【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.331)
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〔都市公共交通全般〕かくて都市公共交通は蘇る?
 投稿者---打越健太郎氏(2001/08/26 16:24:05)
〔都市公共交通全般〕かくて都市公共交通は蘇る?
└都市問題と過疎地問題とを峻別すべきでは?
 └Re: 都市問題と過疎地問題とを峻別すべきでは?

 こんにちは。打越健太郎です。先日「都市と路面公共交通」(学芸出版社)で知られる研究者、服部重敬氏の講演を聴く機会がありました。話の中身は、都市交通全般の問題点や欧米での傾向、といったものでしたが、1つ、大変に驚いた点がございました。服部氏によると

 クルマ社会のアメリカ合衆国でも都市公共交通(主にバス)は都市の基礎的インフラとして大切にされている。それはアメリカ合衆国においては貧富の差が甚しく、収入の少ない全米国民のうち2割は、クルマを買うことが出来ないからだ

と。

 これって本当なのでしょうか。考えてみれば日本でも、クルマは結構高い買い物ですね。「手元にクルマという形で残るだろう」ともいえますが、自動車はたとえどれほど丁寧に使用しても、一旦登録してしまうと「新古車」として市場価格はガタッと下がります(自動車は登録が対抗要件になっており、動産としては例外的に抵当権の対象となっているのですが、抵当をつける為には新車を登録せねばならず、市場価格の下落を嫌って実際には殆ど自動車抵当の例はありません。余談ながら、譲渡担保ならば登録は不必要なので、自動車を担保として用いる場合には、殆ど譲渡担保です)。ですからクルマは資産として持つには非常に不向きであり、実はクルマを買うにはかなりの経済的余裕が必要とも言えるわけです。日本においては、現時点ではいくら不景気であっても自動車くらい買える人が殆どですが「1億総中流」の時代は終わりつつあり、近い将来、日本でもクルマを買えない人々が頻発してくる可能性は否定できませんね。

 現在、公共交通を維持しようとすると「クルマ社会の時代に公共交通など…」という反論を目にすることが多いのですが、これは「人々は今後も自由にクルマを入手・使用出来る」ということが暗黙の前提になっています。しかし、もしもアメリカ合衆国において「クルマを買えない」人々が一定数存在し、日本もそうなり得るというのであれば、話は全く別になってきますね。何が何でも公共交通、なかんづく都市公共交通を守っていかねばなりません。また、公共交通の役割は、現在とは比べ物にならないほど大きくもなるでしょう。今後の世の中を考える上で、このことはもう少し考えてみたいですね。皆様はいかがお考えですか? 

都市問題と過疎地問題とを峻別すべきでは?
 
投稿者---樫通氏(2001/08/27 05:14:20)

★アメリカにもいろいろあり一面的にばっさりとやるのは抽象化しすぎて現実からの乖離が大きくなりすぎるかもしれない恐れは多々あるのですが、あえてコメントさせていただくと・・・

★「合衆国が車社会」「主にバスが都市の基礎的インフラとして大切にされている」「全米国民のうち2割は(収入が少ないため)車を買うことができない」は、おそらく正しいのかと思います(2割なのか何割なのかの検証のすべは私自身持ってはいませんが)。

★ただこれが上記のような原因と結論になるのはいささか短絡的ではないかと思います。というのは下記が現状ではないかと私は考えるからです。

  1. 収入が少なく車が買えない層の大半は都市のいわゆる貧民街、および農村における大農場での季節労働者で占められる
  2. 前者については確かにバスが重要な手段ではあるが、そもそも都市であるがゆえに車を買えない層以外でも、目的地での駐車場の問題等で公共交通機関を利用している。
  3. 後者については小さな町に住んでおり日常の生活については徒歩圏での買い物がたいてい可能。農場への通勤は農場主がバンやマイクロバスなどで送迎。このような町ではあまり公共交通機関が意味をなさず存在しない。

★要はバスが重視されている街は貧民対策というよりも都市であるがゆえに公共交通機関の存在が可能であるだけであり、渋滞対策などで公共交通機関が見直されてきている。一方都市以外ではいかなる収入層においても公共交通機関が必ずしも必要である存在ではないため、よほどの赤字補填でもない限り存在しない、という状況であると考えます。すなわち低所得者層をターゲットに公共交通機関が見直されているというのはいささか短絡的であると考えます。

★日本に関しても、都市の交通政策の観点から渋滞防止などで「使いやすい公共交通」の整備は今後も必要と考えますが、過疎地において公共交通機関を赤字補填してまで存続させる必然性は薄れてくるかと思います。また新車および綺麗な中古車はかなりの値段がしますが、おんぼろ中古車であれば相当安い値段で買えるでしょう。現に前述の農村における低所得者層の中は、すさまじい中古車を所有している人もおります。この点からも、低所得者の存在だけを理由に公共交通機関の整備を行うべきだという結論を導くのはやや無理があるのではと考えます。

Re:都市問題と過疎地問題とを峻別すべきでは?
 
投稿者---とも氏(2001/09/01 22:53:02)

 ともです。ごぶさたしております。

 さてさて、

 「合衆国が車社会」「主にバスが都市の基礎的インフラとして大切にされている」「全米国民のうち2割は(収入が少ないため)車を買うことができない」は、おそらく正しいのかと思います(2割なのか何割なのかの検証のすべは私自身持ってはいませんが)。

 間違いではないでしょうし、ある意味では正論でしょう。
 ただ、これについては裏返すと公共交通は低所得層のためのものということになります。しかし、アメリカで実際にそうなっているのはロサンゼルスぐらいなものです。

 アメリカにしても同様の都市形成が見られるカナダやオーストラリアにしても結局は低所得層=自動車を使えないという考え方は成立しません。
 それは例えば、旅行者のような一時滞在者や駐車場などの問題から使わない層も多いからですね。
 短絡的というか、そういった考え方もあるけれども他にもあるというのが正しい答えかもしれません。

 日本の場合の過疎地における公共交通機関の問題は、独立採算制との関係から本当にどこまでサービスをすべきなのかという点があいまいであることのような気がします。
 まず、本当に公共交通の整備を住民が求めているのか、自動車が使えない層(所得だけの問題では無く)へのフォローをどうするのか(相乗りでの解決は?タクシーは?)などを勘案して決めていくのでしょうね。

 まずはこんなんで。ではでは

〔広島〕電停整備に…  投稿者---551planning(2001/08/28 01:53:37)

 お盆明けの8/16〜/18に、ふとお好み焼きが食べたくなって広島〜大阪を駆け巡ってきました。勿論いろいろと取材をしてきたので、各所にて随時御紹介できればと思っております。
 広島…やっぱり路面電車ですよね。胡町歩道橋からの定番写真のあとは、4月の地下街「シャレオ紙屋町」オープンに合わせて改装された紙屋町電停の写真です。「続いて紙屋町」で知られる交差点を挟んで2電停があることでも知られていますが、広島駅・己斐・本社前方面を結ぶ結節点であり、単純かつ明快な運用の典型といえましょう。
 改装された電停はすっきりした屋根を持ち、跳ね上がり式の椅子も用意されており、また車椅子での待機・乗降・転回にも充分な横幅が確保されているなど細やかな配慮が伺えます。連接車が市内線でも使われるようになったためか、ホームもかなり広く取られていました。広電ではさらに今後他電停の改装を進めてゆくと聞いています。

 ところで…紙屋町交差点を見て2つの大きな変化を見ました。1点は横断歩道の全廃。電停含め地下通路を介しての通行となります。地下通路へはエスカレーターが多用されており、差ほどストレスを感じないかとは思います。さすがなのは紙屋町両電停とも、交差点と反対側のホーム端部で横断歩道と結んでいる点。これなら車椅子等の利用も(遠回りになる可能性はあるとはいえ)スムーズですね。路面電車、特にLRVの利点は乗降のために気を使わないことですから、これが地下通路だけに限定されていたとしたら使い勝手はむしろ悪のではと考えます(その意味でかつての長崎電気(というか管轄警察の方針で)の歩道橋直結限定スタイルが想起されましょう…こちらも見直しが進んでいると記憶しています)。
 話を戻して、横断歩道の廃止によって道路交通がスムーズになったと認識されているようで、双方の安全が図れるようになったということはいいことですよね、納得。

Yahoo!NEWS(毎日)http://moomoo.gaiax.com/www/moomoo/t/a/trafficmap/diary.html

 ただ、惜しむらくは…どうせなら広電ごと地下に潜らせてほしかったかなぁと。ジャンクションであること、アストラムラインが地下を走ることなど、難しい工事にはなったとは容易に考え付きますが、広電の輸送状況を見るにつけ、紙屋町こそボトルネックになっていることは明白ですから…。
 ボトルネックといえば、交差点角にあった信号所が見当たりませんでした。ビルに組み込まれたのか、ポイント切り替えが完全自動化されたのか…いつぞや、NHKのドキュメント番組でこの信号所が取り上げられ、「職人芸」というべきポイント操作がなされているという内容に感嘆したものでした。自動化の反面で、これまで鉄道を動かしてきたものに受け継がれてきた「技術の伝承」が、メンテナンスフリー、コスト圧縮の名の下にカタチを変えつつあります。それで本当にいいのだろうか…われわれ利用者は、そろそろわが足元を見つめなおす時にあるのかも知れません。ふと、そう思いました。

シャレオ紙屋町http://www.shareo.net/
広電グループ
http://www.hiroden.co.jp/

路面電車サミット2001に期待するもの   投稿者---都市再生氏(2001/09/06 09:50:08)

 第5回目になる路面電車サミットが来月、熊本市で開かれます。
 マンネリ打破のための議論がほしいところですが、多くの課題の中で、緊急課題は何であるのかと考え込んでしまいます。

〔バスシステム〕施設直行バスのあり方
 投稿者---とも氏(2001/10/13 12:56:58)
 
 http://town-m.vop.jp/
〔バスシステム〕施設直行バスのあり方
└Re:施設直行バスのあり方
 └Re:施設直行バスのあり方
  └Re:施設直行バスのあり方
   └Re:施設直行バス〜水戸のバス
茨城県庁方面,バス輸送改善
 └総論→各論
  └要は妥協

 ともです。久々のバスネタで。

 先日、水戸市に仕事で伺ったときのこと、目的地が県庁近くであったので水戸駅から県庁直行のシャトルバスに乗車したのですが、このバスにはちょっと驚きました。
 水戸駅を出た後、ノンストップで県庁へ。で、県庁ですが、なんと敷地内にそのまま入り、車寄せ横にバス停があるのです。
 これまで、いろいろな都市の市役所や県庁に行ったことがありますが、シャトルバスや路線バスでも「県庁前」や「市役所前」であって、よくても敷地内にバスターミナルがある程度(長野県庁など)で、県庁敷地内に入り、車寄せロータリーで客扱いをするなんていうのは聞いたことがありません。(都庁シャトルは玄関横の公道上)
 料金が350円といくらなんでもという値段、運行本数が1時間に1本という情けない本数(小型ノンステ車で15分間隔運行なら今以上に客は流れそう。並行する石岡方面のバスの乗客が意外といますし。今のシャトルバスの利用者数は1便10〜20人程度でしたが、タクシーの多さを見ると可能性はかなり大かなと思います。)だったのですが、考え方は先進的なものともいえますし、さらに、県庁バスターミナルもありますが、ここを含めトランジットセンターとして機能しており、実際、学生などがサイクルアンドバスライド(自転車でバス停に来る)を行っているなど地方都市でバスを成功させるにはという良い見本になるのかもしれません。

 病院敷地内へのバス路線の入れ込みは、病院玄関にバス停がある慈恵医大第三病院や岩手県盛岡市での病院間連絡バスなどの事例がありますが、行政機関や商業施設、大規模集客施設ではなかなかできないものでもありますし、この茨城の例は参考になると思います。

 打越さん、やるじゃないですか茨城県庁(笑)。

 余計なことまで書いてしまいました。
 ではでは。

Re:施設直行バスのあり方
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/13 23:51:11) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 この手の直行、というか乗りつけバスってけっこう探せばありますよ。
 都内だと目白から日本女子大行きの学バスと椿山荘行きのバス(椿山荘の場合は、本館車寄せが「椿山荘」で、目白通りに出たところの「椿山荘前」(これは別の系統と共用)にも続けて停車します)があります。
 千葉ですと千葉日大一高行きの京成バスが構内に入ります。

***
 高速バスですと、東京駅−江戸川台線がガンセンター内にあるターミナルに入ります。官公署や公共施設以外の例としては、浜松町・東京−君津線の「君津製鉄所」が挙げられます。これは新日鉄君津製鉄所の構内にある商店や銀行のあるサービス棟(製鉄所とはこういう施設を必要とするような規模です)前に近郊路線と高速バスの停留所を設けたものです。
#この棟の脇にラインが並ぶ構内への内門があるが、この中に入るということはオフィスの中に入るようなもの。

 同じ製鉄所関係でも、鹿島線の「住友金属」バス停は構内ではなかったです。

 最後は業界の話題になってしまいました...(笑)

Re:施設直行バスのあり方
 投稿者---とも氏(2001/10/14 02:43:36) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 おっしゃるとおり、学校、病院、企業系は結構ありますね。(小田急バスの慈恵医大、学バスの東大構内、地方部なら大学行きなんてほとんどこのパターンですし。)私の書き方ではそれ自体珍しいととれますね。失礼しました。

 ただ、役所ではかなりレアだと思うんですね。また、商業施設もないんですよあまり。まったくないということはないんですが、なぜかないですね。これにはいろいろ事情があって、商業施設の場合には、バス事業者にいくらの補助ができるかというのがポイントになります。とはいえ、最近はかなり増えてきてはいまして、バス停が商業施設内にある例も増えてきています。ところが役所は相変わらずなんですね。
 なんでこの話を出したかといえば、「バスの利用者が少なくて」という役所のリクエストに答えて、住民にアンケートをすると「市役所に行くのが不便」なんて意見が必ずといっていいほど出ます。でも、市役所の車寄せには入れさせないんですね。警備上を理由にして。
 しかも、市役所とか県庁というのはうまくすると拠点なのでバスターミナルとしての機能も持たせられるんですよね。香港が特別行政区の役所にバスターミナルを併設したり、カナダやアメリカの地方都市ではシティホールにバスターミナルがあったりします。
 こういったことは日本ではあまりできなかったのですが、それでも思い切った茨城県の姿がおぉと思ったのと、県庁という場所をうまく活用してトランジットターミナル化をやっているところです。土休日の商業客向けP&Rの駐車場としての活用も夢ではないですから。なかなかできない市役所や県庁の休日駐車場の解放施策の一案と思うと実は大事なのかなとも思います。

 川崎市バスなんかだと、NKK前とかいろいろありますしね。
 茨城も県庁に高速バスがよりますね。ただ、悲しいかなせっかくの県庁内につくったバスターミナルに寄らないんですよね。あれがよれたら・・・水戸南部のバスターミナルとしての地位を一気に上げられるのですが。

 地方なんかなら、企業の社員用駐車場を土日解放したいのですが、これも難しいんですよね。(君津なんてできたら面白いけどな...)
 そういう意味で、この茨城の例は魅力です。

 ではでは。

Re:施設直行バスのあり方
 投稿者---打越健太郎氏(2001/10/14 13:35:37)

 茨城県では、旧県庁(現在は「三の丸庁舎」。パスポートセンターやNHKのカルチャーセンターとして使用)の時代から、県庁駐車場を民間に開放していました。三の丸庁舎の隣は、水戸藩の藩校だった弘道館ですし、公園もありますからね。

 あのバスは完全に民間ベースです。別に県が頼んでいるわけではありません。元は30分間隔だったのに、現在は半分になっちゃったんですね。僕としては、バスルートの途中で水戸工業高校・茨城県自治研修所(隣同士です)の脇を通るので、朝の水戸駅発、夕方の県庁発だけでも工業高校前のバス停に停車させれば、乗客も増え(高校生と研修生。研修所は県の機関ですが市町村職員も使うので、殆ど毎日、誰かが研修を受けています)、増発も可能になると思うのですが… こういった「攻め」の姿勢が全く無く、合理化=減便としか考えないバス会社にはふがいない思いで一杯です(役人に経営批判されてどうする、バス会社!!)。

 因みに、直ぐ脇を石岡・鉾田方面行きの「関鉄メロンバス」が走っていますし、このバスもちょっと寄り道して県庁内に入ってくれればと思いますが、あちらが混んでいるのは、水戸駅北口発着(県庁シャトルバスは南口発。水戸駅は圧倒的に北口優位です)、市街地の南町・泉町・大工町経由だからで、全く市街地を通らない県庁シャトルバスが込むかといえば、僕は否定的です。パーク&ライドも(提案者は居るけれど)シャトルバスが走るのは混雑しないバイパス、石岡方面行きは市街地に入るまでグルリと大回りをするので、多分上手く行かないでしょう(僕のような公共交通好きですら、休日に県庁からパーク&ライドをやろうとは全然思いません)。どうしたものか…

 ところで、とも様、茨城県庁にいらしたら僕の所に寄って下されば良かったのに。19階の土木部監理課にいます(ただし、部内調査や財政課・出納事務局との連絡係なので、庁内を歩いていて留守のことも)。次は是非、お寄り下さいね。他の方も是非どうぞ。「打越居る?」と聴いて頂ければ、直ぐ飛んでまいりますよ。

施設直行バス〜水戸のバス
 投稿者---とも氏(2001/10/14 21:07:10) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 茨城県では、旧県庁(現在は「三の丸庁舎」。パスポートセンターやNHKのカルチャーセンターとして使用)の時代から、県庁駐車場を民間に開放していました。三の丸庁舎の隣は、水戸藩の藩校だった弘道館ですし、公園もありますからね。

 旧県庁は観光地みたいなものですからね。

 あのバスは完全に民間ベースです。別に県が頼んでいるわけではありません。元は30分間隔だったのに、現在は半分になっちゃったんですね。

 えっ! 県は関与していないんですか?(驚!!)
 もし関与せずに完全民間ベースならそれこそすごい話なんですが。
 複数事業者が運行してますよね(茨交、関鉄、JR)。それであれだけの統一ダイヤをやって、しかも県庁内に乗り入れるなんて・・・どっかの民間事業者にも見習ってほしい・・・
 いやいやこの3社、「攻めの姿勢がない」なんてとんでもない、ものすごいがんばり屋ですよ。これは県(または水戸市)が支援しなきゃ。(笑)
 県と市が補助して30分(本当は15分間隔がいいけど・・・とりあえず特急接続で30分間隔)、途中乗降可、共通往復乗車券、さらにバスロケ&PTPSなんかをやってみるなんてどうですか?
 確かに、途中のバス停での利用を拾えれば全ての便がそこそこの乗りになるでしょうね。
 僕が乗った便が偶然かもしれませんが、水戸駅午後発の便で、乗客が20人、うち15人は県庁から自転車に乗り換えた高校生、3人が県庁、1人はどっか(県庁本庁舎以外)という流れ(あとの1人は私。近くの役所に出向く途中でした)でした。意外と県庁以外の用務者が多いのがまず驚きで、ついでに県庁周辺に結構魅力的な商業集積、業務集積が展開されつつありますので、数年後なら変化が考えられますね。

 水戸について、じっくり見た感想からすれば、大工町から水戸駅周辺へのシフトは確実に進んでいるなと思います。
 水戸駅北口のLIVIN(西武)、丸井、エクセルはどれも集客力が高く、商品構成もなかなかのもので、地方都市としては十分合格点は与えられるでしょう。
 となると、そろそろ人の流れが大きく変る時期だと思います。そう考えると、バスルートは今は良いとしても今後衰退の道を歩むということは否定できません。
 水戸駅南口にはかなり魅力的な飲食店やお店が集まりつつあり、さらに駅前再開発がかなりうまくいっているようです。しかも、北口の大規模店舗群は、丸井、エクセルが10代〜30代、LIVINが主婦層とうまく分離され、そして無印良品などの20代〜30代に人気のブランドもこれらの店舗に入っています。これらの層はそれ以上とは異なり、そのままこれらの大規模店舗を利用するでしょうから、旧市街地も工夫が必要だと思います。交通で救うのなら、違う方策を考える時期でしょう。
(夜、友人と南口で飲みましたが、ホントにおしゃれな飲食店が多くてびっくりしました。これなら北口の衰退も時間の問題と感じますね。)
 そういう意味で、今後のことを考えると、今のシャトルバスルートはちょっと混雑が不安ではありますが、途中の道路整備さえなんとかなれば、良いルートと考えられますし、場合によっては県庁でのP&Rもいけそうな気がします。(R50BPをフリンジにしたP&Rとしてなら十分可能)

 水戸については、もし国土交通省や県がやる気なら、シャトルバスや路線バスについて、ITSを活用したサービスで支援するなどすると、大化けの可能性もあるかなと思います。
 それほど悲観的になる必要はないかもしれません。水戸市内は意外と駐車料金が高く、さらに混雑するということもあるので、社会実験でやってみるとよいかなと思います。
 あとは、県庁BTを活用した高速バスP&Rも可能性がありますね。
 これなんてやれば間違いなく客はつくと思うんですが。

 ところで、とも様、茨城県庁にいらしたら僕の所に寄って下されば良かったのに。

 いやいや、ちょっと中途半端な時間だったもので、しかも県庁バスターミナルやら県道のバリアフリー歩道(というかユニバーサルデザインと言えるかも。段差はないし、グレーチングをパッチングにしたりしてますしね。)、日本でも珍しい左折分合流車線なんていうものがあったので、県庁をぐるぐる回るのに時間をくってしまいまして、失礼しました。また近々ご近所の某所に伺う際にはよらせていただきます。

 ではでは。

茨城県庁方面,バス輸送改善
 投稿者---打越健太郎氏(2001/12/22 05:09:40)

 打越健太郎です。以前,水戸駅〜茨城県庁間のバス輸送について批判的に述べましたが,今月に入ってから2回に分けて改善が行われました。

  1. シャトルバス増便
     12月3日より,平日のシャトルバスが7往復増便されて(水戸駅→県庁:1日30本から37本,県庁→水戸駅:1日35本から42本),水戸駅〜県庁間は日中でも30分に1本の足が確保されました(平成11年4月の県庁移転から約1年半は30分間隔でした。その後,1時間1本という間引きダイヤになってしまったのですが,当初の形に戻ったわけです)。交通の便が悪いのが新県庁の泣き所,国から出張等で来られる方(色々です。国土交通省とか財務省の方,また会計検査院の調査官なども)も,今まではタクシーを使って頂くか,県職員が水戸駅までお迎えに上がらざるを得なかったのですが,便利になりました。
     

  2. 一般路線バス県庁経由化
     以前にも申し上げましたが,県庁シャトルバスとは別に,県庁の西側を関東鉄道(系列会社を含む)のバスが走っております。12月16日から,これらのうち水戸駅→県庁が1日21本,県庁→水戸駅が1日19本,県庁バスターミナルを経由することになりました。しかも上下ともに10本は,シャトルバス同様水戸駅南口でも乗降車が可能になります。

 1,2を併せて大幅な増便ですね。この前はバス会社に対して苛烈な批判を申し上げましたが,今回の2回に分けたダイヤ改正にはなかなかの意欲を感じます。2002年2月にはバスの需給調整が廃止され,今まで言わば「陣地」として既得権化していた(1日1〜2往復しか走らず,殆ど有名無実化している路線でも廃止しなかったのも,恐らくはこの理由でしょう)既設路線にも新規参入が認められるようになります。その前に頑張って,水戸駅〜県庁というある程度の需要が見込める路線を梃入れした,と解釈すれば良いのでしょうか。その意気や大いに良しと言うべきでしょう。

 もっとも,一利用者として申し上げれば,まだまだ駄目な所が目に付きます。例えば1に関して申し上げれば,東京方面から常磐線で茨城県庁に来る場合,「スーパーひたち」とは水戸駅で約10分の接続ですが(「スーパーひたち」水戸駅着が概ね毎時05分,シャトルバスは水戸駅南口発毎時15分),「フレッシュひたち」とは接続していない(「フレッシュひたち」水戸駅着が概ね毎時45分,シャトルバスもほぼ毎時45分発)のに気付きます。
 では2のほうはどうか? と思って手元の時刻表を確認してみると,11時台には水戸駅北口発11時50分というバスがあり,5分では特急からの乗継は無理ですが,このバスは水戸駅南口も経由している(11時57分発)ので,ここで乗継が可能です。しかし,「フレッシュひたち」と接続しているのはこの1本だけ,14時などは水戸駅南口42分(一般バス)と50分(シャトルバス)などと雁行している反面(「フレッシュひたち」とはどちらも乗継不可),その次のバスは15時15分まで無いという,無意味な増発になっている例が多々見られ,この点早急な改善が求められます(県庁にご用なら,むしろ新宿駅発着(水戸駅南口始終発)の高速バスがお勧めです。県庁の直ぐ横に停車しますから)。
 因みに,このように無意味なバスは他にも走っています。県職員の間で広く知られている例でが,県庁発水戸駅南口行シャトルバス県庁発17時13分というものがあります。一体このバス,誰を乗せる気なんでしょう? 県民やその他の来客の皆さんは,この時間にはまず間違い無く帰ってしまった後です。で,僕達の勤務終了は17時15分。このバスは常に空気輸送ですが(註:シャトルバスは途中停留所には停車しない),当然ですね。朝もタッチの差で列車から乗継の出来ないシャトルバスが走っており,県職員からは批判を通り越して糾弾,さらには酒席などでは罵倒を受けている体たらくです。

 茨城県庁に限らず,バスはこういった無意味なダイヤ(ex.列車や他のバスとの接続を考えていない,雁行した直後に間隔が大きく開く)を組んでいる例がよく見られます。鉄軌道でもこういった例はありますが,鉄軌道においては行違駅の都合や線路容量などで改善できないという,やむを得ない理由が見出せることが多いですね。無論,バスとても車両や運転士の運用上,どうしてもこのようなダイヤになってしまう場合もあるでしょう。でも,それで全てが説明できるのでしょうか? バスは柔軟な路線設定や運用が得意なはずなのに,何故こんなことになっているのか。何もシームレスなどという言葉を持ち出さずとも,乗継の良し悪しが利用状況を大きく左右するというのは当然です。まさかバス会社がこれを理解していないとは思えず,それならば何故に接続やダイヤパターンを改善しないのか,もの凄く疑問です。また僕自身がこういった不便に突き当たった際には強い苛立ちを感じます。ここで苛立ちを感じた者…僕だけではないでしょう…がどうなるかといえば,多くの場合,交通手段そのものを自家用車や自転車に切り替えてしまうでしょうね。昔から申し上げているように,僕は「現在の我が国は自家用車やその他の自動車の濫用状態である。自動車削減,鉄軌道・バス等の公共交通利用の促進を図るべきで,場合によっては強制も止む無し」と考えておりますが,上記のような実態を見ると,これは公共交通に愛想尽かしをされても仕方無い,と感じてしまいます。

総論→各論
 投稿者---打越健太郎氏(2001/12/22 23:53:25)

 打越健太郎です。自己レスはあんまり好きではないのですが,今回は少し…

 今日,JRの「お客様相談窓口(旧・グリーンカウンター)」に参って尋ねたのですが,どうもJRの場合,改正ダイヤのプレスリリースまで外部の鉄道会社等にダイヤを見せてはいないらしい。鉄道同士ではある程度,擦り合せているようですが。この点,JRのやり方も改善を検討して欲しいものです。
 とは言え,ならばJRのダイヤ改正に少し遅れるにせよ,少なくともプレスリリース以後に,JRの特急などと擦り合わせたダイヤを作ることは可能なはずです。一体何故,バスはこういった点からあまり使い易くないダイヤになっている例が多いのか,ご存知の方や推測をつけた方,是非お聴かせ願います。

要は妥協
 投稿者---とも氏(2001/12/23 03:16:08)

 なんだかご無沙汰です。お忙しいようで。

 一体何故,バスはこういった点からあまり使い易くないダイヤになっている例が多いのか,ご存知の方や推測をつけた方,是非お聴かせ願います。

 簡単に言えば、鉄道に合わせすぎてしまうと結果的に地域内流動との整合が図れなくなることがあります。
 すなわち、打越さんは今回の茨城県庁シャトルバスの流動を対東京で見ていますが、実際には茨城県全域からあるわけですよね。
 そうなると、かならずしもフレッシュに接続させることがベストとはならず、変な言い方をすると1時間に1本のスーパーに接続させれば良いとしてしまい、あとは30分間隔という解りやすいダイヤにすることで地域内流動をまかなうというものです。

 実際、交通計画の場ではこの手の話は必ず出ますが、完璧なダイヤというものはどうやっても作れません。であるからこそこのような最大公約数的なダイヤにするのですね。
 要は妥協です。
 飛行機のようにある程度間隔があくのならまだしも、ひたちのように密にあると今のパターンは一つの考えと思いますが。

 ちなみに、私であれば、フレッシュ接続は路線バスに譲り、あくまでシャトルは等間隔運行を目指しますね。
 その代わり、発車時刻をうまくずらして両者からの接続をうけるなんていうことを考えるかも・・・

 ではでは

(横浜)市営141系統にのって
 投稿者---brother-t氏(2001/11/01 01:33:40)
 
http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm
(横浜)市営141系統にのって
└市営141系統は工夫一つでまちがいなく化けるでしょうね
 └市営141系統&横須賀13系統平成町循環
パワーアップした「みなとみらい100円バス」に見るLRT昇華の可能性
 └泥鰌何匹?…

 こんばんは、さて先日ワールドポーターズを冷やかしに行こうと思い、横浜駅から市営141系統のバスに乗りました。

●路線概要
 この路線は横浜駅〜MM21(美術の広場・クイーンズスクエア・パシフィコ)〜ワールドポーターズ〜赤レンガパークと言うルートで、かつて私の書いた横浜地区のLRTと途中までですがルートとしては似ています。本数は大体日中で4〜5本/1時間、桜木町駅からの路線とコンビを組んでいる感じです。土・用休日は運賃100円の循環路線となります。

●乗車状況
 実際乗って見ると乗客数は12名その乗客の大半(10名)はクイーンズスクエアで降り、新たにパシフィコで5名の乗客を受けそのまま赤レンガパークへと向かいました。また帰りは桜木町行きに乗ったのですが乗客は僅か2名MM21地区でも乗客を迎えることはなくそのまま終点へなだれ込みました。

●横浜中心市街地バス網の課題とLRTへの展望
 乗車状況を見る限り、これをLRTにするのは相当厳しい、ただこの路線の欠点ははっきりしていて、まず根本的に山下公園・中華街〜元町、馬車道〜関内駅〜伊勢佐木町といった旧市街地やジャックモール(ここは一応案内がありバスも比較的近くを通るのに肝心のバス停がジャックモールに行くのには不便)、実際の〜横浜・桜木町路線の乗車状況から鑑みて少なくとも500mくらいだったら乗客は歩いて行ってしまう為に、結局その範囲から外れる地区(横浜駅〜クイーンズスクエア:ランドマークだと桜木町から歩き、パシフィコ〜赤レンガパーク)と言った地区の需要しかないのである。逆にパシフィコ〜赤レンガパークと言う傍目からは信じられない区間の乗客が少なからずいると言うのはジャックモールの近くにバス停を設置して更に旧市街地への延伸で周遊性がまして上で書いたような需要地区が増大し、 大化けする可能性も秘めている様に思う。
 更に言えば「MM21に来た観光客をいかに旧市街に誘導し旧市街を活性化する」と言うのは横浜市の1つの課題でもあるので1つやって見たら面白いのではないだろうか?

市営141系統は工夫一つでまちがいなく化けるでしょうね
 投稿者---とも氏(2001/11/04 12:11:53) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 市営141系統はパシフィコやクイーンズスクエアに行く際によく利用しています。
 なにげに便利な路線なんですが、今ひとつ乗りが悪いですね。
 リピーターが多いようで、1度使うと病みつきといったところでしょうか。

 乗車状況を見る限り、これをLRTにするのは相当厳しい、ただこの路線の欠点ははっきりしていて、まず根本的に山下公園・中華街〜元町、馬車道〜関内駅〜伊勢佐木町といった旧市街地やジャックモール(ここは一応案内がありバスも比較的近くを通るのに肝心のバス停がジャックモールに行くのには不便)、(略)需要地区が増大し、おお化けする可能性も秘めている様に思う。

 同感です。
 まず、基本的に、この区間には需要がないのではなく、横浜市営が掘り起こしていないところが問題だと思います。
 出発地も横浜駅東口BTというのは運行上、確かに渋滞も無いですし魅力的ですが、使いにくいですね。
 このような都心循環スタイルのバスならば西口発にするというのがまずあります。

 あとは、書かれているとおりの山下公園方面への的確な拡大です。
 横浜駅〜山下公園のシーバスが単なる移動手段としての利用者が少なからずいることを考えると、141系統を純粋都心循環系統にしてしまうことが必要かもしれません。
 私なりの案としては

横浜駅西口〜ジャックモール〜クイーンズスクエア〜パシフィコ〜ワールドポーターズ〜赤レンガパーク〜県庁〜山下公園〜元町〜中華街〜横浜スタジアム〜市役所〜関内駅〜桜木町駅〜横浜駅西口

てなところでしょうか。

 あとは、路線を二種類に分けてはどうでしょうか。一つは観光客向け、もう一つはビジネス需要向けです。
 観光客向けは「ワイキキトロリー」や「シドニーエクスプローラー」のように一目でわかる車両を使い、観光地(MM、山下公園、中華街、元町、イセザキモール)を循環させます。乗車券は乗り切りと乗り放題チケットの2種類での対応ですかね。
 ビジネス需要向けは「パースCAT」や「ロンドンステーションリンク」のような小型ノンステによる循環サービスとして県庁、市役所、MM、関内を循環する路線にしてしまうのはどうでしょうか。土休日はMMシャトルに徹するということもできます。

 LRTは、作れば需要は掘り起こされるのは間違いないでしょう。おそらく横浜駅〜MM〜ビジネス街〜山下公園〜本牧なら需要は確実だと思います。
 これに横浜駅〜東神奈川〜東白楽〜六角橋〜新横浜〜横浜国際競技場まで作れば間違いないといったところでしょう。

 少なくとも横浜の公共交通は不便というか地元民しかわからないという日本の典型的な公共交通網の形態です。横浜市は「横浜独立国」といわれるほど新たな施策を打ち出し、「都市デザイン」という概念を作り上げた市町村ですから、今後に期待しますか。

 ではでは

市営141系統&横須賀13系統平成町循環
 投稿者---brother-t氏(2001/12/11 12:22:36) http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 こんにちは。

 市営141系統は1日乗車券で乗りたい路線といった感じかもしれません。

 確かにルートどり次第では横浜のナンパ橋当りを経由して横浜西口〜MM21と言う回遊性も確保できそうなメリットもあります。
 個人的にはMM21に行ってそこから伊勢佐木町に歩く事が多かったので気付かなかったので確かに山下公園はありですね。

 個人的には伊勢佐木町も仲間に入れてあげたいなと思います。個人的に感じるのはジャックモールやランドマークと言った集客施設に関して、バス停名にならなかったりと扱いが悪かったりするのも合わせて改善して欲しいと思います。これは後述する横須賀の平成町循環におけるhide記念館などにも共通して言える事でしょうか。

 と言うことでここで話を横須賀にずらすのですが、横須賀にも湘南新宿ラインをターゲットにしたかは分からないのですが、今年の十月から横須賀駅〜横須賀中央駅〜平成町と言う循環バス路線が出来ました。どぶ板通りや米軍基地のある本町地区、横須賀最大の百貨店さいか屋のある大滝町、横須賀のターミナル横須賀中央駅、韓国系のお店(南門店市場のような店ではない)などもある米が浜通と横須賀の主要スポットを一通り押さえて通って、大型スーパーの出店や前述したhide記念館が出来、マンション建設も進みつつあり、まさに開発真っ盛りの平成町と言う埋立地を循環するバス路線です。そして少し前にこの路線に乗ってきました。
 横須賀駅から乗ったのですが御客の多くは既存のバス路線も走る横須賀中央駅までで降りてしまい、実際活況とは程遠かったです。その理由を考えて見ると

 個人的には本数の少なさは致命的で、堀の内からの無料バスの悪影響と言うのも平成町からの需要の他にも釣り公園やダイクマを軸とした16号線沿いのロードサイドショップ群への周遊性を考えると路線設定と言う点で大きいと考えられます。実際この無料バスとの統合を前提に路線の活性化を考えて行くと

 少なくとも現状ではこの路線の潜在能力は発揮出来てないと思って考えたのですが如何でしょうか?

パワーアップした「みなとみらい100円バス」に見るLRT昇華の可能性
 投稿者---551planning(2002/05/06 14:45:58)

 既に紹介されている横浜市営141系統他の土休日100円バス「みなとみらい100円バス」が4/12より一定期間(〜7/3)ながら平日も100円化され、系統も増えるなどパワーアップされた。当方も以前より数度利用したことがあるが、さらに便利になったとあっては乗ってみないことには…と、5/5(日)に試乗してみた。

 まず降り立ったのは京急日ノ出町駅。横須賀三浦方面から桜木町への玄関口だが、普通車のみ停車。尤も現在は5分間隔であるので上大岡で乗り継いで来ることはさほど障壁にならないかもしれないが、ある種「YOKOHAMA」らしからぬ佇まいのある駅でもある。
 しかしこの日はこどもの日、というわけでもないのだが普段の土日とわけがちがう。実は中央競馬が1日ずれての開催だったため、場外馬券場最寄り駅にもかかわらず競馬新聞片手のオッサン方がいらっしゃらないのであった。
 さて、話を戻すと駅構内からうれしい大看板が。「ニュー循環バス開通」と宣伝されている通り、従前の2系統のうち桜木町駅循環路線が日ノ出町まで延長されたのである。

 さて、駅構内からの案内に従って進むとちょうどガード下の停留所から発車。当方桜木町系統は初乗だが、こちらは集中的にCNGノンステップ車両が投入されている。白基調の、CNGタンクのこぶが屋根に突き出したデザインは注目を集める。車内は中扉までフラット、中扉以降は段差がつき2人掛け席が並ぶ、利便性と着席性を追求している配置ではある。
 始発で既に10人以上が乗り込んだのは意外。「パワーアップ」後バスカードをはじめ各種乗車券が使用可能となり、さらにGW期間中は京急と横浜市営がタイアップした「横浜みなとぶらりチケット」があるためで、現金乗車はむしろ少なかった。
 野毛界隈を通り桜木町へ。日ノ出町から桜木町や伊勢佐木町方面へ歩くにはちょっと距離がある感覚があるが、さすがはバス。渋滞もなくすんなりと桜木町駅前へ…と、根岸線のガードをくぐると一気に人口密度が増した。駅前から汽車道とランドマークタワー方面に人の帯が続いている!さらに100円バス乗り場も長蛇の列で、車内は一気に満員となった。
 ここでノンステ特有の車内構造が仇となる。中扉以降2人掛け席は一般車と比べて座席配置有効面積が狭いノンステの弱点解消のために一般車のそれより多く配置されているが、それゆえ段差含め詰め込みが効かないのである。この日は暑く庇も効かない中かなり待たされた上にスシ詰めでは乗客の中から文句が出てくるのも当然だろう。
 さらにバスはジャックモールから海岸部へまわるため、大勢がお目当ての新装成った赤レンガ倉庫に行くには大回りになる。循環系統の複線化はそれなりに意義あるものと思ったが、需要超過のときにあって適切な案内がなされた形跡もなく、あったとしても待たされた心理からすればとりあえず乗るという行動に出ることを思えばなんともはや…。当方はパシフィコ横浜で降りたが、この際にも詰め込みの結果中扉の開閉がセンサーによりできなくなり、運転手の放送も緩慢だったため「お前が詰め込んどいて何だ!」とやりきれない怒号が上がる始末…。

 この混み様ではとパシフィコ横浜から横浜駅系統に乗り換えることとする。概ね20分間隔ということでそんな待つ感じもないだろうと思っていたが、時刻表上すぐ来るはずの車がなかなか来ない。結局10分遅れで到着、ワールドポーターズ横の信号待ちにでも引っかかったか。
 横浜駅系統はワンステ車で前面は横浜市営の一般塗装。ただしラッピングバスが主に使われていて、MM地区アピール感はない。ちなみに100円バスや通常路線での小児運賃50円告知などはマグネット式ステッカーでぺたっとボディに貼られているもので、些細ながらもなかなかのアイデア。
 みなとみらい中央地区は渋滞もなくスムーズに走行、程なく横浜駅に着いたが、こちらも人人人…決して分かりやすい場所にあると云い難い100円バス乗り場も列がかなり伸びていたのだった。

***
 GW期間中、天気のいい日曜で「こどもの日」とあっては需要超過も読みきれないところがあろうが、臨時便運行などの様子はなく、桜木町駅前も長蛇の列の前で循環系統のバスが車両交換のためか待機停車中とあらば利用者も憤ること間違いなしと思われ…。一断片で判断することは危険かもしれないが、状況を振り返るにもう少し弾力的な対応もできたのではとも思える光景だった。
 そもそも、桜木町駅から伸びる人の流れも凄まじかった。その中でバスをチョイスする人がいる、あるいはむしろ適切な移動手段提供如何での需要湧出の可能性は大いにあり得る。既に指摘されている通り、MM21地区と既存の繁華街、山下公園であり中華街であり、伊勢佐木町であり元町であり、あるいは山手・本牧方面との結節を思うときに現状、あるいはMM21線開業後も中途半端であると云えるだろう。
 ひとついえるのはクイーンズクスエア直下にできるMM21線駅と周辺オフィス街、桜木町駅との流動、あるいは桜木町から赤レンガ倉庫、山下公園へと伸びる旧臨港線遊歩道である汽車道の流動は今後よりメインになってくるだろう。ではそのときにLRTやAGTという存在なのか、あるいはバスシステムの強化なのか結論を出すのは容易ではないと思う。地区内の流動は線的というより面的、桜木町駅を主軸とした拡散対流的とも取れるだけに基本動線の選定は難解だ。線だけでは回遊性は生まれないからである。他方、実際に100円バス循環系統の複線化が利便性向上に直結するとも云いがたく、基本需要設定も難しい。

 バスの即応性、需要調節対応等の観点で言えば、連節バスの評価はどうだろうか。現状ルートであれば桜木町−日ノ出町間を除けば十分対応可能であるし、桜木町駅での集改札対応も可能、余談ながら現状過度な対応が求められている朝時の本牧・大黒埠頭方面への間合い投入活用もできる。一計だと思うのであるが、さて…。

泥鰌何匹?…
 投稿者---551planning(2002/05/27 23:43:14)

 ひとついえるのはクイーンズクスエア直下にできるMM21線駅と周辺オフィス街、桜木町駅との流動、あるいは桜木町から赤レンガ倉庫、山下公園へと伸びる旧臨港線遊歩道である汽車道の流動は今後よりメインになってくるだろう。

 …1ヶ月で来場者数100万人突破という脅威の集客力となった赤レンガパーク効果はそこはかとない流動を生んだようで、さすれば…ということで。
 みなとみらい100円バスに4路線目が登場、今度はついに大さん橋・山下公園へのルートができます。MM21地区と山下公園地区を結ぶ赤レンガパークたもとの新港橋を渡る路線バスは初めてとか(5/25付産経朝刊記事より)。
 ちなみにこちらは当面土休日運行、10〜18時に30分間隔での運行と控えめな様子…それにしても「3匹目の泥鰌」はどう出ることでしょうか?

横浜市交通局 http://www.city.yokohama.jp/me/koutuu/kisha/20205231.pdf

2004.11.14 Update


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