【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.335)
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LRT早期導入断念の金沢市方針を評価する
 投稿者---551planning(2002/02/10 23:25:41)
LRT早期導入断念の金沢市方針を評価する
└勇気ある撤退か,単なる臆病か
 └方向性を見ずしては語れない
  └金沢市の決断を評価したい!
Re:LRT早期導入断念の金沢市方針を評価する
 └「シティーライナー」の憂慮点
  └Re:「シティーライナー」の憂慮点
   └金沢駅西−新県庁間に優先走行システム導入

 金沢市内中心部における交通対策を検討している市議会新交通システム・LRTやガイドウェイバスといった新交通システムの早期導入を困難と判断、市側は当面の代替策としてシャトルバス方式を基軸とする案を示した。(2/8日経・北国記事)

【検証:】注目記事紹介 http://moomoo.gaiax.com/www/moomoo/t/a/trafficmap/diary.html

 LRTを中心とした新交通システム導入が有力と目されていた地域だけに、意外な結果になったと思われる方もいらっしゃるかもしれないが、当方は当局の判断を大いに評価したいと考える。
 新交通システム導入の最大のネックとなったのは採算面とバス需要の低下が大きいとしている。そのため、当面は現在のバス輸送効率化を軸として模索してゆくこととなった。03年1月に新県庁―野町駅間でシャトルバス「シティーライナー」を運行し、05〜06年を目処にシティーライナーと接続する「フィーダーバス」を導入してバス網を再編するとともに、拠点でのパーク・アンド・バスライド駐車場整備を進めてゆく方針が示されている。その動向如何では新交通システムへの昇華という含みを持たされているのも気に掛けておきたいところ。

 金沢ではJR金沢駅と繁華街の香林坊、北鉄石川線の野町駅が分散していて、路線が集まる同区間でのバス需要も旺盛。金沢駅には北鉄浅野川線も入ってきているため、確かに一面的には分断されている北鉄の連絡を主としての軌道系導入も否定はできないところだが、広域的な面流動でいえば郊外へ直通するバス路線の存在は無視できないものがあり、実際金沢駅が唯一の起終点形BTを形成していることをも勘案すれば、バスシステムの強化が最適という結論はベターではないかと思われる。
 当然LRTなりが志向されるときにおいては、自動車流動との関係性を含めた議論が必要になってくることは当方も承知しており、その意味での都市型パークアンドバスライドという施策が全国的にいまだ受け入れられていないことへの検討も必要であると痛感はしているものの、であるからLRTを、というのも短絡的な考え方ではないかと感じている。無理というのは容易いとの批判は承知の上でなお、繁華街からの業務/自家用車の強制的な締め出しはなかなか難しいというのが受け入れざるを得ない実情ではないかと考える。

 基幹系と附随系路線の相互接続形態での既存バスシステムの再編は大阪市や盛岡などでも取り組まれており、ミニバスでは「ふらっとバス」が既に評価を受けている金沢だけに、方向性の浸透は比較的早いものと思われる。さらには本格的なバスレーンなどの導入も課題となるだろう。いずれにしても成功を祈りたい。

【LRT】金沢市・LRT導入有望か? log312.html
【金沢市】LRT導入の布石か? 交通実験 log305.html#3

金沢市交通政策課 http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/koutsuu/
北國総研 21世紀金沢都心再生計画 
http://hokkoku-souken.jp/toshi/

明日の金沢の交通を考える市民会議http://homepage2.nifty.com/shiminkaigi/koutsu.files/hyousi.htm

勇気ある撤退か,単なる臆病か
 
投稿者---打越健太郎氏(2002/02/11 04:38:02)

 打越健太郎です。現在,茨城県では予算編成・議案作成などの真っ最中。当方にその仕事が悉くおっ被さり,さらに国費(国庫補助金)の繰越手続とが重なり,何が何だか判らないほど多忙です。週末の徹夜仕事が3回,うち2回は土曜深夜の帰宅(1回は早朝に帰宅できました…)という悲惨な状況,庁内を見回しても新人でこんな仕事をやっている奴が他に居るのか,僕は一体何の仕事をしているのやら…という,訳の判らない状況が続いています。今回の連休は実に貴重な休息ですが,週明けのことを考えると憂鬱の一語に尽きます。

 さて金沢ですが,金沢市は自家用車抑制,公共交通重視で注目していましたが,「バスの利用状況からLRTの採算性に疑問」と結論付けたのですね。撤退の勇気も感じる反面,LRTの早期導入断念は個人的にはやはり実に残念に感じるのみならず,「LRT導入を今しなければ,金沢には永遠に導入など出来ない」という悲観論に傾いてしまいます。

 わが茨城県庁の移転によって,これまでかなり賑やかだった水戸の中心市街地は急激に衰えつつあります。水戸・赤塚両駅からのシャトルバスはあれど,列車との不接続・途中不停車という拙劣な運営もあって,県庁通勤者・訪問者は大きく自家用車利用に流れてしまいました。無論,バスシステムに関して充分な経験のある金沢市で水戸市の二の舞いという愚かな結果にはならないでしょうが,では上手な運営が出来るのかという疑問も感じるのです。

 駅から遠い県庁に行くのなら,鉄道を使う利便性は失われます。バスと乗換をしてまで公共交通を利用するのか(水戸では「利用しない」という結果が出ている)。ましてクルマの利便性が発揮できる郊外に県庁が移転するのですから。バスを列車と確実に接続し,途中停車させ,かつ頻繁運転すれば状況は改善されるのか。新県庁周辺に集客施設が何も無いという状況では人の移動が少ないでしょう。したがってパーク&バスライドも「バスが頻繁に来ない」「そもそも道路が混雑しない」というと点で全く非現実的です。
 「『人の移動が少なく,パーク&バスライドが非現実的』と言うのなら,新交通の導入も同じく非現実的では?」と考えられますし,まさにそれゆえに軌道系の早期導入が断念されたわけですが,ただですら公共交通にとっての苦戦が予想される中,「ぶつ切り」の軌道系は甚だしく競争力に欠けるでしょう。公共交通を重視するのであれば,軌道系で県庁に直接乗りつけられる利便性・一貫性(したがって新交通は一般鉄道・地下鉄・LRTでなければ駄目)を備え,競争力をつけておく,という選択肢が有り得たところです。また県庁が遠くに行ってしまうのなら,既存市街地とは「太い絆」(=定時性・高速性に長けた交通手段)で結び付けておかなければ,市街地の(移動ではなく)「希薄化」が進んでしまうでしょう。そうした絆としても,軌道系は絶好の手段だったはずです。
 『バスレーンを設けて,同様の強力な公共交通重視策を取れないか?』とお考えの方もあるでしょう。可能です。しかし「軌道系は無理だからバス」と「現実的」に腰の引けた考え方を取るなら,そもそも人の移動が少ない所にバスレーンを設けてどうするのか。バスはそんなに頻繁には走らない(=無理に走らせて誰が乗る?),時々バスが走るだけなら自家用車を利用するのがもっとも合理的…ということになる可能性が大きいでしょう。バスを用いて公共交通重視策を実現するのなら,「当初は乗客など居なくてもバスを頻繁運転し,バス専用道路(1車線のレーン化など手緩い)も設置してしまう」といった,敢えて軌道系を導入するのと同じくらいの「蛮勇」というのに近い思いきりが求められるはずです。

 県庁移転という,既存市街地の活性化(これは公共交通活性化と親和性が高い)に反する政策を実施し,かつ自家用車の利用を抑えるのなら,都市全体で自家用車を強力に抑制し,かつ不便を人々に感じさせない強力窮まるTDM(交通需要管理)が求められるはずで,強い強いTDMを実行するのなら敢えて軌道系導入,またバスを活用するにせよ,敢えて軌道系を導入するのと同じくらいの思いきりが求められるはずです。
 その点,今回の金沢市は単に「駅と県庁の間でシャトルバスを走らせよう」などという腰の引けた態度で,断固たる公共交通重視にはどうしても見えません。結局自家用車の利用を増加させるだけに終割ってしまうのではないか…単なる臆病でなければ良いのだが…というのが,僕の懸念です。

方向性を見ずしては語れない
 投稿者---551planning(2002/02/11 15:39:37)

 打越様、御無沙汰しております。お仕事大変そうで…官民予算時期ですからね、まだ先は長いですが関係者の方々、踏ん張りましょう!(苦笑)

 まず注記ですが、石川県庁は現在金沢城址にあって、隣は兼六園、至近には香林坊という北陸随一の繁華街となっています。官公庁・商業的拠点が集中しており、主要道路も城下町とあって直線状になっていないことがまま渋滞を引き起こす原因ともなっています。JR駅から見て東側にある市街です。
 現在JR駅から西側、金沢港との間に新庁舎を建設中で、2002年度内に完成予定です。傍に県立中央病院もあり、駅西副都心形成が進められることになっています。北陸道・R8が近くを通っているほか金沢外環状道路の整備も進められており、自動車交通の利便性が高まることは事実です。広い敷地には駐車場や交通広場(BT)の整備も行われています。

石川県 新県庁舎ニュース http://www.pref.ishikawa.jp/kenchousya/index.htm 
路面電車ニュース(LRT/GWB検討ルート図あり) 
http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news12.htm

 『今導入しなければ、永遠に導入できない』…実は当方もそう思っております。腹括るときは、ということなのだとは思いますが、LRTにせよガイドウェイにせよ安い買い物ではありません。ま、「安物買いの銭失い」という言葉もあるのですが…。
 ただ、TDMと軌道系交通の導入が唯一の接点とする御論については疑問の残るところです。金沢の場合LRTとJRとの(直通)連絡は現時点では模索されておらず、その意味では県庁への広域需要という点で「ぶつ切りの軌道系」になるものと思われます(北陸新幹線後の在来線活用議論で再燃するでしょうが、電流などの課題もあります)。『軌道系は無理だからバス』という視点も、現状において北鉄運営のバス網が確立されており、金沢駅〜香林坊間では郊外直通路線がそれなりの頻度で走っていることを考えれば、基幹・附随路線結節への再編は『腰の引けた』とまで切り捨てられるものなのかは疑問です。さらに、どの区間を取ってバス利用者が減少傾向にあるかということも重要でしょう。「推進派サイト」では将来的に複数路線による面的な展開も志向されているやに聞きますが、路線集約化がバスでできなくて軌道系でできると言い切れるでしょうか。

 軌道系交通導入にはTDMを強力に推進することは不可欠です。しかし思い起こせば金沢で行われた交通実験はTDMにおける公共交通機関はバスによって行われたもの。無論比較対象であることと同時に、バスそのものの可能性も見出すきっかけになったのかもしれません。仰るとおり「単なるシャトルバス」なら簡単だし腰の引けた対応とも思えますが、バスによる柔軟性、既存設備の活用、さらにP&Rなどの二次的展開が示されている以上、金沢市が導き出した方向性に対してはより積極的な評価を与えつつ、その方向性を注視する必要があると当方は考えます。

金沢市の決断を評価したい!
 
投稿者---とも氏(2002/02/12 20:22:49) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 打越さん、わかります。(苦笑)
 ついでに私の業界(だけではないか)お約束の「年度末進行」まで加わって、頭がパニックです。
 しばらくはOD表やら分担率転換式なんぞ見たくないです(笑)

 さて、本題ですが551planningさんに同感です。
 少なくとも金沢市が今回出した結論は、言ってみれば様子見みたいなものですね。
 バスによる交通機関軸である程度捌ききれない状況になるか見極めようということでしょう。
 交通計画の基本中の基本、「器にあった施設整備」をやっているのだと思います。
 この決断は政策判断としては何も問題は無く、新交通(広義)の範疇に含んでも良いといえる基幹バスに類似した考え方ですから、後退したともいえないものでしょう。この考え方は、LRTを最初から入れるのではなく、シアトル方式(LRT整備の導線を活用して高度なバスサービスを提供する)や一部先行整備による専用レーンシステムなどでバス利用者の増加を促し、それが公共交通全体のシェアアップにつながった時点で、軌道系整備に着手するということでは?
 なにも都市型パークアンドバスライドやバス活用によるTDMは成功しないと決め付けられるものではないですし。
 国内でも宇都宮や盛岡、海外ではオタワ、アデレード、クリチバなどこのようなバス主体での新交通軸を形成している都市は数多いですし、このようなスタイルの整備からLRTに昇華させた都市もシアトル、エドモントン、パリ・サンドニ、シドニー、ソルトレイクシティなどなど結構あります。

 LRTへの風当たりが今、世界的に強くなっている事実もありますし。(沿道騒音や振動、都市内のTDM効果などで問題が出ているのも事実。先進的な交通施策で知られるパースやバンクーバーが導入を同じような理由で中断している。)
 ですから今回の金沢市の決定は、消極的な中止ではなく、将来に向けた発展的な方向の修正程度に考えるほうが良いのかもしれません。

 まとまらなくてすみません。ではでは

Re:LRT早期導入断念の金沢市方針を評価する
 
投稿者---KAZ氏(2002/02/11 17:47:07) http://wwwb2.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもお久しぶりです。
 北國の記事を見てきましたが、まあ納得できる内容なのでは?
 大昔からある鉄軌道線導入構想は、当時の都心の集客力はそのままという想定の上で、交通流を集中させる大きな原因である官公庁を郊外へ移転させて都心の交通圧力を下げて混雑を緩和させようというのが目的で、今のように都心部の集客力が落ち、更に経済停滞で駅西再開発も停滞しているような状態では過去の前提で考えられた交通計画が通用しなくなっているのは明白ですからね。都心のポテンシャルがそのままで、そこに新しく駅西という新市街が出現することによって両者間の拠点間流動が生まれ、それをサポートするためにも鉄軌道が必要という理論だったと思われますが、今の状態では到底鉄軌道が成立するような流動量にはならないでしょうからね。
 駅西(県庁)〜野町間のバスも「シティーライナー」と銘打って、将来はこれを新交通(広義)に置き換えることも引き続き検討していくなど明確な整備方針を示していますし、フィーダーバスや郊外バス再編も将来の新交通導入に向けた前段階としての意識があるようですから、今回の構想は現実と将来への布石とのバランスが取れた、いい意味での「折衷案」だと思います。新技術の開発を考慮して新交通のモードを明記しなかったのも、LRTの技術的な成熟と行政側からの補助制度の拡充を待って、きっちりとした整備を行いたいという気持ちの表れだと受け止めています。
 現実問題として今LRTなり新交通なりを導入する場合は道路と一体となった形でしか整備できませんが、それがルートやモードの硬直化につながっているということもありますから金沢市の選択は適切かと思います。

 以上、雑感でした。もう少し研究してからまた何か書けたら書きます。

「シティーライナー」の憂慮点
 
投稿者---551planning氏(2002/02/11 23:34:41)

 KAZ様、御無沙汰しておりました。LRT論は落ち着きを見せておりましたが、またいろいろと御教示賜れれば幸いと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
 打越様へのリプライにも書きましたが、当方のスタンスは今無理に軌道形交通整備を行わずとも、という意見ではあるものの、正直なところ今入れなければ一生導入は…?という思いもあります。ただ、金沢市が打ち出した方針が決して後ろ向きではなく、前向きなものであることは大いに評価するものです。事実金沢駅〜新県庁方面の主要道である県道60号は軌道系の導入空間も確保されていますから、中長期的方向性が明確になった今回の方針へのKAZ様の御論は、当地をお知りの方のものとして大いに頷けます。

 ところで、野町〜新県庁方面に運行される「シティーライナー」ですが、金沢駅付近での取り回しはどうなるか気に掛かります。将来的な新幹線口となる東口には小奇麗なバスロータリーが整備されましたが、速達運行という観点からは武蔵ヶ辻の先から県道17号に入って駅西口を通るほうが良さそうです(当地の状況を全く知らず地図上での話であることは悪しからず)。両口を経由するのも手でしょうが、繁華街と新県庁との速達性に落ちるところがありそうです。そもそも軌道系の導入に当たってもどのような検討がなされているのでしょうか。
 いまさらの意見ではありますが、折角造った東口ロータリー、地下化なりで西口との直通性を持たせることはできなかったのか、手っ取り早くはバス専用道の建設、利便性からすれば駅構内直下へのBT整備としても、排ガス処理等の問題はあれど現在の技術力を持ってすれば難なきように思ってしまうのですが…。無論運行主体が北鉄ということで浅野川線駅舎との関連性が重視されたのでしょうが、駅の中途半端な地下空間を見た限りではついついそう思ってしまうのです。

 御返事ついでで質問染みてしまいましたが、御覧の皆様のかなで御存知の方がいらっしゃりましたらなにとぞ。なお、このスレッドではバス網整備論を中心にしていきたいと思います。LRT論はもう片方でやりましょう!

Re:「シティーライナー」の憂慮点
 
投稿者---KAZ氏(2002/02/12 01:20:54) http://wwwb2.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。

 まあ私も早い導入が必要とは思いますが、もう少し待てばLRT関連の補助体勢も整うでしょうし、新交通(都市モノレール)補助も柔軟な対応が期待できそうですし、今の段階で性急なモード決定はそれこそ「安物買いの銭失い」になりそうな気もしますから、金沢市の態度は正解だと思っています。

 ところで、野町〜新県庁方面に運行される「シティーライナー」ですが、金沢駅付近での取り回しはどうなるか気に掛かります。

 これはどうなんでしょうね・・・。軌道系の構想では東口ではなく西口で結節するような構想だったはずですが、今回の発表でも「浅野川線」との結節は言及されていないので恐らく西口へ乗り入れるのではないでしょうか。

 あと駅周辺の空間整備では鉄軌道導入に対する配慮はされていますが、モードが新交通(狭義)を前提に考えられていたので、今までの東口の整備でもその方針で計画されているのではなかったかと思います。駅地下の開発は高架橋の基礎があるなど構造的に新規開発は無理でしょう。高架の検討時には新交通整備が前提だったはずですし、当時のバスターミナルの意識からすれば直下型というのは発想にすらなかったのかも知れませんね。あと私は最近金沢など北陸方面とは縁がないようで、今の姿を直接見てはいないので詳しくは何とも言えないですね(^_^;

 また近いうちに実地検分に行かなければ・・・

金沢駅西−新県庁間に優先走行システム導入
 投稿者---551planning(2002/02/17 16:41:17)

だそうです(2/15付北國新聞記事)

注目記事紹介 http://moomoo.gaiax.com/www/moomoo/t/a/trafficmap/diary.html

 光感知による信号制御を行う公共車両優先通行システム(PTPS)自体は珍しいものではなく、全国各地で導入例があり、それぞれ時短効果が現れています。金沢に導入されていないのか分かりませんが、香林坊バス停付近では違法駐車警告システムが設置されているとか(鈴木文彦著「路線バスの現在・未来PART2」p30)…バス停付近の長時間駐車車両への警告放送装置だそうですが、あまり実効はないとか?

 「シティーライナー」はある程度快速運転になるものと思われるので、実効はありそうですがどうせなら金沢駅〜香林坊間のほうが他路線含め有効でしょう。むしろ駅〜新県庁間では総体的な交通量がまだ低いでしょうから、バスレーン化などのより強い施策がスムーズに浸透しそうな気がします。ただ将来的な新交通システムへの昇華を考えると二重投資になる懸念もあり、難しいところですが。

「シティライナー」が変える流動…金沢 log351.html#6

〔LRT〕京都市が本腰入れて調査へ
 
投稿者---KAZ氏(2002/02/19 17:08:21)
 
http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/
京都市が本腰入れて調査へ
└京都市街地内交通私的俯瞰
└Re:京都市が本腰入れて調査へ
 └Re:京都市が本腰入れて調査へ
  └Re:京都市が本腰入れて調査へ
   └Re:京都市が本腰入れて調査へ(今出川通りに賛成)
    └Re:京都市が本腰入れて調査へ(今出川通りに賛成)
     └遅レスごめんなさい
京都議論から見る「LRT論」のポイント
 └Re:京都議論から見る「LRT論」のポイント
  └京都市市街地は路面電車よりももっと地下鉄を!
   └主旨には賛成/ただし実現可能性は?
   └Re:京都市市街地は路面電車よりももっと地下鉄を

(以下次ページ)
市内輸送の輸送力不足を直視しているか
 └Re:市内輸送の輸送力不足を直視しているか
  └京都にはLRTを推したい気分です
   └Re:京都にはLRTを推したい気分です
    └
分散と収束
     └京都のカギはいかに既存ネットワークを充実させるか
     └ちょっとだけ
      └微妙な温度差、視点のずれ(Re:ちょっとだけ)
       └Re:微妙な温度差、視点のずれ
       └Re:微妙な温度差、視点のずれ
     └
プラスα
      └確かに、京阪三条は魅力的ですね
       └ライトヘビー級でも行けるのでは?
        └Re:ライトヘビー級でも行けるのでは?
         └Re:ライトヘビー級でも行けるのでは?
          └東西線と規格を合わせた場合ですが

 2/19付京都新聞で報道。
 以前より市民団体や議員・商工会議所の構想があったものの、市としての動きは目立ったものがなかったが、ここにきて京都市自体が02年度より本格調査・03年度より具体的なルート調査にかかるとしている。

京都市街地内交通私的俯瞰
 投稿者---551planning(2002/02/23 19:54:09)

 当方、祖父母の墓が京都にあることもあって毎年のように行っており(これも市バス・西賀茂車庫近くということもあって密かな楽しみ?)、市内交通に関しては断片的ながら大雑把に認識しているつもりです。
 また弟の産時に京都の親戚宅に1月弱預けられていたことがあります。場所が出町柳の向かい、河原町今出川…賀茂川と高野川が出合って鴨川になるという環境で、当時の京福鞍馬線を眺めていた記憶もおぼろげにあります(当時4才…)。もともと京大・同志社・京都御苑に近い穏やかな土地柄でしたが、京阪鴨東線開通後人の流れががらっと変わったようで、近代的ビルが立て込んでくるなど市街地化が進んでいるようです。
 それはさておき、京都市がLRTの具体的調査費計上ですか…。市街地交通の近況を考えると1つの選択肢としては確かにあり得ますね。誘致派サイドでは今出川通・出町柳−北野白梅町間への導入による嵐電・叡山の直通を!という声が強いようですが、はてさて…。

 「市街地」についてここでは当方、元を辿れば平安京の街区域内を指すものとしますが、何はともあれ京都の場合、鉄軌道の中途半端さが指摘できます。長距離交通のJRは外周を触る感じ、京阪と阪急が中心部まで入り込むものの両社交わることなく、京福・叡山に至っては外縁部止まり。代わって市街地公共交通の主軸となってきたのが市電〜市バスでした。といっても整備された碁盤目状は自動車交通に最適ということもあって、いつのまにか街にはクルマが溢れ、市電を駆逐するに飽き足らず、由緒ある小路にもどんどん入り込んでくる始末…実際、いちげんさんの観光客には手っ取り早く動き回れるタクシーが大きな交通手段になっていることもあって、交通需要をコントロールすることはもはや無理なようにも映ります。
 交通変革はまず地下鉄という試みで行われました。北大路BT整備による北部交通流動の集約化という目的は評価するものの、致し方なきにせよ烏丸通…裏を返せば結果的に大きな流動変化が生まれなかったことで京都の中心は四条河原町周辺で揺ぎなかったわけですが、時は流れてJR京都駅ビル竣工に至り、京都駅自体がひとつのアミューズメントスポット化、近郊からの流入が激化したものの、なにぶん「駅」で完結してしまうことになり、商業中心の移転が現実的な問題となりつつあることは否めない状況にあると思います。
 その意味では、河原町通への導入が適切なのではないか、と考えてしまいます。その際には飽和状態にある四条通への車の流入を押さえる手段を含める事もセットで行うことが必要と考えますし、路線的なキャパシティから考えれば出町柳まで伸ばして叡電直通…とつい夢想してしまいますが。そうなると京阪や烏丸線との競合然り、自動車交通抑制の問題然り、ハードルはさらに高くなる一方で。

 ところで、もうひとつの地下鉄=東西線には都心部と山科方面との結節という役目が与えられたわけですが、こちらも阪急との兼ね合いなどから商業集積の四条河原町を避けるように京都市役所前から二条方面へ抜けるルートに。致し方なしとはいえ、京阪京津線の片乗り入れも中途半端で、山科での「二重運賃問題」含め、旧京津線からカネを掛けて生まれ変わった割には…という烙印を押されかねない評価がついついなされてしまうようで。
 ただ、個人的には将来に大きな期待を持っています。嵐電直通化で嵐山へ…という夢を抱かせてくれる天神川延伸が事実上決定したことです。実際は構想前の話のようではありますが、実現すれば嵐山への流動に大きな変化をもたらすことは否定できないと思います。嵐山では昨秋自動車交通抑制実験が行われたものの不調に終わっており、大きな要因として「告知不足」が指摘されたのは記憶に新しいところ。その意味では旅館が集まる市役所周辺、二条城や醍醐寺などへの観光地の足としての東西線に嵐山が加わればそれだけで対外的アピール効果は格段に上がるものと思うのは短絡的思考でしょうか…。
 冷静な目で見れば、なにも小綺麗な低床電車を導入すればLRTか、といえばそうではなく、鉄軌道による郊外から都心部への直通性の向上も大きな意味でLRT的な視点を内包するものと考えます。その意味では大きな実証例となり得る可能性を持っていると考えます。

 さて、今出川新線ですが、どうでしょうか…。既にシャトルバス試験運行もなされている同区間ですが、沿線には京大や同志社といった大学や、御所・下賀茂神社、北野天満宮などの観光地を持つこと、嵐山と鞍馬が結ばれる意義もそれなりにあるとは思えるものの、沿線需要としては四条河原町・京都駅方面に向いていると思われるだけに、カンタンにはいかないかな…というのが実感です。「だからこそ中量交通のLRTを」という見方はできるものの、今出川通の幅員や自動車交通流動を考えると、過大な投資が予想されます(京都駅−四条河原町…出町柳だと並行道路がそれなりにあり、誘導がまだ容易と思われる)。
 さらに、トピックとしてあのMKの動向に触れないわけには行かないでしょう。乗合自動車行政の規制緩和によって、バス事業として市内交通に積極参入を表明しています。すでに前から100円バス導入で市側を動揺させており、実際に基幹バスとタクシーの乗換結節での有機的結合という方向性も明確になされています。市側もバス事業の縮小化を進めており、醍醐地区の京阪バス移管、西京地区での乗務員阪急バス委託などを進めている中で、MKが実際に何処までやってくるのかは大いに注目と思われますが…。

【LRT】京都もLRT導入案 log315.html#5

今出川通りに路面電車を走らせる実行委員会(今電会) http://www.geocities.co.jp/WallStreet/6241/imaden.html
MK 京都の新交通体系(バス・タクシー) 
http://www.mk-group.co.jp/bus1.htm

Re:京都市が本腰入れて調査へ
 投稿者---ゲバラ焼き肉のタレ氏(2002/02/26 00:04:43)

 どうもお久し振りです。KAZさんの投稿を拝見しまして、私の地元の、しかもLRTに関する話なので、私も参加致します。
 この投稿のコメントで、551さんが、「どうせ京都市内に導入するなら、河原町通りがいいのでは」という意見に、私も大賛成です。今出川通りに導入しよう!という動きが出てて、実際私もそれのセミナーに顔を出したことがありますが、採算面等を考えると、どうしても河原町通りに軍配が上がると思います。
 勿論ハードルはたくさん有ります。その中でも、市内トップ級の繁華街の、四条近辺が一番の山でしょう。その地域をトランジットモール化にすべし、というのが、ベストな解決策やと思います。しかし、それを実現さすには、余程の「強権批判覚悟」な根性がいります。しかし、今の日本ではそこまでの覚悟と資金が有る様には思えません。そこで、二つの「実に日本的な丸く収める」妥協案を二つ考えました。

 一つは、LRT部分に、路線バスを全部乗っける、という「公共交通専用ゾーン化」にすることです。繁華街地域はかなりバス路線が密集してますので、一般車線とバス路線を切り分けただけで、一般車線の減少による大混雑は少しでも抑えられます。又、散在してる、と批判されがちなバス停事情も解決するかもしれません。
 しかし、LRT導入でバスが減少しているとはいえ、それでもかなりのバスが集中すると、LRTの定時運行が困難になりかねませんし、何より、一つの電停(歩道沿いに線路敷くのは難しいから恐らく道路中央に線路が敷かれてるやろう)のスペースにバス客も入れると、とても人をさばき切れないと思います。

 そこで二つ目は、路面と地下(路下)にそれぞれ単線。この場合は勿論、それぞれLRT専用にします。これやと、地上は、せいぜいグリーンベルト並みなスペースの占拠で済むし、地下は、複線より圧倒的に安い建設費で済むと、一挙両得を得るでしょう。
 しかし、それでもやはり建設費・維持費が高つくのと、何より、交差する、阪急京都線終点河原町駅、市営地下鉄東西線市役所前駅との絡みが問題になります。両者よりより深く掘っては意味無いし。この場合は、駅一階部分に乗り入れる、その為に踏み切りを設ける事も辞さない、という発想が出ましたが、そこまでいくと暴論かな?

 まあ、いずれにせよ、問題点たっぷりな提案でしたが、もし採用という事態になったら、計画が百出してるわりに、どこもちょっとも実現に向かう気配が見られない「日本国内のLRT構想」に一気に突破口が開かれるかも・・・。

Re:京都市が本腰入れて調査へ
 投稿者---KAZ氏(2002/02/26 00:53:21) http://wwwb2.biglobe.ne.jp/ktnh/pri/

 ちょっとだけレス・・・

 私は思いきって四条通〜河原町通〜御池通〜烏丸通の環状線を建設して、その内側は一般自動車の通行を規制してしまってもいいのではないかと思っています。四条通・河原町通はトランジットモールにすれば、かなり面白い都心が演出できそうですが・・・。どうせ四条通・河原町通なんかは渋滞が酷くて事実上「使えない」道路ですし、代替道路として御池通・川端通・烏丸通がありますから規制の悪影響も少なそうに思うのですがね。

Re:京都市が本腰入れて調査へ
 投稿者---とも氏(2002/02/26 18:33:31) http://town-m.vop.jp/

 ともです。同じくちょっとだけ(爆)

 そうですね。トラフィックセル+ペデストリアンプレシンクトで規制は出来ると思いますね。ただ、課題としては駐車場の不足、通過交通の処理ですね。
 駐車場をフリンジ部に設定しないと歩行者専用空間は活きませんから、何らかの対策をとらないといけません。「LRT導入のために」ということではなく単純にTDMとして導入することが出来れば可能性はあるかなと思います。
 ただ、LRTを入れるためにとか、バスはいらないとなったら失敗しますから、その辺の考え方ですね。

 でもまずは今出川通からだと思うのは私だけか・・・??
 ではでは

Re:京都市が本腰入れて調査へ(今出川通りに賛成)
 投稿者---(仮)奈良環状LRT氏(2002/02/27 00:59:59)

 (仮)奈良環状LRTです
 お久しぶりです。

 私は今出川通りに賛成です。
 北野白梅町から京大まで伸ばしてしまえば地下鉄や京阪への乗り換えは勿論の事、学校が幾つかありますので大規模な客層が見込めます。
 如何でしょう。

Re:京都市が本腰入れて調査へ(今出川通りに賛成)
 投稿者---けんご氏(2002/02/27 12:16:12)

 京都出身なので少しコメントさせてください。

 京阪・叡電出町柳から嵐電北野白梅町というルートはいい案だとは思います。嵐電・叡電との相互乗り入れなども視野に入れられるでしょうし、おっしゃるように沿線は大学等もあります。しかし、誰が運行するかによって、やはり山科の二重運賃問題のように割高な運賃体系となり京阪、叡電、嵐電そして地下鉄からの乗換利用者の利用意欲をそぎかねないと思います(河原町通りに建設するにしても乗換による割高感の問題は同じことと思われます)。

 京都市の場合地下鉄とバスを運営しています。両者を乗り継ぐ割引制度があるとは言え、例えば、京都市北部から中心部へは、バスで北大路等の駅に出て地下鉄に乗り換えるのではなく、直通するバスの需要も旺盛です。やはり乗換の不便や運賃の割高感が渋滞に巻き込まれることより避けたいことだと考える人がいるということですよね。東京でも大江戸線に絡んで同じようなことが話題となったと思います。

 既に京都市内には京都市のほかに、JR、阪急、京阪、近鉄、嵐電、叡電の六事業者が入っています。乗換の度に初乗り運賃を払わざるを得ないことは自動車やタクシーとの競合から考えても好ましくは無いでしょう。東京なら、一社だけを使って時間はかかっても安く行くという選択肢もルートによっては確保できていると思いますが。

 本筋からは逸れた話になってるかとは思いますが、この問題が解決されなければ、嬉しがってLRT入れてもらうより、同じお金で市バスの運行をスムーズにするような専用レーンや信号システムをばんばん入れてもらったほうが有り難いような気もするんですが。もし、LRTを導入するなら、市で運営してかつ地下鉄・バス・LRTを一体的な運賃体系で運行してもらいたいです。リヨンで見た例では時間によってどのモードでも同じ料金を取っていました。30分券いくらといった具合です。何とかならないですかね?

遅レスごめんなさい
 投稿者---(仮)奈良環状LRT氏(2002/04/11 01:14:50)

 遅レスお詫びします
 (仮)奈良環状LRTです

 乗り換え運賃の問題は、極めて深刻かも知れませんね。
 相互に、クルマ社会への対抗上協力するしか無いと思います。
 むしろ、各社の乗り換えの為の短絡路線の一種と考えるのも1つの方法かも知れません。

 一例ですが
北野白梅町→出町柳→京大→東山→祇園→五条→大橋→京都八条口→東寺駅→西大路駅→西院駅→三条口駅→円町駅→北野白梅町
と言う風に、環状線で建設すれば全ての鉄軌道を結ぶ事が可能であり、かなりの乗客が見込めるように思うのですが如何でしょう。

京都議論から見る「LRT論」のポイント
 投稿者---551planning@風邪引き管理人(2002/03/03 16:10:23)

 けんご様、鋭い御指摘ありがとうございます。

●LRT論は「線を引く」だけではない
 さて、当サイトでもLRT導入に関する議論が数多く展開されてきたわけですが、根源的にLRV(≒低床路面電車)を導入すれば良いというわけではなく、ハード・ソフト面での他モードとの親和性が重要なポイントとなるのはけんご様御指摘の通りですし、当方自身もその視点を忘れずに議論してゆきたいと思っています。
 京都の場合、近郊鉄道でも6社、市街地バスも市営・京阪・京都バスが絡むモザイク状況はありますが、「スルっとKANSAI」によるカード統一は大きいです。無論初乗り運賃の障壁は変わらずあるにせよ、毎度毎度の支払抵抗は軽減されており、視野にあるとされるIC化、あるいはJスルーとの連携化のうえに運賃政策面での思考が加われば、関西圏にとどまらない公共交通システムの地殻変動の源となるでしょう。(Suicaで成し得ていないバスを取り込んでいるのが大きい)。

●運賃政策の思考
 都市圏交通における運賃政策の思考は、一方で西欧で見られる都市圏交通営団化という大同団結、他方で民間競争力に委ねる策があろうかと思います。さらに双方の考え方は全く別かと問われればそうではなく、収益構造と事業運営構造の分離(営団による運賃政策の統一と、入札等による民間事業者による運営でコスト低減をめざす ソウルのバス事業が確かそうだったかと)という形で相容れるわけですが、日本では規制緩和の掛け声で民間丸投げ〜という流れと見ます。京都のタクシーがまさしくそうですよね。この方向が正しいかどうか、まだ見えませんが…。
 この議論は改めてきっちりしたいところです。

●で、今出川通導入案…
 純粋な導入議論としては、今出川通での叡山嵐電結接だけでは弱いような。対外的には金閣銀閣ラインとでもいいますか、観光流動をも見据えたものがいいかと。そうなると北大路ターミナルが中途半端になるきらいもあります。
 北大路ターミナルの中途半端さは、やはり四条方面への直接性がないこと、既存バス路線の京都駅方面への運行を単純に止めることもできないという地下鉄烏丸線の中途半端さにつきます。堀川通りに快速系統があることなどから専用レーン化といった施策が魅力的なのは確かですが、そうなると今度は地下鉄との競合が気になりますし…。
 話を戻して、日本のLRTの原点たるテストケースとするならば、現状の今出川通導入は「結局…」という結論を導き出しかねない懸念があります。自動車交通からの転移誘発の可能性も低いですし、逆に適度な迂回路が確保しづらいことからTDMを上手く取り入れることができるか如何では渋滞惹起の心配があります。アピール面でもどうかな…タクシーでさっさと廻ることから「歩く楽しさ」へと観光需要は変化しつつあると聞きますが、あまり大原から嵯峨野へ1日で廻る人もいないのでは?(需要掘り起こしとしても…?)
 イメージ的には下町路線的なパリ郊外のLRT路線に近いのかな…よく分かりませんが。どうせやるなら都市再生の可能性を込めて河原町通導入を押したいと思います。それにはもう少し論点整理をしないとならないかな?

Re:京都議論から見る「LRT論」のポイント
 投稿者---とも氏(2002/03/04 19:22:42) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

LRT論は「線を引く」だけではない

 まったくもってそのとおりですね。私自身も投稿にあたってはその辺注意しているつもりなんですが、どうにも偏りがちです。
注意しなくてはなりませんね。

●今出川通導入案

 河原町導入を否定するつもりはないのですが、まず全体ネットワークの中からすれば今出川の優先度は高くてしかるべきであり、将来的な京都環状LRT網への発展も期待できます。
 私なら、

第一段階:今出川
第二段階:河原町〜東山を経て出町柳で今出川線に結節
第三段階:河原町〜二条経由北野を整備して北側環状を概成、東山から京都駅ルートを構築
第四段階:京都駅から梅小路を経て山陰線沿いに二条まで延伸し、8の字環状を形成

ぐらいの大風呂敷な案を考えますが。需要は間違いないところで、あとは事業費ですが、段階整備による効果も考えられます。
 まず、今出川からスタートしてはというのはこういった展開を考えたからです。

 今出川の需要も侮れないと思いますがどうでしょうか。でも環状方向導線なんですよね・・・悩ましいです。
 環状線を形成すればそれこそゾーン運賃制度(運賃をエリアで決める方式。けんご様が書かれた時間制限などもありですね。)や乗り継ぎ制度、河原町あたりなら思い切ってフリーゾーン(無料)にしてしまうことも可能です。
 幸いにして京都市は市バスの民間委託という先進的な方法もやってますから京都市内の見た目の運営一元化も不可能ではないかとも思いますし。
 私鉄がほとんど京都で終点であるがために通過流動が限られる点と、JRが市内流動をほとんど分担していないのもやりやすいかと思います。

 まとまりませんが。
 それでは。

京都市市街地は路面電車よりももっと地下鉄を!
 投稿者---PATHFINDER氏(2002/03/06 00:14:50)

 皆さん、今日は、“PATHFINDER”です。
 皆さんの夢を壊して大変申し訳無いのですが、成人後に京都市市街地に一生活者として数年間住んだ経験から申しますと、路面電車を新設するよりも、もっと地下鉄の路線を増やして欲しいです。その方が断然地域住民に大いに歓迎されます。主たる理由は次に記述します。

第一.京都市街地の道路は幅員が狭いものが多過ぎる:
 市営地下鉄東西線の開通に伴って廃止された京津線の路面軌道が在った道路の幅員と同じか若しくは狭い道路が多い、例えば、今出川通や河原町通など;狭い道路の路面電車の存在意義自体はバスと変わらず、むしろバスと異なって交通渋滞の並びに交通事故の元凶と化すリスクがある。

第二.京都市街地の面積は東京都の山手線を周囲とする地域に匹敵する程に 広大なものであり、当然ながら生活者人口もかなり多い:
 
路面電車とセットの自動車使用規制は該当地域生活者にとっては、はなはだ迷惑なものと認識され、猛反発を招くのは必至。

第三.祇園祭などの大規模な祭りにとって―架線が危険など―路面電車は邪魔。

 以上から、山手線域内に匹敵する京都市街地には山手線域内と同様に路面電車の新設よりも地下鉄を何路線か新設した方が最適だ、と考えます。
 一モデルケースとしては、京阪・叡電出町柳駅と嵐電北白梅町駅の連絡の為に幅員二車線分区間が多い―狭い今出川通に路面電車を無理して新設するよりも出町柳駅で行き止りの複線地下線形式の京阪鴨東線を単線地下線で以って今出川通に沿う様に北野白梅町駅へと延伸した方が良いです。その方が路面電車とは大きく異なって乗り換え無しで大阪の都心に直通出来て大変便利に成ります。
 加えて、京阪本線の七条・東福寺駅間にて分岐してJR京都駅へ至る支線を新設して、既存の本線と鴨東線並びに上記の構想路線とを組み合わせる事で「JR京都駅〜京阪四条駅〜京阪三条駅〜京阪出町柳駅〜北野白梅町駅」が運行系統の列車を設定すれば革命的とも言える程に大変便利に成ります。つまり、京都有数の繁華街である鴨川岸とJR京都駅が直結されるのです。

 で、ついでに記しますと、国税と地方税の比率変更して納税者が多い大都市圏の地方自治体の自主財源を大幅に増やす―税制・財政制度の改善、並びに「大都市圏の地下10m以下には私有権を認めず公共のものとする」―土地利用に関する諸制度の改善、これらの改善が実現すれば、大都市圏では地下にHRTが建設し易くなり、バスとの存在意義の違いを疑う中途半端な道路上LRTを新設するよりもHRTの新設を選択する所が多くなるでしょう。
 無論、観光客の様に市外から流動が最も大きい政令指定都市京都市も既存のHRT型の鉄道と直通可能な地下線HRTを選択するでしょう。
 以上が、京都市の鉄軌道の整備に関する私の考えの一部です。

主旨には賛成/ただし実現可能性は?
 投稿者---和寒氏(2002/03/06 13:11:05) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 和寒です。
 私は自称“鉄道ナショナリスト”でして、また“トラムナショナリスト”でもあります。だから、LRT整備案が出てくると、それだけでうれしかったりもします。

 そんな私ですが、PATHFINDER様の御意見には首肯できる部分が多いです。なぜならば、京都市内の鉄道は、基本的に相互の連絡を考えていないからです。

 これら主要な路線が(JR−近鉄を除き)相互の乗換駅を持っていないというのは、百万都市の交通としては尋常ではないです。パリのように、ターミナルは分散、しかしメトロ・RERが相互及び中心市街地に連絡、というネットワーク構成であれば、まだよかったでしょう。ところが、各路線それぞれが市内要地への乗り入れを画しているので、連絡が悪いこと甚だしいものがあります。

 ですから、
「JR京都駅〜京阪四条駅〜京阪三条駅〜京阪出町柳駅〜北野白梅町駅」
というアイディアは、至極まっとうです。こういう路線ができれば、たいへん便利であり、また遠来からの(新幹線経由の)観光客を三条・銀閣方面に誘導するにも有効でしょう。

 問題は、市内の地下鉄を整備できる資金があるかどうかにつきます。なにしろ、現状の不便な十字形路線だけでも、京都市交通局の財務状況は極めて厳しいところです。そのうえでさらに、相対的高コストの中心市街地路線を構築できるかどうか。ちょっと(かなり)苦しいように思われます。
 京阪と路線が重なるのも、難しい点でしょう。並行新線では明らかに過剰投資、かといって路線共有では容量が充分かどうか。
 阪急とも接点があれば、もっと良いアイディアになるのですが。いっそ、北野白梅町から西進して山陰線に接続・乗り入れ、環状線を構成できるならば、面白いかもしれません。ただし、初期投資が更に大きくなるので、実現可能性はよりネガティブになってしまいます。

 また、京都市の計画思想としては、地下鉄は中心市街地充実のツールというよりも、郊外開発型のオプションとして認識されている傾向があり、なんらか整合をとる必要もあるでしょう。

 地下空間の私権制限は、話題としては大きいものですね。そういえば、大深度地下利用に関する法整備は今どうなっているのか・・・・・・

Re:京都市市街地は路面電車よりももっと地下鉄を!
 投稿者---けんご氏(2002/03/17 23:49:06)

 成人後に京都市市街地に一生活者として数年間住んだ経験から申しますと、路面電車を新設するよりも、もっと地下鉄の路線を増やして欲しいです。その方が断然地域住民に大いに歓迎されます。

 自分も京都に実家があるんで理想を言えばその方が嬉しいと思います。しかし、その上でコメントの中にはやや気になることも多いです。

 第一.京都市街地の道路は幅員が狭いものが多過ぎる:

 大都市にしてはそうであることは確かではあると思います。

 例えば、今出川通や河原町通など;狭い道路の路面電車の存在意義自体はバスと変わらず、

 そうでしょうか?路線敷への自動車乗り入れを禁止すれば路面電車の定時性はバスよりはるかにいいと思います。

 むしろバスと異なって交通渋滞の並びに交通事故の元凶と化すリスクがある。

 京津線で度々大きな事故があったとは聞かないです。また、他の地方都市の路面電車に関してもそうだと思いますが。バスだって一車線道路では当然、河原町通りのように多系統が走れば二車線道路でも交通渋滞の元凶にはなると思います。

 路面電車とセットの自動車使用規制は該当地域生活者にとっては、はなはだ迷惑なものと認識され、猛反発を招くのは必至。

 これは当然でしょう。どんなところでも使用規制やロードプライシングが喜ばれる筋合いはないです。だからこそ逆にそのことを根拠には使用規制が良くないとは言えない筈です。かといって今出川通りのLRTが使用規制を行なってまでメリットのある案かはわからないですが。

 第三.祇園祭などの大規模な祭りにとって―架線が危険など―路面電車は邪魔。

 かつては架線を外して祭を行なっていたと聞きます。面倒なのは確かですね。

 以上から、山手線域内に匹敵する京都市街地には山手線域内と同様に路面電車の新設よりも地下鉄を何路線か新設した方が最適だ、と考えます。

 山手線域内とは昼間人口も経済活動の規模も規模が違いすぎます。それはペイしないと思います。

 勿論正直LRTより地下鉄の方が既存鉄道との相互乗り入れや交通渋滞の面でより大きな効果があると思います。しかしながら、かかる費用がLRTと地下鉄ではまさにケタが違います。真っ赤な京都市の財政では到底無理があると思います。ただ、一方で、既存の鉄道網に結節ターミナルが少なく、不便である点は否めず、そういった部分はバスがカバーしているのも事実です。LRTにしろ地下鉄にしろ、あるいは自動車の使用規制にしろ、こういった問題点を解決し、現実に交通渋滞を減らすというメリットを実現でき、かつ、コストパフォーマンスに優れた案を考えられればというか、市役所の方考えてください(笑)。

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2004.11.02 Update


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