【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.311)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。


〔都市交通全般〕つくば市に見る公共交通への公的支援
 投稿者:打越健太郎氏 投稿日:01/01/08(月) 23:23
〔都市交通全般〕つくば市に見る公共交通への公的支援
└いくつもの施策を行うことで初めて自家用車からの転換がある
└PFIについて
 └Re:PFIについて
  └Re:PFIについて
   └Re:PFIについて
    └PFIと3セク型整備の違い
     └Re:PFIと3セク型整備の違い
      └Re:PFIと3セク型整備の違い
       └Re:PFIと3セク型整備の違い
        └Re:PFIと3セク型整備の違い
         └Re:PFIと3セク型整備の違い

 打越健太郎です。こんにちは。矢切様が1回レスを付けて下さっただけ… どうしたのかな? ますます僕の投稿だらけになってしまうのですが、お許し下さい。

 1月8日の「茨城新聞」の15面に「『福祉バス 市民に好評』つくば市 停留所300カ所 交通弱者らの利便性を図る」という記事が出ております。この記事によると、つくば市では昨年9月19日から、市内4コース(筑波地区、大穂・豊里地区、桜・豊里地区、谷田部地区)で、市役所の各庁舎(註・つくば市は多くの町村が合併して成立したので、役所が市内各所に分散しています)や保険センター、老人福祉センター、つくばセンターバスターミナル経由、市内300箇所の停留所の福祉循環バスを運転開始、バス6台で7時から19時まで、年末年始(12月29日〜1月3日)を除いて毎日運行しており、これが大変に好調だとか。利用者は1日平均173人。月毎に利用者は増加中です。2000年2月までは運賃無料、一般の市民も利用が可能です。現在、市役所には停留所の増設や新規路線の運行を求める声が多数寄せられており、市では既に停留所7箇所を増設したほか、新規路線も慎重に検討中だとのことです。

 この記事には驚きました。確かにつくば市には鉄道が無い上、全くの計画都市で自家用車が無いと極めて生活し難い街なのですが、これまでバスは最寄駅の土浦駅行きと東京行き高速バスを除いて極めて利用が少なく、二ノ宮団地〜つくばセンターバスターミナル間のシャトルバス(つくば市が、渋る関東鉄道に無理強いして走らせた)などもまた、20分間隔と決して不便ではないにも拘らず閑古鳥が鳴いておりました。公共交通以外に足が無い高齢者や身体障害者から「バスの充実を」との声はこれまでにもあったのですが、既に「超クルマ社会」となっていたつくば市では殆ど利用されないのが今までの実態だったのです。この福祉バスの大成功は、ハッキリ言って予想外の快挙としか言いようがありません。

 一体何故、この「福祉循環バス」は大当たりしているのでしょうか。ルートが良い(特に、つくばセンターバスターミナルを経由するのは宜しい)などという面は勿論あるでしょう。頻繁運転をしているのかもしれません(記事では本数までは触れられていない)。しかし、これほど利用される最大の原因は、どうやら「誰でも無料で利用できる」という点にありそうです。自家用車を所有する人があまり公共交通を利用しない理由の1つに「お金が掛かる」ということが挙げられます。
 現在の我が国では、特に地方のバスや鉄道の運賃の高さは相当なものがありますし、また1人で公共交通を利用するのならともかく、家族で公共交通を利用すると、人数分の運賃を取られてしまいます。自家用車といえども自動車そのものの購入費用やガソリン代など決して無料ではないにせよ、やはり公共交通に比べれば割安感が漂うのでしょう。ある意味、当然の選択です。とはいえ、これによって道路が渋滞する、という、各地の都市で見られる光景は決して望ましくありませんし、まして道路が渋滞しているせいでバスの利用価値が無くなったり、渋滞している道路に並行してガラガラの鉄道が走っている、などという全く不合理な事態が頻発している都市もあります。これに対しては、

  1. 自家用車の利用に対して何らかの料金を賦課する(ex.ロードプライシング)
  2. 公共交通のほうを経済的に利用し易くする

という2つの対策が考えられます。このうち望ましいのは2のほうでしょうから、欧米では都市部のバスやLRTの運賃を非常に安くしたり、またそもそも都心部では無料にしてしまったり、或いは1枚の切符で家族全員が乗車できる(または大幅に割り引く)といった方策を取り、自家用車から公共交通への誘導を図り、事実、相当の成功を収めているようです。
 我が国では現在の所、これら「経済的手法で自家用車からバスへの転移を図る」という方策はごく一部で行われているに過ぎず(ex.西鉄「100円バス」)、「日本人はたとえ公共交通がお得になっても、自家用車のほうを利用したがるだろう」という予想もありました。実際、西鉄の100円バスは成功しているものの、バスに転移してきた利用者は、もともと地下鉄を利用していた人が多いようで、自家用車から乗り換える例は稀でした。しかし、つくば市の「福祉循環バス」がこれほどまでに成功しているということは、我が国でも欧米式の方法で、自家用車の利用を減らし公共交通に誘導することは充分可能であるように思われます。

 では、何故我が国では欧米式の「大幅な割引」というものを採用できないのか? 交通事業者が経営的に自立するには、日本程度の運賃を取ることが必要なのでしょう。欧米においては公共交通の公営(しかも直営)や大規模な補助金、またLRTの上下分離などの公的な支援が充実しているからこそ、経営的に成り立ちにくい(「都心部無料」では、会社としては利用されればされるほど損が出てしまいますね)ような低運賃が可能になっているわけです。で、我が国ではこうした「自家用車から公共交通への誘導」を行うべきでしょうか。僕は行うべきだと思うし、少なくとも「行うべき場所もある」という主張なら、皆様のご賛同も得られるかと考えます。自動車が多すぎることは、環境問題こそ改善の兆しがあるものの(燃料電池車。これの環境負荷がゼロではないことは、別論で主張した通りです)資源問題、渋滞、事故などのリスクを高めます。これらの社会的費用を考慮し「自家用車が多すぎる」という結論に達した場合、公共交通に対して何らかの公的支援を大幅に充実させ、欧米のように自家用車からの転移を促すべきでしょう。「日本でも自家用車から公共交通に転移するか?」という点がこれまでの懸念でしたが、つくば市での成功は、こうした懸念への何よりも力強い回答と言うべきでしょう。無論、こうした支援が旧国鉄のようなモラルハザードを生んでは困るので、民営の経営効率を生かす工夫が必要なのは当然ですが、これに対してはPFIや「補助金つき入札」などの方法で対処することが可能でしょう。皆様、是非ご意見をお聴かせ下さい。

いくつもの施策を行うことで初めて自家用車からの転換がある
 投稿者
とも 投稿日:01/01/10(水) 18:23

 ともです。

 さてさて、自家用車から公共交通機関への転換ですが、打越様が書かれているように公共交通機関を安くしても大した変動はないように感じます。
 なぜなら、自家用車を利用する人にはそれなりの理由があって利用しているのであって、そのプロセスを無視しての転換論は無意味です。
 自家用車から公共交通機関に転換させるのであれば、それ相応の施策と優位性(優遇策)が必要となります。

 すなわち、自家用車の最大のメリットである「快適性」「ドアtoドア」を上回るだけのメリットを利用者に対して公共交通機関が与える必要があるわけです。
 では、つくばのような無料バスや100円バスがそれに答えられているのでしょうか。
 それは「否」でしょう。
 では、なぜつくばの無料バスや武蔵野のムーバスが成功しているのか。
 それは、「二輪車」というもう一つの交通モードからの転換です。

 前にも岡山の話で書きましたが、公共交通機関の整備によって、最も影響を受ける交通機関は自転車やバイクです。
ご存じかと思いますが、つくば市の道路には自転車専用レーンが確保され、平坦な地形と相まって、自転車利用も多いようです。
 よって、ここからの転換が無料バスを支えているのではないでしょうか。
 詳細な利用者動向を見る必要がありますが、自家用車からの転換では説明できないでしょう。皆無とはいいませんが。

 では、自動車から公共交通機関への転換は難しいのか。
 それはそうですが、不可能ではありません。
 アメリカやヨーロッパにおいては都市構造の決定的な違い(欧米は基本的に一極集中高度利用型都市計画です)がありますのでそのままは使えませんが、やはりパークアンドライドやキスアンドライドなどの施策を行い、公共交通機関との結節性を高くするとともに、ロードプライシングやトランジットモールなどの交通規制によって自家用車利便性を相対的に低くする施策が必要です。
 また、パークアンドライドなどの利用者に対して、今の日本の通勤電車では魅力がないのでお金を払ってでも車でという選択を抱かせますから、ニューヨークのような高レベルサービスの車両とするとか、いわゆる「通勤ライナー」方式を採用するような工夫が必要です。
 さらに、都心部では高度利用をすすめ、LRTやバスサービスの充実、ゾーン制度による公共交通同士の乗り継ぎの利便性向上などを行う必要があります。
 これだけのいくつもの施策を行うことで初めて自家用車からの転換があるように思います。

 また、公共交通機関への公的機関補助はかなり難しい問題ですので別項たてますね。

 では。まずはこんなとこで。

PFIについて
 投稿者
かわむら 投稿日:01/01/09(火) 10:24

これに対してはPFIや「補助金つき入札」などの方法で対処することが可能でしょう。皆様、是非ご意見をお聴かせ下さい。

 これについて、ご返信いたします。
 PFIというのはやや公的で、しかも民間に利潤があがるときに有効な手段であると私は認識しております。そこでLRTについて考えますと、新規に参入して資金を民間が出しても果たして利潤が上がるかどうか疑問です。そこで,私は“ジョイントベンチャー型”が日本には最適だと思っております。
 これは民間・行政が半々に資金を提供しあうもので、当然経営責任は民間が持ちます。
 さらに、私が面白いと思うのは“民間は施設を資産として”提供し、行政は補助金として資金を投入するものです。
 たとえば、富山市にLRT整備をする場合,富山地方鉄道単体での整備ははっきり言って厳しいでしょう。そこで、富山地方鉄道は線路や用地を所有の範囲で提供し、富山県・富山市が補助金という形で資金を投入し建設。その後は地鉄が責任を持って経営、という流れではどうでしょうか。
 もともと富山地方鉄道は経営面で努力の見える会社ですし、市内線のフリークエンシーさはなかなかです。

 また、ここから行政はこのPFI事業を成功させるためにいろいろなことで補助すればいいのです。たとえばLRT沿線に公共施設を建設したり、パークアンドライドの駐車場を整備したり。ただ、直接資金を投入するのではなくて間接的に援助するのが望ましいです。

 なお、実際にPFI整備によってLRTを建設したのはドイツ・マンチェスター市。この場合は“サービス購入型”です。線路は行政が建設、維持管理に5年契約で民間企業が携わってます。

それでは、また。

Re:PFIについて
 投稿者
打越健太郎氏 投稿日:01/01/10(水) 15:35

かわむら様、ご意見有り難うございます。さて、

私は“ジョイントベンチャー型”が日本には最適だと思っております。
これは民間・行政が半々に資金を提供しあうもので、当然経営責任は民間が持ちます。
さらに私が面白いと思うのは“民間は施設を資産として”提供し、行政は補助金として資金を投入するものです。

 これは面白そうな御提案ですね。僕は常々、鉄道の上下分離を訴えておりましたけれど、では実際に上下分離を断行するとなると、各鉄道会社から国または地方自治体は莫大な額で鉄道用地・施設などを買い取らねばならない(無料で取り上げるのは違憲です。当然ですが)という問題がありました。民間が施設を「資産」名義で提供して、行政が建設を実施するというのは、何やら実現可能性が高そうに思われます。ただ、僕は哀しいかな経済のド素人なので、これについてはよく分かりません。具体的には、

 経済に通じた方から見れば「笑っちゃう」ような質問なのでしょうが、この辺り、僕のような無知の者(^^;; に、分かり易くご教示頂ければ、幸いです。

Re:PFIについて
 投稿者
かわむら 投稿日:01/01/10(水) 16:16

 こんにちは。かわむらです。

鉄道会社が「資産」という形で施設を提供するとの事ですが、この「提供」というのは書類の上でのことなのか(つまり、行政が民間企業に出資することを正当化するためのフィクションなのか)、それともこの「資産」を担保に資金を借りてくるなどの方法で、実際に建設資金を得ることが出来るのか?

 ジョイントベンチャーとは、民間と公共が資金を出し合うものです。よって考え方は

民間は所有施設を現在価値換算で資金化し、これを出資金にする。
行政は補助金名義で出資する。

ということになります。早い話、フィクションかもしれませんが、一般市民にとって民間企業に理由なく資金投入は行政としての説明責任に欠けるものと思います。よって、つまり富山の例で行くと、

  1. 富山地方鉄道が上記の方法で出資し、行政が補助金を出して建設をする。
  2. 引き続き地鉄が経営・維持管理を行う。これは経営責任を地鉄が持つ。
  3. 一定年数(契約年数)に達したら経営に対し評価し、経営に問題があったら民間企業にはその仕事から下りてもらい、新しいPFI事業者を探す。

当然、(3)の時には地鉄に対して施設のただ取りにならない様にしなければなりませんが。

行政が出資する補助金ですが、これの出所は税金ですか? それとも金融機関から借りてくるのか、市場から調達してくるのか? 

 税金です。PFIの主な目的がVFM(財政支出価値)を高める、つまり税金投入により受ける市民のサービスの価値が最大になればよいわけですから、富山の例で行けばLRT整備により町が便利になり、車が減り、富山の一企業である地鉄が一定の利益を得れば良いわけです。これは経営の契約年数ごとに外部評価を行うことによって税金の投入効果を計ればいいわけです。

 市場から調達も一つのアイディアです。この場合,他の企業と合同出資の新会社を設立し(たとえば駐車場管理会社、大手量販店)、行政の資金投入を最小にするのが望ましいでしょう。

 早い話、本来なら民間だけで経営するのがいいのだが、それでは資金面で問題がある、そこで公的資金を投入するがただでは出さない、きちんと結果を残してくださいというわけです。

 実は私は建設マネージメントが専攻で、PFIについてはまだまだ勉強中なのでおかしな事を言っているかもしれませんが、私の説明はこんな感じです。

Re:PFIについて
 投稿者
とも 投稿日:01/01/10(水) 19:02

 ともです。たてつづけ投稿です。

 かわむら様のご提案は、PFIを公共交通に使う場合の問題点である「採算」「経営責任」に対する一つの答えであると思います。
 とはいえ、この案は結果的に運営会社に対して補助金という形の行政負担をすることになり、ある意味で今の第三セクターの問題もはらんでいるような気がします。
 もちろん経営に関して第三者のチェックという大きなハードルがありますが。

 僕としては、やるのであれば、純粋PFIか、もしくは完全公的整備+民間運営の2種類かと思っています。
 前者は都市鉄道で、後者は地方都市で可能性があると考えます。

 後者はなぜ公的機関が完全整備をするのかですが、これは地方都市においては建設資金の回収はほぼ不可能に近いこと、公的機関の整備によって都市計画とセットでのコントロールが可能なことからです。
 資金回収を当初から考えて整備する場合、結果的に高額な運賃となって利用されないということになりかねません。
 であれば、最初から資金回収を見込まないのです。いわば行政からの出資金のようなものです。
 とはいえ、「出資」という形はとらずに、あくまで「運営権」を事業者に与える形にします。
 運営権は入札ででも決めましょう。その際に、利用者意向を盛り込むなどしてプロポーザルによる選定とすれば、利用者サービスはかなり向上します。
 また、運営会社は行政の意向も伺いながらとなり、沿線の乱開発などの防止も可能です。
 この方式は、香港のバス事業で採用されている方式で、香港では香港島のバス会社があまりにもサービスが悪いため運営権を剥奪され、別会社が運営権を得て、サービス向上を図っているようなものがあります。
 「運営権剥奪」という「最後の切り札」を与えることで、行政はただで出資する形とはしないのです。
 すなわち、裏返せば、サービスに問題があれば行政の責任を追求されるので、行政にも責任が降りかかるのです。

 純粋PFIはやはり都市部のような採算が乗る場所でしか可能性は無いと思いますが、地方でも観光都市などでは可能性がありますね。
 どちらにしても、インフラ補助や立体補助などさまざまな国費補助を受けることもできますから、「これ」という決めではなく、柔軟な選択が必要なんでしょうね。

 このどちらにしても、地財法上の問題はありますが、公共交通機関整備への一つの方法かなという気がします。

 僕も経済は専門では無いので、ぐちゃぐちゃの文章ですがお許しを。

 とはいえ、前にも書きましたが、世界の流れは「都市交通は公営」なんですけどね。
 どうも世間の論調が・・・・・

 ではでは。

PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
かわむら 投稿日:01/01/11(木) 00:00

 こんばんわ、かわむらです。

とはいえ、この案は結果的に運営会社に対して補助金という形の行政負担をすることになり、ある意味で今の第三セクターの問題もはらんでいるような気がします。
もちろん経営に関して第三者のチェックという大きなハードルがありますが。

 ともさんのこの事について、ちょっと意見です。
 PFIのジョイントベンチャーと第三セクターは似ているようで重要な事が違います。それは、責任の所在が公か、民間かという事です。だから、私は民間に資金投入するのは構わないと思っています。ところがいまの第三セクターでは責任の所在があいまいな為、(最終的には公共が持つ為)ああいう結果になってしまうのでしょう。
 資金が訳のわからないように使われ、最終的に大きな負担になってしまうのです。

とはいえ、「出資」という形はとらずに、あくまで「運営権」を事業者に与える形にします。
運営権は入札ででも決めましょう。その際に、利用者意向を盛り込むなどしてプロポーザルによる選定とすれば、利用者サービスはかなり向上します。

 これはPFIの大きな特徴です。
 もし新しい施設を行政が建設し、それを民間で委託した方が投資を抑制できるのであればそのやり方は正しいと思います。香港島だけではなく、この前述べたドイツのマンチェスターLRTでもこの方式が使用されています。
 ただし、私の研究が“民間資金・施設活用型PFI”であるため、ああいう書き方をしています。要には、いかにして行政の出資を押さえるか、という事ではないでしょうか。

 ともさんの意見には賛成です。確かに日本は行政が交通に携わっているところが少ないと思います。でも、そのことを言っていても始まりませんし、せっかく公的資金を投入しているのだからVFMを高めるのを目標としていてても良いと思います。

 ちょっと持論をひけらかす様な文章ですがお許しください。
 この論議は直接研究に役に立ちますのでどんどん批判・反論をお寄せください。

Re:PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
とも 投稿日:01/01/11(木) 19:03

 こんばんは。ともです。
 かわむら様の意見に対する僕なりの見解です。

PFIのジョイントベンチャーと第三セクターは似ているようで重要な事が違います。それは、責任の所在が公か、民間かという事です。だから、私は民間に資金投入するのは構わないと思っています。ところがいまの第三セクターでは責任の所在があいまいな為、(最終的には公共が持つ為)ああいう結果になってしまうのでしょう。
資金が訳のわからないように使われ、最終的に大きな負担になってしまうのです。

 これについて否定するつもりはさらさらありません。ただ、実際問題としてどうかということがちょっと疑問です。
 PFIジョイントベンチャー方式を詳細に見ると、東京湾アクアラインの「民間建設+行政補助」による整備方式と似通っていると思うんです。
 アクアラインは、道路公団と企業、自治体が出資する「東京湾横断道路株式会社」が建設し、運営を「日本道路公団」が行い、資金回収を行っています。
 これは中曽根民活で生まれた「株式会社方式」の典型例ですが、運営が純粋民間では無いというところがありますが、結果的に同じようなものと考えられます。
 もしもアクアラインで出たような「計算違い」があったとすると、運営が民間である以上、アクアラインに関し道路公団が責任もって対処するのと同様に責任は運営する民間にありますが、道路公団のように体力があるのならば良いですが、体力の無い民間企業(地方鉄道クラスならあり得ますね)であれば、公共施設である以上、行政は責任をもって面倒を見ることが求められることも考えられます。
 なぜなら、鉄道はあくまで公共交通機関であるので行政が計画するのが基本です(整備計画への位置づけですね)。とすると、計算違いの大きな原因の一つが「需要の過大評価」という計画論での問題ですから責任が行政に来てしまうのです。
 そこが第三セクターの今の問題と似てきてしまうのではないでしょうか(ローカル鉄道への行政支援に近いとも言えますね)。

> とはいえ、「出資」という形はとらずに、あくまで「運営権」を事業者に与える形にします。
> 運営権は入札ででも決めましょう。その際に、利用者意向を盛り込むなどしてプロポーザルによる
> 選定とすれば、利用者サービスはかなり向上します。

これはPFIの大きな特徴です。
もし新しい施設を行政が建設し、それを民間で委託した方が投資を抑制できるのであればそのやり方は正しいと思います。香港島だけではなく、この前述べたドイツのマンチェスターLRTでもこの方式が使用されています。
ただし、私の研究が“民間資金・施設活用型PFI”であるため、ああいう書き方をしています。要には、いかにして行政の出資を押さえるか、という事ではないでしょうか。

 失礼しました。確かに僕の案も「一種のPFI」と言えますね。かわむらさんの書かれる「民間資金・施設活用型PFI」が一般型のPFIとすれば、僕の案は変形と言えるでしょう。
 とはいえ、僕の案はPFIというよりも民間と行政の受委託によって成立する関係に近いと考えられ、日本で言うところの「PFI」というには違うかなという気がしています。
 そこで、あえて「別名」としたのです。
 「日本版PFIのガイドライン」(日本版PFI研究会編著)でも基本的に施設建設は民間という考え方に立っています。
 よって、日本では公共が整備する(一部整備は除き)ものを民間運営するものはPFIの範疇には含まないようです。

 そういう意味で、僕は地方都市の公共交通へのPFI導入に否定的な意見を述べてしまうんですね。
 もちろんマンチェスター方式をPFIとすれば可能性はあるという言い方になるんですが・・・

 とりあえずはこんなもんです。
 僕は経済が専門ではなく、計画が専門なのでちょっと支離滅裂な意見になってますがお許しを。

Re:PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
かわむら 投稿日:01/01/11(木) 23:34

 こんばんは、もう一度レスです。

これについて否定するつもりはさらさらありません。ただ、実際問題としてどうかということがちょっと疑問です。
PFIジョイントベンチャー方式を詳細に見ると、東京湾アクアラインの「民間建設+行政補助」による整備方式と似通っていると思うんです。
アクアラインは、道路公団と企業、自治体が出資する「東京湾横断道路株式会社」が建設し、運営を「日本道路公団」が行い、資金回収を行っています。

 確かにこの方式では新規路線ではまずいでしょう。しかし、たいていのLRT計画は既存路線のお話しですから、こけるこけないの前に現状の運営会社の資金力の弱体化が問題なのです。

なぜなら、鉄道はあくまで公共交通機関であるので行政が計画するのが基本です(整備計画への位置づけですね)。とすると、計算違いの大きな原因の一つが「需要の過大評価」という計画論での問題ですから責任が行政に来てしまうのです。
そこが第三セクターの今の問題と似てきてしまうのではないでしょうか。
(ローカル鉄道への行政支援に近いとも言えますね)

 計算違いの理論は分かります。ただし、これはどんな方法を使っても起こりうる問題です。それは現状のPFI研究の中で最重要課題として取り上げられてます。この問題はリスクアロケーションの進化によって解決できます。どこまで行政が責任を持つかはその時の契約文書にしっかり記述されるので完璧とはいいませんがそれほど大きな問題ではありません。

とはいえ、僕の案はPFIというよりも民間と行政の受委託によって成立する関係に近いと考えられ、日本で言うところの「PFI」というには違うかなという気がしています。
そこで、あえて「別名」としたのです。
「日本版PFIのガイドライン」(日本版PFI研究会編著)でも基本的に施設建設は民間という考え方に立っています。
よって、日本では公共が整備する(一部整備は除き)ものを民間運営するものはPFIの範疇には含まないようです。

 はい、その通りです。だからこの分野は研究に値するのです。(笑)
 ちなみにもう一度いいますが公共は“補助金”を出すだけです。建設はしません。
 ともさんの言われているのは“料金徴収型”・“公共サービス購入型”です。この場合、確かに民間が施設を建築しますがそれこそ民間の資金が莫大になります。そこで出てくるのが何度も言うジョイントベンチャー方式です。
 実は実際にイギリスではジョイントベンチャーPFIで鉄道増強工事をしています。
 日本型PFIの枠組みではほとんどジョイントベンチャー型(日本では一体整備型という)を使えるところがありません。つまり、PFIは完全なるイギリスのコピーでは無い訳です。
 早い話、今の日本では民間委託とPFIは境界線がほとんどありません。あるとすれば競争入札方式ぐらいです。だから、上下分離方式にしても見方によってはPFIです。

そういう意味で、僕は地方都市の公共交通へのPFI導入に否定的な意見を述べてしまうんですね。
もちろんマンチェスター方式をPFIとすれば可能性はあるという言い方になるんですが・・・

 一応日本投資信託銀行の研究員が出した報告にはPFIと記載されています。
 ともさんの言われたとおり、日本で言うPFIではほとんど地方鉄道に応用出来る分野が無いのです。しかし、実際外国ではPFIで整備と言っているのだし、検討の価値はあるのではないかと思います。

 現在私は日本の現状のPFIについて考察して、問題点を挙げ新しいPFIを考案しているのですからともさんの意見はごもっともです。それはお詫びします。もしお時間がありましたら外国のPFI交通網整備の事例をみて頂くと日本型との違いがお分かり頂けるのではと思います。

 最後に、本当なら公営がやるのが一番なのです。しかし、それでは投資は大きいしLCCは高いし採算が取れるかわからない。だったら民間にアイディアを出してもらって経営してもらったらという考え方がPFIの大本の考え方です。

 いち学生が失礼いたしました。
 LRTよりPFIについて熱くなりました。申し訳ありません。

Re:PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
とも 投稿日:01/01/12(金) 10:08

 おはようございます。ともです。
 夜テキストで作ったのですが投稿が朝になってしまいました(笑)

確かにこの方式では新規路線ではまずいでしょう。しかし、たいていのLRT計画は既存路線のお話しですから、こけるこけないの前に現状の運営会社の資金力の弱体化が問題なのです。

 ここは異論ありです。
 LRTの整備計画は既存路線改良だけではなく、新規整備での計画も多いという実態から見て一概には言えないでしょう。
運営会社の資金弱体化に関しても、施設改善費に対してすでに自治体の他、国からも道路事業費や都市計画事業費からの行政支出があることを勘案すればすぐにPFIという方向に進むのは飛躍しすぎのような気がします。
 そもそもLRTという乗り物は単純にそれだけで成立するモノではなく、都市交通計画上のはっきりした性格付けが必要になります。であれば、運営面も含め、都市交通としてどのような形が良いかというところを議論する必要があり、経営母体を含め抜本的な見直しなども視野にあるべきではないでしょうか。
 沖縄のモノレールのように既存バス会社の整理といったドラスティックな変化をする必要も有るわけです。

計算違いの理論は分かります。ただし、これはどんな方法を使っても起こりうる問題です。それは現状のPFI研究の中で最重要課題として取り上げられてます。この問題はリスクアロケーションの進化によって解決できます。どこまで行政が責任を持つかはその時の契約文書にしっかり記述されるので完璧とはいいませんがそれほど大きな問題ではありません。

 書かれているとおりこれはかなり大きな問題です。しかも、どこでもおこりうる問題です。
 しかし、これをリスクアロケーションによって簡単に解決できると考えるのは簡単すぎませんか。
 PFIにおいて行政側との契約においてそのような記載があり責任を明確に出来るというのは第三セクターに比べて優れている点であることは認めます。
 しかし、民間で防ぎようの無い部分である計画上の問題について、民間がそのリスクを負うべきかどうかという点で問題が残ります。
 PFIガイドラインでは、計画時の需要予測に関しては民間がそのリスクを負う(需要最低保証がある場合には公共と折半)ことにはなっていますが、多少なら良いものの千葉急行のようにかけ離れた場合にどうするのかという点で、それでも民間にリスクを負わせるべきなのかといったところは研究の余地ありです。

はい、その通りです。だからこの分野は研究に値するのです。(笑)
ちなみにもう一度いいますが公共は“補助金”を出すだけです。建設はしません。
ともさんの言われているのは“料金徴収型”・“公共サービス購入型”です。この場合、確かに民間が施設を建築しますがそれこそ民間の資金が莫大になります。そこで出てくるのが何度も言うジョイントベンチャー方式です。
実は実際にイギリスではジョイントベンチャーPFIで鉄道増強工事をしています。
日本型PFIの枠組みではほとんどジョイントベンチャー型(日本では一体整備型という)を使えるところがありません。つまり、PFIは完全なるイギリスのコピーでは無い訳です。
早い話、今の日本では民間委託とPFIは境界線がほとんどありません。あるとすれば競争入札方式ぐらいです。だから、上下分離方式にしても見方によってはPFIです。

 まったくもってその通り。研究しなくてはなりません。
 ジョイントベンチャー方式において公共側が補助だけというのは理解しているつもりです。
 でも「一体整備型」PFIは「公共からの補助」ではなく「公共の負担」が基本ですよね。であればこれらは別者なのかなと。(これは言葉尻の話なので結局同じようなものですからなんでもいいんですが(笑))

 実際、イギリスのPFIによる公共施設整備に関してはいくつかの実例を僕も調べたり読んだりしたことがあります。かわむら様ほどではありませんが・・・
 そういったなかで、イギリス型PFIを日本でそのまま使うのが良いとは思えません。
 日本とヨーロッパでは社会資本に対する考え方も違いますし、鉄道に関しても基本が独立採算性の日本と、当初からある程度の社会負担を許容している欧米各国では事情が全く異なるところも気になります。
 すなわち、日本ではリスク負担は民間で、やばくなったら公共が手を出す。欧米は最初から公共が手を出すといったところです。日本のPFIに関するマスコミ論調では公共側負担は極めて低い書き方になっていますからさらに気になります。

一応日本投資信託銀行の研究員が出した報告にはPFIと記載されています。
ともさんの言われたとおり、日本で言うPFIではほとんど地方鉄道に応用出来る分野が無いのです。しかし、実際外国ではPFIで整備と言っているのだし、検討の価値はあるのではないかと思います。

現在私は日本の現状のPFIについて考察して、問題点を挙げ新しいPFIを考案しているのですからともさんの意見はごもっともです。それはお詫びします。もしお時間がありましたら外国のPFI交通網整備の事例をみて頂くと日本型との違いがお分かり頂けるのではと思います。

 これには賛成しますし、お手伝いしたいぐらいです。PFIに関しては国土交通省でも一時期に比べ話題になっていないようですが、「流れ」ですから研究をすすめなくてはなりませんね。
 ジョイントベンチャーがPFIと言うべきかどうかは、スタンスの問題と言うより定義の問題なのですが・・・。これを「PFI」と呼ぶことに関しては異論はありません。
 ただ、マンチェスターは計画段階から運営会社が関与していますよね。であれば運営権方式とちょっと違うかな・・・
 僕もジョイントベンチャー型PFIが悪いとは思っていません。それこそ地方鉄道でも比較的採算性の良好、もしくは需要動向がはっきりしているような都市では可能かもしれません。
 しかし、都市開発と一体となった整備などにおいては、そのリスクの大きさからして民間が乗ってくるとは考えにくく(実際それで鉄道が引けない都市もありますね)、仮にPFI的手法をもってしてもリスクを負うのは民間ですから、そういったところでは成立しないでしょう。

 結局、その都市の構造と、鉄道(もちろんバスでもいいんですが)の性格、経済動向によって整備手法は様々であるはずで、一概にこれが良いとは言えませんね。

最後に、本当なら公営がやるのが一番なのです。しかし、それでは投資は大きいしLCCは高いし採算が取れるかわからない。だったら民間にアイディアを出してもらって経営してもらったらという考え方がPFIの大本の考え方です。

 前にも書きましたが僕も都市圏公共交通は公営でやるべきというのが基本スタンスです。
 海外でも、ニューヨークであれ、パリであれ基本は公営ですね(イギリスがレアだということをどうして日本では報道しないんでしょうか・・・)。
 そういったところでは日本のように、公共交通側が都市計画に非協力的で土地利用誘導をやってもうまくいかないというようなことはありません。(あの徹底した資本主義都市の香港ですら交通事業者は行政に協力的ですね)
 ただ、かわむら様が書かれているとおり、大きなLCCという問題もありますから、運営を民間委託する方式が理想なのではないかと考えているんですね(運営権方式はジョイントベンチャーとはちょっと違いますね。軌道は公共側整備ですから )。

いち学生が失礼いたしました。
LRTよりPFIについて熱くなりました。申し訳ありません。

 いえいえ。(笑)
 打越様には申し訳なかったんですが・・・。ま、前にも整備手法を日立の時にやりましたからいいんでしょうが(ごめんなさい打越様)。
 僕も専門家でも無いのに口出ししてすみません。
 あまり経営面は勉強していないので詳しくないので訳判らないことを書いてしまって。
 技術屋の悲しいサガです。経済モノは逃げる傾向があるんですよ。特に費用対効果とか・・・(笑)
 ちょっとは勉強しないとやばいですね

 ではでは。

Re:PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
かわむら 投稿日:01/01/12(金) 16:04

 こんにちは。かわむらです。

LRTの整備計画は既存路線改良だけではなく、新規整備での計画も多いという実態から見て一概には言えないでしょう。
運営会社の資金弱体化に関しても、施設改善費に対してすでに自治体の他、国からも道路事業費や都市計画事業費からの行政支出があることを勘案すればすぐにPFIという方向に進むのは飛躍しすぎのような気がします。

 たしかに、そうかもしれません。
 そこで、今度はその補助金のお話です。
 ここでもVFMが問題となってきます。施設改善費に対してすでに自治体の他、国からも道路事業費や都市計画事業費からの行政支出があることを勘案した上で、その効果がどのくらいあるのかが疑問です。だから補助金打ち切りなど最近の流れが公共交通行政の流れなのでは、とも感じます。
 その上でPFIとか、上下分離方式が出てくるのでしょう。

 書かれているとおりこれはかなり大きな問題です。しかも、どこでもおこりうる問題です。
 しかし、これをリスクアロケーションによって簡単に解決できると考えるのは簡単すぎませんか。
PFIにおいて行政側との契約においてそのような記載があり責任を明確に出来るというのは第三セクターに比べて優れている点であることは認めます。
 しかし、民間で防ぎようの無い部分である計画上の問題について、民間がそのリスクを負うべきかどうかという点で問題が残ります。
 PFIガイドラインでは、計画時の需要予測に関しては民間がそのリスクを負う(需要最低保証がある場合には公共と折半)ことにはなっていますが、多少なら良いものの千葉急行のようにかけ離れた場合にどうするのかという点で、それでも民間にリスクを負わせるべきなのかといったところは研究の余地ありです。

 それはPFIの最大の問題点ですから、それを突っ込まれると困るかも(笑)。
 去年の土木学会の論文や、建設マネージメントの論文を読みますと結局そこがPFIか否かの答えになる傾向があるのです。
 だから今の日本の事例では“こけようのない”サービス購入型がクローズアップされるのです。

 そういったなかで、イギリス型PFIを日本でそのまま使うのが良いとは思えません。

 そのとおりです。ただし、現在の日本のPFIも問題があります。
 ちょっと逃げの意見なのですが私はLRTなどの交通計画のど素人なので無理ある提案をいっぱいしている感は否めません。ただし、建設マネージメントは概論のお話なので最初からやれ法律だ日本の現状だといわれると“う・・・”と詰まってしまうのです(こまった学生)。

 すなわち、日本ではリスク負担は民間で、やばくなったら公共が手を出す。欧米は最初から公共が手を出すといったところです。日本のPFIに関するマスコミ論調では公共側負担は極めて低い書き方になっていますからさらに気になります。

 そのとおりです。そこをいかにして変えていくのかがPFIなど、改革の目的になるのかも知れません。

 ジョイントベンチャーがPFIと言うべきかどうかは、スタンスの問題と言うより定義の問題なのですが・・・。これを「PFI」と呼ぶことに関しては異論はありません。

 すいません。(笑)

 結局、その都市の構造と、鉄道(もちろんバスでもいいんですが)の性格、経済動向によって整備手法は様々であるはずで、一概にこれが良いとは言えませんね。

 そのとおりです。(笑)

 という訳で、今度投稿する時には今私が研究している具体例について話してみようかな、と思いました。
 今回の討論?はどの道発表会で突っ込まれる事でしょうから答えを探してみます。

 それではまた。

Re:PFIと3セク型整備の違い
 投稿者
とも 投稿日:01/01/16(火) 16:16

 こんばんは。ともです。

 そこで、今度はその補助金のお話です。
 ここでもVFMが問題となってきます。施設改善費に対してすでに自治体の他、国からも道路事業費や都市計画事業費からの行政支出があることを勘案した上で、その効果がどのくらいあるのかが疑問です。だから補助金打ち切りなど最近の流れが公共交通行政の流れなのでは、とも感じます。
 その上でPFIとか、上下分離法式が出てくるのでしょう。

 これはそうなんですね。
 ただ、補助金の配分に際しては、自治体は別として、少なくとも国の場合にはいわゆる「費用対効果」を採択の評価に使いますので、そう簡単には補助金は出ません。
 とはいえ、この「効果」には目に見えない間接的な効果(時間短縮だけではなく事故減少など)が含まれますので、外から見ると効果ないものに投資しているように見えるのは事実です。

 それはPFIの最大の問題点ですから、それを突っ込まれると困るかも(笑)。
 去年の土木学会の論文や、建設マネージメントの論文を読みますと結局そこがPFIか否かの答えになる傾向があるのです。
 だから今の日本の事例では“こけようのない”サービス購入型がクローズアップされるのです。

 これは、今の日本の「経済効率が第一」という風潮が引き起こしている問題に感じます。
もうすこし、長期的な社会資本投資へのビジョンを政治家が示せれば解決するような気がします。イギリスはどうしているんでしょうか。ちょっとわからないんですが・・・

そのとおりです。ただし、現在の日本のPFIも問題があります。
ちょっと逃げの意見なのですが私はLRTなどの交通計画のど素人なので無理ある提案をいっぱいしている感は否めません。ただし、建設マネージメントは概論のお話なので最初からやれ法律だ日本の現状だといわれると“う・・・”と詰まってしまうのです。(こまった学生。)

 そのとおり(笑)。
 日本の今のPFIがいいとは思いませんが、PFIをいくつか進めていくことで良くなっていくものと期待しましょう。
 でも逃げの意見じゃないですよ。法令なんかは追々判ればいい話です。計画はここで勉強しましょう(笑)。先生が大勢いますから(笑)。

という訳で、今度投稿する時には今私が研究している具体例について話してみようかな、と思いました。

 そうしてください(笑)。
 冗談はさておき、具体例でないとやはりわかりにくいですね。
 PFIを導入したらどうなるかという具体ケースを僕も見てみたいです。

今回の討論?はどの道発表会で突っ込まれる事でしょうから答えを探してみます。

 どこかで発表されるんですか?
 建設マネジメントをご専攻ということなら土木学会の全国大会とか・・・
 楽しみですね。聞きに行きます。突っ込みませんからご安心を(笑)。
 (といっても学会員じゃないんですけどね)

 ではまた。

2004.11.02 Update


Copyright © 1998-2004 Unlimited Liability Company 551planning. All rights reserved.
Designed for Microsoft Internet Explorer 5.0 …by Microsoft FrontPage 2002