【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.065)
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山手貨物線は今後どうなるのかな?
 投稿者---TAKA氏(2002/06/04 23:49:37)
山手貨物線は今後どうなるのかな?
└Re:山手貨物線は今後どうなるのかな?
 └Re:山手貨物線は今後どうなるのかな?一応私の私案ダイヤ・・・
  └埼京線と湘南新宿ラインの将来
   └そもそも論

 JR東日本の東京圏の路線で今一番ホットなのは「山手貨物線」かもしれませんね?
 私みたいに池袋〜新宿間を常時利用している人間には正直言って「山手貨物線」と言うより「埼京線」と言った方がなじみがありますが・・・
 埼京線の恵比寿延伸以来変化がありませんでしたが、昨年12月「湘南新宿ライン」の開通により大幅な変化が発生しましたし、池袋での平面交差解消の為の立体交差化工事も始まりました。又新宿駅も大改良工事が徐々にではありますが進んできています。その上に今年12月には(確か・・・間違っていなければ)「りんかい線」が大崎に乗り入れます。
 そうすると「山手貨物線」は東海道線・横須賀線・りんかい線・高崎線・東北本線・埼京線の5路線が乗り入れ、その上に成田空港アクセスのNEXも乗り入れていますし、スーパービュー踊り子や多くの臨時列車や貨物列車が運転されています。又りんかい線経由で京葉線・内房線・外房線とも繋がることも可能という非常にバラエティに富んだ路線になっていますね。
 この様に多種多様な種別が走りながら、路線は複線です。又新宿の大改良が完成し、池袋の立体交差が完成すれば線路容量が増加するでしょうが、渋谷・恵比寿は1面2線の駅構内のままです。基本的なところで東京の第2の都心新宿や繁華街の渋谷・池袋と言った有る意味で山手線の東側以上に高需要の地域を通っている線路で、上記の路線からだけでも乗り入れ需要が沢山あると思います。
 確かに新しくできた「湘南新宿ライン」を利用した時(大船〜新宿)上手く時間さえ合わせれば(仕事で利用して偶々時間が合った)非常に便利でしたし(おかげで無理しなくても次の仕事に間に合ったし・・)この様に「山手貨物線」に乗り入れれば便利になる地域・路線は非常に多いと思います。
 しかしいつも利用している「埼京線」は朝は殺人的ラッシュですし(一番後を利用するからですが・・)「埼京線」も「湘南新宿ライン」も増発の要望は非常に高いと思います。

 この様に将来性もあり高需要で、商品としての列車も多く増発の余地のある「山手貨物線」ですが、前述の通り基本が複線ですから線路容量に限界があります。と言って線増の余地も何処にもありません。
 私も色々考えましたが、あっちを立てようとすればこっちが立たずの状態で正直言って全てを満足させる名案なんてとても浮かびません。
 「山手貨物線」が今後どうあるべきか?「山手貨物線」の理想のダイヤは?「山手貨物線」に何処の路線をどれくらい乗り入れさせればいいか?上記以外に「山手貨物線」に乗り入れさせると便利になる路線はあるか?
 等々皆さんのご意見をお聞かせ願えたらと思います。

Re:山手貨物線は今後どうなるのかな?
 投稿者---CHIP氏(2002/06/05 01:34:05) http://norimonoland.info/

 確かにホットな路線ですよね。

 山手貨物線を利用する現在の湘南新宿ラインは、あくまでも仮の姿であることを忘れてはいけません。まず、今年12月から埼京線が大崎まで延伸とりんかい線との直通運転が行われることになります。これは今まで乗り換えを必要としたお台場へ新宿から直通で行けることを意味しています。また、このルートからの京葉線利用での東京ディズニーリゾート(TDR)、幕張方面へ行くことも容易になります。こうなると、現在のように快速は恵比寿行きの様な本数では裁けないように感じます。早い話、最低限大崎行き、理想を言えば新木場行きが増えることになるでしょう。こうなると山手線西側の乗客が埼京線へ流れ、実質的には山手緩行線と山手快速線の複々線化といったような効果が期待できるでしょう。
 次に、湘南新宿ラインですが現在行われている工事(主としては池袋の立体交差化工事等)が完了すると宇都宮・高崎線と東海道・横須賀線の直通運転がフルタイム行われます。さらに、2009年度には東京駅を介しての宇都宮・高崎線と東海道線の直通運転も行われることにより、両方向(山手線の西側と東側)を使用しての直通運転となり、南北の幹線が西側主要都市の池袋、新宿、渋谷、東側主要都市の上野、東京、品川で東海道・宇都宮・高崎・横須賀線に乗車できる様になります。これにより、宇都宮、高崎、大宮、東京、横浜、大船、小田原、久里浜といった地域が直通で結ばれるという大きな流れができ、今まで通勤圏でなかった地域が新たに通勤圏になる可能性もあります。当然、主要都市を結ぶ幹線である性格上、運転本数がある程度は確保されている必要があると思います。

 ここで、思い出す必要があるのは新宿駅での埼京線・湘南新宿ラインのホーム割り当てが駅改修後では3面6線(つまり、1〜6番線が割り当てられている)になると言うことです。つまり、埼京線と湘南新宿ライン、そして成田エクスプレスをうまく複線の山手貨物線で運転させる秘訣はこのホーム数にあると私は見ています。
 まず、埼京線を大崎まで運転を原則とし、新宿駅でのホーム割り当てを1番線は埼京線大崎・りんかい線方面、2番線は埼京線大宮・川越線方面、3番線は成田エクスプレス・湘南新宿ライン新宿折り返し、4番線は湘南新宿ライン南行き、5番線は湘南新宿ライン新宿折り返し、6番線湘南新宿ライン北行きとするとします。そして、湘南新宿ラインで新宿以北と新宿以南を結ぶ本数は1時間に4本、新宿発着を南北共に1時間に2本、埼京線の大崎行き(りんかい線直通を含む)を1時間に6本、埼京線の新宿止まりを1時間に2本、成田エクスプレス、貨物・回送等を1時間に2本と仮定すれば、列車間隔が平均としては大体2分半程になりますが中央線快速や山手線等東京の通勤電車の路線はこれ位の運転本数で運行されていますので、さほど問題はないように思います。
 運転方法としては、新宿での発着のタイミングがポイントで埼京線の新宿止まりが来る間隔で成田エクスプレスを発車させます。それと同様に、湘南新宿ラインの新宿止まりが来るタイミングで埼京線を出すという新宿の南北で切り替えのようなものを行うわけです。それと共に、車内清掃といったものは終点の前駅で清掃員が乗車して出来るところから清掃を行う事で折り返しにかかる時間を短縮させることも可能だと思います。

 机上の空論ではありますが、私が考えた案です。

 それでは、失礼いたします。
 長々と乱筆致しましたことをお許し下さい。

山手貨物線は今後どうなるのかな?一応私の私案ダイヤ・・・
 投稿者---TAKA氏(2002/06/05 08:41:04)

山手貨物線を利用する現在の湘南新宿ラインは、あくまでも仮の姿であることを忘れてはいけません。

◎確かにJRも認めるとおり、現在の「湘南新宿ライン」は仮の姿でしょう。
 JRでは2004年度末の池袋立体交差完成時に増発をすると言っていますが、完全の完成型は仰有られる新宿の大改良完成時(3面6線化)でしょう。
 しかし新宿の大改良は完成は当分先ですから(中央線ホーム移設+配線改良が入っているから)何処の時期に基準を置いて話すかで話が変わってきます。
 一応3つのパターンで架空の便利であろうと思われるダイヤを考えてみましたが・・・(あくまで架空の理想で本格的ダイヤへの裏付けは有りません。私はスジまでは引けないので)

※一応ダイヤ検討の前提条件→ ・ダイヤは基本的に昼間で考えています。
・基本的に昼間で毎時18〜21本で押さえる様に考えます。
・下には書きませんが毎時3本貨物・臨時用の枠を確保します。
 (即ち下の記入の中の合計を15〜18本に押さえます)
  1. りんかい線大崎延伸完成時
     この時にはボトルネックの新宿・池袋の平面交差は解消していませんので、基本は現行ダイヤを踏襲するしかないでしょう。
     多分埼京線快速と赤羽発普通を大崎経由で新木場まで延伸するだけで終わるでしょう。
     そうすると新宿以南では埼京線快速*3、赤羽発埼京線各駅*3、湘南新宿ライン*3、NEX・その他列車計*3計12本位ではないでしょうか?
     新宿以北は変わりません。
     

  2. 池袋立体交差完成時→湘南新宿ラインの増発?
     此処で湘南新宿ラインの増発が可能になるでしょう。でもそれはラッシュ時の話・・・ 昼間で考えればスムーズに運行できるというメリットだけですね
     新宿大改良完成はかなり先ですから此処で大増発を考えましょう。

新宿以南 計12本

新宿以北 計17本

 埼京線新木場行快速
 赤羽発蘇我行(京葉線内快速)

 湘南新宿ライン(東海道線)
 湘南新宿ライン(横須賀線)
 NEX

*3
*3

*2
*2
*2

 埼京線新木場発快速
 蘇我発赤羽行(京葉線内快速)
 埼京線各駅
 湘南新宿ライン(宇都宮線)
 湘南新宿ライン(高崎線)
 NEX

*3
*3
*6
*2
*2
*1 

 これでは1時間パターンダイヤになりますが、これは正直言って仕方がありません。
 埼京線は20分パターンですし湘南新宿ラインとNEXは30分パターンですから最小公倍数の60分パターンダイヤにならざる得ないでしょう。

  1. 新宿大改良の完成→「山手貨物線」の完成型?
     これで新宿発着ダイヤの増発が出来ます。基本的には私は1番線→南行き直通 2番線→埼京線折返し 3番線→湘南新宿ライン折返し 4番線→北行き直通 0番ホーム(新設)→N'EX・予備他 と運用を考えます。
     基本的には2.のダイヤに湘南新宿ライン新宿折返しを東海道線・横須賀線に各1本、N'EX新宿→中央線直通を1本増発位が適正かな〜と考えます。
     これ以上は今後の増発余地に取っておきましょう。(でもそんなに無いか・・・)

 一応叩き台としてこんなのを考えましたが、如何でしょうか?
 私も詳しくないので、もっと情報やプランを持っている人に教えて頂きたいですね!

埼京線と湘南新宿ラインの将来
 投稿者---矢切氏(2002/06/05 13:01:40) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

§0 新宿駅のホーム

 完成形は、提案されたような形ではなく、次のようになります。

1・ 2番線 
3・ 4番線
0A・0B番線
5・ 6番線
7・ 8番線
9・10番線
11・12番線
13・14番線 

 (埼京線&湘南新宿ライン)
 (埼京線&湘南新宿ライン)
 (N'EX・湘南ライナーなど) <このホームは他ホームに比べかなり南よりに位置する>
 (中央線上り)
 (中央線特急・中央ライナーなど)
 (中央線下り)
 (総武線上り・山手線内回り)
 (山手線外回り・総武線下り)

 NEXや湘南新宿「ライナー」は0番線に逃がすとしても、埼京線と湘南新宿ラインは1〜4番線でこなさなければなりません。 
 昼は難無くこなせますが、朝は同一ホーム2列車連続進入不可および一部折り返し列車の平面交差(2番線でも折り返すならば)という制約がつきます。

§1 ダイヤのそもそも論

考慮すべき対象は次の通りです。
 ・埼京線〜りんかい線
 ・湘南新宿ライン
 ・NEX
 ・湘南新宿ライナー(ラッシュ時のみ)

  §1-1 朝ラッシュ時

 上記各系統について、原則として今の本数を最低限としながら、需要にあう範囲で需要の高いものから増やせるだけ増やすことを考えますが、各方面で線路容量が逼迫しますので増発にも限度があります。また、現状の本数は最低限と言っても埼京線赤羽〜新宿間に限っては、湘南新宿ライン挿入のために多少の減便を行うことも正当化されると考えます(赤羽からの乗りこみを減らせるので成り立つ)。

  §1-2 昼間

 本数決定が線路容量をあまり気にせず需要だけで決める点が朝と異なります。

  §1-補足 りんかい線

 後で見るように、線路容量を考えても大崎折り返しのりんかい線を設定しなければ山手貨物線の容量が不足するということはないと考えます。新宿で北に折り返す埼京線と大崎で南に折り返すりんかい線が共存するという利用者無視の事態が実現しそうな気配です。大崎折り返しは設定せず全列車新宿以遠直通にしてほしい。りんかい線が別会社でなくJRだったら全列車直通だったのではないか(京葉線直通列車等もできただろう)と思うとなおさら腹が立ちます。ただし工事間合い確保の為に本数を増やせないというなら、工事期間中は我慢します。

#TWR直営の掲示板に、「車両増備するなら全部10連化して全列車埼京線に直通させる方が、6連で折り返し運転を増やすより良い」と投稿したら、掲載されませんでした。掲載しない理由を尋ねても無視。自社に都合の悪い投稿は削除するTWRの掲示板運営者の独善的姿勢を強く非難します。

§2 朝のダイヤ

 §2-1 りんかい線大崎延伸完成時

 予測として現行ダイヤ踏襲は確率の高いものです。しかし、踏襲するしかないかどうかは自明ではないです。南行き湘南新宿ラインは池袋で平面交差を起こしませんし大崎も3線あるので線路容量は十分、国府津入庫などもできますから北行きの容量を気にせず設定できます。鍵となるのは、新宿駅で3番線に入るようダイヤを組めるかどうか。2番線折り返しとしか平面交差しないので組める可能性があります。ダイヤパターンを詳細に検討すればピーク時の湘南新宿ライン設定の可否について物理的制約面からの結論が出せそうです。

 §2-2 池袋立体交差完成時

 前節で述べたように湘南新宿ラインを増やせないネックは新宿駅1・2番線が15連非対応であることによります。従って、このタイミングで不可能が可能に変わるのは「北行き」湘南新宿ラインの設定です。

 §2-3 新宿1・2番ホーム延長時

 これで南行き湘南新宿ラインのピーク時設定や増発が可能になります。
 ところで§2-2と§2-3は同時でしょうか、あるいはどちらが先でしょうか。

 §2-4 新宿大改良の完成(中央線特急ホームの抱き込み化と0番ホーム設定)

 完成後の0番と現状の5・6番のどちらかが使いつづけられる限り、埼京線&湘南新宿ラインのダイヤには関係ないです。

 §2-5 完成形のダイヤ例

 自由度がありますが例えばつぎのようなものでしょう。昔組んだことがあるのを思い出して書きますが間違っているかもしれません。

§3 昼のダイヤ

 §3-1 りんかい線大崎延伸完成時

 快速のみの直通運転とりんかい線の線内折り返しとなりそうです。希望は、大崎と新宿で分断せず毎時6〜9本の直通。ただし新宿などで工事の間合いを確保する為に貨物線本数を減らしたいというのであれば分断やむなしか。

 §3-2 池袋・新宿完成時

 工事支障がなくなります。次のどちらかが良いかなと思います。

 埼京線のみの運用数で考えると、近年の40分パターンと15分に快速1・普通1のパターンで運行コストはほとんど同じです。従って、湘南新宿ラインの本数を決めたところで、それにあうパターンを埼京線が採用し、池袋などでの時間調整によるロスを減らすのが良いと思います。(赤羽以北の快速通過駅についても普通本数減のかわりに等間隔化や武蔵浦和での接続徹底が行われるため、どちらのパターンでも支障ないです。川越線は15分毎の場合に南古谷で時間調整を想定。)

 宇都宮線・高崎線は、今の「池袋方面1本、上野4〜5本」ではなく上野方面を少し減らして新宿方面を少し増やすのが良いと思います。高崎線ダイヤなど書き出すと非常に長くなるので割愛させていただきます。

以上、長くなってすみません。

そもそも論
 投稿者---和寒氏(2002/06/05 17:25:11) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 首都圏近郊から都心へと向かう人の目的地は、およそ7割方が都心3区(千代田・中央・港)であり、副都心3区(新宿・豊島・渋谷)は比較的マイナーです。中央線沿線から見ても、副都心3区は過半数に達せず、都心3区でほぼ過半数という状況です。これは、都庁移転前の交通データのうろ覚えですので、正確さを欠くこと、今日の現状とは必ずしも合致していないことは、御許容ください。

 さて、この現状に合わせるか、それとも副都心3区を育てていくか、このあたりの基本スタンスの違いから、様々な発想が派生してくるのだろうと思います。いろいろな考え方があって良いと思います。
 そして重要なのは、インフラがどの程度あるか、ということです。
 都心3区を縦貫するのは、山手線・京浜東北線・そして将来の東海道東北連絡線です。複線が3線揃います。
 副都心3区を縦貫するのは、山手線・山手貨物線と、複線が2本です。
 運転可能な編成車両数や運行本数の違いがあるので、厳密な比較は難しいですが、輸送力の比はおよそ、
   都心縦貫:副都心縦貫=65:35
となります。ただし、現状は東海道東北連絡線がないので、ほぼ50対50ですが、ともあれ将来系は、今日の人の流れによくマッチしたネットワークが構成されます。新宿等の成長を考えれば、副都心側がやや手薄かもしれません。

 今日の埼京線に、N'EXやら湘南新宿ライナーやらが入りこんでいるのは、基本的に輸送力が余剰気味であるからです。将来的に需要が伸びてくると、現状の列車系統の一部は分散させなければなりません。
 N'EXは廃止も縮小もできなさそうです(スカイライナーに全てをまかせるという選択もあるがこれは暴論)。してみると、湘南新宿ライナーは都心縦貫させるのが妥当、現状の役割を残すならば埼京線を横須賀線に直通させる(大船あたりまで)選択肢もあります。TWRの扱いが難しいところながら、開業時における輸送力の段差を考えれば、直通列車が限定的になるのもやむをえないかもしれません。

 あまりまとまりませんが。でも、こういう将来の絵を描いてみるのも、楽しいものではあります。

神戸のW杯輸送を垣間見る  投稿者---エル・アルコン氏(2002/06/08 02:07:17)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 スウェーデンvsナイジェリア戦のあった神戸ウィングスタジアムに、もとい、その観客輸送列車を退勤後見に行きました。
 三ノ宮駅はいつもの夕ラッシュと然程変わりません。兵庫方面からの客のほか、地下鉄海岸線御崎公園から三宮・花時計前に出た観客の乗り込みが両方向あり、三ノ宮ではこれから乗る観客と乗換等で降りる観客で流動は交錯していました。

 通常の新快速、快速、普通に加え、大阪行きの臨時新快速が15分パターンに2本(一部時間は1本)入っており、大阪方面は定期新快速、臨時新快速とも兵庫に臨時停車(臨時新快速は兵庫始発)なので、15分に3本の新快速、1本の快速、2本の普通が大阪方面に向かっており、定期新快速が12連、臨時は221、223系8連か207系7連、快速が6〜12連、普通は7連と輸送力もそこそこあり、各列車とも三ノ宮発車時点では退勤客を交えても座席定員+α程度でした。特に221系6連の快速でも通常並みでした。

 逆に明石方面は新快速の臨時停車が無く、30分に快速3本(1本は須磨、垂水通過の「外側線」快速)、普通4本で、退勤客も集中するため三ノ宮の時点で混み合いますが、もっとも混み、また集中する新快速が兵庫や新長田(地下鉄海岸線乗り換え)に停まらないため、かろうじて分散した形です。

 ホームには警備員と社員が大勢おり、先頭部では添乗の職員と駅側の職員が確認し合って発車するなど万全ですが、電車やホームの混み具合を見ると、ルミナリエの足下にも及びません。

 しばらく観察した後、207系新快速で尼崎に向かいましたが、120kmで外側線を飛ばすのは貴重な体験です。芦屋では、芦屋川トンネルで223系快速を抜き、芦屋駅構内で201系の普通と緩急結合中の快速と普通をゴボウ抜きです。細かいビビリがあり、走行音が結構目立ちますが、思ったより高速性能が良く、退屈しないひとときでした。
 なお車内放送では、「臨時新快速 神戸ウィングスタジアム号」だそうです。

***
 混雑が拍子抜けでしたが、どこかの会社のようにすし詰めで2時間というような輸送計画ではなかったため、大阪方面はかなり楽な帰宅になったようです。

 それにしても、着く電車ごとに吐き出されるスウェーデンサポーターの陽気なこと。ナイジェリアを下した喜びなのか、ホームで歌ったりは序の口です。
 中には降りるなりキヨスクでビールを買う剛のものもおりましたし...

W杯輸送総括 〜その1 カシマスタジアム
 投稿者---とも氏(2002/06/09 01:35:15)
 
 http://town-m.vop.jp/
W杯輸送総括 〜その1 カシマスタジアム
└W杯・カシマスタジアム輸送を振り返る
 └乏しい資源のなかでなにが出来たか?
  └些細なように見えて大きな結果を招く発想の差異
   └カシマ対策:車両の手当てとダイヤ案
W杯輸送総括 〜その2 新潟ビッグスワン

 ともです。

 W杯開催が一巡し、まず懸念されていた茨城・カシマで予定された全3試合が終了しました。
 グループリーグ3試合ですが、どのゲームも内容的には非常に面白いゲームが多いというものでしたが、輸送で見ると悪い点が目に付きます。

<第1戦 アルゼンチン−ナイジェリア>
 予測に比べ鉄道利用が大幅に多かったせいか、相当な輸送不足が生じたようです。特に、復路の混雑は非常に評判が悪く、特に映像で伝えられた特別快速カシマスタジアムの混雑は相当で、WEB上の各掲示板でも相当評判が悪かったというのが現実です。
 鹿島臨海鉄道の限界も露呈し、何らかの対策を講じることが求められたという状況でした。
 しかしそもそも復路は時間的に余裕があり、それほどの混雑を懸念するまでもないということも差し引かなくてはならない要因です。

<第2戦 ドイツ−アイルランド>
 20:30試合開始という最も懸念された状況。しかもゲームが後半ロスタイムにアイルランドが同点に追いつくというものすごい展開であったこともあってか、復路にやはり混雑問題が。特に復路は列車集中がみられ、様々な問題が生じました。
 鉄道離れともいえる状況が生まれつつある嫌な雰囲気をかもし出すよくない状況です。

<第3戦 イタリア−クロアチア>
 土曜日、しかも人気のイタリアということで、ある意味過酷であった輸送なのでしょうが、鉄道離れとバスシフトがどうなったか。そこが課題です。
 ふたを開けてみると・・・
 鉄道の混雑はさほどでもないとはいえ、右写真のような状況。東京駅でこれですから、鹿島神宮が思いやられます。
 さらに、高速バス。首都高の混雑ということやバスが便利という情報が伝わったためか、バスへの集中が顕著に生じ、一時東京駅八重洲の高速バス乗り場が大混雑。列は延々と外堀通りにまで延び、係員の「バスが足りない!」「バスを回せ!」といった怒声が聞こえる始末。チケット販売所も混乱している状況で、バスの輸送力の限界が露呈。
 しかし、鉄道はといえば・・・ですし、どうしようもありません。

 しかもイタリアがまさかの敗北。しかも2本のゴールがファウルで幻にという、フーリガン出現には最適の環境??ですが、果たしてどうなったのか。
 六本木の荒れ方を見ると不安になったのは私だけか・・・

 まとめとして。
 それでは。

W杯・カシマスタジアム輸送を振り返る
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/06/11 13:44:14) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 わずか3日の開催で、はっきりとした傾向が出ました。

 W杯カシマ会場での開催が終わりましたが、アクセスについての結果が常陽新聞や読売新聞(茨城)に出ています。鉄道の利用が予想の1日1万人を大幅に上回って1.3〜1.6万人となったのが特徴で、外国人が専用のパスを使って各地を観戦したり、首都圏の場合「サポーターズパス」のヒットが影響しているようです。

 ただ、大幅に上回ったのは良いのですが、初戦の2日に混乱を呈したのが尾を引いたようで、利用のピークが2日で、以下漸減という結果となっています。
 常陽新聞によると鹿島臨海鉄道は1日1,500人の想定に対し2日が3,100人と倍増したんですが、以下5日が2,100人、8日が2,400人と、増結で対応したのと裏腹に利用は2〜3割減少となりました。
 JR鹿島線は11,000〜12,900人と日ごとのデータが出てませんが、初日の鉄道総数が16,000人と読売にあったことから、これも初日がピークの12,900人と分かります。鹿島臨海ほどではないにしろ、14%近い減少となっています。
 この間、入場者は2日が34,050人、5日が35,917人、8日が36,472人と増加傾向であることから、明らかに「鉄道離れ」が発生したことが分かります。

 一方の道路交通ですが、バスのデータが出てないのですが、駐車場については公式駐車場だけの集計で、2日が10,500台、5日が11,740台、8日は12,940台とこれも増加しており、鉄道の減少と観客の増加をクルマとバスが吸収した格好です。

***
 2日の混乱については、シャトルバスが予想外にスムーズだったため、予想より早く駅に帰り客が集中したためで、特快2号が約2,000人の積み残しとなっています。
 これだけでE217系11連の定員オーバーの数字であり、次の4号を含めた混乱が浮かびますが、試合展開その他による機敏なダイヤ変更を取らなかったことが混乱を大きくしたといえます(通常なら早い到着や終了前の帰宅も考慮して、運転をするかしないかはその場の判断に任せられるように、あらかじめスジを多めに引いておく。JREでも新潟での深夜新幹線の対応がそうなっている)。

 バスやクルマのシェアが想像以上に低かったこともあり、道路が順調だったのですが、2日の鉄道の混乱と、道路状況の情報が広まったことが、鉄道のシェア減、道路の増加にはっきり現れています。
 新聞紙上や掲示板等での観客の評価もはっきりしており、鉄道に対しては「混んだ」「立ちっ放し」とネガティブな感想がほとんどであり、道路は「スムーズ」という肯定的なものが多かったです。

***
 さて、今回のカシマ輸送で気付いた問題点です。

●徹底しない輸送方針
 仙台や新潟、掛川など、「東京から2時間圏」の会場アクセスの中では郡を抜いて低劣な居住性の一因でもあるE217系ですが、それでも無事に輸送を全うしたのはその通勤時をターゲットにした収容力であることは否定できません。
 しかし、E217系を充当したのは東京直通の4往復の特快だけで、あとは113系の4〜8連(8日のみ183系6連も輸送に就いた)と、収容力に大きな不安がある車両でした。
 実際、4両編成にあたった観客からは信じられないという類の感想が出ており、居住性も収容力もどっちつかずの対策であったことは事実です。

 居住性を重視するのであれば、E257系投入で遊休化している183系9連が多数あることから、それを使用した快速もしくはライナー列車を設定すべきでしたし、収容力重視であるのなら、普通列車には常磐線や京葉線の103系、201系を使用するという選択肢もあったはずです。

●計画時点での甘い見通し
 ちなみに報道から鉄道利用の想定は全部で10,000人、うち鹿島線が8,500人、鹿島臨海鉄道が1,500人となります。ところが各日のダイヤを公式ホームページで見ると、対応する列車の編成総数は、鹿島線が6月2日は58両、5日は72両、8日は60両です。鹿島臨海は2日が13両、5日が11両、8日が12両です。

 単純割りで1両あたり、鹿島線は3日間でそれぞれ146人、118人、142人。鹿島臨海は115人、136人、125人であり、E217系の立席込みの定員が1両162人、113系が132人なので、定員ぎりぎりというか、列車によってはそもそも当初から定員オーバーを前提にした輸送計画だったということがわかります。
 ですから2日のように12,900人ともなると、単純割りで222人と、定員の1.4倍近い数字(座席定員の4倍弱)になりますから、混乱するのも当然です。
 ましてや鹿島臨海は倍増ですから単純割りで230人。捌けないのも当然で、計画を練り直したのはいうまでもありませんが、こちらは手持ちの車両にも限りがあり、鹿島線と同一視することは酷と言えましょう。

 本来、これだけの時間がかかるわけですから、着席で考えるべきところです。そうなると座席提供数が最大になるケースとして113系10連で680席強。8,500人で考えると12.5本が必要です。103系10連でも530席弱あるため、16本で完全着席となります。それが7〜9本ですから困ったものなんですが、それでも103系10連ならまだゆったりしていたのです。

●サービス内容の問題
 東京直通の特快はE217系のグリーン車2両組みこみの11連でした。往路はグリーン車として営業しましたが、復路はグリーン開放となり普通車代用でしたが、往路も観客が集中したため、事実上開放扱いとなったようです。問題なのはグリーン券を購入していた乗客が少なからずいたことであり、また欧州系の観客に対し、優等車両の区別がいい加減という彼の地では有り得ないルーズな運営を見せてしまったということも挙げられます。

 実際には往路はちょうどシーズンを迎えた水郷のあやめ観光用の臨時特急もあり、選択肢が広かったのですが、復路は老若男女かまわず自由席一本で東京まで2時間という均一サービスでした。
 このあたり、先に述べた189系によるライナー列車など、少々追加を支払ってでもという輸送メニューが出来なかったのか、新宿や両国で専用ホーム到着にして料金はホーム徴収ということにすれば可能なはずで、ここらへんも中途半端な対応です。

●バス輸送その他
 道路事情が恵まれたこともあって、鉄道の評判を聞きつけてバスにシフトした観客も多かったようです。ただ、機動的な配車が出来ずに、ターミナルで乗客が滞留したケースもあったようで、小ロット輸送で大量の観客を捌く難しさが伺えます。
 道路については、成田まで6車線、その先は潮来まで4車線という東関道のスペックが大きくものを言った格好で、水郷地帯の河川湖沼の橋梁がネックかと思われましたが大きな混乱はなかったようです。
 シャトルバスの運行がスムーズだったのも大きく、60台という大量投入が効いたようです。また何よりも地元の交通規制がスムーズに進んだというのが大きく、開催地地元の協力なくして円滑な交通は有り得なかったといえます。

●講評
 一時に大量の乗客が集中するイベント輸送においては、大量高速輸送が可能な鉄道の独擅場なんですが、今回のカシマでは、観客が増えるのと反比例するように鉄道はシェアを落としました。
 駅がネックになるのはありがちな話ですが、列車がネックになるという通常のイベント輸送では有り得ないような事態が発生し、首都圏において信頼性が低いはずのクルマへの移行が見られ、しかもそれが一番正解と言う結果となったことは、イベント主催者や交通機関に大きな教訓を残したと思います。

 また、国家的行事(実際、特別法を整備して国もバックアップしている)であるW杯においてすら、この程度の対応しか出来なかったJRE千葉支社の意識は厳しく問われて然るべきであり、今後沿線で人数が集まるイベントを考える際には、アクセス問題を根本から見直さないといけないかもしれません。

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 別スレッドに記しましたが、神戸ウィングスタジアムでの輸送と比べると、今回のカシマの輸送は「鉄道の特性」を全く生かしていませんでした。神戸の場合、平日夕ラッシュにもかかわらず、大阪方面行きの新快速を通常の15分ヘッドに1本を3本に増発し、大量高速輸送のメリットを遺憾なく発揮しました。そのため臨時新快速をはじめ、他の列車も乗車率は座席定員+α程度と普段のラッシュ並みで、アクセスで疲れると言うことはまずなかったものと推測できます。

 世紀の祭典に立ち会った感動を記憶にとどめ、その余韻を味わいながら家路につけるか否か。会場が試合だけではない祝祭空間であるのと同様、アクセスもまた、このイベントを構築する重要な要素である自覚が欲しかったです。

乏しい資源のなかでなにが出来たか?
 投稿者---和寒氏(2002/06/16 17:23:55) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 W杯カシマ輸送に関しては、どうやら鉄道の悪評が定着した様子です。実際のところ、輸送力が大幅に不足したことは厳然たる事実であり、しかも通勤ラッシュなみの混雑率をもって「スムーズに」「安定した列車ダイヤが確保された」というのは、利用者の心情を逆撫ですること甚だしいものがあります。道路輸送には混乱が見られなかったことから、利用者サイドにはもとよりのこと、へたをすると行政サイドにまで、「大混雑輸送時には公共交通よりも自動車が最適」という認識が定着する懸念を指摘できます。
 これが問題であることは論を待たないところであり、エル・アルコン様、 551planning様の意見には全面的に賛同いたします。

 その一方、投入可能な資源が決定的に不足していたこともまた、厳然たる事実であったでしょう。カシマに行くにあたっての起点駅は、実質的には東京地下駅しかありません。外国人にはもとよりのこと、日本人でもよほど総武線に通暁している方以外には、例えば両国発の列車を設定したところで、案内が悪く周知されないと考えられます。
 東京地下駅を起点としなければならないならば、投入できる列車はE217と183-1000しかなく、これはJR-E広しといえども総武横須賀快速線と房総諸線にしか生息していません。特快が4本しか設定されなかったのも、この制約を考えればやむをえなかったと考えられます。

 輸送力が決定的に不足していた、しかしながら投入可能な資源に制約があった、とあれば、この輸送には最適解がなかったのかもしれません。
 次善の策としては、千葉を乗換スポットとして設定する、との選択がありえたでしょう。東京駅では「まず千葉に行ってください」と案内し、千葉発カシマ直通の臨時列車を設定する。車両は103・105から185あるいは中央線で余剰になりつつある183・189等なんでもありですから、輸送力は潤沢に用意できます。勿論、総武快速・緩行線の千葉までの増発とセットですが、これならば手持ち予備車だけでもなんとか回せたと考えられます。
 もっとも、乗換駅を設定するという意味で案内が悪いことは確かであり、これとて最適解になりえないとは承知しています。それにしても、通勤ラッシュなみ混雑を前提にした「スムーズ」な輸送よりは、印象が違ったのではないでしょうか。

 外国人、なかんずく欧州諸国の方々にとっては、交通機関とは着席して利用するものという常識があります。日本に対する印象が、この一事をもって悪くならければよいのですが。

些細なように見えて大きな結果を招く発想の差異
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/06/24 00:25:29) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ワールドカップも4強が出揃い、日本国内ではあと2戦となりました。
 ここまでの会場アクセス状況については、若干の混乱はあったものの、概ね順調といえます。わずか3〜4日の試合のためとはいえ、ここまでの対応をした関係者各位の努力には頭が下がりますし、特別法の整備をはじめ、官民一体となった対応が、たかがサッカーの世界大会とは言い切れない国際行事において、「日本国」の地位とイメージ向上に大きく寄与したものと信じます。

 ただ、中身には濃淡があったことも事実で、特にカシマの鉄道輸送については定着した悪イメージと下がり続けるシェアがその実態を裏付けています。
 昨年のコンフェデ杯で大失敗した新潟、そして不評の仙台。足場が悪い静岡にぶっつけ本番に近い神戸、埼玉。大都市圏の横浜、大阪。各開催地とも事前にはいろいろな懸念材料がささやかれてましたが、少なくとも「輸送」ではその任務を全うしましたし、その内容も質量併せ持つものであり、特に新潟、静岡での夜行新幹線輸送は、大量高速輸送の特性を十二分に発揮し、200〜300kmの距離を感じさせないアクセスを実行しました。

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 カシマの場合は何が問題か。これを鹿島線などインフラに求めるのはイージーすぎます。カシマの鉄道アクセスは鹿島線と大洗鹿島線の2つでしたが、同じような問題を露呈した両線ですが、その原因は全く異なります。

 大洗鹿島線の場合は、そもそも対応できる車両数が決定的に少ないため、事前に想定していたシェアの変動に全く対応できなかったというのが原因です。
 しかも、そういう硬直した輸送機関にもかかわらず、宿泊客を水戸方面に誘導したアクセス計画も悪く、初日に予想の倍の乗客を集めて有卦に入るどころかパンクするという失態を演じました。
 ここの場合、JRE水戸支社から水郡線車両の融通くらいしか対応策が無いのも痛く、可能だった対応は、特に終了時間帯に逆方向の列車をすべてバス代行にして水戸行きに手持ちの全車両を充てるとか、溢れたら同じ乗車券でバス代行にするという対応しかありませんでした(鉄道乗車券でのバス代行は、昭和56年のポートピア博覧会で、ポートライナーとシャトルバスが共通乗車になった例がある)。

 では鹿島線ですが、前の投稿でも述べましたが、投入車両が決定的に足りませんでした。こちらは朝ラッシュに対応する膨大な車両群を有する首都圏という地の利があり、出し惜しみ以外の何者でもありません。特急型から通勤型まで有していながら投入を躊躇った千葉支社の姿勢は、判断応力を欠いて勝機に戦力投入を怠り、長期的には敗戦の遠因となったガタルカナル島攻略戦における司令部と瓜二つです。

 単線という部分においても、潮来−鹿島神宮間9kmが成田(土屋信号所)以東の単線区間における最長の閉塞であり、ネットダイヤなら20分、続行運転なら10分間隔まで対応できます。成田(土屋)−香取間では各駅で交換可能かつCTC対応と非常に恵まれたインフラであり、あれしか本数が無いというのは信じられません。

 送り込みの問題でも、送り込みを並行するとネットダイヤになるため20分ヘッドですが、実は鹿島神宮−カシマサッカースタジアム間の運転を取り止めていたことを考えると、ここに必要編成を留置して、試合終了後に10分ヘッドで送り出す対応が可能でした(留置線や退避線に送り込み編成を控えさせるのは阪神で実施済)。
 そして試合終了後の帰り輸送ピークと列車ダイヤが合わなかったことについても、試合終了(鹿島神宮駅への観客帰着)時間について幅を持たせて想定するという波動輸送のイロハのイすらなってなかった証左であり、新潟支社と本社が「夜行新幹線」で20本程度のスジのうち、終了時間に応じて15本前後を動かす対応を接続の首都圏各線を含めて対応していたのと同じ会社というのはもはや悪い冗談です。

 また、ピークに紛れ込んだ4連問題にしても、延方や十二橋に停車する必要など無いのです。特快の潮来停車も不要であり、中間駅利用はバス代行と割り切り、佐原までノンストップとすることで運転間隔も詰めて10〜11連を頻発させることが可能でした。
 既存ダイヤをいじりたくなかったのでしょうが、あらかた通常運行が無くなった深夜帯の運行となった5日ですら半端な対応に留まりました。
 なお、かつて夏ダイヤを実施していた時は、朝夕のラッシュ時を含めて既存ダイヤを大幅に変更していました。そもそもダイヤ作成上、事実上閉鎖空間である千葉支社において、東京、千葉以東の臨時列車対応で特別ダイヤを編成することは、他支社や本社との調整も然程要らない簡単な作業のはずです。

 最後に、ターミナルの問題ですが、両国でも錦糸町でも新宿でもよかったのです。
 実際、利用者の多くは、既存快速や京成に逃げられる成田をターミナル(カシマ臨への乗り換え駅という意味)として認識していました。
 また、スタジアムの最寄り駅にしても、大阪なら長居に鶴ヶ丘、神戸なら兵庫に御崎公園、仙台なら利府、静岡は愛野と、かなり地域でもマイナーな駅を指名してましたが、それで問題がありませんでした。
 その意味で、「まず両国へ」とか「千葉へ」という指示をして、着席して移動できるレベルの電車で申し送りをするように鹿島神宮に至れれば良かったとも言えます。

***
 カシマにおける鉄道輸送がなぜ「際立った」か。
 それは、他会場が「どれだけ必要か」という部分を起点に、トータルで輸送計画を考えたのに対し、カシマの場合は「どれだけ足りないか」という既存輸送力をベースにしたプラスαの対応で考えたとしか思えない対応だったということでしょう。

W杯輸送総括 〜その2 新潟ビッグスワン
 投稿者---とも氏(2002/06/22 22:02:06) http://town-m.vop.jp/

 今回のW杯輸送において、何かと話題のカシマ、静岡(エコパ)以上に懸念されていたのがなにを隠そう「新潟 ビッグスワン」である。

 W杯の予行練習ともいえるコンフェデレーションズカップにおいて、シャトルバスが見事に失敗。観客を捌ききれずにキックオフに間に合わせることが出来ないという大きな失態を演じ、その対策が注目されました。結果はどうか。

[W杯の窓]新潟開催を終えて/下 大役終えた県W杯推進課長・三宮さん (6/20 毎日新聞)

◇「シャトルバス、伝説に」−−「ニューズウィーク」日本版でも称賛
 「雑誌を読みましたか」。サッカー・ワールドカップ(W杯)の新潟最終戦を3日前に無事終えた18日、県庁にあるW杯推進局の席に座り、電話で談笑する三宮博己・W杯推進課長の声が弾んだ。
 米国雑誌「ニューズウィーク」の日本版6月19日号に載ったW杯記事にこんなくだりがあった。「新潟駅とスタジアムを結ぶシャトルバスはW杯伝説の仲間入りをした。係員の誘導に従って、くねくね歩いていくと、バスが乗客をさらっていく。『すごい!素晴らしい!』と、外国人たちは首を振る」
 01年5月31日に新潟市で行われたコンフェデレーションズカップでは、シャトルバスが機能せず、約2,000人のサポーターが試合開始に間に合わなかった。新聞紙上でW杯の輸送問題が話題になるたびに、「新潟」と枕言葉のように繰り返された。
 バスを増発させるなど次の試合日には改善されたが、「外国人や県外のお客さんから『新潟に行ったら、バス輸送が混乱するかもしれない』と思われたことが悔しかった」。この1年間、胃がちくちくと痛んだ。
 30回を超える協議を行った。J2・アルビレックス新潟の試合で100円で乗れるワンコインバスを試験運転させるなどして、データ収集に努めた。最終的にはシャトルバスを無料化し万全を期したことが円滑な輸送へとつながったと分析する。
 更なる問題も起こった。「空席があったことが唯一残念だった」と振り返る。しかし、5日には迅速な対応を求める要請文を、7日には販売方法についての提案書を県からJAWOCに対して送った。同局の電気が午前4時を過ぎて消えることも。三宮課長は胃かいようの薬を服用し続けた。15日のデンマーク対イングランド戦。スタンドはサポーターで埋め尽くされた。
 15日に行われた県内最終戦を観戦した後、駅に向かった。16日午前2時、最終の新幹線を見送った。「外国人や見知らぬ日本人から『W杯を開催して良かった』と声を掛けられたことが、何よりうれしかった」。W杯を一過性のものにしてはならないという課題はある。しかし、「ひとまずほっとした」。16日午前4時、家に戻ると「格別の味」のビールを飲み干した。
   ◇   ◇
 W杯を楽しんでほしい。大会関係者はW杯を成功させようと、奔走した。ボランティアが陰ながら大会を支え、夢の舞台が整った。そこで、心に残る交流が生まれ、世界中のサポーターが「サッカーの祭典」に酔った。新潟の歴史に新たな1ページを刻んだW杯新潟開催。この感動は県民の心にいつまでも残るだろう。

JR東新潟支社がW杯まとめ (6/19 新潟日報)

 JR東日本新潟支社は19日、サッカーワールドカップ(W杯)新潟開催の輸送状況などをまとめた。新潟で試合が行われた3日間の上越新幹線の乗客数は、15日の下りが前年同月の同じ曜日に比べ130%増となったのを最高に、平均6割程度増加した。同支社は「イベント関係で乗客数がこれだけ前年を上回ったのは初めてではないか」(総務課)としている。
 アイルランド対カメルーンが行われた1日は上りが61%増、下りが38%増。クロアチア対メキシコの三日は上り78%増、下り68%増。
 15日のデンマーク対イングランドでは、試合終了が夜だったため、同日上りは17%減少。しかし未明に深夜新幹線が運行された16日は上り122%増にまで膨れ上がった。

 報道などでは上述のとおりかなり良好であり、またいわば利用者サイドである、サポーターの掲示板などにおいても手際のよさは評価が高く、特に新潟駅構内においてサポーター同士をホーム&アウェー側できっちり仕切る、会場でも終了後に一気にバスに乗せ30分弱で運んでしまうなどその観客誘導は見事であったとのこと。
 新幹線も座席が一通り埋まると次にという誘導も、たかだか2時間、立ってでもというどこかとは違い、非常に好感が持てる対策であり、評価できると言えよう。

 さらに課題のバス輸送は言うまでも無く、「とにかく運ぶ」というイベント時輸送の基本姿勢を貫いたことが功を奏したともいえる。1車線専用レーン化、乗降時間短縮のための無料化などの思い切った策をとり、徹底的に「運ぶ」ことに主眼をおいた新潟県推進委員会の姿勢は評価したいところである。
 また、その影には警察の厳しい警備によるレーン遵守などがあったことももちろん評価すべきことである。

 一度した失敗を二度はしない。基本を忠実に。どこかのサッカー評論家が日本代表に語るようなセリフであるが、輸送においても新潟のこのスタンスは今後の参考となる良い例といえよう。

2005.06.05 Update


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