トップページ企画一覧BBS活用ガイド>中量板過去ログ
【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.306)

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

backindexnext
〔LRT〕高岡への導入プラン
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/09 15:23)
─Re:高岡への導入プラン
 └Re:高岡への導入プラン
  └Re:高岡への導入プラン
   └万葉線の軌道や架線は相当に立派
─補足的に…シグナルアイランドの賛否について
 └≪管理者投稿≫Re:シグナルアイランドの賛否について
 └Re:シグナルアイランドの賛否について
  └Re:シグナルアイランドの賛否について
   └都市の活性化とLRT
    └Re:都市の活性化とLRT
     └Re:都市の活性化とLRT
      └Re:都市の活性化とLRT
       └Re:都市の活性化とLRT
        └Re:都市の活性化とLRT
─万葉線存続へ

 打越健太郎です。お久しぶり。今回は日本でもっとも利用客の少ない路面電車である加越能鉄道・万葉線をLRT化するプランを提示したいと思います。LRT化どころか廃止が取り沙汰されている万葉線ですが、何とかLRT化して残せないかを考えてみたいと思います。

 万葉線は日本一利用の少ない路面電車です。1997年に輸送密度1500人強、これはもはや路面電車の必要性自体から疑ってかかるべき実績です。しかし反面、万葉線は決して一般に思われているほど酷い経営状況ではないはずです。昨年も7000万円の赤字が出てしまったのですが、これは第3セクターの鉄道であれば、むしろ堅調の部類に属します(ex.群馬県の「わたらせ渓谷鉄道」は1997年に1億800万円の赤字を出すも、群馬県では廃止案など全く聞かれず、むしろ国鉄時代の倍も乗客が増えて評価されている。また、私企業であるが、同じく群馬県の上毛電鉄・上信鉄道は同年、ともに1億を超える赤字を出していますが、企業にも廃止の考えは無く、むしろ、例えば上毛電鉄のLRT化案など、自治体としても公共の足としててこ入れに協力している)。加越能鉄道が経営を放り出してしまったこともあり、万葉線の赤字が余計に目立ってしまうのですが、まだ存続のために何らかの手を打つ余地は残っており、残しておけば北陸新幹線のフィーダー線として活用することも出来るし、また、現在衰退著しい高岡市街地の活性化の為の起爆剤として電車を活かす事も可能です。もしも可能なら、存続が望まれるところです。

 万葉線は現在、高岡駅前〜越の潟の間を結んでいます。新湊市にとっては唯一の鉄道で、市民も存続を期待しているようなのですが、新湊市から高岡駅までの間にそれほどの流動があるわけでもなく、これだけではジリ貧になっていくのは当然です。また、路面電車である高岡市内も15分間隔の過疎運転に過ぎず、市内の交通手段としても使いにくいようです。昔は新湊(さらに遥か富山市まで)・伏木の両方面に線路が伸び、市内部分である高岡駅前〜米島口には現在の倍も列車が走っていたのですが、数回の部分廃止で、このような貧弱な姿になってしまったようです。

 そこで、往年の姿を取り戻すことを考えてみましょう。伏木方面の線路はもうありませんが、幸いにして万葉線とほぼ並行して氷見線が走っています。この氷見線は貨物専用路線にしてしまい、旅客列車は万葉線に一本化してしまいましょう。つまり氷見線の列車が万葉線に直通し、高岡市内は軌道線を走らせるわけです。乗り入れる場所は2つ考えられます。
 万葉線は旭ヶ丘〜荻野間で貨物線と交差します。この貨物線は氷見線から分岐しているので、この交差部分にポイントを設ければ、氷見線から万葉線に直通することは可能です。ただ、これだと万葉線の運転士が交代する米島口を通ることが出来ません。この米島口付近には大きな映画館もあり、何とかここを通りたいところです。それならば米島口〜能町口間で万葉線は氷見線を跨ぎますから、何とかここにポイントを設けたい所です。この部分には対港橋という道路橋もあって、接続は少々困難ですが、何とかここで接続させましょう。これで万葉線は新湊・伏木両方向に向かっていた往年の姿を取り戻します。ただ、氷見線は電化されていませんから、直通のためには氷見線電化、ないしは万葉線にディーゼルカーか燃料電池車を投入することが必要になります。幸い路面ディーゼルカーの図面は既に引かれています(リンクを貼ってある)し、開発者によるとこの車両、モーターも積んで電化区間では電車としても走れるとの事ですから、これを投入すれば宜しいでしょう。新湊・伏木の両方から交互に15分間隔で列車を走らせますが、広小路〜高岡駅前が単線なので、ここを複線化します。本丸会館前と片原町は道路が狭くて安全地帯を設置できないので、ここはかつて提言した「シグナルアイランド」を採用しましょう。それに加え、市街地なのに素通りしてしまう高岡駅前〜片原町間(間隔588m)に電停を新設します。ここはトランジットモール化が提言されていますから、それもまた一案でしょう。

 これで現在の万葉線区間の整備は一通り終了しました。

 さて、北陸新幹線が開業すると、現在の高岡駅の南に「新高岡駅」が設けられます。ここへのアクセス路線として城端線が考えられていますが、折角ですから万葉線からの直通をしたいですね。高岡駅を地下でくぐり、城端線の線路とつなぎましょう。こちらも電化せず、氷見線直通用の車両のみが直通しても良いのですが、こちらには新湊方面からも直通したほうが良いでしょうから、電化を提言しておきます。

 さて、殆ど死に体の万葉線に手を入れ、活力を取り戻すための私案を提示しておきました。あくまでもラフなスケッチですが、皆様のご意見・御提言をお聴かせください。

路面ディーゼルカー紹介ページ http://www.tpo.co.jp/LRD/projectlrd.html

Re:高岡への導入プラン
 投稿者---とも氏(2000/11/09 22:35)

 打越様、みなさんこんばんは、ともです。

 高岡の加能越のLRT化プラン、興味深く読ませていただきました。
 まず、氷見線との使い分けは、ぜひとも実行に移していただきたいですね。
 車両の問題は残りますがディーゼルLRTでも電化して電車化でもなんでもいいんですが、解決してもらいたいものです。
 また、高岡市内での高頻度運転については運転間隔をせめて10分程度とすれば使いやすいでしょう。今の1時間に4本に30分間隔で氷見線直通を入れれば1時間6本になりますね。
 高岡市内の複線化は運行本数を増やすのであれば行うべきでしょう。停留所については、改めて(シグナルアイランドについてです)。

 ただ、問題は需要ですね。新湊から高岡でどれだけ需要喚起が可能かです。
 新湊ではすぐに海になってしまいますから後背地からのP&Rは期待薄ですし、新湊の今の人口を見る限りちょっと厳しいかなというのが本音です。
 新幹線のフィーダーとしては可能性が高いと思いますが高岡程度の都市規模では厳しいですね。

 僕なりの提案としてはやはり北陸本線を経由しての富山への乗り入れぐらいでしょうか。北陸新幹線開業後であればそれほど難しくはないでしょうし(第三セクターでしょうしね)、富山方向への需要はそこそこあるでしょうから、それで喚起が可能でしょう。あとは新湊市と高岡市のやる気と努力次第??でしょうか。

 では。

Re:高岡への導入プラン
 投稿者---KAZ氏(2000/11/10 00:43)

 ども。

 ここは乗ったこともなければ周辺を歩いたこともないので迂闊なことは言えないのですが、加越能鉄道を残す意味合いが本当にあるのかどうか、そこから疑問に思えてしまうんですよね。並行してJR氷見線・新湊線(貨物線)がありますし、新湊市との都市間輸送ならJR新湊線の旅客化の方が速そうですし(駅位置の問題はありますが)、何より加越能の車輌が冷房もない老朽化した酷いもので、尚かつ地上設備も老朽化が著しく進んでいるようですから、これに手を入れるとなると新線建設に等しいような大規模な投資が必要になるのではと思ってしまいます。
 どうしても加越能を残す、というのではなく、高岡都心部・新湊都心部のみ残して他は氷見線・新湊線の路盤を使うという手があってもいいのかな、と思います。都心部では併用軌道の気安さ、他では専用軌道のスピードをそれぞれ活かせるので、氷見線の活性化や新湊貨物線の有効活用も含めて検討されてもいいのでは、と思ったりしています。
 また地図を用意してから詳しくレスしますね。

Re:高岡への導入プラン
 投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2000/11/10 02:20)

 こんばんわ。いよいよ高岡ですね。

 もう、だいたい皆さんがおっしゃっていますが、私も地形図を買ってきて、見てはいたので、屋上屋を重ねてみましょう。
 加越能鉄道と高岡鉄道部の統合はいい方法ですね。将来新幹線の駅ができるであろう城端線との直通や氷見線との路線の共用ができるわけです。
 高岡・新湊の両市を2本の鉄道路線が結んでいるわけですね。輸送力と速達性の氷見線、きめ細かい輸送の万葉線といった役割分担ですか。
 岡山で活躍しているNPOのRACDA(でしたっけ)の高岡分会もでき、岡山の方法で再活性化が進められようとしていますね。HPがありますので「路面電車を考える館」からリンクして行くといいでしょう。

RACDA高岡(路面電車と都市の未来を考える会・高岡) http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Ayame/1282/

 さあ、ここからが破天荒な提案ですが・・・。
 城端線や氷見線との直通は当然のこととして、富山への延長はどうでしょう?!
 それも、越の潟からではなく、北陸本線の南側のニュータウンを通って、富山市内線の終点へつなぐというのはどうでしょうか。
 高岡〜富山への北陸本線乗り入れも一つの方法ですが、氷見線や城端線でさえ直通していない(特急優先ダイヤのせい)のですから、新幹線にからめて、高岡富山間の北陸線南側の開発のきっかけとしてLRT路線を確保するというのもいいのではないでしょうか。新幹線が開業したら在来線はどうなるのでしょうか。「しなの鉄道」扱いでしょうか。日本海縦貫線の分断問題もありましたよね。北陸本線の電化方式の問題もありますね。いっそ、新路線で高速LRT路線にチャレンジというのはどうでしょう。高規格道路の付加価値として軽鉄道の併設を働きかければ、案外実現するのでは。万葉線車両がかつてのように富山市内線へ直通すれば、高岡市街地との交通もきめ細かいものになるのではないでしょうか。高岡市街地や新湊市街地から乗り換え無しで富山の都心へ行ければ、北陸本線へ乗り換え、富山市内線へ乗り換える手間が無くなれば乗客の増加が期待されそうですね。
 具体的な路線については、またあらためて。

 今宵の銀河鉄道はいかがでしたでしょうか。乱筆ご容赦。

万葉線の軌道や架線は相当に立派
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/10 16:02)

 今までの議論とは少々無関係ですが… 皆様、万葉線の軌道や架線は「傷んでいる」とお考えのようですね。ところが、そうでもないのです。より正確に言えば、充分に整備された軌道・架線と『へろへろ線路・架線』が共存しています。というのは、運輸省による近代化補助金(全部の50%)に、さらに富山県・高岡市・新湊市が残りの全額を提供して近代化を進めているからです。言うまでも無く『へろへろ』は未整備区間です。そして現在、『へろへろ』部分はかなり少なくなっています。高岡・新湊両市が「万葉線を廃止したくない」と考えるのも、このためもあるでしょうね。僕が「万葉線電車を氷見線に迂回」でなく、「氷見線のディーゼルカーを万葉線に」と主張したのは、万葉線の軌道や架線が相当に立派なものだと見て知っていたからです。
 ただ、これで加越能鉄道と高岡・新湊両市(共同戦線です)との間が紛糾しているんですよね…「第3セクター化」ということで両市の見解は固まっているのですが、加越能鉄道は出資を拒否し、ただ運転士と車両・軌道、それに駅などの鉄道用地の引継のみに協力する方針です。で、その鉄道用地を加越能鉄道は「時価(15億円)で売りたい」としているのに対し、両市は「これまで近代化に散々協力したのだから」という理由で「簿価(2億5千万円)で売れ」と要求、最近でこそ歩み寄りを始めているものの、まだ合意には至っていないようです。

 因みに車両(7000系)ですが、絶対に冷房化できないわけではなく、あれと同じものが富山市内線にあって、そちらは冷房化されています。加越能鉄道も冷房化を検討したらしいのですが、「富山のものに比べてボロだから」かなりの補強が必要、ということで見送りになったようです。早く存続を決めて、素敵なLRVを走らせたいものですね。

補足的に…シグナルアイランドの賛否について
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/09 15:33)

 打越健太郎の自己レスによる補足です。「シグナルアイランド」の賛否を、皆様にまだ伺っておりませんね。今回3度目の提案なのですが、これを話し始めると、過去2回とも、エル・アルコン様が血相を変えて「LRTは大して役立たない」などと別の話を始めてしまいます。せめてこれに対する賛否を答えて頂きたいですし、もしもその答えが「道路の流れを妨げるシグナルアイランドに反対」「道路を横切る歩行者が撥ねられた場合、それは歩行者が悪い」「流れを悪くして歩行者の安全を図るのは間違い」などとお考えならば、「では電車に乗るために道路を横切っている人がいた場合、エル・アルコン様は躊躇わずに轢いてしまうのか、それとも怒鳴りつけるのか?(僕なら笑って待ってあげますが…)」また、「仮にシグナルアイランドを導入した場合、そんなに赤信号に従って停車するのが嫌なのか、たった2箇所のシグナルアイランドで、電車の乗客の為に待ってあげることがそんなに嫌なのか? 赤信号がそんなに我慢ならないのか?」と問うておきましょう。少々皮肉めいた言い方ではありますが、エル・アルコン様などがこの問題に関し、僕ごときには理解できないような難解な論理と珍しい倫理観を好まれるようですから、敢えて苦言を呈しておきたいと思います。

≪管理者投稿≫Re:シグナルアイランドの賛否について
 投稿者---【検証:】管理者(2000/11/09 22:08)

 打越様、御無沙汰ですね。ライブは如何でございましたか?
 力説される「シグナルアイランド」論は下記リンクにて…

「シグナルアイランド」論 log301.html#3

 あと多くは申しませんが、独特なる「ブラックユーモア的」云い回しと解釈させて頂きますが、ここは皆様に気持ち良く議論して頂く場ですので、すべての人が読んで不快になるような表現はなるべく控える方がよろしいかナ…と、当方は思います。

 当方ももっと勉強して「本物の」議論に参加させて頂きます。改めて…。

Re:シグナルアイランドの賛否について
 投稿者---とも氏(2000/11/09 23:12)

 ともです。つづけます??

 シグナルアイランドについてです。
 僕は、この方式自体は評価されるものですし、日本でも導入は可能だと思います。
 ただ、この案はあくまで停留所がどうやっても設けられないところで暫定的もしくは仕方なく行うものであって、今後LRT化をするような都市であれば、停留所を設けるように道路改良なりするのが先ではないでしょうか。
 ドイツでこの方式が採用されているのも、ヨーロッパの中心市街地独特の事情(城壁都市で道路が狭く拡幅はまず不可能)があってのことで、日本のように道路整備を怠っているがためにそのような方式を採用するというものとは根本的に異なりますね。
 ですから、岐阜や高岡で交通安全対策として行うのであれば賛成ですが、恒久的なものとして行うのには賛成できません。

 道路の交通の流れを犠牲にしてでも乗客に優先権をというのは理解はできますが、それは道路管理者もしくは鉄道事業者の努力が見えなければドライバーの理解はまず得られないでしょうし、逆に乗客からも危ないと言われるでしょう。

 僕は、そのような道路で拡幅せずにLRT整備を行うのであれば、路側走行を採用すべきだと思いますがいかがでしょうか。

Re:シグナルアイランドの賛否について
 投稿者---エル・アルコン氏(2000/11/10 01:13) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 氷見線と城端線は乗ってますが、万葉線は乗ってないので乗らずの論です。

●万葉線存続のウルトラC
 氷見線との統合は盲点でした。氷見線は現在城端線と合わせて高岡鉄道部を構成しており当面は安泰と思われますが、中長期的には路線の維持問題が出てくるかもしれません。

 氷見線の並行区間を見ると、能町は代替可能ですし、越中中川も、主たる利用者が万葉線沿いの病院等であれば、却って利便性が向上しますから、あながち無理ではありません。

 ついでに氷見の街中になんとか併用軌道で入れればベストでしょう。ちょうど通過流動はR160が市街西をバイパスしており、支障は少ないと見ます。

●万葉・氷見線統合の問題点
 万葉線が立ち行かない原因は、冷房車の導入もままならぬ老朽車両と軌道そのものです。
 これを改良することは、設備一新に近いレベルになるでしょうから、この資金をどう賄い、回収できるかということです。
 また、氷見線はラッシュだからといって本数が増えるという訳でもないのですが、20m車気動車4連の運用を見ると、LRTで代替するには連結運転でもかなり頻発しないと捌けない懸念があり、狭隘な単線部を抱える高岡市内が問題です。
 そして、現在中新湊−高岡駅前間の約10kmに35分をかけている現状を考えると、R160バイパス経由の自動車輸送への競争力を失います。
 つまり、高岡市街地への足に徹することで、高岡駅から富山や金沢、大阪に東京といった中長距離の都市間輸送から降りるという選択になります。

 その意味で、大手企業の工場が多く、出張客の利用も本来あって然るべきなのに音無しの万葉線も、域内輸送に特化しているがゆえに都市間輸送を失っている可能性があります。
 万葉線のネックは面的に展開する流動のうち、新湊という特定の方面のみに限定して展開が無いということも挙げられるのですが、その特定方面の拠点間輸送も、自転車レベルの所要時間(真っ直ぐ行けば8km程度)では話になりません。

 ですから北陸新幹線が開業しても、都市間輸送は速いバスにとられる懸念があります。

●高岡市街地の問題
 手元の地図が少々古いので今はどうか分かりませんが、高岡市街地で単線区間が存在するR156上の区間がネックです。礪波市からのR156から市街や、富山方面へのR8への通過流動がどうもこの区間を通らざるを得ないようです。
 南から東側を環状に迂回するルートを確保して、市街地の通過流動を極力無くさないと、路面電車の優先は片務的なものになりそうです。

 「市街地の活性化」については、万葉線がどうのという話とは別次元です。

●シグナルアイランド
 ものすごい素朴な疑問なのですが、複線区間でそれを導入するくらいなら、上下線を路側に寄せて歩道からの乗降を可能にした方が良いのでは?
 そうすれば何も特別なルールを導入せずとも、バスと同じ乗降方法なので、道路交通に要らぬ混乱をおこしません。
 ちなみに市内区間の片原町はまさに歩道から乗降できるスタイルと聞いています。

 それと同方向で電車の後を走る場合、道幅によっては電車を抜けない可能性が強いです。
 道路の構造上、幾つかの電停のみの例外的取り扱いとして導入する場合と、一般則として導入する場合とで分けて考える必要があります。

 万葉線の場合、専用区間を含めて中新湊までの10.5kmを35分かかっています。つまり表定速度は20kmを切っているため、併用区間のそれはかなり低そうです。
 前方の電車自体が「赤信号」ですから、後続車にとっては青信号が連続してスムーズに流す優先信号の逆バージョン、つまり赤信号が常に連続するといった状態です。道路の処理能力が著しく下がるため、表定速度が10km台前半程度、いや10km未満に落ち込むことすら予想されます。

 これでは渋滞一歩手前の速度に他ならず、それを一般ルールとして導入することについては、やはり均衡を欠くと言わざるを得ません。
 ちなみに、速度を抑えれば良いという単純思考しかできない警察当局が意図的に無視している道交法の規定に、「追いつかれた車両の待避義務」というものがあります。

 もちろん路面電車はその例外ですが、バスの客扱いは方向指示を出して歩道側に寄せて、後続車の通過を可能にしていることと比較すれば、安全地帯を設置できない電停のある区間については、歩道からの乗降を原則にする軌道配置に改めるべきでしょう。

●歩行者の保護
 安全地帯の無い電停を利用する構造は、車道に人が出ざるを得ないため、事故の原因である人とクルマが交錯する状況をつくることになります。
 シグナルアイランドも方策でしょうが、危険回避の徹底という面では、「歩道からの乗降」を推進すべきです。

 なお、安全地帯設置電停でも、結構横着して降車後赤信号を無視して横断しようとする人も見受けられますから、事故の芽はないわけではないのです。

 ちなみに、信号交差点でこちらが青信号の場合、前方に信号無視の横断者がいた場合、躊躇なく轢く、ということは当然しませんが、警笛を鳴らしたり夜間ならハイビーム照射などの警告・注意喚起行為をしています。
 大人げ無いとお思いかもしれませんが、ルール違反をしているのは彼らであり、また渡れて当然ではないと思わせることは彼らのためでもあるからです。

 そして、青信号で減速、停止することは却って追突や右直事故を招くので、自己防衛でもあるのです

都市の活性化とLRT
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/10 02:49)

 打越健太郎です。先ず最初に、エル・アルコン様への聊かならず過激の物言いに関して、直接の対象であるエル・アルコン様ご自身と管理人様、そしてご来場の皆様に、お詫びと反省の意を申し上げさせて頂きます。確かに投稿をした自分自身、あまりの不穏な物言いに「なんて言い方だ」と赤面してしまいます。どこかの企業局長さんと打越と、どちらがより下劣な奴か、などと糾弾を受けても仕方無いか、と恥じ入っております。
 ただ先日来、エル・アルコン様のLRTに対する懐疑論は、あまりにも妥当であり、誠実に考えれば考えるほど耳を傾けるべき卓見であると思うと同時に、これではLRTの可能性を初めから封じてしまうのではないか、と不安に思ったことは事実です。中量交通機関としてのLRTが、未だわが国に本格的導入例が無い現在、導入を前提にした議論をしたほうが話が発展するし、それを通じて問題点を浮き彫りにしていくのも一案ではないかな、と考えております(LRTに限りませんが、鉄道評論家の川島令三氏に対する考え方などにも一脈通じる考え方です。ですから僕は、「川島氏の意見はあまりにも大規模すぎて非現実的」というご批判が道理であることを知りつつ、川島氏のご本を「鉄道に関する一考察」として、とても大切なものだと思っております。余談ですが)。ですから僕としては、LRTに関しては少々甘いスタンスを取りがちで、まして今回は僕自身が必要性と存続可能性に疑問符をつけざるを得ない高岡が舞台ですから、鋭い批判…それも極めて妥当なもの…がぶつけられる可能性を考え、つい過敏に対応してしまったのだ、とご寛恕頂ければ幸いです。

 ここでの議論に関して申し上げれば、「シグナルアイランド」については、エル・アルコン様の仰ることは大変な道理であると思います。『歩行者にとっては、むしろ軌道を歩道よりに寄せた方が利用しやすいのではないか?』とのご意見ですが、シグナルアイランドなどよりもこのご提案のほうがより優れていると思います。ただ、高岡でこれをやると、軌道そのものを新しく敷設することになってしまいます。高岡・新湊という街は、たまたま軌道があるから存続も考えられるのであって、一旦廃止になってしまえば2度と復活できない、小さな街ですので、少なくとも当座は軌道移設は無理でしょう。ですから、ここ高岡でこそシグナルアイランドのような、はっきり言ってしまえば少々姑息な提言をさせて頂いた次第です(これが岐阜になりますと、軌道の敷き直しを考えられる規模の都市ですから、エル・アルコン様の御提言のほうが優れていると思います)。
 ただ、万葉線は少々苦しいですよね… エル・アルコン様ご指摘の通り、新湊は海沿いの街で、都市の発展の可能性が初めから限られていますから。ただ、分家新湊市長は、「万葉線の沿線に住宅や商業施設を優先的に整備したい」という長野市と同様の開発プランをお持ちの方と伺っておりますから、何とかなるかもしれません。また、高岡・新湊両市でコミュニティバスの試行が行われておりますし、これと電車との連携も考慮されているようですから、あながち「ジリ貧」とは言いきれないかもしれません(参考1)

 さて、「都市の活性化とLRT」ですが、この両者の相関に疑問符をつけるお声があることは承知しております。この掲示板でも、エル・アルコン様やとも様はそういったご意見ですね。確かに、「電車さえあれば人は来る」といった安易な意見が事実と程遠いことは確かです。しかし、実際に「電車でまちおこしを」という主張を幾つか見る限りでは「電車だけ建設して商店街は怠慢にしていよう(していても構わない)」などという意見はありません。「LRTでまちの活性化を」という主張には、少なくともまともな意見であれば必ず、「商店街の活性化への努力を第一に考えた上で(ただしこの部分が黙示の主張になっていて、スローガンだけ見ると、あたかも電車の導入のみを主張しているように見えてしまうこともあります)」という意見を含んでいます。これはLRTに限らず、コミュニティバスの導入に関しても同じです。コミュニティバスを試行している商店街を幾つか回ったことがありますが、まず間違い無く何らかのイベントや安売り、模擬店などといった工夫も行われています。

 で、その「魅力あるまちへの努力」に関してですが、具体的に何をやるかによって、LRTやコミュニティバスは充分に役立ち得ます。上記のイベントや模擬店に関してですが、例えば歌手のコンサート、大道芸人のショーなどをやる際には、大きな場所があったほうがやりやすいのは当然ですが、ここで「公共交通を活かしたまちづくり」というものが生きてくるのです。自家用車主体のまちづくりをするためには当然、駐車場の整備が必要ですが、駐車場というのは必要有益な施設ではありますが、一般的に大きな土地を必要とする上に、それ自体は全く賑わいませんよね。中心市街地に駐車場を設けると、折角の市街地に大きなエアポケットが出来てしまうという事が、実際に起こっている話です。
 「パーク&ライド」には、「広い土地が必要な駐車場を郊外に設け、市街地の土地を有効に活用する」という一面があることを忘れてはいけません。「市街地へのアクセス手段としての公共交通の整備」というのは、「市街地の土地を、なるべく賑わいを生むことに使いたい」という一面を確かに有しているのです。無論、水戸市のように地下駐車場を建設する、という方法も「市街地の土地の有効活用」という意味では一案なのですが、莫大な建設費がかかる上に、市街地を訪ねるお客さんも地上の駐車場を利用し(地下のほうが広くて駐めやすいのに)、酷い人になると路上駐車(水戸の市街地では違法です)したりしています。まあ、建設費の償却のため駐車料金がかなり高いことも一因でしょうが、駐車料金が免除されるデパートのお客さんですら何故か地上の駐車場を使いたがる傾向がありますね。「何故?」と尋ねると、「何となく地下は嫌い」という、漠然とした意見が多いように思われます。
 また、「歩行者天国」というものもありますが、これは今まで僕が述べたことをさらに発展させた形です。つまり、駐車場のみならず道路までイベントスペースとして使う、ということですね。僕の住む水戸では、8月に「水戸黄門祭」、11月(今年は5日でした)には「追鳥狩(武者行列)」という、ともに人気の祭が行われるのですが、これらは道路までイベントに使い、以て人々を集める成功例と言えましょう。

 「公共交通(なかんずく軌道系)と歩行者天国は相性が悪い」と、以前にエル・アルコン様が仰っていましたが、今日ではLRT・バスと歩行者天国を両立させる「トランジットモール」という手法が確立されていますね(金沢市の横安江町商店街は日本初の通年型トランジットモールですが、あれは成功しているのでしようか)。また、水戸での前述の2つの祭、特に黄門祭のほうでは、車道も歩行者が自由に歩ける、というのを子供ばかりか大人まで楽しんでいる節があります。勿論、通常はこれは危険だし違法ですが「車道をも縦横に歩きたい」という潜在的な欲求が人々の間にある(だから車道への飛び出しも跡を絶たない?)のかもしれません。勿論、トランジットモールといえども交通機関が走る以上、それなりに安全への配慮が必要ですが、自家用車に比べて走る頻度が激減する上、プロの運転士が最徐行で走るといいますから、自家用車主体の街よりも遥かに、歩行者は自由に歩き回れますね。

 また、LRTが街の名物になるか、ですが、確かに日本中にLRTだらけになってしまえばちっとも名物にはなりません。これに関しては、エル・アルコン様やKAZ様が仰る通りです。そしてそれは僕の理想でもあります。ただ、今現在は路面電車は希少価値を有していますから、観光資源になり得ます。都電荒川線がそれ自体観光資源になっているということを思い出してください(実際にそのようなパック旅行がしばしば行われ、また荒川線や東急世田谷線を観光資源として捉えた旅行ガイドも複数出版されている以上、これは僕の勝手な思い込みではありません)。そう言った意味で、2000年現在の日本では、電車は街の活性化に有益と考えます。

 最後に、「公共交通で市街地に行った人は用を済ませた後に周囲でもショッピングするが、自家用車で来た人は、周囲を歩かずに帰ってしまう」傾向があることを、僕は経験的に感じていましたが、これを実証するデータを発見致しました。これによると(参考2)

平成8年に岡山市で調査をした結果によると、自動車での来街者の滞在時間は短いことがわかった。

公共交通利用者の都心滞留時間は …平均2時間30分
マイカー利用者の     〃   …平均1時間30分

公共交通機関でのアクセスを優先すべき。そして街にとどまることが楽しくなるような歩行空間やオープンスペースを整備することが必要。

 ということです。以上のようなわけで、僕は「公共交通の整備と中心市街地活性化には相当程度の相関関係がある」と考えております。皆様のご意見をお聴かせ下さい。

参考1 http://www1.coralnet.or.jp/suwa_h/MINDEX.html
参考2 http://www.urban.ne.jp/home/yaman/kouen2.htm

Re:都市の活性化とLRT
 投稿者---とも氏(2000/11/10 09:31)

 打越様、みなさまおはようございます。
 休暇中(代休です)のともです。

 さて、高岡から話がずれていますが、高岡レベルの街でLRTが成功するかのカギは打越様ご提議の都市活性化が不可欠と思いますので、書かせていただきます。

 まず、LRTと都市活性化の相関関係ですが、僕は関係が無いとはいいませんが、言われる程あるのかという疑問を持っているというスタンスです。
 前にも書きましたが、LRT導入の前に、その都市の魅力を引き出すことが活性化につながるのではないでしょうか。魅力がある都市であれば人は集まります。しかしLRTを整備しても魅力が無い都市には人は集まらないですよね。
 LRTという優れた道具をいかに使うか、活用するかがその都市の活性化のカギですね。

 公共交通整備と都市の活性化という観点から高岡をみたらどうかということですが、高岡市には僕も1度しか行ったことが無いので、あまり大きなことは言えませんが、都心空洞化というよりは市域全体での都市活動の停滞という状況ではないですか。とすると、これは公共交通の整備でどうにかなるレベルを超えていませんかというのが印象です。
公共交通の整備によって街の滞在時間がのびるということは、打越様の紹介された岡山のほかに立川などでも検証されています(くわしくは後で)。
 しかし、これが高岡のような都市でも言えるのかは疑問ですね。
 高岡の近くには富山があり、足を伸ばせば金沢や上越など魅力有る店鋪があつまる一大商業集積地域があります(上越のパワーセンターは半径100kmが商圏と言われていますね)。
 そういった都市と本気で勝負するのであれば、公共交通の整備に加え、もっとドラスティックな都市改革をやらなければならないでしょう。
 万葉線を活用するのであれば、万葉線の再整備に近い投資をしなくてはならないと思います。そう考えれば、高岡市内は路側走行でも単線ループでもなんでもできるというかやらないといけないのかもしれません。

 ただ、高岡クラスの小規模都市で軌道系交通機関が通用するかのフィールド実験?と考えれば、あえて今の万葉線を最大限活用するというのも手ですが。

Re:都市の活性化とLRT
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/10 15:28)

 こんにちは。打越健太郎です。

 とも様、ご指摘有難うございます。高岡という小さな都市で果たして軌道は生き残れるのか? という問題ですが、さて… 高岡の方に伺ってみたのですが、高岡駅南の「サティ」などに都市の中心が移ってしまったということです。ですからそれだけでも、旧来の市街地を通る万葉線は不利ですね。僕も「都市の活性化」という理由だけでは、万葉線を維持出来るとはなかなかに思えません。「氷見線との一本化」「新幹線へのフィーダー」「新湊市にとって唯一の鉄道」…といった条件を総合した結果として、存続が望ましいかな、くらいの控えめな意見が精一杯です。

 折角ですので、中心市街地衰退の問題を少々。現在、郊外型のショッピングセンターなどに押され(かどうかは分かりかねますが、まあ一応…)全国的に中心市街地の衰退が起こっているようですね。確かに旧来の市街地には、常識外れの早仕舞い(18:00閉店、など)といったお客さんのニーズを忘れてしまっているような努力不足が見受けられました(最近の改善傾向には、目を見張るものが御座います)。こういった商店が衰退し、或いは倒産してしまっても、これは資本主義国家たる日本では止むを得ますまい。また、郊外型ショッピングセンターが、顧客のためになる社会的に妥当な努力をしているのであれば、結果として繁盛するのは努力に対する正当な報酬であり、これまた問題はありません。
 しかし、一面において、このような郊外への都市のスプロールは、自動車の利用、比較的長距離の移動を強いられ、これらを好まない人(僕もです)にとっては負担が小さくない、といった問題があります。自動車に関しても僕のような、ドライブ好きではない人々が渋々利用すること、またそれによる事故のリスク(たとえドライバーに責任・過失は無くても、事故のリスク自体は生じます)が生じ、かつ渋滞が起こることなどは全く好ましくないですね。1箇所で多くの用事を足せる(ショッピング・ビジネス・食事etc)コンパクトな市街地というものは、明らかに便利です。
 目をドイツに転じてみると、ドイツも資本主義国家ですから当然、努力不足の店は潰れますし、公的機関もそれは座視しています。当然、大資本のショッピングセンターなども存在します。では日独で何が違うのかと言えば、ドイツでは「商業地区」というものを厳格に定め、そこのみで商業活動を許しているのです。ですから、ドイツでは「市街地の空洞化」という問題は原則として起こり得ず、ただ市街地の中で自由競争が行われているのです。都市がスプロール化してしまえば、交通弱者への不便などといった問題の他、「新規インフラ(道路・上下水道など)整備の必要が生じる一方、既整備インフラは役立たなくなる」「開発による自然破壊」といった問題も孕んでいますから、都市のスプロール化そのものを完全に市場に委ねるわけには参りません。一方で、商業のための場所を限定したとしても(ある程度、既存商店に有利ですが)自由競争とは矛盾しませんね。まあ、古くからの建築を大切にするドイツだからこういった政策を取っている、とも取れますが(金沢や京都は、このドイツ式が宜しいのではないでしょうか)、イギリスなどでも郊外にショッピングセンターがオープンしようとした時点でストップをかけ、何と旧来の中心市街地に大資本のショッピングセンターを開設させたとか。これには学ぶことが出来そうです。

 都市のスプロール化、という問題が生じているのは、主にアメリカ合衆国ですが、このアメリカでも、最近は注目すべき動きが… 郊外にショッピングセンターなどが建ち並び、ここであらゆる買い物が出来るようになってきたので、近年、この地区が賑やかになり、治安も宜しいので(ご存知のように、アメリカの治安は一般的に良くありません。こういった賑わっている地域は、警察も重点的に警備をするようです)ここにオフィスを置く企業が増え、また「職住近接」ということでこの地域に住む方も増加しているとか。結果として何が生じたかというと、何とこの「郊外型商店街」が、住居・職場・商店を兼ね備えた、完全な形の新市街地になってしまったわけです。そして、こういった市街地に対する住民の評判は上々だとか。理由は「全部の用が足りる」ということだそうです。
 ただ、このような市街地には問題もあります。それは「あまりに新しいために特徴らしい特徴が無い」ということです。何故にこれが問題かというと、一体どこの街だか分からない都市というのは観光的な魅力に欠け、学会その他のレセプションなどの誘致競争に負けてしまうこと、また「その都市独自のアイデンティティが無い」ということで、住民が現在の居住コミュニティに愛着や帰属意識を持たず、それゆえに街に不備がある時「この街を良くしよう」と考えるのではなく「別の街に移ろう」と考える傾向があり、これがボランティア・町内会などの活動の低迷ばかりか、地方自治の機能不全といった深刻な問題まで生んでいるということ、などだといわれています。アメリカに学ぶことがあるとすれば、郊外型のショッピングセンターといえども可能な限り地域の特性を生かした店舗のあり方を目指すべきだ、といったことでしょうか。

Re:都市の活性化とLRT
 投稿者---とも氏(2000/11/10 17:51)

 ともです。

 ドイツも資本主義国家です・・・・・では日独で何が違うのかと言えば、ドイツでは「商業地区」というものを厳格に定め、そこのみで商業活動を許しているのです。
 ドイツでは「市街地の空洞化」という問題は原則として起こり得ず・・・都市のスプロール化そのものを完全に市場に委ねるわけには参りません。

 ドイツやイギリス、フランスなどヨーロッパの各国ではたしかに当然のように商業地区を厳密に定めています。
 これは日本でも基本は同じです。都市計画の用途地域という概念は全く同じです。ただ、日本の場合私権を強調するがあまり、厳しい用途規制ができず、結果的に乱開発が進んでいます(用途地域撤廃の市民運動もありますね)。
 しかし、同時に見落としてはいけないものがあります。それは「複合用途」という考え方です(LRTから外れてますね・・・許してください)。
 それは、中心市街地(=商業地域、オフィス街)には住居も併設するという考え方です。日本でも「都心居住」として進められている政策ですね。
 ですから、交通も郊外→都心だけではなく、都心内々の動きが発生するため、LRTのような水平エレベータ式の交通機関の成立が容易という事情があります。
 このような施策は、海外ではあたりまえです。ニューヨークでも都心部にマンションがありますね。
 ですが、日本の場合、非常に強い一戸建て指向や高い地価がネックとなって難しくなっています。

 この施策が交通網に与える最大のメリットは需要の平準化です。ヨーロッパにしても工場などは郊外になりますので、通勤は郊外へのものが発生します。そうすると需要が都心→郊外にも生じるため、結果的に逆方向の交通がなくなり、需要が平準化されるので結果的に運行効率が上がります。
 日本で言えば南武線の状況が近いですね。郊外に研究所などがあり、オフィスや工場のある都心部への交通や放射鉄道への乗り継ぎだけではなく、その逆の需要も生じていますから、朝の通勤時間帯でもどちらもそこそこ混んでおり、営業収支の良い路線という状況が生まれます。

 もし、このような施策を高岡でやったらどうなるでしょうか。
 高岡市街にも住居がおかれ、かつ郊外のショッピングセンターへLRTで行けるとなると、都心→郊外、郊外→都心という2つの流れができます。
 これは一つの解決策とは考えられませんか。郊外へのショッピングセンターを逆手に取ってしまうという方法です。

 これに似た方法で都心の活性化に成功しているのはシアトルですね。
 まだ効果は出始めたというところですが、都心部に住居と従業地の複合を行って、郊外にはコンパクトな複合地区(ショッピングセンターやオフィスと住宅)を配置し、各拠点を公共交通で結ぶというものです。
 わずか50万人の都市圏人口(規模としては富山クラス。高岡は生活圏で38万人ですね)であるシアトルで出来るのですから、高岡でも可能性はあるでしょう。

 話が飛びまくってますが、僕の考えです。交通から離れて都市計画になってしまいましたね。では。

Re:都市の活性化とLRT
 投稿者---打越健太郎氏(2000/11/10 21:22)

 とも様、ご意見有難う御座います。とも様のご意見に賛同致します。議論のテーマですが、中量輸送機関とは、主に都市交通ですし、都市計画と輸送機関の議論とは不可分密接ですから、そのようなご意見を今後もお聴かせ頂ければ、幸いです。さて、

 ニューヨークでも都心部にマンションがありますね。
 ですが、日本の場合、非常に強い一戸建て指向や高い地価がネックとなって難しくなっています。

 このことは存じております。ただ最近、地下高騰の反動かとも思われますが、住居の都心回帰という動きが見られるとか。郊外が全て悪いわけではありませんが、やはり1箇所で用が足りる都心に住む便利さに、人々も気付き出したのでしょう。特に高齢化が進んでいく今日、この流れの今後に期待したい所です。また、先日テレビのニュースで、「シティハウス」というものを拝見致しました。これは何かというと、5〜10軒程度の集合住宅と、それらの集団です。最近、東京などで建設が盛んということでした。「アパート?」と思いましたがそうではなく、2階建て程度、形状を工夫して全戸日当たり良好、といった附加価値がついています。これの優れている所は「土地の形状が比較的自由」ということで(建物の形は自由自在)それゆえバブル時に地上げが途中まで進んだような半端な土地も有効活用できる、ということでした。そしてこれが売れに売れているとか。「都市のスプロール化は限界があり、いずれ人は都心に回帰する」というのが僕の予想ですが、こんな所からも、僕は自分の未来予測に自信を持っています。

Re:都市の活性化とLRT
 投稿者---とも氏(2000/11/10 23:12)

 こんばんは ともです。

 議論のテーマですが、中量輸送機関とは、主に都市交通ですし、都市計画と輸送機関の議論とは不可分密接です

 そうですね。僕も交通の掲示板なので交通しか書いてはいけないと自粛していたのですが、不可分密接であり、それ抜きで議論しても意味がないですね。
 改めます。

 「都市のスプロール化は限界があり、いずれ人は都心に回帰する」というのが僕の予想...

 んーこれはちょっと賛同できないかな...
 まず、都市のスプロール化に限界が有るのは同意見です。ある程度郊外まで市街地が発散すると、市街地間を結ぶ新市街地が形成され、スプロールは押さえられるでしょう。
 ただ、都心に人が回帰するというのはどうでしょうか。
 たしかにシティハウスなど狭い土地の有効活用に見られるように、日本でも都心への回帰が見られます。しかし、これは都心の地価が下がるという予想だにしなかった事態によって起きた減少であって、人為的な側面が強いですね(23区の住宅減税なんかもありますし)。ヨーロッパでみられるようなものも結局は行政が誘導していますので、自然回帰とはちょっと違うような気がします。
 だれかが誘導をしなければ、都心回帰はなかなかおきませんね。

 日本ではまだまだ東京や大阪ぐらいしか都心への回帰はみられませんが、地方都市でも起きてほしいものです。地方こそその効果が大きいと思うのですが(夜になると寂しくなる街は無くなりますね)。

 高岡のネタからすっかり外れてしまいましたね。
 では、また。

〔路面電車・ニュース〕万葉線存続へ
 投稿者---打越健太郎氏(2000/12/01 01:00)

 さらに打越健太郎です(ちょっと喋りすぎ? 誕生日に免じて許してください)。先ほど入った情報によると、加越能鉄道・万葉線は第3セクターによる存続がほぼ決まったとのこと。富山県・高岡市・新湊市と加越能鉄道との間で、資産譲渡に関する交渉がまとまり、具体的には鉄道事業用資産2億4千万円・土地1億6千万円の計4億円で売却。県と両市とは、第3セクターに対し、低利融資などで支援していくとのことです(以上、「北日本新聞」11月29日による)。

 大英断が下りました。今後は万葉線の近代化・LRT化を進めていくことが必要でしょうから、以前、皆様と僕とで考えた「LRT・高岡への導入プラン」などをも第3セクターに提示し、何かと協力したい所ですね。氷見線との一本化や城端線への直通も、是非やってもらいたい所です。北陸新幹線の完成後は、これらの路線も第3セクターになるのでしょうから、将来的には大いに有望ですし、今から是非やっておいてもらいたい所ですね。富山地方鉄道をも味方に引き入れ、何かと知恵を貸して頂きましょう。
 日本におけるLRTへの追い風、どうやら本物のようです。

2005.05.15Update

backindexnext
Copyright © 1998-2005 Unlimited Liability Company 551planning. All rights reserved.