【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.322)
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〔バス〕ワンコインバスの新たな展開
 投稿者--- とも氏  投稿日時: 2001年3月21日 22時02分
〔バス〕ワンコインバスの新たな展開
└上手なバスの使い方ですね
 └Re: 上手なバスの使い方ですね

 ともです。こんばんは。

 先日、仕事で「バスのまち」福岡に行く機会があり、そこで、面白いポスターを発見しました。
 西鉄バスの新しい施策で、「駅から・駅まで100円バス」というもの。

 内容は、その名のとおり、駅から半径1kmの範囲から駅までバスを利用する場合に限り料金を100円とするというもので、4/1から実施されるとか。
 この施策の目新しい点は、『鉄道を副業でやっているバス会社』??ともいうべき西鉄が駅までの端末交通に力を入れたという点です。

 これからの実績がどうなるかという点に興味がありますが、今後の東京や大阪などでも可能性のある鉄道事業者の協力なくできるバスの利用促進施策ということもあり、注目していきたいものです。

 ではでは。

西鉄バスHP http://www1.nnr.co.jp/nnr/traffic/100bus/

上手なバスの使い方ですね
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年3月21日 22時47分

 打越健太郎です。こんばんは。

 西鉄の新サービスですね。これは福岡や北九州における「100円バス」を発展させたサービスですね。で、これは西鉄の駅だけですか、それともJRやモノレール、また筑豊電鉄の駅も対象になっているのでしょうか? なかなか良いサービスと思います。

 このやり方は、バスを軌道系のフィーダーとして活用するという意味で、軌道系とバスとの上手な役割分担、協調だと思います。西鉄といえば、今までは軌道系に対してむしろ競争的でありましたが、常に競争が求められている訳でもありますまい。こうした動きを、何とか各地で実現させたいものですね。

上手なバスの使い方ですね
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年3月21日 23時15分

 ともです。
 打越様こんばんは。お帰りなさい。

 西鉄の新サービスですね。これは福岡や北九州における「100円バス」を発展させたサービスですね。で、これは西鉄の駅だけですか、それともJRやモノレール、また筑豊電鉄の駅も対象になっているのでしょうか? なかなか良いサービスと思います。

 JRや福岡市営地下鉄を含んでいますね。

 このやり方は、バスを軌道系のフィーダーとして活用するという意味で、軌道系とバスとの上手な役割分担、協調だと思います。西鉄といえば、今までは軌道系に対してむしろ競争的でありましたが、常に競争が求められている訳でもありますまい。こうした動きを、何とか各地で実現させたいものですね。

 どちらかというと、軌道系との競争云々ではなく単純にバスの利用者増加の源泉を自転車や徒歩に求めたというのが本音かもしれません。
 相変わらず地下鉄と競合する都市高速経由路線バスを設定したりしていますし。とはいえ、積極策ですし、京急が浦賀や蒲田で行っている都心型の「100円バス」とは異なるタイプ(あちらは拠点間移動が主眼ですよね)ともいえますから、興味深いですね。

 ではでは。

ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- (仮)奈良環状LRT氏
 投稿日時: 2001年3月26日 00時50分
ガイドウェイバスの得失
└Re:ガイドウェイバスの得失
 └Re:ガイドウェイバスの得失
  └Re:ガイドウェイバスの得失
   └Re:
ガイドウェイバスの得失
    └
Re:ガイドウェイバスの得失
Re:ガイドウェイバスの得失
 └ガイドウェイバスレポート公開
  └Re:ガイドウェイバスレポート公開
   └Re:ガイドウェイバスレポート公開

 こんばんは (仮)奈良環状LRTです。
 名古屋でガイドウェイバスが開業いたしました。ここにお祝いを申し上げさせて頂きます。
 所でガイドウェイバスの長所と短所をどう考えるべきなのでしょうか?
 渋滞の心配の無い事や、一般道と軌道上のバスを共通で使える点は長所だと思う反面、高価な建設費や、輸送能力に物足りない点を感じるのは事実です。
 諸賢のご意見をお聞かせ下さい。

Re: ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年3月26日 17時36分

 ともです。こんばんは。

 さてさて、やっと開業しましたね。
 名古屋のガイドウェイバスについては、以前にも書いているのですが、なぜこの区間にしかもモードチェンジは郊外のみという形で整備したのか。
 これが正直疑問ですね。
 これではガイドウェイバスのメリットを100%活かすこともできず、高価な建設費をなぜかけるのかという話になりますね。

 そもそもガイドウェイバスについては、面的需要の多い都市と郊外や都市間などにおいて、起終点では面的な動き、都市間では速達性を高めるという相反する需要を拾える交通手段なはずです。
 ですから、端末手段+軌道系に比べ乗り換えが少なくて済むというメリットがあるものですので、名古屋のような大都市端末交通としての整備も1つの考え方ですが、本来は地方都市の基幹交通としての整備がベターだったのかなという気がします。
 で、長所短所ですが、やはり高価な建設費は短所といえます。輸送力は比較的大きく、ガイドウェイであるからこその連節バスや大型バスも可能なので、案外あると考えられます。
 高価な建設費については、部分的な整備や途中駅の削減、平面整備などのやりようによっては低減も可能ですから、決定的な短所では無いと言えますね。
 さらに、ディーゼルエンジンによる環境影響は、そもそもガイドウェイバスはデュアルモードバスとして、専用軌道内では電気走行を前提としていましたから、対応は可能でしょう(なんならトロリーという技もありますし) 。

 よって、たとえば将来軌道系を導入したいが未だ需要が見込めない、あるいは面的な需要が中心となり基幹軸設定区間が短く、軌道系の場合乗り継ぎによる抵抗を考えなくてはならない都市などでは十分可能性があるのでしょうね。それほど大きな短所があるわけでもないですし。

 今後、地方都市がこのシステムの導入をどう考えるのか(金沢ではLRTの対案にありますが)、それが課題ですね。

 ぐちゃってますが、まずはこんなんで。
 ではでは。

Re:ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年3月26日 20時13分

  打越健太郎です。こんばんは。

 名古屋のガイドウェイバスについては(中略)なぜこの区間にしかもモードチェンジは郊外のみという形で整備したのか。
 これではガイドウェイバスのメリットを100%活かすこともできず、高価な建設費をなぜかけるのか

 確かに、これは意外ですね。名古屋市には基幹バスの伝統もノウハウもあり、大曽根から先は基幹バス…という在り方も不可能ではないはずなのに、です。まあ、大曽根は一応、交通の集約点という面を有しておりますから、これでも良いのかもしれません。今後に注目ですね。

 そもそもガイドウェイバスについては、面的需要の多い都市と郊外や都市間などにおいて、起終点では面的な動き、都市間では速達性を高めるという相反する需要を拾える交通手段なはずです。
 ですから、端末手段+軌道系に比べ乗り換えが少なくて済むというメリットがあるものですので(中略)本来は地方都市の基幹交通としての整備がベターだったのかなという気がします。

 多分、地方都市も名古屋に注目していますよ。特に、市役所レベルでLRTの研究をしている自治体なら、全く無視する、などということは有り得ません。もっとも、

で、長所短所ですが、やはり高価な建設費は短所といえます。

 仰る通りです。これに加え、日本の地方都市の場合、案外鉄道が残っています(JRと私鉄とを問わず)ので、「既存鉄道に直通可能(=既存インフラの積極活用)&建設費が安い」という理由で、LRTに軍配が上がる例が多いのでは…と、予想しております。 

 輸送力は比較的大きく、ガイドウェイであるからこその連節バスや大型バスも可能なので、案外あると考えられます。
 高価な建設費については、部分的な整備や途中駅の削減、平面整備などのやりようによっては低減も可能ですから、決定的な短所では無いと言えますね。

 パリの街では連節バスが数多く走っていましたから、実際には日本でも連節バス等の導入も可能な場合が多いでしょう。でも、連節バスだと本当に走れない、ないしは渋滞で役立たなくなってしまうといった都市は、無いでしょうか。ちょっと心配です(こういった理由でガイドウェイ区間がやたら長くなってしまっては、建設費も不当なほど高騰しますね)。もしも「その心配は小さい」というのであれば、国土交通省には是非とも規制緩和を求めたい所です。軌道法の40km/h制限ともども、本当に合理的な規制なのか、疑問ですね。「特認というものがある」と国土交通省の官僚は言うでしようが、そもそも「原則禁止。特認制度」というやり方自体が、権限をやたら握りたがる官僚の習性とも言えませんか。いっそ原則自由にし、ただ物理的な問題が生じる場合のみ、必要最小限の制約がある、というのが理想ではないでしょうか。
 また、建設費削減のために途中駅を減らす、というのも(無論、場合によりますけれど)利便性を損なってしまわないでしょうか。

 さらに、ディーゼルエンジンによる環境影響は、そもそもガイドウェイバスはデュアルモードバスとして、専用軌道内では電気走行を前提としていましたから、対応は可能でしょう。(なんならトロリーという技もありますし)

 これは全く同感です。というより「ガイドウェイにはトロリーバスを走らせよ」というのが、僕の持論です。ガイドウェイを降りた後は、デュオバス(トロリーバスにして、ディーゼルエンジンも装備。したがって、架線の無い区間に直通可能)という手もあれば、一般道に架線だけ張るということも検討に値するのですから。

 よって、たとえば将来軌道系を導入したいが未だ需要が見込めない、あるいは面的な需要が中心となり基幹軸設定区間が短く、軌道系の場合乗り継ぎによる抵抗を考えなくてはならない都市などでは十分可能性があるのでしょうね。それほど大きな短所があるわけでもないですし。

 実は今回のパリ旅行で、LRT〜バス〜地下鉄の乗継ターミナルをも実際に体験して参りました。で、この乗継ですが、同一平面で出来るのなら、俗に言われているような苦痛・困難は全く無いですね。何の問題も無く、サッと乗換が可能です(足の弱った老人や、車椅子の方でも可能。実際に乗継のご老人を目撃)。むしろ、バス〜LRTといった乗継、案外ラッシュ時にはあって良いかも知れませんよ。と言うのは、直通便だと、立っている人は終点まで立ちっぱなしですが、乗換時というのは椅子を確保できるチャンスです。また、結局座れなかったとしても、直通便と違って一旦降りるので、人いきれで気分が悪くなったりすることも防げますし。「乗換抵抗」という言葉は存じておりますが、あれは跨線橋などを渡らされる場合のことであって、同一平面(同一ホーム)であれば、むしろ乗換も悪くないかな…と、最近感じております。勿論、あまりに基幹軸が短い場合には、やはり話は別ですけれども。

Re:ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- (仮)奈良環状LRT氏 投稿日時: 2001年3月26日 23時48分

 こんばんは、(仮)奈良環状LRTです
 ともさん 打越さん レスありがとうございます。大変勉強になります。
 工費の高さがやはり話題になっているようですが、基幹バスとして、トロリーバスを建設し、普通のバスもそのレーンにどんどん乗り入れるという形での案は名古屋には無かったのでしょうか?
 工費が安く、工期も短くかんじるのですが?如何でしょう。

Re:ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年3月27日 01時11分

 ともです。こんばんは。

 さて、奈良環状様の提案も悪くは無いんですが、考えなかったんですかね。
 あえてその場合の問題を言えば、今回のガイドウェイバス区間は道路幅員がそれほど広く無いので、トロリーバスと一般バスでは輸送力不足などの問題があります。
 トロリーバスに関しては、諸外国では普通にあるものですから可能なんでしょうが、メンテナンスや軌道法の問題もあり、現状では難しいのかもしれません。
 僕も個人的にはトロリーバスには賛成なのですが、面的需要に応えるという面では弱いので、あまり中途半端な形での導入であればちょっと考えものです。

 特認については、今の道路構造の前提がそうなっている以上は仕方が無いでしょう(特認を外すのであれば、多くの道路が対応している必要があります)。
 これについては、国土交通省だけではなく、警察との問題も大きいので、別途議論したいところです。

 ではでは。

Re: ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- 氏 投稿日時: 2001年3月27日 02時11分

 こんばんは。Pでございます。

 ゆとりーとライン(GWB志段味線のことです)の最終形態として、小牧からのピーチライナーと一体化させるという事が挙げられております。つまり、高架構とうはAGTのものを若干簡素にしたに過ぎない重量構造物です。実際、砂田橋付近で路盤を見ますと、AGT以外の何物にも見えません。それにしても残念なのは、大曽根から都心へのスルーパスができないという点でしょう。大曽根の先には名古屋が世界に誇る 新出来町線(欧米の都市交通学者の中には新出来町線を写真入でレポートされた方も見えます)が活用できたのに…。大曽根は一応総合駅の形態を取っているので今後のAGT化を当て込みつつ、大曽根終点にしたということでしょうが、当面はバスなのですから、矢田で下へ降りるモードジャンクションを設けるべきでした。AGT化の際にはこの路線をナゴヤドームへの支線に転用することも可能でしたし。
 もう一つ(元)地元ピー的に言わせて頂くと、大曽根の乗り換えの利便性です。名鉄・JR・地下鉄の各3駅が微妙に離れており、金山とは(金山も実は場合によって不便な構造なのですが)この点が違うと言えましょう。いずれにせよ、大枚はたいて中途半端なものを造ったもんだ…という感は否めませんね。救いといえば、小幡までは道路状況が悪く、これが一般車両と分離されるという点でしょう。この区間は瀬戸市、また遠く岐阜県笠原方面からの系統もございますので(ただし、これはJR東海バスのもちすじで、この系統を大曽根で切って大曽根発にするかどうかは不勉強につき存じません)。

 日本国内で一番上手なトロリーバスとしてはやはり黒部の2路線ですね。当然名古屋市内にもトロリーバスはございました。これの復活が挙げられないというのは、やはり、使いにくいからなのでしょう。名古屋のバスは年々使い易くなってきております。ナゴヤ駅-栄周辺間の都心環状バスが好調で、新たに同形態の名駅−名古屋城間の環状バスが走り始めました。バスシステムの昇華に期待大ですね。

 はいはい♪ So Long.

Re: ガイドウェイバスの得失
 投稿者--- KAZ氏 投稿日時: 2001年3月27日 01時51分

 どうもです。
 所用で25日に名古屋へ行く用事があったので「ゆとり〜とライン」、乗ってきました(笑)。行きは7:00大曽根発高蔵寺行きの名鉄便で小幡緑地まで、帰りは白沢渓谷から守山までJR便というルートで、拠点ターミナル・モードインター・中間小駅・中間主要駅とほぼ全てのパターンを視察(?)してきました。さすがに早朝だけにガラガラで乗車率の傾向は全然分かりませんでしたが、沿線は概ね市街化しており、ガイドウェイ区間だけでもそれなりに集客はできそうです。しかし守山駅は名鉄守山自衛隊前駅に近接しており、他にもJR線に近い区間などでは敢えてゆとり〜とラインを選ぶ必要もないように思ったりしますね・・・。大曽根の乗換えは概ね良好のようですが、やはり以前は栄・名駅直通便が大半だった名鉄路線などではサービスダウンとも取れる新線ですので今後の動きも注目ですね。
 市民の注目度は結構高いようで、早朝にも係わらず物見遊山の乗客がそれなりにいましたし、名鉄大曽根駅で列車待ちしていた乗客も「前から気になっていたのよ、あのバス。一度は乗ってみないとね。」と話していました。
 で、乗り心地ですが新交通(AGT)より良好でちょっと意外でした(笑)。ギアチェンジのショックもほとんどなく、これも意外でした。どうなっているんでしょうね。これで電気運転&ソフト連結が実用化できれば新交通(AGT)なんて全く必要なさそうです。 写真も撮っていますので、サーバにアップし次第アドレスを公開しますので、参考にして下さい。

ガイドウェイバスレポート公開
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年3月29日 00時31分

 あらま、ニアミスですわ。
 当方も25日に試乗致しました。ようやくそのときの模様を纏められましたので御覧頂ければ幸いです。

../report/027.html

#本業があまりに忙しく、気晴らしで飛んで行きました…。
#よって貴重な休みが潰れて余計体調的にきついんですが…。
#なお、事前告知しておきますが今週末土・日も取材を敢行!御期待下さい。

Re: ガイドウェイバスレポート公開
 投稿者--- KAZ氏 投稿日時: 2001年3月30日 15時32分

 あれま、ニアミスでしたね(笑)
 レポートがアップされているようですので、私がでしゃばらなくてもよくなったようですね。また現地に行かれるようで、お気をつけてどうぞ(笑)。

 しかし、やはり現地で見ると「新交通」そのものですね。軌道部分ではバスの利便性は損なわれています。長い階段を見ると少し億劫になりますね。エレベータはありますが。
 やはりガイドウェイバスは本当に需要がまとまる部分にだけ整備して、他はできるだけ地平の専用レーン整備が望ましいのでしょうか。新出来町線とゆとり〜とラインを比べると、そう思ったりもしました。

Re: ガイドウェイバスレポート公開
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年3月31日 00時07分

 KAZ様、返信どうも有難うございます。

 レポートがアップされているようですので、私がでしゃばらなくてもよくなったようですね。また現地に行かれるようで、お気をつけてどうぞ(笑)。

 いやいや、データは多い方が良いですから、是非お願い致します。
 もしアップが負担になるようでしたら、転送して頂ければこちらでアップさせて頂きますが。

 あと、今週末の取材ですが、首都圏でございまして(大体お分かりでしょうね)、名古屋は当分行く予定はありません。
#でき得るなら落ち付いた段階で、初の関東以外での≪【検証:】現地調査会in名古屋≫を実現させてみたいですね!

 しかし、やはり現地で見ると「新交通」そのものですね。軌道部分ではバスの利便性は損なわれています。長い階段を見ると少し億劫になりますね。エレベータはありますが。

 例えばある程度の高度を確保するためとしても、2階コンコース付き3層建駅舎は現状では過剰すぎます。将来のAGT転用を視野に、という説明には2層建駅舎の存在があって必ずしも適切とは云えません。

 やはりガイドウェイバスは本当に需要がまとまる部分にだけ整備して、他はできるだけ地平の専用レーン整備が望ましいのでしょうか。新出来町線とゆとり〜とラインを比べると、そう思ったりもしました。

 矢田川越え、丘陵昇りなどがある分、現時点では小幡緑地までの整備はある意味正解でしょう。さらには以遠の都心方面バスレーン化などを行なった事は大きく評価できると思います。ただし大曽根側が…。何ならJR沿いに伸ばして新出来町線とリンクさせるか、名鉄瀬戸線のデュアルモート対応軌道化(平面路盤化によるバス通行確保)といった大胆なコトも将来的に検討課題としてもらいたいものです。

リポート・名古屋の中量交通機関巡り
 投稿者--- エル・アルコン氏  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
 投稿日時: 2001年4月11日 00時58分
リポート・名古屋の中量交通機関巡り
└各論・ガイドウェイバスの意外な可能性
 └JAS405便の窓から

 金曜晩から日曜日まで、名古屋へ行ってきました。メインはガイドウェイバスで、このあたり管理人さんのリポートのおまけと考えて頂ければ幸いです。
 「本館」ネタと混合してますが、メインは中量系なのでこっちに書き込みます。取り敢えずリポート形式で、各論はそのうちに・・・

***
 往路は東京駅23:50発の「伊良湖ライナー」。急に思い立っての旅行で「ながら」は当然取れず(土曜晩は空席がぎりぎりまであったそうだが...)、18きっぷも金券屋に通ったけど無かったため、全行程個札と高くつきました。
 八重洲のターミナルに着くと、40分発の「ドリームなごや3号」が客扱中。当夜は4台口で総て東海車。1,2号車は所定のダブルデッカーですが、3号車はスーパーハイデッカー、4号車はハイデッカーと段落ち。カーテンが引かれていて識別できませんでしたが、4列シートかも知れません。
 当方の「伊良湖ライナー」はオーソドックスな3列シートの東海車。HPでは満席でしたが、1席だけ空席がありました。

 23:50の定刻に少し遅れて発車。宝町には向かわず、鍛冶橋から馬場先門、内幸町から潮見坂を上り霞ヶ関ランプで首都高へ。環状線から3号線と進むうちに、疲れもあって寝てしまいました。その後、足柄SAで休憩放送が流れて一瞬目覚め、その後静岡ICでどうやら乗務員交替のようで昼行便のターミナルに寄り、あとはどこかのSAかPAでもう一度停車しました(停車のたびに目が醒めた) 。

 次に目覚めるともう豊川市内の一般道。稲荷公園前、心道教前で数人が降りましたが、大多数は豊橋駅まででした。ここからは飯田線。始発の天竜峡行きを待つ客はまばらで、18シーズン最後の週末で、「ながら」から相応にいるのかな、と思ってましたが、「鉄」な人は3、4人でした。新城始発本線直通新快速への送り込みになる313系回送を露払いにして出発しましたが、結局東栄あたりまでよく眠りました。

 飯田まで個札で買おうとすると、キロの刻みの関係で1駅手前で買い直したほうが200円以上安くなります。今回の行程と睨んだところ、中部天竜と天竜峡で2回区切っても同様に安くなることが判明。前者は5分停車、後者は乗り換えとあって自然に買えます(中部天竜は駅員がまだ来てなくて、結局車掌から買った。一応改札を出てきっぷを集札箱に入れたので、乗り越しではなく買い直しとしていいでしょう) 。

 天竜峡では対面の岡谷行きに乗り換えずに降車。駅近くの温泉宿で立ち寄り湯して、次の川路まで歩きました。天竜峡−川路−時又の区間はこの4月1日に新線に付け替えられた区間。同時に川路−時又間が0.1km短縮されています。これは、旧川路駅周辺が、天竜川が上流のダムが滞砂により機能を失ったことにより氾濫したため事実上放棄されていたのを、スーパー堤防のように嵩上げされた土地を築いて再生する事業の関連です。新川路駅からは旧川路駅の屋根が嵩上げされた土地に隠れるように見え、高低差がかなりあります。

***
 飯田からは「いいなかライナー」で中津川へ。便指定制でバス指定券として発券されましたが、飯田駅からの乗客は4人だけ。段丘を下りてまた上り、飯田ICまで行くと、IC向かいの伊賀良停留所に入りました。ここで1人乗車しましたが、100台程度の駐車場併設のP&Rターミナルで、R153BP沿いということもあり駐車場は9割方埋まってました。高速路線バスはバスブースに入りますが、近所には名古屋空港からのエアポートライナーの降車場もあり、ちょっとした要衝です。

 飯田ICから中央道に入ると、左手に未成に終わった中津川線の築堤が見えます。阿智PA併設の駒場BSで2人乗車。あとは恵那山TNの先の神坂PA併設の中央道馬篭BSで乗降を扱いますが当日はゼロでした。中津川ICを出て市街地に。駅まで行かずに降車する人もいたのには、峻険な県境を越えるローカル流動があるのかという驚きです。

 中津川からは「セントラルライナー」。313-8500系の6連ですが、中津川駅割当の1号車前寄りはほぼ満席。ただ指定された列はドア前の窓が半分しかなく、居住性が最悪でした。後ろ寄り(名古屋に向かって前が6号車)は多治見割当ですが、こちらも満席です。ただ、どこの割当か、2号車は空気輸送でしたが。
高蔵寺で降りた人もおりましたが、大半は千種で降車。金山でも大勢降りて、名古屋まで乗り通す人は実は少ないです。一般快速が名古屋−大曽根間を各駅に停まるのも、地下鉄各線との連絡が多いことと、市内で地下鉄的に利用する層が多いことによります。

***
 名古屋からはいよいよ本題。桜通線で久屋大通に出て名城線へ。車側にラインカラーと「XX線」という表記をしているのは親切です。車内も、現在位置表示に列車の進行方向を流れるように示しているのは判りやすいです。
 平安通で降りて上飯田へ。開削工法も相当区間あるのか、道路上にも工事施設がいっぱいあります。この上飯田連絡線ですが、平安通−上飯田間は名古屋市の3種区間になっていますが、一見なぜ名鉄にならなかったのかと感じます。しかし、上飯田が市電時代を受け継ぐバスターミナルになっており、もしこの区間が名鉄だと、都心へは2社合算運賃となるため、実は合理的なようです。

 上飯田からは釣掛車の3連で小牧へ。上飯田連絡線は次の味鋺(あじま)で合流し、味美(あじよし)からは複線になっています。切り捨てられる地上の味鋺−上飯田のうらぶれた雰囲気もあと少しです。
 上飯田連絡線を考えなければ、ご大層過ぎる地下の小牧駅に着くと、ピーチライナーは高架と離れています。乗客は15人程度と、バスでも空席が見える程度では厳しいですが、無人運転でないので運転手がいます。

 桃花台の名の通り、ニュータウンの周縁部にはピンク色に咲き誇る桃園が絨毯のように広がっています。それにしても建てこんで成熟した装いのニュータウンの真ん中を走りながら、客がいないのは非常に不思議で、バスやクルマで高蔵寺や春日井経由がメジャーとはいえ、どうしてここまでの思いはあります。

 高蔵寺に抜けるためバスに乗り換えるのですが、桃花台東より桃花台センターのほうがよかろうと思って降りると何もありません。結局並行する道路にあるだけのようで、センター駅停留所は少し戻るので前に進むと、なんと次は桃花台東でしたが、ここも路上停留所でした。ちなみに小牧市(桃花台は小牧市)のコミュニティバスの停留所もありました(土日3便の運行) 。
 高蔵寺へのバスは土休は毎時1〜2本。午前は40分ヘッド、午後は60分ヘッドのイメージですが、平日朝のみ10分間隔になっています。高蔵寺ニュータウン内を巡る数少ない中央台経由を引き当て、山を越えてR19をこえると大規模な高蔵寺ニュータウンに出ます。広い道路のせいかゆったりとした感じのニュータウンを経て、桃花台から20分強で高蔵寺駅北口に着きました。

***
 ここからはガイドウェイバス(GWB)。20分間隔のバスはちょうど出たばかりでほとんど20分待ちでしたが、かぶりつき席に座りました。さすがに電車で5つ目の大曽根にGWBで行く人は試乗目的くらいですから高蔵寺からの乗客は5,6人でしたが、庄内川(土岐川)を渡ってすぐの東谷橋で予想を裏切って10人くらいが乗りこみました。
 名市交の折返し場が見える中志段味からは名市交便が入り毎時6本に倍増。次の志段味支所前からは瀬戸方面からのJR便が毎時1本入り、結局日中は毎時7本です。志段味支所付近、県道75号線(春日井−志段味−尾張旭)とクランク状に交わるあたりが難所で、合分流の右左折車のせいで滞ってました。

 東名高速をくぐるあたりから一転して4車線の快適な道。さらに名古屋方面のみバス優先レーンがあり上下5車線になっています。難読の吉根(きっこ)のあたりは開発途上。そして桜がきれいな竜泉寺を過ぎるとガイドウェイの小幡緑地「駅」が見えてきます。
 竜泉寺口停留所を過ぎるとすぐランプへ左折。蛇腹式の扉があり、警備員が立って一般車の進入を防いでいます。ゲートに至るルートはUターンするような感じで無駄なようですが、このスペースで小幡緑地止めが折り返すようです。ゲートの脇の本社屋は1階が車庫になっており、教習車がいました。

 所定位置で一旦停止。ゴトッと言う音とともに案内車輪が出ますが、地上の左右に確認用のミラーがあります。ゲートが上がり、チャイムが鳴ると進入ですが鳴りません。運転手が無線で係員を呼び、3分近く費やしてガイドウェイ区間に入りました。
 両側から挟み込むようにガイドウェイの幅が狭まり、いよいよガイドウェイ走行です。運転手はハンドルから手を離し、その代わりに鉄道のように「制限XX」と呼称します。相対式ホームの小幡緑地を出ると車内はけっこうぎっしりと言う感じです。白沢渓谷から庄内川沿いに下るパノラマは見事でなかなか気分のいい乗り物です。

 コンクリート道床でけっこう振動を拾います。それにしてもあの小さなH鋼のガイドウェイの存在一つでただのバスが「ガイドウェイバス」になるというのも不思議です。まあ、バス専用道と違い、左右方向の余裕を必要としないので設備を小さくできるというメリットは確かですし、将来の新交通へのステップアップも可能です。信号も無いですし、見た感じとしては金がかかっていると言う感じはしません。

 守山市民病院でまとまった降車がありましたが、守山区民の試乗でしょうか。地元の人によると志段味−守山の流動はそんなに無いそうですし。
 矢田川を渡るあたりの景色も良く、渡りきって右に90度曲ると砂田橋。地下鉄名城線との乗り換え駅ですが、ほとんどが乗り通しました。左手にナゴヤドームを見てナゴヤドーム前矢田。そして終点大曽根と名城線と駅の位置は同じです。

 大曽根は中央線の南側に並行する形。制限15kmのカーブを切って入り、奥には折り返しスペースと待機場がありますが、一般道には降りられません。さすがに折り返しスペースにはガイドウェイが設置されておらず、ハンドル操作を要します。ホーム階の下にコンコース階があり、両替機と窓口があります。カバーの掛かった料金箱が並ぶ「改札口」がありますが、平日朝だけの使用だそうです。そのまま地下に入れば名城線ですが、少し地下通路を歩きます。中央線の大曽根駅も改札は近いですが、ホームまでの通路が長いです。瀬戸線は中央線の反対側で、こちらも距離があり、乗り換え至便とは言い難いです。

 そして中央線で名古屋に出て、名駅そばの定宿に泊まりました。

***
 明けて8日は名古屋市の市章「丸に八の字」にちなみ、なごや環境きっぷが使える日です。市バス地下鉄乗り放題620円と豪気なきっぷですが、GWBは名市交担当であっても使えないそうです。
 東山線と名城線を乗り継いで砂田橋へ。乗り換えの利便性は大曽根よりは良いとはいえ、地下鉄の出口とGWBの入口が背を向けていたり、エレベーターやエスカレーターの配置など検討課題が多い駅です。

 ちょうど高蔵寺行きがおり慌てて乗車。ランプのある小幡緑地まで行きました。警備員が頑張っており外側からランプの様子を見て、車内からランプ通過の様子を見るべく敢えて竜泉寺口から乗車。実は小幡緑地を境に料金体系が異なっており、単純合算ではないものの、大曽根までは小幡緑地と竜泉寺口で60円も違います(小幡緑地240円、竜泉寺口300円) 。
 車内はさっきの高蔵寺行き、今度の大曽根行きとも15人前後乗っており、まずまずと言うところでしょうか。
 降車時にちょっとしたやりとりがあったのですが、GWBは旧500円硬貨が使えないのでご注意の程(大曽根駅コンコースの両替機は使える)。

 大曽根では地元のオフ会に参加、といっても時間の都合でまさに顔出しだけといえる2つ目の砂田橋で離脱しました。ホームに上がると、小幡緑地・中志段味行き、高蔵寺行き、瀬戸みずの坂行きと分かれている乗り場の中で、高蔵寺行き乗り場だけ早くも20人以上が並んでいます。中高年の女性グループですが、中志段味以遠への狙い乗車とは、目的地はどこなんでしょう。昨日の大曽根行きでまとまって乗ってきた東谷橋でしょうか。

 車内はオフ会の集団も加わり相当な混雑です。運転手がユニークな人で、「国土交通省の規則で、最高速度は60kmに規制されていますので、飛ばせと要求しないで下さい...」とか、「ガイドウェイ区間では各駅に停車してドアを開きますので、ボタンを押す必要はございません」とアナウンスが入りました。ちなみに、砂田橋下車でボタンを押した私の立場って...

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 砂田橋で一行と別れ、少し撮影したあとは基幹バスへ向かいます。千種駅行きのバスで新出来町線との乗り換えになる次の谷口まで進みました。
 その基幹バスですが、道路の中央に上下で赤とオレンジに塗り分けられた専用レーンが目立ちます。そして電停のような構造のバス停がデーンと立っています。名市交の他名鉄便もあり、毎時10本以上(15本程度?)確保されてフリークェンシーは充分といいたいところですが、なぜか2分間に3本続行したあと、5〜6分開くというダイヤで、ちょうどその谷間に当たったせいもあって待たされた感じがします。

 おかげで停留所から道路の様子を観察できましたが、驚いたのは基幹バスのレーンが専用レーンではないと言うことです(朝は専用) 。
 ゆえに一般車が一般レーンと区切られている停留所区間でもバスレーンを走行するため、うっかり停留所から身を乗り出していると触車の危険があります。ちなみに右折可能な交差点では左折・直進、直進、右折、バスという順番で車線が並んでおり、右折車をそのまま進ませると右後方からのバスと交錯するので、必ず矢印信号で制御していますが、替わり際は危険です。特に一般車が走行するとあっては尚更です。

 どの基幹バスも乗りは上々で、私が乗った自由が丘発名古屋駅行きの名市交便も立客が相当数いました。見ていると敬老パス利用の老人が多く、その大半が市役所までの乗車でした。名古屋城の内郭区間を通過するのですが、堀跡を渡る時に見える草むした空間は、かつての名鉄瀬戸線の跡です。
 基幹バスはかなり速い印象を受けましたが、信号による足止めがあるので表定速度はそれなりのはずです。それと、停留所間隔がけっこう長いので、本来的なバスの武器である気軽な乗車を阻んでいる面は否めません(一般路線もけっこう長いが...) 。

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 名古屋駅に着き、早めの食事を摂って12時半の「中央ライナー」で帰京しました。後部二階建てで階下席のあるJR東海バス便で、名駅からは11人の乗車。名駅ランプから都市高速に入り、そのまま新しい名濃道路こと11号線で小牧に行くかと思ったら、楠JCTで東名阪に入り勝川で降車。R19で春日井市を進み、東名春日井ICでようやく新宿へのロードに入りました。
 すぐ小牧JCT(春日井ICの合流車線がそのまま消えずに小牧JCTの分岐車線になっている)になり中央道へ。何故停まるのかと訝しんでいた桃花台で2人乗車。そして中津川ICでは9人乗車にはびっくり。他の掲示板でのレポートを見ても、中津川での乗車は目立つようで、東濃地区と東京という路線は穴場かもしれません。

 恵那山TN手前の神坂PAにある中央道馬篭では乗車ゼロ。ここと諏訪湖SA、談合坂SAで休憩しましたが、岐阜−新宿の「パピヨン」にかつてあった昼行便は、恵那峡SA、双葉SAの2回休憩だったので、手厚く休憩しています。
 笹子TN手前の車線規制(通行量調整のため)にはじまり、笹子PAから大月の先の岩殿TNまで、そして鶴川大橋手前から相模湖東IC付近までと恒例の渋滞に引っ掛かり、約1時間半遅れとなりました。
 談合坂SAと上野原IC間の別線移築と6車線化、談合坂SAの改修が完成したばかりですが、渋滞解消には力不足のようです。結局岩殿TN〜中野TNの上り坂と、小仏TNへの上り坂(ザグ)起因の速度低下が渋滞の原因です。

 首都高は初台まで順調。甲州街道で新宿駅南口の前を通り明治通りへ。ところが甲州街道陸橋の右手に見える新南口へは高島屋の駐車場進入ルートを辿るため、代々木駅(裏手の方)入口前まで回りこみ、路駐が多くて切り返しを余儀なくされるなど難渋し、南口から10分以上かけて新南口着は画竜点睛を大いに欠きました。南口前の路駐を排除して、降車便だけでもここで客扱いすれば利便性が飛躍的に向上するのですが... (了)

各論・ガイドウェイバスの意外な可能性
 投稿者--- エル・アルコン氏  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs 投稿日時: 2001年4月16日 20時38分

 今回名古屋の中量交通機関をいろいろ乗り歩いて感じたことは、ガイドウェイバスの「懐の広さ」です。当初、土浦市街地のようなバス専用道とどこが違うんだという感触を持っていましたが、ガイドウェイによって走路が限定されることはすなわち構造物のサイズを縮小できるという最大のメリットは、用地や工事に多大なコストのかかるわが国においては大きなメリットです。
 また、ガイドウェイシステム自体が、信号・電路系が無く、H鋼のガイドウェイ(それも駅=停留所部分ではホーム縁石で代用可能)と車側の案内輪だけというシンプルな構造というのも意外でした。ゆとりーとラインでは駅部分のインフラが過剰気味ですが、通常道路のバス停のような露天に毛が生えたような施設に留めたら、恐ろしく安く上がる可能性があります。

 ゆとりーとラインはガイドウェイ区間の終点である小幡緑地以遠、一般道を走りますが、大して整備されていない地道を通る様は他のバスと変わりません。
 縁石などへの接触による案内輪機構への支障を排除できれば、どのバス路線でもガイドウェイ区間の建設による速達化という選択肢が生じます。
 軌道系最大の問題点である、多岐にわたる流動への対応能力についても、流動が集中する区間にガイドウェイを設けて各方面からのバスを乗り入れさせるという手法が可能であり、ゆとりーとラインでは大曽根駅で行き止まりの形になっていますが、ここにランプウェイを設ければ、名駅方面と栄方面というように都心部の多岐に亘る目的地への対応も可能になるため、双頭双尾の路線設定を、連続性を失わずに達成できます。

 ゆとりーとラインで惜しまれるのはやはり大曽根駅の構造で、ここでガイドウェイを降りて都心直通路線が設定できなかったのかと言う恨みは残ります。
 少し南方の出来町通には基幹バスが走っており、例えば大曽根駅からガイドウェイ区間を中央線沿いに伸ばし、中央線が千種へかけての掘割に入ると上部を占有し、出来町通との交差点にモードインターを設ければ、都心部は基幹バスとして栄や名駅に直通できるため、利便性が格段に向上します。

 小幡緑地まではバスレーン、そこからガイドウェイ、さらに基幹バスとその場に応じた走行モードを切り替えながら直通するシステムとなれば、バスの持ち味を最大限生かした形態になるのですが。

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 それでもあくまでバスであり、LRTの輸送力(絶対数および乗務員あたりの量)と比べるまでも無いのかもしれませんが、単位時間あたりの輸送力については、例えばITSシステムの応用による連続運転機能を付加することでかなり挽回できます。 運賃収受の問題があるので乗務員を各車に置かなければいけない問題が残るため、人件費負担と言うデメリットは残りますが...

 ガイドウェイバスが相応しい区間としては、多方面からの流動がある程度の区間輻輳し、かつその区間の道路容量が逼迫しており、拡幅と言う手法が取りづらい区間となるでしょう。
 考えつく区間としては広島のアストラムラインの祇園新道上の区間が実は最も適しており、あの路線が広島ICあたりから都心に向けてのガイドウェイであれば、安佐南区や安佐北区の各地からのバスや、高速バスを集約して速達できたのであり、西北方の1エリアに限定される新交通よりも汎用性が高かったのにと思われます。
 #新交通との二者択一ではなく、新交通との併用軌道という手もある。

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 名古屋近郊では大苦戦の桃花台新交通(ピーチライナー)がありますが、ゆとりーとラインはこれの欠点を研究した成果のようなシステムと言えます。桃花台新交通については、桃花台ニュータウンから名古屋方面への流動調査をしたところ、1位が春日井駅でのパークアンドライド(キスアンドライド)で、2位が高蔵寺駅への名鉄バスと出て、ピーチライナーは少数につきなんと「その他」で括られてしまったという屈辱を味わっています。

 確かに小牧駅で高架地下の乗り換えをして名鉄小牧線に乗っても、都心へはバスか、平安通まで歩いて地下鉄名城線乗り換えという上飯田どまりというのは大ハンデです。上飯田連絡線が出来ても、名城線に直通できず(小牧線=架空線、名城線=第三軌条)、名城線自体、栄や名駅を通らない(伏見から金山へ抜ける)のであれば、中央線と千種乗り換え東山線というルートに対する優位性が見出せないのは事実です。

 結局、ピーチにしろバスにしろクルマにしろ、小牧か高蔵寺、春日井で乗り換えを強いられるのですから、その先の中央線ルートと小牧線ルートの使い勝手が明暗を分けていると思います。そして、上飯田連絡線の開業も、中央線ルートに対する圧倒的優位性を持たないため、先行きはあまり明るくありません。

 ピーチの場合、小牧を通す連続性を持たせることはまず出来ません。既存インフラを何とか活用することを考えると、小牧−桃花台−高蔵寺のバス路線として、既設区間はガイドウェイ化するという手はあります。
駅が島式ですから、右側通行にならざるをえず、中央案内軌を撤去するか、ホーム位置とバス乗車口が揃うように(特に駅部の)路面を打上する必要もありますが、例えば桃花台センターの地上地下の出入口部分にインターを設け、一般道に入ってニュータウンを隈なく巡るといった集客策をとるのです。

 現在はバス路線もピーチに並行するだけで停留所間隔も長く(桃花台センターの次は桃花台東)、そのあたりも春日井までクルマと言う選択肢が多い原因でしょう。
#高蔵寺系統との統合は、ゆとりーとラインとの車両運用上の効率化です。

 奇策としては、中央道桃花台に出入りするモードインターを設け(桃花台東にある本社兼車庫の脇が中央道とバスストップ)、名古屋都心直通の高速バスを設定するという手もあります。
 中央道桃花台は飯田線などで名古屋駅からの利用が可能であることから、一歩進めてニュータウン内に直通する系統を設けるのです。場合によっては高蔵寺ニュータウンから桃花台経由で名古屋都心というルートもあります。
#桃花台からすぐ小牧JCTで、名神側に向かい小牧ICからは都市高速で都心部に入れる。

JAS405便の窓から
 投稿者--- 氏 投稿日時: 2001年4月20日 01時19分

 お元気ですか?Pでございます。

 エル卿も管理人様も名古屋へお越し下さったのですか?私も昨日まで帰省いたしておりました。さて、現在の住まいが北海道であるため、飛行機による帰省と相成りましたが…天気に恵まれたせいか、ゆとり−とラインを見ることができました。上空からは都市高速のようにも見えました(秋田上空では「こまち」、帰りの着陸寸前には「とかち」も見ました…ってゆーか、私は目が良いのでしょうか?) 。

 エル卿のご指摘通り、確かに面的な広がりがあるんですよね。GWBシステムは。だから本当に大曽根の構造は納得しがたいものがあります。それから、関東から見えられましたお二方は大曽根の構造は苦にならないとおっしゃいましたが、名古屋の感覚ではアレは立派な「不便な構造」なのです。ホームとホームをエレベーター・エスカレーターで直結してこその名古屋の乗換駅です(じゃぁ、金山・名駅・丸の内・今池は何なんだ?と申されますと身もフタもないのですが…)。

 ピーチライナー・小牧線関連は確かに上飯田結節ではどれだけの効果が…と感じますが、平安通の構造が乗り換え重視の構造で建設中であること、4号線の環状線化・上飯田線の今後の南伸(新栄町までは欲しいところですね。)に期待するしかないでしょうね。もしピーチライナー経営破綻ということになったら、GWB化するというのも、実は現実的かもしれません。

 何の変哲もない、名古屋の市バスへはご乗車されましたか?何の変哲もないようでも、都心路線はバス・ロケ・システムが充実していて使い易いですよ。また、交通局路線を使うには「ユリカ2000円カード」がお得で便利です_私は3大都市圏+札幌のストアードフェアカードを常時携行しています。次回の名古屋探訪の際には片隅にでも留意していただければ幸いです。

 So Long.

2004.11.14 Update


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