【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.042)
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道路4公団分割民営化〜法衣の下のなんとやら〜
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/08/26 02:58:37)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
道路4公団分割民営化〜法衣の下のなんとやら
└補遺
└「サンプロ」での大臣所感など
 └Re:「サンプロ」での大臣所感など
 └分割は不要
  └Re:JRに見る分割の効用
   └私も、分割には反対ですね(むしろ、合併民営化が良いのでは)
    └書き忘れました
Re:道路4公団分割民営化〜法衣の下のなんとやら〜
 └公益の対価と究極の夜警国家
  └Re:公益の対価と究極の夜警国家その1
道路4公団分割民営化って...

 8月22日に「行革断行審議会」が道路公団など関係4公団を分割民営化するという具体案をまとめたことが報道されました。これは設備資産と債務を管理する道路保有機構と、地域別に分割された運営会社(素案では5つ)にわけ、運営会社を民営化するというプランです。
新規事業は必要性を吟味厳選して直轄事業化するので、審議会の試算では、民営化後30年くらいで債務の償還が可能になるそうです。今でも本四公団以外はキャッシュフローが黒字なので、新規の借金が無くなれば順調に返済できますし、旧国鉄スキーム失敗に鑑み、フロー収益の算入をベースにしているのも現実味があります。

 もちろん償還後も運営コストがかかりますが、微々たるもので、従前のような通行料を取ることはまず無いでしょう。
 24日のニュースステーションで、作家で政府税制調査会委員の猪瀬直樹氏が、「将来はタダになる」といい、「分割民営化で東北道と常磐道が競争する」という発言がありました。
 放送では「将来は新規参入も」という話もあり、民営有料道路の例として藤田観光が経営する芦ノ湖スカイラインが出てました。

***
 この議論でいつも不思議なのは、債務の大きさだけを主張して、見合いの返済原資収入の大きさを無視してきたこと。
 そしてそれが論駁されると、道路資産の非償却を理由に資産勘定を洗い替えれば資産が激減して債務超過になると言ってきていることで(本当は減価償却をしない代りに負債勘定に積んでいる償還準備金勘定を同時に落とさないとバランスが取れないんですが)、なんとしてでも公団の経営が破綻していると言いたい向きがあることです。

 で、彼らの理論も「だから公団は解体して」とまでは整合しているのですが、なぜ「民営化」なんでしょうか。
 有利子負債が巨額で、債務超過であるのなら、民間なら格付は投資不適格で経営破綻まっしぐらという状況を一方で主張し、それを民営化するというのは矛盾そのものです。

 そして債務完済後は「タダになる」のであれば、運営会社の収入が無くなることを意味するので、その時点で保有機構同様解散するしかありません。維持費用程度への値下げでも、主要高速道の営業係数が10から20台という現状から推測すると、現在の通行料の5〜10%程度への値下げ(=90〜95%の値下げ)になるはずで、これでは経営破綻は必至です。

 それなのに「民間会社」にしたがり、あまつさえ「新規参入」とはこれ如何に、です。
 この理論で整合性が取れる結論は実は、
   「債務返済の完了後も通行料を現行水準で徴収」
   「債務を切り離すことにより莫大な収益が期待」
   「投資対象、もしくは事業対象として非常に魅力的」
ということしか考えられません。

 さらに、債務返済に要する期間においても、民間会社であれば、投資家へのリターンを確保できる収益を上げる必要があるため、その分を増収する必要に迫られます。
 公団が民間と同レベルの効率性と運営能力を達成したと仮定すると(この可能性と努力目標を無視ないし否定するのは実に不思議)、配当原資分の値上げか、返済額の減少(=完済までの期間延長)となるのです。

***
 競争にしても、東北道と常磐道の利用者は、それぞれ目的を持って利用しており、それに適したルートを選択しているに過ぎません。
 道路の規格が法律で決まっており、ハード面での差異は付けようがありません。ITS化の進捗度合いで差がつくかも知れませんが、利用者サイドの導入(これはETCも同じ)がキーです。

 民間経営の事例にしても、東急の箱根ターンパイクはバイパス路として有効ですが経営面ではかなり厳しいように、道路事業(と関連事業〜大観山ドライブウェイ〜)で帳尻を合わすのは難しいようです。
 藤田の芦ノ湖の場合、道路事業だけで何とか黒字とのことですが、民間のメリットを謳う場面で小湧園のユネッサを出すのは付会牽強も極まれりです。
 芦ノ湖西岸と小湧園が相関関係にあるなら、同じグループの目白の椿山荘も取り上げれば、といいたくなります。

***
 かつて西武(国土計画)は、その小湧園から早雲山、湖尻を経て箱根町から十国峠への有料道路を所有していました。有名な箱根の「東西戦争」のおり、正式に免許を取って運行していたライバル箱根登山鉄道(小田急〜東急系)の定期バスをある日料金所で追い返したくらい大事にしていた収益源ですが、ある時期、(真意は薮の中だが)公益を理由に突然神奈川県に譲渡し、一般道になりました。

 それから幾星霜、利用者と納税者を出汁にして、どうも別の目的が見え隠れする民営化論が出てきました。
 あまり政治的思惑と見られかねない発現はしたくないのですが、どうもこれに限らず各種の公的セクター撤退論は、その結果における受益者に、国民以外の存在が見え隠れすることで整合性が取れることに重大な疑義を感じるのです。

補遺
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/08/27 18:58:22)  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 なお、減価償却については、もともと道路は償却資産でないこともあり、土地同様価値の減少が認められないこともあり、当てはめること自体がナンセンスという意見もあります。
 よしんば償却資産と見なした場合、損益計算時に償却を考慮していないという話があり、考慮すると利益が大幅に圧縮されるという批判があります。しかし、減価償却費は投資キャッシュフロー上は自己資金になりますので、設備投資の原資になるか、償還・返済に回ります。つまり、CF上は結局償還準備金繰り入れになる(返済が進んでいる)ことでは変わりはないのです。

「サンプロ」での大臣所感など
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/08/27 01:03:30)  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 さて、Nステと同じANN系(当地ではABC)で26日に放映されたサンデープロジェクトでは、扇千景国土交通大臣を迎えて道路4公団の分割民営化について直撃していました。

 現行の9300km余の整備計画はまずありきで、それ以上は厳選する。そして民営化は推進するが分割は反対というのが大臣個人の考えで、9月初めに国土交通省から出てくる素案もそれを敷衍したものになりそうです。

 さて、ここで問題視したいのは、田原キャスターが掲げたフリップに「償還後も通行料金は徴収」とあったことです。同じ放送局で1日前に放映された報道番組と矛盾しています。これは公団改革に国民が期待する部分の最たるものであり、この大前提が怪しいことは論外です。わざと曖昧にしたり、誤解を招くようにして、はじめにありきの「分割民営化」の結論をどさくさに紛れて通そうという下心があるのではという邪推すらなりたちます。

 なお、余談ですが、本四架橋の苦戦について、大臣が、橋を渡った先に何があります? (橋だけ作って整備してないから)何も無いでしょ、と斬って捨ててましたが、その時にアクアラインも一緒に斬られてました。
 木更津の実態を知ってるだけに、この言われようには反論の余地が無く、それをいっちゃあおしまいよ、てなところでした。

***
 「競争」ですが、同一箇所で同種のサービスがあって初めて成立するものであり、違う場所では競争とはいえません。
 最たる例として、SA、PAの「競争」があり、道路施設協会の独占を改め、J-SAPAとハロースクウェアの2社で「競争」させ、良くなったと当事者は自賛しています。
 しかし、実際は利用者にとってその「競争」ははっきり言って無意味です。

 「ハロースクウェアは嫌だから海老名SAに入らずJ-SAPAの足柄SAまで走り通す」なんて利用の仕方をしている人はいません。逆に複数業者化によってサービス内容に差異が出るほうが困るのです。つまり、利用するSA、PAは業者ではなく行程によって決まります。特に居住地から出て最初に入るSA、PAはほぼ固定化されており、サービスの優劣で変更するようなものではないのです。

 実は2社体制になった当初、サービス内容に差が出たことがあります。小さな話ですが、SAで配布されるルートマップのSA、PA案内が各社自社優先の記載になったのです。
 そんなもの、同一社の施設だけを利用する訳ではないのですから、他社施設のサービス内容が今一つ判らないのは大迷惑です。幸い今ではほぼ同体裁になっていますが、無意味な「競争」は独占よりたちが悪いのです。

 先にNステで猪瀬直樹氏がいみじくも語った東北道と常磐道の「競争」ですが、確かに郡山以遠の東北道や磐越道と首都圏では両者を天秤に掛けることがあります。
 しかし、それは天候や走りやすさ、渋滞といった状況に応じて決定するものです。

 例えば東北道で福島付近を走行中、「他社」である常磐道の情報が適切に提供されるのか、営業施策として東北道に誘導するようなことはないのか(本来ドライバーの自己責任に属する部分だが、状況情報提供以上の営業的な誘導があった場合、事故時や渋滞による損失に対する責任という新しい「責任」を創設する必要がある)、懸念材料は山積です。

Re:「サンプロ」での大臣所感など
 投稿者---brother-t氏(2001/08/27 02:12:01)  http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 エル・アルコンさんこんばんは。

 まず道路整備の必要性に関してなのですが、個人的に感じるのは必要かどうかを考える時に客観的な基準が無いような気がします。と言うのは鉄道の新線を作る時だったら、都市鉄道であるならば混雑率、新幹線だったらその路線の在来線特急の本数などまがりなりにも数字と言う形にして比較すると言う手法がまがりなりにも可能なのですが、道路の場合僕が調べてないだけなのかもしれませんがこう言った情報ではたから必要性が判断しづらい面があると思います。

 結局最終的に通行料金の徴収その物は無くならないと判断した方がいいと思います。と言うよりも無くなる無くならないと言う2つの基準で考える事の方が間違いでは無かろうかと思います。

 「競争」ですが、同一箇所で同種のサービスがあって初めて成立するものであり、違う場所では競争とはいえません。最たる例として、SA、PAの「競争」があり、道路施設協会の独占を改め、J-SAPAとハロースクウェアの2社で「競争」させ、良くなったと当事者は自賛しています。しかし、実際は利用者にとってその「競争」ははっきり言って無意味です。

 確かに会社名でどこのSAを利用すると言うのは考えづらいと思います。とは言え「あそこのSAのトイレにはベビーベッドがあるから赤ん坊のオムツ交換のために…」(まぁ今でもあるのかもしれませんが)であったり、「あそこのSAには吉野家があってメシ代が安く上がるから」であったりとサービスの幅が広がればそれはそれで意味があると思うのですがどうでしょうか?

 実は2社体制になった当初、サービス内容に差が出たことがあります。小さな話ですが、SAで配布されるルートマップのSA、PA案内が各社自社優先の記載になったのです。

 とは言えやはりこう言った形のデメリットが出るかもしれないので、もし「競争」を導入するのならこう言ったデメリットを最小限にするような工夫が必要だと思います。闇雲に「競争すれば良くなる」とばかりになんでも民営化・競争と言うのは確かに意味がないですね。

 「競争」を導入する時にはやはり公正・公平・情報公開は大前提にして考えないと行けない点ですね。確かに最初に書かれていたようにまず始めに〜ありきと言うのはまず根本の目的と言うのが道路の運営を効率化して社会全体で負担を減らして効果を増やしていく事と考える限り、あくまで民営化は1手段に過ぎない訳ですから。
 とは言え現状での今一つわかりづらい情報が少なくとも決算に関してはBS,PL,CFと言う民間企業の枠組となり一定の形で保障される事(今が保障されてないとは思わないが分かりづらい)、また建設に関しても今までとは違った意味で採算性にさらされる事を考えると民営化のメリットも大きいと思います。
 果してどうなって行くのでしょうか、注目したい所です。

分割は不要
 投稿者---矢切氏(2001/08/27 15:45:40)

 エル・アルコンさんの意見に賛成です。

 とくに分割案には反対します。JRの例を見ても、分割による競争によって良くなったとはとても思えません。(それどころかJRになって改善されたと思われがちな多くの点は国鉄末期からの改善ですし、民営化のデメリット(株主優先乗客不在)がこれから出てくる恐れもあります)

 石原大臣の下の審議会の案よりは扇大臣の意見を実現してほしいです。

Re:JRに見る分割の効用
 投稿者---brother-t氏(2001/08/29 00:20:50)  http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 とくに分割案には反対します。JRの例を見ても、分割による競争によって良くなったとはとても思えません。(それどころかJRになって改善されたと思われがちな多くの点は国鉄末期からの改善ですし、民営化のデメリット(株主優先乗客不在)がこれから出てくる恐れもあります)

 う〜ん、これはJR東日本のことを言ってるのでしょうか?だとしたら逆説的にこれはそのまんま分割のメリットを語っていると思います。東京を離れて考えて見れば大阪や名古屋の新快速は有名な話ですし、一時期不景気な日本の中で福岡が「元気都市」と持ち上げられていた背景(メインは各種商業開発だが)には、JR九州の特急強化策(とそれに対抗する西鉄の高速バス強化策)があったと言うのは、東京 一極集中の呪縛から離れた事での活性化の結果ととれないでしょうか?そして逆に東日本が株主重視乗客無視と言うのは逆に首都圏と言う中枢地区にいる人間がいかに富の源泉である本業を無視して別の視点(極端に言えば鉄道の話を全くしないJRの説明会に象徴される)で運営を行っていたかが分かります。逆にこの呪縛から地方が離れる事で確かに首都圏はよくならないかもしれませんが首都圏外と言う日本の大半が良くなると言う点でむしろ歓迎すべき所ではないでしょうか?

私も、分割には反対ですね(むしろ、合併民営化が良いのでは)
 投稿者---(仮)奈良環状LRT氏(2001/08/31 01:20:51)

(仮)奈良環状LRTです ご無沙汰致しております。

 私も分割民営化には反対ですね。
 分割すれば、天下りの巣になる事は明白ですし、道路の所有権を新会社に移行しなければ、固定資産税が取れませんので、地方自治体の支持が得られるとは全く考える事が出来ません。
 むしろ、全ての道路系の公団を合併した上で完全民営化するのが得策と思います。

書き忘れました
 投稿者---(仮)奈良環状LRT氏(2001/09/02 00:35:53)

(仮)奈良環状LRTです 書き忘れました。

 株が上場されてしまえば、採算性無視の道路建設は株主代表訴訟の存在により全く不可能になります。
 完全民営化時の、固定資産税の納税義務と合わせて、これは極めて効果的なオプションです。

Re:道路4公団分割民営化〜法衣の下のなんとやら〜
 投稿者---brother-t氏(2001/08/28 16:33:08)  http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 新規事業は必要性を吟味厳選して直轄事業化するので、審議会の試算では、民営化後30年くらいで債務の償還が可能になるそうです。今でも本四公団以外はキャッシュフローが黒字なので、新規の借金が無くなれば順調に返済できますし、旧国鉄スキーム失敗に鑑み、フロー収益の算入をベースにしているのも現実味があります。

 正直な所これで「国鉄民営化の時より進歩している」と考えてたとしたら厳しい気がします。少なくとも国鉄の営業係数と言うのはもともと間接費を含まないCF比率ともとれる訳ですし、そして営業CFが黒字だとしても黒字が利払い分を下回って行けば結局借金が減らないので結局逆に「現実的」と感じさせしまう所に逆に危惧を感じます。

 この議論でいつも不思議なのは、債務の大きさだけを主張して、見合いの返済原資収入の大きさを無視してきたこと。そしてそれが論駁されると、道路資産の非償却を理由に資産勘定を洗い替えれば資産が激減して債務超過になると言ってきていることで(本当は減価償却費の代わりに積み立てている資金を引当金勘定として資産勘定に計上しないとバランスが取れないんですが)、なんとしてでも公団の経営が破綻していると言いたい向きがあることです。

 確かに最近のマスコミのひどさはものすごいと感じるのですが、ただ債務の大きさを重視するのは悪い事では無いと思います。結局営業係数ではBSが語る事が出来ない事を考えると確実にわかる債務の額で行くのは確実な安全策だと思います。とは言えPLとBSとCFを試作して検証するくらいして断言はして欲しいものですが…

 で、彼らの理論も「だから公団は解体して」とまでは整合しているのですが、なぜ「民営化」なんでしょうか。有利子負債が巨額で、債務超過であるのなら、民間なら格付は投資不適格で経営破綻まっしぐらという状況を一方で主張し、それを民営化するというのは矛盾そのものです。

 基本的に巨額債務は引き離してと言うことなのでしょう、逆にこれを語ってないと言うのは前提条件は自明と判断したからなのでしょう。ただ前提条件をはっきりさせないシミュレーションと言うのは大学のレポートでも通らないのは言うまでもありませんが…。

 そして債務完済後は「タダになる」のであれば、運営会社の収入が無くなることを意味するので、その時点で保有機構同様解散するしかありません。維持費用程度への値下げでも、主要高速道の営業係数が10から20台という現状から推測すると、現在の通行料の5〜10%程度への値下げ(=90〜95%の値下げ)になるはずで、これでは経営破綻は必至です。それなのに「民間会社」にしたがり、あまつさえ「新規参入」とはこれ如何に、です。

 確かにそうなのですが、根本的に高速道の無料化は絵にかいた餅だからと言う前提で見ると分からないではないです。とは言え仮に上場されて株を保有すれば少なくとも株主としての権利で直接高速道路への不満を言うことが出来ると言うのは現状のとても複雑な意志決定過程よりは大きく魅力的に映るのは確かです。

 公団が民間と同レベルの効率性と言うのは根本的に不可能では無かろうかと思います。結局公団が公団である限り公共性と言う制約から逃れるのは不可能ですし、また国が絡む事による意志決定の複雑性から逃れる事も不可能でしょう。結局「無駄も公共の福祉」となってしまうと思います(ただ必ずしもそれを否定する気は無いですが)。そして投資家へのリターンに関しても、まず当初は結果的に債務を引き取るであろう国へのリターンであり、それほど問題点は無いと思います。

 競合に関しても確かにおっしゃる事は分かりますが、それでも京阪神間や京浜・横須賀間の鉄道などではやはり間接的な部分も多いですが競争が起きていることで改善された事例は多いと思います。

 あまり政治的思惑と見られかねない発現はしたくないのですが、どうもこれに限らず各種の公的セクター撤退論は、その結果における受益者に、国民以外の存在が見え隠れすることで整合性が取れることに重大な疑義を感じるのです。

 そこまで複雑な物ではないと思います。というより単に手段先にありきと言うより救い様の無い理屈だけではないでしょうか、きっと今の十代に木鐸の意味を聞いたら「煽りに関係する物」、痩せたソクラテスは「悪い事がばれないために画期的な方法でダイエットした人」と捉えられてるのかなと言う意味合いの救いの無さですが…

公益の対価と究極の夜警国家
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/09/10 21:19:16)  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 青春18の使い残しを消化するため、高松に行ってきました。上の子を連れていくことが条件だったので、ほとんど身動きが取れず、単純往復に終わってしまったばかりか、暑くて歩くのを愚図られたせいで、サンポートすらロクに見れませんでした。

 さて、JR利用ですから往復とも瀬戸大橋を渡りました。ルート全体の長さではしまなみ海道、単体の長さでは明石海峡大橋に譲りますが、鷲羽山から番の州までの一連の橋梁群の迫力は他を圧するものがあります。今年の2月にNHKの「プロジェクトX」で瀬戸大橋に賭けた人生のドラマが放映されていましたが、確かに永遠の金字塔といえる構造物です。

 さて、そうした苦難の歴史の末に完成した本四架橋ですが、経済効果となると本四公団の惨状を挙げるまでも無い状況は周知の事実です。
 ではこのプロジェクトは無駄だったのか。足下の議論は総てを「収支」で図ることにより、各プロジェクトの意義を忘れている気がします。
 本四架橋の場合、3本も必要かという議論がありますが、では1本だけであとは従前通り海路に任せてよかったかというと、必ずしもそうはいえない部分があります。
 海路と架橋の比較で、運賃と通行料を単純比較する議論が多く、だから架橋は無駄という単純な結論をよく見ます。しかし、架橋の最大の意義は、天候等に左右されにくい通行路の確保と、往々にして主要航路を横断する航路の立体交差化にあることを軽視しすぎては無いでしょうか。

 本四架橋が昭和30年の紫雲丸事故、青函トンネルが昭和29年の洞爺丸事故を契機に具体化したことはあまりにも有名ですが、両者とも悪天候(前者は濃霧、後者は台風)の出来事であり、前者は輻輳・複雑化する航路が招いた衝突事故です。
 また先日の台風や今回の台風でもそうでしたが、指呼の間に望む海峡であっても、ひとたび荒れれば海路は呆気なく欠航となり、文字通りの「孤島」になるのです。
 今回の道路関係4公団の「解体」案でも、有料道路の建設を一切凍結するという話は出ていても、あらゆる道路自体の建設はさすがに凍結するという話は出ていません。それどころか、厳選するというエクスキューズをつけてはいますが、公共事業としての施工、つまり国や地交体への肩代わりを前提にしているのです。
(その部分においしいトコどりのえげつなさが潜んでいる。道路建設・設備投資という「汚れ仕事」を抜きに商売ができるのだったらこれほど楽なことは無い。それと、各方面が例に挙げるが、それしか例が無いともいえるイタリアの民営高速道路会社も、うまく行ってる影には、実は道路の建設をまだしていないという落とし穴がある)

 結局「語るに落ちた」を地で行くのがこの部分です。
 道路の公益性を前提にしないとこのような議論はできません。ところが同時に道路の収益性を問題視することは自家撞着の気配がします。採算が合うのに限って建設するのなら建設・運営の一貫を図れば良いのであり、それを言わないことは採算が合わない道路の必要性があるという部分を認めているのです。
 本四架橋のような、明らかに四国の「孤島」回避という公益を重視すべきケースを槍玉に挙げて不採算を問うのはどうでしょうか。公共事業で建設すべき道路があるという議論であれば、本四架橋の残債は国費で引き取り、一般国道28、30、317号線として無料で通行させて国民の利益に還元するという議論が正当でしょう。

 以前、高速通信回線の全国普及によりどこでも東京のように情報を入手し、と薔薇色の夢を説いたその口で、離島への通信回線が多重系になっているのは勿体無いと述べて馬脚を現した高名な評論家がいましたが、地形から来る格差はある程度(で済まないレベルであると考えるが)止む無しと正直にいうのでしょうか。その時点で決定的な一極集中の潮流が生まれますが、どこかの国のように、首都(や都市中心街)に住むには資格が必要というような、都市生活者とそれ以外という「身分格差」だってあながち冗談では無くなります。

 そして看過できないのは、大都市圏の都市高速や環状高速のように、まさに都市のグランドデザインにかかわるような高速・有料道路すら凍結すべきという教条主義的な発言が見られることです。総ての事業、なかんずく公共事業においても収益をあげないといけないと考えているのであれば、それはその人の考えレベルにとどめて欲しいものです。
 治安や国防部門でもPFIが導入されるご時世、総ての公共サービスは営利事業として対価を徴収し、そして(国内に限らない投資家層による)投資の対象であるという、究極の夜警国家、いや、夜警すらしないのですから「国家」の定義を問うような事態を目標にしているのでしょうか。

***
 国家が巨額の売却益を得て、投資家は負債を切り離した優良投資先を確保する。そして営業CFに不安があればおそらく補助・補填金が出るでしょう。
 通行料はおそらく下がらず(羊頭狗肉のような「値下げ」は出るでしょうが...)、国民の利益になるのかは定かではありません。
 公共・公益事業で、民営化され、自由競争が導入されたはずの通信業界で、確かにトータルの通信料は下がっているが各社消耗戦の迷路に入りこみ、将来的に公共事業としての体力の維持への不安を惹起させたり、「マイライン」の判りづらくペテンすれすれの「割引」広告の横行のような事態を見ると、国民の利益になったか検証が必要です。

 また株主への配当をして、法人税を払うというプロセスから考えると、費用項目が却って増えているのも怪しいところです。そして何よりも懸念するのは、道路という鉄道の比ではない公器の運営に対して、国や地交体という「公」と利用者である国民がどこまで関与できるかということです。
 「未完の国鉄改革」でJRCの葛西社長が披瀝している、IRロードショウの席での換算線区切り捨てを推奨された話ではないですが、純民間会社であれば、経営が向くべき方向はただ一つと言うことを忘れてはいけません。

Re:公益の対価と究極の夜警国家
 投稿者---brother-t氏(2001/09/11 14:46:41)  http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 青春18の使い残しを消化するため、高松に行ってきました。上の子を連れていくことが条件だったので、ほとんど身動きが取れず、単純往復に終わってしまったばかりか、暑くて歩くのを愚図られたせいで、サンポートすらロクに見れませんでした。

 家族サービスも大変そうですね。

 さて、そうした苦難の歴史の末に完成した本四架橋ですが、経済効果となると本四公団の惨状を挙げるまでも無い状況は周知の事実です。ではこのプロジェクトは無駄だったのか。足下の議論は総てを「収支」で図ることにより、各プロジェクトの意義を忘れている気がします。

 「収支」で見る事で「近似」は出来るのですがあくまで「近似」ですからねぇ、アクアラインもそうなのですが、逆にこう言った道路を一般国道として無料開放して置いた方が良かったかなと思います。もはや受益者負担と言う美名に隠れた関銭という時代では無く(このやり方が定着した田中元首相の娘がもはや元首相が首相になった年齢を過ぎている)、「地域価値の向上を目指した投資」と言う公共投資の原点に戻る時期にきたと思います。話は大幅にずれますが、道路特定財源は廃止して自動車関係の各税金は整理の上一般財源として、その分消費税を廃止する(と言うのはこう言った税金には逆累進性があるから消費税の代わりは充分勤まるし、単に消費を抑制して経済活力の低下を招く消費税に比べて交通の効率化と言うインセンティブが働くので)、その上で交通整備は一般財源から必要性を徹底的に論議して財源を確保していくのが筋のような気がします。

 架橋の最大の意義は、天候等に左右されにくい通行路の確保と、往々にして主要航路を横断する航路の立体交差化にあることを軽視しすぎては無いでしょうか。

 とは言え、こと人的交通に関しては航空の比重が高まり、天候に左右されない交通と言うのなら3本の架橋よりも1本のトンネルの方が効果があると思います。そして何よりも利用率が低いならまずはルートを増やすのではなく、道路で言えば通行料の値下げ、鉄道で言えば宇野線の複線化と言う形で流れの集約を先に行っておいた方が良かったのではと思います。

 今回の道路関係4公団の「解体」案でも、有料道路の建設を一切凍結するという話は出ていても、あらゆる道路自体の建設はさすがに凍結するという話は出ていません。それどころか、厳選するというエクスキューズをつけてはいますが、公共事業としての施工、つまり国や地交体への肩代わりを前提にしているのです。結局「語るに落ちた」を地で行くのがこの部分です。道路の公益性を前提にしないとこのような議論はできません。ところが同時に道路の収益性を問題視することは自家撞着の気配がします。採算が合うのに限って建設するのなら建設・運営の一貫を図れば良いのであり、それを言わないことは採算が合わない道路の必要性があるという部分を認めているのです。

 あくまで料金がかからず歩行による通行が許される道路と言うのが全ての交通の基本としてそこを通る事で基本的に私有地以外の全ての場所に到達出きると言う基本ラインで考えて行けばあくまで有料道路は+αでその点で考えれば「語るに落ちた」という事は無いと思います。ただ本四架橋に関しては一般国道として無料通行にする配慮は必要だと思います。

 結局「論議無し、批判無し、思想無し」という事なんでしょうね、結局何を目指すかと言う思想が無く極端に言ってしまえばマスコミや4権にぶら下がるインテリ連中には「おれは正しい、おまえのやってることは間違ってる、だから俺に従え」とばかりに他者に有無を言わせず否定しかしないからとにかくプランであったり議論だったりのレベルが上がって行かない、そしてプランを作る側にしてみたらそんな否定勢力がほとんどだから、仮にしっかりとした理由で何かに反対する人達に対しても「代替案(=もっと正しい案)を出せ」と実質相手にしないと言う悪循環しか生まれない。結局その解決には透明性のある情報公開、そして民主的な手続きによる意志決定(しかし何故マスコミはどう考えても複雑で公平でも有権者を納得させてない選挙制度をほっておくのだろうか?)そしてそれをサポートする真に有能な人材(インテリゲンチャ)の育成(出来る人材は…いないだろうなぁ)が必要だと思います(思わずブルハ的論調になってしまいましたが)。

 確かになんでもかんでも民営化と言うのはまず問題の原点を考えてその解決案と言うCheckーActionと言う問題解決のいろはを無視して、目の前に民営化と言うぱっと見よさげでカタルシスに浸れる物があったから飛びついたと言うまさに「思考を放棄」した考えだと思います。まずこれらの問題点は何が問題で、そして周りの状況はどうで、その上でどういった理由とどう言ったやり方で問題解決していくかといった意志決定の過程が不透明かつ捻じ曲げられていてその結果に関してもしっかり公表されず(伝わらず)、金(税金・利用料金)だけ払わされて、中身は知らされずかつ中身にはぱっと見無駄が多かったり、筋の通らない事に使われていたりする(様に見える)と言う点でしょう。その解決のためには国家の利益と言うよりも納得出来る意思決定(そのためには自分も参加したと思えることが手っ取り速い)が必要だと思います。

道路4公団分割民営化って...
 投稿者---とも氏(2001/09/03 01:13:51)

 ともです。
 このネタに関してはいろいろ書きたいことはあるのですが、要点だけ。

 まず、そもそも政策的に必要があって造った4公団を廃止するからには当然政策転換を行うはずであるのに、そのへんがクリアになっていないなかで、道路4公団の民営化だけが先行しているのがどうも理解できません。
 道路が不要である(今後一切)ということに対する国民のコンセンサスが本当に得られているのか(マスコミの論調がそのまま国民世論では無い)という点すらあいまいなままでこんな議論をしても、結果は見えています。さらに、民営化で競争というのはサービスを提供するにも最低限程度のサービスになってしまう道路というものに対して本当に適切と言えるのか、例えばSA,PAは民間に完全に開放するが、公物管理まで民間にまかせるべきなのかという議論すらあいまいなままです。

 道路4公団の合併には反対しません。ただ、それを単純に民営化は意味がありません。特殊会社が1社増えるだけです。固定資産税課税もそもそも本当に公共交通施設に行うことが適切なのか(これは鉄道にも言えることなのですが)ということもありますし、そういった面を無視した単純な論調はちょっとあきれてしまいます。

 まずは、道路はいらない(=未来永劫一切整備しない)という国民のコンセンサスを本当に得られるのか、そこから始めるべきでしょう。
 自分のところには必要だけど、他人のところには不要という地域エゴ丸出しの議論がまかり通るようではこんな改革は無駄に終わります。(JR化時の四国や北海道の切り捨て論と同じです)

 ではでは。

北神急行、資産分離で再建へ
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/09/06 01:24:41)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
北神急行、資産分離で再建へ
└補遺・続報

 北神急行が来年4月を目処に、神戸高速鉄道に資産を譲渡して鉄建公団の債務を返済し、経営再建を目指す方針であることが明らかになった。
 国土交通省によると、資産保有と運営主体を分けて鉄道会社の経営を支援する再建策は全国で初めてとのこと。
(朝日新聞(大阪本社)9月5日夕刊から)

 スキームは、神戸高速が北神の路線やトンネルなど資産を、債務と同額の約305億で買い取る。兵庫県や神戸市、そして北神の親会社の阪急が資金を調達して20年後に買い戻して、阪急が引き継ぐそうです。

 3日の検討委員会で大筋合意とのこと。

補遺・続報
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/09/06 18:07:18) http://www64.tcup.com/6408/narashinohara.html

 国土交通省と兵庫県、神戸市、阪急、神戸電鉄が再建支援へ向けたスキームで基本合意した。北神はいったん神戸高速に売却した資産を賃借する形で営業を継続、資産保有と運営主体を分ける「上下分離方式」になる。買い取りに必要な資金は、大株主である神戸市などが代わりに調達して神戸高速に貸し付ける。期間は20年で、最終的な残存資産と債務を親会社の阪急が引き継ぐ。
(NIKKEI NETから)

***
 結局神戸高速を受け皿にして公的資金で救済するということですね。
 運営会社としての北神急行は残りますが、事実上清算と見て良く、千葉急行についで2番目の三セク鉄道の「破綻」で、千葉急との違いは、親会社の引き継ぎ時期が20年後というところです。
 それにしても、地交体が出融資するときの方便とは言え、阪神岩屋の改良などの受け皿から破綻会社の資産引継ぎまでやるようでは、地下線だけ保有することから「文字通りのトンネル会社」と揶揄された冗談が本当になって、市内交通のあらゆる対応の「トンネル会社」になったようです。

 北神は償却前CFでは東葉や北総より良かったはずですから何でという思いもありますが、305億という何とかなりそうなレベルの負債がかえって思いきった処理を決断させたのかもしれません。

「周遊券」今昔  投稿者---551planning(2001/09/18 00:39:08)

 やや旧聞でございますが。

高速道路に「周遊券」・国交相が表明

 扇千景国土交通相は4日の経済財政諮問会議で、一定の期間内、地域内であれば高速道路を自由に乗り降りできる道路版の周遊券を創設する方針を表明した。年内にも大阪―岡山間で試験的に導入し、全国に拡大していく考え。高速道路の「途中下車」が可能になり、目的地の途中の観光地にも立ち寄りやすくなりそうだ。
 高速道路料金は距離が長いほど割安になるので、目的地に向かう途中で料金所をいったん出て入り直すと、直行した場合より支払額が増える。このため、急がない場合でも途中で降りずに目的地までまっすぐに行く車が多かった。

 大阪―岡山で試験的に実施する「スーパー割引」(仮称)は3日以内であれば、途中のインターチェンジで降りても料金を通常の合計額より2-3割安くする。国交省は高速道路の利用拡大だけでなく、周辺の観光地の活性化にもつなげられるとみている。
(同趣9/5付日経朝刊掲載 上記記事は
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20010904CEEI049404.html )

 高速道に周遊券ですか…ハツモノと思いきや、現在去就が注目される本四公団の十八番だったようですね…。

http://www.ehime-np.co.jp/shimanami/news/data/sn-990130-1.htm
http://www.ehime-np.co.jp/shimanami/news/data/sn-991112-1.htm

 その他、Yahoo!で検索したところ、北海道でも夏季限定で周遊券的チケットが売られていたようです。

 「大阪―岡山」といえば、先日エル・アルコン師匠の御投稿にもあったように、高速バスの需要に注目とされていた中で、同路線が意外と停留所へ向かうのにICの乗り降りを繰り返していたと書かれており、まさか大型車用の回数券は…?

高速バス繁盛記 <in 関西〜中四国地方> log035.html#3

 話は変わりますが、JRでも「周遊券」がありましたね。全国各地の周遊指定地を2箇所盛り込んで作るフリーソフト的「一般周遊券」と、パッケージソフト的「ミニ/ワイド周遊券」の2本建てだったのが、3年前に制度を大幅に変えて「周遊きっぷ」として再編されたのは記憶に新しいところ、皆様はもう馴染まれましたでしょうか…。
 当方も一昨年山陰方面旅行時に「周遊きっぷ」を作りましたが、1度きりですね…。行き・周遊地内フリー・帰りの3セットで構成される「周遊きっぷ」は片道飛行機利用も可能で、一般周遊券よりも構成度が容易になった感がありますが、実際に作るとなるとプランニングの楽しさはあれど初心者にはとっつきにくく、おまけに肝心の窓口販売がどうもおぼつかない…という印象を受けました。さらにいえばワイド周遊券のように1枚買えば指定行程内であればかなりの「乗りドク」きっぷであり、北海道や九州などの旅行時はまさに定番だっただけに、そういった旅行への気軽さが失われたのは残念なところです(北海道内など期間限定で似通った商品が各社で設定されているが、これもタイアップ社管内だけとか以前より制限色が強い)。
 全体の流れとしては(都市内の)自動車交通の(緩やかな)抑制に向かうであろう折、短期的に高速道路のあり方が問われる中での、さらには地域振興策的な今回の施策ということもできるのですが、対する「受け皿」たるべき鉄道においては魅力的な商品開発がなかなか進んでいないのが実情なのではないか…という懸念を抱かずにはいられません。

 参考文献を挙げておきましょうか。事態は一向に改善されていないことを、これを読んで改めて痛感する想いです。
 鉄道ジャーナル98年5月号(No.379)読者論壇「鉄道旅行はどこへ行く」

【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
 投稿者---551planning(2001/09/27 07:56:19)
【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
└Re:【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
└ダイヤ改正雑感
└京急・東急株は今が買い?
└Re:【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
 └Re:【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!

 【速報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表か? と題して御紹介したのが昨年11月末。それから1年、JR-Eは去る9/21に今年12/1のダイヤ改正を発表、「湘南新宿ライン」新設に代表される計画の全貌を明らかにした。
 -Eのサイトではまだ詳細が出ていないが、9/26付交通新聞1面で詳報がなされたので、纏めて御紹介しよう。

【速報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表か? log012.html#3

〔新幹線〕

〔在来線〕

Re:免許更新で感じたこと
 投稿者---矢切氏(2001/09/28 15:29:03)

 速達あさひが増発になるかわり、東京お昼過ぎのたにがわが1本無くなるそうで、矢切最寄りの上毛高原駅は1往復減になりそうです。
 こういうマイナス面もきっちりアナウンスしてほしいです。

 草津も事実上1往復減(最終上り繰り上げ)か??

ダイヤ改正雑感
 投稿者---SFスイカ氏(2001/09/28 20:16:14)

 Suicaの実用化から2週間後にダイヤ改正が行われますね。
 JR東のダイヤ改正というとせっかく便利な列車を増発しても本数が少なく、使いづらい点は否めません(武蔵野線の海浜
幕張行きなどが典型的な例)。横浜〜新宿、渋谷方面への列車(埼玉方面)の列車は、京浜東北線が上野、東京(千代田区、港区)といった東側を経由するのに、今回の列車は西側へのアクセス(新宿区、渋谷区方面)を向上する事は、評価したいと思います。横浜方面からは、渋谷へは東横線で直通できても、新宿へは直通できないのが、問題でした。今回のは、新宿〜横浜方面の利便性やまとまりに欠けていた首都(東京)圏の統合へ一矢を報いるのではないか。ただ、運賃の高さなどから敬遠される可能性もあるのと、短期的なスパンでは、客数が少なくなるが、長期的には便利になるという見方もありますね。

 あずさ、かいじはかなりの高速で置き換えが進みますね。この区間は、中央高速バスとの競争が激しく、競争力を維持する役割から早急の新車置き換えになったのでしょうね。(常磐線のフレッシュひたちにも同じ事が言えたはず)
 ただし、土休の中央道は、新宿〜大月で大渋滞が起きるので、定時制の高い鉄道を使う人が多いので、こちらの視線から見ればレベルアップでしょう。

 常磐線のE231系は、来年からですか・・・
 この車両はかなり進化があると思われるので、山手線の車両はどんな車両になるか見所です。

京急・東急株は今が買い?
 投稿者---brother-t氏(2001/09/29 00:31:01)  http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 さすがに通勤ライナー関係はしっかり強化してきますね、特にNEXの定期客乗車や竜王駅のP&R,中央線ライナーのチケットレスサービス(?)等には東日本の今後の展開を見て取れます。

 しかしライナーや特急の改善に比べて、こう言った通勤路線の再編に関しては昨年の武蔵野線幕張乗り入れでもそうですが中途半端なことをやるのでしょうか?JR東日本ニュースを見るとこの25往復の大まかな内訳が高崎線〜東海道線直通快速、東北本線〜大船、横須賀・逗子〜新宿が1時間に1本づつで平日南行き大宮発で見ても15〜45分毎と湘南新宿ラインとわざわざつけた愛称が泣く内容でなんとも歯がゆい所です。

JR東日本ニュース http://wwwtest.jreast.co.jp/press/20010914/06.html

Re:【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
 投稿者---とも氏(2001/10/03 20:12:58)

 ともです。
 今回のJR-Eのダイヤ改正、みなさん厳しい論調ですが、あえて私は今のJR-Eのおかれている状況下ではよくやったなというのが率直な感想です。

  1. 湘南新宿ライン
     やっとというかついにやってくれました。
     渋谷、恵比寿の完全停車も十分評価できますし、一部を新川崎に停車させるのも考えたなという印象です。
     しかも1時間3本でスタートというのはインパクト大ですね。
     実際、東急にとっては打撃でしょう。やはり、渋谷というよく言えば最先端、悪く言えば若者だけの街としか結節できないのは痛いです。東京都心〜横浜の移動需要を考えると、今回のJRの作戦勝ちといえるでしょう。
     渋谷〜新宿の山手線利用がかなりなネックといえますし、東急には「遅い」というイメージがありますから。
     さらに見逃せないのは新宿〜鎌倉、藤沢ルートですね。これは小田急への影響が大きいです。
     トロトロしているあの急行ではまったく勝負にならず、1時間に1本のロマンスカーと1時間に1〜2本のJRとの勝負ですが、ロマンスカーは満席で乗れない(なぜか町田でほとんど降りる...)とかで評判が悪く、中央林間経由田園都市線ルートが人気になるぐらいですから、かなりヤバいといえます。
     
  2. 中央ライナー
     とりあえず良しというとこでしょうか。
     これを日中に、千葉〜新宿〜高尾で運行できれば100点というところですね。
     料金も500円なら許されます。(なんだかんだといってもロマンスカーも町田まで400円ですから)
     本気でJRが30分間隔でやったら京王にはつらい状況になります(京王特急も座れないですから)。
     
  3. その他
     今回、海浜幕張ルートの増発が弱いとか、京葉快速の蘇我以遠への延伸がないとか問題はあるものの、今の乗客が減少傾向にあるなかではよくやったと評価できるとは思います。
     たしかに、JR-Eの基本方針は関西や中京圏に比べると乗客軽視ともいえるかもしれませんが、そもそも東京圏の都市像についてだれもまともな議論をしていないという現状を考えると、致し方ない部分はありますし、中京圏や九州圏とは異なり、鉄道利用への誘導策ではだめですし、関西圏のように他の民鉄との競合ということでもないですから、東京圏の方針として間違ってはいないと思います。

 ある意味、これで東急や小田急が本気になってくれるといいのですが...(無理だろうなきっと(爆))

 ではでは。

Re:【詳報:JR-E】ついに!首都圏鉄道改良計画発表!
 投稿者---CHIP氏(2001/10/07 03:06:05) http://norimonoland.info/

 いつもは空港板の方に時々書き込みをしているCHIPです。

 今回のダイヤ改正ですが,やはり,「湘南新宿ライン」の新設はインパクトがありますね。車両は主にE231系近郊タイプになるそうです。西回り版の京浜東北線と言った所ですが,車両が主に近郊型,一部の車両はグリーン車連結と言った所で京浜東北線と大きな違いが見られますね。私が,気になるのは埼京線と「湘南新宿ライン」を合わせた場合の運転間隔ですね。例えば,新宿から池袋似行く場合,埼京線の方が停車駅が少なく早いにもかかわらず,本数が少なく結局山手線の方に乗ってしまう場合がありましたが,こういった面が今回の「湘南新宿ライン」の登場で解消されると良いと思います。

 中央線でも大きな改正が行われますね。気になるのは「中央ライナー」でしょう。下りは東京発,また車両は183系となっている点からして「あずさ」「かいじ」の東京行きが増えることになるのか気になります。さらに気になるのは過密な夕方に走るライナーがとても遅いライナーになって欲しくない点です。現在の通勤快速でさえ,三鷹や国分寺の手前でとてもゆっくりと走って時間調整する時がありますね。こういった現状にライナーを投入することが難しいように思えます。また,高尾止まりというのも気になります。せめて1本でも大月ゆきにして欲しかったように思います。特に,八王子行きの「中央ライナー」は余り意味がないように思えます(きっと,京王との戦いがあるのでしょうね )。

 私としては,ライナーの新設などよりも現状のダイヤを見直して普通列車の利便性を見直して欲しいと思います。
例えば,

  1. 利用者数の少ない西荻窪,阿佐ヶ谷,高円寺を通過する現在の休日快速を「快速」に,特別快速を利用者の多い吉祥寺に停車させる
  2. ダイヤをパターン化(例えば,東京駅を中央特快は毎時00分と15分,45分に,青梅特快は毎時30分発等)する
  3. 行き先の整理(豊田行きは入庫時を除いて八王子行きに統一する等)

等の様々な課題が残されていると思います。

 是非,今度のダイヤ改正で行って欲しいと思います。

2005.06.05 Update


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