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川崎縦貫高速鉄道の可能性を探る
(【川縦論+】 交通不便地域の公共交通を考える)
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【川縦論】まずは、バス路線の再編・充実を
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/06/17 23:21:40)
まずは、バス路線の再編・充実を
└Re:まずは、バス路線の再編・充実を
 └やはりこの地区は道路の整備が最優先ってことでしょう
  └道路の整備だけというのは意味が無い
  └Re:やはりこの地区は道路の整備が最優先ってことでしょう

 今回の決断から私が望むことは、バス路線の再編・新設、小型バスの導入がまずひとつ。

多摩区川崎市民としては・・・ special225.html#20

 ぼくも、串間氏の意見に概ね賛成です。
 本計画の鉄道不便地帯に地下鉄が必要だ、と力説される多くの方々の意見に、バス輸送が限界にきている、といったものがよくあります。
 しかし、バス輸送は本当に限界なのでしょうか?。

 ぼくの住む多摩地区では、府中駅−武蔵小金井駅、府中駅−国分寺駅、多摩センター駅−豊ヶ丘4丁目、の路線のように、ラッシュ時には2〜3分おきに、それ以外でもすごく頻繁にバスが出る路線が、たくさんあります。

 しかし、今回話題にあがっている鉄道不便地帯には、そういった頻発バス路線は、ほとんどないんじゃないでしょうか。
 つまり輸送容量的には、まだまだバス輸送で十分余裕がありそうな地域だ、ということです。

 そこで、次の提案をします。

  1. 交通渋滞が発生しやすいところを中心に、道路整備をする。
  2. バス路線を再編・充実して、地元住民が利用しやすいようにする。
  3. 路線によっては、ミニバスの導入を検討する。
  4. 電気バスや燃料電池バスのような、低公害バスの導入を検討する。
  5. 場所により、バス専用レーンを設置する。
  6. バスが交差点に近づくと、信号が自動的に青になるような、バス優先システムを導入する。

 まず、これらのことをやってみては、どうでしょうか。
 それでも地下鉄が必要だということなら、再度検討してみたら良いでしょう。 

 首都圏には、ここでいう鉄道不便地帯より不便な地域が、数え切れないぐらいあります。そこにいちいち地下鉄を作っていたらきりがないし、採算性の問題もでるでしょう。
 これからの交通施策は、やたら鉄道をいっぱい作るのではなく、鉄道・バスの連携ってことも、重要になってくるんじゃないでしょうか。

Re:まずは、バス路線の再編・充実を
 投稿者---とも氏(2003/06/19 12:53:14) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 つまり輸送容量的には、まだまだバス輸送で十分余裕がありそうな地域だ、ということです。

 溝口駅を発着する北部方面の路線や野川台団地を核にする路線、中原・小杉から蟹ヶ谷・野川方面の路線、どの路線も数分間隔での運行がされています。
 特に溝口〜宮前・柿生・長沢方面においては日中ですら4分間隔以下での運行であり、また乗客も常に立ち客がいる状況ですから限界に来ていることは明らかです。

 少なくとも、武蔵小金井・国分寺〜府中駅、多摩センター〜豊ヶ丘、聖蹟桜ヶ丘〜多摩センター、武蔵小金井〜小平団地、花小金井・小平〜滝山団地〜東久留米、武蔵境〜田無〜ひばりヶ丘などの多摩地区の南北軸路線よりも状況はずっと逼迫していると考えて差し支えないでしょう。

 提案に対していくつか反論を。

1 交通渋滞が発生しやすいところを中心に、道路整備をする。

 現地は狭い谷間と傾斜地に住宅が建ち混む丘陵地であって、道路整備は容易ではありません。
 また、都市計画道路そのものが少なく、新たな道路整備は相当な困難と考えられます。
 渋滞対策はできるでしょうが、道路そのものが不足している状態である以上、根本的な問題解決にはなりません。

2 バス路線を再編・充実して、地元住民が利用しやすいようにする。

 路線の再編・拡充は必要です。しかし、バスが運行できそうな道路のほとんどはすでに運行されています。それぐらい道路状況が劣悪なのです。再編は可能性がありましょう。しかしバスターミナルの処理能力も限界であることなどを考えると相当厳しく、小手先の対応では難しいでしょう。

3 路線によっては、ミニバスの導入を検討する。

 道路状況が劣悪ならばすぎ丸を見習って・・・となるでしょうが、乗用車すらすれ違いが困難な道路が数多くある以上、ミニバスの運行は容易ではありません。
 新百合ヶ丘や宮前平付近、生田の一部においては可能性はありましょうが、他では困難でしょう。
 ましてや、普通のバスで立ち客がいる路線にミニバスをいれれるような余裕はありません。
 あえていえば「基幹バス+ゾーンバスシステム」ですが、そもそもフィーダーに基幹バスを入れても利用者にとってのメリットは見いだせません。

4 電気バスや燃料電池バスのような、低公害バスの導入を検討する。

 これはここに限った問題ではないのですが、両者とも試験中であり実用化されているわけではありません。まぁいずれ川崎市のことですから入れるでしょう。実際、CNGは入ってますから。

5 場所により、バス専用レーンを設置する。

 バス専用レーンを設置するのならば迂回できる道路か多車線道路が必要ですが、それがない。
思い切って一般車の通行抑制という手はありますが、迂回路が生活道路しかない中での導入に地元のコンセンサスが果たして得られるか。私は難しいと考えます。
 TDM的発想での抑制は可能でしょうが、受け皿が無いとなりませんが、それがない以上は相当困難でしょう。

6 バスが交差点に近づくと、信号が自動的に青になるような、バス優先システムを導入する。

 いわゆるPTPS(公共車両優先通行システム)ですが、川崎市内においても導入がされています。しかし、この制御を行うには交差道路側の混雑緩和を図る必要があり、交差道路からもバスの出入りが頻繁なこの地域ではなかなか厳しいでしょう。
ちなみに、この区間において信号によるバスの遅れはほとんど問題にならないと思います。なにせ信号自体少ないですから。

 首都圏には、ここでいう鉄道不便地帯より不便な地域が、数え切れないぐらいあります。そこにいちいち地下鉄を作っていたらきりがないし、採算性の問題もでるでしょう。
 これからの交通施策は、やたら鉄道をいっぱい作るのではなく、鉄道・バスの連携ってことも、重要になってくるんじゃないでしょうか。

 これは当然です。そのとおり。
 しかし、バスで運びきれない需要があってもミックスだというのは愚策ということです。需要が分散している、もしくは少ないのなら鉄道を敷く意味はありません。他の不便地帯同様、なにもする必要はないのかも知れない。でも、バスで実際運び切れていない。渋滞がすさまじい。蔵敷〜溝口に45分以上を要することもある。まさに限界なんです。その状況でこのままのバスのみでの輸送は厳しいかと感じます。

 それでは。

やはりこの地区は道路の整備が最優先ってことでしょう
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/06/19 22:30:24)

 とも様、レスありがとうございます。
 とも様のレスを、興味深く拝見いたしました。

 ちなみにぼくは、以前この鉄道不便地帯に住んでおり、そこでバスを利用し学校に通学していました。そのため、当地の地理的状況やバスの路線・運行間隔などは熟知しているつもりです(自慢っぽくてすみません)。

 とも様のレスを拝見して、改めて当地の道路事情の悪さを再認識しました。
 まさにこの地域の道路事情の悪さは、現在ぼくが居住している多摩地区とくらべて、雲泥の差があるといえるでしょう。
 であればこそ、まさに道路整備こそが、緊急の施策となるのではないでしょうか。

 以下、細かい点についてですが、再反論をさせていただきます。

 特に溝口〜宮前・柿生・長沢方面においては日中ですら4分間隔以下での運行であり、また乗客も常に立ち客がいる状況ですから限界に来ていることは明らかです。
 少なくとも、武蔵小金井・国分寺〜府中駅、多摩センター〜豊ヶ丘、聖蹟桜ヶ丘〜多摩センター、武蔵小金井〜小平団地、花小金井・小平〜滝山団地〜東久留米、武蔵境〜田無〜ひばりヶ丘などの多摩地区の南北軸路線よりも状況はずっと逼迫していると考えて差し支えないでしょう。

 ぼくが出したのは、単一路線でのラッシュ時の運行が2〜3分間隔だ、ということです。とも様が反論されたのは、単一路線ではなく、ある駅を発着する○○方面路線ということだと思われ、まったく比較にはなりません。
 ぼくが知るかぎり、当地にはそのような頻発路線は存在しません。
 駅発着をいうなら、ラッシュ時の、多摩センター駅や町田バスセンターなんかと、溝の口駅や宮前平駅を比べてみてください。どちらがバスの発着が多いか一目瞭然でしょう。
 特に宮前平駅のバス発着など、多摩地区の拠点にくらべてかなり少ない(失礼)ようです。
 ここで、こんな細かいことをレスするのはいかがなものかと思ったのですが、「当地のバス輸送が限界だ」、という根拠のもとになっているようなので、あえて、反論させていただきました。

 多摩センター−横浜間の利用において、川崎縦貫が圧倒的に優位(他のレスから)

 横浜線経由よりさほど優位とは思えませんが、それはさておいても、横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延伸したときには、その点での川崎縦貫高速鉄道の優位性は一気に消滅するでしょう。

***
 ここで申し上げたいのは、やはりこの問題は、地元および地元周辺の人が一番よく知っているんじゃないか、ということです。

 ネットの他の板などでも、地元の方と思われる方の書き込みで一番多いのは、「道路をはやく整備して」、っていうもののような気がします。
 今すぐに取りかからなければならないのは、まさに道路整備なのではないでしょうか。

 内容に失礼があったら、お許しください。
 これからも、よろしくどうぞ。

道路の整備だけというのは意味が無い
 投稿者---とも氏(2003/06/20 00:32:40) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 一応、申し上げますと私も8年ほど高津区と宮前区の境付近に、2年ほど多摩区に、さらに半年ほど横浜市港北区におりまして、しかも南武線〜田園都市線、南武線〜小田急という通勤ルートも経験しております。高津区に勤めていたこともありましたし、いわば半地元のようなものです(ちなみに、今の車も川崎ナンバー、ってそれは関係ないですね)。

 まさにこの地域の道路事情の悪さは、現在ぼくが居住している多摩地区とくらべて、雲泥の差があるといえるでしょう。
 であればこそ、まさに道路整備こそが、緊急の施策となるのではないでしょうか。

 これはそうです。しかしそれができない。
 道路整備をやりたくてもできない。しかも道路整備だけでは効果は無い。そこがポイントなんです。
 道路整備によってバスの利便性がたやすく向上されるのならいいでしょう。しかし、それは早々簡単にできる話ではありません。もちろん鉄道もですが。

 輸送力という純粋面で見てそのボリュームはバスのボリュームではありません。

 ぼくが出したのは、単一路線でのラッシュ時の運行が2〜3分間隔だ、ということです。とも様が反論されたのは、単一路線ではなく、ある駅を発着する○○方面路線ということだと思われ、まったく比較にはなりません。
 ぼくが知るかぎり、当地にはそのような頻発路線は存在しません。

 そうですか?末端部で行き先が分かれていたら別路線ということであれば仰るとおり町田や多摩センター、あるいは狛江や調布、さらには吉祥寺もそうでしょう。でも、数キロにわたり複数系統が同一区間を走行し、かつ実質的に同一路線として使われていればその軸における全路線の便数においてその状況を判断するのが交通計画論としての一般論です(府中は経由地がまったく異なるので違う)。

 溝口から下作延・神木を経て平までおおよそ3km弱にわたり同一路線において実質的に数分間隔で運行されてます。確かに系統は宮前平方面と柿生方面に大きく分かれますが、途中までは同じルートである以上、これらの路線群を一路線としてカウントするのは当然です(これを起点から別ルートとカウントする交通プランナーは論外です)。
 また、朝ラッシュ時において武蔵新城や中原・小杉と着地側はバラけます中原街道軸では同じく数分間隔で運行されます。
 これらを考えるとその軸においてすでにバスの輸送が相当なボリュームを持っているということにほかなりません。

 多摩センターにしろ町田にしても、駅に入る場所での混雑であり、決して同一軸が数キロにわたってという状況とはいえません(あえていえば町田駅ー木曽団地ぐらいでしょうか)。

 横浜線経由よりさほど優位とは思えませんが、それはさておいても、横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延伸したときには、その点での川崎縦貫高速鉄道の優位性は一気に消滅するでしょう。

 横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延びたところで、川崎縦貫が急行運転をして新川崎まで20分で結べば乗り換えの抵抗にもよりますが、直通で45分程度は要する市営地下鉄よりも速くなり、乗り換えの場所が新百合ヶ丘か新川崎かの差ですから多摩NTからであれば川崎縦貫に分があります。
 運賃面は課題ですが、時間差が10分程度あればおそらく100円ぐらいの差は無視されるものとなるでしょう。
 仮に計画通りであれば新川崎経由もしくは元住吉経由での速達性は魅力であり、かつ多摩線と直通するというアドバンテージは馬鹿にできません。
 前にも書いているかと思いますが、乗り換えの抵抗は確かに大きいです。しかし、その抵抗を上回る所要時間差を見出せば優位になります。
 また、運賃にしても同様。100円高くても時間が早ければという層は確実に存在します。
 乗換えを嫌って市営地下鉄を使う層は確実に存在するはずです。しかし、それが100%ということはありえない。
 これが現実です。

 ここで申し上げたいのは、やはりこの問題は、地元および地元周辺の人が一番よく知っているんじゃないか、ということです。
 ネットの他の板などでも、地元の方と思われる方の書き込みで一番多いのは、「道路をはやく整備して」、っていうもののような気がします。
 今すぐに取りかからなければならないのは、まさに道路整備なのではないでしょうか。

 道路整備の必要性は私も感じます。川崎北部は酷い。
 しかし、それだけでは意味が無い。それが都市計画であり交通計画の基本なんです。道路だけではなく鉄道などの「マストラ」も作る。それを考えるのが基本です。
 道路整備だけではこの地域は救えない。私もこの地域に住んでいたからこそよくわかります。

 さらにいえば、川崎市においては縦貫道路の計画もあります。反対で頓挫してますが。その道路が必須なのは言うまでもありません。しかし、尻手黒川線にせよ時間も費用もかかってしまう。道路の建設だけでは救えない。それはプロとして交通計画に携わる身として非常に強く感じます。

 それでは。

Re:やはりこの地区は道路の整備が最優先ってことでしょう
 投稿者---串間氏(2003/06/20 02:13:01)

 串間です。私が返答するのも変かもしれませんが、レスします。あくまで補完的なものですが。

 ちなみにぼくは、以前この鉄道不便地帯に住んでおり、そこでバスを利用し学校に通学していました。そのため、当地の地理的状況やバスの路線・運行間隔などは熟知しているつもりです(自慢っぽくてすみません)。

 そうならば、もうちょっと早くおっしゃっていただければ・・・。
 ただ、その割には違和感を感じるところがありますので、私からも反論です。

 ぼくが出したのは、単一路線でのラッシュ時の運行が2〜3分間隔だ、ということです。とも様が反論されたのは、単一路線ではなく、ある駅を発着する○○方面路線ということだと思われ、まったく比較にはなりません。
 ぼくが知るかぎり、当地にはそのような頻発路線は存在しません。
 駅発着をいうなら、ラッシュ時の、多摩センター駅や町田バスセンターなんかと、溝の口駅や宮前平駅を比べてみてください。どちらがバスの発着が多いか一目瞭然でしょう。

 多摩センターや町田のようなでかいバスターミナルの駅と比較しちゃいけないでしょう。発着限度の台数が違います。
 それに溝の口や宮前平に集中させているんじゃなくて、柿生、新百合ヶ丘、百合ヶ丘、生田、向ヶ丘遊園、登戸、梶ヶ谷、宮崎台、鷺沼、武蔵新城、武蔵中原、武蔵小杉、元住吉、日吉と分散してやっていることを考える必要があると思います。仮に追い越しが可能で渋滞も発生せず、バスターミナルが大きければ、もっと走らせることが可能でしょう。需要的にはそれぐらいあるはずです。
 優等が通過するような駅にバスをどんどん走らせている現状は、本当は筋を外していると考えます。

 ネットの他の板などでも、地元の方と思われる方の書き込みで一番多いのは、「道路をはやく整備して」、っていうもののような気がします。
 今すぐに取りかからなければならないのは、まさに道路整備なのではないでしょうか。

 既存住宅地で道路整備がどれだけできるか。それはかつて住んでいた方ならば、どれだけ難しいかは理解できると思います。
 どうやって道路を整備するかです。立ち退きなどいろいろと考えると、そう簡単にいくとは思えません。現に府中街道の実状を見ていますが、始まってから10年以上たっても半分も歩道が整備されるに至っていません。
 緊急の対策が必要であるのならば、そういった措置はあまりにも気の長い作業です。
 それに道路というものは、もともと需要があるところでは、作った分車が増えますから、潜在需要を超えるぐらい大量に作らないと渋滞解消は期待できません。環八の井荻トンネルがいい例でしょう。作っても渋滞です。
 地下鉄ならば整備速度で優れていると思いますが、いかがでしょう。作れば確実に救済が可能です。

 小田急だいすき様が言われることは理解できます。でも、救済するには鉄道が費用対効果でもっとも優れているのではないでしょうか。事実上作らないという結果がでたからこそ、再編で私は何とかするべきとは考えますが、余裕がないのは紛れもない事実です。酷いのだから現状を少しでも良くするために今できることを、という趣旨で発言したのです。抜本的な改善とはいえないでしょうが、一応打てる手は打たなければならないでしょう。
 私はとも様のようにプロではないので詳しくは分かりませんし、小田急だいすき様のように、ラッシュ時での朝の経験もありません。ですが、今のままで本当にいいのかどうか。サイクリングが趣味の人間として、道路の少なさや歩道の狭さ、勾配の厳しさなど、さまざまな面から見ると、やはり作るべきではないかと思うのです。財政的な面は抜きにして。それは昔よりもどんどん人が増えていると言うことを考えていただければ、理解いただけるものと私は確信します。

 批判的に書きましたがご容赦ください。では失礼致します。

【川縦論+】コミュニティバスは川崎縦貫高速鉄道の代替手段にはならない
 投稿者---551planning(2003/06/27 23:43:50)
【川縦論+】コミュニティバスは川崎縦貫高速鉄道の代替手段にはならない
└コミュバスはある程度は効果を出せる
└コミュニティーバスに期待
 └福祉目的
  └少なくとも地下鉄の代替にはなりえない
   └遠近分離としてのミニバス導入を考える
    └特性を活かしたい
     └コミュニティーバス→地下鉄→私鉄の乗り換えは不便では?
      └Re:コミュニティーバス→地下鉄→私鉄の乗り換えは不便では?

 6/27付日経朝刊に『コミュニティーバス 川崎市、北部で実験 地下鉄代替も視野』と題した記事が掲載されていた。
 川崎市が来年1月から約1ヶ月間、宮前区や多摩区・麻生区などで30人乗り小型バス1台でコミュニティバスの運行実験をする、というもの。『地下鉄建設を中止した場合の代替交通機関にすることも視野に入れた実験になる』と記載されている。事実1万人アンケートでも地下鉄が中止された場合にはコミュバスを含むバス路線の充実を求める声が多く寄せられている。

 しかし、『宮前区などは丘陵地で最寄の鉄道駅が遠いなど交通不便地域になっている』(日経記事)ために計画された川崎縦貫鉄道と、いわゆるミニバスシステムは近似な存在なのだろうか。
 〔川崎市 コミュニティバス〕で検索をかけると、多くの市議のサイトを見ることができる。そのほとんどでコミュバス待望論が語られる一方で地下鉄計画がその対極として描かれているのに目を惹かれた。
 それでは地下鉄とコミュバスは相容れないのだろうか。仮に地下鉄が出来たとしても、宮前区のようにアップダウンが激しい場合には駅へのアプローチという意味では現状と大差ない、ということにもなりかねない。一方で新百合ヶ丘開発整備区域ではミニバスでの細やかな輸送サービス提供が望ましいと考えられるものの、その域外での需要が強いために狭隘路があろうと大型バスで運行せざるを得ないのが現状と思われる。そして新百合ヶ丘・溝口など主要駅起点路線の多くが朝ラッシュ時を中心に飽和状態にあるといっていいだろう。そもそもいわゆるここで言われる「コミュバス」は通勤通学輸送対応ありきというものではないだけに、利便性と効率性の間で難しい舵取りが求められることになるのではないかという懸念を抱かざるを得ない。

 例えば盛岡では区域のゾーン制を採用、都心部との結節に大型バス・乗り継いで各方面へミニバスを運行している。こうした例は日本でも多く聞かれているが、川崎の場合そうした中間拠点を設置できるのかがまず難しいところ、それを担うべきは川崎縦貫線であり、各予定駅を起点としたミニバスサービスの志向がまさにセットで考えられていいのではなかろうか。

 改めて問う。コミュバスは川崎縦貫線の代替手段には端的には「なりえない」と考えるが、いかがであろうか?

コミュバスはある程度は効果を出せる
 投稿者---串間氏(2003/06/28 01:21:18)

 管理人様の問いかけがありました。とりあえず私の意見を書きます。

 多分無理でしょう。ある程度の救済にはなるでしょうが、仮にそれが実現するとしても、現在のバス路線と重複した場合、逆に道路の混雑を増すだけの結果となります。大型バスで立ち客が出ているのですから、その結果は明らかでしょう。よって、混雑バス路線は避けるルート作りが求められます。ここは市職員の腕にかかっていると言えます。下手だと、現在よりも逆に混雑を増すことになります。
 現在の状況は管理人様が書かれたとおりです。小田急線、田園都市線の全駅に分散を行っているのが現状です。一部駅ではロータリーさえない駅にすら、バスをどんどん走らせて、路上で折り返しを行っている状況です。

 仮に走らせるとなると、現在バスが走らない道路と比較的空いている駅への輸送に限定されます。となると溝の口と新百合ヶ丘の駅前バスターミナルは使えません。
 となると現在余裕のある駅へと持っていくしかない状況でしょう。登戸(駅前隘路)、向ヶ丘遊園、生田、百合ヶ丘、そして梶ヶ谷(路上発着)、宮崎台、宮前平(ちょっと容量的に厳しいですが)となります。特に登戸は駅の近くまでつけられる可能性もでてきますから、大量に導入すれば救済は可能となります。また、新百合ヶ丘に関しては生活道路に余裕がありますから、路上発着の扱いでやっていくことも可能かと思います。
 また、南武線の駅(宿河原・久地・津田山)に折り返し場を作って対処、という方法もなくはないでしょう。が、やはり根本的な対処とはなり得ないのが現実と言えます。

 道路に関しては4mに満たない道路を一方通行路にしてバスを走らせる、という強引な手段を使えば多くの場所で導入が可能となります。が、これは本来川縦ができた時に各駅に向かうバスでやるのが本来の役目だったはずなのでしょうが。
 あとはよく題材に上がる「すぎ丸」を見習いたいところです。
 これらを踏まえれば、ある程度は現状の改善に役立つと思います。

 『コミュニティーバス 川崎市、北部で実験 地下鉄代替も視野』

 話になりません。何せたった一台です。
 となると、宮前平−宮前区役所のピストン輸送ぐらい。それぐらいしかできることはなさそうです。

コミュニティーバスに期待
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/06/28 03:22:34)

 川崎市が鉄道不便地帯に、コミュニティーバスの導入実験をするとのこと。
 大いに賛成です。
 ぼくの住む東京多摩地区では、コミュニティーバス(ぼくの地元ではミニバスなどといいます)は、あちこちに走っており、今も路線がどんどん増えています。
 そして、地域住民の大切な足となっています。

 コミュニティーバスの良いところは、なんといっても住宅地の奥深くまで、バスがきてくれることでしょう。
 これからの高齢化社会では、そのことは大変重要な意味をもっているものと思います。
 まち中にも、このごろ目立って杖をついたりくるまを押しながら、とぼとぼ一歩一歩あるくお年寄りが増えてきました。
 このお年寄りたちが、いくらエスカレーターやエレベーターがあるからといって、わざわざ近所のまちに行くのに、地下鉄に乗ろうとするでしょうか?。
 地下鉄・地下鉄といっている人たちは、今一度まちのこういった状況(特に平日の日中)を、観察してみてはどうでしょう。

 川崎市が東京多摩地区のように、こういった時代の変化に目を向けだしたということは、大変喜ばしいことだと思います。

 ぼくは、コミュニティーバスの路線としては、以下の路線などがおすすめでは?と思っています。

  1. 鷺沼駅−野川−久末−蟹ヶ谷−日吉駅(概ね尾根伝い)。
  2. 新百合ヶ丘駅−長沢−南平台−宮崎台駅−溝の口駅。

 川崎市の導入実験がうまくいき、川崎市が東京多摩地区のように、高齢者に優しいまちになってくれることを、願ってやみません。

 ちなみにぼくは、コミュニティーバスだけで、地下鉄の代替がすべてできるとは、もちろん思っていません。
 基幹のところは、道路を整備のうえバス専用レーンなどを充実し、大型バスによる頻発路線にする必要があるということは、いうまでもありません。

福祉目的
 投稿者---樫通氏(2003/06/28 12:29:51)

 これからの高齢化社会では、そのことは大変重要な意味をもっているものと思います。
 まち中にも、このごろ目立って杖をついたりくるまを押しながら、とぼとぼ一歩一歩あるくお年寄りが増えてきました。
 このお年寄りたちが、いくらエスカレーターやエレベーターがあるからといって、わざわざ近所のまちに行くのに、地下鉄に乗ろうとするでしょうか?。

★非生産年齢に対する福祉目的としての川崎縦貫鉄道の役割部分はコミバスででも代替可能でしょう。しかしながら計画の主目的は、生産活動に従事する人々の役に立つ事でしょうから、平日の日中ではなく、朝夕の渋滞への解決策が無い限り完全に代替可能とはいえません。

★川崎市の実験目的が福祉充実と言う事であれば、それはそれで望ましい事だと思います。ただ、金をつかう優先順位として、通勤環境の改善よりも高齢者福祉を高位に位置付ける事自体は疑問に思います。無い袖が振れないので、福祉くらいしか金が使えない、ということなのだろうとも推測しますが。

少なくとも地下鉄の代替にはなりえない
 投稿者---かまにし氏(2003/06/30 01:37:17)

 かまにしです。

 個人的にはコミュニティバスの導入には賛成です。坂があれだけ多い上に病院もいくつか存在する地域ですから、コミュニティバスのようなサービスは確実にニーズはあると思います。ただし先日、現地を見てきた限りでは、もうすでに病院や最寄駅をつなげるバスサービスはそれなりに発達している感じを受けました。であれば、川崎市営でコミュニティバスをやるとしても、これらの路線を交えた再編が前提といえるでしょう。

 小田急電鉄だいすきさんが、おっしゃることも確かに正論です。福祉をとるか通勤環境の改善をとるかで、最終的に福祉をとったとるというのは川崎市の政策判断でありどっちが良し悪しではないと思います。ただ、少なくとも「地下鉄の代替にコミバス」は不純な動機だし、そもそも皆様が指摘されているように「なりえない」話です。

 常設板にもつながるネタですが、最終的には川縦沿線の人たちが、今の通勤通学や買物等を含む交通環境にどれほど満足しているのか、あるいは不満なのか、それにつきると思います。現状のバスは時間はどうあれ、朝なら2〜3分毎、昼間でも5分を切らずにやってきて、かつ面的な広がりを保っているのも確かであり、人によってはそっちの方がいいという声もあるかもしれません。また、沿線が高齢化基調にあるのであれば、確かに「地下鉄よりもコミバスを」という意見もうなずけます。

 最近はこの板では「地下鉄」擁護の意見が多いですが、僕は実は「何がなんでも地下鉄」派ではありません。しかし繰り返しになりますが、せっかくアンケートをとってこういった最も肝心なところを聞けなかったのは、やはり最大の失策だったと思わざるをえません。

遠近分離としてのミニバス導入を考える
 投稿者---串間氏(2003/07/01 00:13:37)

 皆様のおっしゃられた福祉目的というのには、なるほどと思わされました。しかし、私の中ではミニバスを福祉目的で導入することには違和感があります。
 理由は簡単です。そんな余裕はないと考えるからです。
 そもそも現在のバスターミナル機能や道路状況では、大型バスの走っているところにミニバスを入れる事はナンセンスです。であるが故に、あくまで生活道路を中心に導入し、近距離をしっかりと運ぶことで、長距離を運ぶバスがなるべく速く到着できるバスのサービス向上のひとつの方向として、ミニバスの導入を考えたいと思っています。
 よって、これはコミュバスとはちょっと意味合いが違うのかもしれません。
 とりあえず導入について私案を書きます。適宜ご批評の程を。

  1. 新百合ヶ丘周辺
     麻生区役所を発し、万福寺大橋を渡って、上麻生・百合丘の住宅街を適当に循環し、百合ヶ丘駅を通って世田谷町田線に入り、麻生区役所に戻る路線。混雑する交差点や道路を避けるルート取りで考えています。
     なお、駐車場による渋滞を避けるため、逆回りは不可能となります。
     同時に長沢・聖マリアンナ医大・溝の口へ向かうバスは、駅付近での急行運転を2本に1本の割合で行うものとします。
     
  2. 中原区
     武蔵新城、武蔵中原、元住吉の3駅へ分散させるミニバスを考えます。尻手黒川道路に入らない範囲で生活道路を走らせる計画です。
     住宅が密集していますが、生活道路はそれなりなので、問題はないと感じます。市のほうは自転車での移動を基本に考えているようですが。
     同時に蟹ヶ谷・久末・野川から南武線沿線へのバスに関しては、やはり2本に1本の割合で急行運転を行うものとします。
     
  3. 登戸−宮崎台
    ルート:宮崎台駅−宮崎−宮前区役所前−けやき平−(東名側道)−神木本町−(市民プラザ通り)−宿河原−登戸駅
     ミニバスだからこそ走れる道路幅と高さ制限の場所があり、ここに頻繁に走らせることで溝の口へのバスからの需要の一部を呼び込みます。

 なお、これだけでは到底無理です。繰り返しになりますが、基本的にバスの再編を考えています。日中に5本/1時間が確保できていない路線を再編の対象として、使いやすくするバス網の再編成を個人的には求めたいと思います。
 実際に集中しているのは事実でしょうが、その需要のある溝の口や新百合ヶ丘への過度な集中という事実も見逃せません。確かに需要もその方向に向かっているのは確かでしょうが、仮に使いやすいバス網が形成されれば、機能不全に近い状況になっているバス路線の改善に役立つと考えています。
 面的展開がされているかというと、私はそうとは思っていません。基幹バス路線は非常に本数が多いのに対し、補完路線の本数が少なすぎます。おまけに市バスの場合、パターンダイヤ化がなされていません。これが基幹路線に極端な集中を呼びこんでいる一面と考えます。
 まあ、これで本当に代替ができるのならば、地下鉄要望論も次第に減っていくでしょう。そもそも、宮前区地元からの要望が強いのが事実ですから。

 バスレーンについてはできることならば、でしょう。ただ、片側二車線ある道路が尻手黒川道路と、南武沿線道路と尻手黒川道路を短絡する新城駅付近の道路、しかありません。
 基本的に中央線制御による三線化での対処を考えましょう。もっとも、これですら余裕のある道路(かなり少ない)に制限されてしまうのがつらいところなのですが・・・。それでもやれる事は全てやるべきでしょうね。まだまだ、やるべき所がいくつかあります。手段は尽くされたとは私は思っていません。
 ただ、本当にこれで足りるのかと言われると、私としては不安に思っています。本当は完成した地下鉄の駅にコミュバスで人を運ぶ形態が最も自然だったのではないか、と思っています。

 専門家ぶっていますが、あくまでこれは地元に住む素人の考えです。ご承知の程を。
 では失礼致します。

特性を活かしたい
 投稿者---とも氏(2003/07/01 17:26:37) http://town-m.vop.jp

 川縦の導線軸をミニバス(コミバス)で救う。
 救えないとは言いません。
 しかし、コミバスのスペックで果たして救いきれるのでしょうか。

 小田急電鉄大好きさんの仰るように基幹バスとの組み合わせとしましょう。
 基幹バスシステムを川崎北西部に導入し、串間様ご提案のようにリバーシブルによるバスレーン確保を行い、バスの運行円滑化を図る。
 確かにできる話です。

 しかし、その基幹バスシステムというものはLRTと一般バスの中間的存在であってはじめてその輸送力・規模・メリットが活かせるシステムです。
 基幹バスは大規模なものではクリチバのサーフィスサブウェイ、名古屋の新出来町線、パースのサウスパース線などがありますが、これらはすべてバス停間距離が500〜600m程度と長く、一般的にバスのバス停勢圏と呼ばれる概念の範囲、300mを大きく上回ります。
 これはその程度でのスキップ運行を行うことを前提としなくてはバスの乗降時間などの関係からスピードアップに難があるためとされており、実際、バス停を300m程度の間隔で設置し、そのルートにおいて基幹バス的機能をもったバスを導入したハワイ・オアフ島では成功したとは言い難い状況です。
 これらは一般の路線バスとは別のシステムと考えるのが正解ではないでしょうか。

 これを、先の川崎北西部に入れる場合、既存バス停を半分程度にすることでやっと高いサービス水準を保ったものになります。こうなった場合、基幹バスとは別に既存バスシステムあるいはミニバスの必要が生じると考えます。
 もちろん、サービスのシームレス化としてのバスのメリットを最大限発揮させ、バスシステムのバイモーダル的発想での端末一般・メイン基幹という運行形態も考えられますが、その場合には串間様ご指摘のように道路スペックの問題があるほか、基幹バスの遅延の問題や基幹区間でのサービスレベルの低下(乗車機会の減少など)も考えられ、効果があるとは思えません。
 ましてやここにミニバスを共存させるとした場合、単一道路においてミニバス、基幹バス、一般バスの3モードを走行させることとなり、その処理は大変困難と考えます。

 ではミニバスを端末に限定するとしましょう。
 まさに福祉目的としてのミニバスに近い意味合いになります。基幹バスのメインバス停にミニバスを発着させ乗り継ぎを行う。いわゆる「ゾーンバス」というシステムです。
 しかし、これも問題があります。
 多くの住民は目的地が溝口や新百合ヶ丘、武蔵中原、元住吉ではなく、東京や横浜、あるいは川崎です。
 そうした場合、これまでは「主手段:鉄道 端末:路線バス」であったのが、「主手段:鉄道 端末:基幹バス さらに端末:ミニバス」となり、利用者にとってはサービスの低下につながります。
 一般的に交通行動においてはモードチェンジ(バス→鉄道など)が生じると、その次のモードチェンジはおきにくいのではないでしょうか。
 毎日の通勤で駅までバスを乗り継いでいく。非常に通勤としては嫌な形態です。いくら片方がミニバスで片方が基幹バスでもやはり乗り継ぎを何度もさせる形態は好ましいとは思えません。
 もちろん、都心までバスで行く、名古屋の基幹バスや大阪市バスのようなスタイルは使いやすいですが、都心までさらに鉄道を使わなくてはならないとした場合、果たして乗り継ぎ選好が生じるでしょうか。

 バス網が鉄道並のハイレベルなフリークエンシーサービスを有し、かつ定時性が確保され、しかも鉄道との乗り継ぎを極めて容易としている明石海峡の高速バスにしても、端末では徒歩や自動車が多く見られ、バス相互の乗り継ぎを見かけることはあまりありません。
 その特性を考えると、私は基幹バスで処理できるというのは非常に疑問です。

 高齢者増加に対応する福祉目的を有するバスサービスとしてのコミュニティバス運行は賛成です。
 しかし、それが地下鉄問題の解決とはならないと考えます。
 今の各駅のスペックで、ミニバスを随所から集めて駅に入れるのは不可能ではないでしょうか。
 よって、ミニバスはかまにし様が書かれるとおり、一つの川崎北西部の交通政策としては正論であると考えますが、地下鉄の機能代替はいくら基幹バスとの組み合わせであっても難しいと考えます。

 地下鉄のカバーとして基幹バスを導入するのであれば、尻手黒川道路の拡幅はもちろん、周辺主要道路の拡幅も不可避でしょう。
 また、各駅の駅前広場の拡張、バス乗り継ぎスペースの確保、PTPS導入など様々な事業を考えていく必要があります。
 果たしてそれができるのか。新百合ヶ丘駅すらパンク状態のこの地域では私は悲観的です。

 そもそも交通機関には得手不得手があります。全部コミバスで救えるというのも間違いでしょうし、地下鉄で救えるのも間違いでしょう。これらをミックスさせていかなくてはならないと考えます。
 川崎縦貫論議は、その根幹をなすものをなにとするか。地下鉄なのかバスなのか。その議論なのだと考えます。
 それであれば基幹バスはこの地域には不適切であり、鉄道が向いていると私は考えます。

 いかがでしょうか。それでは

コミュニティーバス→地下鉄→私鉄の乗り換えは不便では?
 投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/07/01 22:56:15)

 とも様、レスありがとうございます。

 とも様ご指摘の件、ぼくが考えていることと若干違うところがありますので、ここで、失礼かとは思いますが、反論させていただきます。

 ぼくが考えているのは、主要路線は大型バスで、住宅地の奥深くまではコミュニティーバスで主要駅と直接運び、それぞれの路線が補完しあい、全体として一体のバスによる交通体系を形成していく、というものです。

※ ぼくがレスした「基幹のところは」のバスは、普通の大型バスのことで、いわゆるガイドウェイバスではありません。

 ぼくの地元では、基幹となる「多摩センター駅−豊ヶ丘4丁目」等の系統が大型バスにより、頻繁に運行されています。
 ところが、こういった既存の大型バス路線では、うまく多摩センター駅や永山駅に出られない地域があり、そういったところをまわるように、ミニバス(コミュニティーバス)の路線が設定されています。
 この路線は循環になっていますが、もちろん多摩センター駅・永山駅に行きます。
 とも様ご指摘のとおり、バスからバスへの乗り換えは大変不便であり、そのような交通整備計画は、特殊な例を除いて通常はしないと思います。

 また、多くの方が指摘していますが、当地の交通不便地帯住民の主な行き先は、都区内や横浜方面だと思います。
 そう考えると次の二つの方法のうち、どちらが効率的で便利でしょうか?。

  1. コミュニティーバス→市営地下鉄→私鉄(東急・小田急等)。
  2. コミュニティーバス→私鉄(東急・小田急等)・・・しかも優等列車の停車駅での乗り換え。

 「2」のほうが効率的で便利なのは、一目瞭然かと思います。

 「新百合ヶ丘駅すらパンク状態」とのことですが、新百合ヶ丘駅のバスターミナルは、比較的新しくできたもので、多摩センター駅の大バスターミナルをちょっとコンパクトにしたような形態の、立派なものです。
 「パンク状態」という意味が、よく分かりません。
 溝の口駅のバスターミナルも比較的最近になってできた、素晴らしいものです。
 したがって、新百合ヶ丘駅・溝の口駅にコミュニティーバスが乗り入れられないというのは、ちょっと考えにくいと思います。

※ ただし、登戸駅については、バスターミナルの整備を含めた駅前再開発が、必要になるでしょう。

 ぼくは、大型バス・コミュニティーバスの双方が、これらの主要駅に直接乗り入れ、一体のバスシステムとして機能すれば良いと、考えているのです。

 多摩ニュータウンの交通システムなどが、その良いモデルとなるでしょう。
 鉄道不便地帯といわれる当地が、多摩ニュータウンのように、住みよいまちになってほしいと、願っています。

Re:コミュニティーバス→地下鉄→私鉄の乗り換えは不便では?
 投稿者---とも氏(2003/07/01 23:50:57) http://town-m.vop.jp

 ともです。
 レスありがとうございます。

 さて、誤解があるようですし、読んでいる方も誤解を招くと思いますので基本的な点を確認させてください。

 基幹バスとは一般的に「主要幹線路線において専用レーンを走行し、軌道系に近いサービスを実施する路線バスサービス」という解釈です。
 名古屋市の新出来町線、オタワのトランジットウェイなどが典型例です。
 いわゆるガイドウェイバスとは別のものです(詳しくは用語集をご覧ください)。

《交通・まちづくり関係用語集》 http://chiba.cool.ne.jp/ctc/main.html

その上で、

 ぼくの地元では、基幹となる「多摩センター駅−豊ヶ丘4丁目」等の系統が大型バスにより、頻繁に運行されています。

 こういった路線はあくまで一般路線バスであり、基幹とは呼びません。
 これは名詞の問題ですが、基幹バスというのが一つのできあがったシステムを呼ぶものであることから「基幹」という言葉を使うのは適切ではありません。

 そう考えると次の二つの方法のうち、どちらが効率的で便利でしょうか?。

  1. コミュニティーバス→市営地下鉄→私鉄(東急・小田急等)。
  2. コミュニティーバス→私鉄(東急・小田急等)・・・しかも優等列車の停車駅での乗り換え。

 「2」のほうが効率的で便利なのは、一目瞭然かと思います。

 確かにそうなのですが、コミュニティバスを各駅まで入れる場合、既存バス路線ですら捌けていないのに、その類似導線にミニバスのコミュニティバスを導入して捌くのは非常に難しいものです。
 多摩NTの場合、比較的道路網が整備されているので幹線ルートのバスは大型、亜幹線ルートのバスをミニバスとするのはさして難しくはありません。しかし、川崎北西部や中原区などは道路網が非常に貧弱で、バスの走行ルートを複数確保することができないのです。
 これは串間様も指摘されておりますが、だからこそコミュニティバスでは輸送に限界があるといえます。

 乗り換えに関しては鉄道相互間とバス→鉄道の差は歴然としています。その上でコミュニティバスなり大型バスなりでダイレクトに駅まで運べれば利便性が高いのは仰るとおり。でも、その距離が長いと定時性の信頼性の問題や利便性の低下に直結します。

 「新百合ヶ丘駅すらパンク状態」とのことですが、新百合ヶ丘駅のバスターミナルは、比較的新しくできたもので、多摩センター駅の大バスターミナルをちょっとコンパクトにしたような形態の、立派なものです。
 「パンク状態」という意味が、よく分かりません。
 溝の口駅のバスターミナルも比較的最近になってできた、素晴らしいものです。
 したがって、新百合ヶ丘駅・溝の口駅にコミュニティーバスが乗り入れられないというのは、ちょっと考えにくいと思います。

 乗り入れられないとはいいませんが、溝口にしろ新百合ヶ丘にしろ導入ルート、いわゆる入り口となる道路は限られます。入り口道路においてバスの本数が過密になるといくらターミナル内部での処理が可能でもバスがダンゴ運行になり効率的ではありません(典型例は東京:荻窪、奈良:学園前)。
 多摩NTの場合は道路網が非常に計画的に整備されており、ミニバス導入の余地はあります。しかし、溝口も新百合ヶ丘も前後の道路もさることながら、バスターミナルもすでに発着に支障をきたしています。特に朝夕を中心にバスの折り返しが厳しく、発着場所の確保すら困難です。溝口の場合、南武線があるため南口サイドから北口への流入は定時性の問題で非常に難しいのです。ここは、昭和末期から川崎市が渋滞対策をいろいろ実施していますが、そのまま現状でも続いています。

 多摩ニュータウンの交通システムなどが、その良いモデルとなるでしょう。
 鉄道不便地帯といわれる当地が、多摩ニュータウンのように、住みよいまちになってほしいと、願っています。

 多摩ニュータウンはご存知でしょうが計画的に整備された町です。しかし、川崎の宮前、高津、中原、麻生区は異なります。
 この差こそがそのままバスで処理ができるか否か、その差として生きているといえます。
 東急や小田急が開発した地域は整然とした町並みですが、それとて中規模開発がよりあつまってできた開発です。
 多摩NTはいろいろ問題はあるにせよ都市計画として非常に大きな範囲で都の政策として綿密に計画されたものであり、特にその道路網の計画性の高さは世界的にも高い評価を得ているすばらしい都市です。
 それと川崎を比較しては川崎の都市計画に酷といえます。それほど差があるのです。

 批判的ですが。ではでは

2004.11.02 Update


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