【検証:】過去ログSpecial

【検証:近未来交通地図】Special204-3
川崎縦貫高速鉄道の可能性を探る
(現地レポート編)

川崎縦貫線トレース 画像レポート
川崎縦貫線関連 実走レポート

緊急レポート
2003・6/14川縦オフ備忘記
(2003/06/17 21:46:15)

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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 去る6/14(土)、ほぼ半日を費やして「川崎縦貫鉄道予定線トレースオフ」を急遽敢行致しました。前日の緊急応募となりましたが、このBBSの「川縦論客」である、とも様・かまにし様・串間様と計4名で巡ってまいりました。
 報告に先立ち、今回はレンタカーでの移動となりましたが、ナビゲーター役を引き受けて頂きましたとも様にはこの場を借りて感謝をば。おかげさまでストレスなくかつ多くのポイントを効率良く見ることができました。ありがとうございます。

序・川崎アプローチ線編

 で、そのとも様と10時前に京急川崎駅前で待ち合わせ。時間まで京急が売り込み中の「ステーションバンク」の利用風景を眺めていましたが、なかなか結構使われています。新生銀行とのタッグ、ゆえに都市銀行の手数料分も0円を誇っているわけですが、つい最近では小田急+横浜銀行が浜銀ATMを全駅設置するとの発表もされており、今後広がってゆくのでしょうか…。ちなみにこの商法の先鞭をつけたのは阪急+池田銀行の「PatSat」(こちらは手数料あり。念のため)ですが、阪急はさらに昨年消費者金融業を買収、「スタッフィ」の名で、関西地区ではTVCMまで打って「通勤キャッシング」を売り込んでいますが、あら、ふと見上げるとここ川崎にも…買収前の店舗がそのまま衣替えしたようですね。

京急ステーションバンク http://www.keikyu.co.jp/ensen/atm/atm.html
阪急ステーションATM PatSat http://www.patsat.co.jp/
小田急リリース 
http://www.d-cue.com/program/info/PG02348…

スタッフィ http://stafi.jp/

 とも様と合流し駅前の日産レンタカーで新型キューブをレンタル。
 以前から両人とも「こいつは使えそう…」といっていただけに、乗り込んでみて「なかなかですねぇ」と。実際、ドライバーの腕の賜物ではありましょうが、街中・高速ともにきびきびと動いてくれました。

 合流ポイントであるJR川崎駅東口の日航ホテル横で待機。それにしても立派なバスターミナル、1986(昭和61)年の完成といいますから、まもなく20年なんですね。単一のターミナルとしては良くできていると思いますが、JRコンコースが地上3階であることを考えると今にしては連続性がというところもありますし、アクアラインバスが向かいの歩道に停留所を置いたことからもわかるように、道路流動とのミスマッチも指摘できるところ、さらにはこうした地下直結ターミナル共通の悩みといえるバリアフリー対応など、いろいろな歪みが出てきているともいえそうです。

 そんなことを考えているうちにかまにし様と串間様が合流し、予定の10時半に駅前を出発です。で、とりあえずは道筋もということから川崎アプローチ線のトレースからスタート。川縦は皆様御承知の結果となっておりますが、「川アプ」はというと、丁度当日6/14付神奈川新聞記事にもなっていましたが、国や関係自治体で組織する京浜臨海部都市再生予定地域協議会が17日にも実現可能性をアピールするそうで、さてどうなりますことやら。

神奈川新聞(関連記事) http://www.kanagawa-np.co.jp/news/nw03061331.html
神奈川県サイトより 
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0209/29061/mousidebun.htm

 と、早速見えてきたのがNTTドコモの川崎ビル。これがいきなり「川アプ」予定線上に建てられているとのこと。構想にあるように単線を敷くにしても、東海道線以下ずらす必要が…との指摘。先には絶妙のカーブといいましょうか市営日進町住宅が見えます。
 一旦市電通りから廻り込んで八丁畷駅前。草に埋もれた橋台を見ることができます。図らずも再び話題となってしまった踏切と交差点を横目に池田町交差点でR15を越えて川高通りへ。行き違う川崎鶴見臨港バスの乗車率も良く、停留所には子供連れや高齢者がバスの到着を待っています。
 川崎新町駅脇を通って再び市電通りに入り、小田栄の再開発予定地へ。通り沿いは3周年を迎えたヨーカドー系スーパー・エスパを軸にロードサイド店が建ちならんでいます。そのまま産業道路との交差点を突っ切ってNKK…もとい、JFE京浜製鉄所の渡田中門を掠めるようにしてJR浜川崎駅へ。当方も車で来たのは初めてですが、かまにし様・串間様は全くの初めてだそうで、オドロキを通り越して感心しきり…でした。確かにディープな空間ではあります。
 産業道路を潜って再び小田栄の昭和電線工場横へ。「川アプ」でも新駅設置をといわれていますが、さて…。

 当方的にも川崎アプローチ線、南武支線という現状以上な潜在的需要は感じますが、さてそれが本筋かと問われれば…先頃実証実験中だったPTPS(光ビーコンを活用した公共交通車両優先システム)の本格導入を決めたことからもわかるようにバス需要はかなりのものがあります。読んで字のごとくの「市電通り」をはじめ、川崎駅へと向かう主要道にはバス路線が張り巡らされていることを併せ見ても、ある程度の集約の上で「本筋」にLRTなりGWB系なりを、と考えるのが自然かな、という気がします。逆に「川アプ」では現状のバス需要の低減になっても絶対値までは、という気が。この点採算性論や原資論よりもポイントとなる気がしますが…車内でも結構な議論となりましたよ。

川崎市、青信号保持する「ノンストップ特急バス」を運行 日経 http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20030605c3b0503r05.html
川崎市 
http://www.city.kawasaki.jp/30/30zidou/home/tdm/tdm_its.htm#ptps

 首都高横羽線の橋台伝いに蔦を巡らせたことで排ガス値が下がったとのとも様の言に一同感心しつつ、産業道路を突き進んで京急大師線の踏切を無難に越えると、大師河原交差点からR409へ。アクアラインの先、房総横断道路から延々と続くR409ですが、川崎市内もこの先府中街道となってR246へ至る幹線道路ですが、京急大師線とは2度の踏切、下平間で南武沿線道路と別れてからは拡幅もままならない細道が続きます。交差点から暫くはもうひとつの「川縦」=首都高川崎縦貫線の横羽線との結節となる大師JCT工事が進められていました。巨大な構造物になるようですね。

川崎国道事務所 http://www.ktr.mlit.go.jp/kawakoku/409/traverse/index.htm
大成建設サイトより 
http://www.taisei.co.jp/jv_hp/frontline28/

 川崎大師駅手前で大師線を横断、日中こそ滞りなくでしたが、朝夕や競馬開催時の増発運転時は結構辛そうな感じがします。川縦との直通運転が計画されている大師線地下化は、地上駅で残る小島新田から地下に潜って現線路下を進み、この川崎大師駅からR409の下を通ることとなります。弧を描いて右手にヨーカドー川崎港町店を眺めると川崎競馬場手前で左折してR132富士見通りへ。大師線は競馬場地下を斜めに進んでR132とR15第一京浜との交点付近が市役所前駅となりますが、川縦がなくなるとなると、この駅使われるのでしょうか…?
 川崎駅前の隘路を抜けてJR線路を潜り、ソリッドスクエアを横目に左折して、東芝の堀川町工場跡を廻り込んで駅西口へ。小ぢんまりながらこちらもターミナルの顔。それにしても再開発が進みつつありますね。さて、ここからが川縦トレースとなります。

破・川崎〜宮前平編

 建設中の西口文化ホールの威容を横目に川崎駅西口からまっすぐ進めばJR尻手駅、そしてこの道路が尻手黒川道路となるのですが、川崎縦貫高速鉄道はというと川崎から元住吉までの2期区間はJR新川崎駅の経由以外は未定。去る4月に発表された計画見直し案でも「中間A・B」としか記されていないのですが、とも様のナビゲーションにより大体の予定ルートを辿ってゆきます。そのハンドル捌きには一応地元(といっても多摩区民で馴染みなし)の串間様は瞠目されっぱなしでしたねぇ。地図を片手にであれば判りやすいかもしれませんが、R1の都町交差点からJR矢向駅東方の住居と工場の密集地区を掠めて古河鋳造の先で南武線踏切を横断、小倉陸橋手前から横須賀線沿いに新川崎へと進みます。この工業地区も鉄道整備とのリンクによる大規模再開発が見込まれそうです。

川崎市 計画内容の見直しについて http://www .city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/news-1.html

 新川崎駅で横須賀線を越え、三菱自動車工場との間を北上、ガス橋通り伝いに廻り込む形で関東労災病院へと進み、元住吉駅北方で東横線踏切を越えて左折、ブレーメン通り商店街を横目に東横線沿いに進んで尻手黒川道路に入りました。
 この間車中で話題となったのが「元住吉経由」の是非。特に新川崎からでいえばほぼまっすぐ西進すれば(東横線急行停車駅の)日吉ということもあり、広域流動にも資するのでは?と思いつつ、市境を越えることにもなるから元住吉か、という「消去法的路線設定」なのではないかという疑問に対し、新川崎駅が横須賀線ホームに並ぶ形での連絡が想定されている(直接的言及はないが計画見直し案では1期時小田急唐木田車庫間借りに変更されたことに伴って2期時に新川崎地区での車庫整備が明記されている)ことからすると日吉へは直角ターンすることになり、日吉以北の整備区間の問題もあること、さらには元住吉(商店街)の求心力は軽視できないほどであることなどから妥当であるという意見が出されました。当方としてはあざみ野での経験(田園都市線急行停車の是非)や広域流動という意味ではとの観点から日吉のほうが…とも思うのですが。
 それにしても元住吉の求心力は確かに目を瞠ります。この日もお昼前というのに結構な人出が見受けられました。日吉・小杉とも違う個性が受け入れられている証左でしょうが、核となるもの、とりたてて個性的というものでもないのですが、やはりGMS系にはない「商店街」の温かみは魅力のようです。

 さてクルマは尻手黒川道路を進んでゆきます。ここからは以前当方も通った道ですが、今回は機動力を活かして周辺地区も見ることに。市バス井田車庫の先、市民プラザ通りを分けてすぐのす子母口住宅入口交差点を左折、やおら狭くなった道を丘上へと進んでゆきます。対向するバスは大型車、停留所には若い家族連れ、カップルの姿を多く見ます。丘を登りきると蟹ヶ谷。丁度市境にあり、川崎市営団地や国土交通省・国税局の官舎などが建ち並んでいます。ロータリーがあり、バスの折返ポイントで、綱島・溝口・小杉・新城・川崎とかなりの頻度で結ばれていますが、至近の駅は日吉。1.5キロ程ながら、道路環境が宜しくないためにバス路線もありません。先程の「元住吉か日吉か」というポイントは実はココにあったといえそうです。


蟹ヶ谷の東急バス折返場

横浜市営地下鉄4号線建設中(高田町付近)

 そのまま綱島方面に進み、高田交差点を右折して現在工事中の横浜市営地下鉄4号線(中山−日吉)の高田町駅付近工事を斜め見ます。この道路もようやく整備された幹線だそうで、港北NTのアプローチ道路でもあり、この先第3京浜を越えたところからはたまプラーザからの羽田空港連絡バスのルートでもあります。道路中央部や脇の空間で工事が行われており、高田町(仮称)付近のようです。

横浜市交通局 新線建設 中山-日吉間 http://www.city.yokohama.jp/me/koutuu/kanjyou/index.html

 再び蟹ヶ谷越えをして川縦トレースへ。それにしても、4号線建設のついては日吉駅周辺の慢性的交通渋滞からの定時性確保による交通の便改善が謳われているものの、4号線および川縦が計画通りに通ったとしてもこの蟹ヶ谷地区は直接的に救われないことを考えると、ルート取りの懸念はあれどなんとかならないものかとも思います。それくらいの需要を感じる場所でした。

 再び尻手黒川線に復帰、第3京浜を潜ると道路は北側に弧を描きますが、川縦ルートは若干南よりに直進する形で市営野川西団地付近を通ります。こんもり青々と生い茂る並木道を緩やかに登ると団地街に。野川第一公園を中心に東急バスの停留所が集まっており、梶ヶ谷・鷺沼・小杉・中原とが結ばれていますが、側道の3辺をうまく使って折り返す運用をしており、巧い策の裏には朝夕時にロータリーでは足りない需給の存在を伺わせます。
 いかにも東急開発チックな町並みを抜け、野川団地入口交差点からいったんR246に入って馬絹交差点で尻手黒川道路に戻ります。地区随一の主要一般道であるR246もこの付近の高低差ゆえ東京方面から尻手黒川道路にアプローチできないのが渋滞を惹き起こしている由。

 田園都市線のアーチ橋が見えてくると宮前平。手狭な駅前ロータリーを横目に、ここから当方のリクエストで宮前区役所方面へ。実は以前のトレース時に宮前平から虎の門病院分院行きのカラフルなバスを見かけていたのが気になったもので…。
 駅北口から急坂を駆け上がってさすがの命名である富士見台小学校をサミットに下る形。それにしてもマンションが建ち並んでいて通勤通学も大変そう。電動アシストつき自転車を良く目にするとは串間氏の弁。宮前区役所ロータリーに入る東急コーチと対面、そういえばこのクルマは宮前平をぐるっと北側に廻って鷺沼と宮崎台を結んでいますね。
 この先、宮前平中学校下あたりを武蔵野貨物線が通っている由。この後車中では、断続的に武蔵野貨物線旅客化論が交わされます。素人目には「あるもの使え」と思ってしまうものですが、さすがにそうもいかないそうで…そちらは後程。
 移転した東急電車とバスの博物館を横目に宮崎台駅界隈を通って虎ノ門病院分院へ。バス路線が新しかったので病院もと思ったら結構な年期モノ。病院のロータリー内まで入れるのは東京近辺ではまだ珍しいもの。といってもこの界隈では「大先輩」があるのですが…一方で当方はタクシープールが京王系だったのに注目していたり。
 R246を跨いで隘路を抜けると突然道が広くなり、そのまま梶ヶ谷貨物ターミナルへ。丘上の貨物駅に至るアプローチを通って構内へ、そのまま隅にあるホームセンターに車を進め、貨物ターミナルを一望できる屋上駐車場で小休止。いやこの日は暑かったですね。タイミング的に貨物列車は出会いませんでしたが、川崎市のごみ輸送用コンテナなどを見学致しました。
 この付近は官舎や社員寮を中心に開発したために街の循環性が高いとは、実際に住んでいたこともあるというとも氏の弁。そのとも氏が「ショボい」と嘆く東急梶が谷駅に向かうと確かにショボいかも。周辺の状況からしても、東急なら人工地盤とかでちゃっちゃとやりそうな気も…その隣の空き地が将来的に大井町線の車庫予定があるとかないとか。数年後には変貌を遂げる計画でも出るのでしょうか?

虎の門病院分院行の東急バス専用車
ホームセンター屋上から見た梶ヶ谷貨物ターミナル

急・宮前平〜新百合ヶ丘編

 上り線が渋滞を見せるR246ですんなりと尻手黒川線に入れないことを実感して、再びの宮前平駅を通過、ふと見れば1時もとうに過ぎ、さてそろそろ一息かというところで、東名川崎IC、市バス菅生車庫を越えた清水台交差点そばのデニーズで昼食休憩と相成りました。
 昼食中は主に「1万人アンケート」の是非についての意見交換。住民参加型の意思決定一助手段としての関心と、では実際の質問内容はというところに皆様御意見があるようで。確かに現市長としても反対派的な主張の下で当選している手前、かといって国からの補助も既に受けている中での「独断」がというところでの逡巡の結果がアンケートに至る事業見直し過程となったのでしょうが、あの内容では「反対」ないし「延期」という回答に偏らざるを得ないのではないかという分析ですね…実際のところ「それでも賛成がこれだけあった」というところの評価をしているところもありますが…結果として「玉虫色」感が強まってしまったのは後々どのように影響しますでしょうか…。

 夏の日差しをいっぱいに浴びたムンムンの車内を堪えつつ再出発。
 川縦予定線は東名川崎IC付近の犬蔵(いぬくら)から蔵敷(ぞうしき)へと弧を描くように進みます。先日当方は尻手黒川沿いに進んだのですが、今回は清水台交差点から浄水場通りを北進、蔵敷交差点を越えて長沢交差点で左折します。このあたりは串間氏のチャリレポとも重なってきますね。
 で、丘上に大きな建物が見えてくると聖マリアンナ医大。非地元民としては古いながら輸血云々の話が先に出てきてしまうものですが、とも氏や串間氏によれば地域でも有数の大病院、しかしながら川崎市は救急車を呼んで搬送されるまで政令指定として最も遅いそうな…道路問題の深刻さを改めて知る思いです。

 で、医大ロータリーを見てびっくり。先程の虎ノ門病院分院が霞む程…。まず発着するバス路線は、新百合・百合・生田・遊園・あざみ野・宮前平・溝口の各駅間。それぞれが時間1〜5本はゆうにあることから、規模がお判りいただけようかと…しかもロータリーが2層構造で、外縁がタクシー・関係者用、内側にバスが発着ということで、まさしくターミナルとなっておりました。昼下がりながら途切れることなくバスが出入りすると言っても大袈裟ではないでしょう…何でこの前来なかったかなと当方、バスを研究されているかまにし様も目を丸くされておられました。
 で、とも様と串間様は医大前駅の位置について議論。場所的に医大が丘上、取り付け道路が北側にちょい降りる形で高低差があるだけに、道路下にできるとなると医大までちょっとの距離、さらに高低差があってバス需要の移行にも少なからず影響するのではとの串間氏の弁。まぁこの規模での結節であればバス(需要)そのものがなくなるとは考えにくいところもあり、川縦論そのものにはさほど影響しないのではとのとも氏の指摘は承知なれど、その後に付け加えられた「川崎市はバリアフリーに熱心なんで、みすみす逃すとも…」との言に納得。

 さらに西進して長沢地区。道路の細さと中規模郊外店舗の商業集積のアンバランスさに改めて驚きつつ、百合ヶ丘高入口交差点で右折、さらに細道ながらこれもバス通り。明治製菓のグラウンド入口で道が突然立派になったところが長沢駅予定地、街道筋とはずれるのが少々気になりますが。
 この先住宅街の道をとも様は躊躇うことなく突き進んでゆきます。ナビありとはいえ、土地勘がなければ見ていてもさっぱり…ちょうど谷間というところには生産緑地もありながら、最近と思しき小規模開発の戸建住居が並びます。これが規制緩和の産物とはとも様の弁。
 生田病院手前を南に折り返す形で生田南郵便局方面へ。ここが丁度尾根伝い、四方の開発状況が望めます。まだ緑も目立ちますが…。行き交う小田急バスが目立ってくると王禅寺公園北側交差点で右折、三度尻手黒川道路に入ります。一番新しい整備区間はゆったりながら対向2車線、車道と歩道との間も高い防音壁で囲まれる、周辺環境配慮の対策がなされていますが逆に物々しい感じも。ゆるやかに左にカーブを取ってしばし、ついに行き止まりに。小田急小田原線を越えて名前の通り黒川まで延びるのはいつになりましょうや…。右折して住宅街を道なりに行けば新百合ヶ丘駅はもうすぐでした。駅南側のターミナルの造りに一同賛辞を送るも、キスアンドライドには不便のよう…タクシー待ちが取り付け道路上にまで延びていたのもいただけません。


防音壁に囲まれる尻手黒川道路最新整備区間

柿生駅前では東急バスが「始発路駐乗車」

 ここから小田急線の北側に出て、津久井道を柿生方面へ。ここには神奈中が淵野辺−登戸間に免許保持のため日1本の路線バスを運行しているそうですよ。
 柿生交差点で左折して柿生駅前の狭隘ぶりを見学し、王禅寺西から大谷へ。小田急バス折返所と東急・川崎市バス路線との微妙な関係を見てふたたび新百合ヶ丘界隈へ。このあたりはコミュバスサービスがベターとも思われるものの、外延部との需要が逼迫しており大型車がメインになってしまっているのに当方はつい中途半端感を覚えてしまうのですが…。王禅寺小を左折して市制60周年記念公園に出ますが、柿生方面のバスにとってはこの道のほうが走りやすそうに感じましたね(石橋交差点を経由する)。東急と小田急の「辺境地域」を実感します。
 日立製作所研究所を抜けると東急バス車庫が現れて公団虹ヶ丘団地・すすき野へ。なるほど、これで関係性がわかってきました…そう、横浜市営地下鉄3号延伸部を伺っているのでした。 すすき野の中心街を通って北東へ。今度は東急の美しが丘開発地を通りますが、改めて「らしい」開発振りを拝見致しました。そのまま進んでちょいと広くなった通りに左折して暫く進むと稗原。当方が先日のトレース時のルートと重なりました。

 林間に突如?現れる市バス鷲ヶ峰車庫に敬意を表した後、締めくくりに溝口へ向かうバスルートを進むことにします。稗原団地をすぎると「医大下」バス停。医大サイトでも『バス停から大学まではかなり急な坂なので体力に自信のない方はご遠慮ください』と書かれている以上はむしろ不親切では?

聖マリアンナ医大交通案内 http://www.marianna-u.ac.jp/bus/index.html

 そんなに建てこんでいる印象はないものの通り過ぎる停留所には必ずちらほら利用客がいるという状況で蔵敷で浄水場通りと交差、このあたりでかまにし様にバス停の時刻表を見てもらって「えらいこと」を実感して頂きました。

 どなたかがモノレール導入空間に可として挙げられた平瀬川を渡って右手に弧を描くと相鉄ローゼンなどが集積する平2丁目交差点に。ここで右折して南下、コンビニに立ち寄ったあとに向かったのは東名ハイウェイバス向ヶ丘バス停。バス通り対向もままならない細道を150mほど進んで東名の防音壁と宮前平グリーンハイツの一角にあるマンションの間の側道脇に車を止めて草の生い茂る道を歩いて到着…いちげんさんには非常に判りづらい場所ですが、結構朝方など御殿場・箱根方面へバス(…ほか)で向かうであろうゴルファーの方を見かけます。丁度目の前が東名東京料金所ゆえETC専用レーンの動向をしばし見ていたときにも、1台のハイヤーが本来進入禁止のバスレーンに入ってきて「降車扱」していました…。
 ちなみに地図をご覧の方はお判りの通り、まさに東京料金所直下を武蔵野貨物線が直交しています。ここで再び串間氏の質問。川縦構想の原点でもあり、当方もどうせやるならと思っていた武蔵野貨物線旅客転用ですが、

というのがとも様のお見立て。確かに筋は通っているが、であるからこそ完全新線建設を要するというのもおいそれと判断できないはず、と当方は思っていますが。
 再び平2丁目に戻ってさらに溝口方面に。15時前後とあって、早めの帰宅客をのせ数分後ごとに対向するバスは立客大勢なクルマも目立ちました。神木(しぼく)本町から緑ヶ丘霊園の南側をなぞりつつしばし、多摩川に向かう平瀬川に別れを告げるとR246を潜って高津区役所、そして田園都市線の高架を見上げれば溝口駅南口バス折返所に到着と相成りました。それにしてもおもいっきり仮設の折返所ですが、ぼ単一路線でかなりの需要の証左であることをも痛感するものではありました。


 長々とお付き合い頂きまして誠に有難うございました。
 この先は第3京浜で横浜方面へと向かったのですが、それはまた別の機会にでも。最終的には首都高湾岸線から首都高川崎縦貫線に入って殿町から川崎南部を掠める形で駅東口に向かいましたが、さてさて、このあとはこのトレースをも踏まえた当方なりの川縦(+川アプ)論を考えて見たいと思います。

2004.11.02 Update


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