【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.307)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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〔路面電車〕路面電車講演会参加記  投稿者:551planning 投稿日00/11/14(火) 23:39

 先般当欄で御紹介した日本路面電車同好会主催による講演会「路面電車 昨日、今日、明日」が11/11(土)に東京・神田の交通博物館で開催されました。当方も参加してまいりましたよ。

 昼下がりの交通博物館は家族連れを中心に賑わっておりました。開演時間14時の30分前ほどに着いたのですが、3階ホールは参加者でかなりの混雑!開場も急遽早められ、用意された200席ほとんどが埋まる盛況でした。
 開会挨拶の後、立花正和同好会副会長による同好会30年の歩みの紹介。寡聞にして存在を知らなかったのですが、母体の都立高校鉄道研究会からの着実な成長の理由として
      ・会報発行
      ・例会開催
      ・旅行会開催(現存19事業者を廻り尽くした由)
      ・人々の繋がり醸成
 を挙げておられました…こうして当サイトを運営している当方にとってはまさに噛み締めさせて頂いたお言葉ですねぇ。

 次に吉川文夫同好会会員による講演「路面電車の歴史」。「ナマ吉川氏」は初めてでしたが、軽妙な語り口に会場が沸きました。スライドで懐かし写真がばんばん紹介されましたが、今夏の鉄道ピクトリアル臨時号で見掛けたものが多かったですね。氏が今後のLRV成功の課題として
      ・狭軌と低床車の愛称(=車輪付近の通路幅確保問題)
      ・トラック(=電気式レール圧着)ブレーキの常用化
 を挙げられておりましたよ。時間が短かったのが惜しいところです。
 休憩の後、高岡裕明同好会会員による講演「世界の路面電車の現状」。こちらもカラフルな欧米の路面/市街電車・LRTをスライドで紹介。市街直通化で名を馳せた「カールスルーエモデル」と当掲示板でも議論されたディーゼルLRTの「ツビカウモデル」、近車と伊藤忠他が手入れしたNY近郊のLRTの紹介もしておられました。
 
 最後に「路面電車〜LRT交通システムへ」と題し、中尾正俊広島電鉄電車カンパニープレジデントの講演。「この日のために増刷しました」という冊子やGreenMoverシールなどをお土産に頂きましたよ。GreenMover導入までのビデオ解説や、己斐(広電西広島)駅改良や平和大通線構想、ミニバスとの連携など現状から中・長期構想を分かりやすくお話頂きました。郊外商圏分散化によって広島市街流入が目減りしていて苦しくなってきたとの話は切実、県や市の交通政策との積極的連携を図っている中で、JR可部線との連絡〜直通構想も視野にある話なども興味深し?
 
 全般的に車両面の言及が多く、時間も短かったので質疑応答タイムもほとんどないなど、システム面での話を聞ければとの当方の方向と若干合わない点もありましたが、全般に楽しめた2時間半でしたよ。広電の方が「これからはソフト面、ハートでの施策に力を入れたい」と仰られていたのは印象的でしたが、実情GreenMoverで3名の乗務員を要する点など人件費圧縮が至上命題でもある中小私鉄としてのジレンマは如何様にお考えかを聞いてみたいものでしたね。
 
 交通博物館、実に十数年ぶりでしょうか…駆け足で館内を見ましたが、あんまり変わってませんでした。模型パノラマで新幹線のバリエーションの多彩さに改めて年の流れを感じたりもしましたが…。

日本路面電車同好会HP http://homepage1.nifty.com/tram/

トランジットモールへの疑問
 投稿者:エル・アルコン氏のホームページ 投稿日00/11/15(水) 00:25
トランジットモールへの疑問
└Re:トランジットモールへの疑問
 └Re:トランジットモールへの疑問
  └Re:トランジットモールへの疑問
   └Re:トランジットモールへの疑問
    └Re:トランジットモールへの疑問
     └Re:トランジットモールへの疑問
└Re:トランジットモールへの疑問
そもそもトランジットモールとは?
 └Re:そもそもトランジットモールとは?
  └Re:そもそもトランジットモールとは?
   └Re:そもそもトランジットモールとは?
〔LRT・バス〕トランジットモールに関する一考察
 └Re:〔LRT・バス〕トランジットモールに関する一考察

 高岡に限らない話なので項を改めます。

●トランジットモールのイメージ
 どうもネガティブになってしまう例として以下の二つを上げます。

1.成田山表参道

 JR、京成成田駅から成田山まで、門前町を形成する1km弱の一方通行路。
 年末年始や「正五九」のお参り月の休日やイベント時には歩行者専用になりますが、それ以外の時はクルマも通れます。道幅も狭く、なぜクルマが通れるのか?というそもそも論の部分もありますが、一般車の通行はさすがに少ないです。
問題は、成田駅発の佐原、八日市場、三里塚方面の路線バスが通ることです。一般車は沿道の商店関係くらいですから、バスの通行が目立つので、結局意図せぬというか自然発生的なトランジットモールなのですが、参拝客で賑わう通りをバスが人をかきわけ進む様を見ると、さすがに無理を感じますし、事故が起きないのが不思議です。結局ノロノロ進むバスの犠牲に負うところが大きく、バスの定時性、速達性を大きく損なっていることになります。

 「歩道」はかさ上げではなく石畳にして、車道と区分していますが、道の両脇の店舗を渡り歩く人にとっては区分など目に入らないようで、事実上混在しています。
 結局人出が増えるとR51に迂回することから分るように、賑わいと併用は反比例の関係にあるようです。

2.オランダ・アムステルダム

 中央駅の両翼をターミナルにして、旧市街を通り周縁部にトラムの路線は伸びますが、旧市街中心のダム広場あたりから国立博物館(レンブラントの「夜警」がある)のラインまでは、道幅も狭く、トラムと歩行者が混在しています。
 おまけに単線ですが、どういう調整をしているのか交換は非常に円滑で、岐阜の美濃町線あたりと雲泥の差です。

 トランジットモールというとこのあたりの光景がよく取り上げられますが、実際にこの通りを歩いた側からすると、やはり混在は人にとって危険です。
 ただ、社会風土の違いなのか、人々はトラムの直前を通り抜けたりする半面、トラムが近づくと自然に軌道敷から離れます。
 「人に優しい」ということは「人が優先」と同義ではないということでしょう。
 これは「車の文化」が根づいているからであり、徒歩と車両が無理なく共存している側面というのは無視できないでしょう。

●トランジットモールの矛盾
 人と交通機関の混在であるトランジットモールにおいては、「路面電車」ではな「LRT」の特徴ともいえる高速運転を犠牲にせざるを得ません。
 クルマの立ち入りを禁止して、場合によっては専用信号をも使用して高速で走ることは、軌道敷に人が立ち入ることを前提にした場合、絶対に不可です。

 そして、トランジットモール化により市街地が活性化されたとしたら、その通りの人出が増大することを意味します。
 つまり、人出自体が飽和したなかで、LRTやバスの運行を妨げないようにこれらの人出を整理する必要が出てきます。
 これは結局、専用軌道化に他なりません

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:KAZ氏 投稿日:00/11/15(水) 01:02

 ども。

 トランジットモールには仰るような弊害は多分にあると私も思います。しかし、本当にトランジットモールとする区間はさほど長くない場合が多く、またそこが最終目的地である場合が多いと思いますので、長くはないモール内での超低速走行があっても全体の速達性は殺がれないと考えることもできますよね。普通鉄道なら入口で止まっているはずのものがLRTなのでモール内に乗り入れることができた、とすれば徒歩と同じ速度が出せればいい、という割り切りもできるかも知れません。
 歩行者との共存ですが、自己責任の意識が限りなく薄く、安全を他人に守らせることが当然となっている日本に馴染むのかどうか、少し疑わしい気もしますね。モール内で電車と接触した場合の責任が、軌道内に進入した上に安全確認を怠った歩行者にあるとするのか、歩行者に危害を加える可能性のある運行をする事業者側にあるとするのか、ですね。後者となるのならトランジットモールなんて事業者側は絶対に受け入れないでしょう。しかし前者の発想が歩行者側に根付くかどうかも怪しいです。

 個人的には現行のトラムサイズの電車が商店街を頻繁に走るという姿に馴染むまでには時間がかかりそうな気もします。耳の遠い老人や視力障害者にトラム接近が認識できるのか、本当に人出が増加した際にトラムの運行ができるのかどうか、もう少し勉強したいですね。

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:打越健太郎氏 投稿日:00/11/15(水) 03:54

 打越健太郎です。このような疑問に関しては、「事実をして語らしめる」のが1番でしょうね。現在までに、トランジットモールの実験は浜松・岡山で行われ、金沢の横安江町商店街は常設型トランジットモール(わが国初)です(この他にもあるのでしょうか。ご存知の方、お教え下さい)。また、広島電鉄が宇品付近のトランジットモール化を検討中だとも聞いております。これらの場所でエル・アルコン様やKAZ様のご指摘になった問題が起こったか否か、人々の評判は如何、といった事柄について、是非、知りたい所です

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/15(水) 12:35

 どうも。ともです。
 仕事で情報を得るために「トランジットモール」で検索をかけたら偶然にもこのページにあたりました(笑)。
 なんだかこのページを1日に何度も見ることになりそうです。

 さて、本題

 日本の場合、KAZ様がおっしゃられているとおり、自己責任の意識が限りなく薄いですから、どうしても車両側(トラムやバス)に安全対策を求めてしまいますね。
 実際、奈良の実験では、バスの前を誘導員が前を走るという開業当時の京都市電のような状況だったそうですから、なかなか前途多難ですね。
 海外のトランジットモールでは、歩行者にバスやトラムに優先権があるとの考え方がありますよね。トランジットモール以外の道路でも譲り合うというマナーが徹底していますので、歩行者と自動車の共存は比較的容易に行われています。
 ところが、日本の場合には歩行者に譲り合うという意識が希薄ですし、なんでも行政への責任転嫁をしたがりますから、モール化にはかなりの努力が必要ですね。
 良く言われる話ですが、「日本の道路に標識やガードレールが多く、しかも「管理水準」(平坦性や路面の均一性)は世界でもずば抜けて優れている。その理由はスピード超過によるスリップや段差で転んだこと、居眠りで曲がれなくて谷に墜ちるのも、すべて行政の責任を問われるからで、それに対処するため行政が高レベルの管理をせざるを得なくなっているからだ」というのがありますね。
 悲しいことですが日本人の意識改革が進まないとなかなかトランジットモールの全国的な広がりは無いかもしれません(安全上の問題を言われますから)。
 どこかで実験的にかつ恒常的に行って、うまくいけば一気に広まるかもしれませんが。

 余談ですがここでお話を一つ。
 とある街で、バス便数が多く、かつ歩行者の多い道路があるのですが、違法駐車や歩行者が多すぎるために歩道が狭くなっていることから、その抜本的改善策としてその通りのトランジットモール化の提案をしたところ、地元から猛反対されてしまう。理由は、
  1)トランジットモールは歩行者、特に弱者にとって危険
  2)車で横付けできないのは沿道店舗の利便性が低下する。
  3)いままでは歩きにくいからこそゆっくり歩いてくれるので店に寄ってもらえるが、歩きやすくなったら寄ってくれなくなる。
  4)衰退一方のバスにそこまでの優先権を与えてどうする
 の4点。
 道路はその街の中心商店街であり、通過車両の迂回街路の設定も容易、バス以外は交通量がさほど無く、駐車場も近くに有るという地理条件なのでトランジットモール化が最適と考えられての提案なのに、この有り様。

 打越様ご紹介の金沢・横安江町商店街ぐらいしか実績がないのはそういったこともあるんでしょうか(金沢は元々あったモールにバスを通すというものですから、「トランジットモール」と言って良いのかよくわかりませんが )。

 いろいろ書いてしまいました。お許しを。
 上の「お話」はフィクションです。念のため(僕の経験をベースにしてはいますが・・・管理人様この程度ならお許しいただけますか?)。

追伸 トランジットモールとは厳密には言えませんが、吉祥寺の平和通りも「実質的トランジットモール」ですね。

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:KAZ氏 投稿日:00/11/15(水) 12:41

 ども。

 日本でのトランジットモールですが、結構特殊な事例ばかりですからねぇ・・・。
 まず実用化した金沢ですが、横安江町商店街は寂れきっており、市民ですら「まだやってる店があったのか?」と思ってしまうような死に体の商店街です。歩行者など僅かしかおらず、賑わいのあるトランジットモールとは程遠いです。
 岡山も西川緑道公園で試験実施しましたが、ここも普段は横断する歩行者こそ多いものの、西川と並行に移動する歩行者は少なく、しかも商店街でもなければ業務都心でもないという曖昧な(今後の発展可能性は別)場所での「イベント」として実施したものですから、来訪者も「モール」ではなく「イベント会場」として捉えていたのではないかとも考えられます。そうであれば普段から賑わう場所へのトランジットモールの実証実験としては適切でないと考えることもできます。
 浜松は本来の都心で実施しましたが、ここも普段はクルマが走る「車道」を歩行者に開放したという意識は必ずあるはずで、歩行者も無意識な「緊張」があるのではないかと思います(実証はできませんが・・・)。特定期間での実験、すなわち「イベント」であるが故の「非日常」という意識をどう理解するか、その辺をシビアにしないと本格導入の際のデータとしては役不足なのかも知れないと思っています。

 別にトランジットモール反対!といっているのではなく、日本に馴染ませるには周到な準備と「慣らし期間」的な実証実験を繰り返していく方がいいと思っています。性急な導入は反発を招く恐れが大きいですし、如いてはLRTの将来像をも崩してしまう可能性があるだけに慎重に検討したいな、と思っています。

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:エル・アルコン氏の ホームページ 投稿日:00/11/16(木) 18:18

 京都N電のように「バスが来まっせ、危のおまっせ」とでも呼ばわったのでしょうか(笑)

 冗談はさておき、LRT(およびバス)をトランジットモール化した中心街を走行させる場合、その路線が都市間輸送の役割を担っており、特にターミナル駅から高速鉄道など高速輸送機関への接続を担っていると、都市間速達、特にターミナルからの接続という使命を全うできません。
 例えば高岡の万葉線と氷見線を統合した時、氷見線が担っていた北陸線特急連絡という高速鉄道網の一環としての役割が、途中に時間を明らかに喰うトランジットモール区間を配することで大きく損なわれます。

 モールがどのくらいの長さで、どのくらいの速さで走れるかによって事態は変わりますが、少なくともモール内に何ヶ所かの停留所を設けないと意味は無いですから、相応の距離になるでしょう。
 #乗れない電車やバスがゴロゴロ走っても意味が無いことは、新潟交通の白山前−東関屋の併用区間が示している。

 ターミナルから高速鉄道に乗り換える需要が多く、ターミナル手前で速度が低下する構造で何が起こるかというと、「降りて歩く」「自転車等他の交通手段に転移する」という事態です。
 これは何もあてずっぽうでの言ではありません。身近な例として、ターミナルに向かうバスが駅の手前で渋滞に巻き込まれた時によく見られます。渋滞して無くても、ターミナルに入るときの信号パターンを熟知している常連客が、信号を見て1つ手前で降りるといったケースも多いです。それでもそこまで乗ってくれればいいんですが、最初から他の交通機関・手段に逸走しない保証はありません。

***
 トランジットモールが有効なのは、流動が域内で完結しやすい水平エレベータ的利用がほとんどという街と考えます。
 ただ、需給バランスから考えると、中小型のコミュニティバスによる巡回との組み合わせのほうが、利便性が高く、またモール内で円滑・柔軟な運行が可能でしょう。

 国内既設路線で考えると、岡山と長崎、松山の道後付近あたり。また函館も路面電車のトランジットモールが成立できるかなという感じはします。

***
 トランジットモールを、「車道を開放した」という歩行者天国のような観点で普及させると、残念ながら触車等の事故は不可避でしょう。
 横断禁止の解除といった程度にして、事故の危険性を認識させるような普及にしたほうがいいと思います。

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/16(木) 21:29

 ともです。

京都N電のように「バスが来まっせ、危のおまっせ」とでも呼ばわったのでしょうか(笑)

 どうもそのようです。(笑)
 「バスが来ますよー」といって、赤い誘導棒を持った人がバスの前方両サイドを歩いていたとか。

 冗談はさておき。

 トランジットモールが有効なのは、流動が域内で完結しやすい水平エレベータ的利用がほとんどという街と考えます。
 ただ、需給バランスから考えると、中小型のコミュニティバスによる巡回との組み合わせのほうが、利便性が高く、またモール内で円滑・柔軟な運行が可能でしょう。

 そうでしょうね。
 本来のトランジットモールのあり方からすれば、バス路線が多すぎるのは考えものです。しかも幹線バスばかりでは所要時間などの問題が出ますので、都心循環バスなどが基本でしょう。
 LRTもしかりですね。ま、それなりの幅員があれば十分可能なんでしょうが(海外の場合、アムステルダムは例外として多くは広幅員ですから)。
 今のコミュニティバスには僕は未来は無いと思っているので、あえて触れません。

 トランジットモールをやるのであれば複線で16mの幅員確保ができる道路でないとだめでしょうね(なぜか日本の場合、道路拡幅をせずにLRTをという議論になりますが、それは変な話です )。

 ちなみに、前に書いた場所は2車線道路をバス専用1車線のみにして、残りを歩道にするという形態だったのですが、反対されたんですね。
 やはり、多くの人が歩行者天国をイメージしていたようですから。

 では。

Re:トランジットモールへの疑問
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/17(金) 12:20

 ともです。こんにちは。
 まずは情報だけ。

2.オランダ・アムステルダム
中央駅の両翼をターミナルにして、旧市街を通り周縁部にトラムの路線は伸びますが、旧市街中心のダム広場あたりから国立博物館・・(略)・、道幅も狭く、トラムと歩行者が混在しています。
おまけに単線ですが、どういう調整をしているのか交換は非常に円滑で、岐阜の美濃町線あたりと雲泥の差です。

 ここですが、僕は行ったことがないので文献で読んだだけですが、単線ではなく、複線の線路を重ねて4線にする(「ガンレット」って言うんでしたっけ。名鉄瀬戸線が地下化される前にありましたよね)だそうです。
 よって、ポイントの切り替え時間を短縮でき、それにより円滑な運行をしているようです。

 さて、奈良のトランジットモール実験に関し、奈良市(都市計画部)と建設省(近畿地方建設局)の担当者が書いた雑誌記事を見つけました。(交通工学 1995年 No.5)
 それによると、来街者の55%はトランジットモールに賛成しているものの、沿道商店の51%は反対だそうです。理由としてはバスの通行により来客が減少する(バスに乗って商店街を通過する)ことでした。
 また、意外なことに事故につながるような危険はなかったらしく、危険回避のための急停車は1度もなかったとのことです(誘導員がいたのがよかったのかもしれませんが) 。
 とはいえ、みなさまご懸念のとおり、平均速度は低く、わずか7km/h(この発表の筆者は「走行することができた」といっていますから評価しているのかもしれませんが・・・)での走行ですので、やはり都市間輸送ルートの一部に組み込むのは厳しいかもしれませんね。
 奈良市では、奈良駅〜各観光地ルートのバスをここに通してにぎわいを持たせようと考えているそうです。
 奈良交通は都市交通対策にきわめて積極的な会社ですから、実現はあるかもしれませんね。

 とりあえずはこんなとこで。
 では。  

そもそもトランジットモールとは?
 投稿者:さいたま市民@西浦和氏 投稿日:00/11/16(木) 23:35

 こんばんわ。こんどはこちらへ・・・。

 トランジットモールというのは、どんな道路をイメージすればいいのでしょうか。ショッピングモールに電車やバスが入る道路ですか?ショッピングモールなら私たちの浦和市にもありますし、川口市にもあります。商店街を車両進入禁止にして、化粧舗装などにしたものでしょう。商店街全体が一つのショッピングセンターになっているようなものですね。
 ここへ、電車やバスが入るような道路の設計にして、商店街の何カ所かで乗り降りさせるわけですね。
 私たちの浦和市では、その名も「さくらそう通り」というささやかなショッピングモールが結構早い時期(20年ぐらい前かな?)に建設されました。しかし、バス停留所とはあまり関係ない通りなので、休日などはイベントの会場などになりますが、平日は商店の魅力が低いのか、休日ほどの人は出ません。県庁と駅の間はバス通りを歩く人も多く、この通りはサブの役割に甘んじています。ところが、駅からの人々が歩いていく商店街は、駅から1つ目のバス停留所(「市民会館前」)へ向かう通りで、長らくショッピングモール化されませんでした。商店街の活性化というのはなかなか難しいもので、人を引き寄せる事のできる商店が無ければできないものですね。かつて地理学では、「パチンコ屋」に着目した商店街の研究もありましたが、最近は、自動車による集客などを研究する傾向の方が強いかな?

 皆さんのご議論は、このような商店街に電車やバスを通す方法ですね。
 私は無理に通さなくてもいいかな?と思っています。
 前に書いた浦和の例のような都市の方がふつうだと思うのです。ショッピングモールの入り口と出口に停留所があればいいと思います。電車通りやバス通りは別の通りでいいのではないでしょうか。その中心市街地の面的拡大の余地を残すことも必要でしょう。岡山など、実現するのであれば、軌道敷きは宇品のように芝生にでもして、どこでも軌道を横断、というのではなく、ある程度制限するような「買い物公園」を実現したいですね。
 成田ですが、長野の大門から本堂までの参道と同じく、参道自体が観光地であるわけで、これをショートカットするためのバスを走らせるのは、観光地としての魅力が半減しますね。JRバスはその意味で走っているわけでは無いですから、参道の途中の公共施設などへの利便を考えると、地域の人たちにとっては現状がベターなのでしょう。ただ、ダイヤの遅れは困りますね。

 乱筆ご容赦。

Re:そもそもトランジットモールとは?
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/17(金) 00:22

ともです。今日はいろいろ書きまくって(打ちまくって??)ます。

さいたま市民@西浦和様

トランジットモールというのは、どんな道路をイメージすればいいのでしょか。ショッピングモールに電車やバスが入る道路ですか?

 トランジットモールとは、簡単に言えばそういうことなんですが、発想が逆で、バスや路面電車が通る通りを一般車の通行を制限して歩行者にその車道部分を解放するというものです。
 出来上がりは同じですね。見た目には。

 ヨーロッパやアメリカではあたりまえのように行われている施策で、日本でも全国各地で導入が検討されています。
 その前段階として、浜松、岡山、奈良、大津、松江などで実験があり、金沢でモール内にバスをとおすと言う形で実現したものです(建設省の重点施策になっていますから、今後も増えるでしょう) 。
 浦和で言えば、県庁通りや旧中山道がバスしか通れなくなったと考えていただければイメージとして合うと思います。
 アメリカやヨーロッパでは、バス車道や路面電車線路と歩行者用空間は別になっていますが、自由に横断は可能です。日本でも同様な形が基本となりそうです。

 効果としては、商店街の回遊性向上による中心市街地の活性化などがありますが、日本の場合、イベントなどで客集めに走ってしまうため、本来のトランジットモールとはちょっとずれた例も見受けられますね。

 実際にトランジットモールが整備されたらどうなるのかをより強くイメージされたいのであれば、東京・吉祥寺の吉祥寺駅〜パルコ間の平和通りがおすすめです。バス専用道路とガードレールなど遮るもののない歩道の組み合わせというまさしく欧米型のトランジットモールが出現しています(武蔵野市も東京都も警視庁もトランジットモールだとは言わないでしょうが...) 。
 ちなみに、浦和の場合、核となる浦和駅前の求心力が弱く、県庁〜浦和駅でやってもあまり効果はないかもしれませんが、川越あたりではできるかもしれませんね(道路が狭いから無理かな...) 。

 とりあえずはこんなとこで。では。

Re:そもそもトランジットモールとは?
 投稿者:さいたま市民@西浦和氏 投稿日:00/11/17(金) 22:50

 こんばんわ。ともさん。エル・アルコンさん。

 いろいろ教えて下さって、ありがとうございます。
 県庁通りをバスだけの通りにするようなものですか。びっくりですね。

 道具としてのトランジットモールということですかね。人を集め、商店街を歩く人を増やそうとするものですね。商店街の長さが長ければ水平エレベータの役割をするのでしょう。電車にこだわらなくてもいいのです。
 川越の一番街は結構長いのですが、道が狭いですね。でも、休日の中心街への自動車の集中を何とかしたいとのことから、パークアンドライド実験をしましたね。一番街の他にも本川越駅から蔵造りの通りなどもできそうですね。その先にバスの車庫がありますから、ここと、川越駅の間で自家用車をしめ出し、ノンステップバスを往復させれば、それっぽいですね。ただ、西武やまるひろデパートの駐車場への出入りをなんとかしたいですね。これは各論のページに書くべきですね。

 吉祥寺の例を他の都市が導入する場合の研究などはあるのですか。現在進行中ですか。

 ここではこのへんで。乱筆ご容赦。

Re:そもそもトランジットモールとは?
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/17(金) 23:37

 みなさんこんばんは。ともです。

 トランジットモールですが、ちょっと僕の書き方では誤解を与えるんじゃ無いか?とこのページの愛好者の同僚から電話がかかってきまして、ちょっと詳しく。

 トランジットモールとは、「歩行者専用道路を公共交通機関に限り通行可能としたもの、もしくは道路を公共交通機関のみが通行できるようにしたうえで、歩車道の境界の段差などを最小限にして、シームレス的な動きを確保するもの」という言い方が正しいのかもしれませんね。

 ですから浦和の県庁通りをトランジットモール化するのであれば、歩道はもうすこし拡幅して、歩車道境界のガードレールの撤去が必要ですね。
 ただ、ヨーロッパでもアメリカでも明確な区分がされてますから、明確な区分を残すことが必要でしょう。

 浜松での実験では、6車線道路の中央2車線をバス専用にして、残りを歩道にしています。岡山では2車線道路のうち1車線をバスとタクシー専用にして残りを歩道というやりかたです。
 どちらも明確に歩車道は分離してますね。

 よって、実際にどこかで整備するのであれば成田山参道のようなことにならないような配慮は行われるのではないかなという気がします。

 金沢がトランジットモールでは無いという意見があるのはこの点で、明確な歩車道分離が図られてはいないため、いわゆるトランジットモールというには少し違うのでは?という意見ですね。

 とりとめもなく書いてしまいました。
 では。

〔LRT・バス〕トランジットモールに関する一考察
 投稿者:打越健太郎氏 投稿日00/12/10(日) 21:57

 打越健太郎です。先日、鎌倉に関するテレビ番組を何気なく見ていたところ、江ノ島電鉄の沿線で、住民や観光客が左右確認の上で線路を平気で歩いているシーンを取り上げていました。本当は違法なのですが、線路に直面したお勝手口などもあって、実質的には線路敷が道路のような使われ方をしているようですね。これで事故も起きないのですから、慣れというのは凄いものだと感じました。
 これを何気なく見ていて思ったのですが、トランジットモールにおいて電車やバスと歩行者との接触事故が殆ど無い(ストラスブールにおいて開通以来今までにLRVと歩行者との接触事故はわずか2件、とのこと)のも、これと同じようなものではないでしょうか。人々は慣れてしまえば、電車やバスが出てくるタイミングを見計らって道路を横断するようになる可能性が大きいと思います。まあ、最初はかなり面食らう人も多いと思いますが、それこそ奈良での実験を見習い、最初はガードマンに先導させるなどして人々に慣れてもらえば、それほど心配は無いと思います。「日本人が事故責任を自覚できるかな?」という御疑問もおありでしょうが、これも「慣れ」によって変わってくるでしょう。万が一、日本人がいつまでも「自己責任」を理解できなかったとしても、やはり事故は少ないと思いますよ。誰に責任があろうとも、電車やバスに撥ねられて痛いのは事実ですし…

Re:〔LRT・バス〕トランジットモールに関する一考察
 投稿者:KAZ氏 投稿日:00/12/27(水) 11:49

 ども。レスが遅くなりまして・・・

 で、江ノ電の事例ですが、そこは事故を起こしたら完全に歩行者の責任として処理できますが、トランジットモールの場合は責任の所在がどちらにあるのかを争うことになるのではないかと思います。事故を起こさないように気をつけるのは歩行者の責任であるとしても、歩行空間と軌道敷が一体化したように見えるトランジットモールの場合は、歩行者の責任を強く求めるような風潮になるかどかが怪しいと思っています。

 事故自体は少なくても、「もし起こったら・・・」を考えるのが日本企業及び日本国民の「癖」ですから、その辺の配慮が必要になるのではないかと思います。

〔モノレール〕「文化」は継承されるか?
 投稿者:551planning 投稿日:00/11/25(土) 02:59
〔モノレール〕「文化」は継承されるか?
└Re:「文化」は継承されるか?
 └Re:「文化」は継承されるか?
  └Re:「文化」は継承されるか?
   └Re:「文化」は継承されるか?

 ゴムタイヤ小型車両がガイドウェイを走行する方式であるいわゆる「新交通システム」隆盛前、路面電車に変わる都市中量輸送システムとして期待されたのがモノレールでありました。東京・上野動物園のテスト線(現在更新休止中)を祖とし、名古屋や奈良の遊園地の乗り物としてテストされた後、名鉄犬山遊園線・東京モノレールの日立アルヴェーグ式、小田急向ヶ丘遊園線や姫路市営のロッキード式(両者廃止へ)、大船ドリームランドの東芝式(すぐに構造欠陥で休止)、湘南モノレールの三菱サフェージュ式などが本格導入、その後都市モノレールとしてアルヴェール式を発展させた日本跨座式である北九州高速・大阪高速・多摩都市(および建設中の舞浜リゾートライン・沖縄都市)の各路線が、懸垂(サフェージュ)式の千葉都市モノレールが建設されています。

 各線とも都市モノレールたる役割を果たしているわけですが、従来の鉄道との親和性や特徴である簡易高架方式を充分に活かせていないのがその原因とされるように、状況は概ね苦しいといえましょう。北九州のように小倉駅に「貫通」した事による利用増という話も聞かれるものの、更なる路線延長案がある千葉や多摩では現存事業の先行きすら心配される感じとも…。
  気になるのが小田急向ヶ丘遊園線廃止の報による「老朽化」という問題。簡易高架方式といっても鉄道のレールのように容易に取り替えられるものでないことから、今後東モノや湘南など、開業後30年近くを迎えている路線の整備動向が気になるところです。

 何故日本ではモノレール方式から新交通システムへと輸送システムが「移管」したのでしょうか…。そこに路面電車ルネッサンスともいうべきLRT整備への問題点は見えてくるのでは…?皆さんと「モノレール文化」を検証してみたいと思います。御意見を賜れれば幸いです。

Re:「文化」は継承されるか?
 投稿者:とも氏 投稿日:00/11/25(土) 13:11

 ともです。

 「モノレールが継承されるか...」、これに関しては僕は疑問をもっています。
 モノレールという乗り物自体は1900年代初頭にドイツの都市内交通(大学構内輸送)からスタートしたものですが、ここに導入されたのは道路が狭いので路面電車の導入が困難な中で運河上に建設可能でかつ地表面の有効活用も可能なシステムであることからだと聞いたことが有ります。
 すなわち、モノレールと言う交通機関は消極的な選択の中でうまれてくるものであって、積極的に選択されるものでは無いだろうと言うことです。

 日本の今のモノレールの中で、あえてモノレールを選択せざるを得ないといった場所は湘南モノレールや東京モノレール、上野動物園ぐらいでしょうか。
 北九州、千葉、多摩などは軌道系交通機関であればなんでも良いわけで、線形上の優位さや構造の簡易性による整備コストの低減はあるものの、既存鉄道網とのネットワーク性などからみてモノレールにする必要は無かったのかも知れません。
 ではなぜ、モノレールを選択したか。これは、建設・運輸両省の補助制度に問題が有ります。
 軌道系交通機関を自治体が検討する場合、2つの選択があります。一つはインフラ補助など道路財源を活用する方法、もう一つは地下鉄新線補助を使い、鉄建公団に委託する方法です。
 このような場合、需要動向などから適切なシステムを判断していくわけですが、当然事業費も判断要素になります。その場合、補助率が高く、かつ建設費の低減が図りやすい道路財源活用、すなわち「都市モノレール整備等事業補助」を選択する傾向があります。(既存鉄道とのネットワークを重視して地下鉄を選択した川崎市はレアケースだと思いますね。)
 この場合、輸送力が鉄道なみを求められる場合には、モノレールを選択すれば良いということになり、そしてモノレールが選ばれると言う構図です。
 あとは首長さんの考え方次第ですね。

 新交通も同じですが、補助制度に「普通鉄道」が無い以上、致し方ないのかもしれません。
 今でこそ、大阪南港のOTS線のようなインフラ補助による地下鉄などがありますが(ここは臨港鉄道整備としてのインフラ補助ですから、一般の都市モノ補助とは違います。)、これらの計画当時には無かったものですから自治体を責めるわけにもいきませんし、歯がゆいですね。

 とはいえ、北九州のように積極的に施策をうって出て、経営改善した例もありますので、千葉、多摩にもがんばってもらいたいもんです。

 沖縄や舞浜は事情が違いますね。
 沖縄の場合は既存鉄道ネットを考慮する必要は無く、密集市街地で、かつ地下鉄掘削の厳しい地質ですからモノレールは妥当でしょう。
 舞浜はなぜモノレールかは良く分かりませんが、システムがフロリダディズニーワールドのモノレールと同じ(日本跨座式とは微妙に違うような印象があるのですがどうなんでしょう。思い過ごしでしょうか)なので、その辺が有るのかも知れません。とはいえ2点間園内交通のようなものですからなんでもいいんですが。

 LRTとの関係で見れば、懸念もあります。それはLRTは交通計画をやっている業界(学界、官界も)のなかでは今の時代の流れというかトレンドです。ということは一時の新交通のようなブームすら可能性があるのです。
 ブームは廃れるのも早いですから、今は新交通整備なんて話を聞いたことすらありません(ゆりかもめの豊洲延伸ぐらいですね)。
 そういう意味で、LRTを安易に選択することの無いよう、行政には自重してほしいものです(今、導入がうわさされている都市は大丈夫でしょうが)。

 ちょっとモノレール否定論者になってますね。(笑)
 ではでは。

Re:「文化」は継承されるか?
 投稿者:打越健太郎氏 投稿日:00/11/26(日) 08:41

 打越健太郎です。「ここで述べることはただの憶測でしかない」ことを、先ずお断りしておきますが、モノレールやAGTは、本当に長持ちするのでしょうか(但し懸垂式モノレールには当て嵌まりません)。というのは、551planning様がご指摘になっていらっしゃるように、上野のモノレールは補修のために長期運休中、小田急のモノレールは廃止が決定致しました。ちょっと貧弱過ぎませんか? 跨座式のモノレールやAGTはコンクリートの高架の上を直に走りますよね。これのせいで「路盤が傷み易いし、傷んだ高架を補修する際には高架を丸ごと取替える必要がある」としたら、これは補修のたびに新しく軌道を敷き直すことと同じですから、維持に大変な費用がかかってしまいます。余談ながら、LRTはどうかというと、あれは鉄レールの上を走る(その意味では)普通の鉄道ですから、(明治・大正時代の鉄橋などが今でも使われていることから考えて)レールは傷んでも路盤は傷みにくく、レールさえ取替えていれば、高架のほうは長持ちしそうだと思われます。比較的安価とされるモノレール・AGTですが、ひょっとして事実上長期使用の出来ない「使い捨て鉄道」なのではないでしょうか。僕の思いつきが、単なる杞憂だと良いのですが…(もしも僕の懸念が当たっていたら、広島は今度こそアストラムをLRTで整備? いや、そんな冗談を言っている場合ではないか…)

Re:「文化」は継承されるか?
 投稿者:KAZ氏 投稿日:00/11/26(日) 12:48

 モノレールですか・・・

 軌道の保守ですが、コンクリート劣化という点では普通鉄道の高架軌道と変わらないでしょう。東京モノレールが長年営業してきて特に問題がないという事実もありますしね。ゴムタイヤで軌道面を走行していますから、それほど軌道面は傷まないのでは?大阪モノレールを見てみると、軌道面は何だか別パーツを貼り付けたような感じに見えるのですが、軌道の構造ってどうなっているんでしょうね。
 小田急(姫路市)が採用していたロッキード式は、鉄レールを使っていましたので軌道保守はレールを換えるだけ、高速性能も鉄輪鉄道と変わらないというシステムでしたが、騒音は鉄輪を使っているが故に急カーブ部分での軋みや高速運転時の擦過音など普通鉄道が抱える問題をそのまま持っていたようで、姫路市が運行していた時はモノレールの特性を活かしたカーブの多い軌道が災いして騒音問題になりかけていたようです。
 ちなみに今回の小田急の廃止理由は軌道の劣化ではなく車輌製造会社の消滅による保守部品の窮乏です。台車部分に亀裂(断裂に近いようです)が見つかったが、保守部品もなく特殊な構造の台車なので特注で新製すればかなりの高額になるようなので、費用対効果を考えれば「廃止」になったのでしょうね。姫路市の廃止も直接的な原因は車輌保守部品の入手困難というものでした。ちなみに姫路市は全車輌(と言っても4両ですが)を未だ保管しており、一応は復活の望みを託していたのですが今更復活もない(軌道撤去が進んでいます)ので、小田急に車輌を譲渡すれば暫くは運行できたように思うのですが・・・。窓が大きくパノラミックウゥンドゥでなかなかデザインもよく、クロスシートでしたから観光路線には最適なんですがね。

 で、モノレールの特徴としては、ゴムタイヤを使っているので勾配に強いという点と、軌道が棒状なので都市景観に対する影響が他モードに比べて軽微という点でしょうか。北九州なんかでは輸送量より景観に対する配慮というのがモノレール導入へ傾いた理由と聞いています。しかし積雪時の除雪の難しさ(下が道路であれば除雪時の雪塊の落下は道路交通への影響がある)やゴムタイヤ故の問題(走行抵抗や乗り心地など)を考えれば、積極的に導入すべきモードとは思えないんですがね・・・。しかし確かに北九州で道路上の軌道を見たら、新交通よりは圧迫感が少なくすっきりしていますね。

 今後はLRTが主流になりそうですが、石狩市の計画がLRTからモノレールに傾きつつあるようで、これが気になりますね。積雪地でのモノレールは今までタブーだったのですが・・・

Re:「文化」は継承されるか?
 投稿者:エル・アルコン氏の ホームページ 投稿日:00/11/27(月) 00:08

 子供を連れて羽田まで飛行機見物に行ったのですが、浜松町からモノレールで空港に行き、京急リムジンで横浜、シーバスで山下公園に行き、横総快速で帰りました。

 いつも不思議なのは、東モノがあれだけ加速が良く、スピードも速いのに、他のモノレールは遅いのか、ということです。
 跨座式と懸垂式などの違いも影響しているでしょうが、東モノの成功は、明らかに「羽田まで15分」(当時)を実現した走りの良さも大きかったはずです。

 逆に東モノの印象が強すぎて、我が町にもモノレールという意識が形成された部分は否定できないのではと思います。
 で、各地が導入したそれは、東モノとは似ても似つかぬ走行性能で、バスに負け、クルマに負け、果ては徒歩と互角(千葉都市モノレールの県庁前区間)では伸び悩むのも当然でしょう。

***
 余談ですが、空港という場所が単なる乗降場でなく、それ自体が観光スポットになっていますよね。
 別に副業でがっぽり稼ごうと物販店で釣るのではなく、「空港に行く」というのがレジャーやデートになるのです。
 #彼女を「羽田に飛行機でも見に行かない?」と誘えても、「東京駅に新幹線を見に行かない?」とは誘えません(笑)

 この「イメージ」は大きな財産ですし、そうしたイメージを醸成するように、見物客に配慮したスペースを確保している空港運営会社の戦略は大きく花開いています。
 空港のそうした利用法、集客力を考えた際、モノレールの利用というのは結構底堅いのかもしれません。

 今日も、モノレールだから子供も喜びましたが、遺憾ながら京急だと果たしてどうだか、と思うのです。
 その意味で、つばさ橋、ベイブリッジを通るリムジン横浜線は、モノレールのような利用を取り込める可能性があります。

2004.11.02 Update


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