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(CTC過去ログNo.1998-101)

どうなってるの?新線鉄道計画=京葉地区編=

 1)千葉県営鉄道(北千葉線) 7)営団半蔵門・有楽町線延伸
 2)北総開発鉄道延伸 8)東京臨海高速鉄道(臨海副都心線)
 3)芝山鉄道 9)新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化
 4)京成千原線(旧千葉急行電鉄)   【京葉間流動大動脈の将来】
   【京成グループ、今後の在り方】 10)千葉都市モノレール
 5)東葉高速鉄道延長線 11)TDLモノレール・メトロセブン
 6)第2東西線構想   【つまるところ、新線計画の行方は…?】

7) 営団半蔵門・有楽町線延伸

投稿者---551planning(1998/11/03 23:25)

<水天宮前・豊洲-住吉-錦糸町-押上…東武伊勢崎線・JR常磐線方面> 東武の「賭け」次第で有望

注)先述書籍に加え、本項では以下のデータを参考としております。
  鉄道ピクトリアル臨時増刊号「<特集>帝都高速度交通営団」(鉄道図書刊行会刊 1995/07)

営団地下鉄半蔵門線は現在水天宮前駅どまりとなっているが、これを延伸して混雑の激しいJR常磐線のバイパス線とする構想が出されたのが、1985(昭和60)年の運輸政策審議会第7号答申である。このとき盛り込まれたのが半蔵門線延伸線である11号線(蠣殻町―錦糸町―押上―四ツ木―金町―松戸)と、それに加えた有楽町線延伸線である8(豊洲―住吉―四ツ木―亀有―武蔵野線方面)である。住吉―四ツ木間は共用の複線として建設費の圧縮が考えられていた。
その後半蔵門線に関して、これまた混雑緩和が緊急課題となっていた東武伊勢崎線と相互直通運転することに変更となり、93年営団が水天宮前―押上間免許を取得、現在工事中である。2000年完成予定であり、順調に工事は進展しているようであるが、お約束とも言おうか完成は多少遅れる見込みである。また有楽町線に関しては現在保留中であるが、分岐駅である豊洲・住吉両駅は対応工事がなされている。

工事が進展している半蔵門線。水天宮前―押上間には清澄・住吉・錦糸町の3駅(駅名は仮称)が設置される予定で、このうち清澄駅押上方に東急線用引上げ線が、住吉は実質2面4線ホームで有楽町線延伸線を迎える準備がされ、押上駅も2面4線となる。押上から東武伊勢崎線へと相互直通運転がなされることになり、東武側は乗り入れ対応車30000系を早くも製造し、待ち構えている。
半蔵門線延伸線は、逼迫する北千住駅乗換混雑の解消、日比谷・千代田線混雑緩和、城東地区南北交通の切り札として注目されているが、果たしてどうなろうか。当初予定の四ツ木方面延伸が凍結された形になったのは、並行路線を抱える京成にとってせめてもの救いといえる。逆に貧乏籤を引いたのは営団かもしれない。東武線沿線から都心方面へ抜けるルートとしてはちょっと遠回りな感が強い。取付区間になる北千住―曳舟(押上)間の線形は良いとは言えず、また北千住には常磐新線も乗り入れることになる。常磐新線の都心部の造りによっては、そちらへ流れる可能さえあるといえよう(逆にいえば、常磐新線には秋葉原まで…といわず、もっと大胆な方策を持って路線建設をしてもらいたいものである)。1本の路線を共用する発想ができるならば、むしろここで大いに発揮してもらいたかったところである。
その発想から、ここで大胆な提言をしてみたい。それは表現はともかくとして、東武鉄道に「浅草を捨てて頂く」ということにもなりかねないのだが…。
取付区間の線形の改善を考えれば、そのまま北千住まで新規地下路線のするというのは如何だろうか。押上からそのまま真っ直ぐ北進、曳舟・向島百花園前・鐘ヶ淵(東白鬚)と進み、堀切と牛田を統合の上京成関屋との連絡を強化、北千住に達するというもの。
一方で「スペーシア」は常磐新線に乗入れてしまうのである。新浅草も通り、悲願でもあった山手線接続も可能となるのである。
曳舟で相方を無くすことになる東武亀戸線は押上・業平橋方面へ振り替えて、現東武浅草駅を無駄にしないのと同時に押上を墨田区中心部の交通結節点として活かすべきだ。
確かに非現実的ではあるが、ごちゃごちゃした墨田区の交通の再編となるばかりでなく、これで伊勢崎線にとって対都心高速アプローチ線になるばかりでなく、東武にとっても日光・北関東アクセスとして新しい可能性が生まれるのではないだろうか。私は暴言とは思わないのだが…。
さて、城東地区南北交通の切り札として…という点であるが、これまで担ってきたバス流動などを見ると、小名木川貨物線の流用のほうがチープで効率的な建設ができたように思われる。半蔵門延伸線に食われる可能性の出てきた東武亀戸線をひっくるめた改造も面白い(新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化参照)。
常々筆者が思っていたのは、半蔵門延伸線は第2東西線たるべき路線だったのではないか…ということである。清澄には東急線用引上げ線が設けられることになっているが(これも率直に言って中途半端だが)、ここから清洲橋・葛西橋通り方面へ東進したほうが、収益性はあったように思われる。1本の路線を共用するという発想、ここでも活かしてほしい。
有楽町線延伸線の必要性は、第2東西線構想の項でも述べたように、あまりないと言わざるを得ない。臨海副都心方面のアプローチとなるならともかく、対都心との意味付けは、とてもできるものでない。工事が行われてないことがせめてもの救い、豊洲駅は京葉線乗入れ時の緩急接続駅にすればいいだろう。

東京の新線鉄道計画は昨今の私鉄特特整備事業を含めて運輸政策審議会が牛耳ってきたものである。しかし見てきたようにあまり既存路線との関係が勘案されていない点どうなのであろうか。例えば答申通り松戸方面延伸であれば、完全に京成エリアとバッティングするわけであるし、城東地区南北交通をいうなら都営12号線もできる(というかこの路線が飲むべき)のだ。いくら新線建設が10年事業だからといって、見通しの甘さが気にかかる。その点昨今建設が決定した13号線に関しても言えることである。
今後は既存路線との関係を大前提に、本項の根底に流れるテーマである「1本の路線を共用するという発想」、会社間の垣根や1複線1路線という常識をも超えた交通政策の転換が求められるのではなかろうか。その意味で臨海部をもまきこんだ城東地区交通体系は大いなる実験場たりうると考えるのだが…。

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  • 東京臨海高速鉄道
  • TWR車が京葉電車区に!
  • 青物横丁結節希望

8) 東京臨海高速鉄道(臨海副都心線)

投稿者---551planning(1998/11/03 23:28)

<東京テレポート―大崎・東京貨物ターミナル> 埼京―京葉線スルーは必須

元は武蔵野線と並んで首都圏貨物輸送ルート変革の一翼を担うはずであった京葉貨物線計画の一部路線として事業展開され、新木場―東京貨物ターミナル間は1974(昭和49)年から建設が開始される。しかし鉄道貨物の衰退と国鉄民営化問題のあおりを受けて基盤整備を終えた段階で工事が凍結、新木場以東は総武線バイパスルートである現京葉線として旅客転用開業したものの、そこから先の完成目処は立っていなかった。
一転注目されることになったのが、鈴木都政下の87年に発表された「臨海部副都心開発基本構想」。頃はバブル、都心部開発の限界感から打ち出された巨大プロジェクトである。89年には鉄道路線として利用されることとなり、運営体として91(平成3)年3月、東京都が85.5%、JR東日本5%、他金融機関という出資比率で第3セクター東京臨海高速鉄道(TWR)が設立され、線路その他を民営化後の所有者であった国鉄清算事業団から譲渡されると共に、第1期事業区間として新木場―東京テレポート間4.9キロの免許を取得、整備工事に着手した。さらに第2期事業区間として東京テレポート―大崎間7.3キロの免許を94年3月に申請した。
第1期区間は96年3月に開業、前年11月開業の新交通「ゆりかもめ」と共に翌4月から輸送の任にあたるはずであった世界都市博が青島都政誕生により白紙撤回されたことで多難な船出となる。臨海部が逆効果で注目されたものの、都心部および臨海部各拠点へのアクセスは「ゆりかもめ」に軍配が上がり、旅客流動に精彩がなく、厳しい経営環境にあるといえよう。その意味でも早急な2期区間開業・JR埼京線直通による流動の変化が求められている。

東京テレポート―大崎間には天王洲・東品川・大井町の3駅(駅名は仮称)が設置される予定で、天王洲では東京モノレールと、大井町ではJR京浜東北・東急大井町線と接続し、大崎からはJR埼京線と相直予定である。新宿方面からのアプローチは現行新橋~ゆりかもめルートより大幅な時間短縮が図られることになろう。
しかし東品川―大井町迂回ルートとなったのは残念だ。周辺地域再開発に伴う負担金受けれが望め、需要喚起につながるとのことだが、駅前再開発が進み、京急による羽田空港直通が図られ、新幹線新駅もできる品川駅経由のほうが効果は大きかったであろう。品川・天王洲~臨海部へのアプローチが弱いだけにビジネス路線としての活性化が予想できるが…。
羽田空港ということでは天王洲からのアプローチもあるが、元の京葉貨物線としての活用も再検討されていることから旅客化、現羽田(天空橋)駅新駅設置による横浜・千葉方面広域的な空港アクセスに寄与することも考えられるべきだろう。
なお、現在未確認情報として、TWRと京葉線の相直は考慮されていないようである。しかしそれではせっかく線路が繋がっているのにもったいない。京葉線新宿方面地下鉄延長構想もあるとはいえ、京葉地区と東京西部地区の流動は以外と不便である。構想が本格化するまでは、TWR経由か営団有楽町線との相直を京葉線は考慮すべきであろう。

TWRとしては一刻も早い2期区間の開業による盲腸線状態の解消が望まれよう。ただ、臨海副都心自体の旅客流動が不明確である点、経営不安は付きまとう。また、埼京―京葉線スルーができるなら素通りによる運賃収受漏れが発生することが予期される(それでの京葉直通無しということなのだろうし)。やはりJR東日本による一体経営が望ましいだろう。長期的には東京と各地を結ぶ基幹線としての活用が見込まれる。

TWR車が京葉電車区に!

投稿者---D.H氏(1998/11/04 12:59)

昨日の朝、TWR臨海副都心線で走っている車両が1編成、JRの京葉電車区(千ケヨ)に停車していました。
詳しいことは走行している電車内からの目撃のため把握できませんが、「相互直通運転」準備のためかと思い、うきうきしてしまいました。

Re:TWR車が京葉電車区に!

投稿者---551planning(1998/11/06 00:16)

そうあってくれれば良いのですが、TWR70-000系の検修を京葉運輸区で行っているものと思われます。
ちなみにご存知とは思いますが、同系はJR-E209系をプロトタイプにしており、将来的には10連化・保安装置もATS-P対応になっているはずです。

Re:TWR車が京葉電車区に!

投稿者---ATS-P氏(1998/11/09 18:17)

70-000系が京葉電車区にいるのを時々見かけますが、これは、東京臨海に検修設備がないため京葉電車区に委託しているためだそうです。
また現在4両編成で運転していますが、大崎開業時に10両編成になるようです。

青物横丁結節希望

投稿者---国分犬一氏(1998/11/24 02:01)

京急との交点に駅が出来ないのを大変不満に思っております。
もともと京急には、昭和43年の浅草線直通開始時に、都側の要請で青物横丁を特急停車駅に加えた経緯があります。
ならば、青物横丁を品川区の交通の要衝として位置づけ、それ相応の整備を進めるのが都の義務というものでしょう。
なのに、都も出資しているはずの東臨高は京急を無視。ライバルJRも出資しているとはいえ、納得がいきません。

Re:青物横丁結節希望

投稿者---551planning(1998/12/02 00:10)

京急青物横丁駅付近は狭隘道路と密集住宅地であり、地下駅建設がためらわれたのでしょう。TWR東品川(仮)駅がどの位置に造られるか分かりませんが、付近では旧JT倉庫跡地の再開発が予定されており、これに絡めた新駅設置であれば青物横丁とは5~600メートル、商店街を経由してゆくことからも十分乗換駅圏内といえます。
結局は、JR線接点である大井町からの利便性が重視されたということでしょう。仰られる交通要衝としての整備もこちらになってしまうというのが残念ながら現実的です。

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  • 新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化
  • 小名木川線LRT化

9) 新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化

投稿者---551planning(1998/11/03 23:32)

<金町―新小岩―亀戸―小名木川―越中島…臨海部> 中量輸送機関としてのあり方

JR貨物新金線は総武・常磐短絡貨物線として新小岩操車場―金町間を新中川沿いに北上する単線電化路線。小名木川・越中島貨物線は新小岩操車場から総武線に沿って亀戸駅付近まで進み一転明治通り沿いに南下、小名木川貨物駅から越中島貨物駅に至る単線非電化路線、かつてはその先に東京都貨物線が豊洲・晴海方面に延びていた。沿線の道路事情はさしていいともいえず、常磐線の混雑が激しいこともあってそれぞれ旅客化が検討されているという。

新金線は水戸街道との交点が踏切のほか、交差主要道とは立交化されている。しかし比較的貨物列車本数が多いこともあって付近道路で渋滞が発生しがちである。また、完全並行しているわけでないにせよ京成エリアでもあり、旅客の転移もそう多く望めないだろう。かつ「メトロセブン」ができると完全バッティングする。旅客化するにせよ沿線内新駅設置は難しい(強いて挙げれば高砂か)。
旅客化としては常磐線の東京駅直通ルートといったところか。大阪的発想(?)なら「スーパーひたちが東京駅へ…」なんてなことになっていたかもしれないが、東北線の上野―東京間線路復活も考慮されていることから現時点では急ぐことはないだろう。

小名木川貨物線は小名木川貨物駅までの運行はあるものの、以南の運行はほとんどないといっていい。さらに以南の交差主要道は踏切だらけ…。通常での旅客化は難しいのではないか。
城東地区南北交通を担ってきたバス流動を見ると、中量輸送機関に適した旅客流動である。碁盤の目状になっている道路事情も効奏している。しかし個別に見ていくと、川に囲まれた地域だけに連絡する橋を持つ主要道に車が集中しがちで、やはり定時性が焦点というべきか。その意味では貨物線の資産を活かしたガイドウェイバスやLRT化などが即効性がありそうだ。

半蔵門線延伸線の項でも記したが、ここで東武亀戸線を含めた城東地区交通網再編をシミュレーションしてみたい。柱は既存路線を生かしたLRT化である。
始点は東武浅草。松屋改修で1階がバス・LRTのターミナルとなった。橋を渡り吾妻橋、押上へ。押上は都合6方面への総合交通結節点となっている。
押上からは旧東武亀戸線。路盤はコンクリ平面化され路線バスとの共用である。トロリーポールを併せ持ったハイブリッドバスも運行されよう。
亀戸からは旧小名木川貨物線へ。京葉線貨物併用でターミナルが臨海部に移動したことでLRTに。簡易電化と同時にやはり路盤改修でバスも通る。付近の渋滞を気にしないで走れるようになろう。
LRTは西大島・境川・南砂住宅に停車、日曹橋交差点から東陽町へアプローチ線を設け、東陽町駅がスイッチバック形式の線形になる。再び戻って佐川急便前・貨物線を外れて潮見へ。さらに旧東京都貨物線跡地を利用して枝川・豊洲までが本ルート。豊洲には「ゆりかもめ」が延びており連絡も考慮されている。

LRT化は地下鉄建設よりチープで、バスよりも大きな輸送量を持つ。ただ、城東地区でこれが適正かを問われると答えは難しいところ。西鉄北九州線のような専用バスルート化が効率的といえそうだが、臨海副都心の今後でどうなるか評価が分かれるところではないだろうか。つまるところ、安易な旅客化ではなく、総合的な中での位置付けを考えて欲しいものである。

小名木川線LRT化

投稿者---3%鉄道マニア氏(1998/11/28 14:25)

なるほど。確かに小名木川線はろくに列車が通らない。
私としては常磐線のバイパスと考えてましたが、LRTというのは思いつきませんでした。
貨物については武蔵野線の新松戸以南が貨物化されるらしいので、この貨物線の役目が終わるかもしれません。
551さんのご意見、もしかするとイケルかもしれませんねえ。それに晴海付近に路面電車が通るかもしれないらしいので、そこと直通し銀座まで行ければ便利ですねえ。

Re:小名木川線LRT化

投稿者---海道ふさたけ氏(1998/12/28 12:12)

変更間際に突然失礼します。
東武亀戸線をもとりこんだ貨物線利用案には、概ね賛成です。
#半蔵門線開通後は、亀戸線の運営を東武がすることもないのでは?という気もしています。

ただ、東陽町まで延伸させられるかな、とは感じています。
スイッチバックや、東西線への流入が心配なところです。
12号線と浅草線の蔵前のように、無理矢理乗換駅にしてしまう案でも・・・あまり良い事ではないでしょうが。

また、南端の終点をどうするか、は考えさせられますね。

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京葉間流動大動脈の将来

投稿者---551planning(1998/11/29 23:33)

順番に今後の京葉間流動の鍵を握ると思われる各線を見てきたわけだが、元々の論点として、「京葉間流動は限界に来ているのか」という指摘が可能であろう。私は[No]である。JRおよび京成がさらなる積極的施策を施せば、充分輸送可能な輸送量なのである。第2東西線構想の項で断じた通り、現状営団東西線にそのひずみが出ているのである。
では何故同じ項で「京葉間にもう1路線あっても無駄ではないだろう」と記したのか。それは今後の「京葉地区の成長性」を見ての考えである。

京成電鉄はこの12月から、幕張本郷―海浜幕張線に日本初ともいうべき市中路線連節バスを投入する。曲がりなりにも順調に成長しつつある幕張新都心。しかしJR京葉線の輸送力がここにも「ひずみ」を生んでいるのである。都心(総武線方面)から西船橋経由の流動が定着していないという明らかな証拠に他ならない。総武快速線で来ると、西船橋で乗換ができない事が問題であり、緩行線・東西線経由だとしても南船橋での乗換が強いられ、京葉線快速が停車しない事から、連絡列車は西船橋基準朝8時台でランダム5本にしか満たないのである。さらにこの時間1駅前の新習志野入庫電車もあることからさらに不便感が募る結果になっているともいえよう。
単純にいえばJR京葉線の効率的輸送ダイヤの導入を切に希望したいところであるが、JR東日本千葉支社では「京葉線の線路容量はすでに限界に近い」(鉄道ジャーナルNo.381(98年7月号)内「がんばれ房総183ブラザーズ」p74より)としており、今後モーダルシフト進展での同区間貨物需要も望める事からもう1路線の新設も暴論とはいえない状況になっているといえよう。

ただし、誤解を避けたいところだが、現状のJRおよび京成の輸送システムが限界に来ているとは思われない。両者とも使用列車・編成の統一化を図って行く意向であるが、緩急接続重視の輸送システムの導入如何によっては効率化および高輸送力化も可能である。一例として総武緩行線への千鳥式快速列車や市ヶ谷折返しの活用で東西線に流れがちな需要を確保できると思われる。今後使用されないであろう両国駅快速線ホームも、都営12号線との連携、高々架による秋葉原方面延伸時の活用も検討課題といえそうだ。都営新宿線の活用や、第2東西線構想も関わってくる話である。

その上での1路線新設であるが、基本的には京葉線付近増設が望ましかろうと思われる。沿線地域の商業的ビックプロジェクトを見てもさらなる利用増は容易に見込めるところである。都心部分アプローチは新木場を起点とする。京葉線・TWR・営団有楽町線の交点であり、そのどれとも直通が可能とすべきだろう。今後の交通インフラ整備の最重要課題は「既存システムとの連携・活用」という視点であり、現実的に見ても臨海副都心(新宿)方面、丸の内方面、銀座・永田町・池袋方面と都心方面利用の分散化が図れそうである。一方で都心部は東西線の救済路線としての活用も考えられよう。押したいのは半蔵門線ルート東進、葛西橋通りを通り、市川塩浜付近から合流という方向性も「あり」ではないか。
基本的には京葉線の複々線化というところだが、千葉付近では総武本線方面のアプローチも検討されるべきだろう。NE'X乗せ換えによる高速化と総武本線一般輸送力の強化も可能となる。新線は武蔵野線との交点を考慮せず、現京葉線にその役目を集中させるべきだろう。臨海副都心に新たな物流ターミナル建設によるモーダルシフトの進展を図ると同時に小名木川や梶ヶ谷、川崎臨海部等の中途半端な貨物ターミナルを統合、それぞれの再開発を考える事もできる。

現時点では絵空事ともいえる話を考えてみた。しかしこの話が道路では第2湾岸道路(WANGAN2)として構想が進められ、それとリンクした新たな臨海部建設計画(葛西沖新最終処分場、市川・船橋沖「三番瀬」埋め立て等)も挙がっているのである。総合的輸送力では、6車線の自動車道と、複線の鉄軌道の比較はどちらが上かははっきりしているのではないだろうか…。

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10) 千葉都市モノレール

投稿者---551planning(1998/11/29 23:37)

<千葉-県庁・都町方面、穴川-幕張新都心・幕張本郷方面> 市内双方向交通向上のため必要性大

市中心部と市郊外団地地域とのの自動車交通緩和策として1971(昭和46)年に軌道系交通機関建設が千葉市で企画され、77年には「千葉都市モノレール対策協議会」が発足、そこで、

  • 千城台―都賀―スポーツセンター(以下SC)―千葉―都町―大宮台―千城台(環状ルート)
  • 千葉―千葉港―稲毛海岸―幕張新都心―幕張本郷(幕張ルート)
  • SC―稲毛―稲毛海岸(稲毛ルート)

の基本3路線(ルート名は筆者仮称)が選定され、これを受けた千葉市は中央港(千葉港)―市役所―千葉―県庁の1号線と千葉―SC―都賀―千城台の2号線を先行工事区間とし、他路線を将来計画区間とした。79年3月に千葉市・県がそれぞれ26%、新日鉄・川鉄が7.8%、三菱重工5.6%、京成電鉄5%、他金融機関という出資比率で第3セクター千葉都市モノレールが設立され、81年上記2路線免許取得、88年3月にSC―千城台間開業、91年6月に千葉(仮駅)―SC間、95年8月に千葉みなと―千葉(本駅)間が順次に開業した。現在千葉―県庁前間工事が進展中(99年春開業予定)で、さらに千葉寺方面への構想がある。また、幕張本郷―海浜幕張間の検討も行われているという。

利用人員がさほど伸びていないのは、川島氏も指摘する通り他交通機関、特にバス等との連携性の低さだろう。また、千城台方面は都賀への連携という役割があるものの、SCや穴川からは対東京という意味では稲毛に出るほうが得策とも言え、千葉中心部の求心性の低さを如実に現しているとも言える。千葉市は幕張新都心を成功させたが、商業圏中心たる千葉駅周辺とのリンクが全く考えられていなかったことから商業圏の相対的地盤沈下が起こっているとも言える。そのためには海浜幕張と千葉の直結が望まれるところである。いまさらながら京葉線が中途半端であったことが悔やまれよう。歴史にIfは許されないが、仮に東千葉―千葉―旧千葉貨物ターミナル間に地下新線が造られていれば…。閑話休題。
 将来計画区間に話を戻すと、まず環状線の形成が有効か…ということで、答えはNo。根拠として懸垂式モノレールは大規模構造物を必要とし、下部道路の拡張という副産物を伴うものだが、ならばそれだけでもよいと割りきるべきである。県庁前以東の区間は当初予定の都川河川上からどんどんと南に振られていっているが、だんだんと京成千原線エリアにバッティングして行く。これ以上敵を増やすのもかわいそうではないだろうか。どうしても…というのなら蘇我方面か青葉の森公園で打ち止め、ここに高速BT設置で県内主要都市とのリンクを考えるべきだろう。千城台以東は開発余地もあり、都賀リンクを考えればスポーツ公園方面延伸も望まれるところだ。大きく考えるなら、鎌取・誉田方面延伸も検討余地はあろう。ここからは対市中心部高速性は望めないのだから、大阪高速鉄道がそうであるように、放射状路線リンクを主眼とすべきである。
 一方SCからの延長路線は検討の余地は大きい。穴川―稲毛―稲毛海岸間は狭隘道路もあることから、根本的に道路拡張を兼ねた延長が期待でき、かつ現実的である。ここから千葉みなと方面への延伸、すなわちこちらでの環状線建設も考えられるべきと思われる。
 しかしこれより先はどうであろうか?道路も整備されており、むしろこれからの開発地域とも言える。ならば大規模構造物を伴うモノレールより、積極的にLRTへチャレンジしてみるのも良いように思われる。しかしそれでは先述の海浜幕張―千葉直結との意見と食い違うことになってしまう…。

 かつての路面電車アレルギーから、かつ建設省の中量輸送システムへの方針(モノレール・新交通システムへのインフラ補助)もあって、安易な形でのこれらシステムの採用が各地でなされている。最たるものが他交通機関との連携をバスだけしか考えなかった広島アストラムラインだろう。千葉の場合も、効率的な交通体系を考えればこの選択は間違っていたと断じれると思われる。しかし出来てしまったものは致し方ない。と言うことで、穴川―幕張―稲毛海岸区間建設は望ましく、稲毛海岸―千葉みなと間及び海浜幕張間検討も望まれよう。ただ、並行して幕張―海浜幕張―幕張本郷間のLRT導入も現実的であると思われる。

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11) TDLモノレール・メトロセブン

投稿者---551planning(1998/11/29 23:40)

<浦安市舞浜付近・葛西臨海公園―亀有―西新井> 道路整備こそ必要

TDLモノレールは、東京ディズニーランドを経営するオリエンタルランドが、TDLの海側に隣接する「ディズニーシー」構想浮上により、JR京葉線舞浜駅・TDL・舞浜ホテル群との連絡を考えた新交通システム構想に始まる。ディズニーシー建設決定によりこの計画も具体化し、先日大要が発表された。日本袴座式モノレール線で、TDL外周を周る約5 キロの循環路線、各地点に4駅が設置される。愛称は【ディズニーリゾートライン】。すでに着工され、ディズニーシー開業の2001年秋に合わせて開業予定とのこと。
メトロセブンは放射状路線リンクの外周鉄軌道を持たず、流動に難点(いわゆる南北交通問題)を抱える江戸川・葛飾・足立3区が提唱する、環状7号線付近鉄軌道新線計画である。大要等は現時点では決まっていないが、新交通システムやモノレールが考えられているという。環状7号線の経由する、葛西臨海公園・葛西・一之江・総武線新小岩―小岩間(新駅設置が希望されている)・青砥・亀有・北綾瀬・西新井各駅リンクを主眼に沿線地域との相互利用が考えられている。

先ず【ディズニーリゾートライン】建設決定は、まあ喜ばしい事と思われる。現実的にはLRT導入のほうが安上がりで、かつ浦安市中央部方面への拡大も容易に図れると思われたのだが、もとが通勤通学・沿線地域利潤還元といった目的での建設でないので、既存のシステムに縛られない遊び心を持った「のりもの」を期待したいところである。
さて問題はメトロセブンであるが、沿線の現状を考慮すると、周辺道路が貧弱ということで環七へ自動車が集中する結果になりがちである。放射状主要道との交点も陸橋化等でスムースな流動を図る努力をしているものの、バス路線の定時制確保はなかなか難しい情勢である(葛飾区内では路線設定すらない区間もあり)。そもそも鉄軌道が必要かという需要もなさそうな感じである。更なる調査・既存バス路線の活用等検討課題は多いであろう。

ちなみに論から外れるが、川島氏も提唱している通り、メトロセブン完成の暁には、ディズニーリゾートラインとのリンクも考えられるべきである。その前に江戸川区がかつて持っていたTDL舞浜地区と葛西臨海公園との相互新交通システムリンクは是非行って欲しいと思われる。現状でも、昼間は臨海公園・夜はTDLでパレード見物といった相互利用も多いとされ、水上バスステーションとのリンクや駐車場スペースでも両者合わせた利用が可能となり、将来計画のロッテワールド東京との相乗効果も期待できる。この地域のスムースな交通連携は求められるところである。

メトロセブンは本当に必要?

投稿者---3%鉄道マニア氏(1998/11/21 21:15)

質問です!メトロセブンは本当に必要なのでしょうか?
みなさんのご意見を伺いたい!

Re:メトロセブンは本当に必要?

投稿者---551planning(1998/11/28 23:21)

ちょっと視点を変えて、江戸川区の持つ南北交通という課題での提案でお応えしましょう…。

荒川・中川堤防の大型旅客自動車専用道路化

現在首都高速中央環状線高架が建ちあがる荒川・中川堤防部分をバス専用道として活用するもの。
北千住―四ツ木―新小岩―船堀―西葛西…葛西臨海公園を基幹とした相互連絡バス路線を運行すればそこそこの利用が望めそうである。
現状新小岩―船堀―西葛西駅間には都営バス新小21系統が運行されており、沿線旅客だけでなく相互駅間利用者も結構いる。
主な運行ルートである都道308号(千住小松川葛西沖)線(船堀街道)は都心との放射主要道との交差点付近で慢性的な渋滞が発生しやすく、自動車専用線を通れば新小岩―西葛西間20分弱も可能である。各橋部分との取りつけ部も整備されており、堤防部の路盤も運行に耐えうるものである事から早期な実現も可能であろう。

という事で、メトロセブンを新規整備するよりも、既存インフラの有効的活用という発想が大事、という提案でした。

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  • どうなってるの?新線鉄道計画=京葉地区編=
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つまるところ、京葉地区新線計画の行方は…?

投稿者---551planning(1998/11/29 23:54)

以上、現在京葉地区で予定・計画・検討等されている11路線をピックアップして「検証」してきたわけですが、皆さん如何思われたでしょうか。
この企画があってこそ、HPまで立ち上げてしまった当人にとっては、どの鉄道も可愛い息子に見えてならない…訳がない!。いかにこの地域の鉄道、ひいては交通政策が問題点を多く抱えているかを改めて実感した次第であります。

11路線、結局は「あってもなくても…」とまでは言わないものの、「もう少しじっくりと考えても良かったのでは?」と思われるものばかりです。東葉高速鉄道のように地権者との折衝で大幅に遅れてしまった特殊な例、千葉急行電鉄が歩んできた出資者相互の意見の違いを引きずってきた経営、芝山鉄道のように国のサイコロの振り方ひとつで大きく動く鉄道建設…。そのどれもが?付きの鉄道たちであり、現に開通している各線ではしっかりと「市場の論理」が働いているといって良いのではないでしょうか(そして「千葉急の悲劇」が…)。
しかしながらそれは傍観者の意見であって、沿線住民にとってはそれぞれがかけがえのない生活路線でもあるのです。過疎化しているから=縮小・廃止・バス転換という筋書きができないニュータウン地域の路線だからこそ、悩みはより深いといえましょう。11月26日付毎日新聞(横浜地域版か?)の特集「経営難に苦しむ第3セクター」内で、新交通システム金沢シーサイドラインを運営する横浜新都市交通の常務が言うに、「普通にやっていれば黒字なのに、めちゃくちゃな経営で赤字になった企業とは違う」とのこと。だからこそ責任も大きいのではないでしょうか。とりわけ第3セクターには間接的に血税が投入されているわけですし。「鉄道は基本的に受身の問題」と常務は仰っておられますが、記者曰く「他力本願の部分が多い」という指摘そのものずばりでしょう。それならば気軽に利用できる土壌作りが肝要ではないかと思われます。たんにバリアフリーである事は勿論ながら、多摩都市モノレールで指摘される駐輪場問題、千葉急がそうであった対都心直通性といった、1社だけではどうにもできない広域的な問題点を一つ一つ挙げてゆくことから改善の道は始まるのではないでしょうか。その意味では利用者も受身であってはならないのです。両者が意見を出してより良い鉄道・交通体系の樹立が早急に望まれます。そこで求められる事は先ず事業者側の積極的アプローチであると、私は考えます。

この企画を始めるにあたって、私は京葉地区に視点をあて、ミクロ的視点にスポットを当て、それをつなぎ合わせることでマクロ的議論に持っていこうとした試みによって、この地区の交通政策、ひいては日本の交通政策における鉄軌道整備の置かれた立場・順位といったものの低さを指摘したいと考え、「目次」で以下のように記しました。

#なお、あえて比較して食い違うような提案をしている個所もありますが、そこに京葉地区の鉄道が置かれている問題点を見出して頂ければ、この企画は成功と考えております。

挙げてみると、東葉高速鉄道に対する考え方や、LRTに関する視点等ということになりましょうか。何故こうしたのかというと、その場で取り上げる文章的流れということもありますが、視点を変えれば様々な考えができるということを示したかったものです。その意味で現時点で骨のある御批判を頂けていないのが残念であり、その意味でこの企画がまだ合格点を与えるに程遠いと思っております。まあ、もしかしたら「素人の戯言」と思われたかもしれませんが…。皆さんは如何お考えでしょうか。

ともあれ、この連作拙文に御付合い頂いた点、素直に感謝致します。有難うございました。


ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

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