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“富士桜”の挑戦と挫折

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【検証:】過去ログ特撰-“富士桜”の挑戦と挫折

(過去ログNo.)

福島~仙台高速バス、値下げ競争第2ラウンドへ

投稿者---wataru氏(2004/01/20 22:47:20)

「駅前広場は誰のもの」でも取り上げられていた福島の富士交通ですが、今日付の日経流通新聞によると再度の値下げに挑むようです。

件の記事によると、値下げは当面3月末までの期間限定で、仙台~福島・郡山・山形間についてそれぞれ往復料金を200円引き。前回の値下げに対し既存3社(JRバス東北、宮城交通、福島交通)が追随した結果、富士交通は1便あたり平均乗客数が20人から15人に減少。昨年末から共同運行を始めた桜交通も1便あたり平均乗客数が10人程度にとどまっているそうで、巻き返しには再度の値下げが必要と判断したとのことですが…企業の体力的に持ちこたえられるのでしょうか?
何にせよ、安全面への対策がおろそかにならないことを祈るのみですが。

興味深いチャレンジャーの「現実的」展開

投稿者---551planning(2004/01/21 13:40:47)

気になっていたので書こうと思っていましたら先を越されました…御紹介有難うございます。
富士交通絡みの新聞記事はその前にも出ていました。

2002年10月の富士交通参入で仙台-福島・郡山線は俄かにヒートアップ、ついには公取委の既存3社(宮城交通・福島交通・JRバス東北)への口頭注意という事態にもなり、その後富士交通の福島駅前バスプール乗り入れが実現したりと細かい展開を見せていますね。
それにしても福島と郡山に拠点を持つ桜交通(本社は白河)とはいいパートナーを見つけたものです。貸切業界の風雲児的性格も似てますし。富士交通としては「相棒」を手に入れたことでダイヤに余裕が出たのか、遂に02/07に「ドル箱市場」仙台-山形線参入で「次のステップ」に踏み出す事となりました。たださすがに“勉強”したのかワンマン運転になるなど「現実的」になっているようですが。

***
「現実的」といえば、出色の展開を【検証:】でも注目している日本中央バス(NCB)が1/17に長距離夜行バス3路線目となる仙台線を遂に開業までこぎつけました。前からできるできるとされてなかなか実現しなかった印象がありますが、今回注目すべきはなんといっても「共同運行」となったこと、しかもお相手は富士交通と張り合っている宮城交通です。
NCBは羽田線で東京空港交通と、池袋線で西武バスと共同運行をしてはいますが、名古屋・大阪・金沢と展開してきた長距離(半)夜行バスでは果敢というか無謀というか、単独運行を貫いて?きました(単に相手がいなかったという話も)。それについての弊害も実際聞かれていた事から、今回の選択が吉と出ることを期待するものですが、それにしても両地域の流動って…。

富士交通の「次のステップ」を迎え撃つのは

投稿者---wataru氏(2004/01/21 15:25:35)

富士交通としては「相棒」を手に入れたことでダイヤに余裕が出たのか、遂に2/7に「ドル箱市場」仙台-山形線参入で「次のステップ」に踏み出す事となりました。

ところが、そちらにも既存業者の新たな対抗策が…さて、200円の金額差とフリークエンシー確保のどちらに軍配が上がるのか?

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そこまでやるか

投稿者---wataru氏(2004/02/12 15:31:21)

今日の日経流通新聞によると、宮城交通・福島交通・JR東北バス連合軍も、20日より富士交通と同じ水準まで値下げを行うそうです。
3ヶ月限定とのことですが、福島線往復1,200円、郡山線往復2,400円(各200円値下げ)となります。

山形線も「価格競争」になるか?

投稿者---551planning(2004/02/24 14:12:55)

やはりというかついに(早くも?)というか…。

山交は価格競争を嫌っていましたが、ついに体力勝負に追い込まれますね。なにしろ「選択乗車」の雰囲気が出ているともされていますし、背に腹は代えられないということでしょう。しかし停留所増加とは露骨といいましょうか、現在の山交ビルバスターミナルからだと裏道から表通りに廻る段で富士交通の出発地を経由するのですが(といっても両地点はほとんど斜め向かいのビルの位置関係)、富士交通の停留所に併せて「物量作戦」で掬い上げるということでしょう。料金が同じになれば、付帯サービスがほとんど変わらない(添乗員サービスがない)同路線の場合、客足が戻るのはより目に見えているといっても過言ではないでしょう。
なおそんな背景については、地方紙でも出ているかもしれませんが、朝日が追跡取材をしておりまして、21日も纏まった記事が出ています(2chによればさらに本紙では富士交通社長インタビューもあった由)。

それにしても両記事とも『東京-つくばセンター線・東京-鹿島線に次いで本数の多い過密優良路線』という趣旨ですが、福岡-小倉や札幌-小樽などは同一道県ということでノーカウントなのでしょうかね?

さてこれで先ずは富士交通がどう出るか、「先輩路線」では増便もありましたが、回数券辺りで更なる価格競争に進むのか…まだまだ目が離せないようです。

遅ればせながらJRも参入

投稿者---wataru氏(2004/03/29 23:03:17)

1枚当たりだと750円となり、バスに肩を並べることとなりますが、いかんせん本数と時間で対抗できないのが現実でしょうか。
この区間で、果たして鉄道はどのような部分でアドバンテージを打ち出し得るのでしょうか?

競争激化の弊害

投稿者---3京新聞氏(2004/04/16 00:36:41)

競争は良い面もありますが、こういう副産物も生んでしまうのでしょうかね。苦情が年間3000~4000件(桁が間違っているような・・・)とは相当なものです。特に福島便・山形便の競争が激化した2002年度以降に急増しているそうで・・・。東口バスプールの話も出てきていますが、果たしてどうなることやら。

仙福間は「第3幕」まで来てしまいました

投稿者---wataru氏(2004/05/21 12:43:28)

とうとう、福島-仙台間は500円になってしまいました。
また、記事によると「値下げに伴い客室乗務員とコーヒー・茶のサービスは中止」とあり、運賃面以外での差別化は功を奏さなかったことも読み取れます。
しかし、ここまで競争が過熱化すれば、もはや適正原価がどうとか、コスト削減が云々という問題ではなく、両社のメンツを賭けた消耗戦としか思えませんね。

Re:仙福間は「第3幕」まで来てしまいました

投稿者---wataru氏(2004/05/29 09:27:24)

自己レスですが。
富士交通の捨て身の値下げに、またまた既存3社も追随するようです。ここまでくると、「もう、いいかげんにやめてやれや」と思いますが・・・

こういう対応を取られると、遅かれ早かれ富士交通は撤退を余儀なくされるような気がしますが、果たしてそうなった場合、既存3社は現行の運賃水準を維持するのでしょうか?それとも、何事もなかったかのように回数券の運賃を元に戻すのでしょうか?
そういう時が来てみないと、この競争の真相(各々の努力によるコスト削減等の結果としての正当な競争なのか、単なる新規参入潰しのための不当廉売か)は解明できないのかもしれません。

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富士交通、民事再生法を申請

投稿者---wataru氏(2004/08/25 01:11:56)

仙福・仙山間の仁義なき戦いの結果は、とうとう最悪の事態になってしまいました…
誰もこのことについて書かないようなので、事実のみですが取り急ぎ書いてみました。

Re:富士交通、民事再生法を申請

投稿者---WURE(World's Uniquest Railway Enthusiast)氏(2004/08/25 22:02:48)

WUREです。簡単にレスつけます。

元々費用のほとんどが人件費というバス産業での競争原理によるコスト削減というのは幻想に等しいというのが個人的な感想です。見かけ上そういった現象が見られたとして、待つ結果は運転手の待遇悪化や労働環境の悪化に伴う安全性の低下でしょうか。安全性の問題まではいかないにしろ、サービス産業全体で低コストのサービス向上の代償としてのフリーター問題というのがあるわけで。
なお、競争がコストを意識しながら普通に行われた場合でも、乗客にとって最も望ましいサービスがもたらされるのかどうかには若干疑問があります。あるバス運行コストのもとで平均的な乗客にとって「最も望ましいバスの便数と運賃」の組み合わせがあるとした場合に、路線全体のバスの本数は各会社が独自に決定できるものではないために、競争によって実現される本数が、「望ましいものより多いバスの便数と高い運賃」という組み合わせになる可能性があるからです。
数分の待ち時間の差があまり問題とならない高速路線で、がらがらのバスが頻発する姿を想像してください。仙台近辺の話では高い1人あたりコストは赤字に転化されたわけですが、赤字自身も最終的には消費者に転化されるわけで、資源の浪費が行われた事になるような気がします。

仙山間1年持たず

投稿者---551planning(2004/10/27 18:09:19)

富士交通が仙台-山形線の運行を11/09までで中止、同路線からの完全撤退を発表したそうで。

8月下旬に民事再生法申請、10月から全3路線で数便の減便に追い込まれていたわけですが、月で数千万にもなる赤字に耐え切れずの判断の由。
『(路線が)復活することはないと思う』との社長談がある一方で、貸切事業に専念するとともに仙台対東京・大阪等の長距離路線を伺う(いわば“オリオン的”ツアー形態か?)としているところ、まぁ懲りないというか転んでもタダでは起きないというか…。つい先日もプロ野球新規参入関連でオイシイオイシイなんてなことでマスコミアピールしてましたし…。

個人的には10月の減便時点で、どのルートかをさっぱり捨てるべきだったのではないかと思っていました。ただ、山形線ではなくて効率性向上と利便性維持の観点から郡山線の撤退をなすべきだったのではと。桜交通と福島線のトレードオフというカタチで1社事業に戻して出直すのが理想系に思っていたのですが…。
一方で昨年来県内都市間路線を復活拡大から一転再縮小していた山交バスも、子会社の山形高速バスが福島交通と運行する山形-福島線「ピーチライナー」の今月末での休止に追い込まれるなど手傷を負っています。
風穴を開けた仙山間交通、今後の変化が気になります。

祭のあと…? 続き…?

投稿者---551planning(2005/01/26 11:21:49)

昨年10月に富士交通が減便改正(15→12往復)をした仙台-山形線高速バス。既存社自ら『なんと』と言うように更に増えるそうで。

現行の平日62往復/土休日52往復から、平日は朝夕通勤時間帯を中心に6往復増の68往復、土休日は仙台発夕方便を中心に9往復増の61往復となるとのこと。思えば1年前に富士交通参入目前に大増発改正をしたわけですが、それ以前(平日44/休日40往復)と比べれば1年で既存社だけで50%増といいますから驚異的といいましょうか…。

***
一方の富士交通は対東京や関西方面の会員バスの受け皿となったとも聞いておりますが、高速関連では大人しい限り…それに代わって、というわけではないのでしょうが、「相方」となった桜交通の動きが活発です。
2003年12月に郡山・福島-仙台線に参入、富士交通と共同運行化するとともに郡山では自前の待合所まで設置していました。その後富士交通のブレにあいまって両路線の受け持ち便数を増やす一方、04年9月には郡山-会津若松線を独自開設、既存社(常磐交通自動車・福島交通・会津乗合自動車 31往復)に対して12往復、片道1,000円は同じも往復1,800円の運賃を設定(既存社は4回乗車可能な専用回数券(3,600円 500円券×8枚)あり)するとともに、定期券やシルバー割引、仙台線との乗継割引(通常片道2,800円のところ片道2,100円(往復3,200円)に)、仙台線を含めポイントカード制を導入する等積極的展開を図っていました。
しかしながら、この1/27に若松線は縮小改正となり、平日5往復のみの運行(土休日完全運休)と思い切った形を取ることに。運賃は片道900円、往復1,400円と値下げはするもののポイントカード制は廃止となり、利便性の大幅な低下は否めません。まぁ既存社の若松-郡山-いわき線は高速道路開通前からの伝統路線、あえて運賃面で最初から勝負しなかったところが切り込めなかった敗因かとも思われますが、それにしても完全撤退のほうがすっきりするのではないかと思われるような縮小ぶりの背景には、意外と定着していた?とも感じられるものの、恐らく定期券購入者への配慮による移行的措置というところかもしれず、余計に戦略性の乏しさを感じてしまうものです。

ただし懲りてはいないよう?で、TDRやUSJなどへのバスツアーの展開に加え、1月から福島・郡山・須賀川・白河~新宿・東京・羽田空港方面への会員バス「東京シティライナー」の運行を開始、不定期運行で手探りのようですが、夜行便に加え昼行便にもチャレンジ、現行高速バス「あぶくま号」(福島交通・JRバス関東・JRバス東北)が新宿-福島4,800円、-郡山4,000円のところ同3,500円、2,900円の設定とこちらは大胆。さらにサイトでは3月下旬に高速バス白河-仙台線の開設予定告知もなされており、実は本社は白河の桜交通、高速バス運営のノウハウを掴みつつあるとも感じられます。
富士交通という「反面教師」を眼前に、桜交通の今後も注目されます…。

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富士交通、仙台-福島・郡山線完全撤退か

投稿者---551planning(2005/09/28 00:04:31)

乗合バス事業規制緩和以後、【検証:】では“主戦場となる”と見られていた都市間高速バス・空港連絡バスへの新規参入や競合激化に注目してきたわけですが、空港連絡バスにあっては岡山や長崎の例のように既存社競合の後共同運行化と“調停”が図られ、都市間高速バスについては高松エクスプレス=FOOTBUSのように価格面での過当競争をやり過ぎずに共存化が図られる例や、日本中央バスのようにニッチ需要を狙った臨機応変な展開が出できた一方で、定期乗合認可を得ない会員制バススタイルの台頭による安全面等への懸念といった新たな問題が生じつつあったりします。
そんな中、既存事業者に価格面で真っ向勝負を挑み、公取委まで巻き込んだ泥仕合の果てに、敗れ去ろうとしている事業者が…そう、仙台-福島・郡山・山形線を運行していた富士交通です。現時点自社サイト情報では未だないものの、共同運行の桜交通サイトで残る福島・郡山線の10/12まででの路線廃止情報が出ています。桜交通も機材等調整のためという不思議な理由で一時運行休止を表明、本数維持しての継続意思と捉えていいのかどうなのか…。

メディア等の情報もなく仔細不明なのでなんともですが、時系列を追っておくと、昨年8月に富士交通は民事再生法を申請、10月に各路線減便の上、11/09に当年参入した山形線を廃止。今年に入り、再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)の支援を受けることとなり3月に再生計画が認可、やはりJWPが支援する帝産観光バス系の帝産仙台バスと7月に合併会社「帝産富士交通」を設立、今秋以降事業体制を確立する…というところまではおぼろげに把握していたところです。合併で宮城県内最大規模の観光バス事業者となっており、貸切バス需要拡大や路線新規開拓なども視野に…ともされていたようでもあることから、今回の“路線廃止”がどのようなものになるのか、注目されます。
以上、取り急ぎ速報までに。仔細判明次第、同社の3年半の軌跡を改めて検証してみたい、と思っています。

Re:富士交通、仙台-福島・郡山線完全撤退か

投稿者---wataru氏(2005/10/02 00:09:36)

桜交通は名取市に「仙台営業所」を既に設けており、その体制が整い次第単独で運行再開するそうです。

「完全撤退」までは行かないものの…

投稿者---551planning(2005/10/05 20:12:43)

やっと地元紙・河北新報で情報が出ました。一部バス停等に告知されているようですが、“完全撤退”ではなく、確実な集客が可能な仙台-福島競馬場直行バスと、仙台駅東口-フルキャストスタジアム宮城シャトルバスは残るようで…(※ちなみに、定禅寺通とのシャトルバスは不調で来期は撤退の由)。

桜交通についてですが、07/25の段階で福島線6往復→2往復、郡山線8往復→4往復と大減便、独自展開の郡山-会津若松線や白河-仙台線も迷走の上早期撤退などウラ目に出ている様子、結局は富士同様東京への会員制バスに活路を見出す状況(まぁ自社でやっているだけ頑張りを認めたいが)、存続は厳しいものと思われますが…。

そして仙台-山形線はついに値上げへ…

投稿者---551planning(2005/11/16 05:01:50)

富士交通が仙台-山形線を撤退して1年…予想していた事態が具現化しました。

河北新報の見出しは辛辣にも思えますが、山交バスが燃料費高騰を理由に12/16から現行片道750円を800円に、回数券最安値600円を700円に値上げする方針を発表。宮城交通も同調する方針とされていますが、ゆえに両社サイト上では正式発表されていません。
富士参入時既存社価格は1000円(900円)、直ぐに富士価格の800円に合わせ、回数券価格は一時富士を凌ぐ733円に設定したことも。結果25%ダウンという異常というべき価格競争と、既存社だけで1.4倍(平日44便→62便)、富士分を足して1.75倍(→77便)という頻発運行を半年足らずで達成。結果富士が1年持たなかったというわけですが、その後も既存社は増便を重ね現在70便に。しかしながら需要の伸びは頭打ちになったということでしょうか。遅ればせながらJR-Eが「山形・仙台Wきっぷ」で価格追随した影響もあるやも知れません。

個人的には、異常な反動は早晩出るであろうし、ある種致し方ないものと思う一方で、ついふと「富士が生き残っていたなら…」と思わずにはいられません。もし福島・郡山線を桜交通に譲るカタチで山形線に専念していれば…いや、結果は変わらなかったかもしれませんね。ただこうなると、福島・郡山線の動向も気になります。


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