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(過去ログNo.)

関越道バス事故-『起こるべくして起こった』の先に

投稿者---551planning (2012/04/30(Mon) 07:38)

その日の前夜は久しぶりに楽しい会食-いろいろ勉強させられたのだが、一眠りして早朝からの勤務のため6時前にカイシャ入りする直前に届いたニュース速報メール-「関越道でバス事故 10数人けが」 GW入り直後とあってその文面を見る限りでは多重事故の巻き添えかな、と思ったのだが、直後に飛び込んできたヘリ空撮映像に思わず背筋が凍りついた…まさにバスが防音壁に突き刺さっているではないか! カラーリングから貸切バス、恐らくツアー系かなとはすぐに想像がついたが、その時点でちらと見たHariu Expressの筆記体文字に、羽生?見間違いか…とピンとは来なかった。

取り急ぎ各所にメールするとともに、本職としても情報収集を開始したのだが、今回ばかりはNHKの機動力に瞠目させられた。事故発生は04:40頃、i-HIGHWAYの通行止情報が05:30前の掲載、共同通信速報が06:31、時事通信速報が06:36の配信で、日曜ということもあって民放キー局も一部で7時前のニュースでJNN系の現場地上映像が最も速かったほかはテキストベースの一報が間に合った程度、いつも南関東の火災等ヘリの機動力に定評のある日テレNEWS24に至っては07:30前にようやく一報を入れたという中、NHKは06:00時点でのヘリ空撮に次いで07:00段階で現場の地上からのリポート入り。更に「針生エキスプレス運行」の報道に加え社長への電話取材で当該運転手から事故直後に電話連絡があった旨報道。空撮映像で単独事故であろうことは判っていたので、この社長コメントで恐らく居眠りか脇見運転による事故であると感じられた。
この時点で気になったのが、まず事故発生場所。空撮映像では藤岡JCTの上信越道合流手前の関越道上、金沢(・高岡)から新宿(・TDR行/カッコ内はその後判明)ツアーバスとなっていたので順当に考えれば上信越道経由じゃないのかなとも思えたのだが、関越道のほうが「走りやすさ」ということでもあったのだろうか。そして一時錯綜した乗車人数。「45人」は乗客なのか乗客乗員なのか、順当ならば乗員は2人だろうし…と思っていたのだが、結果的には乗客45人乗員1人のワンマン運行であったことが判明する。

07:00段階で5人心肺停止状態の報道、ヘリ空撮ではトリアージが実施され、ブルーシートが被せられている状況が生々しく見受けられた。08:00段階の現場リポートでもまだ負傷者が現場に残っているとの報道があり、09:00前には7人の死亡を現場の医師が確認と伝えられた。この段階で、当該運転手が事故直後自ら挟まれる中で警察・消防・会社に電話を入れていたことも判っているので、犠牲者が全員乗客であることは間違えようがなかった。 事故発生段階で2007/02のあずみ野観光吹田事故(乗員1人死亡乗客乗員26人負傷)を想起した方も多いかもしれないが、あのヘリ映像ではそれを超えてしまうであろう厳しい状況…となると、過去の記憶を辿ってみても、2003/08の西鉄中国道多重事故(乗員2人死亡乗客等36人負傷)、2005/04の近鉄磐越道横転事故(乗客3人死亡乗客乗員20人負傷)辺りしか出てこない。となると、1985/01の三交犀川転落事故(乗客乗員25人死亡21人負傷)以来の重大事故ということになる。事実、警察庁によると高速道路上での単独事故として死者7人は過去に例がないという(多重事故でも過去3件に次ぐ最多同値)。

もしあと10m、いや5mでも先で防音壁に接触していれば、このような大惨事にはならなかったであろう。まさに最悪の条件が重なり合っての事故なのだが、早くも高速バスと高速ツアーバスの混同や「安かろう悪かろう」的視点、更には車両軽量化による惨事-といった報道が散見される。今後、ワイドショーや週刊誌等で更なる情報洪水となることは間違いない。
事故発生状況の解明が求められるのは当然として、『起こるべくして起こった』というコメントを見るにつけ、本当に防ぐ手立てはなかったのか、その声は届いていなかったのか-「新高速バス」制度移行はおろか、未だ“高速バスとは論”すらも広く一般には知られていない状況の中で、まさに現場がどのように動こうとしているのか。まずは冷静に事態推移を追いつつも、「利用者の立場から情報発信する必要性」というものを改めて痛感している。

国交省が事故後いち早くやるべきだったこと

投稿者---551planning (2012/05/07(Mon) 21:40)

事故発生から1週間以上が過ぎ、背景がかなり伺えてきたような気もする一方、“闇の深さ”に暗澹たる思いが…NHK「クローズアップ現代」の業界関係者インタビュー他を見ての「直感」です。

その一方で、このリリースをせめて05/02までには見たかったな、という気にさせられたのがもうひとつ。上記番組でも結果的に安全軽視だったのではという“演出感”すらあった「バス事業のあり方検討会」が決めたこと=高速ツアーバスを「新たな高速乗合バス」へ移行という部分を、国交省は今こそ強調すべきと思うのです。

まずは出揃った各種対策を見て

投稿者---551planning (2012/06/30(Sat) 10:45)

事故からまる2ヶ月、夏の繁忙期を前にまずは一山…ということのようです。ちと掻い摘んで見てみると-。

  • 高速ツアーバス運行事業者リストの作成・公表及び同リストの活用
    国交省が把握している事業者は275者。最少4台から、最多は名鉄観光バス474台までまさに雑多。100台以上は10者で、名鉄観光以下帝産、中日臨海、名阪近鉄、三重交通、日の丸、奈良交通、エムケイ、桜交通、ケイエムと続きます。96台で大新東、95台で平成エンタ、WILLERは3社合計で78台となっていますが、さやまが57台、アリーナが48台、旅バスが43台、杉崎観光が42台、富士セービングが36台…等々、いろいろ気になってきますな。本社所在地の県別ではやはり千葉が30者と最多で、東京・愛知・埼玉・大阪・宮城と続きますが、北海道がゼロなのも興味深いところ。沖縄で1者入っていますが…。
    なおこれは暫定リストで、7月中に安全に関する自主的取組状況及び最近の監査状況等がまとめられたかたちで公表される予定となっており、改めてじっくりと見させて頂きますか。
  • 「高速バス表示ガイドライン」の策定
  • 旅行業法の制度の見直しによる安全対策強化
    募集時のネットおよび紙媒体への「高速乗合バス」「高速ツアーバス」である旨および実運行事業者や各種安全関連項目の表示、および高速ツアーバスについては実車にも車外に旅行会社および運行事業者(上記リストの番号込み)の明示や、車内への表示・放送等についてまとめられており、各事業者の対応が注目されます。
  • 「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」の策定
    今回は高速ツアーバスが事故を起こしたものですが、インバウンドやいわゆるメディア系(テレビ・新聞等での露出の高いツアー)を含めた貸切バス全体について、安全配慮を利用者側に認識してもらうためのガイドラインとなっていますが、『単純な価格比較のみで選ぶのではなく、より安全にも留意した選定を促す』という一文にこの問題の根深さが滲み出ているような気がする一方で、価格や行程の実態に踏み込んだ更なる安全性確保に向けた動きも早晩必要になってくるのではないかなと。
  • 「高速ツアーバス安全通報窓口」の設置
    端的に云えば利用者に対するクチコミ窓口ですが、excel(というところからしてまず有効性に劣るかなと)のフォームにはまず氏名電話番号記載欄が。更に個別解答はしないものの記入内容確認のために連絡する場合ありとはますます使われ難いものという気がします。ぶっちゃけ、コレでも送られるようでは相当拙いということで迅速な対応がなされるかなとも?
  • 「高速ツアーバス安全運行協議会」の設置
  • 「地方高速ツアーバス安全対策会議」の設置
    旅行業者を主宰とし、法令遵守に加え自主的な安全確保対策を確立べく現場調査等も行い国又は都道府県に報告する協議会、および地方運輸局を主宰とする会議体を設置するとのことですが、相互の関係性や現行の業界団体たる高速ツアーバス連絡協議会(ETBA)との違い等、機能性や機動性が気に掛かるところですが。

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課題山積の中で…新「バス事業のあり方検討会」は短期集中型に

投稿者---551planning (2012/10/26(Fri) 07:24)

2010/09の総務省勧告(貸切バスの安全確保対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告)を受ける形で同年12月からスタートした「バス事業のあり方検討会」(座長:竹内健蔵東京女子大学教授)。業界内で抜き差しならない状態となっていた高速ツアーバス問題を中心に議論が重ねられた結果、2012/04/03に最終報告書が公表され、いわゆる「新高速バス制度」への移行が決定するとともに、その対応のフォローアップ会議および貸切バス事業そのものについての運賃・料金規制や営業区域規制に関するワーキンググループ設置へ-となっていました。
しかしながら直後の04/29に発生した関越道高速ツアーバス事故により一気に社会的関心事となり、2年間での移行とされた新高速バス制度が事実上1年間に前倒しされるとともに、各種緊急対策の実施、過労運転防止や監査のあり方に関する検討会設置などが行われたのは未だ記憶に新しいところですが、それら諸問題・対策等幅広い事項を検討すべく、新たに「バス事業のあり方検討会」が開催されることとなり10/25に1回目が開催されています。

行政関係者を除く委員構成は、前回15名(学識経験者3・有識者2・業界関係者7・労組関係者3)だったのが19名(学識経験者5・有識者2・消費者代表1・業界関係者7・労組関係者4)に増員、行政関係者でも政務官が加わっています。委員の多くが留任となる中、前回座長は降りられたものの学識経験者は著名な方ばかり、消費者代表として国民生活センターの方が新たに参加したほか、業界関係者もバス協3氏(京成・日の丸・神姫)とWILLERに加えJTB・クラブツーリズム・新日本ツーリスト(コトバス)とより現場感が強められたほか、労組系では連合も加わっています。
で、昨日はニュースが多かったこともあってか現時点で報道があまりない(むしろ富山での関心度は注目に値する)のですが、さすがこの問題について情報発信を続けている交通労連ブログが詳報しています。

前検討会は議論紛糾に加え東日本大震災発生により足掛け2年以上を要したものの、今回は来年3月までの取りまとめを目指し短期集中的に会議が行われる様子…とはいえ議題は広範に渡るなか『本日の論議は、これまでの各種検討会の論議経過が主体で、唯一、協議したのは「運行管理制度の強化」、これとて既に時間がないなかでの協議となり、尻切れで会議は終了』した由、『検討の趣旨は十分に理解できるが、複数の検討会での協議内容をこの短期間でまとめるのは容易ではない かといって時間をかけすぎるのもよくないが、一つひとつ課題をクリアして早急に対策を講じないと、第2の「陸援隊」を生み出しかねない』と指摘しています。
その「陸援隊」針生社長の名義貸しに関する初公判は本日開廷、河野運転手の裁判は未定とのことですが、被害に遭われた方々への思いを馳せつつ司法の場における事故の多面的な背景の検証とともに、もはや目前に迫った新高速バス制度移行について、新参組の対応や既存組の変化、運行管理関連は当然ながらも利用者サイドとしてはバス停をどうするのか等についての行政の場における議論経過をも注視してゆきたいと思っています。

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渋谷・新宿5980円、上野3000円・千葉3500円-とはこれ如何に?

投稿者---551planning (2012/05/14(Mon) 13:17)

関越道事故で書くタイミングを失っていたのですが…同種の例は他にもあろうかと思いながら、どうしても目に付いてしまうもので。

前者は1989/12から運行している枚方・京都~渋谷・新宿線、関東バスとの共同運行(東京ミッドナイトエクスプレス京都号)で、1992~2008までは宇治系統も設定される老舗的存在、独立シート3列車が充当されています。
後者は1989/10から運行している京都・大津~上野・西船橋・TDL・千葉線、京成との共同運行(きょうと号)だったのが、新宿系統の渋谷経由化と同時期の2002/04から上野・海浜幕張経由化といったテコ入れが実施されたものの、2006/01には京成単独運行化(京阪は京都側運行支援)ーこの際3列から4列シート車に変更の上片道5000円(往復9500円)に値下げと格安路線にシフトチェンジ。それでも2009/05からは原則週4日運行と先細りしていたものの、2010/07に千葉中央バスに移管され毎日運行化に復帰…といった変遷が。

で、前者は通常片道8180円(枚方8360円)のところ、05/14~07/31までの月~木発便で全線5980円という割引キャンペーンを実施。関東バスサイトでは“やっぱり「きょうと」だね!キャンペーン”と称していますが、こちらはこれまでも何度か打たれた施策。
後者も値下げですが上野で月~木3000円、金・休前日4500円、土休日4000円の曜日変動化を実施。往復割引は廃止されますが『なお、往復割引が廃止になりましても片道ずつのご購入で、これまでの往復運賃と同額もしくはそれ以下の運賃でご乗車いただけます』とアピールに余念がありません。ちなみに千葉中央バスサイトでは05/02のリリース掲載、関越道事故を受けてなのか『夜行高速バスが驚きの新運賃に!!』よりも『安心の2人運行!!』の文字が大書されていますね。

それにしても東阪間の路線系では最安値になるのではないでしょうか。伝説?の超得割青春号「補助席2100円」はいざ知らず、現行ではフライングスニーカー、カジュアル・ツインクルの3900円、青春エコドリームの3500円でしょうがいずれも早売5のもの、こちらは極端に云えば当日でもいいはず-まさしくツアーバス価格をも上回る?わけですが、先般の事故後改めて“高速ツアーバスのあり方”に耳目が集まっていますが、その一端には路線系の応戦もあったわけですし、つまるところ「ニーズもあった」といえるわけで…各社の戦略、思惑があるでしょうからなんとも云えませんが、個人的には京阪バスがどのような売り方をしてゆくのかを注目しています。

回送を減らして安く・・・・

投稿者---THEある日氏 (2012/10/13(Sat) 13:08)

これほど各地で路線の高速バスを安売りしてます。
だが、経費節減は回送を減らしてではないでしょう。

これは高速バスの便数が少ない、青森県でしにくいが、盛岡であれば、仙台行は次の便までの間隔が長くて1時間ほどの間隔で発つので、仙台の郊外行をしやすそうです。
つまり、盛岡から仙台に着いた高速バスは仙台北部へ回送するので、夕方の便は仙台都心部に行かなくして、北部の地下鉄の駅までとすると、回送の距離を大幅に減らせて、しかも北部の郊外に直通されます。
逆に、盛岡行は仙台北部始発で、仙台都心部経由にです。
そうして、回送を減らして経費節減して安くすれば、新幹線にない需要ができそうでしょう。

そうで、仙台は新幹線と乗換えしにくいので、高速バスが仙台北部直通は便利さがあって、しかも安売りしやすそうです。
そうして、新幹線の駅が郊外にできても、北上市や花巻市ほどの都市であれば利点がなくて、新幹線も高速バスも需要ができそうにないでしょう。
だが、仙台北部の大衡村に新幹線の駅ができたら需要があっても、高速バスの需要が減りそうです。高速バスは仙台から仙台北部行の近距離も需要が減りそうです。
そうならないためにも、仙台北部から盛岡行の高速バスをしてからです。


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