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【検証:近未来交通地図】<road to 〜 当世道路研究>
(過去ログNo.507)
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女性に期待しませんか
 投稿者---栗栖克寛氏(2002/08/17 23:15:31)

─データでの検証をしてみては
─むしろ女性の方がマイカー志向が高い
 └接点を最大限に活かすという意味で考えれば...
  └都会と地方の違いでは
   └大人のおもちゃ
    └交通論と他の要素を混同しないように
     └ご返信
      └Re:ご返信
       └Re:ご返信
      └機関選択に対する誤解について
     └Re:交通論と他の要素を混同しないように
      └Re:交通論と他の要素を混同しないように
       └企業は通勤費までは甘くはない
       └認識の誤りは結構ですが

 これは前々から感じていたのですが、一般にローカル線やローカルバスというと、多くの人は「老人と子供しか乗らない」というイメージがおありと存じます。
 ところがいざローカル線やローカルバスに乗ってみると、意外に若い女性が多いのです。小生は四国に住みますので東北や北海道のことまではわかりかねますが、少なくともこれまで小生が管見ながら四国、中国、関西のローカル線を利用、観察してきた限りにおいて、若い女性や主婦が結構乗ってくるんです。数年前、三江線に乗ったおり、石見川本で若い女性が乗り込んできてびっくりしたことがあるほか、木次線、芸備線、姫新線、関西線、名松線、近鉄北勢線などでも、名もない無人駅から若い女性や主婦が少なからず乗ってきました。これらのローカル線は本数が極端に少なく、かなり不便なのですが、どういうことなんでしょうか。

 要するに、女性は自動車に興味のない人、運転の苦手な人が多く、自分の車を持っていないのだと考えられます。道端で車を観察してみてください。3ナンバーに乗っているのはほとんど男性ですから。女性の運転する3ナンバーなんてめったに見ません。
 それによく「一家に一台」といわれますが、「一家に一台」では誰かが乗っていってしまえば残った人は使えません。自動車に限らず、自転車、バイクなどの私有交通手段で移動需要を満たそうとすれば、そのいきつく先は「一人一台」ということになります。しかしながら低所得層で一家に二台も三台も車を所有するのはかなりの経済的負担であり、現に過疎地では父親がマイカーで帰宅したのち、そのマイカーで今度は母親が買い物に出かける世帯が多いそうです。特に主婦は家計を管理しており、電車賃とガソリン代だけを比較してマイカーのほうが安いなどとは考えないはずです。

 さて、交通論というのは極めて特殊であり、「個人の嗜好」が入り込んでくるために大変やっかいなテーマです。ことに「自動車オタク」はべらぼうに多く、おそらく男性の7割近くがそうではないかと思われます。とも殿は「鉄道原理主義者」を目の敵にしておられるようですが、「鉄道オタク」や「航空オタク」、「船舶オタク」などはほとんど無視できるほどごくわずかな人数でしかなく、とうてい「自動車オタク」の比ではありません。少々バランスを失しておられるように見受けられます。

 交通を論ずるにあたり、どうも男性は信用できないのです。竹村健一なんて、どう見ても「自動車オタク」ですよ、ありゃ。それに去年の正月にうちの一家が帰省してきたとき、夕食の席で旅行の話題が持ち上がったのですが、愚息たちは異口同音に「新幹線で行くと高くつく」と言ったのに対し、愚息の嫁たちが「でも新幹線のほうが時間が有効に使えるじゃないの」と反論したのです。交通論にあっては、女性のほうが合理的なのですよ。ひょっとすると、例の「吝嗇的多面利用」も、本当は世の男性どもが単にドライブしたいだけの話なのかもしれません。

 女性は自動車という「物体」そのものには興味のない人がほとんどであり、より客観的にして当を得た意見が聞かれるのではないでしょうか。便利な公共交通があれば、自分の車を持ちたくないと考えている女性は潜在的にかなりいるに違いありません。考えてみれば人類の半分は女性なのです。皆さん、女性たちに期待しませんか。

データでの検証をしてみては
 投稿者---とも氏(2002/08/18 03:01:47) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 道路板に移って参りましたので極めて厳しく書きます。ご容赦ください。

 ところがいざローカル線やローカルバスに乗ってみると、意外に若い女性が多いのです。(略)

 大変恐縮な言い方をさせていただきますが、ものすごい誤解だと思います。
 栗栖様が以前ご指摘のとおり、自動車の保有は費用がかかります。でも長距離などを運転するにはサイズの大きいものが欲しくなる。そうなると普通車(3ナンバー)を一家に1台は欲しい。でも2台目からは軽自動車で・・・となりますね。だから男性が3ナンバー、女性が小型車になる。
 これは地方では当たり前に一般的な考え方です。
 ちなみに、1家に2台は普通です。北関東で1世帯2〜3台、免許保有人口のうち自由使用ができるのはおおむね7割ですから、それほど不自然な発想ではないです。

 さらにもう一つの観点として女性の免許保有率と免許取得年齢が男性と異なるという点もポイントです。栗栖様の書かれるとおり、案外若い女性は公共交通に乗っています。でも、全体から見れば極めて少ない。そのうえで免許関連データを見ると、なんとなく見えてきます(1日10往復の路線に10人でも延べ200人。沿線人口が50,000人とすれば1%にも満たないですから、データとクロスすれば解ると思います)。

 さて、交通論というのは極めて特殊であり、(略)とも殿は「鉄道原理主義者」を目の敵にしておられるようですが、(略)

 私は仕事でいやというほど原理主義思想に出会いました。説明会なんかでも非難状態を何度も味わっています。環境などを取出し、いかにも「正論です。道路整備などフランスやドイツでは行われていません。ストラスブールはLRTで車が減りました・・・」というちょっとでも勉強すれば間違いとわかる誤った知識を広める。そんなことがまかり通ることがそもそもおかしいのです。「道路は不要」「鉄道を敷けば全て解決する」そんな独善的思想が間違えているというだけのことです。敵視しているのは鉄道好きではなく、オタク的な独善思想です。

 さて、はっきり言えば、一般的には個人の嗜好で交通選択などしません。
 車酔いをするから電車とか船酔いするから飛行機というのはありえる話ですが、「自動車が好きだから自動車だ!」なんていう交通行動をとるのなら交通需要予測など簡単すぎます。この場合嗜好率=選好率ですね。そんなバカな話は断じてないです。
 普通は時間と費用の関係から交通手段を選択をします。これはある無意識なうちに判断することです。
 例えば、行った先に駐車場が無い、通行料が高いとなればパークアンドライドを選好します。でも費用がかかっても時間短縮が大きければ自動車を選択する。
 当然の交通選好行動です。

 交通を論ずるにあたり、どうも男性は信用できないのです。(略)

 決め付けはいけませんね。なにも自動車を女性が避けるなどというアンケートもなければ調査も無いんです。公共交通の利便性が上がれば性別に関係なく転換が生じます。
 確かに、女性の自動車自由使用率は男性に比べ低いという結果はあります。でも、それは自由使用率です。使えないということではない。使いたくないということでもないです。自動車が自由に使える状況下において自動車を使いますか?という統計的なものがなければこの論は正論にはなり得ないといえましょう。

 さらに、自動車オタクとおっしゃられますが、自動車好きなら欧米諸国のほうがよほど多いです。同じように鉄道好きも航空好きも日本とは桁違いに多い。
 要は自動車好き=鉄道嫌いなんていう法則はどこにもないのです。
 自動車雑誌がなぜ売れるのか。自動車を購入するための参考にするからです。
 家具や建築デザインの本がそこそこ売れるのと同じ論理です。
 一方、鉄道雑誌と同レベルの趣味的自動車雑誌はどの程度売れますでしょうか。いわゆる新車批評もない、趣味的な面で自動車を追う雑誌など鉄道や航空、ミリタリーと大差がないのでは?
 自動車のエンジンや道路構造にとてつもなく詳しい人などさほどいません。そういう点を踏まえてはどうでしょうか。

***
 全く逆の事例を紹介します。
 私の妻の実家は香川です。予讃線の駅までは歩いて10分弱。駅前にはパークアンドライド駐車場もあり、鉄道は利用しやすい環境です。
 以前、倉敷の美術館に妻と妻の母と3人で出かけようという話になりました。
 予讃線の普通でも2時間弱、特急なら1時間で岡山までいけますから倉敷ならかかっても2時間半でしょうか。
 自動車ですと高松道のICまで15分ほど、高松道〜瀬戸中央道ならば2時間程度です。ただ、早島ICからのルートが混みがちですから時間は読めません。そこで、費用的にも大差は無いですし帰りにビールが飲みたいということもあって電車での行程を提案しましたが、瀬戸大橋往復通行料を考えても自動車のほうが楽で早いし、帰りは運転するからという2人に負け、結局車で出かけた経験があります。
 同じような話は母の実家の山形でも、以前住んでいた長野でもありましたが、結論に女性でも男性でも大差はないです。

 例に挙げられたものでいえば、一般論で見て新幹線でも自動車でも大差がなく感じる、すなわち、時間でみれば新幹線、費用で見れば自動車ということですよね。その上でどちらを選考するかという話であって、性別の選考性の差はそれなりにはあるでしょうが、おっしゃるほど明確な差はありません。

 性別による交通選考の差そのものは否定しません。ただ、おっしゃるような明確な差はない。自動車保有や専有率というものを統計的に整理して比較するとさほどの差はないでしょう。
 性別差については、女性の免許保有率が低く、交通弱者になることが十分考えられるという点はあると思いますが、それは弱者対策で交通選考とは別に考えることでしょう。

 大変失礼な物言いで申し訳ありませんが、やはり専門にやっている人間から見ると、栗栖様のご意見を容認できませんので。ご容赦ください。では

むしろ女性の方がマイカー志向が高い
 投稿者---Tom氏(2002/08/18 13:14:44)

 栗栖さんは女性の方が公共交通の選考が高いと仰られていますが、私の観点からすると何れも逆かと思われます。
 もし四国がそうだとするならば地域特性の問題かもしれません。

 私が北陸地区に勤務していた時の経験からすると、女性に関しては男性よりもマイカー志向が強いです。
 仕事の絡みで自社及び販売店の女性と話す機会も多々ありましたが、彼女たちの言い分は「クルマの方がラク」「知らない人と一緒にならなくてすむ」「電車に乗るのが面倒」という意見が多かったです。実際彼女たちの行動パターンもそれに則っています。例えば、長島温泉(三重県)までクルマで行ったとか、横浜へは安房峠を越えて行くのが一番安いからいつもそのルートで行っている・・などなど(注:安房トンネル完成以前の話です)。

 女性は自動車に興味のない人、運転の苦手な人が多く、自分の車を持っていないのだと考えられます。

とのことですが、男性に比べてクルマそのものへの関心が強い人が少ないのは確かです。
 ただ、それと運転が苦手かどうか、自分のクルマを持っているかどうかは全く別問題です。むしろ、男性はクルマそのものを楽しむ層が多いのに対し、女性の場合は「クルマのある生活をどう楽しむか」という視点で捉えている層が多いと思います。
 また、運転云々にしても都会では運転の必要がないから運転しない、自分が運転しなくても不便にならないから運転しないだけで、地方では「不得手」「嫌い」という人はドライバーを含めてもそんなに数は多くありません。 ただ、メカに弱い分、最初に運転したクルマに引きづられる傾向はあるようです。

※マニュアルしか運転できない、という子を少なくとも2人知っています。理由を聞くとAT車は自分の意思に反して勝手に変速するからイヤだそうです。ただし、彼女たちには仕事後に、こちらが酒を飲んだときに送ってもらったことがありますが、運転は正確かつスムーズで、東京の男性サンデードライバーよりはよっぽど上手です

 また、地方の場合、車庫には困らないケースが多く、地元採用のアシスタントの家ではだいたい一家に3台以上あるというのが普通です。1人当たり平均所得は北陸は東京より低いですが、住宅にかかるコストが絶対的に低いこと、夫婦共稼ぎが当り前な土地柄なこと、教育水準が高い割には東京に比べ公教育の水準が高いため(公立高校でも受験の為の補習は当り前だそうな)、子供にかける教育費も低くて済むなど、可処分所得の高さも見逃せないと思います。その為、以外とOLでもシビック,プレセア,インテグラなどに乗っていたりします(絶対数は軽の方が多いですが)。

 栗栖さんの知り合いの場合年齢層が高い為、ある程度年が行ってから免許を取られた方が多いために「女性はクルマが苦手で、公共交通の依存度が高い」ということになってしまうのではないでしょうか?

接点を最大限に活かすという意味で考えれば...
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/19 20:33:16) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 公共交通で若い女性を見かけることについてはともさんの見立ての通りだと思います。ただ、データを前にして悪あがきのようですが(苦笑)、栗栖さんのおっしゃる点には公共交通がいかに利用者をつかむかという部分を含んでいます。

 すなわち、女性の場合は特に都市部在住にその傾向が多いと推測しますが、社会人になっても公共交通に依存する傾向が伺えます。いいかえれば、家庭に入り、生活パターンが変わった時にクルマに移行するケース(旦那のクルマを平日昼に利用するようなケース)が多いようです。
 つまり、いわゆる交通弱者の定義として、免許が取れない若年層と老人と言われますが、社会に出た青年層が、通勤等以外で公共交通を利用する数少ない接点ともいえます。

 特に目立つのが大都市圏との夜行高速バスで、1台の7〜8割が若い女性ということも珍しくありません。最大規模の東海道筋の場合、一晩で運行される台数を考えると、母数が多いとはいえ絶対数では片道1000人規模で利用していることになりますし、大都市−地方でもそうです。おそらく、性別や年代別データと言うものが存在するとすれば、恐ろしく偏った利用層という結果が出ると見ています。
 このあたり、座席夜行と言うもっともしんどい利用パターンへの支持が突出していることを考えると、その選択理由をきちんと分析すれば、公共交通がクルマ指向の強い青年層を捉える一助になりそうです。

***
 あと、どうしても運転に対する「恐怖心」が強いことは否めません。
 生活パターンが変わり日常の移動を総てクルマに頼るようになっても、高速道路の利用や山道に異常なまでの恐怖心を抱く傾向があるようです。千葉在住の頃ですと、「箱崎」がどうしてもダメで首都高に乗れないという人は確かにいましたし、今の神戸ですと、自然があるけど表六甲道路が登れないという人もいます(信じられない話ですが、湊川まで西下してR428の小部峠から稜線を行く道路に入るという人もいる)。

 このあたりは「何をバカな」と一蹴したくなるような心理ですが、実際にある話です。
 ただ、それでも公共交通でなんとかなる、他の行く先を見つけてなんとかなると言う話であり、必要に迫られたらさすがに会得します。
 神戸や芦屋でも山手の方では上級クラスのベンツに乗って路地を行く女性を見ますしね。
 峠道で地元のおばちゃんが止まりそうなスピードで軽を運転しているのも、あれはあれで「出来る」ということなんです。

 これも公共交通側の「仕掛け」のタネになりますよね。
 クルマで行きづらい場所を流行りのスポットに仕掛けるのです。待っていたら客は来ませんから。
 もちろん、そこで公共交通が「詰め込み」とか「不便な乗り継ぎ」といった旧態依然な殿様商売で臨んだら、決定的に嫌われますので、相応の対応が大前提ということはいうまでもありません。

 決め付けからは何も生まれませんが、きっかけは貪欲に活かすべきです。

都会と地方の違いでは
 投稿者---Tom氏(2002/08/19 22:02:48)

 エル・アルコンさんの意見については「地域差」ということになるように思われます。
 関東や関西の場合、長距離高速バスを含め公共交通が発達しているから、クルマを運転しない。
 ところが、北陸あたりだと対東京・大阪以外の使える公共交通機関がほとんどなく、また周辺地域でコンサートとか、レジャー施設が限られている。そんな環境におかれると「必要に迫られて」を超えて「自分と仲間の楽しみの為に」クルマを運転するようになるのだと思います。
 まあ、女性の場合は男と違って「走り」そのものを楽しむ人はあまりいませんが、クルマを恋人のように扱う人は男に劣らずいらっしゃるようです。これも地域特性かもしれません。

 東京に戻ってきてからは、確かに女性陣はクルマの話など全然しませんし、女性だけでドライブしたと言う話もたまに聞く程度、ということも確かです。 また東京近辺ではある年代以上の親だと、「女の子に運転免許なんて不要」という考えの方もまだいらっしゃいます。

 ただ、地域によっては、というより環境によっては公共交通よりマイカーを好む女性層も存在しうる、ということは頭に入れておく必要があると思います。

余談:運転が苦手な箇所についても地域特性があるようで、私のアシスタントをやっていた子の中には、部内旅行の時など峠道では5速MTを駆使し私を追走できる腕前なのに、高速の合流は苦手というワケのわからないのがいました

大人のおもちゃ
 投稿者---栗栖克寛氏(2002/08/21 19:07:24)

 多くの方々よりご返信いただき、光栄に存じます。

 Tom殿のおっしゃる女性の「マイカー志向」とは、厳密にいえば「マイカー交通志向」であり、車が好きとか嫌いとかに関係なく、ただ車が「便利だから」使っているにすぎません。こういうのはべつにいいんですよ。あくまで車を交通「手段」として捉えているわけですから、まったくもって合理的な交通行動だと思います。
 これはトラックと同じです。トラックをワックスがけしてピカピカに磨き上げている運送会社なんて聞いたことがありませんよね。なぜなら、トラックはあくまで交通「手段」であり、「動けばいい」からです。

 ところが男性の場合、車そのものが「目的」になっているケースがとても多いように思われてならないのです。
 自動車オタクには、二つの意味があります。
 まず一つ目は、運転の楽しみ。過剰なパワーやスピードを追い求める。いわば「マイカー運転志向」です。
 もう一つは、自動車という「物体」そのものに対する執着。つまりより大きな車を所有し、毎日ワックスがけにいそしみ、車内をこまめに掃除し、わずかな傷も我慢ならない。これは「マイカー物体志向」です。
 車に興味のない人は、大家族でもない限り軽自動車を買うはずです。自動車をあくまで交通「手段」として捉えるなら、軽自動車で十分ですよ。軽のワゴンは荷物も多く積めますし。それなのになぜ3ナンバー車が所有されるのか。結局、趣味的なパワーやスピード、高級車を所有することの誇りを追い求めるからでしょう。いうなれば「大人のおもちゃ」です。

 Tom殿は、単なる「マイカー交通志向」と、「マイカー運転志向」「マイカー物体志向」を混同されているように存じます。

 だいたい、「鉄道オタク」や「航空オタク」よりも「自動車オタク」のほうがべらぼうに多いなんてことは、データを採るまでもなく常識でわかります。毎年「鉄道の日」に全国でいろいろなイベントが催されますが、とうてい「東京モーターショー」の比ではないでしょう。

 性差については、数年前テレビでやっていたのですが、簡単にいえば男性は「物体」を好み、女性は「人間」を好むようにできているのだそうです。たしかに男性は自動車とかカメラとかに凝ります。いっぽう女性はおしゃべりが好きですよね。子供も、男の子はプラモデルや乗り物が好きなのに対し、女の子はままごとや人形を好みます。
 むろんこれはあくまで一般論ですから、とも殿のおっしゃるように「男性は信用できない」と申し上げたのは少し言いすぎであったかもしれませんが、一概に荒唐無稽とも断ぜられないと思います。竹村健一の著書を一冊でも読まれたことがありますか。狂ったように「道路を造れ」の一点張りですよ。そもそもオフィスビルの立ち並んだ都市部に道路を建設、拡充することは財政難以前に物理的に不可能であることは容易にわかるはずなのですが。もちろん鉄道についての評論は、新幹線をのぞきまったくなされておらず、ひたすら「国鉄民営化はスバラシイ」を繰り返すばかり。日ごろ公共交通を使う者なら、民営化以降ローカル線のトイレがなくなったり、都市部の詰め込みがまるで改善されないなど、国鉄民営化を100%賛美するはずはないのです。普段車ばかり使っている者が交通を論じても、たいていは的外れに終わります。
 他方、石原慎太郎氏は、若い頃に大事故を起こしそうになってからというもの、自動車に対する興味をいっぺんになくしたそうです。また歴史作家の井沢元彦氏は、関西へ取材に出かける際、新幹線と近鉄を乗り継ぎ、駅からはタクシーかレンタカーを使うようで、最近近鉄の雑誌広告にも起用されました。あるいは漫画家の小林よしのり氏は、運転免許すらもっていないそうです。このような、自動車をあくまで交通「手段」として捉えている人なら冷静な交通論議を展開してくれるでしょうが、竹村健一はじめ大半の民衆はやれ「高速道路をタダにしろ!」だの「何が何でも道路とパーキングを!」だのと絶叫するばかりです。もし高速道路を無料化したりしたら、それまで一般道や公共交通を使っていた者までもが高速道路に殺到してしまい、日本の交通はたちまちのうちに潰滅してしまうのは自明でしょう。今でさえ首都高や阪神高速は渋滞しがちなのですから。日本の有料道路制は事実上のロードプライシング効果を挙げており、例の「吝嗇的多面利用」をある程度抑制して公共交通に誘導する意味合いをもっているのです。

交通論と他の要素を混同しないように
 投稿者---Tom氏(2002/08/21 20:46:18)

 Tomです。こんばんは

 Tom殿のおっしゃる女性の「マイカー志向」とは、厳密にいえば「マイカー交通志向」であり、車が好きとか嫌いとかに関係なく、ただ車が「便利だから」使っているにすぎません。こういうのはべつにいいんですよ。あくまで車を交通「手段」として捉えているわけですから、まったくもって合理的な交通行動だと思います。

 栗栖さんの言っている意味がわかりません。
 私が示した女性のマイカー志向についても、あくまで地方における交通志向について語っています。
 このことについては男性であろうと変わりません。
 仮に地方の男性がワックスで磨いていたとしても、それは交通論の本筋からはどうでもいいことです。
 議論の対象はあくまで便利か不便かでしょう。
 栗栖さん自身が議論を捻じ曲げているのではないですか?

 自動車をあくまで交通「手段」として捉えるなら、軽自動車で十分ですよ。軽のワゴンは荷物も多く積めますし。
 それなのになぜ3ナンバー車が所有されるのか。結局、趣味的なパワーやスピード、高級車を所有することの誇りを追い求めるからでしょう。いうなれば「大人のおもちゃ」です。
 Tom殿は、単なる「マイカー交通志向」と、「マイカー運転志向」「マイカー物体志向」を混同されているように存じます。

 栗栖さんの方が「モノ」の議論と交通論を混同しているように思えてなりません。
 どういうクルマを買うかということと、交通で何を志向するかというのは全く別の問題です。

 私自身、クルマはそれなりのモノを持ってはいますが、だからといって私的外出について全てクルマを選択するわけ
でもないです。また、余談ですが、東京ではGO/STOPが多く、加速性能の劣る軽自動車では何かと不便です。

 逆に軽自動車というのは税制の恩典による奇形のクルマであるというのは、クルマを知っているものならば常識ですが、車体の重さとエンジン動力性能がマッチしていない為、実走行燃費はリッターカーに劣ります。
 このことは、海外メーカーに同様のスペックのクルマがベンツのスマートを除き存在しないことからも明らかです。

***
 石原慎太郎が自動車に興味をなくしたことと交通論はどのような関係があるのでしょうか?
 高速道路を無料化したとして、みんなが高速道路に乗るというのも幻想です。田舎ならそうかもしれませんが、少なくとも首都圏などでは乗る必要がある人間は乗っています。 

 公共交通が利用されない点については、ドライブが目的の人以外について何故減ったのかを分析することこそ必要です。
 一例ですが、現在のJR-Eのように、一時間に1本しか高崎線の快速アーバンを運転せず、しかもたったの10両編成で走らせ、挙句の果てに4ドア化して座席を減らし片道1時間も立席を強要する・・。へたしたら新幹線あさまですら佐久平→大宮立席なんてのも珍しくないです(以前、どうしても列車乗車中にPCで業務をこなす必要があった為、熊谷からの立席を避けるためにあさまの指定を買おうとしたが満席でグリーンに逃げたこともあります)。
 何も川島令三のように何でも新線建設・増発とは言いませんが、朝夕ラッシュ時ではなく、デイタイムの着席需要も満たせないようなサービスしか提供しない鉄道会社の運営姿勢の方がよほど問題でしょう。朝夕についてもとうしても着席したい人の為に普通列車のグリーン車連結拡大など打つ手はいろいろあるはずです(先にあげた高崎線あたりは将来東海道線との直通運転が行われるため必然的にグリーン車が連結されると思いますが)。

ご返信
 投稿者---栗栖克寛氏(2002/08/22 01:32:36)

 栗栖さんの言っている意味がわかりません。
 私が示した女性のマイカー志向についても、あくまで地方における交通志向について語っています。このことについては男性であろうと変わりません。仮に地方の男性がワックスで磨いていたとしても、それは交通論の本筋からはどうでもいいことです。
 議論の対象はあくまで便利か不便かでしょう。

→それはあくまで交通の専門家の話です。「ドライブしたい」という大衆の欲望にもう少し関心を向けていただきたく存じます。

 栗栖さんの方が「モノ」の議論と交通論を混同しているように思えてなりません。

 →いや、混同しているのは全国の自動車オタクですよ。愚息がJAFに入っており、「ジャフメイト」をたまに目を通すのですが、ほとんど荒唐無稽としか思えない妄想が並んでいるのです。

 どういうクルマを買うかということと、交通で何を志向するかというのは全く別の問題です。

→そんな馬鹿な。趣味的ドライブを志向する者はスポーツカーを買うだろうし、乗り心地を追い求める者は高級車を買うでしょう。アウトドアを好む者はRVをもつはずです。

 私自身、クルマはそれなりのモノを持ってはいますが、だからといって私的外出について全てクルマを選択するわけでもないです。

→その場合、まず最初に車の使用を考え、車が使えないときに限り「やむをえず」ほかの移動手段を選ぶのではないですか。そりゃいくら狂信的な自動車オタクでも、東京から鹿児島までマイカーで行く者はそうはおらんでしょう。

 また、余談ですが、東京ではGO/STOPが多く、加速性能の劣る軽自動車では何かと不便です。

→そんなの、時間でいえばほんの数秒の差でしょう。

 逆に軽自動車というのは税制の恩典による奇形のクルマであるというのは、クルマを知っているものならば常識です。車体の重さとエンジン動力性能がマッチしていない為、実走行燃費はリッターカーに劣ります。

→車に興味のない人は安ければいいのですから、税金の安い軽を選ぶのは当然です。リッターカーにより浮いたガソリン代で初期投資が回収できるのなら話は別ですが。

 高速道路を無料化したとして、みんなが高速道路に乗るというのも幻想です。田舎ならそうかもしれませんが、少なくとも首都圏などでは乗る必要がある人間は乗っています。

→少々失礼かもわかりませんが、貴殿は庶民感覚というものがおよそおわかりでないように存じます。低所得層であればあるほど吝嗇的多面利用にはまるものなのです。愚息のみならず、小生の親類はほんの数百円のバス賃をもケチり、マイカーを使い込むのがごく当然になっており、ましてたまの遠出の際はすべてマイカー利用です。
 ただ、貴殿のおっしゃるとおり、地域の特性はあろうかと存じます。四国は沖縄に次いで経済力の弱い地方であり、都市部にお住まいの方々にはわかりかねるかもしれません。

 公共交通が利用されない点については、ドライブが目的の人以外について何故減ったのかを分析することこそ必要です。
 一例ですが、現在のJR-Eのように、一時間に1本しか高崎線の快速アーバンを運転せず、しかもたったの10両編成で走らせ、挙句の果てに4ドア化して座席を減らし片道1時間も立席を強要する・・。

→それはたしかにおっしゃるとおりですが、しかしながらJRというのは民間企業であり、なるべく少ない車両で「効率よく」運ぼうとするのはむしろ当然のことです。東北の閑散ローカル線をすべて自前の運賃収入だけで運営しなければならないJR東日本の立場をも考えたうえで、鉄道をそこまで追い込んだ原因を追究しなければなりません。JRなんてしょせん国の運輸政策の産物であり、JRだけを責めるのは酷であり、何の解決にも至りません。

Re:ご返信
 投稿者---Tom氏(2002/08/22 05:50:49)

 Tomです、おはようございます。
 今日はこれから「高崎線」に乗って群馬県は伊勢崎まで外出です(両毛線・東武伊勢崎線は不便なので本庄からタクシー)。

 それはあくまで交通の専門家の話です。「ドライブしたい」という大衆の欲望にもう少し関心を向けていただきたく存じます。

 ですから消費行動と交通の議論は別だということです。

 栗栖さんの方が「モノ」の議論と交通論を混同しているように思えてなりません。

→いや、混同しているのは全国の自動車オタクですよ。愚息がJAFに入っており、「ジャフメイト」をたまに目を通すのですが、ほとんど荒唐無稽としか思えない妄想が並んでいるのです。

 理解不能・意味不明。

 まず最初に車の使用を考え、車が使えないときに限り「やむをえず」ほかの移動手段を選ぶのではないですか。そりゃいくら狂信的な自動車オタクでも、東京から鹿児島までマイカーで行く者はそうはおらんでしょう。

 私の会社で目の前に座っている人は鹿児島帰省の際東京−鹿児島をクルマで走破していますが、何か?
 ただし、こんな事例はそれこそ趣味の世界です。(彼は独身で特に運ぶべき荷物もない)
 こういう事例も含めて議論することは本筋から外れます。

 また、余談ですが、東京ではGO/STOPが多く、加速性能の劣る軽自動車では何かと不便です。

→そんなの、時間でいえばほんの数秒の差でしょう。

 大型車にあおられたりして危険なんですけど。また数秒の差がつもりつもって交通渋滞を招くわけです。

 車に興味のない人は安ければいいのですから、税金の安い軽を選ぶのは当然です。

 日産の例で言うと、マーチとMOCOは同価格帯なんです。それで税金は軽が安くても燃費が悪ければ別でしょう。

 少々失礼かもわかりませんが、貴殿は庶民感覚というものがおよそおわかりでないように存じます。
 低所得層であればあるほど吝嗇的多面利用にはまるものなのです。愚息のみならず、小生の親類はほんの数百円のバス賃をもケチり、マイカーを使い込むのがごく当然になっており、ましてたまの遠出の際はすべてマイカー利用です。

 庶民感覚といえば石原慎太郎はいかがですか?
 彼の公用車が軽自動車になったという話はおよそ聞いたことがありません。
 石原家自体がみんな軽自動車を愛用したり、クルマで移動する際は軽自動車だという話も聞いたことはありません。
 まあグリーン車の例を書いたのでそう思われたのかもしれませんが、東海道線などでは混雑と痴漢を避けてグリーン車で通勤するOLも多少なりともいることを覚えておいて下さい。

 しかしながらJRというのは民間企業であり、なるべく少ない車両で「効率よく」運ぼうとするのはむしろ当然のことです。東北の閑散ローカル線をすべて自前の運賃収入だけで運営しなければならないJR東日本の立場をも考えたうえで、鉄道をそこまで追い込んだ原因を追究しなければなりません。JRなんてしょせん国の運輸政策の産物であり、JRだけを責めるのは酷であり、何の解決にも至りません。

 それでいうと、高崎線は黒字です(しかも大幅に)。
 現在利用している人は、安さ指向でどうしても使わざるを得ない人が中心になっています。
 JRはこういうことをやるから顧客を逸走させるという例です。
 おまけに地べたリアンも増やしていますね。今のアーバンの状況では地べたリアンに対して批判する気が失せてしまうのも事実です。
 今の企業は民間企業でもCS(顧客満足度)の向上が重要な経営指標のひとつとなっています。
 こういう所でもCS向上を図っていく必要はあると考えます。
 同じ民営でも京急はクロスシート車導入で座席定員を増やそうとしていますし、東急も経営が苦しい中でも客を増やす為に東横で特急を増発したことは記憶に新しいところです。

※東横特急は1時間に4本が丸々増発の為、座席定員増につながっています。変わりに菊名−中目黒は2本減っていますがこれは中型8両の上、利用率もそんなに多くはなかった。変わりに目黒線開通で都心方向のキャパシティは維持されています

 東北の閑散ローカル線の例をあげていますが、これ以上増やさない為に整備新幹線の建設スキームでは並行在来線の分離も行っていますし、またローカル線全体で考えれば民営化後廃止になった線区もいくつもあります。
 快速アーバンなどは、せめてJR-W221/223クラスの車両を入れれば座席定員はもっと増やせるんですけどね。コスト増になるというならば快速用に223系をそのまま増備すればいいだけの話です。

Re:ご返信
 投稿者---栗栖克寛氏(2002/08/22 11:38:48)

 たとえば、あるテレビ局が国防をテーマにした討論番組を企画したとします。このとき、軍事評論家は招かれても、軍事オタクは招かれませんね。
 交通を論ずる場合にあっても同じです。「消費行動と交通の議論は別」だなんて、そりゃ当り前です。
 自動車趣味そのものはいいんです。問題なのは「数の多さ」なんです。鉄道が好きだから鉄道を敷けとか、ドライブが好きだから道路を造れなどという意見は、本来は相手にされてはならないはずです。とも殿のおっしゃるとおり、「軌道原理主義者」は問題です。しかしながら自動車を趣味にする人はべらぼうに多く、好き勝手に思う存分ドライブすることを前提に、およそ総合交通体系なるものを考えぬまま、道路を造れと主張する連中は数知れません。
 そもそも小生が申し上げているのは、自動車好きや鉄道好き、航空好きの場合、いかんせん個人の嗜好が反映されてしまい、諸賢のおっしゃるような「合理的な」交通行動がなされにくい面があるのではないか、理屈だけで交通を分析はできないのではないかということです。その点、(あくまで一般論として)女性は乗り物に興味のない人が多く、合理的な交通行動をとるものと考えられるのです。エル・アルコン殿のご指摘どおり、ハイウェイバスは若い女性に人気がありますが、ではどうして若い男性には人気がないのでしょう。

 そりゃいくら狂信的な自動車オタクでも、東京から鹿児島までマイカーで行く者はそうはおらんでしょう。

 私の会社で目の前に座っている人は鹿児島帰省の際東京−鹿児島をクルマで走破していますが、何か?

→日本語をちゃんとお読みいただきたく存じます。「そうはおらんでしょう」と申したのであって「まったくおらんでしょう」とは申しておりません。

 大型車にあおられたりして危険なんですけど。また数秒の差がつもりつもって交通渋滞を招くわけです。

→それは趣味上の話ではなく、自動車の機能そのものの話でしょう。拙稿で前述したとおり、3ナンバー車の機能が必要なのならいいじゃありませんか。軽でも十分なのにあえて3ナンバー車を所有するのとは別儀です。

 日産の例で言うと、マーチとMOCOは同価格帯なんです。それで税金は軽が安くても燃費が悪ければ別でしょう。

→車に興味のない人は安ければいいわけで、かりにリッターカーで浮いたガソリン代で初期投資が回収できるのならそれを選ぶ。たったそれだけの話です。しかしながら車の好きな者は、まず3ナンバー車ありきなのでは。

 庶民感覚といえば石原慎太郎はいかがですか? 彼の公用車が軽自動車になったという話はおよそ聞いたことがありません。石原家自体がみんな軽自動車を愛用したり、クルマで移動する際は軽自動車だという話も聞いたことはありません。

→これはしたり。一本とられました。ただし政治家と専門家は違うと存じます。政治家に必要なのは国家全体の舵取りであり、庶民感覚にばかり気をとられていてはなりません。それに公用車の場合、ほかの幹部や秘書などと同乗するケースもあるでしょうから。

 まあグリーン車の例を書いたのでそう思われたのかもしれませんが、東海道線などでは混雑と痴漢を避けてグリーン車で通勤するOLも多少なりともいることを覚えておいて下さい。

→まあ高収入のキャリアウーマンならそうでしょうね。

 それでいうと、高崎線は黒字です(しかも大幅に)。

→その黒字で東北のローカル線を運営しなければならないのです。首都圏の上がりがそっくりそのままJR東日本の儲けになるわけではありません。
 JR東日本の失策という部分はたしかにあるのでしょう。ただそれは国鉄をなし崩しに民営化した政府にも責任があるのでは。たとえばいつでしたか、カリフォルニアの電力会社が破綻し、大停電が起きましたね。あれもただ電力会社が悪いという話ではありません。極端な規制緩和や民営化そのものの問題が大きいはずです。私鉄と異なり、多くのローカル線を擁するJR東日本の立場もあわせて論ずる必要があります。
 それにクロスシートを手放しで賛美しておられるようですが、クロスシート車は乗降に時間がかかり、混雑するので嫌う人もけっこういるんです(数年前産経新聞に投書が載っていた)。

 東北の閑散ローカル線の例をあげていますが、これ以上増やさない為に整備新幹線の建設スキームでは並行在来線の分離も行っていますし、またローカル線全体で考えれば民営化後廃止になった線区もいくつもあります。

→そもそも国鉄が民営化された以上、ローカル線を一気に全廃してもいいはずなんです。民間企業が不採算部門から撤退するのは至極当然ですから。どうして民間企業たるJRが、身銭をきってローカル線を運営しなければならないのでしょうか。

機関選択に対する誤解について
 投稿者---和寒氏(2002/08/22 10:05:23) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 和寒です。どうにも誤解あるいは誤認があるようなので、ちょっとだけ。

 私的な移動において、車の好きな者はなるべく車を使おうとするでしょうし、鉄道の好きな者はなるべく鉄道を使おうとするでしょう。

→どのような交通機関を選択するか、個人の嗜好が介在する余地がないわけではないですが、基本はどこにどのような目的で行くか、ではないですか。
 私のような鉄道ナショナリストでも、家族での移動は自動車を使います。使わざるをえません。荷物が多いので公共交通を使うのは物理的にほぼ不可能だからです。また、いくら自動車が好きな方でも、例えば東京−盛岡を日帰りという必要に迫られれば、新幹線を使うでしょう。

 勿論、自動車が好きで自動車を使いたがる方はいます。しかしそれは、マクロ的にとらえれば、「自動車という便利な効用の高い交通機関が潜在需要を顕在化させた」ことにほかならないのです。
 これは鉄道にも当てはまることなのです。例えば、東海道新幹線が開業する以前、東京−大阪を往復する方は日に何人いましたか、ということです。特急急行夜行、そして大阪以西までの列車を合わせても、優等列車は確か30本程度しかなかったはずです。今日の新幹線の運行本数は3桁に乗っており、輸送密度は20万人に達しているのです。
 これらのお客さんは、鉄道が好きだから新幹線を使っているのですか? 違います。新幹線が便利な交通機関であるからこそ、これほどの需要を惹起したのです。そしてそれは、自動車についてもいえることなのです。

 東北の閑散ローカル線をすべて自前の運賃収入だけで運営しなければならないJR東日本の立場をも考えたうえで、鉄道をそこまで追い込んだ原因を追究しなければなりません。

→心情はわからないでもないのですが。でもやはり誤解だと思います。
 私は「鉄道ジャーナル」を四半世紀に渡り購読して育った者ですが、趣味誌的な観点をそのまま受け容れていると、「鉄道は追い込まれた」という感覚になりがちです。私もそう考えていた時期があります。
 今までに構築された鉄道ネットワークの全てを是とすると、そのように見えるのは当然です。実は、その根本の検証をしてみる必要があると、私は思っています。昔の鉄道ジャーナルでは青木先生が学術的な検証を加えていましたが(これは今日的な視点から読み返してもかなりレベルが高い)、その検証を「常識」の線まで持ちこめなかったところに、趣味誌としての限界があったと思います。

 私がなにを言いたいのか、以上を読んだだけではおそらく理解して頂けないと思います。これを論じるには、背景から説明する必要があるので、機会を改めて論じたいと思います。
 おそらく来月に入ってしまうかと思いますが、常設板にて論じたうえ、自分のHPで補足する、という手順を考えております。お待ちください

Re:交通論と他の要素を混同しないように
 投稿者---とも氏(2002/08/22 00:01:20) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

Tom様
 私が示した女性のマイカー志向についても、あくまで地方における交通志向について語っています。
 このことについては男性であろうと変わりません。
 仮に地方の男性がワックスで磨いていたとしても、それは交通論の本筋からはどうでもいいことです。

栗栖様
 ところが男性の場合、車そのものが「目的」になっているケースがとても多いように思われてならないのです。
 自動車オタクには、二つの意味があります。
 まず一つ目は、運転の楽しみ。過剰なパワーやスピードを追い求める。いわば「マイカー運転志向」です。
 もう一つは、自動車という「物体」そのものに対する執着。つまりより大きな車を所有し、毎日ワックスがけにいそしみ、車内をこまめに掃除し、わずかな傷も我慢ならない。これは「マイカー物体志向」です。

 この二つの楽しみはあると思います。ただTom様が書かれているようにそれと交通選好は別物ではないかと。確かにクルマの運転を目的にした行動はありますが、それを否定するのならカシオペアやトワイライトエクスプレスはダメということですね?YS11を動態保存することもダメということになります。
 それでは目茶苦茶です。
 であるから分けて考えなくてはならないのではないですか?
 交通事故や環境云々はここでは別問題です。栗栖様の論点であれば交通を趣味にすること自体が間違いです。環境にやさしくないのならダメならばアウトドアもキャンプもダメなんですよ。料理をするのに火を使うより電力を使うほうが良いと断言し、中華料理などダメだ!というのと次元は同じなんです。
 趣味は趣味です。それを移動そのものの論法に当てはめるとどっかで無理が出ます。

 車に興味のない人は、大家族でもない限り軽自動車を買うはずです。
 自動車をあくまで交通「手段」として捉えるなら、軽自動車で十分ですよ。軽のワゴンは荷物も多く積めますし。

 軽自動車じゃ4人が限界です。大家族ならステーションワゴンになりますよね。
 荷物といっても軽じゃ荷物を積んだら乗れないですよ。
 だから一面に捕らえちゃだめです。3ナンバーを必要性があって買う人だっている。3ナンバーでもエスティマのように環境負荷の軽減を図れる車もある。一概に自動車オタクがダメというのは一面的すぎます。
 確かにクルマを買うのには自分の趣味での選好が入りますよ。家だって自転車だって色や形は好きにするじゃないですか。クルマだって安い買い物じゃないんです。好きな形や機能を選ぶのは当然。それを否定はできません。

 私の場合、まさに車好きですよ。結婚するまでは30年前の輸入車を転がしてました。でもキッチリメンテナンスをして手入れさえすれば今の日本車なんかよりずっと燃費が良く、1リットル当たり20kmは余裕です。
 でも環境がよいとかそんなことを考えて買ったわけではなく、単にそのクルマが好きだから、まさに大人のおもちゃなのでしょう。
 でもそれを否定される筋合いはないです。それがいけないのなら、蒸気機関車のリバイバルなど言語道断です。燃費は悪く沿線に悪影響も与える。観光客は来るけどその観光客による環境破壊もあるんです。言い出すとキリが無い。

***
 石原氏は政界きっての環状道路整備論者ですが何か?
 都知事になってから一貫して環状道路整備を訴えてますよね。40年間反対で止まっていた道路を動かしましたし。3環状9放射ネットワークは整備すると言ってます。
 小林よしのり氏が免許を持っていないことと交通論はどう関係するんですか?
 竹村健一氏が騒ぐことでが国の方針が変わるのですか?
 道路とパーキングというのは私もむやみやたらにつくればいいものなんて思っていません。これからは空港や新幹線駅と高速道路の連絡や都心部の環境改善、環状道路、地方都市間の円滑な移動が出来るレベルの道路整備を進めたほうがよいと思いますよ。ただ、だからといって全く無駄ではないのです。駅前にパーキングをつくる施策はよろしくないのですか?欧米では当然の公共交通利用促進策ですよ。

 有料道路のロードプライシング的効用は私はないと考えます。実質的に首都高の日常の渋滞なら一般道を走るより早い。だからこそ首都高を使う車が多いんです。それでは効用などないではないですか。
 費用を出す意味=費用対効果を利用者が認めているんです。そうなるとロードプライシングの意味がないですね。効果が費用を上回っているんですから。

 東京においてはすでに時間不正確性という心理的な抑制が強く働き、通勤などの基本的移動においては圧倒的に鉄道のシェアが高いです。自動車移動は東京でも不便な環状方向の流動などがある程度で、ほとんどが鉄道です。
 そのような地域と地方を同一レベルで扱うことに非常に疑問を感じます。
 地方都市と大都市ではまったく別な考え方をしなくてはならないでしょう。

 さらにいえば高速道路を無料化したところでさして変わらないでしょう。
 高速に乗りたくない人は最初から乗らないですし、乗りたい人は乗ってます。
 いわゆる「道路整備と交通量のイタチゴッコ」論なんですが、総需要がある程度決まっていて、供給量も決まっているのなら変動は誤差の範囲でしかありません。新規需要創出はありえますが、供給量の増加を上回ることは絶対無いですし。現に無料開放されて大幅に交通量が増加した延長の長い道路などありますでしょうか。交通量が増えたとしてもその分下道が減ったのなら大きな環境改善になります。
 そこをどうお考えですか?

 公共交通が利用されない点については、ドライブが目的の人以外について何故減ったのかを分析することこそ必要です。

 近年、JR四国が特急通勤+駐車場整備を盛んにPRしていますね。JR東日本は山形新幹線各駅に無料駐車場を整備し、鉄道利用をしやすくする工夫が盛んにされています。こういった工夫を進めることが結果的に公共交通の利便性向上になるのです。
 人間の移動はドアtoドアなんです。でも公共交通にはそれはできない。やる方法はデマンドサービスなどの方法である程度できているものの特殊例です。
 であるから自家用車と鉄道の施策をミックスさせる工夫なんです。
 そこを考えずして「自動車交通はダメ」という思想ではまず転換など生じません。
 このあたりはいっくらでも論文も本も出ています。そういった書物をお読みになってはどうでしょうか。

Re:交通論と他の要素を混同しないように
 投稿者---栗栖克寛氏(2002/08/22 02:58:06)

→欠礼の儀は平にご容赦願いますが、これはまさに「インテリ」らしいご発想とお見受けします。ビジネス利用はともかく、私的な移動において、車の好きな者はなるべく車を使おうとするでしょうし、鉄道の好きな者はなるべく鉄道を使おうとするでしょう。民衆の欲望は数学のように合理的にはゆきません。

 確かにクルマの運転を目的にした行動はありますが、それを否定するのならカシオペアやトワイライトエクスプレスはダメということですね? YS11を動態保存することもダメということになります。
 蒸気機関車のリバイバルなど言語道断です。燃費は悪く沿線に悪影響も与える。観光客は来るけどその観光客による環境破壊もあるんです。言い出すとキリが無い。

→これは次元の違う話ではないですか。イベント列車は鉄道側の商売であり、イベント列車を運転してまで増収を図らねばならない事態に鉄道事業者を追い込んだ原因を探らねばなりません。もとよりイベント列車は、鉄道事業者の経営が苦しいという証左なのであり、経営が安定していればイベント列車など走らせる必要はないのです。一例として、東海道新幹線や山手線にイベント列車が走りますか。走るわけないでしょう。

 趣味は趣味です。それを移動そのものの論法に当てはめるとどっかで無理が出ます。

→これもあくまで交通の専門家らしいお考えです。自動車マニアの「数の多さ」による弊害はあろうかと存じます。学術的には国民一人ひとりが利便性や時間、費用を総じて熟考のうえ、交通行動に出るということになるのでしょうが、現実には個人の嗜好が入り込んでくるのが実態です。

 軽自動車じゃ4人が限界です。大家族ならステーションワゴンになりますよね。荷物といっても軽じゃ荷物を積んだら乗れないですよ。だから一面に捕らえちゃだめです。3ナンバーを必要性があって買う人だっている。

→いやだから、必要があればいいんですよ。問題なのは必要以上に大きな車を買う場合です。松本人志はベンツでないと仕事に支障がでるのでしょうか。

 3ナンバーでもエスティマのように環境負荷の軽減を図れる車もある。

→使い方次第でしょう。

 一概に自動車オタクがダメというのは一面的すぎます。
 確かにクルマを買うのには自分の趣味での選好が入りますよ。家だって自転車だって色や形は好きにするじゃないですか。クルマだって安い買い物じゃないんです。好きな形や機能を選ぶのは当然。それを否定はできません。

→自動車オタク自体はかまいません。問題なのは交通体系をおよそまじめに考えず、ただ快適にドライブしたいという理由だけで交通を論ずることです。
 そもそも貴殿は「軌道原理主義者」にうんざりなさっておられるのでしょう。どうして「自動車原理主義者」にはうんざりしないのですかね。不思議でならないのですが。

 石原氏は政界きっての環状道路整備論者ですが何か?
 小林よしのり氏が免許を持っていないことと交通論はどう関係するんですか?

→いやですから、車好きという私的趣味を持ち込むことが問題だと申し上げておるのです。彼らはもとより車に興味がないわけだから、いいではありませんか。

 竹村健一氏が騒ぐことでが国の方針が変わるのですか?

→何をか言わんや。テレビの視聴率は1%でざっと100万人ですぞ。まして「報道2001」は毎週政治家が出演するまじめな政治討論番組です。しかも竹村氏は日本中に「竹村会」なるものを組織し、精力的に活動しています。

 道路とパーキングというのは私もむやみやたらにつくればいいものなんて思っていません。これからは空港や新幹線駅と高速道路の連絡や都心部の環境改善、環状道路、地方都市間の円滑な移動が出来るレベルの道路整備を進めたほうがよいと思いますよ。ただ、だからといって全く無駄ではないのです。駅前にパーキングをつくる施策はよろしくないのですか?欧米では当然の公共交通利用促進策ですよ。

→駅利用者以外の者が駐車する実態もかなり聞かれますが。

 有料道路のロードプライシング的効用は私はないと考えます。
 さらにいえば高速道路を無料化したところでさして変わらないでしょう。高速に乗りたくない人は最初から乗らないですし、乗りたい人は乗ってます。
 いわゆる「道路整備と交通量のイタチゴッコ」論なんですが、総需要がある程度決まっていて、供給量も決まっているのなら変動は誤差の範囲でしかありません。新規需要創出はありえますが、供給量の増加を上回ることは絶対無いですし。現に無料開放されて大幅に交通量が増加した延長の長い道路などありますでしょうか。交通量が増えたとしてもその分下道が減ったのなら大きな環境改善になります。
 そこをどうお考えですか?

→いつでしたか、ある政治家が言っていたのですが、香川から岡山へ行く場合、高松の駐車場に駐車し、そこからマリンライナーで岡山へ向かう人が多いのだそうです。いうまでもなく瀬戸大橋の通行料が高いためです。これぞまさしくロードプライシング効果ではないですか。もし瀬戸大橋が無料化されれば、JR四国は大打撃でしょうね。
 それに、アクアラインやしまなみ街道にしても、通行料を引き下げて車を増やそうとの意見がたびたび聞かれるではないですか。
 さらには、過日産経新聞に載っていたのですが、トラック運転手のなかにはできるかぎり高速代をケチり、一般道を走る人がかなり多いんだそうです。「本当は高速のほうが楽なのだが、高いからね」というコメントもありました。
 貴殿は分限者(だろう)からおわかりにならないのです。故・湯川利和氏の述べたとおり、吝嗇的多面利用を見落としてしまうととんでもない過誤をやらかす仕儀となります。

 東京においてはすでに時間不正確性という心理的な抑制が強く働き、通勤などの基本的移動においては圧倒的に鉄道のシェアが高いです。自動車移動は東京でも不便な環状方向の流動などがある程度で、ほとんどが鉄道です。
 近年、JR四国が特急通勤+駐車場整備を盛んにPRしていますね。JR東日本は山形新幹線各駅に無料駐車場を整備し、鉄道利用をしやすくする工夫が盛んにされています。こういった工夫を進めることが結果的に公共交通の利便性向上になるのです。

→通勤費は事業所が負担してくれるでしょうから、吝嗇的多面利用がはたらかないのです。山形新幹線についても、新幹線を利用したい人は駐車場があろうがあるまいが利用するでしょうし、近距離移動にあっては目的地までマイカーで一直線です。
 それに、そのような東京の交通事情なるものを、竹村健一はじめ民衆がどこまで理解しているかも疑問です。彼は東京の交通渋滞は困ったものであり、早急に道路を整備する必要がある旨ばかり唱えているのですよ。ご自分の知的レベルを大衆に当てはめるのはインテリならではの誤りと存じます。

企業は通勤費までは甘くはない
 投稿者---Tom氏(2002/08/22 05:15:21)

 栗栖さんは退役後民間企業に勤めた経験がないとお見受けします。
 残念ながら今の企業はそこまで従業員には優しくはないです。
 たしかに業務上の外出・出張の場合は「時間優先」で新幹線特急料金を払うことは大目にみますが、通勤に特急を利用することは、一部の例外を除き認められていません。新幹線通勤は数少ない例外ですが、特急と異なり圧倒的な時間短縮効果に加え、首都圏などではバブルの際に住宅取得が困難になった為の措置です。私の会社のようにもう首都圏でも住宅取得は可能だ、ということで、個人都合による新幹線通勤の制度を廃止した会社もあります。

認識の誤りは結構ですが
 投稿者---とも氏(2002/08/22 11:10:06) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 大変無礼な書き方ではございますがご容赦ください。

 これは次元の違う話ではないですか。(略)

 大きな誤解ですね。
 ドライブは=車での旅の解決さを楽しむことと観光地などをめぐり観光することです。これは鉄道を使って旅をする=鉄道が豪華絢爛な快適性のある移動を目的としたものを整備するというのと何が違うのでしょうか。
 栗栖様は自動車の運転=好きで運転と思われているようですが、全くの誤解といえましょう。なにも分限者だのインテリだのということではなく、現実問題として使い分けはだれもが行っていることです。それをあえて自動車オタクなどというくくりを持ち出して話をするからややこしい。
 簡単な話なんです。自動車か公共交通か。それを皆考えている中で、いまでは地方部では圧倒的に自動車が有利なんです。これは仕方がない。低需要が増え、公共交通ではトータルコストアップにしかならないのならば、自動車に頼るのは当然の考え方であり、であるからこそ需要が集まるところで公共交通に転換させるパークアンドライドが受け入れられるのです。

 これもあくまで交通の専門家らしいお考えです。(略)

 個人の嗜好は入るでしょうが、それが大勢に影響が与えるほど大きいのかということですよ。個人の嗜好において自動車が使いたくて、どこでもかしこでも自動車で移動するのが普通ですか?ということです。
 だれも考え込んだりしませんよ。「どっちが速くて便利で安いかな・・・こっちだ」というのは普通にすることではないですか?近所のスーパーなんかであれば普通考えないですよね。でも松山でも高松でもいいんですが都心へ出ようと思ったら「あそこなら電車で行ったほうが帰りは楽」といったレベルです。
 とにかく車だ!なんて人はいないですよ。

 自動車オタク自体はかまいません。問題なのは交通体系をおよそまじめに考えず、ただ快適にドライブしたいという理由だけで交通を論ずることです。(略)

 自動車原理主義という方に私はお会いしたことが一度もないですが、自動車移動を前提にされる方に対してのウンザリ感はありますよ。
 でも、軌道主義の方と違い、軌道でもバスでも便利なら受け入れるというケースがほとんどです。軌道主義の方のように自動車移動=悪と決め付けているような人などどこにもいませんね。だから栗栖様の意見に納得いかないのです。自動車移動=悪とみなすかどうか。みなしたら議論にならないんですよ。必然性があって使うケースをも無視した議論になる。若い男性が車を磨くのがけしからんとなる。それは交通論とは全く関係が無い。
 「交通」において考えなくてはならないのは移動そのものが目的となっているドライブなどではなく、どこかに行く目的を有する行動で何を使うかという視点です。逆に言えば、自動車主義の人がカシオペアに乗りたい人をどう減らすかといっても魅力ある商品によっているのですから代替はないんですよね?
 ドライブもおなじです。それが魅力化しているから代替はない。あえて言えば特定目的地へのドライブ、すなわち単なる往復ならばいかにして公共交通の利便性を上げるかという話に帰結はできます。
 でも栗栖様の論は頭ごなしに否定ですからまったくもって議論にならない。

 いやですから、車好きという私的趣味を持ち込むことが問題だと申し上げておるのです。彼ら(石原慎太郎・小林よしのり)はもとより車に興味がないわけだから、いいではありませんか。

 それとこのお二人がどういう関係があるのでしょうか。
 交通論を語る板なんですよ。そこに特定個人が車に興味が無いからいいとはなんですか。だったら最初から書くべきではない。
 栗栖様の論法に解決策がまったくもって見えません。車好きの方がいけないというのならじゃどうすればいいんでしょうか。旧東ドイツのようにみなトラバントに乗るんですか?それとも車の所有を禁ずるのですか?栗栖様の論はまったく見えません。ご教示いただけますでしょうか。

 何をか言わんや。テレビの視聴率は1%でざっと100万人ですぞ。(略)

 国の方針はそんなことで変わりはしませんよ。
 それだからといって「道路!道路」という人が増えるとはとても思えません。
 だったら公共事業見直し論議で道路がここまで槍玉にあがりますか?

 駅利用者以外の者が駐車する実態もかなり聞かれますが。

 駅の高度化利用ということで都市計画上の評価や地元での評価は高いのですがご存知ないのですか?駅が町の核になるのならいいじゃないですか。しかも鉄道利用者を増やすきっかけにもなっている。
 なにかご不満がありますか?

 いつでしたか、ある政治家が言っていたのですが、香川から岡山へ行く場合、高松の駐車場に駐車し、そこからマリンライナーで岡山へ向かう人が多いのだそうです。(略)

 私は無料化に否定的な立場ですが、誤認にもほどがありますので。
 瀬戸大橋や六甲山トンネルなどこの発想でパークアンドライドを成功させているところはいくらでもあります。それは認めますが、それは無料化云々の問題では特殊例ではないですか。
 無料化したところで一時的なものは別として、大きな移動需要の変化は考え難いのです。移動需要が変わらなければ交通手段の転換が生じるだけ。無料になるというのは並行する一般道があってこそ転換が生じる。そもそもその橋しかなければ新規の流動が起きない限り増加はしないのです。そこを通らざるを得ないから。
 そこなんですよ。瀬戸大橋にしても鉄道が何もしないのならそれは自動車に転換します。でもいくら無料になっても結果的に電車が速いとか市街地内での車移動に難があれば鉄道が利用されるんです。

 それに、そのような東京の交通事情なるものを、竹村健一はじめ民衆がどこまで理解しているかも疑問です。

 東京の交通事情は東京に住んでいる人は皆理解してますよ。銀座や新宿に買い物に行くのなら電車が普通です。自動車は荷物が多いとかまさに手段としての自動車利用をする場合です。そんなことは住んでいれば皆わかる。意識せずとも移動手段選好をやっているんです。駐車場も高いし待ち時間も長い。だったら電車でいいじゃないかとなる。環状道路はあまりにひどい東京の渋滞を皆実感し、必要と感じているから民意を得ているのではないですか。
 地方部ではバイパス整備が進み、そうそう見られる光景ではなくなっていますが、都内では住宅地の抜け道路地を大型トラックが走り回るなどごく当たり前の光景です。それが異常なんです。だから環状道路の整備に賛同が得られる。通常の渋滞解消云々とは全く違う視点なんですよ。
 今の東京都心への交通はいくら環状道路が出来ても、受け皿の駐車場もないしそのコストも高いからそうそう新規転換は起きません。それは皆実感でわかっている。東京なら駐車場は30分で300円が相場でしょう。ちょっと買い物したら1,000円近くになります。その時点で吝嗇的多面利用云々ではないその場の絶対値で鉄道に圧倒的なコスト優位がでる。だから関係ないのです。大阪も名古屋も福岡も札幌も同様です。

 栗栖様は自動車=悪であまりに一面的に捉えすぎている。これでは議論にもならないし答えもでませんが、どうしたらよいのでしょう。

 それでは

2005.07.20Update

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