【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.032)
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吉松線アゲイン…そして!
 投稿者---551planning 投稿日時:2001年6月15日 00時28分
吉松線アゲイン…そして!
└Re:吉松線アゲイン…そして!
└そして!江戸川台線開業
 └江戸川台線は今が旬
  └Re:江戸川台線は今が旬
   └東大柏キャンパス
    └Re:東大柏キャンパス
     └送迎バス
      └Re:送迎バス
       └Re:送迎バス

 当方が注目する首都圏近距離高速バス・JRバス関東吉川・松伏線。開業以来何度か利用してきたが今回は久々である…手元の資料を見ると丁度4ヶ月ですか。

高速バス吉川・松伏線開業の衝撃
【近距離高速バス】「吉川・松伏線」その後…
吉川・松伏線の夜
【近距離高速バス】吉松線その後…2001

 report/013.html
 report/013.html#2
 report/013.html#3

 log019.html#2

●飽和状態の八重洲BT
 たまたまぽっかり空いた6/13・水曜日、19時過ぎの東京駅。吉川・松伏行きが出る3番乗り場は水戸以遠方面路線がメイン。19:20発で水戸駅北口行、那珂IC経由東海原研行が同時発車、19:30発は勝田駅経由東海原研行・いわき行・松伏行と3本同時発車。ただでさえ狭い東京駅八重洲南口BTだから、人もバスも所狭し。挙句には「高知行きは…」と夜行バスもごちゃごちゃになっている。
 つくば行きや鹿島神宮行きが10分ヘッドなのは「行列減らし」の窮余の策か…しかもそこそこ乗るのだから凄いの一言である。
 もはや本気で移転を考える時期に来ているといえよう。以前もこの話題をしたが、当方も日本橋口方面移転が手っ取り早いかなと思っていたが、八重洲南口再開発が進みつつある現在、そこそこのスペースが取られるようでもあり、南へ拡張案が現実的に思えてきたのだが、さて。

●「お父さんありがとう」
 吉松行きはさほどの行列でもなかったが、バスがついて乗り込んでみれば最終的に20名も乗ったのには驚いた…と思ったが、前回分を読み返すとそのときもそれくらい乗っていた…。前回同様半分以上が出張や所用帰りでという感じ、期待する通勤然とした人は見かけないものの、地元へのある程度の認知を感じさせる。

 と、買物帰りのオバちゃん連れが運転手に「回数券頂戴」。
 「あるっけな…これかな?吉川?松伏?」
 「同じでしょ…何か限定で出てるヤツ」
 「???」

 てこ入れか感謝の意味か、実は吉松線では発売期間限定で「お父さんありがとう 特割回数券」なるものが発売されている(6/9〜6/20、使用期限はなし)。東京駅に置かれていたパンフによると、6枚綴り3,000円で、吉川・松伏両地区共通。通常の回数券が吉川地区4,000円・松伏地区4,500円なので、ずいぶんおトクだ。なによりも1回500円で東京までと考えれば安さがお分りになろうか。
 それにしても運転手が知らないのはお粗末…「ったって、この路線半月に1度くらいだモンな、分かンねぇよ!」とオバちゃんと談笑、ちょっとイントネーションが面白かったのでつい納得してしまった。クルマも間合い運用なら運転手も?
 と、バスは定刻に軽やかに走り出したのだが…。

●「これだからな…」
 宝町ランプ手前の電光掲示板をふと見ると、【江戸橋JCT―千住新橋 事故渋滞11キロ】の表示が…まさしくこれがプロローグ。箱崎手前で渋滞後尾に取り付くと、対向車線に「ONライナー」を見た…ということは中環も相当混んでいるはずだ…。
 両国JCTまで20分、隅田川岸に続くテールランプの列が眩しい…。そろりそろりと歩みつつ、浅草まで30分近くを要した。向島ランプ近辺で流れたものの小菅を頭にまた混雑、結局三郷線に逃げられたのは出発後1時間以上を過ぎていた…。
 その間車内では件のオバチャンが「私この前もはまったのよ〜」。別の老夫婦は隅田川を渡る東武電車を見遣りつつ、「座れるからこれにしたのに…バスはこれだからな」とポツリ、半分慣れっことは云え、渋滞脱出時にはさすがに澱んだ空気が流れたのだった。

●広がるバス勢圏
 流山ICで降りる直前、続行の東海行・いわき行が猛然と走り去って行った。こちらは玉葉橋から吉川入り。結局吉川団地到着は21時を過ぎてしまったのだった…。
 ここで4名が下車、当方も(当初から予定していた通りに)下車した。暫し歩いて東武バス乗り場から吉川駅へ…高速バスから降りた若い女性が後に続いた。この方は吉川駅手前の停留所で下車、充分駅勢圏のところからのバス利用があることは、やはり価格面訴求の賜物だろうか。
 吉川から武蔵野線で帰宅。南越谷方面からの電車からは多くの乗客が吐き出された。バスを1とすればゆうに20〜30倍というところか…無論バス単体の採算性と鉄道のそれは違うとしても。


●吉松線の後に…そして!
 こう来ましたか…「江戸川台」線です。東武バスとの相乗りになりましたが、いわき線のように綾瀬駅には寄らない様です。てっきり流山ICを軸とするものと思いきや、がんセンター・柏の葉を押さえたのは見物、とりあえずこれで(野田方面への)様子見といったところでしょうか。

JRバス関東 http://www.jrbuskanto.co.jp/mn/cjtokyo_kashiwanoha1.htm

Re:吉松線アゲイン…そして!
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ) 投稿日時: 2001年6月15日 12時47分

●吉川・松伏線
 首都圏における近距離高速バスの試金石となるか注目だった同線ですが、苦戦が続いているようです。これは、

1.旅客流動とあっていない
2.停留所設定がいまひとつ
3.経路が時間を食いすぎる

ということが挙げられます。

 551さんも書かれてましたが、吉川駅における武蔵野線の乗降は明らかに南浦和を向いています。このメインが東武伊勢崎線からの流入であれば対都心(東側)ですが、南浦和や武蔵浦和での流入であれば対都心(西側)の可能性があります。いちばんややこしいのが、もしさいたま新都心などさいたま市関係への流動がメインな場合、対都心のバスというのは「外した」ことになります。

 また、吉川団地周辺を1周する路線設定は木目細かそうに見えて、きよみ野を素通りとか不可解な点が目立ちます。吉川団地もしくは次の法務局前で降車して南(吉川駅)のほうに向かう流動は私も確認しておりますが、住宅街はこの方面に広がっており、駅まで歩くのはやや遠いこのエリアは有望なのに、バスが背を向けているのも不可解です。

 経路については、時間、通行料などコストの両面とも現在の流山IC〜玉葉橋経由は不適です。また三郷本線料金所という渋滞ピントをわざわざ通るのも問題です。ゆえに三郷で高速を下りて、R298の側道から中川沿いに北上するルートが最短かつ低コスト(常磐道と流山、野田の両有料道路を通らない)で、吉川駅〜吉川団地間の住宅街をフォローできるので、早急に改めたいところです。江戸川台線で東武と組んだこともあり、東武エリアのこのエリアの変更を東武の参入を絡めて実施したいところです。

 問題はR298から県道へ出る側道への出入りですが、他線の間合い運用の大型車の運用があるうちは困難です(不可能ではないだろう)。
 ただ、今回江戸川台線の開業を見たように、近距離路線の展開を考えた際、バスターミナル相互の直結用の大型バスでは、一般道での取り回しに難があり、路線設定や所要時間の面で不利です。そこで現状一般路線サイズの車両でこまめに回る形態を取れるように、専用車の開発を考えたいです。先日乗った明石海峡大橋を通る一般路線バスは前後扉で正座席38を確保しており、前扉だけにすれば正座席41を確保できる計算ですから、補助席を入れれば50席です。もちろんトイレを作れば正座席は36,7席に減る(補助席込みでも43席程度)と、大型車の2割減では躊躇する可能性が強いですが、使い勝手は飛躍的に向上します。

***
 この路線の活性化策として、「提案型路線」を試行して見てはどうでしょうか。
 価格競争力と連続性で勝るが、定時性で劣る部分を容認した上で、「2時間かかるがゆとりの通勤」というコンセプトを沿線に提案するのです。コーヒーを飲み、新聞を読んでくつろぎの通勤という新しい通勤スタイルを押し出し、北越谷や南浦和で始発電車待ちをしているしている層に訴えるのです。

●江戸川台線
 いよいよきましたね。私自身は柏の葉から豊四季方面を想像していただけに、江戸川台は意表を衝かれましたが、発展形として谷和原IC経由の各線のように分散するのかもしれません。
 東武が高速バス戦線へ復帰したことで、他の東武バスエリアも予断を許さなくなってきました。巷間囁かれる野田・関宿のほか、特に首都高ランプが近く、車庫もある八潮が要注意ですね。

そして!江戸川台線開業
 投稿者--- 551planning
 投稿日時: 2001年7月11日 09時20分

 7/11、JRバス関東と東武鉄道共同運行の高速バス新線・江戸川台線が開業、当方は6:40江戸川台発の初便(東武)に乗車しました。
 通常江戸川台駅は東口発着ですが、駅前ロータリー工事により当面暫定的に西口発着となる由…確認不足かもしれませんが、橋上駅舎改札口周辺にはそれらしき注意書き、というよりも高速バスに関する記述を見かけませんでした…鉄道とバスはライバルですからねぃ。
 発車10分前、乗り場につくとバスはすでに入線、乗車も始まっていました。関係者や地元の方がカメラ片手に集まっており、関心が高いようです。結局駅での乗車は29名、回数券購入者も少なくなかったようです。試乗がてらの通勤客と、女性客も多く見かけました。「この時間だと電車が混むでしょう…」という女性の声も聞かれ、納得。
 途中柏の葉公園周辺でこまめに停車、10人以上が乗り込みました。国立がんセンター前では乗車はなかったものの、東武関係者から開業記念品が配られました。
 7時過ぎに柏インターから常磐道へ。首都高八潮料金所まで順調だったものの、案の定渋滞に…小菅を抜けて走り始めましたが、以前矢切先生御指摘の向島ランプで信号渋滞、思わぬ時間を食いました。しかしながら上野駅到着は8:25と15分遅れ、まあまあと云えましょうか。

 詳細は追って特集レポートとして纏めさせて頂きます。

【2001・夏・バスレポ1】 東京ー柏・江戸川台線実力分析 report/024.html

江戸川台線は今が旬
 投稿者--- 矢切氏 (ホームページ)投稿日時: 2001年7月12日 20時17分

 江戸川台線のエリア、とくに柏の葉公園付近は常磐新線の駅勢圏になると思われるので、今のうちに客を囲い込んでおかなければ未来は無い路線といえます。

 明るい材料として、国立がんセンターの正面に東大第三のキャンパス(柏キャンパス)ができたこともあります。本郷キャンパスへの流れを考えると上野停車は維持したほうがよいでしょう。ただし東大キャンパス間輸送は常磐新線の駅位置とバスの本数次第では常磐新線〜大江戸線という方に将来移ってしまうでしょう。

Re:江戸川台線は今が旬
 投稿者--- brother-t
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月12日 23時21分

 矢切さんこんばんは

 江戸川台線のエリア、とくに柏の葉公園付近は常磐新線の駅勢圏になると思われるので、今のうちに客を囲い込んでおかなければ未来は無い路線といえます。

 そう言った意味では、高速バスの多い地区を走る常磐新線は有望な路線なのかもしれません、しかし逆に言えるのはこの高速バスの影響を甘く見たら、常磐新線も厳しいかもしれません。

 明るい材料として、国立がんセンターの正面に東大第三のキャンパス(柏キャンパス)ができたこともあります。

 しかし3つもキャンパスが必要なのだろうか?東大キャンパス間輸送ってそんなに東大って人いましたっけ?ちなみに武蔵工業大学の横浜〜世田谷間の場合(無料シャトルバスが走っています)それほど乗っていないのでせいぜい2〜3倍の人数しかなく、しかもその半分近く(?)が教養のキャンパスにいる東大をそれほど意識する必要はないと思います。しかし鉄道側の対応として、もしこう言った高速バスが好調ならば、武蔵野線や東武野田線直通の通勤ライナーなども必要になってくるかもしれません。

東大柏キャンパス
 投稿者--- 矢切
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月13日 01時25分

 しかし3つもキャンパスが必要なのだろうか?東大キャンパス間輸送ってそんなに東大って人いましたっけ?

 六本木などのキャンパスを潰してますから。
 東大全体では「1万人以上いる」大所帯ですが、柏キャンパスの人口は比較的少ないと見られます。一部の研究課の大学院関係者のみでしょうから(学部生も少しいるかな?)。将来は今ある研究課の以外の研究課も移ってきて人口はさらに増える見込みです。

 筑波の高エネルギー研究所(KEK)などのバス停(=KEK以外からの利用があまり見こめない)で数名の利用があるのを考えると、柏キャンパスも(便によりますが)各便に数名送りこめるような良いお客さんになるのではないかと推測します。通学で使うというより、たまに(打ち合わせや授業出席の為に)本郷へ行くのに使うというような使われ方でしょう。鉄道だと大した数でなくてもバスだと数名は大きいです。

 柏キャンパス内・物性研究所のウェブサイトにアクセスガイドがありました。
柏駅からのバスと、東京からの高速バスと、柏インターからの裏道(爆)が載っています。

http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/kashiwa_map.html

 常磐新線の駅は柏の葉公園の東にできるようです。
 位置が正確には分かりませんが、東大キャンパスから歩いて15分以上かかるとなれば、鉄道開業後もバスを使う人がそれなりに多数出るでしょう。たとえ新駅まで送迎バスが出るにしても。

地図: http://www.ttp.or.jp/koutu.htm

Re:東大柏キャンパス
 投稿者--- brother-t
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月14日 02時30分

 矢切さんこんばんは。

 東大は大体武蔵工大の倍の人数ですね、実質1学部の学校に通ってる身としては早稲田や慶応、日大といったマンモス校に比べれば規模は小さいだろうし、せっかく学部のデパート状態になっているのだから1箇所に纏めてゼネラリスト養成のニュアンスを強めた方が良いような気がするのですが…、全くの雑感ですが

 筑波の高エネルギー研究所(KEK)などのバス停(=KEK以外からの利用があまり見こめない)で数名の利用があるのを考えると、柏キャンパスも(便によりますが)各便に数名送りこめるような良いお客さんになるのではないかと推測します。

 KEKと言うのは東大の施設なのですか?で無ければ、それは言えない様な気がします。

 位置が正確には分かりませんが、東大キャンパスから歩いて15分以上かかるとなれば、鉄道開業後もバスを使う人がそれなりに多数出るでしょう。たとえ新駅まで送迎バスが出るにしても。

 迎えのバスと言うのは無料バスでしょうか?だとしたら問題の様な気がします。税金で金持ちの多い東大生の為の無料バスを走らせたらその分「税金返せ」と言うのぼりが立つ様な気がします。とは言え15分位だったら普通の大学生(@武蔵工大)は歩くものだと思いますし、それ以上だったら路線バスも走るでしょう。ちなみに武蔵工大のバスは親会社の東急が走らせています。

送迎バス
 投稿者--- 矢切
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月14日 03時36分

 近未来交通地図というテーマからは大きく外れてすみません。問題なら削除してください。

 早稲田や慶応、日大といったマンモス校に比べれば規模は小さいだろうし、せっかく学部のデパート状態になっているのだから1箇所に纏めてゼネラリスト養成のニュアンスを強めた方が良いような気がするのですが…、全くの雑感ですが

 本郷や駒場のキャンパスには入りきらないし、本郷や駒場を捨てて柏へ移転するのはもったいないです(都心にある方が様々なところへのアクセスが便利)。
 柏キャンパスへ移る研究室はかつて、六本木キャンパス、田無キャンパス、本郷キャンパス、駒場キャンパスと散らばっていたものです。その意味ではまとまってきたといえましょう。

 KEKと言うのは東大の施設なのですか?

 違います。国立天文台や宇宙科学研究所などと同じく東大から分離した機関ではないかと推測します(それとも、ここは設立当初から別だったかな?)。理学系研究課との行き来は頻繁にあると思いますが、本郷と柏キャンパスの間に想定される需要よりはだいぶ小さいでしょう。

 迎えのバスと言うのは無料バスでしょうか?だとしたら問題の様な気がします。

 私の知る範囲で東大に送迎バスはありません。御茶ノ水と上野から都バス(学バス)が出ていますが、これには主に東大病院へ通う患者さんが乗っています。

 宇宙科学研究所は職員の送迎を行なうため朝と夕方に淵野辺駅まで無料バスが出ています。路線バスが事実上使えないためでしょう。でも17〜19時頃に帰れる人しか乗れないんですね。仕方なく歩いて帰ったこと多数。歩くと20分はかかります。

 柏には無料バスは出ないでしょう。ガンセンターなどがあるので路線バスが期待できるから。事務屋の数が増えれば朝夕だけマイクロバスが出るかもしれないけど学生はそんな時間じゃ乗れないですね。

 金持ちの多い東大生

 東大は金持ちもいるけど貧乏人も多いです。国立大で授業料が安いから大学に行けたという人がたくさんいます(私は大学院時代に授業料免除を受け育英会の奨学金をもらってました。授業料免除になるのはかなり低所得の世帯だけです)。最近はやたら授業料が上がり、育英会の奨学金返還免除の対象は大学院に限定され、安い寮が潰れるなど貧乏人には辛くなってきています。貧乏な家でなくても、理学系の院生なんて学院の5年間が(原則)無給なうえ卒業しても就職の保証がないというか数年間ポスドクとしてただ働きする人が少なくないのだから、ほとんどみな貧乏です。

 愚痴ってしまいました。

 柏〜本郷でみると、常磐新線の駅までバスに乗るなら常磐線の柏までバスで出て、上野から本郷まで歩くって解も残りますね。これが一番安いし。

Re:送迎バス
 投稿者--- brother-t
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月14日 10時04分

 こんにちは矢切さん、「近未来交通地図」からは確かにずれましたねぇ。

 無料バスもあればあったで、路線バスが食われると言う問題はある訳なのですが、ラッシュ時に無料バスが走るのと路線バスが周辺の乗客もかき集めて出来る限り広い時間帯走るのとどっちが良いのでしょうか?

 東大は金持ちもいるけど貧乏人も多いです。国立大で授業料が安いから大学に行けたという人がたくさんいます。(中略)貧乏な家でなくても、理学系の院生なんて学院の5年間が(原則)無給なうえ卒業しても就職の保証がないというか数年間ポスドクとしてただ働きする人が少なくないのだから、ほとんどみな貧乏です。

 これは東大に限らず理系の大学ならどこでもある問題だと思うのですが…、単純に思うのは良く考えたら同じ歳で東大行った人が皆私立の中高一環校出身だったので何となくそう思ったのです。

 理系の院はどこも大変ですね、とは言えまず柏〜本郷間で学割が発行されるのか(武蔵工大では横浜〜世田谷も発行できます)、更に常磐新線がどの程度の学割の率になるのかも大きな問題だと思います。実際北総線沿線での値下げ運動で、今年度の黒字変換を見こんで(実際に四億円程度の黒字に別項でやるつもりなのですが)の事とは言え、学割の割引率が小さい為(60%程度、大手は70〜80%程度)そこを重点課題としているようです(月刊千葉ニュータウン 参照)。常磐新線の運賃が高くなるのは問題だと思うのですが、逆にそれが災いして学生を中心とした定期利用者が不便な他路線に移るとしたらこれはこれで問題だと思います。さてどうなるのでしょうか?

月刊千葉ニュータウン http://www.chiba-nt.com/monty2-0.htm#kiji-4

Re:送迎バス
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月16日 10時59分

 つくば線や筑波山線のヒットの素地も、研究施設との往来がありますね。工場などの事業所同様、東京など都市部への往復の裏返しとなる時間帯に、都市部からの出張需要が期待できるため、効率的な運行が可能になっています。
 全国的に見て、京阪奈の学研都市とかこの手の需要がありそうなエリアはまだありますし、大学の理工系研究施設というのも意外と多くの需要が望めそうです。
 大学の場合、文系だと学生がいるわりにサボって出てこないというイメージしかありませんが(都の西北部にある某私大も、出てこないから狭隘なキャンパスで間に合っているという話もある^^;;)、理工系の場合は通学需要よりも、大学相互間や企業・国家施設の研究者の交流による移動需要が多いです。
 個人名を出して恐縮ですが、矢切先生もまさにこうした流動に乗っている方であり、「あれば便利」「出せば当たる」路線のイメージがつくことと存じます。

***
 通学需要にしても、千葉の東金にある城西国際大学なんかは、東京駅や県内各地に通学高速バスを運行してますが、こうした需要をうまく把握して集約する形での路線設定は可能でしょう。またCTCのほうで出ていたアクア経由のゴルフ場のクラブバスにしても、「ゴルフ場銀座」である房総や茨城県内あたりは、数ヶ所のゴルフ場を回る形でバスを設定できるはずです。
#ゴルフ場の場合、公共交通&クラブバスの利便性が悪く(日曜だけ運転とか、プレー時間と合わないダイヤといった問題)クルマにしている人も多く、プレー後の一杯を断念したり、逆に飲酒運転をしたりという弊害もあるので、需要は多いはずです。

「規制緩和の光と影」  投稿者--- エル・アルコン (ホームページ)
 投稿日時: 2001年7月5日 09時48分

 6月27日から連載が始まった産経新聞の「規制緩和の光と影」、第3部の「英国の魔法の杖」はなかなか示唆に富んだものです。
 27日の第1回こそ、「蘇る大病人」と題して、サッチャー政権による英国病〜財政赤字とスタグフレーション〜の克服の概論でしたが、2回目のそれは「鉄道民営化その後」次いで「岐路に立つ鉄道王国」と続いたのです。4回目は「聖域なき民営化」と題して刑務所の民営化でしたが、第5回は「揺れる地下鉄」と、公共・公益事業を鉄道を中心に語った形になりました(以下、電力、ドッグランド開発と続いています) 。

***
 そのさわりを紹介すると、2回目のサブタイトルは「「安全は二の次」事故続発」と刺激的で、99年10月、死者31人、重軽傷260人を出したパディトン駅付近での正面衝突事故の模様からはじまっています。
 94年に始まった旧英国国鉄(BR)の民営化の検証ですが、重大事故は減っているとする鉄道監査当局である戦略的鉄道庁(SRA)の談話に対し、死者5人以上の事故は99年、2000年と続いたこと、そして小事故を含めた全鉄道事故は増加傾向にあり、99年度は1879件というデータが出ています。
 民営化と事故の因果関係を指摘する声も少なくなく、事故を起こした運行会社が時同列車停止装置の導入を勧告を受けながら見送った事実は、事故報告書の「安全対策に経営資源が集中されていなかった」という部分で証明されます。

 もちろん、サッチャー政権誕生前夜のBRの設備面での荒廃は著しく、さすがのサッチャー首相も民営化に及び腰だったフシがあったのは事実でしょう。実際、線路保有などのインフラ会社と25の運行会社という複雑な形態の民営化が決まったのはメージャー政権下であり、労働党のブレア政権になる前に見切り発車したという批判もあるように、制度設計を充分に詰めなかったという特殊要因はあります。

 しかし、SRAが過去5年間の投資金額が約8割増加したと発表する反面、駅施設の美化・改善・商業施設化といった「客の目に触れるサービスばかり一生懸命になる」という皮肉に代表されるように、安全より営利に走ったことは否めず、その結果が冒頭の破局とその繰り返しのようです。

***
 3回目のサブタイトルは「信頼回復へ「日本に学べ」」と、くすぐったいというか鼻白むというかの代物です。インフラ会社のレールトラック社を見舞ったレールのクラック多発から始まり、民営化による市場資金の導入で設備改善を図るはずが、補助金や設備使用料まで配当に回すという一種のタコ配という事実を述べています。
 JRCのロンドン事務所長に、「乗客の生命を守るためにいくら必要かをまず考える。その結果、ペイできないなら、資金をほかに回したほうがいいという発想」と語らせるように、安全対策も他部門と同列の収益部門として考え、投資家への配当確保を優先したツケが回った格好のようです。

 それでは「日本に学べ」ですが、技術革新やインフラ整備への巨額な資本投入と、高い安全性を維持する運行管理、職員の高い規律に強い印象を受けているそうです。
 英国自身もブレア政権が公共交通インフラに向こう10年間で1800億ポンド(31兆円)の投資計画を示し、そのうち鉄道は約3分の1の10兆円が投じられます。
 上記のSRAも実はブレア政権下で複数に亘っていた監督官庁の指令塔として設立されています。そして25の運行会社を22にし、営業権の契約期間を7年から20年に延長し、長期的視点での経営・整備を促す方向転換です。

***
 さて5回目の地下鉄は「国と市、民営化めぐり綱引き」と称し、部分民営化を目指すブレア政権と、交通行政機関による再建を目指すロンドン市の軋轢を紹介しています。
 長年の投資不足が祟り、定時運行率の低下、車両や駅の老朽化といった問題が深度化していますが、国によるインフラ部分の民営化、運行と駅の管理をロンドン市という部分民営化に対し、市はNYの交通局(NYCTA)の再建に辣腕を振るった人物をスカウトして公営交通として再建を図っています。
 これは、国の政策が地下鉄を第二のBRにするものという警戒感であり、一部に歩み寄りの兆しはあるものの、平行線のままです。

***
 公共・公益部門の民営化や規制緩和について、どういうわけか運輸部門のそれは、民営化や規制緩和の反面教師になることが多いです。例えば米国の航空業界は、規制緩和による競争のメリットを前面に押し出しましたが、実際は無理な競争下で安全対策を疎かにした悲劇的な事故や、過疎路線の維持問題、不透明な価格設定、規模のメリットが結局勝った結果の再寡占・価格上昇と、規制緩和前の謳い文句を悉く裏切るがごとき結果です。

 そして今BRの民営化と早々の路線変更はまた運輸業界での出来事であり、米加州の電力危機を合わせれば、公共・公益部門の規制緩和・民営化はその根本から是非を問われても致し方が無いといえます。

***
 こうした事態はなぜ起こるのでしょうか。4回目の刑務所は概ね良い状況のようで、刑務所の他、国防部門でも民間が引き受けているケースがあるようで、運輸部門の惨澹たる現状と対照的です。

 実は、英国の民営化と一口に言っても、その内容は多彩です。
 サッチャー期の国有企業の単純民営化、メージャー期の国有資産売却、民活インフラ整備と続き、ブレア期は政府機能のアウトソーシングに軸足が移っています。
 つまり、「より納税者に近く質の高い行政サービス」の担い手としての「民間」なのです。

 これが何を意味するのか、つまり、単純民営化による赤字切り離しや補助金の廃止、資産売却を含めて株式の売却益という、公共・公益事業自体のレベルアップではない、ストックの改善による財政改革にすぎないのです。民営化・売却されたセグメントも確かに好調ですが、それが公共・公益事業としてなのか、営利事業として邁進した結果なのか、定かでないのです。

 刑務所や国防部門のそれは、PFIの一環です。民間資金による外部委託といってよく、契約で規定された公共・公益サービスの遂行を守ることが条件となっているところが単なる民営化と異なります。刑務所にしても、国防部門にしても、提供すべき内容が規定されているからこそ、批判も無いのです。批判=契約違反ですから、退場するしかないのです...

 PFIによる鉄道事業というと、奇しくも5日の回で触れられたドッグランドのLRT(ドッグランドライトレール:DLR)くらいしか思いが及びません。この事業により「新都心」ドッグランドが第2のシティとして発展するきっかけとなったのですが、一方でこの事業はPFIでは異例の補助金を前提にした「事業」になっており、鉄道事業においては、純粋な民間営利企業の手に委ねて、サービスの維持と収益の確保を両立させることは困難ということをいみじくも実証した形です。

 BR民営化の場合はどうでしょうか。運行や保守を担当する各社に、サービス内容についての「契約」は無いはずです。企業として収益を上げたり、配当原資を確保するために、設備投資を抑制してサービス内容を落としたり、はては安全対策費も単なるコストと同列視ということです。
 サービスの維持、安全確保を万全にしたら事業が成り立たない、という批判に対しては、では、そもそも収支が償えない「事業」を民営化することへの是非から検証する必要があります。はじめに民営化ありきではなく、民営化(営利企業化)が可能なのか、それともPFI的にアウトソーシングとするのか、公共セクターの一部門として機能させるのか、細かく検討すべきです。

***
 くすぐったい賛辞をもらった我が国の鉄道ですが、昭和62年の分割民営化から14年が経過しました。この間、分割民営化によって良くなったという評価が大多数でしょうが、しかし、上記の賛辞や国民の評価をもう一度検証する時期に来ています。

 つまり、これらの改善ポイントやメリットは、分割民営化でないと実現しなかったのか、という根本の部分です。
 JR各社の「評判」は、JRWのアーバンネットワークやJRCの中京圏、JRQの福岡都市圏を除けば、そのほとんどの原形は旧国鉄時代に実現したものです。態度が良くなったという評価にしても、国鉄職員だと梃子でも動かず、JR社員だと頭が自然と下がる、なんてことは有り得ません。

 JR10周年の97年、各メディアが民営化を検証しましたが、結局賛美の対象も多くは、民営化当初の変化であり、その改善が持続しているという部分への検証が無かったのです。
 実際はどうでしょうか。民営化後5年くらいでしょうか。バブル崩壊までは確かに改善の跡が見て取れ、「鉄道復権」を高らかに唱える雰囲気でした。しかし、その後は明らかに「回収」モードであり、まさに見栄えのする部分の改善の反面、安全対策での不備が散見されています。小事故も多く、特にここ数年は英国並みの問題を抱えつつあるような気がします。
 またJR以外の各社も、鉄道事業だけで会社が成り立たないのか、副業への依存や、ろくな副業が無い会社だと、設備改善もままならず苦戦したり、安全対策を怠る例も遺憾ながら出てきています。

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 我が国の鉄道が英国のようになるとは思えませんが、放置すればそこに至る可能性を持つ萌芽は確かにあります。また公共・公益サービスとして必要な水準のコンセンサスを、国民、都道府県民、市長村民といった各レベルで詰めていないので、サービス水準が二の次になっている傾向が否定できません。

 産経というとかつての行革キャンペーンに代表されるように、行財政路線改革に熱心な新聞ですが、それがネガティブな連載記事を出したことも意外です。もちろん、なんとか肯定的な結論をと感じているようで、結びで強引にまとめていますが、逆に民営化や規制緩和も万能ではないという事実を早く認識したほうが、奇麗にまとまりそうです。

 真に国民の利益になるのは、結局は質の高い公共・公益サービスであり、それが実現できる最適な形態こそ選択されるべきものです。始めに「民営化」「規制緩和」ありきの議論をまず捨てる。ここから見直す時期でしょう。

2005.02.05 Update


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