【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.062)
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京急・品川〜京急蒲田間の普通を基幹バス化できる?
 投稿者---かまにし氏(2002/05/21 19:53:44)
京急・品川〜京急蒲田間の普通を基幹バス化できる?
└新玉川沿線がお手本になるか?・・・とりとめないコメントで失礼
 └定時性さえ確保できるのなら可能性はありかも・・・
  └Re:定時性さえ確保できるのなら可能性はありかも・・・
   └やや横レスですが
    └「木目細かい集客」の得失

 かまにしです。今回は、若干、ローカルな提案になってしまい申し訳ありません。

 現在、京急蒲田駅の連続立体交差事業が急発進しており、本日から橋上駅舎が利用開始となりました。施設は予想外に立派で、ホームと駅舎へのアクセスにエレベーターがきちんと設置されており、一見すると仮設とは言いがたいレベルです。

 それはさておき、京急蒲田駅の改良が終了した後、横浜方面への直通の増発を含めてダイヤも大幅に変更されるのだと思いますが、京急蒲田駅以外の施設が変更されずにさらなるスピードアップを図ろうとすれば、途中の普通のみ停車の駅のアクセスを犠牲にすることは避けられません。しかし、特に対モノレールを意識せざるをえない品川方面については、スピードアップは至上命題ではないかと思われます。

 本来ならば品川〜京急蒲田間は複々線化を考えるべき区間なのでしょうが、おそらく現実的でないでしょう。そこでどうにか、都内の普通しか停車しない駅の機能を、利便性を落とさずに他の交通機関に移設できないかと思い考えたのが、第一京浜を利用して基幹バスを朝は3分毎、日中も5分毎に導入します。

 幸いながら京急は品川〜横浜間をほぼ100%、第一京浜が並行しているため、この区間の全ての駅をカバーすることが物理的には可能です。また現在、大田区内の第一京浜については京急の連続立体交差事業と並行して道路の拡幅事業が行なわれており、この拡幅した分をバス専用レーンにすることである程度の定時性を確保します。もちろん、このバスレーンは大井町・大森・蒲田などの他の路線も利用できるものとします。

 基本的に、品川〜京急蒲田間の中間駅は基幹バスに移設させますが、横浜方面との連絡性を確保するため、平和島には駅を残し、2面4線だったホームの外側にバスを乗りつけさせて電車と対面接続ができる構造にします。さらに、平和島は環7との交点でもあるため、バスターミナルを設けて世田谷・馬込方面からのバスも乗り入れられるようにしたいです。京急蒲田でも事業が進行中の駅前広場に当然乗り入れて、本線・空港線との連絡を行ないます。第一京浜の拡幅は蒲田以南でも行なわれるので、川崎まで乗り入れるのもよいかもしれませんが、その場合は京急川崎でも結節性を高める何らかの措置が必要になると思います。

 運賃についてですが、品川〜京急蒲田の中間駅廃止の代償として実施するので、それまでの鉄道の運賃体系を流用する必要があると思います。現時点ではかなり妄想の入った案かもしれませんが、本来ならば京急が空港アクセスの強化にもっと力を入れたいところに限界を生んでいた要因でもあったので、京急の協力をえつつ約15年後ぐらいにはあながち妄想でもなくなっているかなと思い書かせていただきました。

 私としては、他の私鉄と比べて40分も早い終電をフォローする意味でも、とりあえず都内の本線・空港線をカバーする深夜「普通」バスとして布石を打てないかと考えているんですが、いかがでしょうか?(この場合については、運賃は鉄道と別でもいいと思いますが…)

新玉川沿線がお手本になるか?・・・とりとめないコメントで失礼
 投稿者---樫通氏(2002/05/24 16:12:31)

★京急にとっては対モノレール等との競争力強化は確かに重要とは思いますが、利用者にとってはどっちでも良いことともいえます。したがって本板においてこの理由だけですなわち至上命題なのかというと個人的にはやや疑念があります。

★とはいっても京急が力を入れるべきこととしては、
  (1)モノレールよりも(不完全とはいえ)より広いエリアに羽田直通便を走らせる事が出来る点
  (2)三浦半島東岸エリアの輸送
という2点の方が、京急だけが出来る、と言う意味から、京浜間の普通停車駅利用者の利便性向上よりも優先度が高い事は確かかと思います。

 そこでどうにか、都内の普通しか停車しない駅の機能を、利便性を落とさずに他の交通機関に移設できないかと思い考えたのが、第一京浜を利用して基幹バスを朝は3分毎、日中も5分毎に導入します。(中略)この拡幅した分をバス専用レーンにすることである程度の定時性を確保します。もちろん、このバスレーンは大井町・大森・蒲田などの他の路線も利用できるものとします。

★新玉川線の上にある246号にも、沿線から渋谷まで直通するバスが結構頻繁に走っていて、数年前の印象ではありますが定時性があまり期待できないにも関わらずそれなりの利用率を誇っていたと思います。特に地下鉄や高架というのは思いのほか乗車への所要時間がかかるので、下手に乗り換えるくらいならそのままバスに乗りつづけるという選択肢もでてくるのも理解できます。

★貴案のように結節性を考慮に入れることが出来るのであれば、ある程度の普通利用者をバスに転移させることによって、前記の京急の「強み」を、単に並行鉄道路線への競争の面以外にも活用する事が出来るようには思います。その意味で貴案は実現性という面ではハードルは高いのかもしれませんが、個人的には面白いなぁと思ってます。

★さらに理想を言えば沿線からせいぜい品川(もしくは大崎・・・とにかく山手線まで)は直行させられれば良いのかもしれませんが、これはさすがにここ30年くらいの流れにかなり逆行しているようで厳しいと感じます。

★ただこれを突き詰めると、鉄道は沿線にとっては迷惑施設以外の何者でもなくなってしまう事にもなりそうで、ジレンマも感じます。

世田谷線の渋谷延伸の妄想 ../neotrans/log342.html#11

定時性さえ確保できるのなら可能性はありかも・・・
 投稿者---とも氏(2002/05/25 14:02:35) http://town-m.vop.jp/

 非常に難しいところですが、メリットもあるのは事実。まとめてみると

メリット

デメリット
×

<京急側>
 ・優等のスピードアップが可能
 ・羽田〜都心の強化が可能
<京急>
 ・緩急接続の意味がなくなる。
 ・乗客の減少
 ・運行コストの増加
    (バスのほうが1人あたりの輸送力は小さい)
<住民・利用者側>
 ・結果的に乗車チャンスの増加
 ・バス停間隔を短くすることで、徒歩アクセス距離が短くなる
 ・大崎、大井町などへの派生的なサービス向上
<住民・利用者側>
 ・乗り換えの増加
 ・定時性に不安
 ・運賃制度

といった点でしょうか。

 とはいえ、確かに新玉川線のようなパターンもありますし、定時性が確保されればというのはあるかもしれません。
 しかし、各駅の乗降客数を見るとちょっと厳しいかなという気もしなくはありません。
 ユニバーサルデザインの観点からすればバスのほうがメリットは大きいですが、巧く併用していくのがひょっとしたらベターなのかもしれません。

 第一京浜(国道15号)は計画では50mに拡幅されますし、その場合、京急との隙間はほとんどなく、利便性低下は最小限に抑えられます。さらにバス専用道路(平面ガイドウェイでもいける)も可能ですし、可能性は否定できません。
 地域の面的サービスとセットで、ゾーンバスサービスをやれるのならば・・・というところでしょうか。

 まとまらないままですが。それでは。

Re:定時性さえ確保できるのなら可能性はありかも・・・
 投稿者---かまにし氏(2002/05/26 20:53:24)

 コメント、どうもありがとうございます。

 バス停間隔を短くすることで、徒歩アクセス距離が短くなる

 それはありますね。ただ個人的には、鉄道の代替ということを考えるとバス停間隔は短くしたくないという気持ちもあります。特に、京急の都内の駅間隔は短い方なので…。できればですが、品川〜京急蒲田を平均15〜20分で結べたら、と思いますがどうでしょう。。。

 運行コストの増加(バスのほうが1人あたりの輸送力は小さい)

 おっしゃる通りです。この点については、運用にどのくらいのバスが必要かということも含めて、もっと考えないといけないなと思いました。

 乗り換えの増加

 例えば大森町から品川へ最速で行くには平和島で乗り換えというケースも多く、実は現状でも乗り換えは必要だったりするので、ケースバイケースではないかと。。。ただ、そういう意味でも結節点の利便性は重要ですよね。

★新玉川線の上にある246号にも、沿線から渋谷まで直通するバスが結構頻繁に走っていて、数年前の印象ではありますが定時性があまり期待できないにも関わらずそれなりの利用率を誇っていたと思います。特に地下鉄や高架というのは思いのほか乗車への所要時間がかかるので、下手に乗り換えるくらいならそのままバスに乗りつづけるという選択肢もでてくるのも理解できます。

 そうですね。他の路線での事例や適用可能性について、もっと考えてみたいと思います。

★さらに理想を言えば沿線からせいぜい品川(もしくは大崎・・・とにかく山手線まで)は直行させられれば良いのかもしれませんが、これはさすがにここ30年くらいの流れにかなり逆行しているようで厳しいと感じます。

 京急沿線が、国道15号線沿いということと、京急のターミナルということを考えても、やはり品川が最もアクセスしやすいかなと考えています。もし、将来的に京急品川駅を改良することがあるならば、電車の路線直下をバスターミナルにすることができないかなと思っています。イメージとしては上大岡にある「ゆめおおおかバスターミナル」です。蛇足ですが、そうすると京急が運行する品川発の高速バスも便利になりますし。。。

★ただこれを突き詰めると、鉄道は沿線にとっては迷惑施設以外の何者でもなくなってしまう事にもなりそうで、ジレンマも感じます。

 難しいです…。この点については考え方にもよると思うんですが、大森町・梅屋敷のあたりは、空港線の増発によって開かずの踏切状態にさらに拍車がかかっている状況で、周辺に京急をまたぐ歩道橋もないので、見方によれば現状でも十分「迷惑施設」ともいえます。この沿線で高架化に大きな反対運動がないのも裏を返せばそういう事情があります。

 私は電車であってもバスであっても、トータルで沿線の利便性が維持できればそういう施策もありかなと思ってこういう書き込みをさせてもらいました。しかし若干妄想が入っていたことも事実です。乱文、ご容赦いただけると幸いです。

やや横レスですが
 投稿者---和寒氏(2002/06/01 14:23:17) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 私は電車であってもバスであっても、トータルで沿線の利便性が維持できればそういう施策もありかなと思って

→電車とバスでも変わらない、という認識は正しくもあり、正しくなくもあります。なぜならば、需要予測モデルを構築すると、鉄道であれバスであれ「定数項」が出現する事例が多いからです。要するに、「鉄道だから乗る(あるいは乗らない)」「バスだから乗る(あるいは乗らない)」という利用者の行動規範は、現実に存在するということです。

 ただし、かまにし様の基本認識には賛同します。鉄道は大量高速輸送が基本ですから、あまりに短区間に駅を設置することは好ましくありません。その主旨に沿った提案には積極的に賛同します。
 その一方で、難しい面もあります。京急は過去にも小駅の整理を行ってきたと聞いておりますが、馬場の統合でもかなりフリクションがあったようで、それ以後は消極的です。
 大手私鉄路線には、駅間があまりにも短い区間が随所にあり、また小駅には利用者数が極端に少ないところもあるようです。私はかような駅の廃止統合を推進すれば、鉄道全体の質は向上すると、考えています。とはいえ、地元としては駅扱いを廃止してもらいたくないわけで、この匙加減はかなり難しそうです。

「木目細かい集客」の得失
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/06/02 01:49:46) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 圧倒的優位なライバルに対する対応策として、「フリークェンシー」と「こまめな集客」がよく言われます。
 しかし、後者を実現した場合、前者も同時に成立させることは極めて困難です。つまり、とある区間で一つ一つ小駅の需要を拾う場合、区間全体での所要時間が犠牲になります。では直通列車を増やそうとすると、途中のフリークェンシーが犠牲になるのです。

 理想は緩急完全分離の複々線ですが、それが出来ない立場で複々線の相手にどう挑むかという局面でそれを言ってはお終いです。緩急結合・待避ポイントを増やした場合、直通列車をこまめに停めないのであれば、通過追い越しが増えて所要時間面で劣後します。
 このときいかに駅が近くても、待避時間を含めた目的地までのトータルの所要時間が長ければ遠くのライバルに流れます。またフリークェンシーが劣れば、待ち時間を含めたトータルの所要時間が長ければこれもライバルに流れます。

 このあたり、京急(京浜間)や京成(市川〜船橋)、阪神の現状を見ると、駅が多いということが必ずしも有利に働いていないのでは、と言わざるを得ません。
 高速列車を頻繁に動かし、それに効率的に継送できて初めて機能するのであり、それを考えると、ライバルの枝線として機能するか、地域内輸送に徹するといった選択をしない限り、高速列車のフィーダーになる集客部分をバスにアウトソーシングする選択肢は間違っていないと思います。

 例えばコミュニティバスが特急停車駅のかつて退避線だったところに発着するといった輸送形態も有り得るでしょう。実際、待避を繰り返して走る下位種別の列車を通しで乗る人などそうそうおらず、利用実態からすると却って利便性が高まります。

systematicの歪み
 投稿者---551planning(2002/05/28 01:22:33)
systematicの歪み
└陰の部分も理解すべき
 └「異常」はほんらい「日常的」に存在する
  └「止める」という異常事態への不感症
   └迅速な折返し運転実現を要望
  └システム低コスト化の影響もある
   └コストとのトレードオフにして良いもの、悪いもの
    └たとえ話として
代々木沿線火災から学ぶべきもの
 └Re:代々木沿線火災から学ぶべきもの
 └Re:代々木沿線火災から学ぶべきもの
  └代々木沿線火災から学ぶべきもの−その2−
   └代々木沿線火災から本来学ぶべきものはなにか
    └Suicaへのシフトは新たなる問題を生む?
     └Suicaが悪いのではなく中途半端に扱うのが原因では?

 5/27午後、全日空のコンピュータシステムがダウン、搭乗券発券や搭乗手続だけでなく飛行計画作成や貨物積込などの諸手続が1時間以上も不能状態に陥った。同システムを使用するANK含め9便が欠航、国際線含め114便に30分以上の遅れが出た。

全日空 お詫びとお知らせ  http://svc.ana.co.jp/pr/information/owabi0527.html

 3月にはJRの座席予約システム「マルス」で異常が発生し、二重発券トラブルが起こった。交通分野ではないが4月以降日本を駆け抜けた「みずほショック」は記憶に新しい。
 当然万全はありえない。ただ改めて痛感するのは我々が日常生活の中で如何にシステムに頼っているかだろう。交通分野にしても数限りないシステムと接し、守られている。

 5/26夜にはJR-E蘇我駅での落雷事故で京葉線はじめ房総方面各線が軒並みストップ、TDR帰り客を直撃し、遅くまでバス代行などの対応に追われたという。当然ながら「対応が悪い!」との声も上がっているようだが、現場職員も出来得る限りの努力はしていたことであろう。異常時の情報伝達系のもろさは幾度となく指摘されていることではあるが、やはり「いざ」という時にすぐには…というのが本音ではないか。
 ふと気になるのが、閑散線区に留まらず一部私鉄では既に駅係員の外注化、アルバイト化が進んでいることである。当然「いざ」という時の対処方についてレクチャーは受けていようが、立場的にもとっさの判断を求めるには酷、という状況も実際あるようだ。

 ついにW杯本番を迎え、諸外国から多数の来訪客を受け入れるこの1ヶ月、改めて「異常時対処」の重要さが求められている、そんな警鐘のような出来事ばかりが続いているのが、なんとなく気に掛かる…。

陰の部分も理解すべき
 投稿者---CHIP氏(2002/05/28 03:20:19) http://norimonoland.info/

 JR関連で言えば、中央線に初めて実用運用されたATOSに関しても運用開始当初は様々なトラブルが起きていましたね。

 コンピュータのトラブルは予想も出来ないバグが原因になっていますので、多少は使用している中でシステムを枯らすというのも必要なことです。所詮、コンピュータやシステムを作るのは人間ですので、どこかしらに誤りがあるというのは日常的なことと言えます。私はコンピュータについて学んでいる所ですが、やはり完璧なプログラムを作成するのは難しい物です。またエラーの内容も例えば、セミコロンにすべき所をコロンにしたとか、ピリオドとカンマを間違えたといったことがたとえ1個あったとしただけでコンピュータは動作しなくなります。また、システム(大規模なプログラム等)となると相互関係も関係しますのでさらにややこしくなってきます(理論上は正しくても実際にはうまく動作しないこともありうる)。このような所から誤りを見つけ、そして修正するというのは大変な作業ですし、時間もかかります。こういったコンピュータ化の陰とも言える点を知る必要があると思います。

「異常」はほんらい「日常的」に存在する
 投稿者---和寒氏(2002/05/28 06:37:55) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 異常時対応が適切でない、という話は、かなり昔から指摘されています。確かに「異常」というくらいですから、「日常的」モードからの切替が難しいということはあるかもしれません。それにしても、落雷如きで終日混乱するというのも芸がない話です。なぜならば、落雷程度の「異常」はごく高い確率で発生するからです。いわば一種の「日常」です。
 システムがダウンするというのは、不承不承でも受容するしかありません。問題は「いつ復旧するか」と「復旧するまでどのように対処するか」にかかります。
 ここで前者については、案内が極めて悪いと指摘しなければなりません。利用者の不満は、そこにつきるとしても過言ではないでしょう。私自身の経験でも、復旧の見込みもないのに希望を持たせるような案内をされ、腹立たしく思ったことがあります。「しばらく復旧しない」事態は利用者当人にとって厳しいとはいえ、しかしそれが正確に伝達されないと、その後の行程立てなおしの目鼻がつきません。
 後者になるとさらに厳しいです。人員の削減、さらにはスタッフがプロではないという状態は、なにかの時の対応の苦しさを示唆します。某大手私鉄の駅長経験者曰く、「昔と比べてスタッフが減っているから人海戦術を採ろうにも明確に限界がある」との由。「みずほ」トラブルも最終的には人海戦術に頼ったとか。「人は石垣人は城」との名言もあるのですが、現実の世界は人的に無防備な状態を志向しつつあります。

 日常時しか考えないのが、現代社会のデフォルトといってしまえばそれまでなんですが。

「止める」という異常事態への不感症
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/28 18:30:18) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 自己原因、他人原因問わず、事故が発生することは残念ながら不可避です。問題はその発生から、いかにして影響を遮断するかという部分と、不幸にして影響が出たら、いかにして顧客の不利益を最小限にするかという部分です。
 後者のフォローアップについては、最近とみに悪化してますが、さすがに数年前に社会問題化したJREの場合は説明などにおける改善が見られます。

 さて、問題は前者です。拠点駅付近での落雷で2日またぎの運休騒ぎになる現実。これは送電系が二重以上になっていないことであり、運休箇所がその駅に通じる総ての路線に波及したということは、送電系の二重化どころか一点に集まるウイークポイントを存置していることです。このような体制はリスクコントロールの面からも、ダメージコントロールの面からも論外であり、影響を遮断どころかノーガードで波及させてしまう体制です。

 思うに、どうも「列車を止める」という鉄道会社にとってもっとも忌むべき事態に対する抵抗感が喪失しているのではないでしょうか。もちろん止めなければいけない事態もありますが、まずは事故がおこっても止めずに済むように影響を遮断する体制を作ることです。
 なにかあればすぐ全線抑止といった対応は、確かに早期復旧を平易にします。しかし止めるという事態そのものが最大の異常事態という認識があれば、そうならないように最大の努力をまず払うべきですが、現実はどうも易きに流れているとしか思えないような対応です。

 いやしくも「公共・公益」の名を名乗るのであれば、供給が途絶える事態は最後・最悪の事態という自覚が欲しいです。

迅速な折返し運転実現を要望
 投稿者---矢切氏(2002/05/28 20:57:52) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 秘孔をついた、おまえは既に死んでいる・・・:蘇我

 信号という基本設備が死んだのでは安全のために止めざるをえないと思います。
 ただ、蘇我駅で発生した問題のために長時間・広範囲に影響が及んだのはおっしゃるとおりNGで、京葉線千葉みなと・内房線姉ヶ崎・外房線誉田で折返しをすれば特急列車以外は運転できたはず。
 たとえば「3時間たっても復旧しない場合は折返し運転モードに入る」を原則にできないものでしょうか。3時間もあれば乗務員の送りこみなどの手配もできましょう。
 内房線・外房線でしかも蘇我に繋がらないような場合は3時間ルールでもいいですが、京葉線のような通勤電車は3時間ではなく30分以内に動き出してほしいとも思います。路線が短いですから急な残業命令(終点で業務終了予定を折返し列車乗務に変更)となっても概ね2〜3時間以内には業務終了できるはず。

 新幹線の東京大宮間が止まった時に大宮折返しをするのは「3時間以上・・」でしたか。

 中央総武緩行線抑止の影響を低減するために水道橋駅への折返し設備設置をするとずいぶん前にアナウンスがありましたが、他の折返し可能駅についても異常時についてのマニュアル整備・早期折返し運転実施にむけて努力してほしいです。

水道橋:http://www.jreast.co.jp/press/20000901/index4.html

 京葉線では、風で止まった場合の普及を早めるために風の予想をする機械か何かを導入していたはず。こういう対策は大歓迎です。

システム低コスト化の影響もある
 投稿者---CHIP氏(2002/05/28 23:13:37) http://norimonoland.info/

 日常時しか考えないのが、現代社会のデフォルトといってしまえばそれまでなんですが。

 確かに異常事態を想定してシステムやマニュアルを作成すると言うことがベストであることは当然のことと受け止められるでしょう。しかしながら、異常事態を余りにも想定することはシステム構築までの時間と費用が跳ね上がると言うことを認識しないといけません。システムを構築するのは企業、そしてその企業は出来る限り安い費用で日常的な使用プラスアルファ程度で構築することが多いのです。滅多に起きないトラブルのために膨大な費用をつぎ込むと言うことは通常しません。もちろん、確率的に高い諸問題程度は想定するでしょうが。こういったシステムを低価格でしかも構築時間を短く(人件費のカットにもつながる)することでトラブル時に復旧に時間が多くかかります。これはシステム構築に限らず様々なところで起きていると言えるでしょう。例えば、JR-Eの209系やE231系、駅員の配置等もこういったことの対象になってきていますし、明らかなのは自動改札機の導入等出来る限り安く運用できる様にしているのです。
 私が疑問に思うのはトラブル発生後の処理の仕方です。大方の場合は責任者が辞任する形で幕を下ろしますが、これはどうかと思います。確かに世間に責任を取ったというアピールにはなりますがそれ以外の会社内部には変化は見られません。辞任の前にもっとすべき事が多くあると思うのは私だけでしょうか?

 JRのトラブル時の対応ですが、駅員などの関係者にも現状の把握そして情報が入ってこないのが現実のようです。おそらく、輸送指令等も混乱している物と思われ、情報が入ってこない限り復旧の見通しなどを聴いても「暫くお待ち下さい」の一点張りになっていたとしても仕方がないでしょう。駅員の対応が悪いからと言って、駅員に罵声を飛ばしたり、殴るなどの暴行を加えるのはどうかと思います。一番良くないのは、駅間に停車中の電車から勝手にドアを開けて出ることですね。以前、荻窪−西荻窪間で駅から勝手に乗客が出たせいで復旧が1時間ぐらい遅れたと言うことがありました(復旧の目処が立っても今度は線路内に人がいないかの点検に時間を要する)。

コストとのトレードオフにして良いもの、悪いもの
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/29 20:08:18) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 阪神大震災の時、新幹線をはじめ各地で高架橋が落ちたJRWの幹部が、復旧後の記者会見で復旧工事の耐震性が震度7だったかマグニチュード8だったかまで想定していないことに対する批判に対し、確か大意、他の建物・構造物が総崩れのなかで残ることにどれだけの意味があるか、という発言をした記憶があります。

 一方で、昭和61年11月の改正まで長大編成の列車がほぼ各駅で交換できた函館山線の設備を、JRHは簡素化し続け、室蘭線の迂回路線としての役割を事実上放棄してました。迂回路確保が必要となる長期間運休の発生頻度を想定した措置だったのですが、予想に反して礼文華トンネルの崩落、有珠山の噴火と室蘭線が長期不通に陥る事態が連続し、函館山線目名駅の交換設備復活という緊急対策を余儀なくされ、運休に伴う損害だけでも巨額なところに設備投資まで加わりました。

 このあたり、コストダウンと万が一の時の支出、そして信頼性喪失による逸走などの判断ですが、コストダウンという名目で許されるのはどのような「被害」までなのか。鉄道「会社」として見るのか、「鉄道」会社として見るのかでその程度は大きく異なるはずです。
 ただ言える事は、電気、ガスなど社会インフラにおけるその手の対策が、一般事業法人がその事業で想定するレベルとは大きくかけ離れたものであるということです。

 それに対して鉄道の場合、はっきり言えばJR東日本ですが、気象災害にしろ電気系統のトラブルにしろ、同種の事故で同じような障害を繰り返している点について、通常レベルでのバックアップ機能の欠如に加えて、社会インフラが「停止」することの重大な意味についての認識不足を問われることは、致し方がないと思います。それでも数年前の惨状から比べると長足の進歩なのですから、もう少し長い目で見るべきなのかもしれませんが。

***
 トラブル時の乗客の対応ですが、まあ触法行為はいけません。
 ただ、最近は相当改善されてますが、一時期のように「しばらくお待ち下さい」で時間単位で平気で缶詰にするケースなどは、乗客が身体的に味わう苦痛を考えるともはや一種の暴力であり、そこで殴り「返し」てはいけませんが、事業者側も「お客様」がどういう目にあったかを客の立場で考える必要があります。

 あと、線路へ勝手に降りる行為ですが、これも絶対ダメな行為ではありますが、利用者にとっては一種の学習効果でもあるわけです。しかしながら、もし列車が止まってもそうそうXX分以上は缶詰で待たされない、という体制であるのなら、利用者も敢えて降りたりせず、待つことがベストだと理解するのです。このあたりにも、「すぐ止まり、すぐ止める」という対応の欠陥が潜んでいます。

たとえ話として
 投稿者---和寒氏(2002/05/30 10:27:54) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 コストダウンは確かに重要です。それにより、異常時対応が鈍くなっているというデメリットにも、目をつぶらなければならない面があることは否定しません。
 課題となるのは、どのような「異常」をさけるべきか、です。人が転ぶ、という事態に例えましょうか。

 ちょっと転んだだけで即死もしくは重態になるような体力のない状態(=コストダウンの行き過ぎ)には至るべきではないでしょう。
 かすり傷程度のダメージでも頻繁に転ぶ状態(=小トラブル頻発)も、やはり避けるべきでしょう。
 想定外の事態で転ぶ(例えば横から猪が突っ込んでくるとか)というのは、事前の対処が難しいので、ダメージが大きくならざるをえません。アドホックに対応していくしかないと思います。

 ANAのシステムダウンはおそらく想定外の事態で、ダメージが大きくなるのはある意味しかたないでしょう。大震災の事例も同然です。想定震度以上の地震がくれば、こわれざるをえません。JR-Hの判断はボーダーですね。
 ただ、落雷のトラブルはかすり傷以上重態未満の世界で、しかもけっこう頻繁に起こりえるだけに、改善を望みたいところです。

 トラブル→即死という事態は鉄道の場合想定しにくいところですが、京福電鉄の事例を鑑みれば、現状安住は危険かと思います。鉄道以外の分野でも、雪印食品という典型例もあることですし。

代々木沿線火災から学ぶべきもの
 投稿者---CHIP氏(2002/06/01 03:39:46) http://norimonoland.info/

<5/30の沿線火災で感じたこと>
 5/30に代々木駅に隣接するビルで火災が発生し、山手線、中央線、埼京線が止まり、代々木駅も一部を焼損するという事故がありましたが、あのときのJRの対応には不味さが露呈する格好になったように感じました。
 たしかに、火災というのは消火し安全確保ができるまでにどれ位の時間を要するかは特定しにくいものです。しかしながら「沿線火災で運転を見合わせています。しばらくお待ち下さい。」といった理由で、長時間(今回の場合は結果的に山手線では4時間、中央線・埼京線では3時間)見合わせるのはどうでしょう。私が言いたいのはもっと乗客に正確な情報を多く提供するべきということです。
 最近は携帯電話が普及しているため、携帯電話で現在の状況を知った乗客も多くいたそうです。また、乗客の中には「爆発が起きた」とか「W杯直前にテロが起きた」なんていう情報まで飛び出しました。これも結局はJR側からの情報提供量の不足から乗客が自ら情報を求めその先でこのような情報を掴んでしまった人が居たからのようです。

#もう一つの理由としては情報量の少ない状況での想像でこのような理由に至った人が居たのかもしれない(テレビや週刊誌でW杯で「テロが起きる可能性」といった記事がでましたから)。

 そして、もう一つ問題なのがW杯直前で外国人も多く乗り合わせていた「成田エクスプレス」です。結局は車掌からの説明は日本語のみで外国人には何が起きたのが分からないと言う状況になってしまい、乗客の中で外国語の話せる方が訳して伝えたことでようやくわかるといった状況ということです。たしかに、外国語の話せる車掌を乗務させるのは難しいでしょうが、少なからずなんらかの対策をすべきでしょう。

 今回の沿線火災でJR-Eが学ぶべき事が多くあるように思います。今回の教訓をできるだけ多く生かして欲しいですね。

Re:代々木沿線火災から学ぶべきもの
 投稿者---U-ki氏(2002/06/09 09:33:23)

 はじめまして、U-ki(ゆーき)ともうします。
 外房在住、勤務のため電車通勤は行っていませんが、電車が好きで色々見て回っています。

 かなり元発言からおそいレスですいませんが・・・

 そして、もう一つ問題なのがW杯直前で外国人も多く乗り合わせていた「成田エクスプレス」です。結局は車掌からの説明は日本語のみで外国人には何が起きたのが分からないと言う状況になってしまい、乗客の中で外国語の話せる方が訳して伝えたことでようやくわかるといった状況ということです。たしかに、外国語の話せる車掌を乗務させるのは難しいでしょうが、少なからずなんらかの対策をすべきでしょう。

 外国人乗客の利用が多く見こまれる、国際空港連絡特急であればこそ、必須事項としてせめて英会話のできる車掌を乗せるべきではないでしょうか?
 エアポート成田にまで乗せろというと大変かもしれませんが・・・

Re:代々木沿線火災から学ぶべきもの
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/06/02 01:52:11) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 代々木火災での対応で気になったのは、山手線が全線で不通になったことです。
 列車頻度は落ちますが、大崎−東京−池袋での区間運転は可能であり、代々木駅が当日の営業が出来なくなる(復旧後も通過した)ような事態なら当然そうした対応にスイッチすべきだったはずです。

※ホーム上屋への延焼が確認された時点で考えるべき。昭和60年の浅草橋駅焼き討ち事件は別格ですが、駅施設に火が回ると相当長引く。

 山手線については、環状線という性格からか折返し運転の想定が無く、例えば始終発がある大崎の場合、配線は折り返しではなく入出庫を前提にしています(池袋方に普段使わない片渡りがあるだけ)。
 今回の事態でピンポイント的な損傷で全線が麻痺するという脆さを露呈したのですが、大崎や池袋、また田端と田町あたりでは両方向に両渡り線を入れて、区間運転を確保できる対策をとるのは決して無意味ではないでしょう。
 また山手線や埼京線のカバーとして、京浜東北線に赤羽・東十条−蒲田の臨時を挿入するとか、不慮の事態で単独運行した場合の輸送力増強も必要です。

 首都の中心を走る路線については、その運転維持・ダメコンについて極めて高いレベルのものが求められるのです。

***
 さて、夜半のニュースでは、代々木駅東方に抑止中の総武緩行線らしき編成が映っていました。一方で原宿との間で抑止中の山手線については1時間強経った21時半の時点で徒歩による原宿駅への誘導が行われたようなので、総武緩行線も同様に千駄ヶ谷駅への誘導があったのでしょう。

 消火活動で送電が停止したとあり、動く見込みが無くなったので他に手段が取りように無かったから決断に迷うことが無かったのでしょうが、今回の対応は時間的には従前とは比較にならない手際の良さといって良いでしょう。
 ただ相変わらず適切な情報開示がやはり欠けたようなのは遺憾です。それが為されていれば、設備面などの備えは別として、現行の態勢ではベストは尽くせたといえたのですが。

Re:代々木沿線火災から学ぶべきもの−その2−
 投稿者---CHIP氏(2002/06/02 03:41:24) http://norimonoland.info/

 首都の中心を走る路線については、その運転維持・ダメコンについて極めて高いレベルのものが求められるのです。

 確かに、部分的にでも運行できる区間で運行することも可能と考えられますよね。時期が時期だっただけに一時は騒然となりました。W杯前夜に新宿に近い代々木で火災といえばテロと思った人が居ても仕方がないように思います。しかしながら、もっと驚いてしまったのはこの件についてJR関係者(車掌をしている方)に意見を求めた結果、信じられない返信が返ってきました。それは、次の通りです。

 沿線火災の場合は情報量が少ないと言われても、それは警察・消防の対応が悪いのだからどうしようもない。 
 この件は直接、警察・消防へ尋ねて欲しい。情報量が少ないのは事実だが、これはJRは駅員が私鉄と比べて1/3しかいないので、他の私鉄に比べて3倍の仕事量をこなす必要があるので乗客に情報を伝える暇はなく復旧にむけて準備する必要がある。それに、情報は字幕で随時伝えている。また、JR線が止まった場合には振り替え輸送を行うのでそちらを”積極的”に使用することを実践して欲しい。

と返信が返ってきたのです。確かに今回の例は特殊な例かもしれませんがたらい回しとしか言いようのない返信に愕然としてしまいました。つまり、運転できる区間を運転するのではなく「他社の鉄道を利用しろ」と言っているとしか思えません。
 しかしながら、ここで気になるのは最近増えているSuica利用者です。Suicaの規約には

 Suicaでの他鉄道会社への振り替え輸送はご利用できません。ただし、Suica定期券の有効区間ご利用の場合のみ、振り替え輸送を行います。

と書かれています。振り替え輸送時には定期券区間から出る可能性(例えば、高田馬場から吉祥寺へ行く時、所持している定期券は高田馬場−新宿−吉祥寺間で中央線が止まった時に振り替え輸送で(京王線利用だと混雑するので)高田馬場から武蔵関へ西武新宿線で行き、そこからバスで吉祥寺駅に向かう)は十分にあるように思えます。この場合は区間を逸脱していると見られる可能性が大きいですよね(駅員によっても異なるだろうが)。
 実際の所は普通の磁気定期券と同様に扱っている駅員も多いようですが、中にはSuicaだから振り替え輸送は出来ないと突っぱねてしまう駅員も居ます。こういったところにも統一感を持って欲しいですね(単に便利なIC定期券と宣伝するだけでなく、このような制限事項もきちんと伝えるべきだと思います)。

 ところで、このスレで問題としたシステムの簡略化の歪みですが果たしてシステムだけの問題なんでしょうか?今回の例を見ると単なる会社の体質としか言いようのない様に思います。これが、例の蘇我駅での落雷での大混乱にも結びついたように思えます。つまり、どんなに事故が起きてもそれを教訓とはせず、「良い迷惑」で済ませているとしか言いようがありませんね。

代々木沿線火災から本来学ぶべきものはなにか
 投稿者---とも氏(2002/06/03 22:27:26) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 代々木火災での対応で気になったのは、山手線が全線で不通になったことです。
 列車頻度は落ちますが、大崎−東京−池袋での区間運転は可能であり、代々木駅が当日の営業が出来なくなる(復旧後も通過した)ような事態なら当然そうした対応にスイッチすべきだったはずです。

 そうですね。少なくとも折り返し運転は考慮すべきでしょう。
 もちろんその場合、所定のダイヤ復帰に時間がかかることになりかねない(復帰用車両が不足し、ダイヤの乱れが長引く)ですが、減便による対処という手法もありますし、代替可能なブロック単位程度での折り返しにすれば終端駅の混乱という現象もなんとかなります。折り返し線の設置だけですからなんとかなるでしょうし。

 もっと驚いてしまったのはこの件についてJR関係者(車掌をしている方)に意見を求めた結果、信じられない返信が返ってきました。

 まず、注意点ではありませんが、引用されている発言が、JR社員の一個人の発言である以上、それが内実であったとしてもその発言がJR東日本の姿勢と断言はできません。その前提で書きます。

 JRの駅員が足りないという話は別として、少なくとも今回はJR東日本に事故の責任はなく、さらにいえば、事故にあたり情報提供しないのは問題とはいえ、当日の新宿駅などでは駅においては適切な情報提供はされていました。ただ、いわゆるウワサがウワサを呼ぶという状況によっていわばパニック的に騒然となり、結果的に情報がいきわたらなかったという点があります。しかもJRの駅員は情報を提供しようとしても個人要求をする乗客にさえぎられるという状況でしたし、まさか乗客一人一人に説明はできないのですからやむを得ないといえばそれまででしょう。実際、事故の直後に新宿駅に居ましたが、あの状況ですぐに駅員に食って掛かる乗客がいたのですから、駅員は情報を得ることすらままならなかったのは認めなくてはなりません。また、運行再開についてその時点で果たしてどれだけ正確に情報が流せるのか。仮に数時間と言って30分で復旧したらどうするのか。そういったことを考えれば、今回の対応はまずまずなのでしょう。
 確かに車内において情報提供が遅いという問題はあっても、代々木駅が立ち入り制限となり、乗客の避難誘導がなにより最優先されるという状況下において、その中で駅員は避難誘導に追われるのは仕方がないことであり、旅客指令に最新情報が入らないことも責めるのは酷です。仮に代々木に多くの職員がいたとしても解決できる問題ではなく、結果的にそれにより各個列車への情報伝達が遅れたと考えれば今回の事態をもって、JR-Eの対応が悪いと責めることは出来ません。

 しかしながら、ここで気になるのは最近増えているSuica利用者です。Suicaの規約には「Suicaでの他鉄道会社への振り替え輸送はご利用できません。ただし、Suica定期券の有効区間ご利用の場合のみ、振り替え輸送を行います。」と書かれています。振り替え輸送時には定期券区間から出る可能性(例えば、高田馬場から吉祥寺へ行く時、所持している定期券は高田馬場−新宿−吉祥寺間で中央線が止まった時に振り替え輸送で(京王線利用だと混雑するので)高田馬場から武蔵関へ西武新宿線で行き、そこからバスで吉祥寺駅に向かう)は十分にあるように思えます。この場合は区間を逸脱していると見られる可能性が大きいですよね(駅員によっても異なるだろうが)。

 まず、SuicaのようなSFシステムで振り替え乗車の適用を受ける場合、とりあえずの着駅にて一度精算し別途ルートを選択することになります。これはSuicaが前引きシステムを採用し、実質的に出場時に精算するシステムを採用していますので、致し方ありません。
 Suica定期については通常の磁気定期券と同様、振り替え乗車票による乗車が可能であり、それは私も経験がありますが、なんら問題はありません。よってSuicaのシステムに問題があるのではなく、そういうものとの認識を有しなくてはなりません。
 また、例に出された高田馬場−吉祥寺のルートの場合、西武新宿線への振り替えはおそらく問題なく認められると思われますが、武蔵関〜吉祥寺間のバスサービスは不可能でしょう。なぜなら、振り替え乗車はJRが各社に委託し、各社が承認して初めて可能となるものであることはご存知のとおりです。よって、そのルートにバスが指定されない限りは不可能であり、それはJRが輸送状況からして必要と認めなければ適用されないのであって、京王線が混雑するからという理由で西武新宿線を使いたいからバスも使わせろというのは少々虫が良すぎやしませんか(過去、私はほぼ同様のケース(所持定期 新宿〜西荻窪)で振り替えをしてもらいましたが、振り替え可能区間は西武新宿線全線でしたが、バス利用は認められませんでした。なお、このときは丸ノ内線、京王線、井の頭線、西武池袋線、東西線が利用可能となっていました)。

 所で、このスレで問題としたシステムの簡略化の歪みですが果たしてシステムだけの問題なんでしょうか?今回の例を見ると単なる会社の体質としか言いようのない様に思います。これが、例の蘇我駅での落雷での大混乱にも結びついたように思えます。つまり、どんなに事故が起きてもそれを教訓とはせず、「良い迷惑」で済ませているとしか言いようがありませんね。

 少なくとも今回の対応においてJRを責める(架線が焼けたというJRからすれば被害者的事項)のは酷であり、それをもって非常時対応ができていないのは会社の体質というのは木を見て森を見ずとしかいえません。
 確かに新幹線や中央線の度重なる事故は憤慨するのはよいとしても、蘇我にしても代々木にしてもJRのシステムが二重化していないこと以前の問題であって、折り返しが出来ないとかシステム分割が困難であるがために運休せざるを得ない点は当然批判するべきであると感じますが、それを全社的な体質として片付けるのは解決にもなにもならないと思われます。

 それでは

Suicaへのシフトは新たなる問題を生む?
 投稿者---CHIP氏(2002/06/04 00:17:03) http://norimonoland.info/

 まず、注意点ではありませんが、引用されている発言が、JR社員の一個人の発言である以上、それが内実であったとしてもその発言がJR東日本の姿勢と断言はできません。

 失礼いたしました。私ながらに軽率な引用をしてしまったと反省しております。私としてはあの火災時の駅員の方の対応に関しては、昔よりも向上しているとは思ったものの、上記の意見に合致してしまう様な駅員の方を目にした(乗客にストレスをぶつけているのかというような口調で対応している人が目に付いてしまったので)ものでついつい、熱くなりすぎたと思います。

 まず、SuicaのようなSFシステムで振り替え乗車の適用を受ける場合、とりあえずの着駅にて一度清算し別途ルートを選択することになります。これはSuicaが前引きシステムを採用し、実質的に出場時に清算するシステムを採用していますので、致し方ありません。
 Suica定期については通常の磁気定期券と同様、振り替え乗車票による乗車が可能であり、それは私も経験がありますが、なんら問題はありません。よってSuicaのシステムに問題があるのではなく、そういうものとの認識を有しなくてはなりません。

 Suica定期券には問題点というよりも一般的に知られていない事実が多いように思います。私の場合はSuica定期券で振り替え輸送を振り替え輸送を受けようと思いましたが、「Suicaだからできないね。」の一言で終わってしまいました(一種のSuicaの不便さを覚えた)。実際は磁気定期券同様に定期区間内でのSuica利用だったので振り替え輸送が適用されるはずだったんですが・・・。
 このことに関しても駅員の方のエピソードがあります。

 Suica定期券にはイオカード機能が追加されているために目で見ただけでは定期券での利用なのか、イオカードでの利用なのかが分からない場合がある。その為、振り替え輸送実施時のような緊急時には見分けがつかず、定期券利用者にもかかわらず振り替え輸送を拒否する場合もあり得るし、Suca定期券のイオカード機能のみを利用している場合でも振り替え輸送を許可する場合も実際には起こっている。

 つまり、イオカード機能の付加で乗り越し精算時に精算機で精算する手間が省けるという乗客側にはうれしい機能が、駅員の方のような方からすれば、振り替え輸送時などに「見分けがつきにくい。」という苦労を強いる、言い換えれば確認に時間がかかるという事態を引き起こしているようです。

 確かに新幹線や中央線の度重なる事故は憤慨するのはよいとしても、蘇我にしても代々木にしてもJRのシステムが二重化していないこと以前の問題であって、折り返しが出来ないとかシステム分割が困難であるがために運休せざるを得ない点は当然批判するべきであると感じますが、それを全社的な体質として片付けるのは解決にもなにもならないと思われます。

 その通りだと文面から感じました。話はそれますが、最近は中央線での事故を余り聞きませんね。以前は週に約2回の人身事故で、その影響に巻き込まれたこともありましたが最近はそう言ったこともなくなりつつありますね。最近は山手線や京浜東北線等で人身事故が起きているように感じます。こう考えると、中央線での人身事故が山手線に単に分散しているだけとも考えられますが・・・。

Suicaが悪いのではなく中途半端に扱うのが原因では?
 投稿者---とも氏(2002/06/04 00:37:50) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 Suica定期券には定期利用区間の記載がありますし、各駅の端末にてチェックが出来る以上、振り替え手続きを行わないのは本来の流れではないはずです。
 仮にイオカード機能で入場していても定期区間内であるかどうかが判断基準になるはずで、定期区間内でその当該区間が不通になっているのなら振り替えをするだけの話であって、それほど難しいことではないでしょう。
 振り替え乗車票とSuicaの関係はそう考えれば簡単です。

 現実には
  1 Suica定期券で一度出場(または出場処理)
  2 提示により振り替え乗車票受領
  3 他線乗車
  4 下車時に当該Suica定期と乗車票を提示
という流れで比較的スムーズに処理がされています。

 原則として乗車票は不通区間内駅ではなく、承認路線乗り継ぎ駅にて出場時に受領するものであり、同じJR-E内であれば処理は問題になりません(もちろん全線不通なら話は別)。
 ちなみに、Suica入場後、他線に乗り継ぐ際に中間改札がないために出場処理ができなくても、後日窓口で処理を依頼出来ます(事情を話せばすんなりやってもらえます)。

 システムをつかいこなすかどうかがやはり最大の問題なのです。
 Suicaは振り替え乗車機能の付加も可能なシステムです。ですからこそ関東内の各民鉄が導入してくれればと思うわけで・・・

 ではでは

2005.06.05 Update


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