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Special205-3 |
浜松LRT構想(案)概要紹介編 | 投稿者---551planning(2003/12/09 10:51:37) |
シンポジウム参加記で触れた通り、改めまして浜松LRT導入構想案についてポイントを絞って紹介したいと思います。なお、出典はシンポ配布資料を中心に当日の議論内容を補足しています。なお資料では20ページ以上に仔細が掲載されており、第1次計画案7路線の詳細や開設敷設総費用内訳まで示されているものです。
浜名湖周遊記(シンポジウム参加編) ../report/045-2.html
※以下〔 〕内は551planning補足 ●LRT導入理由
●具体的導入計画案 <ア>路線網
【第2次計画案】
【第3次計画案】
<イ>敷設仕様
<ウ>運行諸施策
●「人と環境にやさしい社会」をめざして <ア>広域・都市圏交通
<イ>中心街におけるタウンモビリティ
●LRT導入推進に向けて <ア>ロードマップのイメージ
<イ>LRT実現に向けた課題(シンポジウムでの論点として)〔←結果的に議論されたとは言いがたいが…〕
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浜松LRT構想(案)を斬る 投稿者---551planning(2003/12/11 17:17:42) |
浜松LRT構想(案)を斬る └Re:浜松LRT構想(案)を斬る └取り急ぎの回答と補足 └Re:浜松LRT構想(案)を斬る(不可能は不可能として斬る) └遅ればせながら私見を |
【検証:】では2001年の春に浜松におけるLRT導入案が取り上げられ、議論がなされました。このときは当時のLRT計画立案ブーム、というべき状況の中、あそこもここも…という感じで取り上げられた中のひとつであったのですが、今夏に地元の方からの紹介という事で再び取り上げられ(尤も一昨年の原案と今回のそれは企画者が異なるようなのですが)、たまたまタイミングが良かったと云いましょうか、当方は現地を訪問し紹介者が所属されている浜松都市環境フォーラムの方にも実際にお会いするとともに、別の機会には【検証:】の常連諸氏と車にて周辺を巡りつつ、そして今回のシンポジウムに参加するという経緯を辿ったわけですが、「全容発表」を受ける形で改めてこの構想(案)について考えてみたいと思います。
先ず前提として、当方自身は鉄道が好きですし(尤もバスとの「両刀」ではありますが)、その意味においてはLRTをはじめとした新線計画には常に好奇心を持っております。しかしそれであるが故に手放しで賛成だ、反対だというような形での意見表明は当方自身したくありませんし、あくまでも利用者の視点で捉えてどうなのだ、というところを考えたいと思っております。ゆえに下記については別途フォーラムのほうへメール送信の上御意見を伺うことと致します。
なお、プロジェクトを立ち上げ推進するのはあくまでも地元の方ありきの話、【検証:】としては有意義な形で側面支援とでも云いましょうか、時に厳しい意見もすんなり示せる「外野私設応援団」としての方向性が望ましいと考えるところ、本企画についてはまさにゼロから軌道系交通機関、それもLRTを導入するという具体的提案である事を踏まえ、他地域の手本となる可能性も秘めている事からしても、フォーラムの皆様をはじめ、広くLRTや地域交通に関心のある方の意見交換の場として進めてゆきたいと考えております。是非ともその点につき予め御理解を賜りたく。***
それでは構想(案)についての私見を。まずは配布資料にある「シンポジウムでの論点」に沿って考えてゆきたいと思います。そこでは『提案いただいた課題はシンポジウム後にさらに研究を深めていきたい』とされている事から、翻って今後の重要課題であると当方が認識したためです。●何故、LRTか
交通政策はその地域や都市圏にあったシステムが求められる。地下鉄やモノレール、トロリーバスなどの中から、浜松都市環境フォーラムが「LRT」を選択した理由は何か
…と説明書きされているのですが、この時点で当方自身はどうしても引っ掛かる事があります。すなわち、現に浜松市と遠鉄は「オムニバスタウン」政策を進めており、まさに日本を代表する先進地域でもあるわけですが、現在のシステムではダメたという点が明確ではなく、さらにそれに代わり得るシステムとしては何故か軌道系主体に固執している面が見受けられるところです。
別掲の通りフォーラムが掲げる導入理由としては「車依存型社会からの脱却」「政令指定都市化に際して新交通システムによる新たな都市づくりの必要性」「燃料電池システムの多用による「環境産業都市」への飛躍」があり、また「LRTを中心とした新交通システム導入の暁には中心市街地から排気ガスが一掃され活性化が図られる」としているのですが、このように並べてみるとやはり環境面やどうしても合併ありき、という印象が強くなってしまおうかと。環境面については広電中尾氏も「燃料電池バスが出てきたところで環境面優位が強調しにくくなった」と仰られていましたし、いみじくも来賓挨拶で某議員が「現在ある政令指定都市の総てが地下鉄・モノレールといった鉄道システムを有している」旨の発言をされていたのが強く記憶に残っています。ただ、これでLRT導入自体を否定するつもりはありません。何故なら現状の遠鉄バスの運行形態そのものについて問題無しとは言い切れない面もあるからです。まさに浜松駅ターミナルを中心に放射状に路線展開し、かなり奥のほうまで大型超低床バスが入り込んでいる運行形態が需要低減傾向の折に硬直化・非効率化を招いている、また母数が多い事から中心部で車両が集中しがちになることで「バスによる渋滞」も見受けられること、その緩和と利便性向上を狙ってか中心部では路線が面的に錯綜しているのですが、いちげんさんには判りづらく、地元利用者にはどちらが目的地へ速く着くのかが微妙である…という事が実見の限り指摘できようかと。その点LRT導入によって路線バスはフィーダー的役割を担うとするフォーラム案は、LRTの6分間隔運行を含め輸送力のバランス化としても明確です。
しかし、であるからこそ肝心な点は、運行主体や路線計画案に求められてくると考えます。すなわち、遠鉄との関係性を明確にしなければ、いくら政治力云々としても進む話も…という事になりかねないのではないでしょうか。この点については後段でも触れてゆきます。●交通権
フランスでは1982年に定められた国内交通基本法において「交通権」の保証が義務付けられ、誰もが容易に移動する権利を基本的人権のひとつとして認めている。本シンポジウムは、道路を本来の機能に戻すとともに、社会から「交通弱者」という言葉をなくすことも重要な論点となる
この前段では車依存社会の現状と、LRT導入で車線数減少による車利用者(4割)からの不満の声が出される可能性の対極に、現状で不便・危険にさらされている交通弱者の存在(6割)が挙げられているのですが、当方不勉強で恐縮ながら、フランスでの「交通権」なるものには義務的要素、すなわち公共セクターによる公共輸送の提供とそれに伴う税金支出…損失補填的なものからより踏み込んだ形での支出が裏打ちされているものと考えます。
勿論日本でもそれがが志向されるべきと考えますが、一方で現状の独立採算性前提が限界点にあるかとするのもどうかと考えます。その落しどころとして上下分離という発想が出てきているものと考えているのですが、その点について明確に打ち出されていない点は残念と云わざるを得ません。また、配布資料では『新交通システムが実現すれば、郊外から大量に消費者がやってくるようになる。P&Rにより、これまでのように駐車料金を気にすることなく終日、中心街での買物や食事を楽しむことができるようになり、車で一杯だった中心街は、一変して、人で一杯の街に変わることになる』『LRTとP&Rの導入により、中心街への一般車両の乗り入れは大幅に減少する。バスやタクシー、配送車輌、中心街の企業や商店の車輌等に限定され渋滞も解消される』『LRTの導入により、渋滞や排気ガス・騒音は大幅に減少し、オープンカフェを楽しむことのできる街が実現する』といった文章が並んでいるのですが、何故そうなるかについては明確でないところも気になります。ひとつに政策的なP&R誘導策でとされていますが、果たしてそれだけで転換してくれるものなのか?…当方はロードプライジング等の半強制的な施策の可能性を会場で問うたのですが、浜松環状線道路の整備と絡めた聞き方も悪かったのか、納得できる回答は得られなかったと認識しています。そういう意味において、4割いるであろうとする既存の車利用者の「交通権」への対応、アプローチをどのようにするのかは、まさにパネルディスカッションの最後に黒川教授が指弾した点であり、また商用車等との区分・商用車の利便性への言及も大きな課題であると考えます。
●路線計画案
一旦敷設した鉄道は容易に敷きかえることはできない。まさに100年の計が必要となる。合併を迎えた今が、それを考える時だが、LRT敷設構想案は新都市圏住民にどんな利便性をもたらすのか
ここでも「合併ありき」なところが気になってしまうのですが、配布資料でも『2007年から日本の人口は減少期に転ずる』としており、人口減少は消費・経済減衰要因であり、それを補う地域振興策で都市間競争に勝ち残る必要があるとしています。そこで新生政令指定都市は文化都市・観光都市としての個性と魅力を浜名湖に求めるとし、LRT計画案でも第2次計画で浜名湖周辺アクセスを中心にしています。ただこの2次案では雄踏-村櫛-鷲津間でそれぞれ1キロをゆうに越す浜名湖架橋や、3次案でこちらは道路併設と聞いたと覚えますが天竜川も越えるものもあるなど、この時点でかなりの大風呂敷感が漂ってくる気がします。また3次案では『都市のドーナツ化により、郊外と郊外を結ぶネットワークも重要』中心街から6〜7キロほど離れる浜松環状線への敷設も視野に入れているのですが、先日走った限りにおいては放射道路との交差部こそ張り付きが見られたもののかなり長閑な風景が続いていた事もまた事実です…勿論3次案もという頃には都市の「勝ち組」としての必要性があることになるのだろうとは思いますが。
話を戻して、第1次計画案はフォーラム森研究部長自らがくまなく市内を実地調査した結果としており、質疑応答でも絶対的自信を見せておりました。配布資料でも路線別に・敷設概要(ルート案上の道路環境等)、・沿線人口、・駅名、駅間・類型距離、・始終点発車時刻が示されているほか、別途開設敷設総費用明細、収支計算概要が纏められた一覧表も載っております。それによると7路線総距離37.8km実キロ計画で車輌費含め891億84百万円、キロベース約23億円(重複区間含め44.9kmだと約20億円)と、丁度相場とされる20億円程度になっていると森氏は自信を深められておりました。なお敷設費・付帯物建設費等は広電ベースとのこと。さらに年間延べ1500万人が利用し、最低運賃レベル(150円ベース)で収支25億でトントンとなると見ているそうです…ちなみに広電は宮島線含めて34.9km、年間延べ5670万人が利用し鉄軌道営業収益は65億、同営業利益は4億(いずれも2003年3月期)となっています。勿論一概に比較はできませんが、さて…という印象を抱かざるを得ません。
まず指摘できるのが、25億とする総経費の部分には減価償却の問題が織り込まれていないと見受けられ、また車庫等の土地代も除かれており、そこが運営体としてのイメージと密接に絡んでくる点。また開設敷設総費用892億円の出処が何一つ触れられていない事は最大の注目点と云えましょう。後者について配布資料では国の制度・補助金の活用や合併に伴う特別起債や民間資金の活用、特にPFIについて研究してゆくとは触れられている一方で、晩夏にフォーラムを訪ねた際には合併特例債の活用こそがとの話がなされ、ゆえに「合併ありき」という事になっている(特例措置期限が2005年度までのため)わけですが、では運営体はというと「決定権は無い」というのですから…。
また利用者換算についても開示データは沿線人口のみ、また「実地調査」等の結果で各路線計画が各種学校等主要集客施設需要を踏まえたものとの発言もありましたが、結果どのように実数が弾かれたのかは不明であり、別視点で云えばP&Rの大規模導入を提案している一方でその関連のデータまでは見越していないようでもあることから、ではこの数値はどのように積み上げられているのか…と考えざるを得ません。無論根拠があっての数値とは認識するとともに、1市民団体の提案に何処まで求められるべきかというところもありますが、中途半端に掲げられて後々どのようになるのかということをつい心配してしまいます。
広島電鉄平成15年3月期個別財務諸表の概要 http://www.hiroden.co.jp/dentetu/report/200303_tandoku.pdf
環浜名湖政令指定都市構想/よくあるQ&A http://www.kan-hamanako.jp/q_a/a_18.htm
●レール敷設位置
LRTを道路の中央を走らせるのか、歩道側を走らせるのか、片側に寄せるのかも大きな論点となる
この点については、1次案では基本的に道路中央案を取っていると森部長。曰く地下埋設物との兼ね合いから道路中央部が最も支障が少ないため、両路側・片寄せ敷設よりもコスト面で有利である…と、マンホールの多さを引き合いに述べられていました。
採算性重視を前面に打ち出した1次案ゆえ、ということがあるのでしょうが、個人的に危惧するのは、「100年の計」であるべき敷設案について、街のグランドデザインを含めて検討する必要が無いのかということでしょうか。また個別的にですが、停留所の設置について各方向交差点手前に島式でとされているところ、どのような幅を念頭にされているのかは不明ですが、安全性は勿論車椅子等の乗降性等からして道路中央部にそれなりの幅を確保する必要性が生じる一方で、右折車(レーン)との兼ね合いをどのように考えるのかもポイントになると考えます。その意味ではまさに『停留所の設置位置や、乗降客の安全性、商店等の荷捌きスペース、自転車走行の安全性、民地からの車の出入り、地下埋設物との関係など、いずれの場合にも一長一短がある』と説明書きにあるように、総合的観点から場所毎に仔細検討する必要もあろうと考えます。
…尤も、LRT導入によって中心街へ流入する一般車が激減するとの見立てである以上、然程意識する必要もないのかもしれませんが。●信用乗車方式・非接触式ICカード・共通乗車方式・料金システム
この点は当方自身総論として関心の強いところであり、実際に質問させて頂いた所でもあるのですが、広島でも岡山でもその重要性を認識しつつ、なかなか…という印象。特にICカードについては初期投資がネックになっているようですが、浜松では遠鉄が鉄道・バス共通カードを昨年導入実験しており、また浜松市大塚課長が近くの正式導入に触れられていたので、使わない手は無いでしょうと思いつつ配布資料では言及がありません。『初期購入額が高額で汎用性がないことや、旅行者やたまに利用する乗客には不便という課題もある』との説明書きですが、端緒というべき香港では旅行者用もあるし回収すればいい話でもあるし、何よりも汎用性が無いというのは認識が足りないとされてもと感じますが。
いろいろ書かれている中では料金システムについて、従来の距離制運賃はシステムが複雑で向かないとし、『全線あるいは区間ない一律料金がふさわしいが、初乗り運賃をどの程度(計画案では150円)に抑えるかも重要なポイントとなる』としていますが、特に採算性を自ら求める1次案を掲げている面からすればあやふやとも思えなくもない気がします。
個人的にはICカードを軸としたチケットキャンセラ、およびこれは広電中尾氏も言及されていたところですが、罰則規定の現実的強化が肝要と考えます。ただしチェックをいつするのかという点では、乗車時1回が望ましいと考える以上は一律運賃ということになろうかと思いますが、そこで「独立採算制」との兼ね合いで運営体がどうか…という議論にやはりつながってくるではと。●経営方式
LRTの経営を何処が行うかは最も重要な問題となる。「上下分離方式」、「公設民営方式」、「第3セクター方式」などがあり、遠鉄バスとの連携をどうするのかも大きな課題となる。かつて、浜松市は市営バス事業から撤退した経緯があり、第3セクターの天竜浜名湖鉄道の経営も大きな問題を抱ええている。また、資金調達においても民間活力を活かしたPFIの活用など、最善の方法を選択する必要がある
…やはり玉虫色の説明書きになっています。確かに「決定権は無い」という主張は責められないとも云えましょう。ただし2010年までに営業をとし、曲がりなりにも詳細な開業経費まで算出している以上はある程度明確であるべきではないでしょうか。
個人的にはこれまでの経緯を総合して、フォーラムの意図するところは公設民営(ところで上下分離と表現するところはほぼ同意ですよね?…厳密に云うならば公設民営による上下分離方式でしょうか)のイメージが一番近いのかなと感じています。施設管理3セクを立ち上げ補助金関係の受け皿としつつ、運営は遠鉄(ないし別途企業を募って…といってもなかなか難しいでしょう)がバスと一体で行うという筋書きが一番すんなりと来ます。施設管理3セクもわざわざ立ち上げる事は無く、天竜浜名湖鉄道を据えて天浜線の運営をLRT運営体(遠鉄)に一任するとすれば、広域運営体が同一となるとともに行政との関連性をそのまま維持強化できるという事にもつながるものと考えます。
…尤も現実はそう甘くないでしょう。そもそも当該LRT構想について遠鉄がどのような印象を受けているか。さらにフォーラムとしても『LRTと重複するバス路線は廃線として』と配布資料にさらっと書いてあったり、また「現在の館山寺線等のドル箱路線は急行バス化して共存を図れる」との森部長発言があったりとブレもいいところであり、といって市側としてもオムニバスタウン政策での関係性以前に企業としての存在そのものが大きなだけに強くは出られないものと考えます。○その他掻い摘んで…
- 軌間について
会場でも質問が出ましたが、何故軌間1435mmかというところについては「車椅子が車内で移動可能な通路幅の確保」ということでしたが、裏を返すと車椅子での車内通行の必要性がピンと来ません。料金収受の観点等からかもしれませんが、果たしてそこまで対応すべきなのでしょうか。天浜線の活用、「接続」をアピールしているところからすれば直通可能性や、そうでなくても既存の遠鉄や天浜線の整備施設を活用する事もできなくはないと愚考します。また車両コスト面としても岡山や高岡で1067mm超低床車両が実現している事からしてその活用も可能になるのではと思いますが。
なお、個人的には障害者の方の社会参加は当然必要であると考える一方で、STSや現実的には介護タクシーといったような対応可能な移動手段を適切に提供することも肝要と考えています。
- 車両性能について
2010年というとあと7年あると捉えるか、もう7年しかないと捉えるかで印象は全く異なるわけですが、燃料電池技術はようやく実用化という段階であり、鉄道においてはJR総研が今秋にリチウムイオン二次電池システムによる「架線レス」バッテリートラムを発表した段階であり、こちらの実用化があと5年程度とされていますが、大量発注による廉価化は勿論、純粋架線レスシステムでの非常時対応をどうするのかというところも見えないと言わざるを得ません。
この点フォーラムでは晩夏の段階で仏・ボルドータイプの地表給電システム(かつ風力発電の援用も)としており今回も併用的に盛り込んでいるのですが、こちらも日本には無いシステムなだけにコスト面含めどのようなものかが判りかねるところです。
エネルギー回生型車両の開発について−架線レス バッテリー トラム− http://www.rtri.or.jp/press/h15/aug20.html
***
以上を踏まえ、疑問点を纏めてみます。
- オムニバスタウン政策の転換の何故…バスシステムの限界をどのようにアピールするのか
フォーラム自ら循環まちバスの燃料電池バス化を挙げているように、環境面訴求としての大規模LRT構想案の必要性がいまひとつ弱い気がするが- 車利用者の「交通権」をどのように考えるか
LRT整備ですんなり車から転換するとは素直に思えない。その意味で中心市街地ないし近隣地域への車流入を抑える半強制的な施策が必要になるのではないか- 導入ロードマップと重要ポイントの決定時期について
2010年導入から逆算して残された時間はあまりに少ない。合併決定含めどのように考えているか、特に初期投資の確保方、運営体の決定をどの時期で考えているのか、また「現実的に考えられる導入時期」が別途あるのならそれに至るロードマップについて個人的には先ずこの3点に絞って問うてゆきたいと考えておりますが、皆様からも所感をお聞かせ願えればと考えます。
Re:浜松LRT構想(案)を斬る
投稿者---かまにし氏(2003/12/12 21:01:35)かまにしです。
551planning様、『浜松都市環境フォーラム』のシンポジウムの詳細なレポートどうもありがとうございました。中心市街地の活性化をはじめとしたまちづくりと交通のあり方の関係について学んでいる身からすれば、浜松の報告は非常に示唆に富んだ事例であり、考えさせられるものです。551planning様も既にいくつか指摘されているところではありますが、私も今回のレポートから分かる範囲でコメントをしていきたいと思います。なお、私自身は浜松を訪れたことは数回しかなく、ましてや住んだ経験は全くない身ですので、あくまでも数少ない経験と皆様の報告をもとにしたコメントである点をご承知いただきたいと思います。
◆徹底的に欠けている「LRTをいかに市街地の活性化に結びつけるか」の視点
今回のシンポジウムでの報告の限り、私は『浜松都市環境フォーラム』が掲げる案には徹底的に欠けている視点があると思います。それは空洞化した中心市街地の再生をはじめとした「まちづくり」の視点です。
よく、LRTを推進される方の中に「車を排除してLRTを引くことで中心市街地は活性化する」ような旨の発言をされる方がいらっしゃいますが、これははっきり言って幻想に過ぎないと思います。もし「LRTを引いたことで結果的に中心市街地が活性化した」事例があるとすれば、それは車の通行規制などによって歩行者空間が改善されたとともに中心市街地が魅力的な商店空間に変わった時に、LRTの大量輸送性が活かされて集客装置となるだけのことです。逆に言えば、中心市街地が魅力的な場所にならない限りLRTがあったとしても無意味で、単に空気を運ぶことになるだけです。
また、商業空間が広く分散している街では、商業空間内の回遊性を高める手段としてもLRTが活躍して、活性化に寄与する場合もありますよね。LRTではありませんが、天神・博多をはじめ、キャナルシティやシーサイドももちなど、多くの拠点を持っている福岡都心部では、西鉄が1998年から100円循環バスを始めて、循環バスエリア内の乗客を1.8倍に増加させたという事実があります。さらに福岡大学の研究では、この循環バスによって、福岡都心部を訪れる来街者の平均立ち寄り施設数が大きく増加したという報告もされています。
いずれの場合にせよ、中心市街地の商業空間のテナントミックスを魅力的にしたり、いくつかの商業拠点を結びつけるような「都市計画」や「まちづくり」の視点がなければ、LRTで中心市街地の活性化させるのは到底無理なのですが、フォーラム案にはその視点が見られないのが残念です。
もう一つ付け加えれば、中心部の歩行者空間を改善するために車の通行規制をかける以上、車を通す代替ルート(バイパス・環状道路など)も必要なのですが、そのようなプランは盛り込まれていますか?
◆「選択と集中」「短期・中期・長期」のプランづくりで計画に実効性を
2つ目はこの計画があまりにも大風呂敷で実効性がないことです。第1期計画で一気に5路線も開業するというのは、申し訳ないですが、ちょっと非常識ではないでしょうか?仮に合併特例債が使えたとしても、LRTの建設に拠出するのは浜松市だけではなく国や県も関わる話ですから、そのあたりも考慮に入れるべきではないでしょうか?
例えば、当初は需要の見込めそうな三方原本線と佐鳴湖線の2路線の整備に絞り、あとは2路線の駅から高頻度のフィーダーバスでカバー、2路線の様子を見極めながらその後の整備を行なっていけば良いと思います。
また、これは先ほどのまちづくりの件も含めてですが、もう少し短期・中期・長期でスパンを区切って、いきなりLRTを整備するという選択肢だけでなく、基幹バスやバスレーンのネットワークを形成した後に、需要の見込めそうなところやボトルネックで渋滞してしまうところから、先行してLRTに置き換えていくということも考え方の一つだと思います。
というわけであまり現地を知らないにも関わらず、つらつらと書いてしまいましたが…。何かの参考になれば幸いです。では、失礼いたします。
Re:浜松LRT構想(案)を斬る
投稿者---551planning(2003/12/13 14:35:23)かまにし様返信どうもです。取り急ぎ回答と補足までに。
よく、LRTを推進される方の中に「車を排除してLRTを引くことで中心市街地は活性化する」ような旨の発言をされる方がいらっしゃいますが、これははっきり言って幻想に過ぎないと思います。もし「LRTを引いたことで結果的に中心市街地が活性化した」事例があるとすれば、それは車の通行規制などによって歩行者空間が改善されたとともに中心市街地が魅力的な商店空間に変わった時に、LRTの大量輸送性が活かされて集客装置となるだけのことです。逆に言えば、中心市街地が魅力的な場所にならない限りLRTがあったとしても無意味で、単に空気を運ぶことになるだけです。
この点は評価が難しいですね。コロンブスの卵でもあります。魅力的な移動機関の整備が街を活性化させるということは方策として否定されるものではないと思っています。
ただ、かまにし様の本論であろう「集客施設側の努力」は確かに問われてくるところですので、これについての施策は明確化すべきところ、少なくともフォーラム案で具体的な言及は無いものと認識しています。もう一つ付け加えれば、中心部の歩行者空間を改善するために車の通行規制をかける以上、車を通す代替ルート(バイパス・環状道路など)も必要なのですが、そのようなプランは盛り込まれていますか?
フォーラムサイトに中心市街地の基本交通計画図が掲げられていますが、歩行ゾーンとする外縁に乗継駐車場を配していますが、そのど真ん中を東西に貫く東海道(R152・R257)については「通過交通優先レーン」として車の通行を認めているものと見ます。広域流動であるR1は浜松BPとして南に大きく振られているところですが、ここをも残す意義は当方には図りかねます。また、歩行ゾーン外縁のうち馬込川岸については道路が細いような気もしますので、どのような迂回措置等を取るのかも見えないところです。
なお、浜松周辺には6つの環状線構想があるとのこと…下記サイトが判りやすいです。
西遠都市圏道路ネットワーク計画 http://www.harusato.com/mirai/roadnet.html
浜松都市環境フォーラム http://www.alcclub.net/~lake-hamana/
第1期計画で一気に5路線も開業するというのは、申し訳ないですが、ちょっと非常識ではないでしょうか?
例えば、当初は需要の見込めそうな三方原本線と佐鳴湖線の2路線の整備に絞り、あとは2路線の駅から高頻度のフィーダーバスでカバー、2路線の様子を見極めながらその後の整備を行なっていけば良いと思います。語弊というわけではないのですが補足的に再確認しておくと、2010年を目標としているのは三方原本線・佐鳴湖線で、他の1次案および2次3次案については時間的明示はありません。
また、これは先ほどのまちづくりの件も含めてですが、もう少し短期・中期・長期でスパンを区切って、いきなりLRTを整備するという選択肢だけでなく、基幹バスやバスレーンのネットワークを形成した後に、需要の見込めそうなところやボトルネックで渋滞してしまうところから、先行してLRTに置き換えていくということも考え方の一つだと思います。
これは仰る通りと見ますし、シンポジウム出席の浜松市交通政策課長氏も遠鉄のICカード導入で需要分析が容易になることを挙げていたところからも、行政的には(LRT云々を置いて)そんなイメージを持っているものと思います。
Re:浜松LRT構想(案)を斬る(不可能は不可能として斬る)
投稿者---とも氏(2003/12/14 17:52:03) http://town-m.vop.jp/ともです。
別レスでいろいろ書いておきながらなんですが、致命的といいましょうか、フォーラム案の矛盾点を1点だけ記述しておきましょう。制度上・工程上不可能なものを示しましょう。
浜松LRT計画を斬る(とも案) special205-4.html
***
2010年開業を目指すそうですが、ずいぶんと非現実的なスケジュールを示すものです。
施工期間をどの程度考えているのかわかりませんが、工事内容を羅列すると
準備工: | ・舗装撤去、占用物件の移設(マンホールがなくとも地中埋設物件はいくらでもありうる) ・交差物件の改修(建築限界4.5mをクリアできない物件) ・信号・標識の移設・撤去 |
道路改良工: | ・軌道敷設に伴う建築限界抵触部の改良(カーブ部や交差点部) ・勾配の修正(道路勾配であるため、軌道勾配とは考え方が異なることから縦断曲線・緩和勾配の修正が必要) ・曲線部改修(方勾配=カント)が道路勾配であるため軌道勾配に改修 ・橋梁の補強・改修(場合によっては架け替え) ・歩道部の改修、隣接民地擦り付けに伴う改良 ・右左折レーンの追加設置 |
軌道敷設工: | ・路盤改良(場合によっては地盤改良) ・軌道敷設 ・信号施設軌道回路工事 ・道路信号連携に伴うビーコン等新設工事 |
といった点がありましょう。
ましてや在来方式ならば終電設備が必要ですし、さらには車庫部の設備建築などが必要です。と考えた場合、習熟運転を他の軌道系の例から1年とした場合、2009年末には遅くとも設備完成が必要です。実施工延長39km。うち先行開業(2010年開通2路線)が14.7km。準備工1年、本施工2年とし、かつ道路改修のため用地買収などが必要になった場合その手当てが即実現できるとしたと考えて3年間としましょう。
とすると、2007年には着工が必要です。とすると一件可能性がありそうに見えますが、実はこの前段階が問題です。
2007年着工ということは、2006年中にすべての協議・設計が完了している必要があります。警察をはじめ県、国、既存鉄道事業者、沿線住民などとの協議に1年じゃ到底難しいでしょう。しかも設計は常にフィードバックですからどんなに賛成が多くても早々簡単に片付くものではありません。その上で仮に無理に1年で設計をすべて終了するとして、2005年末には軌道法の免許が取得できていることになります。
「なんだ・・・できんじゃないか」となりますが、実はそれだけではないのです。
まず、LRTの敷設に際しては「都市計画決定」が必要です。この都市計画決定におおよそ半年が必要ですが、そもそも環境影響評価法により「環境影響評価」=「環境アセスメント」が必要です。いくらLRTが環境にやさしいと言えども、騒音振動など、さらには工事期間中の車両などさまざまな影響を与えるわけですから、法制度により10kmを超える軌道法新設においてはその実施が義務付けられています。
この手続きを行う場合、次のような流れになります・その対象事業であるか否かを判定するスクリーニング
・調査予測評価手法の方法を選定するスコーピング
・調査・予測・評価及び環境保全措置の検討という3ステップですが、それぞれに公告縦覧、意見書の受理・審査、関係する自治体の意見徴収、環境影響評価委員会の審議があり、一般的には3年〜5年程度の期間を要します。
この手続きは都市計画決定段階で同時に手続きが行われますから2005年末都市計画決定としてどんなに速くても2002年末には手続きに着手しなくてはなりません。
つまり、今の2003年末からでは物理的に間に合わないのです。しかも今のフォーラム案はLRTの敷設に必要なさまざまな手続きを行うだけのものとなっていません。
***
浜松のフォーラム案を否定し、であるからして彼らの活動を否定する気は毛頭ありません。しかし、一外野の私からしてツッコミが可能な根本矛盾を抱えるプランを示すというのはいかがなものでしょうか。
資料を読むと数多くの矛盾点に突き当たります。一つ一つ挙げても仕方がないですが、少なくとも市民運動といえども世に問うものとして活動をするのであれば、それなりのバックボーンを持つか、それなりのサポートを求めていくべきではないでしょうか。仮に、それを有していたとしても、今の内容ではとても有していると解釈してはもらえないでしょう。非常に批判的な見解ですが、浜松のLRTはやり方次第で成功すると考えているからこその意見と解釈をしていただきたいところです。
それでは。
遅ればせながら私見を
投稿者---中村光宏氏(2004/02/23 01:13:30) http://www.alcclub.net/~lake-hamana/こんにちは、お久しぶりになります中村です。諸般の事情により回答が遅くなりまして申し訳ございません。
只今、多忙で団体の活動から少し離れておりますので(連絡は取りあっております)、御質問の件について、個人的な考えを書かせていただきます。●車利用者の「交通権」をどのように考えるか
LRT整備ですんなり車から転換するとは素直に思えない。その意味で中心市街地ないし近隣地域への車流入を抑える半強制的な施策が必要になるのではないか
私と致しましては、そこまで最初からやってしまいますとただでさえ車利用者からの相当の反発が予想されます中、さらに余計な反発を買っててしまう懸念があると言う方向で考えております。車がどうしても好きで好きで仕方ないと言う方から車を奪うと言うことは生きがいを奪うすなわち人権問題にも発展しかねないことであり、またその一方で浜松は自動車・バイク産業が盛んなまちでございますので利用者何よりもそういった企業への配慮からも我々も車を完全に否定できないという事情もございます。
個人的には中心部につきましては、当初は中心部における通過交通優先道路であります旧東海道及び旧国道一号線のR257〜R152に集中させるという程度でかまわないという方向で考えております。広域流動は勿論R1及び東名高速に任せるということで間違えはございません。
しかし、その一方で車での観光客を完全に捨てる訳にもいかず(東名高速もあることですから、都市圏への来訪手段の一つとしては有用)、また、荷物の搬入やお仕事等でどうしても車を使って中心市街地に来なければならない人もおるわけでして・・・この通過交通優先レーンという物は中心市街地における通過交通を1つにまとめる役割を持たせた物という観点でよろしいかと思います(要するにこの図の記載事項は浜松都市圏全体をマクロに見るのではなく、中心市街地ローカルのいわばミクロな視点で見るべきではと考えております)。
またこの旧国一線は自動車交通用としてそれなりに整備されており市街地外延付近の道路の容量と合わせれば問題は無いと考えております。ただし、それなりにLRTが整備された後で市民の理解を得られる状態であれば一考の余地があると考えております。一方、佐鳴湖線の中田島バイパス分岐点から浜松西郵便局(浜松西部の基幹郵便局です)までの区間につきましては雄踏街道の旧道を拡幅しての流用という現状で片側あたり1車線しかなく大変な渋滞が予想されますので何等かの強制迂回策をとらせることが妥当かと個人的には考えております。特に浜松商工会議所からJR浜松工場(いずれもバス停名)の区間は現在でも夕方のラッシュ時にバスに乗っておりますと非常に長く渋滞に巻き込まれます。この区間は来年庄内半島で行われます国際園芸博覧会浜名湖花博にむけて現在拡幅工事中で車線が狭くなっており、普段は2分あれば通れるくらいの所を大概10分、下手をすれば最悪で20分かかってしまう位渋滞が激しい場所なのです(元から多少は渋滞してはいましたが)。
浜名湖花博http://www.flora2004.or.jp/
●導入ロードマップと重要ポイントの決定時期について
2010年導入から逆算して残された時間はあまりに少ない。合併決定含めどのように考えているか、特に初期投資の確保方、運営体の決定をどの時期で考えているのか、また「現実的に考えられる導入時期」が別途あるのならそれに至るロードマップについて
これにつきましては合併如何に関わることですのでそれに非常に大きく左右されるのは間違いないでしょうから言及は避けたいと考えております。少なくとも私の(立場の)口からはお答えできません。
我々の仕事は取りあえずの仕事は合併協に提案することでございます。それか採択をされて事業化までは行政のお仕事と考えておりマスタープラン云々はそちらにお任せすると言うのが基本の姿勢でございます。ただ我々と致しましては宇都宮のような「新交通システム検討委員会」を御作り頂きたいという提案をしたいと考えております。なお個人的には運営体としましては公設民営方式で中尾氏曰く「地元の優秀な遠州鉄道様」にやって頂くののがベストであると内心考えています(これは他のフォーラム関係者も同じであると考えております)。ただし現時点におけるフォーラムと遠鉄との関係は、簡単に申し上げるとお互い興味はあり情報交換はするが、協力するというところまでは行かないといった所であります。しかしながら個人的興味まで無いわけでは無いということで、取締役クラスが個人的に聴衆として先のシンポジウムにも参加されていたことを付け加えておきましょう。
●「浜松市都市計画マスタープラン」と今回のLRT提案について
一部の方が私どもがマスタープランを存知得ないとのご指摘をされていましたが、そんなことはございません。私どもの代表は一級建築士であり、そのくらいのことはちゃんと知っておりました。またメンバーのほとんどが無料で入手できる概略版を所持、また私を含む一部の者は2000円の完全版を所持しております。ということで全く知らないと言うことはございません。
その上で、市のホームページよりの引用なのですが今回の「浜松市都市計画マスタープラン」では、いつということではなくて、浜松の都市構造として将来の市街地はどこまでが想定されるのかということをうたっていこうというスタンスで整理している。「浜松市都市計画マスタープラン」は概ね20年後を見据えた計画である。
とあります。これはあくまでも行政の立場から、都市計画を総合的に見て作った物であり、特に交通計画につい て余り具体的に書かれてはいないとの印象を受けております。また、これは計画部門での話であり、実務部門である交通政策課に私がオムニバスタウンの取材に伺った際に、LRTについて伺ったところ、現時点ではバスの最大限の有効活用しか考えていない(課長補佐クラス)との考えしかなかったことを付け加えておきましょう。
すなわち、この浜松市都市計画マスタープランは行政の対場から書かれたものであり、私ども民間の立場とは立場を異にする物です。行政であればできないことをやるのが我々民間の仕事であると言うのが弊団体の認識であります(例、役所ならどんなにいい計画書でも誰が書いたかと問い詰められます)。無論私どもの団体としましてもこの浜松市都市計画マスタープランにつきましてはそれなりに意識をして編集をしており、その一方で公共交通高規格化を謳った都市計画マスタープランが存在することはむしろ好都合になるのではと考えております。
また、その一方で弊団体としましてはこの浜松LRT提案はあくまで合併計画に基づいた物と考えており、あくまで合併協議会に提案する物と考えておりますので都市計画マスタープランとは違った次元の物であるという側面もあるという認識でございます。取り急ぎ2と3についてお答えいたしました。1につきましてはまた改めましてお答えしたいという方向で考えております。
2004.11.06 Update |
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