【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.315)
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〔LRT〕静岡・清水LRT導入2プラン  投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年2月22日 22時04分

 打越健太郎です。最近、ネットサーフィンというものに凝っています。僕はクラシック音楽が好きなので、クラシックに関するサーフィンも致しますが、無論、LRTその他の都市交通や鉄道なども検索し、優れたものを見つけるのを何よりの楽しみとしております。

 さて、今回は静岡市・清水市のお話です。静岡県は自家用車の利用率が高い所なのですが、反面、遠州鉄道や静岡鉄道のような優秀な地方私鉄も存在します。ということは、よほど交通需要自体が大きいのでしょうか。県庁所在地の静岡市と、更に大きな人口を誇る浜松市とを抱えていますからね。LRT導入プランは無いかな…と思って検索致しましたら、案の定ありました。それも2つ。全然別の団体が作ったもののようです。

http://www5.big.or.jp/~fff/grand-design/main.html
http://jepc36.hss.shizuoka.ac.jp/Citizen/default.htm

 ともに、静岡市のみならず清水市をも視野に入れたプランになっています。というのは、この両市には合併構想があるんですね。現在、日本に政令指定都市は12、そして恐らくはさいたま市が13番目になるでしょう。ここは14番目の政令指定都市を目指しているようです。政令指定都市である以上、都市交通が不可欠になりますが、今更、地下鉄という時代でもないのでしょう。今後は余程の大都市でも採算が取れる地下鉄は稀になってくるでしょうし、まして100万都市くらいで地下鉄を作っては全然採算が取れません。そして、バリアフリーの見地からすれば、原則地平と同一平面で乗れるLRTは、地下鉄よりむしろ優れていますからね。

 今回、提示した案は、やや現実よりも理想に傾いているような気が致します。それはともかく、皆様のご意見を伺いたく、こうして投稿致しました。皆様、ご意見を…

〔LRT〕岡山でも交通実験・結果は如何に?
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年2月22日 01時20分
〔LRT〕岡山でも交通実験・結果は如何に?
└Re:岡山でも交通実験・結果は如何に?

 打越健太郎です。こんばんは。
 以前、金沢における交通実験のお話を致しましたが、今度は岡山です。

http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news23.htm

 岡山では昔からRACDAの活躍によって路面電車延伸の計画がありました。で、市としても交通実験を行ってみたようです。で…この交通実験、僕としてはあまり感心致しません。というのは、どうも写真を見る限り、車線を閉鎖してみたようなのですが、これでは道路の容量を徒に下げてしまいます。金沢では軌道敷分の車線をバスレーンにしましたね。バスとLRTでは輸送能力が全然違いますから、本当はこれでも不完全なのですが、それでも「自家用車は確かに走りにくくなったが、公共交通がある」ということで、一応、道路全体ではLRT導入時に近い輸送力が保たれ、かなり妥当な結果が出てくるはずです。しかし車線が閉鎖されているのでは、LRT導入時よりも道路全体の容量が小さくなっていますから「渋滞した。やっぱりLRTは無理だ」という結論になりかねないですよね。

 ただ、この結果を見る限り、どうも渋滞は起こらなかったようです。ただ単に車線が狭くなっただけでもそうなのですから、実際に電車が走った際には、さらにクルマの量は減る…と考えて良いのでしょうか。3月中にはアンケートの結果も出るようですが、どうなるのか、興味深々ですね。

Re:岡山でも交通実験・結果は如何に?
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年2月25日 01時52分

 ともです。こんばんは。

 岡山の交通実験、僕は評価します。
 まず、前から書いていますが、LRTの整備がそのまま交通容量増加につながることは考えにくいです。あくまでLRTは軌道(=線的な動き)、道路交通は自動車(=面的な動き)ですから傾向も動きも全く異なります。
 この実験の意義は、道路閉鎖という方法で擬似的に軌道整備をした状況をつくりだし、軌道整備による道路交通への影響、特にその道路ではなく、平行する道路や周辺の道路の影響を見たかったのでしょう。
 今回の実験で、周辺道路に目立った混雑がなく、交通量の傾向がつかめれば、軌道内侵入禁止での新線建設は問題ないということになります。

 そう言う意味では、金沢のように、LRTが整備されたら人の動きがどうなって、道路交通がどのような動きを見せるのかを調べたいという目的とは違いますから、金沢と比較評価することは意味がないような気がします。

 今回の実験で注目すべきことは、LRT導入後にどのような道路形態をとるかを検証するといういままでなかった考え方を示したことです。
 このような実験をやることで、道路利用者の不安を取り除くことが可能になりますし、さらに、交通対策上、周辺での交差点改良の必要などが検討でき、後追いになりがちな渋滞対策などが可能になります。

 とりあえずは雑感です。
 ではでは

〔LRT&地下鉄などなど〕都市規模と交通機関の関係
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年2月23日 00時31分
〔LRT&地下鉄などなど〕都市規模と交通機関の関係
└Re:都市規模と交通機関の関係
└Re:都市規模と交通機関の関係
 └ちょっと怒られそうな意見です。
  └地下鉄の場合
Re:都市規模と交通機関の関係

 ともです。こんばんは。
 今夜はちょっと辛口な意見を。

 最近、LRTに関する研究や検討が全国各地で盛んに行われていますね。
 川崎、金沢、静岡、松江・・と様々な規模の都市で市民グループや商工会議所などを中心に導入検討をすすめるという、いままでにない展開が多く、都市交通計画といういままでは迷惑施設的なものに対して積極的に市民参加型の提案があるということは喜ばしいことでもあります。

 がしかし、一つ不安な点があります。
 それは、LRTに対する過大ともいえる評価です。

 本来、公共交通機関はその都市規模と構造、都市圏人口、密度、周辺の土地利用状況などによって最適なものを選択していくことが必要で、さらに、その交通機関自体がさまざまなモードを保有するものでも良いのです。
 実際、海外において、100万人に満たない人口規模の都市でも地下鉄が成立している都市や、逆に100万人以上であってもLRTが最適になる都市があることが、それを物語っています。

 しかし、昨今のLRT論議では、LRTの良さ(バリアフリーやコスト)が強調されるがあまり、この都市規模で本当にLRTが必要なのかと疑問に思うような都市や、逆に、都市規模や需要動向からみて地下鉄などの大量輸送系が必要と考えられる都市であっても、LRTを選択しかねない都市が出ているのも事実です。
 今のLRTブームは一時期のモノレールや新交通システム(AGT)ブームと似ています。
 新交通システムも短距離の輸送機関としては、自動運転や登坂性能、完全立体化による自動車、歩行者との分離など適用場所次第ではLRT以上に優れた乗り物であるにもかかわらず、今では過去の遺物のような扱いになっているというのは、交通機関を研究するものとしては嘆かわしいことでもあります。
 バリアフリーに関しても、LRTの駅間は高齢者の徒歩圏としては長過ぎるため、ノンステップバスやST(スペシャルトランスポート)サービス(=障害者や高齢者向けのパラトランジットのこと。)などでのケアが必要になりますから、完璧な交通機関ではないんですね。

 LRTというものは都市内交通システムとして非常に優れたものです。しかし、重要なことは本当に適切な場所に入れることです。新交通システムのように本来向いているような区間に導入されることが少ないため評価されなくなるのでは意味が有りません。ですから、僕らのような交通に関心のある市民が、それを行政や市民グループに働きかける、あるいは情報発信することが必要と思います。

 ここに書かれる方にとっては常識だと言われそうなことですが、最近の情勢をみるにつけ、一抹の不安を覚える一技術者の嘆きでした。
 ではでは。

Re:都市規模と交通機関の関係
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年2月23日 02時05分

 打越健太郎です。

 うーん、痛い所を突かれた(笑)。確かに、松江などは身の程知らず(失礼)ではないか…という「急進的LRT導入派」の僕ですら疑問を感じました。今では賛成に転じましたが。ただ、逆の例はなかなか思いつかないなあ… LRTで対応できる都市の大きさとして、一応の目安になるのが上は広島でしょうか。無論、それよりも大きな都市である東京・大阪の両方に路面電車は健在ですが、あれらはうまくしたもので、バスよりも大きく、地下鉄ほどではない輸送需要を、上手に満たしていますよね。また反面、日本でも長野には地下鉄がありましたっけ。ですから「大都市は地下鉄・中都市はLRT」と断言できるわけでもないのでしょうね。でも、具体的に「地下鉄が必要なのにLRT」「LRTで良いのに地下鉄」という例は、どこですか? ご教示頂ければ、幸いです(仙台かな?)。

 今のLRTブームは一時期のモノレールや新交通システム(AGT)ブームと似ています。
 新交通システムも短距離の輸送機関としては、自動運転や登坂性能、完全立体化による自動車、歩行者との分離など適用場所次第ではLRT以上に優れた乗り物であるにもかかわらず、今では過去の遺物のような扱いになっているというのは、交通機関を研究するものとしては嘆かわしいことでもあります。

 確かにAGTというのは、現在では全く顧られなくなってしまいました。大阪市交通局はAGT路線を持っていますが、最初はガラガラ、最近では輸送量が増えてきて逆に対処しかね(AGTは詰込がきかない)車両の増備が必要になって結局赤字脱却に失敗、今では完全に鬼っ子扱いされているようです(「高規格新交通システム」と称し、どう見ても一般鉄道でしかない地下鉄規格の路線を造りましたね)。まあ、とも様のお嘆きは確かに一理ありますが、成田空港内AGT、また斜行エレベーターなどという形で細々と、とも様のご指摘のような場所では生き残っています。
 ともあれ、AGTやモノレールが時代遅れになってしまい、LRTは我が世の春を楽しんでいるというのは、確かにとも様ご指摘のような面があるでしょうが、最近の財政難と公共事業批判を踏まえ、そのコストの低さが魅力になっている面もあるでしょう。また、既存の鉄道と直通したり、線路というインフラをそのまま使える(皮肉なことに、1番金のかかる地下鉄は鉄道直通が可能で既設インフラを活用できるのに、中量輸送システムと称しているAGTやモノレールはそれが不可能で、結局別にインフラを整備して金を無駄遣いしていたという面もあるでしょう)という今までに無いメリットも備えています。ですからLRTブームが一過性かどうか、微妙な所だと思いますね。

 バリアフリーに関しても、LRTの駅間は高齢者の徒歩圏としては長過ぎるため、ノンステップバスやST(スペシャルトランスポート)サービス(=障害者や高齢者向けのパラトランジットのこと。)などでのケアが必要になりますから、完璧な交通機関ではないんですね。

 LRTの駅間は、アメリカ合衆国などでは特に、郊外では長め、都心では短めと聴いております。で、短めにしてもやはり対処は出来ないのですか? ただ、幸いな事に多くの市民団体は「コミュニティバス」というものにも興味を持っておりますから、とも様のような見識をお持ちの方がほんの少し指摘すれば、アマチュアの市民も妥当適正な計画を立案できるようになるでしょう(武蔵野市の「ムーバス」は、あれは完全なバスですが、バス停間隔を短くし、ドアツードアに近いものになっています。通常のバスと自家用車の中間、という意味では、あれもパラトランジットと称しても良さそうですね)。

 LRTというものは都市内交通システムとして非常に優れたものです。しかし、重要なことは本当に適切な場所に入れることです。新交通システムのように本来向いているような区間に導入されることが少ないため評価されなくなるのでは意味が有りません。ですから、僕らのような交通に関心のある市民が、それを行政や市民グループに働きかける、あるいは情報発信することが必要と思います。

 このご指摘は、辛口なるが故に余計、僕などは心しておかねばなりません。おかしな計画を立ててLRTの評価を下げれば、折角吹いている追い風を止めてしまいませんからね。そういった意味で、皆様との議論は、僕個人にとっても、とても重要なものだと考えております。

Re:都市規模と交通機関の関係
 投稿者--- brother-t氏 (ホームページ) 投稿日時: 2001年2月23日 02時10分

こんばんわ〜

 確かに超低床車という新技術、バリアフリーというイメージが先行している感がありますね、実際、経営の視点で考えて行った時にLRVにこだわりすぎるとAGTの時に出たオーバースペック(とは言ってもそれなりの効果とAGTよりマシなのは認めるが)と言う壁にぶつかる所が出てくるかもと言う懸念が出てきます。

 新交通システムも短距離の輸送機関としては、自動運転や登坂性能、完全立体化による自動車、歩行者との分離など適用場所次第ではLRT以上に優れた乗り物であるにもかかわらず、今では過去の遺物のような扱いになっているというのは、交通機関を研究するものとしては嘆かわしいことでもあります。

 確かにもっともなのですが、個人的には各地であれほどまでに補助金を支出しても、運賃が高くかつ赤字を出しつづけてる惨状を見ると少なくとも短距離・域内交通機関としては失格だと思います。やはり短距離・域内の交通は高い運賃を払って乗る物ではないのです。ただ空港内の移動とかで無料の乗り物として利用すると、ランニングコストは安くつくし、渡り廊下+ムービングウォークよりは安く建設できるかもしれないので理にかなってるとは思います。あるいはAGTとは違いますが広島のスカイレールなどとてもではないがLRTなんかじゃ対応できないというようなケースでも理にかなっていると思います。ただやはり中心市街地などの短距離・域内輸送と言うケースではもともと作られなかったし、又とても理にかなわない乗り物だと思います。

 バリアフリーに関しても、LRTの駅間は高齢者の徒歩圏としては長過ぎるため、ノンステップバスやST(スペシャルトランスポート)サービス(=障害者や高齢者向けのパラトランジットのこと)などでのケアが必要になりますから、完璧な交通機関ではないんですね。

 駅間を500mと考えると少なくとも歩きやすい環境さえ整えれば高齢者とはいえ大丈夫だと思いますが、ただ逆に言えばLRTを導入しただけでバリアフリーを達成したと考えると、実は既存の歩きづらさの解消が行われていなくて効果半減と言うのはありそうですね。LRTではないのですが通学で使う大井町線の駅は折角地上駅でかつ1つのホームに1つの出口と言う形になっている駅が多いのに車椅子用のスロープ(ちなみに車椅子用の幅の広い自動改札はある)がないなど後1歩と言う部分が見られます。こう言ったところに人一倍気を使う東急ですらそうですから、こう言った問題は多く出て来そうな気がします。又既存の鉄道やバスなどの交通機関との連携などもそうですね。

 LRTというものは都市内交通システムとして非常に優れたものです。しかし、重要なことは本当に適切な場所に入れることです。新交通システムのように本来向いているような区間に導入されることが少ないため評価されなくなるのでは意味が有りません。ですから、僕らのような交通に関心のある市民が、それを行政や市民グループに働きかける、あるいは情報発信することが必要と思います。

 最近ある市民団体と多少関りがあるのですが、確かにそんな専門的な知識でなくても役に立つというかお〜、と言う感じになります。どの世界でもそうなのですが実際ブラックボックス状態になっているものをその中身まで共に考えていく事と言うのはやはり必要だと思います。ただそれがなかなか出来ないのですが…

それでは

ちょっと怒られそうな意見です。
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年2月25日 01時14分

 ともです。こんばんは。
 打越様、brother-t様>

 僕が考える、LRTではもう耐えられない都市の典型は、意外と思われるかも知れませんが、広島です。
 現状における広電の状況を見る限り、宮島〜市内系統はすでに供給不足になっており、さらに市内線内では「だんご運転」が日常化しています。
 確かに、並行する平和大通りへの新規軌道導入計画があり、西広島〜紙屋町では混雑緩和が期待できますが、それでも今後の広島都市圏の発展を考えると道路ストックの少なさ、JRの混雑を考えると、LRTでは需給バランスが崩れることが予想されます。
 もし、広島で今後も今の広電を基本とする都市交通網を考えるのであれば、都心部における地下専用軌道整備、ターミナルの整備が必要でしょうし、僕としてはアストラムラインの西広島延伸などの大胆な対策をとる必要があるかなという気がします。

 LRTの整備で良いのに地下鉄をという都市としてはやはり横浜高速4号でしょうか。
 ここは地下鉄じゃなくてAGTやLRTクラスでの整備を検討すべき区間であって、リニア地下鉄では需要が追い付かないでしょう。
 港北ニュータウンの公共交通機関の未成熟さを考え、かつロードサイドタイプの商業施設が多いという状況からすれば、駅間が500m程度の中量軌道系交通機関で整備した方が需要を拾えそうな気がしています。

 さらに、仙台のように市民グループがLRTを求めている都市で地下鉄という場所もありますが、仙台の東西線はJR仙石線との直通と、東北道仙台宮城ICあたりでのパークアンドライド、そして既存地下鉄との互換性を考えれば、通常の地下鉄整備がベターかなという気がします。
 中途半端にLRTを入れるぐらいなら、バス網の強化をして地下鉄との融合を図ることのほうが仙台では向いていると思います。

 別にLRTを否定するわけではないですが、とりあえずはこんなとこで(笑)
 ではでは。

地下鉄の場合
 投稿者--- brother-t氏 (ホームページ) 投稿日時: 2001年2月23日 02時10分

ともです。こんばんは。

こんばんわ〜、おとといはおつかれさまでした。

 僕が考える、LRTではもう耐えられない都市の典型は、意外と思われるかも知れませんが、広島です。現状における広電の状況を見る限り、宮島〜市内系統はすでに供給不足になっており、さらに市内線内では「だんご運転」が日常化しています。確かに、並行する平和大通りへの新規軌道導入計画があり、西広島〜紙屋町では混雑緩和が期待できますが、それでも今後の広島都市圏の発展を考えると道路ストックの少なさ、JRの混雑を考えると、LRTでは需給バランスが崩れることが予想されます。

 一応反論らしい事を言うと、広島と言う街をどれだけ知ってるのかと言えばそれほどでもないのですが、実は広島の場合地下鉄を作ろうとして黒字が出せる路線と言うのが浮かばないんですよ(^^;)。強いて言えば横川から可部線、山陽線と直通して更に広島駅に乗りいれると言った感じですが、まず市内150円の路面電車から初乗り200円の地下鉄にどれだけ乗り換えるかと言うことを考えると…更に東の芸備線や呉線からも直通してもどれだけ望めるかと言う不安があります。

 もし、広島で今後も今の広電を基本とする都市交通網を考えるのであれば、都心部における地下専用軌道整備、ターミナルの整備が必要でしょうし、僕としてはアストラムラインの西広島延伸などの大胆な対策をとる必要があるかなという気がします。

 結局僕はこっちの案が良いと思います。広島や仙台くらいの都市の場合もし相互直通や都市の構造などから大阪の御堂筋線(ここは郊外線との直通前提の路線ではありませんでしたが)の様な超ドル箱路線と言うのが見えない限り作るべきでないような気がします。実際ある程度この条件を満たしたのは福岡、そして冬の交通確保のため赤字覚悟で地下鉄を作った札幌は1つのあり方だと思いますが。

 LRTの整備で良いのに地下鉄をという都市としてはやはり横浜高速4号でしょうか。
 ここは地下鉄じゃなくてAGTやLRTクラスでの整備を検討すべき区間であって、リニア地下鉄では需要が追い付かないでしょう。

 横浜の4号線に関しては東急との直通が御破算になった時点で辞めるべきだったと思います。その代わりに東横線を新横浜まわり(菊名を廃止)にして新横浜の機能強化(東部方面線だと横浜と新都心横浜の連絡は改善されない)と合わせて港北ニュータウンの交通を改良するか、もしどうしても諦めきれないのなら3号線の支線として作るべきだったと思います 。

 さらに、仙台のように市民グループがLRTを求めている都市で地下鉄という場所もありますが、仙台の東西線はJR仙石線との直通と、東北道仙台宮城ICあたりでのパークアンドライド、そして既存地下鉄との互換性を考えれば、通常の地下鉄整備がベターかなという気がします。

 仙台の東西線は作るとしたら仙石線との直通は必修でしょうね、バス網の充実と地下鉄との融合と言うのは乗換えと言う意味でしょうか?個人的にはバスの初乗り150〜200円と地下鉄の初乗り200円を合わせた350〜400円もバス代がかかる地域と言うのが実はあれだけ広い仙台市にどれだけあるのかと言うのが見えてきません、乗換えという意味でしたら多くは期待できない気がします。あと南北線も含めて思うのですが例えば仙山線をある程度複線化して支線を作る発想と言うのは無かったのでしょうか?最近福岡のアイランドシティへ西鉄宮地岳線の支線を作るというプランを聞いて良いと思ったのと、80年代に豊橋で路面電車の支線を作ったというのもありますし、既存路線を生かした支線区的展開って費用対効果の面で良いと思うのですが。

 なんか反論ばかりになってしまいましたが失礼します。

Re:都市規模と交通機関の関係
 投稿者--- 沢村慶司郎氏 投稿日時: 2001年2月26日 13時24分

 どうも、こんにちは。

いままでは迷惑施設的なものに対して積極的に市民参加型の提案があるということは喜ばしいことでもあります。

 そうですね。

がしかし、一つ不安な点があります。
それは、LRTに対する過大ともいえる評価です。

 私も同感です。
 いや〜、鉄道系の掲示板では、LRTは絶対いいもの!的な雰囲気があって、こういうことは言いがたいのですが・・・おなじ憂いを持つ人がいて、安心しました。
 気になるのは、そうした評価の背景として、LRT自体が自己目的化していないか?ということなのです。

今のLRTブームは一時期のモノレールや新交通システム(AGT)ブームと似ています。

 そうですね。
 LRTも手段の一つでしかない。
 目的は、適正なコストでの快適な移動の保証、そこを見失うと、ろくでもないことになると思います。

〔LRT〕京都もLRT導入案
 投稿者--- 打越健太郎氏
 投稿日時: 2001年3月10日 00時30分
〔LRT〕京都もLRT導入案
└Re:京都もLRT導入案
 └京都もLRT導入案・補足
  └Re:京都もLRT導入案・補足
  └Re:京都もLRT導入案・補足

 打越健太郎です。皆様、先ずは以下の記事をご覧ください。

http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news23.htm

 ご覧の通り、京都のLRT導入案です。京都には市電廃止、京阪京津線地下化(僕はこれを、路面電車のLRT化の一例と考えています)の現在もなお、京福嵐山線(通称:「嵐電」)が孤軍奮闘を続けています。また、本来は同一会社であった叡山電鉄も、鉄道規格ながら(京都市電直通の前例あり)中量輸送機関として頑張っています。で、今回の提案は、その京福嵐山線と叡山電鉄とを直通しようというものです。今出川通りに軌道を敷き、北野白梅町〜出町柳を結び、さらに銀閣寺までの路線が計画されているようです。沿線には同志社大学などもあり、輸送需要も充分でしょう。

 で、京都についてちょっと調べてみました。今出川通りは少々細いので、併用軌道にしてしまうと自動車は通りにくいようです(逆手に取ったトランジットモールをも検討中とか)。ただ、京都の場合、碁盤の目状の都市構造ゆえに幾らでも迂回道路は存在します。また、この計画のミソは、今回4km建設するだけで、それでも36km(鉄軌道を合わせた広島電鉄とほぼ同一規模)という長大路線が誕生することです。バスの優位を訴えるご意見をお持ちの皆様も、こういった特殊な事情がある場合、LRT導入を考慮して下さるでしょう。むしろこの計画は、かつて神戸市内の各所にあった私鉄ターミナル間を直結した神戸高速鉄道に近いかも知れません。
 更に言えば、僕も京都に参った折に感じたことですが、南北に比べて東西の移動が難しい(阪急京都線・京都市営東西線があるが、今1つ移動がギクシャクする。京阪鴨東線〜阪急京都線の乗り継ぎも不便だし、また地下鉄東西線〜烏丸線を乗り継ぐ場合、京阪京津線からの直通列車に乗ると、京都市役所前と烏丸御池と、2箇所で乗り継ぐ必要がある)ですから、この路線の建設によって、かなり市内の交通は便利になりそうです。これは是非、実現させたい路線ですね。皆様はいかが御考えですか?

Re:京都もLRT導入案
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年3月10日 09時31分

 ともです。おはようございます。

 ついに出ましたか。この区間。
 この区間については、京都市が中心となって1999年から観光シャトルバスをやっています。

http://www.city.kyoto.jp/kotsu/news/1999/99091.htm

 この運行は表立っては言っていませんが、明らかに将来の嵐山線延伸を睨んだ実験のようなものにになっており、急行バスとして途中500m間隔程度でバス停設置を行い、各便がそれぞれ嵐山線、叡山電鉄に接続するようなダイヤを組んでいます。

 このあたりの結果が良好だったのかも知れませんね。
 ということで下地がありますから、市としても話に乗りやすいでしょう。

 で、京都についてちょっと調べてみました。今出川通りは少々細いので、併用軌道にしてしまうと自動車は通りにくいようです(逆手に取ったトランジットモールをも検討中とか)。ただ、京都の場合、碁盤の目状の都市構造ゆえに幾らでも迂回道路は存在します。また、この計画のミソは、今回4km建設するだけで、それでも36km(鉄軌道を合わせた広島電鉄とほぼ同一規模)という長大路線が誕生することです。バスの優位を訴えるご意見をお持ちの皆様も、こういった特殊な事情がある場合、LRT導入を考慮して下さるでしょう。

 「バスの優位を訴える」とは僕のことでしょうか(笑)
 別に優位を訴えているつもりはなくて、LRTとバスでは性格が違うので「向き不向きがあるよ」ということなんですが。
 ですから、この京都のプランには賛同しますよ。
 打越様のいうところの「特殊な事情」こそが、その都市の「事情」「特性」なので、それが軌道系向けなのかバス向けなのかを選択する1つのファクターになるような気がします。

 今出川通については、トラフィックセルなどによって交通誘導が可能なのであれば、モール化は1案でしょう。地先交通(沿道の方々が利用する)用に1車線程度のサービス街路を設ければ可能性はあると思います。ましてや、ここの場合停留所は高床式になるでしょうから、そのスペース確保という観点からみてもモール化は不可欠かもしれません。
 ただ、この通りにはそこそこバスが設定されているので、LRT軌道へのバス乗り入れが必要ですし、途中の交差点での処理などの課題が残りますね。

 とはいえ、ひょっとして、この掲示板に出ている都市の中で最も可能性があるプランかもしれませんね(笑)
 ではでは。

京都もLRT導入案・補足
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年3月10日 11時24分

 打越健太郎です。まずは訂正から。

 「たった4km建設して35km」と申しましたが、これは僕のミスで、実際には30kmくらいにしかなりません。ですから、広島並み、とは言えませんね。まあ、それでも高知より長いですから(高知は全部、軌道ですから比較は出来ませんが)一気にLRT先進地帯になる起爆剤ですね。

 「バスの優位を訴える」とは僕のことでしょうか(笑)
 別に優位を訴えているつもりはなくて、LRTとバスでは性格が違うので「向き不向きがあるよ」ということなんですが。

 いえいえ、別にとも様のご意見を念頭においてはおりませんでした(笑)。バスにも利点があることは百も承知ですし、その「利点」そのものが、僕が当初思っていたよりもずっと大きいようだ、と最近考えております。まあ、この計画では京福嵐山線〜今出川通り〜叡山電鉄という一貫輸送が念頭におかれているので、こんな場合こそLRTの優位が明らかかな、と思っています。

 前にも申しました通り、京都は碁盤目のような都市構造で、迂回道路など幾らでも設定できます。東西を結ぶ道路は、何本あるんでしょうかね? で、この今出川通りですが、ここの商店街の皆様は、LRTを熱心に研究していらっしゃいます。学芸出版社の「路面電車とまちづくり」にも書かれていますし、またLRTによる市街地活性化の効果、トランジットモールなどにも見識を御持ちの方が大勢いらっしゃいます。以前、豊橋の路面電車サミットに参った折、こちらの商店街の方々と、たまたま昼食をご一緒して、商店街のあり方や研究のあり方など、とても詳しくお伺い致しました。失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、一般の商店主の方々が、とてもアマチュアとは思えないほど熱心に、かつ的確にLRTを把握していらっしゃるのには脱帽した覚えがあります(加えて、「一国一城」の主として、御店を、商店街を如何に良いものにするか、という気迫をも感じました)。

 バスに関しては、僕が何度も申しておりますように、併用軌道内を電車と仲良く走るのが良いでしょう。つむぎ出版(京都の地元出版社)の「まちづくりと交通」という本にも同じ趣旨が提言されています。当然ながら、停留所も共用、運賃・切符も共用という在り方が望ましいでしょう。

途中の交差点での処理などの課題が残りますね。

 その通りですが、これもそんなには悲観致しません。何しろ京都は碁盤目のような都市で、迂回道路など幾らでもあるのですから。もっとも、何分間隔で走るかにもよりますが、そう狂ったような頻繁運転をするのでなければ、通常の電車優先信号で処理できるレベルのように思われます。

 京都、楽しみですね。1日も早い実現を切望致します。

Re:京都もLRT導入案・補足
 投稿者--- (仮)奈良環状LRT氏 投稿日時: 2001年3月16日 01時23分

(仮)奈良環状LRTです
全面的に同意します。京都の町を蘇らす起爆剤になる事でしょう。 

Re:京都もLRT導入案・補足
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年3月16日 17時18分

 ともです。こんばんは。

 いえいえ、別にとも様のご意見を念頭においてはおりませんでした(笑)。バスにも利点があることは百も承知ですし、その「利点」そのものが、僕が当初思っていたよりもずっと大きいようだ、と最近考えております。まあ、この計画では京福嵐山線〜今出川通り〜叡山電鉄という一貫輸送が念頭におかれているので、こんな場合こそLRTの優位が明らかかな、と思っています。

 おっ そうでしたか(笑)。最近、LRTに批判的な言動が多いのでてっきりそう思われているかと(笑)
 ま、ここは異論はありません。
 これを結ぶことで、都市内交通というよりは観光交通の利便性もあがりますし、さらに地下鉄との乗り継ぎ利便性の向上にも資するでしょうから、こういったものは整備の可能性がある区間なんでしょうね。

 京都は碁盤目のような都市構造で、迂回道路など幾らでも設定できます。この今出川通りですが、ここの商店街の皆様は、LRTを熱心に研究していらっしゃいます。学芸出版社の「路面電車とまちづくり」にも書かれていますし、またLRTによる市街地活性化の効果、トランジットモールなどにも見識を御持ちの方が大勢いらっしゃいます。

 懸念とすれば、幅員が狭い=トランジットモールという発想でしょうか。
 本当にトランジットモールにする必要があるのか、検証の必要があります。
 とはいえ、可能性は高いと思いますけれども。

 バスに関しては、僕が何度も申しておりますように、併用軌道内を電車と仲良く走るのが良いでしょう。つむぎ出版(京都の地元出版社)の「まちづくりと交通」という本にも同じ趣旨が提言されています。当然ながら、停留所も共用、運賃・切符も共用という在り方が望ましいでしょう。

 それほど難しくはないでしょうね。ただ、LRTは中央走行の高床式となれば、バスとの連携は厳しいですから、なにか対応が必要でしょう。

 交差点処理に関しては、鉄道優先信号とトランジットモールという組み合わせは過去に無いものですから、そこがどの程度うまくできるかですね。
 やってみないといけませんが。

 こういったケースは、厳密に言えばLRTの整備ではなく、既存鉄道の延伸という位置づけになるんでしょうね。
 ただ、これを京都市がどう受け取ったのか。
 本気でやるつもりなのか、はたまたただの提案としてなのか、その辺の興味があります。

 ではでは。

〔都市交通〕軌道系とバスシステム
 投稿者--- 打越健太郎氏
 投稿日時: 2001年2月25日 12時40分
〔都市交通〕軌道系とバスシステム
└Re:軌道系とバスシステム
 
└Re:軌道系とバスシステム
└Re:軌道系とバスシステム
 └重要なご指摘ですが…それが全てですか?

(以下次ページ)
  └バスが軌道系の代わりを果たせるなどということがあるのだろうか?
                                 いや、ありはしない(笑)
   └そもそもバスと軌道を単純比較すること自体が間違いでは?
    └お答え、その2
  └Re:重要なご指摘ですが…
   └お答え、その1
    └Re:お答え、その1
     └失礼致しました
    └Re:お答え、その1

     └丁寧なご意見、有り難うございます
      └横から失礼(Re:丁寧なご意見、有り難うございます)
     └Re:お答え、その1
      └お答え、その3
       └ちょこっと補足
       └率直に感じる疑問
        └大悟&新たなる煩悩(笑)
         └Re:大悟&新たなる煩悩(笑)
          └どうも有り難うございます
           └Re:どうも有り難うございます

 打越健太郎です。こんにちは。
 最近はここで皆様のご意見を聴いておりまして、だんだんと「原理主義的LRT導入派」であった僕も、色々な都市交通のためのツールについて、考えを及ぼすようになって参りました。確かに、どこでもLRTが完璧だというのはおかしな意見であって、大量輸送機関である地下鉄や、LRTと同じく中量輸送機関であっても急勾配に強いAGT、モノレールなども検討に値するのかな…と思っています。ただ、LRTが一過性のブームと一線を劃しているのは、とにかく建設費が安いことであり、今後当分は続くであろう財政難と公共工事批判とを考えるに、やはり地下鉄・AGT・モノレールよりもLRTのほうが優れているし、また本来は地下鉄・AGT・モノレールが相応しい路線であっても、建設費の安さを考慮すれば次善の策としてLRTの導入が進んでいくのは避けられないとも思います。

 さて、今回は敢えて「バスシステムと軌道系」というテーマを取り上げてみました。軌道系に比べ、バスは面的な輸送に長けている(自動車ですからね)のは、間違いの無い所です。そういった意味で、北陸鉄道浅野川線において、内灘駅を終点とし、その先には2〜3方面へのバスが連絡しているのは、上手な使い分けといって良いかと思います。
 しかし、全てのバスが鉄道のフィーダーを務めている訳ではありません。軌道系と並行したり、また軌道系のほうが相応しうな路線での輸送を行っているバス路線もあります。後者の例としては、名古屋市営バス東郊線・新出来町線が挙げられるでしょう。僕が特に注目しているのは、後者の「軌道系のほうが向いていそうな」バス路線です。こうした路線は、本当にバスで良いのでしょうか。軌道系のほうが人々により利用される、という面は無いでしょうか。例えば現在、那覇市には軌道系が無く(モノレールを建設中)都市公共交通は全てバスが担っています。これらの一部をLRTに置き換え、自家用車の総数を少し減らそう、という考え方があります。これに対しては「LRTを利用するような人なら、初めからバスを利用しているはず。無意味」という反論がありますが、これは正しいのでしょうか。

 一つの考え方としては、バスも軌道系も公共交通であり、大した違いは無い、という意見が有り得ますね。論理的には、こちらが正解です。「バスだと利用されない。軌道系だと(視覚的に路線がハッキリと見えるので)利用される」というのは、根拠の無い思いこみに過ぎません。しかし、ここで問題になるのは「誰が思いこんでいるのか?」です。一部の物好きが思いこんでいるのなら、軌道系もバスも利用状況にさしたる違いは出ますまい。しかし、たとえ根拠の無い思い込みであっても、多くの市民がその思いこみを共有し、実際にはバスと大差なくとも軌道系であれば利用してしまうとすれば… 「勝手な思いこみ」どころか、これが正解になってしまいます。
 そういった意味で「軌道系などよりバス路線網の整備のほうが合理的だし、何より安い」という意見が正しいであろう事は分かりつつ、なお「バスより軌道系を」という意見に心情的には傾いてしまうわけです。皆様はどう思いますか? 果たしてバスは、都市交通において軌道系と同様の信頼を勝ち得るのでしょうか。バスと殆ど同じような路線であっても、軌道系だというだけで人々の利用を勝ち得てしまう、などという事は有り得ないのでしょうか? 因みに、クルマ社会の今日であっても、弘南鉄道や北陸鉄道のように、今日なお黒字を計上している鉄道線は存在しますが、バス会社で黒字を出しているのは、現在10社にも満たないのですね。ひょっとして、やはりバスでは利用してもらえず、何ら実質的な根拠が無くても「軌道を走る」というだけで利用客を集めてしまう、という事実があるのでは…

Re:軌道系とバスシステム
 投稿者--- とも氏 投稿日時: 2001年2月26日 00時52分

 ともです。こんばんは。

 ある意味で、LRTの最大のメリットは軌道系整備によるメリットを最低限の費用で得ることができる点です。
 しかし、地下鉄が向いている路線に経済コストを絶対のものとしてLRTを選択するのは、交通計画論として間違いであって、まずは最適な交通機関とはなにかを検討し、そこからコストを下げる努力を行うことを考えるべきで、打越様の論理でLRTを選択するのは行政判断であれば大きな判断ミスとされるでしょう。

 軌道系と並行したり、また軌道系のほうが相応しうな路線での輸送を行っているバス路線もあります。(略)僕が特に注目しているのは、後者の「軌道系のほうが向いていそうな」バス路線です。(略)これに対しては「LRTを利用するような人なら、初めからバスを利用しているはず。無意味」という反論がありますが、これは正しいのでしょうか。(以下略)

 勝手に略してますすみません。

 僕は、バスに対して軌道系なみの専用化や優先策をとれればバスでも軌道系なみの輸送は可能でしょうし、それが相応しい都市があっても良いはずと考えます。
 現状のバス路線と理想的なLRTや普通鉄道と比較してもそこにさしたる意味はありませんし、本来どのような交通機関がその都市に相応しいかに対して、場当たり的(というよりも安易)な選択をしているという解釈をされるのが落ちです。
 もし、バスに都市交通の基幹機能を持たせるのであれば、それこそガイドウェイバスやバス専用レーン、バス専用リンクなどによる優先策を実施することで対応できます。これをやらない状況で、軌道系優位を訴えても、説得力がないですね。

 自動車からの転換も、皆が打越様のような環境や道路交通に対する問題意識を持っているのなら進むでしょうが、そんなことはなくて(もしもそうならTDMなんてとっくに全国で行われているはずです。)、自動車移動に対するメリットを感じているからこそ自動車利用になるのです。
 そこをバス交通は受け皿になり得ないから軌道系だとしてもなんら答えになっていない上に、ちょっときつい言い方をすればただのこじつけ、自己満足でもあるわけです。

 もし、本気で軌道系への転換を図るのであれば、P&Rへの誘導と併せて快適な鉄道輸送環境の整備、カープールやバス専用レーンなどによる事実上の道路容量の抑制を考えるべきで、そういったことをやらずして軌道系だといってもなんら説得力はありません。
 さらにいえば、それはバスでも良いわけで、そこを考えなくてはなりませんね。

 クリチバや香港、オタワのようにあえてバスに基幹交通機能を持たせている都市だって世界中には多いんですから。

 とりあえず、議論の種まきということで。ではでは。

Re:軌道系とバスシステム
 投稿者--- 沢村慶司郎氏 投稿日時: 2001年2月26日 13時19分

みなさん、こんにちは。沢村といいます。

 僕は、バスに対して軌道系なみの専用化や優先策をとれればバスでも軌道系なみの輸>送は可能でしょうし、それが相応しい都市があっても良いはずと考えます。
 現状のバス路線と理想的なLRTや普通鉄道と比較してもそこにさしたる意味はありま>せんし、本来どのような交通機関がその都市に相応しいかに対して、場当たり的(と>いうよりも安易)な選択をしているという解釈をされるのが落ちです。

 そうですね。LRTも、所詮交通モードの選択肢の一つにすぎない。
 LRTにするならするでいいけど、LRTでなきゃできない!って状態じゃないと意味がないですよね。

 過日、とあるLRT推進論者という人と対話する機会を得ました。
 確かに、LRTの利点は多いと思います。
 それを整理すると

(1)環境に優しい
(2)定時性
(3)軌道の存在により、ルートが明確
(4)市民に親しまれやすい、観光資源になる、景観に優れる

でした。しかし、バスでも

(1)=低公害バス(電気、天然ガス、エタノールなど)がある
(2)=バスレーンの整備
(3)=案内で改善可
(4)=情緒的。むしろ、路面電車のわき腹にある広告が景観を損ねている場合が多い

と、その程度のものならバスでも実現可であろう、と思うに至りました。そんなものか、と。

 あと、輸送力。これは、バスではかないません。
 しかし、そのためには、それだけの輸送需要が必要です。
 ですが日本では、LRT導入に適した程度の輸送需要のところは、いくつかまとめて地下鉄に昇華しているように思います。

 LRTの言葉の響きはいいですが、あくまで手段のひとつでしかないから、過度に叫ぶのはあまり望ましくないと思いますね。

Re:軌道系とバスシステム
 投稿者--- 矢切氏  http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/ 投稿日時: 2001年2月26日 00時07分

 果たしてバスは、都市交通において軌道系と同様の信頼を勝ち得るのでしょうか。
 バスと殆ど同じような路線であっても、軌道系だというだけで人々の利用を勝ち得てしまう、などという事は有り得ないのでしょうか? 

 軌道のほうが利用してもらえそうな様々な理由があります。

(A1)一般にバスより軌道系の方が本数が多いので、軌道のほうが便利という認識になる。
(A2)運賃も一般論として比較的安いように思われる

これらはまやかしの理由で、実際バスにより同レベルのサービスが行われれば軌道とバスで差がでないはずのところです。一方で軌道のほうが優れているところは実際にあります:

(B)専用軌道などにより定時性・速達性が保たれ、本当に便利である
#例:筑波→土浦は、筑波鉄道廃止によるバス化で所要時間が延びてしまった

後者の「軌道系のほうが向いていそうな」バス路線

 例えば千葉の県道1号線を走るバス(市川駅〜国府台〜矢切〜松戸駅)は北総線開業前はLRTが欲しいほどの輸送量が終日ありましたが、片側1車線しかないところでLRTにしてもバスと同じ速度でしか走れないのでメリットがほとんどありません。片側2車線に道路を拡張したり専用軌道を引くことは予算的に難しいです。多額の建設コストをはらうよりはバスのままが良い、という判断でしょう。
 このバス路線、いまではだいぶすいてきましたが、利用されなくなったのは軌道でないからではなく渋滞がひどくなったから&車が普及したから&学生が減ったからだと思います。軌道化されていてもバスと同じく渋滞にのまれるようだったら、やはり今のように客が減ってしまったでしょう。

 やっぱり軌道かバスかの違いではなく本数・所要時間・運賃・定時性など実際的なところが効いているような気がします。

--
 ひょっとしたら、今の都電荒川線よりも、15年前の上記京成バス(朝1〜2分毎・昼約4分毎)の方が、ある断面で見た利用者数は多かったかも。

 話が少しそれたかもしれません、ごめんなさい。

重要なご指摘ですが…それが全てですか?
 投稿者--- 打越健太郎氏 投稿日時: 2001年2月26日 14時37分

打越健太郎です。

 これらのご指摘は、まず事実として認識すべきであると同時に、看過しえない重大な問題点を把握する上でも有益かと思われます。以下、1つずつ分析を加えて参ります。

(B)専用軌道などにより定時性・速達性が保たれ、本当に便利である

ですが、これは皆様も実感していらっしゃることでしょう。これに対する対応策としては軌道系であれバスであれ同一で、軌道(走行場所)の強化を図る事ですね。で、軌道系であれば専用軌道化という方法が取られます。バスは? 一見、バスレーンを整備すれば良さそうに思えます。しかし、冷静に考えてみれば、バスレーンに対応するのは「軌道内立入禁止の併用軌道」であって、もしもバスを専用軌道化するのであれば、バス専用道路を建設しなければなりません。たとい軌道内立入禁止であっても併用軌道だと諸々の事情で遅れが生じてしまうことは、広島電鉄の例などで明らかです(自動車の信号待ちや、右折車両のレーン進入不可避という事情を考慮して下さい)。もしもバスの定時性を軌道系並みに強化しようとするならば、バスレーンでは不足、バス専用道路というのが正解になるでしょう。
 で、そのバス専用道路というものがどこに実在するのかと言えば、JRバスの五新線や、富山地鉄の新湊市内、また福島県内にも水郡線と接続する専用道路がありますが、あまり例は無いのですね。しかもこれらは全て未成線か廃線跡を活用しているのであって、本来のバス専用道路というのは(かつて京急の専用道路というのがありましたが)本当に稀であることが分かります。バス専用道路というものがなかなか造られないのは「誰が造るの(バス会社しか使わない道路に税金を投入するのは、可能ではあっても一般道路より抵抗があるでしょう)?」「造った後、どうして自家用車は走らせてくれないの?」という素朴な疑問に答えるのが困難だからでしょうね。
 まあ、それでも難問を掻い潜って、バス専用道路に類するものは建設されており、具体的には名古屋の志段味線ですが、もはやこれはバスではありません。軌道系です。バスは軌道系に比べてインフラ整備などが安価であるのが長所であったはずなのに、実際には軌道系と同様の多額の費用をかけてしまうことになりかねません。言い換えれば、バスの定時性・速達性を軌道系と同様に高めるための工夫を行うと、何時の間にかバスが軌道系に化けてしまうわけで、結局のところ、この分析の結論としては「軌道系はバスに比べ、定時性・速達性に長けている。バスを強化しようとすると、何時の間にかバス自体が軌道系に変質してしまう(=バスのままでは定時性・速達性において軌道系には勝てない)」という事が言えると思います。

(A1)一般にバスより軌道系の方が本数が多いので、軌道のほうが便利という認識になる。

 さて、次に(A1)ですが、これも(B)で論じた問題と無関係ではありません。速達性に欠ける(=回転の悪い)バスを頻繁運転しようとすれば、バスの車両・運転士を過分に用意する必要が生じてきます。(何が原因かまでは論じませんが)現在の我が国のバス会社が殆ど赤字であることを考えれば、これらが極めて困難なのは明らかでしょう。
 結局の所、バスが軌道系に比べて過疎運転になってしまうのは「速達性に欠ける」というバスの持つ根本的欠点の然らしめている所も一因と言えると考えられます。定時性の欠如も一因になっていそうですね。出庫したら最後、何時、何処を走っているのか分からない、乃至は分かっても移動しようの無いバスなるがゆえに、やはり頻繁運転には過分のバス車両・運転士を必要としている…と。

(A2)運賃も一般論として比較的安いように思われる

 (A2)は何故なのでしょう。これが同じバスでも都市間路線になれば、例えば水戸〜東京間で高速バス2080円、JR普通列車2210円、という具合で、あまり差がありません。一方で、水戸〜大洗間のバスですと、鉄道(鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線)が310円なのに対し、バスだと相当高い(乗り通す人が稀なので、価格を調査出来ませんでした。先日、病気療養中の友人が乗り通した所「目の玉が飛び出た」とか)と、圧倒的に鉄道優位です。
 経済学の初歩的な考え方から考察すると、恐らくは「利用者がいないので、コスト回収のために高額の運賃を設定」「回転が悪いので、人件費や資本設備(バス車両)を利用者に比べて多めに用意せねばならない」といったことが考えられます。とすると、利用者が少ないのは定時性・高速性に欠けるから、回転が悪いのも同一の理由、ということになり、これらもバス自体の持つ弱点の現われと結論することが可能ではないでしょうか。

 やっぱり軌道かバスかの違いではなく本数・所要時間・運賃・定時性など実際的なところが効いているような気がします。

 なるほど、仰ることは事実でしょう。では「都市交通としてのバスが軌道系に対決するにはどうすれば良いのか?」と言えば、前述のように、結局バスのままでは限界があります。やむなく専用道路・ガイドウェイといった方法を取ると、結局かかる費用も、出来あがった実態もバスとはかけ離れ「軌道系そのもの」になってしまう…という結論が生じてくるような気が致します。逆説的な形ではありますが、やはりバスは軌道系に敵わない、ということではないでしょうか。

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2004.11.02 Update


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