【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.363)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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千葉モノ「お昼のお出かけ作戦」発動!
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/07/04 14:09:40)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
千葉モノ「お昼のお出かけ作戦」発動!
└〔千葉モノ〕廃止が一番おトクとは...
 └意見というよりは雑感ですが
 └北九州も苦境だが…

 千葉都市モノレールの今年度から始まる新事業「お昼のお出かけ作戦」が、今年度から始まった国土交通省の「広域的な公共交通利用転換に関する実証実験」に認定されました。

朝日 http://mytown.asahi.com/chiba/news02.asp?kiji=3195

 10時から16時の日中時間帯を対象に、全線フリーや専用定期を発売するそうで、地元商店街と提携した割引などもあるそうです。フリーは10月、定期は来年4月からの発売だそうです。

 ちなみに、ここもご多聞に漏れず経営が厳しく、累積赤字の絶対額では東葉ほどではないとはいえ、事業規模からしたら相当なもので、おまけに利用者が漸減傾向というのが辛いです。

〔千葉モノ〕廃止が一番おトクとは...
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/12/05 14:49:23) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 苦戦が続く千葉都市モノレールですが、12月1日に「千葉都市モノレール評価・助言委員会」が県庁前−中央博物館・市立病院前間の延伸ルートにつき、既存計画および別ルートになる三つの案を、いずれも単線で建設する計画で提示しました。

千葉都市モノレール新ルート 累損解消は依然困難 評価委予測(東京12/02)http://www.tokyo-np.co.jp/…

第2回評価・助言委員会の概要 http://www.pref.chiba.jp/syozoku/j_gaimono/kentoucyousa/tsuika/hyouka/2-hyouka/2-gaiyou.html

 延伸により利用人員は伸びますが、営業損失計上には変わりがなく、建設費の回収は困難です。
 既存開業区間でそのまま経営した場合、現在実施している利子肩代わりなどの支援がなければ30年後の2032年度には累損が706億円(02年度は183億円)に達する見通しなのに対し、延伸計画はいずれも数十億円レベルの「改善」となりますが、それも計画通りの利用が前提というある程度水物の数字です。

 年間5億円程度の利払を県と市が折半して肩代わりして年間10億円弱の赤字で、債務超過が02年度で83億円ですから厳しいです。それがインフラ部分の償却費が大半で、というのならまだわずかながらの救いがありますが、実際にはインフラの所有、維持についても一部肩代わりしてもらっているのが現実です。

 延伸関係でいちばん厳しいのは、延長して600億円台の累損を抱えるのに対し、既開業区間である千葉−県庁前を休廃止したケースが示してあることです。
 つまり、同じベースでの試算において、休止で645億円、廃止で578億円の累損まで「圧縮」出来るということであり、既開業区間の一部廃止により、30年間で約130億円(延伸後に対しても二桁億円の後半)の改善といちばん採算を向上させるという皮肉な結果が出ているのです。

 県庁前開業時に、同区間のあまりの不入りに、やめたほうが良いのではと冗談半分で考えたことがありましたが、それが数字として現れますとやはり衝撃であり、モノレール事業というのは一体なんだったのか、という気がします。
 もちろん社会インフラの整備において採算を絶対視することは危険ですが、利子肩代わりと赤字額をあわせると年間15億円。もともと道路インフラとして潜りこませた部分を含めると年間20億円はあるでしょうか。建設費のほかに、年間経費としてそれだけかけて確保・提供しないと行けないレベルなのか、その効果は厳しく問われるべきだと思います。

意見というよりは雑感ですが
 投稿者---World's Greatest Railway Enthusiast氏(2003/12/08 20:43:21)

 こんばんは。
 廃業案は以前からささやかれていた話ですが、こんなかたちでより具体的な案になるというのはこのモノレールのファンとしてはさびしい話です。

 乗ってみると分かるのですが、千葉都市モノレールは走行音が小さく、また、ゴムタイヤと大型電動機、勾配を有効に使える線形を生かして、巷でよく言われている「阪神ジェットカー並みの加減速」性能を発揮しています(各駅での進入速度を改め、開業後全線で3分近くの時間短縮を図っています/逆にいうと高加減速運転を行っても経営が良くならない見本みたいになってしまっていますが)。このあたりが私がこのモノレールのファンである理由なのですが、ファンであることとモノレール建設に妥当性があったかどうかを考えるかどうかは別の話で、県庁前〜千葉、千葉〜都賀間に関しては路線や需要予測(特に駅勢圏の設定)には問題があったのではないかと考えております。

 ネットで参照できる委員会の議事録などを見る限り、検討の中では採算が重視され、モノレールの持つ社会的な効用は重視されていないようですが、バスや軌道(京成千原線)が錯綜し、今後際立った人口の伸びが期待できない地域での路線整備の話であり、欧米流に財源を整備して維持すべきという提案はできるでしょうが、それだけする意義があるのかどうかには多くの人が疑問をもたれるのではないかと思います。
 余談になりますが、路線設定や需要予測の誤りで、当初の目論見が大幅に外れたケースとしてイギリスシェフィールドのLRTがあり、(人によって考え方は異なるでしょうが)私は両者に類似性を感じます。我々のように鉄軌道に愛着を持つ立場だと、モノレールよりはLRTを加点評価してしまいがちですが、近視眼的な計画によりLRTが建設されてしまったら同様の問題が引き起こされるかもしれません。そんな考えもあり、千葉のモノレール問題については再度調査の上、教訓を引き出しておくべきと考えております。

北九州も苦境だが…
 投稿者---551planning(2003/12/18 23:56:26)

 取り急ぎ情報提供がてら。

経営難の北九州モノレール 2両編成も視野 検討委(西日本12/18)http://www.nishinippon.co.jp/…

 北九州高速鉄道経営検討委員会は今年10月に初会合開催、委員長はかの浜松シンポの司会を務めた黒川洸東工大名誉教授。最近は営業レベルでコンスタントに黒字基調にあるものの、高金利時代の建設に伴う利払いに苦しんでおり、また開業20周年を目前として車両を中心に設備更新期を迎えるにあたって、北九州市が今後の方策を検討する上で有識者による委員会を設置したものです。

北九州高速鉄道経営検討委員会http://www.city.kitakyushu.jp/~k3502020/mono/

 現時点では10月の第1回議事録が示されていますが、一様にモノレールの意義と現実的必要性が指摘されるとともに、建設当時の事情と今後の方向性を勘案するに、債務免除を含めた抜本的対策が必要としています。今回の記事でもその方向性が強まっている印象を受けますね。
 日中2両化という部分については、現行車両ではなく新車投入時というイメージではないでしょうか。単純に云えば4種類の車両でなく2種類の車両にすれば単価ベースでも低くなるでしょう。なお第1回議事録では通勤通学脚の増加で『積み残しが出る程』との言葉も見受けられますので、3両ベースというわけにも行かないのでしょう(現行最短6分間隔。平和通(旧小倉)でのポイント交換になるため最短でも5分間隔までしかできないとの由)。そういう意味ではラッシュ時増結運転を念頭にしていた千葉の状況がなんともはや…という印象を持って実感できるところでもあります。

***
 設備更新は北九州に留まらず、今後モノレール・AGTで大きな問題になってくるものと思われます。鉄道車両についてはローカル・3セク用に留まらず通勤車でも共通化・標準化の流れにありますが、モノレールやAGTでは特に初期のものについては共通化が図り難いところもあることから結果そのまま車両単価に跳ね返ってくるということになります。そういう意味では先日参加した運輸政策研コロキュウムの席上で『埼玉新交通はどうやればクルマを50年持たせられるか…』との話が出るのも納得です。

東京ではコロキュウム「わが国へのLRTの導入は可能か?」 ../traffic/special/030.html#21

 ともあれ、北九州の委員会動向も今後チェックかもしれません。

向ヶ丘遊園モノレールへの雑感
 投稿者---串間氏(2003/08/09 01:08:37)
向ヶ丘遊園モノレールへの雑感
└さまざまな感慨
 └景観としても交通機関としても・・・
  └中量交通機関としてのモノレールの存在意義とメリット
   └モノレールの存在意義を敢えて問いたい
    └モノレールはやはり中量都市交通システムとして有望
   └ちょっとした違和感
    └ちょっと発散気味ですが
     └展論予約(多摩モノレール論分離)
      └一応の回答
モノレールの雑感
 └Re:モノレールの雑感

 地元ネタを少し。

 向ヶ丘遊園モノレールは、向ヶ丘遊園駅と遊園地を結ぶ1.1kmの路線でした。しかし、2000年2月、点検で台車部分の亀裂が発見され、そのまま廃止となりました。
 この影響がもともと成績のよくなかった向ヶ丘遊園の営業にもとどめをさしたようで(もともと、人の入りは全然でしたが・・・)、2002年3月をもって、遊園地自体も廃園となっています。
 遊園地の遊具は廃園とともに取り外され始め、同10月には小田急車窓からも見える観覧車、現在は全ての遊具が撤去されています。
 話がそれましたが、モノレールの撤去作業は2002年の夏から撤去作業が始まっており、2004年には完全に取り払われるということになっています。

 何せ住んでいる場所が場所なので、使うつもりがあればいくらでも使えるのですが、このモノレールは遊園を使う以外に利用する価値が全然無いため、私が利用した経験はたった1度にすぎません。それも幼年期の記憶です。遊園に行くときも、歩きか自転車でした。
 しかし、モノレールを眺める機会は山のようにあったと言っても過言ではないです。ダイエーに買い物に行くと、カシャンカシャンという音と共に、モノレールが来たか、と振り向いて確認したものです。走行音は今でも頭の中に残っています。だいたい、人はあんまり乗っていなかったですね。
 私の中での遊園モノレールは、「変わったもの」「汚く古い」、といった印象だったでしょうか。それでもずっと住んでいたため、モノレールを普通の光景として捉えていました。支柱には赤い錆が目立ち、それを隠すために駅付近の支柱にはペンキで塗りたてるなど。いろいろとやっていましたが、沿線住民はどんな印象を持っていたのでしょうか。
 廃止には特に驚く事はなかったです。そろそろ寿命だろうな、とは思いましたし、それを修理するだけお金の無駄である事は、輸送状況を実見でよく見ている以上、明らかでした。モノレール廃止を決めた時点で、遊園地の廃業も同時に決定されていたのかもしれません。

 そのモノレールの跡は昨年から順次撤去されています。駅前から本村橋までは完全に撤去され、残りも来年までかからないのではないかと思われるほどの急ピッチで撤去作業が進んでいます。
 そのモノレールの跡がなくなって感じたことは、非常にすっきりとしたな、というものでした。モノレールのあった通りの向こう側までよく見通せるようになり、街が明るくなったという印象です。今まで向ヶ丘遊園の街は何よりも街全体の印象が悪く、廃墟かと思えるようなビルや古臭い商店やスーパーなどが集まっていました。何より「街が暗い」と強く感じられたものです。
 しかし、モノレールの撤去によって付近の景色は一変したといって過言ではなく、それによってようやく普通の街になった、という印象です。廃墟かと思えたビルに巨大なスーパーが入り、遊園の街にも活気が出てきたように感じます。
 モノレールの撤去はお金がかかるから放置しておけばいい、と思っていたのですが、こうして撤去されてみると、想像以上の効果です。モノレールの軌道がここまで邪魔だったのか、と改めて実感させられるのです。

 こうした動きの中、登戸と向ヶ丘遊園の土地区画整理、登戸駅の南北自由通路、商店街の活性化にむけて、いろいろな動きが見られます。今まではこうした計画が出てはつぶれていくという繰り返しだったわけですが、近年の不況下、地元としてもかなり切羽詰ってきている事は事実のようです。今回も計画だけで頓挫するのかどうか・・・。

http://www.city.kawasaki.jp/20/20kityo/home/h13checksheet/31/31232.htm
http://www.city.kawasaki.jp/28/28syogyo/home/syogyo/bijyon.htm

 現在、私の住んでいる街では買い物をするには基本的にスーパーを使い(まず地元商店街は使わない)、それで足りないものは新百合ヶ丘・溝の口、さらには町田・新宿という行動を取ります。小田急の乗降人数を見て求心力があると感じるかもしれませんが、現実はそうでもなく、登戸駅利用者のほとんどは乗換客、向ヶ丘遊園駅利用者の多くは地元・大学利用者なのではないかと思います。
 そうした中、モノレールの撤去によって緑豊かな田舎の普通の街になった向ヶ丘遊園。これからどのように変わっていくのか、私としても興味があります。

 モノレールも時間がたてば古くなります。古くなれば景観上、街に悪影響をもたらします。それは街の更新上、下手すると足かせになりはしないでしょうか。
 話があちこちにそれてしまいましたが、はたしてモノレールという交通機関は、はたして現在ある街では将来的に重荷とならないのだろうか、と勝手な妄想を描いてしまいました。

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 管理人様へ。
 ログ収納時はURLは入れなくて結構ですのでよろしくお願いします。

さまざまな感慨
 投稿者---551planning(2003/08/09 18:33:39)

 先ずは串間様、御投稿有難うございます。しっかりログ収録させて頂きますよ。いろいろと示唆に富む御言葉もありますし、なによりお堅い議論ばかりが【検証:】ではないと思っていますので、むしろこうした視点・文章は貴重です。
 順序は逆になりますが、当方が感じた思いをそのままに書き散らします。

 モノレールも時間がたてば古くなります。古くなれば景観上、街に悪影響をもたらします。それは街の更新上、下手すると足かせになりはしないでしょうか。
 はたしてモノレールという交通機関は、はたして現在ある街では将来的に重荷とならないのだろうか、と勝手な妄想を描いてしまいました。

 まず串間様は御覧になられているかもしれませんが、向ヶ丘と同じシステムでありながらもやはり失われてしまった姫路市営モノレールについては、【検証:】でもお馴染みであるKAZ様のサイトが秀逸ですので御紹介しておきましょう。

モノレールのしおり http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 姫路以外の各都市モノレールはそれなりな線路規模及び沿線人口を有しているが故に経営的には、ということがあっても即廃止なり何なりという動きにはならないと思います。経営論に加え都市景観という意味でも千葉の例が良く引き合いに出されますが、批判論者にはではあれがなくなったらどうなります、という視点が欠けているようにいつも感じますね…。
 一方で技術実験線及び遊具規模のものについては将来が懸念されますね。東京都の上野懸垂線は首の皮ひとつ繋がりましたが、名鉄犬山モノレールはさて…。

 一方でこれは随分前に提示しているのですが、モノレールというシステム自体の成長性には懸念を感じています。基本システムは2つに収斂されていますが、それに見合う規模における導入は沖縄が最後になるような気がしています。準大量輸送機関のモノレールから中量輸送機関のAGTへ、そして同輸送規模ながらいわば「手っ取り早くメリット多い」LRTなり、輸送規模ちょいと落ちるがトータルシステムが確立されれば面白い存在になるであろうGWB(およびその派生系となる当方イチオシのIMTSなど)というように軌道系システムのレパートリーが増えた事もありますが、歴史経過及び経済状況の変化による導入可能性環境がかなり狭められてきたのではなかろうかな、と。

【モノレール】「文化」は継承されるか? log307.html#4

 モノレールの撤去はお金がかかるから放置しておけばいい、と思っていたのですが、こうして撤去されてみると、想像以上の効果です。モノレールの軌道がここまで邪魔だったのか、と改めて実感させられるのです。

 なるほど。姫路然り大船然り、どうなるでしょうか…一方でLRTはの人は泣いて喜びそうなおハナシかもしれませんが、やっぱりそれなりに都市インフラとして「活きている施設・設備」はまたそれで存在感を持つんじゃないかなぁと思ってみたりもします。東モノの芝浦や八潮辺りの運河を行く姿は子供ゴコロには無機的に映ったものですが、今見れば結構味があるなぁと。むしろ羽田空港への新線高架区間が無機的に映るようになってきましたねぇ。千葉駅前だっていまだしっくり来ないところはあれど、一方で近未来都市チックな光景は理解しないでもないですが…これは単に当方が歳を取ったせいかなぁ。

…というわけで所感までに。

景観としても交通機関としても・・・
 投稿者---串間氏(2003/08/09 20:26:41)

 こんばんは、管理人様。お付き合い下さってありがとうございます。
 ゆいレールの明日の開業を控えて、こうした話題もいいかなぁ、と思い投稿させていただきました。

 KAZ様のサイトも書く前に拝見しました。もちろん【検証:】での議論も。
 遊園のモノレールも姫路のモノレールも、なくなっても影響がほとんどないという路線だったことが致命的でした(路線が短すぎです)。向ヶ丘遊園の場合は、遊園地がある以上、廃止は難しかった、というのが事実です。元の経緯が、府中街道の改良に伴って導入されたという経緯があったと思います。ですから、ほぼ必然的にモノレール、だったわけです。
 姫路の軌道がまだ残っているというのは凄いですね。廃止から20年以上も経っているのに、撤去しようという声は無かったのでしょうか。
 私もずっと住んでいましたから、モノレールに対する思いはあります。軌道も、せっかくだから残して置けば・・・というのもあり、撤去作業を見ていて少し悲しかったわけですが、撤去された後の衝撃は大きかったです。明るさが全然違います。
 もっとも、これはモノレールに限ったことではなく、電柱を取り除いたり、鉄道の地下化などもそうでしょうか。都心で見ることができる首都高も、なくなったら相当すっきりするような気がします(おいおい)。
 だからなくしてしまえ、というつもりは全然ないですが、景観を考えることも重要なのだな、ということを感じさせられました。効率を考えると高架式の方がスピードも出ますし、環境にもいい。でも、こうした視点も必要なのかな、と。
 私は沖縄に行ったことがないので分かりませんが、議論を見る限りでは国際通りに入れなかったのは正解だったと思います。

 経営論に加え都市景観という意味でも千葉の例が良く引き合いに出されますが、批判論者にはではあれがなくなったらどうなります、という視点が欠けているようにいつも感じますね…。
 軌道系システムのレパートリーが増えた事もありますが、歴史経過及び経済状況の変化による導入可能性環境がかなり狭められてきたのではなかろうかな、と。

 問題は、モノレールを作るぐらいならば、HRTかLRTにしてしまった方がよかったのではないだろうか、という素朴な疑問です。もちろん、ガイドウェイバスという方法も確かにありそうですが。
 例えば多摩モノレールですが、仮にHRTであった場合、利便性もあいまって南武線・武蔵野線と比較してかなりの競争力を得たと思います。川崎縦貫・小田急多摩線・西武狭山線・西武新宿線と直通していれば・・・、なんて、これも妄想ですが・・・。
 モノレールというのは近未来的な乗り物ですし車内からの景観もいいですが、交通機関としては中途半端という印象がどうしてもあります。
 ゆいレールはどうなのでしょうか。地層的に地下鉄が難しかったとしても、高架式普通鉄道になぜしなかったのでしょう。やっぱり補助の問題だったのでしょうか。

 やっぱりそれなりに都市インフラとして「活きている施設・設備」はまたそれで存在感を持つんじゃないかなぁと思ってみたりもします。東モノの芝浦や八潮辺りの運河を行く姿は子供ゴコロには無機的に映ったものですが、今見れば結構味があるなぁと。むしろ羽田空港への新線高架区間が無機的に映るようになってきましたねぇ。千葉駅前だっていまだしっくり来ないところはあれど、一方で近未来都市チックな光景は理解しないでもないですが…これは単に当方が歳を取ったせいかなぁ。

 でも、買い物をしたりする生活の場だと全然違ってくるんです。これは強く感じます。
 他にも、都市に住んでいる人達が古い車両に興味を持って地方の鉄道に乗りに行くことがあったとして、その人たちは嬉しくても、はたして住んでいる人たちはどうなのかな、ということです。私の住まいは南武線沿線でもありますが、マニアが103系カナリア色が貴重だと言っても、住民には他路線から入ってきたお古、というイメージは消えないわけです。・・・例えになっていないでしょうか。

 何かどんどんモノレールの話題からそれちゃっていますが。
 まとまらないですね。やや失礼があったかもしれませんが、こんなところで。

中量交通機関としてのモノレールの存在意義とメリット
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/08/10 00:21:02)

 串間様、こんばんは。おひさしぶりです。
 多摩(都市)モノレールを時々利用するぼくとしては、モノレールに対する見識が、串間様とは少し違うようなので、レスさせていただきます。

 モノレールというのは近未来的な乗り物ですし車内からの景観もいいですが、交通機関としては中途半端という印象がどうしてもあります。

 串間様のご意見は、モノレールは都市の景観を損ね、交通機関としても中途半端なものだから将来性はないのでは?、というものだと思います。

 まず、串間様ご指摘の都市の景観という視点ですが、モノレールの軌道があることが、そんなに都市の景観を損ねているのでしょうか?。
 モノレールは一般的に、広い道路の中央部分や河川の横などに沿って建設されることが多く、それにより都市景観が損ねられるということは、ほとんどないと思われます。
 小田急のモノレールが撤去され、周辺の景観が向上したとのことですが、それは、あくまで串間様の主観(失礼)かと思います。
 ぼくは、多摩モノレールの沿線に居住していますが、ぼくの接する人からの情報によるかぎり、多摩モノレールにより景観が損ねられた、という意見は聞いたことがありません。

 次に、モノレールは中途半端だとの意見に、反論させていただきます。
 串間様もご存知かと思いますが、普通の20m車両(電車)1両の定員は100名少々です。
 一方、一般の大型バス1台の定員は50名少々です。
 ということは、20m車両6両編成の電車が一度に運ぶ乗客の数は、バス約12台分ということになります。
 もっと分かりやすくいうと、20m車両6両編成の電車が10分おきにある駅を発車するということは、それがもしバスならば、12台ものバスがある駅を10分おきに同時に発車する、ということになるわけです。
 このように、通常の電車とバスの間には、ものすごく輸送力の格差があるわけです。
 そのちょうど中間あたりの需要に適するのが、モノレールであるといえるのではないでしょうか。

 多摩モノレールなどは、そういった需要にマッチした、まさにベストチョイスされた交通機関であるといえそうです。
 現に、多摩モノレールは、現在すでに減価償却前の単年度黒字経営になっており、利用者もどんどん増え続けているとのことです。
 一方、通常の鉄道で開業した一般の新線(地下鉄を含む)は大赤字に苦しんでいるところが多いようで、そういったことが、マスコミ等でも時々報じられています。
 それが、モノレールがすばらしいのだということの、なによりの証拠ではないでしょうか。

 最後にモノレールの利点として特筆すべき点は、なんといっても乗り心地の快適さ(ゴムタイヤのため走行音がきわめて静かで、揺れも少ない)や、車内からの景観のすばらしさでしょう。
 地下鉄などはアメニティーの点では、大きな車内音・車内からの景観の悪さ・トンネル内のための圧迫感などで、最悪ということになりそうです。
 これからの社会は、交通機関においても、車内のアメニティーはますます重要視されてくるものと思います。

 モノレールはこれからも、近未来の交通機関の代表的なものとして、ますます発展することでしょう。

モノレールの存在意義を敢えて問いたい
 投稿者---串間氏(2003/08/10 02:59:54)

 小田急電鉄だいすき様 こちらこそ、お久しぶりです。

 まず、串間様ご指摘の都市の景観という視点ですが、モノレールの軌道があることが、そんなに都市の景観を損ねているのでしょうか?。
 小田急のモノレールが撤去され、周辺の景観が向上したとのことですが、それは、あくまで串間様の主観(失礼)かと思います。
 ぼくは、多摩モノレールの沿線に居住していますが、ぼくの接する人からの情報によるかぎり、多摩モノレールにより景観が損ねられた、という意見は聞いたことがありません。

 主観とはいえましょう。しかし、小田急モノレールがどのような場所に立地されているがご存知でしょうか。あの狭い向ヶ丘遊園の駅前の道路に建設されています。ご指摘のような場所ならばともかく、生活の場にこれを引くと正に最悪といった印象を受けます。
 多摩モノレールはまだ新しいからよろしいでしょう。道路建設と一体化して造られてもいます。私も見ていて景観を損ねたと思うことはないです。しかし30年後どうなるでしょうか。向ヶ丘遊園のモノレールも現在になってそのように思われるような事は、考えも付かなかったのではないでしょうか。
 そうした先のことを考えると、私にはやはり疑問符がつきます。

 次に、モノレールは中途半端だとの意見に、反論させていただきます。
 通常の電車とバスの間には、ものすごく輸送力の格差があるわけです。
 そのちょうど中間あたりの需要に適するのが、モノレールであるといえるのではないでしょうか。

 バスと電車ではスピードが違います。よって新規需要効果が異なります。鉄道を敷いてバスと輸送量が同じでは困ります。というか、意味ないです。
 中間を取る程度の需要ならば、私はいっそのことバスで済ませればいいのではないかとすら思えます。これは、個人的な感覚によるものなので押し付けるつもりは全然ありませんが・・・。

 多摩モノレールなどは、そういった需要にマッチした、まさにベストチョイスされた交通機関であるといえそうです。
 現に、多摩モノレールは、現在すでに減価償却前の単年度黒字経営になっており、利用者もどんどん増え続けているとのことです。
 一方、通常の鉄道で開業した一般の新線(地下鉄を含む)は大赤字に苦しんでいるところが多いようで、そういったことが、マスコミ等でも時々報じられています。
 それが、モノレールがすばらしいのだということの、なによりの証拠ではないでしょうか。

 この文章の根拠になっているソース開示を請求します。なぜならば、この数字は私の知り得る数字と著しい乖離があるからです。
 多摩モノレールのサイトを参照してみました。財務表に書かれているわけですが、単年度で26億円の赤字となっています。これを枕に論を立てるとすると明らかにおかしいと感じられるからです。

http://www.tama-monorail.co.jp/outline/settlement.html

 私も財務関係については素人なので大きな読み間違いなのかもしれませんが(だとすれば訂正してお詫びいたします)、これを読む限り、正に火の車といった状況が読み取れます。というか、新しい交通機関は最初の10年以上は赤字が増え続けるのは自然な状況です。なぜなら、建設当時に全て税金で埋めてしまうと、その後使う人は税金を納めずに交通機関による利便性を受益することになって不公平が生じるからです。そのため、敢えて利子負担が重いことを承知の上、借金をして建設するという方法をとっているのが公共交通機関の現状のはずです(違っていたら教えて下さい)。
 ここあたりは私の説明の範囲を超えているので識者の方からの説明をあおぎたいところですが、これでモノレールがすばらしいとする根拠には欠けると思えます。
 一番儲かっていそうな東京モノレールでさえ、あんなに運賃が高い。それだけでなくJRに買収される状況です。どう考えてもモノレールが発展していくとは思えません。

モノレールはやはり中量都市交通システムとして有望
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/08/10 09:56:10)

 串間様、さっそくのレスありがとうございます。

 まず1点目の、モノレールは年数が経過すると景観を損ねるのでは?、とのご意見にコメントいたします。

 モノレールについては、串間様もお詳しいと思いますが、あえて方式について載せさせていただきます。
 これまでに廃止された小田急や姫路などのモノレールは、ロッキード式という鉄のレールを使用するものです。それに対し、多摩モノレールなどそれ以外のものは、ほとんどゴムタイヤを使う方式のもので、まったく違います。
そのため、鉄を使うロッキード式はメンテナンス期間を長くとると、鉄さびなどがたれ、美観を損ねるといったことがあったのだろうと思われます。
 多摩モノレールが30年後にはボロボロになるのでは?とのご心配ですが、開業後、かなりの年数を経た東京モノレールが、今もきれいな状態であり、都市の美観を損ねていないようだということを勘案すれば、心配ないもの思います。
 余談ですが、ぼくは以前、小田急モノレールのすぐそばを通り、学校に通っていましたので、小田急モノレールの景観はよく知っています。

 次に2点目(鉄道とバスの比較が無意味では?)についてです。
 鉄道とバスのスピードが違うのは、だれもが知っていることです。
 であればこそ、その中間の速度(そうはいってもモノレールはけっこう速いです。多摩モノレールなどは区間によって、時速60キロまでだします)の交通機関が必要なのではないでしょうか。

 次に3点目(黒字)についてです。
 東京多摩地区在住者間では、この多摩モノレール黒字の話しは大変有名なのですが、串間様は、神奈川県在住者とのことで、ご存知なかったのでしょう。
 詳しくご説明せず、申し訳けありませんでした。

 まず、黒字というのは「減価償却前」の黒字であるということを、お断りいたします。串間様がリンクを張られた多摩モノレールのホームページは、「減価償却後」の赤字だと思われます。
 しかし、減価償却前とはいえ、これだけ開業から短い期間で黒字転換できたことは、建設・維持費が一般の鉄道よりもかなり安いといわれる、モノレールなればのことではないでしょうか?。

 多摩モノレールの黒字化については、大手検索エンジンで「多摩 モノレール 黒字」で検索すれば、数え切れないぐらいの記事がでてきますので、参考になさってください。
 その中で一つだけ、載せさせていただきます。

http://member.nifty.ne.jp/suzutama/mono2.html

 ちなみに、ぼくは平成14年度の減価償却前単年度黒字は確認していませんが、その後赤字になったという記事は見ていませんので、減価償却前黒字は引き継いでいるものと思います。

 最後に、大赤字といわれる鉄道の新線ですが、代表格としては埼玉の某高速鉄道などでしょう。
 利用者が当初見込みの半分以下ぐらいしかいなくて、赤字額がどんどん拡大しているとかいう記事が、ネット上にいくつもありました。
 これについても、大手検索エンジンで検索すれば、数え切れないぐらいの記事が見られます。

 こういった内容に詳しい方には、周知のことをながながとレスしてしまい、申し訳けありませんでした。

 これからも、他の新交通システムとともに、高速中量都市交通システムとして、モノレールはどんどん発展していくものと思います。

ちょっとした違和感
 投稿者---551planning(2003/08/10 09:28:51)

 多摩モノレールなどは、そういった需要にマッチした、まさにベストチョイスされた交通機関であるといえそうです。
 現に、多摩モノレールは、現在すでに減価償却前の単年度黒字経営になっており、利用者もどんどん増え続けているとのことです。
 一方、通常の鉄道で開業した一般の新線(地下鉄を含む)は大赤字に苦しんでいるところが多いようで、そういったことが、マスコミ等でも時々報じられています。
 それが、モノレールがすばらしいのだということの、なによりの証拠ではないでしょうか。

 既に串間様からも要望が出ていますが、何らかの裏付けは欲しいところですね。個人的には後者、すなわち地下鉄等の普通鉄道は大赤字だが(多摩)モノレールは償却前黒字ゆえ、規模と経営環境のバランスが取り易い故に優れているのだという御主張でしょうが、では概ね普通鉄道だと失敗しがちとなるのでしょうか。一方モノレールがダメというつもりも無いですが、千葉の例を引くまでも無く、規模と経営環境のバランス維持はなかなかに難しそうでして。

***
 自分でもちょこちょこ調べていましたが、都のサイトに興味深い資料を発見しました。

「機能するバランスシート−新交通システムとバランスシートの役割−」の報告について(2003/06/12) http://www.metro.tokyo.jp/…

 ああこれなんで知らなかったんだろう、と思えるほどのかなりのデキと見ました。まださらっとしか見ていませんが、むしろ常設板での都市鉄道経営論にも一石を投じる資料かもしれません。ちなみに多摩モノの「解答」も出ていますよ…。

***

 モノレールの利点として特筆すべき点は、なんといっても乗り心地の快適さ(ゴムタイヤのため走行音がきわめて静かで、揺れも少ない)や、車内からの景観のすばらしさでしょう。
 地下鉄などはアメニティーの点では、大きな車内音・車内からの景観の悪さ・トンネル内のための圧迫感などで、最悪ということになりそうです。
 これからの社会は、交通機関においても、車内のアメニティーはますます重要視されてくるものと思います。

 なるほど、後段については理解します。しかし車外景観は如何でしょうか。当方も社会インフラとしての存在価値がゆえに許容されるものであり、かつ実際に周辺に根付く存在になっているという例示もしましたが、向ヶ丘の例はある意味目から鱗でした。姫路や大船も社会情勢推移からの分析がなされた優れたサイトの存在を御紹介していますが、一般的には「棄景」的興味関心から語られる事が多かったことは、その地域の停滞を暗に示す存在と受け入れられていたとも解釈できそうです。
 一方、個人的にモノレールの弱みを高速性能の低さに見ます。何も都市モノレールは観覧車的な性格ではありませんし、特に多摩モノレールの場合複数都市核および放射鉄道路線の有機的結節機関としては駅位置のズレなど惜しむというより強く批評される存在という事もできようかと。確かに地下鉄の場合上下動の苦がより強くなりそうですが、天候に左右されないという利点を見出す事もできます。
 結局何がいいたいかというと、どのモードにせよ一長一短があるわけで、あれはダメこれがいいとは一概に言えないということです。これまでは建設費に焦点が置かれて地下鉄は高い、モノレールは安い、LRTはもっと安いという観点が多かったと感じていますが、これからは既存の公共交通やクルマ、自転車などの二次三次交通との融和や、まさしく御指摘される地域社会における存在価値という観点からの各モードの取捨選択がなされるべきではないでしょうか。

 建設費論を差し置いても前述の通り、AGTからGWB、LRTという流行の流れを見ても『モノレールはこれからも近未来の交通機関の代表的なものとしてますます発展する』かどうかは当方はかなり懐疑的です。かなり良い線まで行っているのは事実、ただし千葉では意図した流動が結果的には違っていたと断じられましょうし、詰めの甘さというか手続の手間や建設費を惜しんだ結果が多摩モノには端的に出ていると見ます。小倉や大阪はネタとしてはちょこちょこと聞きますが、地域交通としての存在価値はどうなんでしょうか、興味のあるところです。

 中途半端に書き散らしましたが、皆様の御意見を踏まえ整理してゆきたいところです。

ちょっと発散気味ですが
 投稿者---串間氏(2003/08/10 22:43:59)

 本日、ゆいレール開業。健闘を祈ります。長い目で見たいですね。
 テレビで見ました。ゆいレールって2両編成だったんですね。都市規模からいったら、沖縄に入れる交通機関とは思えない(もっと輸送量が大きくてもいいはず)ですが、車社会になった地域だと、かなり事情が複雑なようですね。
 道路が渋滞するような地域で、それなりのスピードで鉄道への輸送転換をするという意味では、社会実験としてモノレールは優れた交通機関なのかもしれません。勝手に自分の枠で決めつけに走ったことに反省しています。

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 管理人様の提示された資料を見ました。これ、凄いですね。かなり貴重な資料ではないでしょうか。都がここまで検討したのは、石原都政のたまものでしょうね。
 さらに見て驚きました。多摩モノ、ここまで酷いことになっているとは・・・。そして意外なまでのゆりかもめの健闘ですね。
 ただ、やはり取り上げなければいけないのは、同時に建設される道路インフラの問題ですね。これを入れるとゆりかもめですら耐えられないと見ると、道路がもともと充実していない限りは費用面で見てもふさわしくないのでは・・・。
 とりあえずこれぐらいにしておきますが、多摩モノレールがこのままの状態で推移するとすると、設備更新すら危うくなるわけで、大ピンチですね。万願寺あたりは開発の動きが見えますが、まだまだという感じです。ますますやばいですね。
 この問題は別に議論してもかなり面白そうですが、ここでいったん切ります。

 都市景観論については、管理人様がうまく言葉で表して頂いたのですが、その都市の浮沈は重要な問題です。もちろん、そのインフラとしての価値がありさえすれば問題ないのです。使われない道路などと比較してみればいいかなとは思いますが、無駄に見えるハコモノほど惨めに見えるものではないでしょうか。同様に空室の目立つようなビルもまた、惨めと言えないでしょうか。
 それは正に管理人様の言葉『「棄景」的興味関心』『その地域の停滞を暗に示す存在』です。
 向ヶ丘遊園のモノレールをネットで検索してみると、既にそうした面からとらえる向きもあります。
 実際に向ヶ丘遊園と登戸ですが、はっきり言って寂れています。交通至便であるにもかかわらず、商店街の更新が進まないのも、ある意味そうしたことを映し出していたのかもしれません。多摩急行が導入された時には、「遊園急行通過の第一歩か?」というような声が地元では飛び交いましたが(地元紙より)、「何で通過するんだ!」という声は全く上がりませんでした。それほど遊園住民はコンプレックスを感じているわけです。それほど自虐的に地元を捉えざるを得ないような街でしかないのです。遊園地が廃園になった時も然り、これで急行が停まらなくなる、という噂が流れたものです。
 もちろん、それは今のところはないと断言できますが、仮に新百合ヶ丘まで複々線化されれば完全に危険水域に達します。
 古さもまた魅力。しかし、適度な循環がなければ、やはり停滞でしかないのではないのかと、溝の口・立川・新百合ヶ丘といった周辺地域の強烈な変化を見るにつけ、なぜここだけが、という悲壮感を同時に抱いてもいるのです。開発こそすべてではないとは分かっているのですが・・・。

 モノレールについて。正直感情的に語ったきらいがあったことをお詫びしておきます。管理人様の「あれはダメこれがいいとは一概に言えない」という言葉の通りかと思います。
 しかし、それでもモノレールを敢えて選択することには賛成しかねるのです。そもそもモノレールでも成功しえるのならば、それこそもう一つ上のHRTではなぜだめなのか。モノレールでも無理ならば、それこそバスで十分では。
 特に同時に整備される道路の存在がある意味厄介で、多摩モノレール沿いの道路が混雑している場所はせいぜい立川周辺ぐらい。下手するとモノレールよりも早く目的地に着きそうです。これでは準大量輸送機関としての実力が疑われます。

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 小田急電鉄だいすき様、ソースについては了承しました。減価償却前の黒字であるということですね。二次情報ではありますが、一般的に見て信頼できるソースと認識しました。
 しかし、減価償却前の黒字ははっきり言って当然ではないかと思います。埼玉高速の例は極端な例ではないでしょうか。
 加えて管理人様の提示されたデータを鑑みると、周辺自治体が何らかの穴埋めをしている可能性も否定しきれないとすら感じます。
 批判的で恐縮ですが、吟味していただければ幸いと存じます。間違いがあったらご指摘ください。

展論予約(多摩モノレール論分離)
 投稿者---551planning(2003/08/11 00:36:32)

 ゆいレール、初日から抑止ですか…乗りすぎたかな?そう、全通初日の多摩モノのように…。

 特に同時に整備される道路の存在がある意味厄介で、多摩モノレール沿いの道路が混雑している場所はせいぜい立川周辺ぐらい。下手するとモノレールよりも早く目的地に着きそうです。これでは準大量輸送機関としての実力が疑われます。
 加えて管理人様の提示されたデータを鑑みると、周辺自治体が何らかの穴埋めをしている可能性も否定しきれないとすら感じます。

 ここいらはちょっと見過せない気がします。
 先ず前者ですが、確かに立川から多摩川を渡る区間については道路整備もなされていますが、周辺道路環境の貧弱さゆえ劇的変化までには至っていないはず、これは立川以北も然りかと。そもそもこの区間への軌道系公共交通の必要性はかなり高かったですし、これは乗ってみればはっきりとわかるはずです。少なくとも「バスでいい」とは言い切れない乗りを実感できようかと。
 後者ですが、推測でも根拠が無い以上はどうやって証明します?の世界になりますよ。「穴埋め」というのも聞こえが悪いというか、何に対して自治体が支出するのか不明朗という事はまずありえない話です。何も慎めというわけではありませんが、モノレールの可能性の是非論証においてはイエローカードかもしれませんね。

 実は2年以上前にとも様、エル・アルコン様も参加された緊急現地オフなんぞもやってました…(遠い眼)。その前までは結構批評的だったのが、乗ってみていやいや、と思ったのを強く覚えています。
 ともあれ、多摩モノ論はじっくりやって見たい気もあります。御猶予を頂き、別スレで展論してみたいと思います。

全線開業1周年…真価問われる多摩モノ log313.html#2
多摩都市モノレールの「意義」と「日本跨座式モノレールという選択」をどう捉えるか log364.html#2

一応の回答
 投稿者---串間氏(2003/08/11 00:56:48)

 確かに立川から多摩川を渡る区間については道路整備もなされていますが、周辺道路環境の貧弱さゆえ劇的変化までには至っていないはず、これは立川以北も然りかと。そもそもこの区間への軌道系公共交通の必要性はかなり高かったですし、これは乗ってみればはっきりとわかるはずです。少なくとも「バスでいい」とは言い切れない乗りを実感できようかと。

 私の実見ではどうしてもそういうところにまでは至れないという所です。特に多摩ニュータウン周辺の道路整備はかなり充実しています。確かに中央線を越えるとかなりひどいというのはご指摘の通りです。
 軌道系公共交通の必要性の高さについては誤解を招く書き方があったことをお詫びしておきます。
 私自身は多摩モノレールの可能性を否定するものではありませんが、交通機関としてもっと計画を洗練して欲しかったと感じています。特にスピードと各駅の乗換です。
 そして妄想ではありますが、モノレールよりは高速輸送の可能なHRTであれば、とは感じていました。

 推測でも根拠が無い以上はどうやって証明します?の世界になりますよ。

 謹んでお詫び申し上げます。非常に不用意な発言でした。反省しています。

 失礼致します。

モノレールの雑感
 投稿者---KAZ氏(2003/08/12 00:31:34) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。モノレールネタなのでちょっとだけ首を突っ込もうかと。

 まずモノレールの規格ですが、個人的には興味があるモードですが今の日本跨座式標準規格には賛同しかねます。やっぱロッキード式が・・・(笑)
 中量〜大量の間に位置する規格として導入適地は限られるのかも知れませんが、軌道桁自体はかなり簡素なものですから駅施設などを簡素化すればAGT相当の需要でも対処できそうですし、他との親和性を顧みなくてもいい状況なのであれば案外使いやすいモードではないかと思っています。今の日本跨座式標準規格は低速なことと走行抵抗の大きいゴムタイヤを使う方式が好きになれないでいますが、あれだけ簡素な軌道で「準大量」までこなせるマージンの広さは評価できるのではないでしょうか。

 景観の問題ですが、同じ高架軌道を比べれば普通鉄道・LRT・新交通(AGT)・ガイドウェイバスなど他のどれよりもボリューム感は少ないと思いますよ。あんな細い軌道桁だけですからね。小倉駅から上を走るモノレール桁を見上げ、「もしこれがAGTだったらすごい圧迫感なんだろうな」と想像したことがあります。逆に六甲アイランドで新交通の高架軌道を見上げ、「いくらAGTで簡素な高架だとはいえ、モノレールに桁に比べたらボリューム感があるよなぁ」と感じたことも・・・。軌道桁の汚れもロッキード式特有の問題も相まったものだと思われますし(ロッキード式は鉄レール&鉄車輪なので摩耗による鉄粉飛散があり、それが錆付着の原因になる)、きちんとメンテナンスさえすれば汚れ対策は可能でしょう。コンクリート劣化についてはモノレール特有の問題ではなく他のモードでも起こり得る問題であり、これもメンテナンスでクリアできる問題でしょう。

 モノレールは簡素な軌道で幅の広い輸送量に対処できる交通モードとして、本来ならもっと評価されてもいいと思うのですが、分岐器構造が大袈裟かつ複雑なことから複雑な運転形態が採りにくく、また日本跨座式規格がAGTと同程度の速度しか意識していない点から本来モノレールが持つ特性を活かせずに至っているのが残念です。せめて東京モノレール程度の高速走行性能があれば「高速性重視ならモノレール」という導入動機を持たせられたのですが、今の規格なら新交通と変わらないですから・・・。しかしLRTが視野に入るご時世ですから、今更モノレールや新交通を積極的に導入しようとする所は減るでしょうね。輸送量の「幅」という点ではLRTほど広いものはありませんからね。路面電車から地下鉄・都市間高速鉄道まで幅広くカバーするマージンには敵いません。個人的には完全立体化が前提ならモノレールは悪くない選択だと思いますが、これからの普及という点では難しいだろうと考えています。

 あ、最後になりましたが姫路の軌道桁は徐々に撤去が進んでいます。いくら簡素な軌道とは言え撤去にはそれ相応の費用がかかるようで、他の事業に支障を来す場所から部分的に撤去されていっています。

 ということで雑感ばかりですが、ではまた。

Re:モノレールの雑感
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/20 18:42:15) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 雑感の尻馬に乗っかります(笑)

 モノレールは東モノや湘南モノレールのように一部区間で地下に潜ったりトンネルに入るという例外はありますが、基本的には高い桁の上もしくは下を走行するわけで、いきおい眺めがよいわけです。
 この特性から「乗ることに楽しみを覚える」ということが可能であり、公共交通機関であると同時に遊園地の遊具に近い側面もあります。

 上野動物園のモノレールが今もあるのはまさに後者であり、動物園の敷地内のわずか300mの区間、移動手段としての意義は皆無に等しいです。
 逆に廃止されたグループは向ヶ丘遊園、古くは姫路市営もそうですが、事実上遊園地のエントランス、つまり遊園地の遊具の一環のようなものでありながら、交通機関色が強いのが災いしたのかもしれません。姫路市には中間駅(大将軍駅)や延長計画もありましたが、事実上手柄山公園のアクセス専用でした。
向ヶ丘遊園もそうですが、いっそ遊園地のエントランス代わりにして、モノレールは遊具と同じ扱いとして運用(遊園地の入場券を買えば乗れる)したらどうかなとも思います。
 現在も走っている名鉄の犬山遊園のモノレールもそうです。中間駅はありますが、遊園地と成田山への足に特化しているわけで、これも遊園地と見なしてしまうとか...(成田山が「参拝料」を取っていないので難しいですが、乗車券がおみくじになるとか...)

 その意味で気になるのは舞浜リゾートライン。いちおう舞浜駅という接点はありますが、事実上TDRエリアの閉鎖空間での運用で、それなりの半径ですが一方通行と、交通機関という色彩は薄いです。しかし、パスネットはあるわ、定期もあるわとバリバリの公共交通であり、逆にTDLの「パスポート」などでの利用は出来ません。
 本家米国・ロスのディズニーランドにあるモノレールは逆にディズニーランドのチケットが無いと乗車できないシステムとは好対照です(園内に乗り入れるから当然ですが)。

 このあたり、OLCの連結子会社とは言え、経営上も敢えて峻別した効果がどうなのかが気になりますね。

2004.11.02 Update


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