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(過去ログ-料金制度・ETC論-No.)

阪神高速のロードプライシングへの懸念

投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/01 01:11:18)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

尼崎や西淀川の公害訴訟を受けた阪神高速の公害対策として、3号神戸線と5号湾岸線の間で料金格差を付けるロードプライシングの導入が決まり、このほど阪神西区間(神戸市内)に限っての湾岸線大型車料金の200円割引と発表されました。

実は湾岸線は東灘区の住吉浜渡り線以西が未完成で(計画では六甲アイランド北からポーアイ二期を通り湊川に出る)、現在住吉浜と神戸線摩耶の間を乗継券で連絡するようになっています。一方住吉浜渡り線はハーバーハイウェイ(港湾幹線)に直結しており、三宮新港やポーアイに行けるのですが、乗り継ぎが摩耶なので有料区間に入る前の高羽ランプで早々に降りないといけませんでした。
このため今回の措置から、都心の京橋での乗り継ぎもできるようにしたうえで、港湾幹線の大型料金を300円から普通車と同額の200円に値下げすることになりました。

今日も港湾幹線を西へ走ってみましたが、京橋乗り継ぎをアピールする掲示が(まだ覆いがかかっているが)新設されてました。

***
さて今回の措置は有効打になるでしょうか。残念ながらあまり効果がなさそうというのが所感です。

まず、住吉浜渡り線の利用者のうち、港湾幹線に乗り入れる数が少ない現状が変わりそうにありません。
高羽で降りて、東明からR43に入るか、そのまま製鉄所・発電所の前を通り摩耶からR43か3号神戸線に入るのが主流で、摩耶と高羽の間は終日渋滞が激しいです。
港湾幹線の新港ランプは降りたところが第四突堤で、すぐ税関前交差点と三宮市街にダイレクトに入るのですが、だいたい三宮に行く関空リムジンが摩耶に抜けたり東明からR43を行くのですから後は推して知るべしという状況です。

通過流動なら、と言いたいところですが、第四突堤の信号が長い上に、税関経由京橋へは右左折を合計4回も繰り返すのでは(特に精神的な)ロスが大きく、指向されない可能性が強いです。実際には2回に出来るルートがほぼ完成していますが、その京橋入口手前のわずかな区間は「阪神高速公団との調整中で通行できません」と柵が立っているのです。

もちろん、港湾幹線の料金200円が湾岸線の割引分を完全に相殺してしまうのも障害で、表面のコストを重視すれば湾岸線経由高羽から摩耶というルートに集中するでしょう。こうなるとただでさえ渋滞が激しい同区間が麻痺することは必至で、いかに工業地帯とは言え問題です。

実は高羽から来ると摩耶ランプへ右折する十字路の直進方は東部新都心(HAT神戸)を東西に貫通する4車線道路とつながっていますが(岩屋駅南や春日野でR2に抜けられる)、この通過流動を呼び込まないようにHATの入口で大型車が入れないようにクランクになっています。本来R43やR2の負荷を下げるためにも無条件につなぐべきですが、大型車をこのルートに誘導してしまう以上、HATの住宅街に溢れるのは回避すべきであり、勢い浜手の東西交通の整備が遅れる弊害にもなります。

スムーズに流すのであれば、住吉浜連絡線利用者は港湾幹線を無料扱いにする(これは西行きは乗換券呈示で通過可に、東行きは港湾幹線通行券呈示で通行料金相当減額にする)ことが必須であり、また乗り継ぎポイントに5号湾岸線深江浜-3号神戸線魚崎を追加するのも有効でしょう。

もちろん、港湾幹線が新港の先でほぼ近接するR2浜手BP(生田川からハーバーランドまでの高架バイパス。これのポーアイへの分岐は港湾幹線と合流して神戸大橋に入る)に接続していないという恐るべき欠陥構造がなければ、もっと有効にバイパスされていたはずなのですが...

阪神高速のロードプライシングスタート

投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/02 22:51:36)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

湾岸線のロードプライシングは結局11月1日にスタートしました。
懸念されていた京橋のアプローチ道路も同時開通でこの点は杞憂に終わったようです。
東行きは柳原以西(北神戸線、第2神明、北線を含む)で神戸区間、大阪区間の湾岸通し券を購入、西行きも大阪区間で通し券を購入するのが条件で、この券を持って3号神戸線に回ると200円の追加を徴収されます。

さて、開始間も無いのでまだ何とも言うべきでないのですが、高羽-摩耶間の製鉄所・発電所横の道路の渋滞は減ったように感じます。そして港湾幹線の通行量も増えたように感じます。港湾幹線が3号線に直結するのが根本的な解決策だけに現状は小手先の対応ですが、まあ効果が出ているようです。

取り敢えず速報でした。

阪神高速のロードプライシングの効果は

投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/12 00:41:10)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

まだ公団発表やマスコミ報道が無いのですが、平日を見る限りは明らかに港湾幹線経由への移行しています。私の実見ですが、先述の製鉄所前の通り(高羽IC-摩耶)の混雑がかなり減少していること、港湾幹線を行く車の影(笑)が増えています。

なお、今日湾岸線住吉浜から神戸線京橋への乗り継ぎを試しましたが、日曜ということで神戸線西行き、湾岸線とも空いており(湾岸線はガラガラだった)、住吉浜渡り線の先で六甲アイランド方面から合流した車もほとんど高羽で降りてしまってました。その意味で、混んでない休日、割引の恩恵の無い普通車のシフトは期待薄であり、やるなら全車種でやったほうがよさそうです。

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今回のロードプライシングと乗り継ぎ個所の新設に伴い、乗り継ぎ方法に一部変更が出ています。従来神戸線東行きから湾岸線への乗り継ぎは、摩耶出口で乗り継ぎ券を発行していましたが、今回から生田川以西の入口ランプおよび第二神明須磨(本線)で料金支払時に申請することになりました。なお、大型車の通し割引券は、その他北神戸線の前開~藍那でも発行されます。

それと余談ですが、湾岸線の魚崎浜ランプから六甲アイランド方面への出入りが出来る構造について、なぜ並行して無料の六甲大橋があるのに、と疑問に思ってたんですが、それは「本土」側が六甲大橋が御影浜、高速が魚崎浜と分かれているだけでなく、魚崎浜から六甲アイランド北まで乗ると、住吉浜からと同様の乗り継ぎが可能だったのです。ちなみに魚崎浜(神戸港東部第三工区)には港湾幹線方面から直接は行けませんし、神戸線も摩耶から下道なので、六甲アイランドへいったん入って戻る行程にも合理性があるようです。

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1ヶ月で5%…多いか少ないか?

投稿者---551planning(2001/12/08 00:43:01)

12/6付神戸新聞サイトで、阪神高速湾岸線の「環境ロードプライシング」、1ヶ月間で神戸線から湾岸線に移行した大型車は約350台/日(5%…99年度総数は7000台/日)に留まっているそうです。尼崎公害訴訟の和解合意を踏まえ、阪神地域の排ガス汚染軽減を目的に導入された同施策ゆえ、原告団には「緊急の環境対策としては明らかな失敗」との声もあるそうで。

大型車のみ、しかも200円という中途半端な印象が否めないだけに「割引率を上げるなど、もっと踏み込んだ内容に転換すべき」という原告団団長の意見は的を得ているといえましょう…といって「まだ施策の効果を評価できる段階ではない」とする阪神高速側も分からないではなく…。特に湾岸線の袋小路的印象が否めないことも要因にあるかも。東京の湾岸線のように「大型車は湾岸線へ」的告知板が取り付けられているのでしょうか…結局はPR不足に落ち着いてしまいそうで、ここにもお役所的対応が見られるのかもしれません。

Re:1ヶ月で5%…多いか少ないか?

投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/09 03:33:16)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

丸いなんとかも切りようで四角、とはよく言ったもの?

12月6日の朝日(大阪)朝刊の第三社会面では、「環境ロードプライシング、効果あり?」と題した記事になっています。
ただ、同時に「湾岸線乗り継ぎ1割増」「尼崎訴訟和解要件原告団「速断できぬ」」とどちらかというと効果は確実に出ているという記事になっています。

神戸線と湾岸線を京橋もしくは摩耶で乗り継いだ大型車の台数は平日の一日平均で4127台と前年同月比371台の増加。神戸線尼崎料金所付近を通過する車(車高2.3m以上)の数は10月平均は1日平均約1万3千台だったのが試行後は5%程度減ったとあります。

公団側が「まだ始まったばかりだが、神戸線の排ガスや騒音の抑制に一定の効果がありそうだ」としている反面、原告団は「まだ効果があるとは速断できない」としています。
記事では湾岸線乗り継ぎ台数が1割増え、神戸線だけを利用する大型車は減少する傾向にあるとしており、見出しこそ「?」が付いていますが、原告団のコメントの「速断できない」の強調から判るように、取り敢えず「出だしは効果あり」という見立てのようです。

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神戸新聞も実は目を通しており、朝日との差や、実見との違いに少し戸惑ったのは事実です。
改めて記事を見て気が付いた(気になった)のは、肯定論の元になったのが大型車乗り継ぎ台数の1日平均値の比較であり、否定論になったのが尼崎料金所付近の通過台数(および割引対象となる通し利用券の利用数)という微妙なメッシュの違いです。なぜ尼崎料金所の通過データ(これは当然「大型車」を抽出できる)を取らずに車高2.3mという別メッシュを出したのか。(西行きは料金所が無いというネックがあるが)また神戸線の減少<湾岸線の増加というあたりはデータの信憑性を疑われても致し方が無いでしょう。

もちろん通し利用券の利用数というロードプライシングの直接利用の数は重要であり、それを見る限りでは確かに少ないですが。

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もう一つ疑問に思う点があるのですが、阪神高速のルートマップを見ていただくと判るように、神戸方面から大阪中心街に入る時、神戸線も湾岸線も阿波座が環状線への出入口になります(東行きの阿波座では環状線北行きには入れないので、南行きに入って1周するか、神戸線は中之島西、湾岸線~大阪港線は波除から環状線堂島への乗り継ぎを使うかになる)。阿波座では大阪港線が本線になり、神戸線は車線が絞られるため、神戸線阿波座は渋滞の名所になっています。
また大阪湾岸の工場地帯へのアクセスなら湾岸線経由ですし(大阪市内で神戸線から湾岸線は阿波座から環状線1周で引き返さないと行けない)、一方名神高速は神戸線西宮経由しかありません。選択できるのは松原線や東大阪線、環状線が目的地の場合でしょうが、大型車でそういう流動は多いでしょうか。
結局もともと相当数が使い分けていると想像できるのです。
なお、湾岸線助松以南泉州方面との行き来の場合、神戸、大阪、南部の三区間通し割引が既にあり、あえてロープラ割引をせずとも、というところでしょうか。

その中で、特に神戸線を大阪区間まで利用する大型車が湾岸線に5%移行したということは決して少なくないことだと思います。

さらに引き下げ?

投稿者---551planning(2002/04/12 01:13:13)

扇国交相は9日、阪神高速ロードプライシングでの湾岸線料金割引(現行200円)について更なる引き下げの方向で検討する旨述べました(11日付交通新報記事より要旨)。昨年11月の実施以降、平日で260台の利用に留まっているそうで「さらに湾岸線の利用が促進されるよう、阪神高速道路公団を指導したい」(道路局長)と。


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