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(過去ログ-料金制度・ETC論-No.)

ETC長距離割引の実施とその問題点

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/15 02:17:47)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

6月14日18時のNHKラジオのニュースで、7月19日からETC長距離割引を試行するという報道がありました。現時点ではNHKのHPにしかソースはなく、JHや道路局のHPには無いのですが、どうやら夏休み入り、海の日の3連休には間に合わせるようです。

期間を切っての実施のようですが、このまま本格導入になるのを期待しています。私の場合、盆暮れだけとはいえ、それなりに長距離移動する機会があるので、大きく期待しています。
ただ、「割引率を高める」という趣旨の報道であり、本四のETC割引の時のように、「本来の通行料金」→「暫定割引料金」→「ETC割引」を「ETC前払割引で利用した場合」というように、「原則の賃率」→「遠距離逓減」→「ETC前払割引」まではそもそも実施されている部分も含んだ数字というような羊頭狗肉の内容でないことを祈ります。

「長距離割引」で気になるのは、区間制料金を連続して走行しない限り適用にならないという場合、居住地や利用区間によって、同じ距離の走行なのに適用の可否を巡り著しい不利益を蒙る可能性があることです。
端的にいうと首都高および外環道という均一区間を挟んで前後が打ち切り計算になる東京通過のケース。同様に名古屋高速もしくは東名阪均一区間、名阪国道を挟む名阪ルートや伊勢道関係。また、近畿道や阪神高速が絡む西名阪道や阪和道方面の利用者が相当不利になります。

特に東京通過は深刻で、例えば東名岡崎から東北道白石まで利用した場合、岡崎-東京が293.4km、川口-白石が299.5kmの合計592.9km(プラス首都高)となります。
東京-姫路間に匹敵する距離を走るにもかかわらず、もし「長距離」割引のボーダーが300kmだとすると、一切適用が無いことになります。
また、東名と中央、名神と名阪、中国と山陽というように複数のルートが確保されていて交通の分散が図られているケースでも、名阪ルートのように名古屋の均一区間、無料の名阪国道と均一の近畿道or阪高が絡むと、敢えて混み合う名神のほうが有利というジレンマが発生します。

ちなみに名阪ルートは名阪国道が無料ですが、西名阪、東名阪のターミナルチャージと均一区間のおかげで東阪間では割高ですし、名阪~伊勢湾岸道を通ると東名に復帰する岡崎が上述の通り厳しいポジションにあるため、バイパス効果を思い切り削ぐことになります。特に今夏は名神改善の切り札のはずだった京滋バイパスの全通が間に合わない可能性が高く、栗東-京都南の混雑に拍車を掛け兼ねません。

このあたり、一定時間内の特定箇所の「乗り継ぎ」は距離を通算するといった対応が望まれます。

どうやら期待外れか

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/16 10:56:57)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ETCの「モニター」に続き打ち出された「長距離割引」ですが、先述のNHKでの中途半端な情報だけで仔細がわかりませんでしたが、河北新報のwebに比較的詳しい情報が出ていました。

◇制度の仔細  300km超の利用が対象。
 現行の遠距離逓減への上乗せ。(現行=100km超200kmまで25%、200km超30%)
 遠距離逓減と合わせた割引率は300km超400kmまで35%、600kmまで40%、900kmまで50%、900km超60%。
 試行期間は7月19日から半年間。

つまり、300km超の走行に限り、300kmを超える部分につき(現行の遠距離逓減も同じだが、距離全体ではない!)現行の割引率に距離に応じた所定の割引率が上乗せされる)わけです。

普通車の基本賃率(24.6円/km)のモデル評価をしますと、例えば301kmですと、24.6×0.05×1.05=1.29、つまり1円の割引にしかなりません。
粗々の計算ですが、

 400kmまでの利用は10kmあたり13円で、400kmで129円。
 600kmまでは10kmあたり24.6円で、500kmで400kmまでの割引と合わせて375円。
 900kmまでは10kmあたり49.2円で、800kmで合計が1605円。

それ以上は10kmあたり73.8円で、1000kmで2835円です。
通常との比較では、

 400kmまでの利用は最大1.48%の割引。
 600kmまでの利用は最大5.28%。
 900kmまでの利用は最大12.49%。

それ以上の利用は1000kmで15.34%、考え得る最大(青森-鹿児島。東北・磐越・北陸・山陽・九州経由)の2056.7kmで29%となります。
※手元の計算であり、実際には加算・調整料金その他があるので実際には差異が出ます。

***
正直言って大したことがないというのが感想です。
600kmまでの利用であれば、前払割引併用でも「期間限定割引」より高いわけで、料金面でETC導入を促すインセンティブになるかどうかは甚だ疑問です。

河北の記事を見ますと、「割引実験は、高速道路でなく一般道路を使う大型トラックを減らし排ガスや騒音などの改善や渋滞解消を目指す。」とあり、結局先の「モニター」同様、普及が遅れている業務用車がメインターゲットのようです。
ただ、900km以上という超長距離利用に手厚い割引ですが、実際にそれだけの超長距離の利用ともなると、ケチって一般道路を利用すると時間がかかりすぎるというデメリットが大きすぎるエリアなわけで、さすがにもともと高速道利用であったと思われますし、「別納」との関係もあるでしょう。逆に一般道に回りやすい300km程度の中距離層にインセンティブが働かないのではETCの普及も一般道からの吸い上げも期待薄になるわけで、超長距離の収入を減らすだけで終わりかねません。

いわんや走り通しても900km以上はまずない(平均90km、2時間に1回休憩なら15時間かかるので、日着ドライブの限界と思われる)一般車に対してのインパクトはほとんど無いわけで、前述の矛盾も合わせて、今回の施策は期待外れと言わざるを得ないようです。

超長距離大型車には非常に有利な制度

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/19 20:00:27)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

先に超長距離のトラックにはインセンティブが働かないと書きましたが、「別納」の問題はともかく、普及という点に絞って考えれば悪くはない部分もあります。

道路局のプレスリリースの付図によると、東京-福岡の大型車の割引額は6750円。熊本が8050円。鹿児島なら10300円です。
まあ割引率が上がる900km以上は、首都圏からだと九州しかないわけで、関西は北陸・磐越経由で北東北でようやくという世界です。
とはいえ、この割引額を見て気付くことは、鹿児島なら1往復すればいちばん安いETCのオールイン価格と同額です。例のモニター登録による5000円助成を考えると、福岡でも1往復でほぼ初期投資が出ます。

つまり、九州方面と往復している大型車の場合、初期投資は最初の1往復で元がほぼ取れ、2往復目からは旧5万円ハイカと同じ割引率を享受できる、つまりコストダウン効果が現れるということであり、小型車と比較して非常に有利な状況になっています。これは大型車の料金が高いことが逆に幸いしており、初期投資負担の原資となる割引分を創出する料金が高いため、一回あたりの割引捻出額が高くなるのであり、車載器は車種による価格の差異がないため、大型車に有利に働いているからです。
これを見ますと、こうした大型車に別納制度がどれだけ普及してしまっているかが鍵ではありますが、取り敢えず半年間とされている制度の運用次第では、大型車への普及が早期に実現する可能性もあるかもしれません。ただ、地域的に有利な地区は九州、そして中国西部、四国南部と言うように遠隔地がメインになるわけで、現地ICにおけるハードの整備如何では、せっかく価格障壁を除去しても整備状況が普及への足枷になるかもしれません。

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通行止め時の対応は?

投稿者---うり氏(2003/06/17 01:34:28)

ETC逓減割引に関する疑問が沸いてきました。
悪天候や事故等の理由で高速道が通行止めとなった場合、一度おろされて先のインターで再度高速道路に入り直すことがあります。この場合でも、ETC逓減割引はおろされた時点で打ち切り、再計算となってしまうのでしょうか?
自分の意志で高速道路から降りたわけでもないのに高くなるというのは、あまりにも理不尽なような気がします。

Re:通行止め時の対応は?

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/17 13:22:23)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

事故等による通行止に伴う乗り継ぎですが、本則はこのようになっています。

結局、一時流出ICで乗り継ぎ券を受け取り、再入場して、最終ICで手渡し精算することで通し料金の適用+所定の調整が可能になるということでしょう。カードの抜き差しと最終出口での手渡し精算というのがETCを無意味にしてしまうわけですが。もちろん本来通過時刻の記録があるはずですから、通行止の時間帯に通過し、一定時間以内に再入場していれば自動計算していいはずですが、そうした発展的改善はできないのでしょうか。

Re:通行止め時の対応は?

投稿者---うり氏(2003/06/17 23:19:19)

私が過去に体験した処理は以下のようでした(ETC非搭載車)

  1. 出口料金所で一旦そのI.Cまでの料金を払い、乗り継ぎ券を受け取る。
  2. 最終的な目的出口で、再び高速に乗ったI.Cから出口I.Cまでの料金を再度払う。ただしこの時乗り継ぎ券を呈示することにより、本来のこの区間の料金からは200円引きとなる。

従いまして、結論は以下のようになります。

当初の目的入口からおろされたI.Cまでの料金+再び乗ったI.Cから最終目的出口までの料金-200円

そのため、本スレッドの親記事のような料金割引が行われた場合、出発点から目的地までの間で、通行止め等により下ろされることがあれば大幅に損をしてしまうのではないか?という疑念が発生したのです(特に中間点付近で通行止めがあった場合、大損するのは明らかです)。

そのため、何らかの方法で走行距離を通算するような計算方法が行われるのかな?と思ったのですが・・・
理想はあくまでも、通し料金-高速道路が使えなかった区間の料金という計算が行われることであり、ETCの機能としてこのような処理を自動で行うことが求められるように思います。

勘違いしてました(通行止流出の扱い)

投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/18 10:49:35)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

すみません。私の解釈が間違ってました。
料金はあくまで、出発地IC→流出IC、再入場IC→目的地ICの2区間それぞれを支払い、乗り継ぎ証明の提示により遠距離逓減に見合う所定の減額がなされるということでした。

ですから、現状のルールでは、遠距離逓減に対する補償はあっても、遠距離割引に対する補償はないことになりますので、何らかの補償が必要ですね。
ただ、ETCの場合は料金所の通過時点では「定価」が表示され、後で「期間限定割引」「前払割引」の適用を仕訳けるシステムなので、そこで遠距離割引相当の補償を対応してほしいですし、それが可能であれば、遠距離逓減見合いの補償も同時に処理できます。

***
余談ですが、今から11年前、調布から中央道経由春日井まで走った際、恵那山トンネルでの車両火災による飯田-中津川間通行止に引っ掛かり、飯田で出されました。料金所で「どこまで?」と聞かれ、最終目的地の広島(勝川から東名阪~西名阪、近畿など経由)といったのに、乗り継ぎ証明はもらえず、もらえたのは中津川までの地図だけで、当時は険しい峠越えだったR256清内路峠を越えて中津川に至りました。
名古屋方面のクルマは中津川ではなくR153経由豊田を案内してましたし、それはそれで清内路峠経由よりは道が良いので親切なんですが、乗り継ぎの本則が徹底してなかったということでしょうか。

Re:勘違いしてました(通行止流出の扱い)

投稿者---うり氏(2003/06/18 22:01:16)

ただ、ETCの場合は料金所の通過時点では「定価」が表示され、後で「期間限定割引」「前払割引」の適用を仕訳けるシステムなので、そこで遠距離割引相当の補償を対応してほしいですし、それが可能であれば、遠距離逓減見合いの補償も同時に処理できます。

ETCだからこそ、自動でやって欲しい処理ですね。
現状では通行止めの場合、ETC車にも「乗り継ぎ券」を渡すような対応をしていますが、これでは何のためのETCなんだろう?という気がします。

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思いっきり期待外れ

投稿者---エル・アルコン氏(2003/07/10 20:34:02)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

ただでさえ「割引率」にトリックがあるところに加えて、途中に均一区間(外環道、中央道八王子以東、近畿道、阪和道堺以北など)が入るとダメ、首都高や阪高といったETC事業者だけど他事業者が入るとダメというわけで乗り継ぎ制度はありません。そして極め付けは、本四は前後の距離を通算するのでまだマシですが、同じ扱いを山陽道の途中に現れる「広島岩国道路」、高松道の途中に現れる「高松東道路(高松道)」でもするそうです。
広岩道や高松道の場合、同じJHで本線TBもなく連続して走行しているにもかかわらず、距離の積算から除外というわけです。

結局、これが使いものになる、つまり高い割引率を享受出来るのは東京起点の九州方面、それも敢えて名神高速という渋滞の王道を行くので無い限り無理、という呆れた結果になるようです。

ETCだからこそ通算できる可能性があるはずなのに

投稿者---うり氏(2003/06/18 22:01:16)

均一区間及び他事業者介在区間を挟むと距離を通算しないという措置には正直ガッカリです。
現在のETCにはどのような情報が書き込まれているのかまでは分かりませんが、ETCカードに採用されているICチップ、もしくはETCシステムのサーバーの何れかには料金所の通過時刻などか書き込まれているはずで、そのデータと渋滞状況のデータを使用すれば乗継か、例えば均一区間内で所用を済ませたかは簡単に判断できるはずだと思います。

このような例で、ETCだけ通算できることになれば運送業者なども経費節減の為ETCを搭載する、という流れが出来る可能性があるだけに残念だというのが正直なところです。

実際に使ってみたら...

投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/20 18:59:33)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

さて内容が明らかになると話題にもならなくなった感もあるETC長距離割引ですが、先日300km超の利用をしました。その場での料金表示は正規料金で、ETCプラザの利用明細も「確認中」の間は正規料金の表示なので、「確定」となるのを待ちましたが、なんと2週間もかかりました。

利用区間はどういうわけか中央道伊北ICから名神西宮ICまでの344.5km。そのまま計算したら57円の割引ですが、確定した数字は、正規料金7800円に対して7750円。たった50円です。
300kmチョイの区間を長割HPの専用検索で調べると、10円そこそこの割引のはずがやはり50円引かれており、ある程度丸めているようですが、となると50円割引というのは最低額のようです。

ある程度は覚悟、というか興味すら失せていましたが、実際に数字を見ると改めて脱力感に襲われますね。

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高速バスでの利用

投稿者---まえだ氏(2003/09/22 13:17:04)

長崎県営バスが高速路線の全車両にETCを付けるらしいです。
長崎大阪線も入っていますので、長距離割引が利用できますね。

ところでちょっと気になるのが、上の文書で、「ETC機器を設置しました」と過去形で書いてあるにも関わらず、運用開始は10月1日になっていることです。
もしかして、機械は付けているけど10月1日までは利用しないということなんでしょうかね?

実は昨日長崎空港からの帰りに県営バスを利用したのですが、ETCのような機械が付いているな、とは思ったのです。しかし、ETCレーンを通らずに係員にETC別納カードを渡していました。
大阪線でも同じようなことをやっていて、長距離割引を10月まで使っていないんだったら、「さすがお役所」としか言いようがないですね。

Re:高速バスでの利用

投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/22 18:08:29)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

考えられることとしては、契約の切り替えが10月1日ということでしょうか。
ただ、前払割引なら前払金の払いこみがあるので上期中の実施を回避という大義名分はあるんですが、別納のほうが割引率が高く、かつETC別納と前払割引の重複適用はないはずで、先払いにして割引率が渋い手段を選ぶ間抜けは無いでしょう。まあ長割との重複適用はありますが、セットアップ次第の適用を特に妨げるものではないはずです。

また、車載器の使用開始とともに固定資産計上となり減価償却費発生という可能性もありますが、そもそも今や1万円台の車載器ですから、固定資産ではなく消耗品として一括費用計上でしょう。

となるとやっぱりお役所仕事なのかぁ...

Re:高速バスでの利用

投稿者---まえだ氏(2003/09/23 23:41:17)

私事ですが、先日東京から長崎まで高速経由で自動車を移送したため、長距離割引の恩恵を受けることができました。
今回の移送で期間限定2割引の、道路公団分を使い切るはずでしたが、長距離割引のおかげで使い残してしまいました。もう少し高速に乗らないといけません。
ちなみに、首都高速分は今回分でちょうど終わりでした。阪神高速分は全く使っていません(苦笑)。

ところで、夜行高速バスって、あまりETCを導入していないのでしょうかね?先に紹介のHPによると、少なくとも長崎県内では県営バス以外には導入していないようです。

夜行高速バス車両であれば、今の長距離割引が効いている間に、確実に機械代の元は取れるのですから、どんどん入れればいいと思うのは、やはり素人考えなのでしょうかね。
入れることに対する障害といえば、上司に稟議書を回す手間位でしょうが・・・。

Re:高速バスでの利用

投稿者---まえだ氏(2003/10/21 16:42:33)

先日、県営バスの空港線に(ETC運用開始後)初めて乗りました。

すると、長崎自動車道区間はETCを利用しましたが、同じ道路公団管理の長崎バイパスではETCゲートを通らず、回数券を使っていました。別納割引って、道路公団の全区間で適用されるんじゃないんですね。

まあ、ETCより回数券のほうが割引率が高いのなら、こうするのは当然のことでしょうし、私自身も首都高速を使う時にETC機器を付けているにもかかわらず金券屋で買った回数券を手渡しますから(時々係員が不審な顔をする)、回数券発売区間ではETC利用者も回数券なみの通行量に値下げして欲しい所ですね。


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