みそをしていらっしゃるのでしょうか。とうてい私のかなう相手ではありません。失礼いたしました。

紅葉と鹿
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/09/03 14:34:32) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●JR航路の弱さ
 大鳥居経由にあまり意味がないといいましたが、それ以前の問題として大鳥居沖を遊弋することが知られてない気がします。いちおう時刻表では書いてますが、そこまで見ているかどうかと。
 乗り継ぎ割引もそうですが、企画商品が欲しいですね。遠距離客の場合でも、広島市内発着のきっぷでしょうから、ここで宮島観光関連の企画商品に手を出させる工夫が欲しいです。

 あと、宮島観光の宣伝ってしてますかね。あまり見たことがないような...

 余談ですが、山陽線は広島支社と岡山支社の車両が入り乱れてますが、広告が所属に忠実なんです。
 ですから、岡山地区でも広島持ちの「山陽シティライナー」絡みの運用に乗ると広島の広告ですし、広島地区で岡山持ちの車両に乗ると岡山の広告なんです。せめてJRWの自社広告くらいは配慮が欲しいです。

●船
 中古狙いどころか逆にあのクラスの出物を狙っている会社はご近所にもいっぱいあるような...(苦笑)
 あとは、赤字ローカル線対象でなくとも、鉄道事業への経営資源集中の原資として、キャッシュフローを生んでいる事業だからこそ譲渡が可能という見方も出来ますね。
 厳しい見方をすれば、1枚のきっぷで買えるとか、18きっぷその他の一部企画きっぷでそのまま乗れるというメリット以外に、宮島航路が松大船一本になる不利益はないんです。悲しいけど。

●クルマ利用
 ベースは桟橋に止めて船利用でしょう。島の中は道も狭いし鹿がウヨウヨ(笑)
 それどころか宮島口へクルマというのも辛いかもしれません。

 ただ、島内のタクシーなどの交通機関はバリアフリーの観点からも必要でしょうし、せめて宿の入り込み時間である18〜19時まではそれなりの台数が欲しいです。
 実は奥まったところにある国民宿舎は送迎がないのですが(経験者)、各宿泊施設が隣近所の宿で都合をつけて送迎が完備すれば、夕刻以降の確保はいらないですが。

※宿泊の場合、それなりに荷物がありますから、桟橋〜観光施設〜宿とそぞろ歩きではなく、桟橋〜宿〜観光施設となるため、移動距離が案外長くなる。

 前述のメイプルライナーも工夫が足りず、私が積み残されたときもあと15分も残業して一回りすれば大方捌けましたし、たった15分で3000円程度の収入になったのに、芸のない話です(実際積み残された客からもう一回りのリクエストがあった)。免許の関係かもしれませんが、自由化になったことですし、柔軟な対応が望まれます。

***
 まあある程度土地勘があるエリアですが、昨年の宮島観光が下敷きになってます。レール&レンタカーを広島駅で返し、JRで宮島口経由宮島に行ったんですが、悪天候でクルマの広島駅到着が遅れて、宮島入りが17時を回ったわけです。メイプルライナーに積み残され、タクシーは1台しかないとのことで、宿の国民宿舎に電話したけど送迎がないとのことで、散々だったんですよ...
 宿自体はよく、翌日は天気も持ち直したんで楽しかったですが。

広島支社はもっと熱をあげよetc.
 投稿者---長州藩近未来交通奉行氏(2002/09/03 04:19:07)

 丁重なお返事ありがとうございます。本当に嬉しく思います。

 要するに当のJR西日本の姿勢がイマイチはっきりしないところに問題があるのでしょうか。NHKの大河ドラマで毛利元就が放送されたころはそれこそまさに「元就ブーム」で、宮島のみならず吉田の郡山城とかもけっこうな人気だったのですが……(もっとも芸備線の吉田口駅は吉田町の中心部から遠く離れており、郡山城への観光客はほとんど車かバス利用だったようです)。
 もっともこれはJR西日本だけの問題ではなく、広島県や宮島町がもっと本腰をいれてPRに努めるべきでしょうね。せっかく世界遺産にまでしてもらったのに、もったいないように思います。

 乗り継ぎ割引もそうですが、企画商品が欲しいですね。遠距離客の場合でも、広島市内発着のきっぷでしょうから、ここで宮島観光関連の企画商品に手を出させる工夫が欲しいです。

 周遊きっぷの「広島・宮島ゾーン券」で宮島航路が使えますが、これだけではやはり弱いのでしょうね。やはり「広島・岩国フリーきっぷ」みたいなのを発売する必要があります。広島、岩国、呉あたりのJR線と宮島航路に乗り放題なのはもとより、岩国市営バスや呉市営バスをもエリアに組み込み、宮島ロープウェー、岩国ロープウェーにも安く乗ることができ、加えて原爆資料館や厳島神社、岩国城、旧呉鎮守府司令長官官舎とかの入場料も割引されるなどの特典を付すれば、かなり売れるのではないかと思います(ただし宮島ロープウェーは広電グループなので難しいかも……)。
 それにしても時刻表のピンクのページを見ていて思うのは、広島支社と岡山支社とで企画商品のラインナップがぜんぜん違うことです。広島支社はほとんど新幹線にばかり熱をあげているのに対し、岡山支社はフリーきっぷをたくさん売っているような気がします。広島支社はひょっとするとあまりヤル気がないのかもしれません。

 余談ですが、山陽線は広島支社と岡山支社の車両が入り乱れてますが、広告が所属に忠実なんです。ですから、岡山地区でも広島持ちの「山陽シティライナー」絡みの運用に乗ると広島の広告ですし、広島地区で岡山持ちの車両に乗ると岡山の広告なんです。せめてJRWの自社広告くらいは配慮が欲しいです。

 広告もそうですが、だいたいこのあたりの車両運用っておかしいんですよ。広島〜西条間の快速にはドアが2つしかなく、広島以西や三原以東でものすごく混むんです。いっぽう呉線快速「安芸路ライナー」はロングシートで4ドア。わけがわかりません。
 山陽本線は幹線であり、2ドアというのは致命的です。かといってドアを増設するのは車両構造上無理があるやに聞いております。
 やはり2ドア車は短編成化のうえワンマン化改造し、ローカル線に投入すべきでは。
 いっぽうロングシート車ですが、むちゃくちゃボロいところからしておそらく関西地区の使い古しとみられます。まあJR西日本としてはいかんせんアーバンネットワークを優先せざるをえないのでしょうが、「安芸路ライナー」にロングシート車を運用するのは少々やりすぎではないかと……。
 もっともこれらのロングシート車は馬力が弱く、セノハチを登れないのだそうで、結局呉線しか行き場がないのかもしれません。難しいところです。
 JR東日本で使い古したクロスシート・3ドア車を安く譲り受けたりはできないのでしょうか。

 中古狙いどころか逆にあのクラスの出物を狙っている会社はご近所にもいっぱいあるような...(苦笑)

 たしかに瀬戸内海には航路がいっぱいありますので、おっしゃるとおりかもしれません。

 厳しい見方をすれば、1枚のきっぷで買えるとか、18きっぷその他の一部企画きっぷでそのまま乗れるというメリット以外に、宮島航路が松大船一本になる不利益はないんです。悲しいけど。

 嗚呼……(悲鳴)。

 ただ、島内のタクシーなどの交通機関はバリアフリーの観点からも必要でしょうし、せめて宿の入り込み時間である18〜19時まではそれなりの台数が欲しいです。
 実は奥まったところにある国民宿舎は送迎がないのですが(経験者)、各宿泊施設が隣近所の宿で都合をつけて送迎が完備すれば、夕刻以降の確保はいらないですが。

 国民宿舎のくせに送迎もしてくれないとはひどいですね。
 ただ、地元のタクシー事業者にしてみれば、ほとんど雨天時にしか利用がないのに増車するのは無理でしょうから、できれば町の補助で各旅館、ホテルに送迎用の車を買い与えるしかないように思います。もっとも宮島町は人口たった2,000人強にすぎない“超”ミニ団体ですし、折からの不況で観光客もなかなか増えず、そこへもってきて宮島ボートも赤字続きだそうで、まさに「火の車」……。悩ましい限りです。
 ちなみにその国民宿舎は、以前は「宮島ロッジ」といっていましたが、数年前に改修されて「杜の宿」に改称されたみたいです。

宮島再び
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/11/09 00:18:20) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 この3連休に岩国と宮島に行ってきました。まあ錦帯橋と厳島神社という定番コースを両親を含む家族で回ったのですが、先の議論で指摘し、指摘された箇所のほかにもいろいろ見えてきました。

●レポート
 交通機関は家からのアプローチや、乳幼児と足の悪い親の存在もあってクルマにしたんですが、思いのほかてこずりました。
 岩国では山陽道のICは新岩国駅や錦帯橋に近く、駐車場も錦川の河原を利用して充分確保しており、難渋することなくアプローチできました。戦後台風で流されて以来の架け替え工事中ですが、冬の渇水期を選んで1年に1連ずつの交換なので時間が掛かります。今は真ん中の1連だけが新品ですが、今月末から第二期の工事に入ります。工事中も仮橋から架け替え工事が見れるというのもユニークで、冬場に一度行ってみたいものです。

 さて宮島ですが、山陽道、もとい、広島岩国道(広岩道)で戻っても中途半端です。大野はR2から離れており、廿日市は行き過ぎ。大竹ではすぐ降りる破目なので、結局R2を地道に走りました。
 余談ですが廿日市−大竹間の広島岩国道路、いい加減案内だけでも「山陽道」に統一して欲しいものです。本線走行中も馬鹿正直に山陽道が終わったという案内が出てますし、R2側も「山陽道方面」と付いていますが、なんかただの有料道路っぽくて山陽道はまだかいな、と誤解してしまいます。

 道路情報に宮島口で2km以上渋滞と出ており、まあ観光シーズンゆえ仕方が無い、と達観して走りましたが、結局大野ICへのアプローチ道路の分岐からベタベタの渋滞でした。ひどい時は5分くらい動かず、1時間以上かかってようやく宮島口の桟橋への分岐(駅前よりも西側)にきて渋滞の理由が判明。ここの右折車線が短すぎ、桟橋方面が動かないので直進車もお相伴で動けないのです。あまりにも動かないので結局直進し、駐車場を探すうちに廿日市市内に入りようやく見つけ、図らずもP&Rのような格好で広電で宮島口に戻りました。

 結局船は大鳥居沖遊弋のJRを選択、帰りは松大もいいなと考えていたのですが、家人が買い間違えて往復券を買ってしまいました。
 干潮で大鳥居に人がまつわりついているのを見ながら宮島入りし、早くも満ちに転じて大鳥居までは行けませんでしたが、舞台の沖に広がる干潟を歩いてみました。
 渋滞のせいで宮島入りが遅く、厳島神社を後に鹿と戯れるように桟橋に向かうと早や夕景で、桟橋は島を後にする観光客でごった返しています。船待ちの列が桟橋外にまで伸びていましたが、船の収容力は大きいようで次の船に乗れ、駆け足の宮島観光を終えました。

●クルマとの相性が悪い宮島
 桟橋に駐車場はあります。裏技としてフェリーに乗せて島に入るという手もありますが、さすがにそれは島内で使わないのに往復の航送料を取られますからしませんが。しかし、桟橋は袋小路で、キャパもかなり少ないようです。
 実は広島寄りに宮島競艇の駐車場があり、競艇が無い時には開放して欲しいのですが、今回は全日本選手権の場外と重なっておりお手上げです。

 JR、広電ともに鉄道系との相性はばっちりなんですが、さすがに鉄道だけで行程を完結させることは難しいですし、受け入れの間口は広いほうが良いです。
 高速道路のそばでP&Rというのが理想ですが、広島エリアでは山陽道ですら山側を迂回しており、高速道と離れて並行するJRや広電との接続が難しいです。
 宮島との距離を考えたら隣りの阿品の旧ひろしまナタリー跡にあるショッピングセンターであるフジグランの駐車場を立体化するなどして活用したいところですが、高速との相性だと廿日市市内か、思い切って五日市ICから草津沼田道路経由で来れるアルパークに確保というのもいいでしょう。
 西側ですと大野浦あたりに確保して分散したいところです。

●バリアフリーのほころび
 言わずと知れた広電グリーンムーバー、そして宮島島内も桟橋を出て、厳島神社も小さな階段にはすべからくスロープを確保とバリアフリーが進んでいます。
 しかし、肝心な船が駄目です。桟橋は階段が無いのですが、乗り込むのは車両甲板です。そのため階段を遊歩甲板まで上がるのですがこれが狭くて急。JRの場合は車両甲板の左舷後方に優先ルームがありますがこれが僅か12席の小部屋、ベビーカーが外にまで溢れる様子に諦めて上に上がりました。

 JRの場合は全部がフェリーですが、これを一部は車両航送を止めて、車両甲板に客室を設置し、バリアフリー対策を強化するべきでは。2〜3便に1本がフェリーでなくても大して困らないでしょう。逆に乗り降りしやすい船はこの時間、と宣伝するほうが宜しいのでは。

●いい加減2社の角逐は...
 どちらもフル回転で捌いていましたが、桟橋で何人かに1人、「これは向こうの船です」と追い返される人がいました。松大の往復券のようですが、実際これは不便です。帰りの混雑を考えれば宮島口で往復を買いますが、JRに乗れなかったら松大というような選択が利きません。18時台に入ると双方とも便数がガタッと減るため、共通乗船が可能であれば飛躍的に便利なのですが。
 先に松大への譲渡という過激な案を書きましたが、そこまでいかずとも共同運行に出来ればピストン運行が提供できるのですが。

●宮島観光の不思議
 船が18時台にガタ減りすると書きましたが、軒を連ねる飲食店や土産物屋は17時を境に一斉に店仕舞いします。確かに宿泊客は宿に入るし、日帰り客は帰る時間なのですが、厳島神社のライトアップといった観光の時間帯を広げる試みがあるなか、商店と船の旧態依然の営業形態をそろそろ改めてもいいのでは。
 考えてみれば桟橋から広島市内まで1時間程度です。夕食まで宮島に引き止めても、広島市内に21時には帰れるのです。広島名物として市内で賞味されるものは、実は宮島名物でもあり、みすみすビジネスチャンスを逃しています。
 今回も、おいしそうなメニューの店が「営業終了」の札を下げているのを横目に桟橋に急ぎ、宮島口でようやくアナゴ飯の暖簾をくぐりましたが、こちらも数が少なく、とにかく泊まるか広島まで帰るか、というのはもったいないです。

 旧態依然の観光地然としている面は否定できませんが、それでも日本三景の実力は伊達ではなく、まだまだポテンシャルがあります。考えてみれば厳島神社は、平清盛が極めて斬新なデザインで建立した先進性を持っています。それに負けない発想が求められているのではないでしょうか。

Re:宮島再び
 投稿者---tokino氏(2002/11/15 23:24:13)

 私は宮島が好きで年に2回は行く広島市民ですが、ご指摘は全く持ってその通りです。宮島はクルマで行くべきところじゃありません。島の中の道も狭いし。 私も駅から歩いて25分という便利の悪いところに居るもので、宮島へ行くときはP&Rしてます。
 土日はアルパークの臨時駐車場が使えるので、大抵そこに置いてJRで行ってます。廿日市市阿品のフジグランナタリーに置く時もあります。
 大野ICの入り口あたりに広い駐車場を設けて、シャトルバスを運行するというのも一つの手かも知れません。
 宮島の島内のお店が17時に店じまいをするのも商売っ気が無いというか困ったもんです(早いところは16時過ぎに閉まってます)。せめて18時半くらいまではやってほしいですよね。慣行というか、取り決めみたいなものがあるのかも知れませんが。あなご飯でしたら、廿日市の広電宮内、JR宮内串戸近くに旨くて夜までやってるところがありますよ(すみません話がずれました・・)。

2004.11.06 Update


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