【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.344)
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【バス】基本的な話…ミニバスとコスト削減
 投稿者---打越健太郎氏(2002/07/06 15:32:03)
【バス】基本的な話…ミニバスとコスト削減
└ミニバスとコスト削減はひっくるめて語れないかな?
└ミニバスはコスト削減かな?
 └ミニバスはコストにメリット?
└Re:【バス】基本的な話…ミニバスとコスト削減

 打越健太郎です。こんにちは。先日の道路整備特別会計について,まずは補足致しますね。平成14年度予算においては,以下の部分がLRTのインフラ整備に使えるようになっています。

(項)道路事業費
  (目)交通連携推進道路事業費
(項)街路事業費
  (目)交通連携推進街路事業費

 制度は確実に良い方向に進んでいます。今後は軌道法の改正が目標ですね。鉄道事業法と整合性の無い部分(ex.鉄道の廃止は届出制に変わったのに,軌道の廃止は許可制のままになっている)も改めねばなりませんから,改正はそんなに先のことではありますまい。

***
 さて,今回はバスに関する基本的な質問をさせて頂きます。ミニバスを活用したバスシステムの改善が「ムーバス」以来,盛んです。これ自体は,もともとキメ細やかなサービスが得意なバスの長所を生かした名案というべきでしょうね。
 そんな中で,既存のバス路線についても大型バスをミニバスに改め,コストを削減したり,或いはその浮いたコストを増便などのサービス向上に生そうという話を耳にしたことがあります。ただ,この話を聞いた際,僕としては「?」と感じてしまいました。

 確かにミニバスは燃料も少なくて済むでしょう。維持・補修費が安くつく,というのも何となく判ります。でも,バスというのは確か,典型的な労働集約産業で,もっともコストが掛かるのは従業員(運転手さん)の人件費だったと思います。大型バスもミニバスも運転手さんは1人で,この点は差がありませんよね。小回りが利くので回転が良い(渋滞などにも巻き込まれにくい)としても,それだけで大した差になるのでしょうか。

 皆様にお伺い致します。通常のバスとミニバス,1キロメートル営業あたりのコストは幾らで,うち人件費はどのくらいなのでしょうか。通常の路線バスをミニバスに変えると,どの程度,コストを削減出来るのでしょうか。

 ご教示下さい。 

ミニバスとコスト削減はひっくるめて語れないかな?
 投稿者---551planning(2002/07/08 21:27:03)

 打越様、御無沙汰しております。先日のLRTに関する議論で、当方も参戦しようと思っておりましたがなんだかシリキレトンボ…ですねぇ。当方も現在勉強中でして、今夏のうちにはレポートをお目に掛けられようと。一回これまでの意見集約を皆様とさせて頂きたいとも思っております。

 さて、当方もミニバスの可能性を云々しておりますので、きっちり返答をば。

 既存のバス路線についても大型バスをミニバスに改め,コストを削減したり,或いはその浮いたコストを増便などのサービス向上に生そうという話を耳にしたことがあります。ただ,この話を聞いた際,僕としては「?」と感じてしまいました。

 具体例は聞かれたことはございますか?当方が思いつくところで積極的なのは京王バスと関東バスでしょうか。かつては大型3扉車を主軸としていた両社ですが、先日の松ノ木線レポートでも触れましたがもともとミニバス分野における7m中小型市場を創出させたのは日産ディと京王の共同開発によるRN型でして、以後京王では積極的に小型バスを導入していますし、関東バスも9mクラスのノンステ車への置き換えに積極的です。
 ただ打越様も明記されている通り、バス事業費用の多数が人件費になります。よってミニバス導入での直接的支出(車両購入費用や燃費、メンテなど)はおしなべれば一般車と比べて些細な低減にしかならないかと思います(特に車両購入費は補助金対象ですから会社持ち出し分としてはあまり変わらなくなるかも)。具体的数値を出して答えられないことは御了承頂ければと思いますが…(むしろそういったデータはあるのかな?)。
 人件費の削減は頭の痛い問題です。特にこれまで春闘と連動してきた大手私鉄では業界でも高水準の賃金体系にあったわけですが、分社化の進展で現在ではバス事業を本体で持つ会社はわずか3社(西鉄・京成・京急)になりました。中小ではこうした策にも限界があり、静岡の東海自動車のように一旦清算した例や、茨城の日立電鉄のように地域分社後再合併した複雑な例もありますね。地域分社化の端緒となった西鉄でも更なる限界が露呈しかかっています。

 単に大型バスを小型車に置き換えた、という例は当方の知る限り些少かと。小型バスは硬直化した既存路線維持の発想から、まさしく裏道を通ることでの柔軟性発揮、新路線設定による「攻め」の方向へ舵を切ったものと評価しています。ただある程度の都心部でしか効果が現れない、あるいは持続しないという評価もできる以上、「救世主」とは到底捉えられないのも事実ですが…。

ミニバスはコスト削減かな?
 投稿者---和寒氏(2002/07/09 12:59:33) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 打越様、御無沙汰しております。

→あくまでも一般論ですが、バス会社の人件費は総費用の6〜9割を占めるとされていますから、残り全てが車両費として、小型バス化で1割削減しても1〜4%の費用削減にしかなりません。
 しかも、小型バス導入による償却前スクラップの可能性、共通運用できないことによる所要台数の増加を考えれば、むしろコスト増要因になりかねない面がありそうです。

 ここ長野では、市内循環バス「ぐるりん号」が知られていますが、これは中型バスが導入されています。車両の共通運用不可という不利はあるのですが、これは既存バス路線との競合緩和を図るための妥協的措置と聞いております。道路幅員は充分ありますし、利用も堅調ですから、通常ならば大型バスの導入が妥当なところでしょう。
 長野北部にはローカル路線が多いですが、閑散路線でも大型バスを使っている路線が多いようです。これは、専ら中古車を導入しているからかもしれません。私の知っている限りでは、長野地区での小型バスは、中野−古牧−飯山という、極端に狭隘な旧街道を往く路線だけです。木島線転換バスも、途中の県道に幅員の狭い箇所がありますが、それでも大型バスを導入しております。

 詰まるところ、幅員狭隘という物理的制約がなければ、大型バスの方がコスト的にも有利なのではないでしょうか。現象面だけをとらえた直感で申し訳ありませんが、そのように思われてなりません。

ミニバスはコストにメリット?
 投稿者---とも氏(2002/07/12 00:48:55) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 内閣府の調べではバス会社の費用構成の75%が人件費です。そう考えると小型化ってメリットがなさそうですが・・・そうでもないようです。
 数字やデータがあるわけではないのですが、まずは車庫のスペースが小さく出来ますね。さらに新車になると整備が簡単になります。当然バス自体が小さくなれば車重が軽くなりますので燃費もいいですね。
 さらに排ガス規制が大きいです。旧来からの大型バスに比べ最近の中小型バスは排ガス規制強化対応されていますので、NOxなどの規制が厳しい首都圏などでは下手に大型を入れるよりもさまざまなメリットが考えられ、需要に対応できるのならば中小型バスのほうがよいのかもしれません。

内閣府 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koukyou/bus/bu01.html

 詰まるところ、幅員狭隘という物理的制約がなければ、大型バスの方がコスト的にも有利なのではないでしょうか。現象面だけをとらえた直感で申し訳ありませんが、そのように思われてなりません。

 客一人当たりで見れば大型のほうが当然有利ですが、客がさほど多くないのならば中小型で対応するのが結果的にコストダウンなんでしょうか。

 解らないままにあいまいな答えですが。ではでは

Re:【バス】基本的な話…ミニバスとコスト削減
 投稿者---くらかけ氏(2002/07/31 10:36:15)

 具体的な数値が出せなくて恐縮ですが、ムーバス(関東バスもち)については本来40人乗りで設計された車を改造(というか内装の工夫)により「29人乗り」として製造・登録したそうです。
 これは、それによって「大特」ではなく単なる「大型」免許での運行が可能になり、将来的に運転士を専門の要員(定年者の再雇用を想定していたとのこと)にする際に通常のバス運転士と違った勤務・給与体系にすることで人件費の削減を狙ったのだそうです。

#でも、まだ実行には移されていなかったと思います。

 原典はムーバス運行までのいきさつについての本(タイトル忘却、「ムーバス快走す」だったかな?)です。

 今、仕事のため米国はシアトルにいるので裏取りをせずに書いているのですが、ご了承ください。こちらの交通体系のことについても機会を見つけて書き込んでみようかなと思っています。

結局何が言いたいのかハッキリしろ!
 投稿者---GM陰謀説氏(2002/08/11 19:25:02)
結局何が言いたいのかハッキリしろ!
└LRTのある生活。
 └生活という視点
 └トラム・ナショナリストひとりごと
  └都市・交通プランナーの戯言
   └しかし某交通局が!
   └トラム・ナショナリストひとりごと(2)
    └続:都市・交通プランナーの戯言

 結局ここに投稿している人の意見を読んでいると、LRTに対して批判的な意見ばかりが目立っているようです!
 結局本音は、導入反対なんでしょ!
 GMがトンネル会社のPCLやNCLを使って鉄道のバス化を進めたのはご存じだと思いますが、それに使われていたバスが改善命令が出る位最低なバスだったらしい(GMはことごとく当局からの改善命令を無視した)。そしてそんなバス路線も乗客数が減り、廃止される、そして車が無くては生活できない環境を作り出した事を、無視してはいけません!

 そういえば、アメリカは16才から免許が取れるそうですが、これにもGMが関与しているとか、なんでも車の販売の伸び悩みに困ったGMが、親が駄目でも子供のために親に買わせれば良いという発想かららしい!

LRTのある生活。
 投稿者---551planning(2002/08/11 23:47:40)

 オシャレな電車に乗って街へ行き、トランジットモールで買物をする…LRTのある生活。憧れます。
 憧れますが、どうでしょう。郊外のパワーセンターへクルマで行き、纏め買いをする。そんなまさしくアメリカナイズな生活が地方での日常となりつつある現状。それまでの市街地商店街が寂れる新しいドーナツ化現象とも云える問題でしょうが、一方でパワーセンターは一挙に大きな雇用を生み出すことも事実、周辺地域からのカネの集積は現実認識として見逃せない のではないでしょうか。

 GM云々という御説には興味を惹かれません。むしろクルマが生活の主軸になったという事実そのものをどのように評価し、向かい合い、その中での公共交通とはを考えてゆくのが当板の役割なのではないかと考えます。その中でLRTはあくまで一手段に過ぎないのでは?
 「軌道原理主義」「自動車原理主義」というコトバも最近よく目にしますが、当方自身は好きな言葉ではありません。現実問題として自動車偏重の世であることは否定できません。目線を変えればそれこそがこれまでの日本産業界を支えてきた主軸そのものでもありますし、より個の社会が進んでゆく中でクルマのあり方そのものから目を背ける事ができようはずもないでしょう。
 そんな中、果たしてLRTは救世主足りうるのでしょうか?つい20年前まではAGTこそ未来の交通システムともてはやされていなかったでしょうか…当方は「憧れ」を抱きつつ、常に懐疑的にこの場に臨んでいることだけは、事実です。

生活という視点
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/14 00:19:48) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 日本でLRTを根づかせるにはどうしたら良いか。結局、導入を検討する都市における生活パターンをきちんと把握するところから始めないといけません。
 551さんがお書きになったような、トランジットモールのあるお洒落な街並みを前面に押し出してプレゼンしても、それが自分達の生活の一部になるイメージがあるかどうか。「応援団」からみたらオシャレな街並みを行くLRTに喝采を送るでしょうし、商店街も雑誌で取り上げられるような有名な街角になる日を夢見るのでしょうが、それが住民の「日常生活」にどれだけ寄与するのでしょうか。

 日々その街で暮らす住民にとっては、結局幹線道路沿いのショッピングセンターのほうが生活に資すると判断するかもしれませんし、それを「クルマに毒された」と軽々に批判することは慎むべきでしょう。オシャレなお店で夕食の買い物をし、朝食のフランスパンを抱えるような生活が出来る余裕があるのは一握りです。多くの住民にとっては、遅くまで開いてて、まとめ買いが出来て安い店のほうがありがたいのです。そして現在の社会自体が、共稼ぎで買い物は退勤後の夜更けか休日というライフスタイルへの移行を促していますし。

 余談ですが、鉄道ジャーナル9月号の阪急電車のルポで、我が家から然程離れていない神戸線岡本の街並みが紹介されていました。実際岡本・(摂津)本山エリアはファッション雑誌で神戸特集があれば欠かせない街で、記事もまさにオシャレなモールという雰囲気の描写ですが、実際には角を曲がるとダイエーがあり、駅前のビルには実はコープこうべがあり、市内でも有力な金券ショップの本部があるなど、極めて泥臭い部分もあるのです。
 言い換えれば、そういう清濁を併せ呑まないと「日常生活」をする街とはなり得ません。そしてLRTとセットで語られる「街づくり」が「日常生活」の視点を保っているか。そのツールとして相応しければLRTも成功するのでしょう。

トラム・ナショナリストひとりごと
 投稿者---和寒氏(2002/08/12 09:34:40) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 私はトラムが好きである。だから、こういう記事を書いたことがある。

ぼくは名鉄美濃町線 http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/6283/boku/00.html

 しかし、素朴な「好き」という感情だけでは、トラムを活かせないことにも気づいている。そのような思いを綴ったのが、以下の記事である。

交通システムとしての路面電車 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/5256/pub/20.html

 狭義LRTを活かしていくためには、社会的合意を得られる土俵が要るとともに、一定の自然的(地理的・社会的)条件が必要である面もある。

名古屋鉄道美濃町線の輸送改善策を検証する http://www.geocities.jp/history_of_rail/mino/00_1.html
熊本市電に見る路面電車の可能性 http://www.geocities.jp/history_of_rail/kumamoto/00.html
グルノーブルへの旅 
http://www.geocities.jp/history_of_rail/euro/grenoble/00.html

 「目的」が「手段」を活かすことにあるならば、どういう事柄であれ、うまくいくはずがない。「目的」をかなえるためにその「手段」を活かすことが最適であるならば、誰にとっても幸せである。
 トラムあるいは狭義LRTの不幸せな部分は、「手段」として活かしやすい場面が少ない、という点にある。それは自動車との関連だけで語れる不幸ではない。日本の都市構造や土地利用規制、あるいは高度成長経済や大都市圏一極集中などとも深く関連してくる。
 岐阜の場合は、モータリゼーションの高度化、郊外型開発などの影響を被った面も大きいが、名鉄の打ってきた施策が最適でなかったことも効いている。

 「マイ・フェア・レディー」を育て上げるには、深い愛情と、相応の知的背景を持っておく必要がある。声高に叱りつけるだけというのは、ンリー・ギンズ博士の流儀ではなかったはずである。

都市・交通プランナーの戯言
 投稿者---とも氏(2002/08/12 15:58:42) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 和寒様の思い、共感する部分が多いです。
 私の思いをば。

 私は都市や交通のプランナーを本職にしています。実際のフィールドにおいて公共交通や道路交通の計画を立てるのが仕事です。
 その立場からするとLRTというものは非常に悩ましい存在です。

 私の個人的な思いとしてはLRTなどが我が国で普及すれば・・・との思いは強くもっています。エドモントン、ポートランド、シドニー、香港、サンノゼなどのLRTに乗り、そのすばらしさは十分理解しているし、また、広島や岡山、松山なども何度となく訪れており、路面電車の良さは十分に把握しているつもりです。都市内交通としてもいくつもの都市で基幹バスや普通鉄道にも乗り、その問題点、長所短所を明確に認識しているつもりです。
 であるからこそLRTを我が国に普及させるには様々な課題があり、単純に入れればよいというレベルではないと認識しています。
 現実の都市計画や交通計画においてLRTを使えるのはどの程度か。採算性、需要面、都市構造とのマッチング・・・なにもアメリカ型ということではなく、日本の強烈なまでの郊外スプロールを生む国民意識を含め正直難しいです。

 LRTはいまや基幹バスよりも導入障壁は少ないです。国土交通省の補助制度も充実し、いまや軌道整備のほとんどを道路事業で行えるようになり、TDMなどとのパッケージ施策も採用しやすい。車両すらも一般会計から潤沢な補助があり、補助制度がいまだ弱いバスに比べれば採用しやすい。しかし、基幹軸として軌道系をどう活かすかの議論は不可欠であり、まず都市構造をどう変えていくかという基本的な議論を重ねなくてはなりません。

 面サービスの自動車とLRTの両立、自転車やバスとの連携こそ今のLRT導入論で忘れられてしまうことの多い部分であり、こう言った部分をしっかりさせなくてはならないでしょう。

 私は軌道系に関してはナショナリスト的に導入論を展開するタイプです。しかし、どこかしこもLRTや路面電車などとはプロとして言えない。それだけのことです。
 AGTを勧めるケースは都市構造や地形制約、GWBなどの段階整備を考えるようなケースではありえましょう。モノレールもしかりです。
 適材適所が私の持論であり、場合によってはLRTでも整備を進めるべきではないというケースも当ありえます。
また、郊外型自動車型都市構造でもLRTが活かせるケースはあり、LRTではないですがエドモントンやオタワはまさにそれです。

 GMの陰謀云々をここでとやかく言っても仕方がないでしょう。日本にはGMは大した影響力があるわけではないのだし。過去の話でGMや自動車会社を叩いてもなにもでません。GMを訴えるのですか?GM陰謀論はあくまで推測でしかないんですよ。学説としての裏付けもない。都市計画系学会でもいまだ定説化していない。研究課題としては非常におもしろいですが、その域を未だでていない。
 服部氏もかかれているとおり、そうかもしれないと言う話をここで事実として扱うのですか?
 今のロスのTDMにGMが多額の出資をしていること、ポートランドTDMにGMが協力してカーシェアリングが成功していることなどはどうとらえるのですか?
 過去のロサンゼルスの都市形成に我々が異論を唱え、だから自動車はだめだと言ったところでなにになるのでしょうか。私にはさっぱり理解できません。そんな話をマスコミが取り上げたってだから何なの?で終わるのがオチです。
 なぜならロサンゼルスには今やLRTが走り、バスがネットワーク化され、TDMの導入とセットにしたパッケージ的公共交通優遇策がすすんでいます。
 その現状はマスコミは当然知っている。

 そういった議論ではなくもっと前向きの議論をしませんか?

 なんで我が国ではいまだLRT導入が進まないのか、国土交通審議会都市計画分科会において導入を進める旨の答申がでているのに、どうして地方が動かないか。議会がとか政党がという話の前に本当に必要な都市はどこなのか。そういう具体的かつ有意義な議論をしなくてはなりません。都市構造として必要となれば普通の議会や行政は導入を検討します。宇都宮やさいたま市、沖縄がその典型ではないですか。LRTを目的化せず、都市構造として必要だから手段として入れるのだという姿勢を明確に出している。そういった観点がこれからのLRT導入論に必要なんです。ただ、闇雲にLRTがすばらしいといったってだれも振り向かない。ただのマニア論に思われちゃうんです。

 厳しめですが、まずは。ではでは。

しかし某交通局が!
 投稿者---GM陰謀説氏(2002/08/12 19:36:09)

 LRTはいまや基幹バスよりも導入障壁は少ないです。しかし仙台市交通局とゆう猛者がいますぜ旦那!

トラム・ナショナリストひとりごと(2)
 投稿者---和寒氏(2002/08/12 17:37:20) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 およそメーカーというものは、自社のシステムを採用させるべく、様々な活動をするものです。例えばドイツでは、国内がアウトならば外国に活路を求めようと、トランスラピッドのシステムを外国にセールスを続け、中国で成功しかけています。フランスは国を挙げてTGVのセールスをかけ、韓国での車両システム採用に成功しています。日本は、台湾において成功していますね。
 フランスの某中量交通システムメーカーなど、よくぞここまでトレースするなあと感心するほどの活動を、日本国内で展開していました。私のような門外漢の手許にまで資料が回ってきたほどですから、よほど精力的に動いていたはずです。
 繰り返しますが、メーカーというものは上記のようにセールスするものです。セールスしない限り、会社としての存在価値がありません。

 そのようなセールスの中から最善の選択肢を選び採るのが、ユーザー・サイドに立つ計画者であるべきです。
 とも様の御意見はことごとく至言であり、特に「適材適所」は交通を考えるうえでの必須条件です。
 山手線にLRVを導入せよとは、誰もいわないでしょう。宮島線に新幹線車両を入線させろということも、やはり誰もいわないでしょう。たとえゲージが同じであったとしても。
 以上は極端な比喩ですが、適材適所というのは、つまりはそういうことなんです。中量交通機関として、狭義LRTがなかなか俎上にのぼらないというのは、単純にその都市での適材ではないということのあらわれにすぎないと思います。

 なぜ狭義LRTが適材になりにくいかというと、No.228(初期投資に道路予算が使えたとしても)に記したとおりで、「相応の需要を路上に導くことが社会的に見て妥当といえるかどうか」疑義が残るからです。頻繁に列車がくる路線において、連続的な踏切が都市空間に出現することは、大きな摩擦を惹起します。かといって、列車が頻繁にこないような路線であれば、そもそも新規に整備する意義もありません。
 このパラドックスに如何なる解を与えるか。それが出来ない限り、狭義LRTの新規導入は至難であるというのが、私の考えです。

(初期投資に道路予算が)使えたとしても log342.html#99

続:都市・交通プランナーの戯言
 投稿者---とも氏(2002/08/13 16:42:22) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 和寒様のおっしゃること、大変よくわかります。
 LRTは非常に優れた交通機関です。路線設定の柔軟度は高く、運賃システムなどに課題はあるものの輸送密度にあわせた輸送力をつけることもできます。
 道路内への整備自体は法制度だけではなく事業制度も充実し、また、都心部内におけるアクセスの問題も少なく、バスや自動車との組み合わせでかなり大きな効果が期待できます。
 が、問題もあります。幹線道路との交差をどうするのか。立体交差が王道ですが、その場合コストがかかります。AGTに比べると勾配に弱く、また鉄軌道の欠点である振動、騒音はいくら制振軌道を採用し、車輪にゴム弾性素材を用いてもAGTと比べると大きくなります。
 運行コストも全自動は不可能ですからそれなりにかかりますし、立体交差の場合の構造物もAGTに比べ強固なものが必要です。
 つまり、適材適所を突き詰めていくと、LRTを選択しないという仙台市のような思想を認めなくてはならず、GWBやAGTを金のかかるものと断罪はできないのです。
 その都市構造に最適なものを選択する。そのときにはバイアスをかけてはならない。基本ですね。でも、今のLRT導入運動の多くは路面電車ありきなんです。その都市それぞれの事情、地形要因などさまざまなファクターから選択していくにあたり、狭義LRTを選択されてこなかった。ただそれだけのことにすぎません。

 もうひとつ、考えなくてはならないのは交通計画は長い時間のかかるものということです。LRTが話題になって10年ちょっとです。この間に都市交通計画を調査、立案し、事業にまで踏み込めるのはそうそうないと思われます。
 ですから最近になって沖縄や金沢など形になってきたのです。車両を入れるだけならたかだか数年です。しかし新規に引くとなると非常に長いスパンで物事を考えなくてはならないのです。ストラスブールもグルノーブルも導入に下準備から考えていけば10年近い時間を要しています。ウィーンは市電の昇華ですらいまだ終わっていません。
 新規導入都市なら都市計画自体の見直しからですから非常に時間をかけなくてはならない。あたりまえの話です。採算性、環境影響、自動車対策、都市計画、土地利用の方向性、開発動向、人口動態、経済・産業構造・・・・さまざまな要因をすべて考えなくてはならない。その上で導入の是非に入るのです。

 新線計画をぶち上げるだけならだれでもできます。ただ、その都市の様々な社会経済などの要因を把握して需要予測を実施し、現実のものとするには長い時間が必要です。
 ここには当然住民合意も含まれます。
 それを経てようやく現実のモノとなる。そこを踏まえて物事を語らなくてはならない。
 運動があるからLRTを入れるべきで、LRTではなく地下鉄を選択したのが愚かといいたいのなら、理論的にしなくてはなりません。単に地下鉄はバリアフリーではないからLRTがいいんだというのはズレがあるように感じます。

 狭義LRTをわが国にしっかりした形で入れたい。そのためにはなにをすべきか。そしてなにが必要なのか。そこがポイントのような気がします。

何処の出版社でも、いいから日本語版出してくれないかなあ
 投稿者---GM陰謀説氏(2002/08/15 16:36:20)
何処の出版社でも、いいから日本語版出してくれないかなあ
└外国の鉄道雑誌の日本語版を一緒に作りませんか?

 イギリス国内で売っているライトレール&モダントラムウェイなどといった路面電車専門誌出して欲しいな!

外国の鉄道雑誌の日本語版を一緒に作りませんか?
 投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2002/08/16 21:05:19)

 GMさん。こんばんわ。相変わらずメールアドレス書いてくれませんねえ?

 私は、Lightrail and Modarntramways ではなく、Today's Railways を定期購読していますが、そんなに難しい英語で書いてある雑誌ではありません。「英和中辞典」ぐらいの辞書を横に置きながら、のんびりと読むのは私の趣味の至福の時です。
 鉄道雑誌は、イギリスでは、駅の売店でも売っているくらいメジャーな雑誌のジャンルで、これはさすがに鉄道発祥国だなと感心します。日本ではよっぽどのマニアでなければ買わないであろう「車両配置表」も駅の売店で売っています。鉄道は愛玩の対象ではなく、社会の一部なのです。

 そこで、GMさん、いかがでしょう?この掲示板で、そういう雑誌に書かれている外国のLRT事情を紹介してくれませんか?文章を読んでいると、GMさんは学生さんかな?と思うのですが、英語や外国語の勉強も兼ねて、ぜひ、私たちにあなたの興味のある記事の日本語での要約を教えてほしいのです。きっと、そのような投稿をきっかけとして、掲示板での議論や対論が展開すると思うのです。私も勉強したいと思いますし、おそらく掲示板を読んでいる皆さんもGMさんに期待していると思うのです。

 この掲示板には膨大な過去ログのアーカイブもありますし、これまで皆さんが書かれたレポートを参考にして、同じようにあなたが知らせたい記事を是非、わかりやすい文章にまとめて投稿してみてください。きっと皆さんの興味を引くと思います。

 アドレスが書けないのは、おそらく機械の事情か何かなのでしょう?アドレスの書ける機械から接続して、この掲示板の議論対論に加わってください。

 GMさんがこの通りにしてくださることを、読んでいる私や皆さんは楽しみにして待っています。
 この掲示板群は、それだけで十分に鉄道雑誌の役割を果たしていると私は思っています。その筆者の一人としてGMさんがお約束をしっかりと守られ、ご活躍されることをご祈念申し上げます。

 掲示板管理人さんでもない、一参加者がこのような失礼を申し上げますことをどうぞお許し頂き、サイバー空間のみのおつき合いではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。

このホームページ一度覗く価値あり!
 
投稿者---GM陰謀説氏(2002/08/15 18:47:31)
このホームページ一度覗く価値あり!
└緑道公園について(横レス)

 城東電車復活を目論む会とゆうホームページかなり面白いです!
 緑道公園ってよく知らないんですが基本的にどうゆう場所なんですか!

緑道公園について(横レス)
 投稿者---くらかけ氏(2002/08/18 10:38:50)

 そのホームページを実際に見てみました。ちなみにアドレスはこれですね。

城東電車復活を目論む会  http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Cosmos/9059/

 掲示板のテーマと離れるのでごく簡単にします。「緑道公園」に定義があるわけではないようですが帯状に細長い公園を指すことが多いようです。このホームページにある「南砂緑道公園」の場合は昔の電車敷(専用軌道)の一部区間を廃止後にそっくりそのまま公園化したものです。自転車・歩きのときに自動車の心配をせずに安心して移動できるルートとして、私自身も活用しています。

早すぎたクイーン
 投稿者---KAZ氏(2002/08/12 01:10:37)
 
http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/
早すぎたクイーン
└「姫路の教訓」から学ぶこと
 └「後世の評価」が必要な時期
  └今更このネタにレスするのも何ですが・・・
 └夢の代償100億円?
Re:早すぎたクイーン
 └姫路市役所で・・・

 どうもです。昨今はLRTが都市交通機関としては新進気鋭のものとして取り上げられていますが、40年近く前にある都市が果敢にチャレンジした冒険を簡単にまとめてみましたので、よろしければご笑覧下さい。
 廃墟・廃線ファンの間では有名な「姫路市営モノレール」です。建設当時の市長の見識・構想などは非常に先進的で注目すべき物でしたが、どうも登場が早すぎたようです(笑)。
 かの2chで話がまとまってHTML化したもので、有志が画像などを出し合って組み上げたものなので、あんまりおおっぴらにPRしにくいのですが、ここでの議論の何かの参考になればと思いまして・・・。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

「姫路の教訓」から学ぶこと
 投稿者---551planning(2002/08/17 00:33:31)

 KAZ様、貴重な情報の御紹介、誠に有難うございます!改めてサイトを紹介させて頂きましょう。
 なお一文字変えるとこちらも既報のものですね…これも因縁と云えましょうか?

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/
http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/momo/

 大船と姫路は遺構が物言わぬ証人として長らく我々に訴えかけてきましたが、どちらも撤去が進みつつあるんですね。大船の場合は構造上の問題でしたが、姫路はルートの悪さ、騒音問題もあったとか。それでも車両を残していたことには未練ありありだったのでしょうか。写真は96年当時ということですが、現在も保管されているのでしょうか…。

 壮大な計画はさておき、準環状タイプの路線はあっても良かったかなとも。せめて1期線で白鷺城へのアプローチも考慮されていれば、違った展開になったとも思われるだけに…。
 それにしても、昭和30年代から県都でもない1地方都市で都市交通が検討されていたことには改めて驚かされます。それだけモータリゼーションの進展が見られた、ということでもあり、中量輸送システムの重要性を把握した上での挑戦であったと評価できるものと考えます。
 それだけに、現在のモノレールの置かれる状況が非常に気になります。特に千葉では検討調査委設置の上で事業方向性が議論されています。多摩のようにネットワーク構想がありながら、一方で埼玉狭山・所沢方面への延伸は需要ありとも「見えない壁」があるようで…。そんな中沖縄の誕生も待ち遠しくなってきました。

 「姫路の教訓」、それはAGTやLRT「ブーム」とどう繋がってゆくのか…当板はそれを踏まえた議論の場でありたいと思っています。

【モノレール】「文化」は継承されるか? log307.html#3

「後世の評価」が必要な時期
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/19 14:09:06) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 姫路の「先進性」を一つ挙げれば、それは「高速性」を考慮していたことでしょう。末期の向ヶ丘遊園モノレールに乗車体験がある身からすれば、鉄車輪方式のロッキード型が100km以上で走ると轟音もさぞやとは懸念しますが、現在各地のモノレールや新交通システムが振るわない理由の一つが「遅い」というクルマに対する競争力の欠如であることを考えると、その志の高さはもっと評価して良いと思います。もし当時の計画が実現していて現存していたら、競争力を相当に持ったシステムとなっていた可能性があります。

 互換性の無い交通モード採用への批判もありますが、昭和41年当時の姫路を考えると、80系電車と機関車牽引がメインの国鉄山陽本線、気動車や蒸気牽引の国鉄姫新線、播但線、旧型車両がまだまだ残る山陽電車といったラインナップであり、市内交通との親和性も何もあったもんじゃないレベルですから、全く新しい交通機関の採用を咎める状況でないことも留意すべきです。

 惜しむらくは播州の雄都であった姫路ですが、高速交通網を張るに足るだけの蓄積はなかったということです。独立都市としての性格は地盤沈下してますが、大阪、神戸の衛星都市としての側面も色濃くなった現在のような状況であれば、姫路と近郊を結ぶ高速鉄道としての価値を持つモノレールへの期待は高かったのでしょう。
 ポートライナーよりも15年も早く生まれたというだけでも驚きですが、手柄山遊園地の遊具のようにすら見えて、なかなか奥が深いものを持っていた姫路モノレール。そろそろ「後世の評価」をすべき時期なのかもしれません。

今更このネタにレスするのも何ですが・・・
 投稿者---KAZ氏(2003/04/25 13:26:32) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。

 先日ひょんなことからロッキード式の基本仕様が判明しまして、姫路市の車両は設計最高速度が90km/hのようです。加減速度は4km/h/secで、ごく標準的な「鉄道車両」の仕様ですね。しかし今の日本跨座式モノレールや標準的なAGTといったゴムタイヤ式に比べれば高速仕様となっており、郊外路線での速達化など融通の利くシステムだったようです。同時期に開発されていた東芝式(ゴムタイヤ型)モノレールでは、実用化路線であるドリームランド線の車両で最高速度60km/hの設計だったようで、他方式と違ってフラットな客室床を実現していたロッキード式の優秀さが光ります。おまけに様々な機構部分でも在来鉄道と同等の技術が用いられており、一般的な鉄道技術の発達をフィードバックすることも容易だったはずです。実際の走行を経験していないのでなんとも言えませんが、技術資料を見る限りでは、なかなか優れたモードだったようです。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/tec.html

夢の代償100億円?
 投稿者---551planning(2002/08/22 00:10:43)

 自己レスです。

 大船と姫路は遺構が物言わぬ証人として長らく我々に訴えかけてきましたが、どちらも撤去が進みつつあるんですね。

 ずいぶんと長い休止だったんですねぇ。ついにダイエーがドリームランド線の事業再会断念を決定したそうで。

ダイエーリリース http://www.daiei.co.jp/newsrelease/20020821/index.html
毎日 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020822-00002025-mai-bus_all

 毎日新聞サイト記事では100億かけて撤去するということで、当然というかなんと云うか、一応けじめを見せてくれたのは特記しておきましょう。リリースでも『交通計画などドリームランド跡地周辺の今後の街づくりについては、横浜市と協議を進めながら、協力して取り組んでまいります』としていることから未練もあり、ということでしょうか。交通事業に携わりたかったのかなぁ。

 と、こんな話も。

日経 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20020821AT1DI063121082002.html

 そもそも2月で店仕舞をしていたドリームランド跡地を中古車オークション会社USSが購入、関東地区の拠点を目指したものの付近住民との調整がつかなかったのか、結局横浜市に転売するとのこと。

***
 姫路、大船とも当方には記憶のないモノレールですが、物言わぬ遺構に改めて、交通革命をも志したであろう「ツワモノドモノ…」を感じ取りたいな、と思います。
 それにしても、HSSTは悲運というか…それだけに東部丘陵線の成功を祈りたいのですが、これまた…。

Re:早すぎたクイーン
 投稿者---KAZ氏(2003/01/30 01:47:59) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

今更なのですが、モノレールの現状と南進ルートを少しばかり探ってきました。
下記アドレスで簡単なレポートをアップしていますので、お暇なら来てよね♪ということです。姫路市の先進的かつ破天荒な建設ぶりに改めて感心しました(笑)

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

姫路市役所で・・・
 投稿者---KAZ氏(2003/02/03 19:31:12) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 本日、仕事に都合を付けて姫路市役所へ行って参りました。
 船場西ビルの計画について調べるつもりだったのですが、思わぬオマケ話まで聞くことができて大収穫でした。

 また整理したらご報告しますね。まさか単線ループだったとは・・・(笑)

2004.11.02 Update


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