【検証:】過去ログSpecial |
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【検証:近未来交通地図】Special203-2 川崎縦貫高速鉄道の可能性を探る |
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下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。 |
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なぜ川崎縦貫が必要か 投稿者---とも氏(2003/04/13 02:25:39) http://town-m.vop.jp/ |
なぜ川崎縦貫が必要か └腑に落ちない └川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは? └川崎縦貫の急行への乗り換え時間は? └Re:川崎縦貫の急行への乗り換え時間は? └これからの厳しい時代は限られたパイの奪い合いでは? └Re:川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは? └Re:川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは? └川崎市が市民にアンケートを実施 └川崎市が川崎縦貫をつくろうとする本当の目的は 川崎駅周辺等の活性化では? └Re:川崎市が川崎縦貫をつくろうとする本当の目的は… |
ともです。いくつかに分けて…
▼運賃面
かまにし様
これは、日本の都市交通全体の問題でもあるわけですが、各事業者による独立採算制を取っていることで、相対的に新線の運賃が高騰してしまう問題点があります。さらに川崎縦貫のように、他線への乗り入れ・乗り継ぎを前提としたネットワークとして存在意義のある路線は、運賃が高いことは大きな障壁となり、当初のネットワークとして存在意義を失いかねません。そもそも論として運賃がどうなるかは発表されなきゃ解らないですよ。その時点で高い安いという話しで。
確かに、政治家や政党が建設費が高い=運賃が高いと宣伝して回ってますが、その建設費すら当初見積もりの約●倍として・・・みたいな話です。その上で、
はっきり言って川崎縦貫が東葉高速並みの運賃だったら絶対に使いません。ましてや他に公共交通の代替手段があるわけですし…。
対多摩NTにしても川崎縦貫が他と比べよっぽど所要時間が優位でない限り、蒲田からなら南武線・もしくは新宿周りで行きます。それと同じように、南武線だってJRの中にあって、都心に出る他ルートと同じ運賃だからこそ南武線を使うインセンティブが働くわけですよね。ということですが、もし、このかまにし様の疑問に正論でお答えするのなら、民鉄・JRの運賃共通化というのが本筋であって、そこでだから川崎縦貫はダメというのは違うように感じます。
言い返せば、では雑色から伊勢原なら?日吉から多摩センターなら?となるんです。
もっと書きましょうか?多摩川から多摩センター、大岡山から鶴川・・・
かまにし様の言いたいことは解るんです。でもそれが川崎縦貫の欠点というのなら、既存鉄道事業者以外が整備する鉄道はすべて使えないということになります。
東葉も北神も北総もまったく使えないということになるんです。でもそんなことはない。
かまにし様が仰るとおり、日本の鉄道システムが独立採算性、事業者別運賃を採用している以上、もしかまにし様のいう懸念を考えるのなら運営統合か既存事業者による敷設以外にありえなくなるんです。で、運賃が高ければ使わないとのことですが、時間が所要時間ベースで10分短縮ですから、待ち時間も入れれば15分〜20分。多摩センターまでは同程度ですよね。
となれば優位でしょう。京浜地区といってもJR沿いだけじゃないんですし。
確かに蒲田からなら南武線かもしれません。でも稲田堤での徒歩乗換か登戸・新百合ヶ丘(多摩急行がドンピシャで来るとは限らない)での乗換との比較です。
乗換の抵抗は相当大きいですから便益も出ますよ。仮にですが、川崎ー新百合ヶ丘間21.6km、川崎市の計画では急行運転が実施され所要時間は26分です。
現状は36分(乗換含まず)、料金470円。
川崎縦貫の運賃が北総や東葉、山陽(爆)並なら600〜700円、同じ市営地下鉄の仙台・札幌・横浜・大阪、新規路線のつくばエクスプレスと同程度として500円。
さてどっち使いますか?例えば類似例で見ればわかりますが、神戸の神鉄。
たとえば有馬口から三宮。
神鉄〜神戸高速経由阪急三宮 |
42分 660円 |
北神〜神戸市営地下鉄 |
21分 860円 |
どっちがメインでしょうか。言うまでも無く谷上乗換え北神がメインになります、
つまり200円で20分なら十分動く。だったら川崎縦貫、実乗車で10分違う。100円差だったら十分動く可能性を否定はできません。また土日で買い物・行楽客で考えれば、なおさら運賃は重要なファクターなわけで、「JRと別料金でしかも高いなら、山梨も新宿経由でもいいや」と思う人は少なくないと思います。
ネットワークに関しては南武線沿線から山梨方面について、南武線の選考理由で「JRだから」が多いとは思えません。裏を返せば「JRじゃないなら都心経由へ」なんてことになるわけですね。
でもよく考えてみてください。川崎駅から山梨に行くのに都心を回る。これは解ります。でも小杉からでわざわざ渋谷へ出て・・・なんてしますか?行動の把握において料金は重要なファクターなのはその通り。でも別料金だからといってわざわざ新宿に出る人がいますかね。普通は、時間と料金の便益差。そこを無意識に考えて行動しているんです。その上で、時間や利便性が勝り、それが料金と比較してバランスがとれているのならそちらに流れる。それだけのことなんです。
ですから運賃が別だから・・・というのは私にはちょっと考えにくいですね。もしそれが正しければ溝ノ口→横浜で小杉経由、新宿→谷保で分倍河原経由は成立し得ない。でも実際にはその行動はありうる。そういうことなんです。▼事業費面
●コスト
矢切様
川崎縦貫線建設と同程度の費用を要してしまいますが、この解が南武線の踏切を無くす唯一の解です。新線建設と異なり、将来にわたって新たな維持コストがかからないのも魅力。南武線の全線立体化には以下の問題があります。
直上高架だと工事費がかかる。片線ずつだと用地買収費がかかる。
既存鉄道ですから活線状態での施工になりますので、直上方式・もしくは片線方式による高架化ということになりますが、直上式は事業費がかかり、片線方式は用地買収費がかかります。また、直上式であっても日照権の問題から側道整備が不可欠となることが考えられ、その場合には用地買収が不可避であり、相当額の用地買収費・補償が必要になります。
既存高架線の上を通さないとならず高高架になる。
南武線の連続立体はすでに都市計画決定がなされています。それによると、今、高架になっている田園都市、東横、横須賀・新幹線、小田急などの各線の上を超えていく形態になると思われます。これは、今の高架橋の下を通す場合、交差道路のクリアランスが確保できないので高架化の意味がありません。
よって事業費が莫大です。高架が高くなれば日照影響範囲が増え、補償も雪だるまで増えていきます。
事業費が高い
高架化の費用は連立ですから事業者=JRの負担は実質数パーセント(機能アップがなければほとんどない)と少ないです。でも川崎市からすれば連立の場合、事業費のおおよそ1/2を一般会計から負担することになります(1/2を国費の道路会計で補助)。
しかも連立であれば機能アップ分(2面3線→2面4線の費用、8連分の延長費用など)をJRが負担するかどうかという問題も残ります。よって、南武線の立体化は相当困難と考えられます。
今のバスルートの混雑がほとんど緩和されない事が重大な欠点であり、バス経路上でボトルネックとなる交差点の改良などを併せて行なうことが望まれます。
確かにそのとおりなのですが、このボトルネックが南武線という現実もあり(溝口駅前など)、一挙解決はなかなか難しそうです。
●道路整備矢切様
地下に鉄道でなく2〜4車線の道路を増設整備、連節バス走行可能とし、渋滞回避のためのバス専用レーンを設置、乗降をスムーズにするためバス用のプラットフォームと改札を整備します。タクシーや緊急用車両にはバス専用レーンの走行を認めます。AGTしか通れない軌道を整備するくらいなら、自動車もスムーズに走れるよう整備しようという発想です。悪くは無いと思います。ただ、問題は結局南武線のフィーダーに過ぎないということでしょう。その根本が解決されません。
また、構造物としては地下に道路を作る場合、地下鉄よりも事業費がかかります。これはトンネル断面が大きくなるためです(2車線で鉄道の1.5倍程度です)。●川崎縦貫鉄道は損なのか
川崎縦貫の整備スキームとして「地下鉄補助」を前提とした場合、事業者(3セクなのか交通局なのか知りませんが)と市の会計は別(交通局なら公営企業会計)ですので川崎市の一般会計からの負担は35%(残り35%は国費一般会計補助)です。
とした場合、市の支出として南武線の高架費用が川崎縦貫の新設費の7割程度でなくてはならず、南武線の大々的な改良を前提とすれば厳しいでしょう。川崎縦貫の建設費は、意外かも知れませんが、結構安いです。
川崎縦貫はほぼ全線トンネルなので用地買収が実は少ない。しかもNATMなので工事費も安いのです。よってコストを意外と抑えられます。地盤もよいので施工はさほど困難ではないでしょう。市財政の負担としては新線建設のほうが事業スキームのトリックで安くなることが考えられます。
また、南武線の場合、市は投資金額の回収ができません。これはあくまで南武線の収入増加はすべてJRに入り、回収に廻らないためです。
逆に川崎縦貫の場合、市が回収はできなくても公営企業会計において回収が可能であり、また、駅新設による開発及び土地流動化による税収増も期待できます。
その場合には仮にLCC(Life Cycle Cost 全事業費)がかかったとしても、それは事業者の問題であって、市行政としては問題になりません。事業者はLCCを運賃収入により回収できますのでさらに問題も無いです。この点を総合的に考えると、市としての財政力、南武線との機能分担、市域の活性化、整備効果の広範な寄与などの効果面を含めると、私は新線建設に利があると考えます。
いかがでしょうか。▼事業実施面など
がく様
要は、川崎市内の交通は、新たに川崎縦貫鉄道のような軸を作るよりは、既存の重要ポイント(溝の口、小杉等)からのフィーダー型の路線で十分であると思います。後は南武線にがんばってもらいましょう。がく様はじめまして。よろしくおねがいします。ご意見に関していくつか。
●川崎の軸
軸というものがそもそも良いのか悪いのかはありますが、少なくとも都市構造という観点から見れば軸という発想は必然的に出てくるものです。
そもそも、川崎の南北軸として南武線は機能はしています。しかし、南武線を使わざるを得ないだけというのが一つの理由と思われます。道路ネットワークで見ると南武線沿いと尻手黒川が軸であり、少なくとも川崎市北部においては尻手黒川のほうが市としての軸としての機能は高いと考えられます。よって北部(東横線以北)で尻手黒川線に軌道系軸がほしいというのは不思議は無いと思います。
その南武線利用に皆不満を持っているから政策として川崎市の縦貫鉄道構想が成立するのではないでしょうか。
確かに麻生、多摩、宮前はほとんど都民です。でも川崎や小杉方面への需要も根強い。その需要は規模の大小はあれど十分軌道系でやっていける。つまり需要が無いのに「欲しい欲しい」といっているのではなく、それなりに需要があって、しかも伸びが見えていて、さらに軸になっているのですから。必然性はあると考えられます。●溝口を外すこと
川崎市の動線論になるんですが、そもそも川崎市内の南北方向の移動で強いのは新百合ヶ丘〜宮前区〜川崎であり、あるいは宮前〜中原〜川崎です。
と考えた場合、溝口にルートを振った場合、軸ではなくただのフィーダーになりかねません。
その場合、南北方向の移動を円滑にするという目的になんら寄与しません。
なぜなら、フィーダーである以上、その機能はあくまでフィーダーであり、少なくとも軸ではない。であれば今のバスを昇華させたにすぎずそれではなんら解決につながりません。また、宮前以南、つまり246以南の野川団地や井田など救う必要がある地域が溝口ルートでは救済できず、宮前以北にしか効果がありません。よって整備効果は極めて小さくなり、投資効果はかなり限られると思われます。
●LRTでは?
川崎市内の道路環境の劣悪さはご存知のとおり。
尻手黒川線には右折レーンすら満足にありません。そもそもICアクセスです。そんな道路の車線を絞っても意味がありません。また、蔵敷〜溝口間は2車線。歩道はあるものの広くは無く、かといって迂回路たる市民プラザ通りにしろ遊園にぬける道路にせよ常に混雑を招いており、道路ネットワーク自体が非常に貧弱である以上、仮に拡幅するとしても厳しいものと考えられます。
また、この区間で拡幅するとした場合、沿道の住居が多いことから事業の円滑な実施は困難です。平瀬川の上を通す場合、南武線との交差、津田山−溝口間の導入空間、そもそも河川をフタすることに関する都市景観上の問題などクリアすべき事項があまりに多く、非現実的と考えます(平瀬川は一部区間で東名と重なるため、この区間の処理も問題です)。
よってLRTを整備するというのは極めて難しいと考えます。
さらに、新百合ヶ丘に向けては丘陵地帯であり、LRTではアップダウンが厳しいことも懸念されます。
ただ、鉄軌道AGTもしくはHRTのプレメトロとしてLRVを使うというのなら理解はできますが(速度低下などは生じない)。●南武線や市営地下鉄の快速運転
まず、横浜市営地下鉄での快速運転は追い越し可能駅が新羽だけであり意味がありません。
南武線で快速運転は厳しいと思います。おそらくダイヤは入れられます。厳しいといいながらも出来るとは思う。でも退避駅は中原しかない。登戸、溝口は2面3線。そこを改良して南武線に手を入れて・・・
快速を毎時何本入れるのですか?現状時間5本。快速を2本で30分ヘッド。しかも登戸や溝口で乗り換えあり。それじゃ使いにくい。
であって、南武線をより高度化するには矢切様もかかれていますが相当な手を入れなくてはならない。その費用はバカに出来ません。
腑に落ちない
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川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは?
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川崎縦貫の急行への乗り換え時間は?
投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/04/22 22:11:29)快速が18分で走破したとして、小田急への乗り換えに10分(急行10分間隔として待ち時間5分、乗換え時間5分)、小田急の急行で登戸→新百合ヶ丘が7分で30分。
乗り換えあり35分470円と乗り換えなし26分、運賃は高いと断ぜられませんので仮にTX水準として500円。たった30円差です。
さてどうでしょうか。私はわざわざ乗り換える行動の選択が多いとは到底思えませんが。川崎縦貫が他路線とくらべて優位であると主張する方に、乗り換え時間が云々というのを、良く拝見します。
ここでもそうですが、登戸での乗り換えには、それが考慮されていますが、新百合ヶ丘での乗り換えには、それが考慮されていません。
新百合ヶ丘を起点とした利用者なら、そのとおりだと思いますが、そんな利用者は、新百合ヶ丘から川崎縦貫を利用する利用者のほんの一部にすぎない、と思われます。多くの場合は、小田急線の他の駅からの利用者ではないでしょうか?。
そう考えると、新百合ヶ丘での乗り換えロスタイムを、考えないわけにはいきません。
川崎縦貫の急行って、何分おきにでるのでしょうか?。
まだ、細かいダイヤは発表されていないようですが、全体の運行本数計画などからして、急行はせいぜい日中平常時、20分か30分に1本ぐらいではないでしょうか?(注、あくまでも私見です)。
そう考えると、その乗り換えロスタイムはかなりのものとなりそうです。
それでも、南武線より川崎縦貫が有利なんでしょうか?。
また、今でも構想があるのかどうかは知りませんが、もし、川崎縦貫が小田急多摩線直通とかなったとしても、現在、多摩急行が走っている多摩線に、さらに川崎縦貫の急行が直通するというのは、考えがたいんじゃないでしょうか?。Re:川崎縦貫の急行への乗り換え時間は?
投稿者---とも氏(2003/04/22 22:28:07) http://town-m.vop.jp/ともです。
うーん・・・
乗り換えは絶対的な差になるでしょうか。今の構想では小田急多摩線との直通運転が計画されています。
そうなれば両者の乗り換え抵抗は小さくなり、少なくとも多摩NTに関しては明らかに川崎縦貫が優位になる。
柿生・鶴川・玉川学園ならば急行と各停の関係で差は無くなります。新百合ヶ丘は乗降客数も圧倒的に多く動線としても他の百合ヶ丘、生田、向ヶ丘遊園、柿生よりは乗降客の客観的データで考えても多いでしょう。
であればこの2点間での比較は不自然ではないと感じますが。とりいそぎ。ではでは。
これからの厳しい時代は限られたパイの奪い合いでは?
投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/04/23 22:30:56)南武線の位置付けもなにも今までどおりの機能でしょう。・・・ですから機能そのものは変化は無く、逆に川崎縦貫が川崎南北移動を、南武線は市内のフィーダー及び多摩−京浜の移動を担うという整理がなされるにすぎないでしょう。
また、マイナスインパクトといっても、すでに登戸以外は都市として成熟してますし、いまさらそれで衰退が生じるとは考えにくいです。川崎縦貫ができると1日20万人から30万人ちかい利用者があると、予想されているようです。
もし、それがほんとうだとしたら、その利用者はどこからくるのでしょうか?。
そのほとんどは、南武線利用者からのくらがえで、一部は、小田急や東急からのくらがえもでてくるでしょう。
もちろん、マイカーから電車にかわる人もあるでしょうが、それはほんの一部にすぎないと考えるのが、自然ではないでしょうか?。
そうすると、川崎縦貫ができることによる南武線沿線の衰退は、ほんとうにないのでしょうか?。川崎縦貫の沿線はすでに、ほとんどができあがったまちであり、今後、沿線人口が大幅に増加することはまず、考えられないと思います。
もし、川崎の臨海部が発展したとしても、それによる川崎近辺の鉄道利用者増加は、微々たるものでしょう・・・とても1日20万人から30万人もの利用者が増えるとは思えません。これからの厳しい時代は、限られたパイの奪い合いといった感じになるのではないでしょうか?。
そのため、各電鉄ともダイヤ改正などで利用者減をくいとめようと、しのぎを削っているのでしょう。
川崎縦貫に、1日に20万人から30万人もの需要が、天からふってくることはないと思います。Re:川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは?
投稿者---がく氏(2003/04/15 02:09:44)がくです。どうもお世話になります。
なんか議論が白熱してますね。素人考えにいろいろとレスどうもありがとうございました。実は今まで漠然としか川崎縦貫鉄道の計画を知らなかったのですが、今回を期に川崎市のwebページで勉強させていただきました。元住吉以南の経路がまだ決まっていないのは実は初めて知りました。
川崎縦貫高速鉄道 http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/index.htm
で、川崎縦貫鉄道ですが、作っても閑古鳥がなくことはないでしょう。
前の発言でも述べたように私は便利になりますのであれば使いますし、蔵敷や野川あたりの人には大きな福音となるとは思います。一期工事のみでもそこそこの利用があって、きっと採算はとれると思います。それでも必然性が高いとは思えません。理由を以下に書きます。
川崎市の交通政策の最優先課題は道路の改善である。
とも様のおっしゃるとおり、川崎市北部の、特に南北方向の道路状況は劣悪です。まともな道路は尻手黒川道路だけです。これは川崎縦貫鉄道ができても状況は変わりません。鉄道建設よりもまずは特に南武線周辺の道路整備をしていただきたいです。
前の発言でLRTといいましたが、これも前に書きましたとおり、既存の道路の車線を削るのではなく、必ず道路拡幅とセットで、もしくは平瀬川ルートの建設で恐ろしくたくさん走っているバスをせめて既存道路からすべて除いて、道路交通の改善につながればと考えました。べつにLRTでなくても、バス専用線でもガイドウエイバスでも現状より良くなればかまいません。
土地勘のない人のために補足しますが、平瀬川は津田山〜長沢の間を流れている小川で、蔵敷〜長沢の間は川崎縦貫のルートともほぼ並行します。とも様の懸念される問題は、溝の口〜津田山区間は道路拡幅の用地買収がそれなりに進んでおり、また川の上を走る問題も、コスト面の不利は否めないですが、すでに千葉都市モノレール(都川)で先例があり、景観問題もモノレールに比べればはるかにましですので、十分解決できる問題と思います。また、川沿いに走ることで丘陵地帯を走る割にはアップダウンがほとんど抑えられ、鉄軌道での走行は問題ないと思います。東名との交差部は確かに工事が必要ですね。
南武線の連続立体化はどのみちしなければならない。
1.と関連するのですが、少なくとも溝の口周辺はボトルネックとなっている南武線踏切を解消しなくてはいけません。これは川崎縦貫鉄道を作っても道路状況が改善されるとは思えず、同じことです。でしたら最初から南武線に投資した方が良いです。
新たな軸が本当に必要か?
皆が問題にしている南武線以外にも、西には横浜市営地下鉄があります。新百合ヶ丘〜宮前〜川崎の需要がある程度あることは否定はしませんが、南武線及び地下鉄でまかなえないほどの需要なのでしょうか? この両線はもう改良の余地はないのでしょうか? 少なくとも私は現状の南北交通に満足はしていませんが、新たな鉄道は必要なほどとは思いません。
ただ、もし川崎縦貫鉄道が羽田空港まで延びるとなると、状況は大きく変わると思いますが。
樫通様の意見に、川崎縦貫はフィーダー路線の合わせ技という意見がありましたが、川崎市のwebページには軸と明記してありますね。ただ、現在の1期区間である元住吉〜宮前平〜新百合ヶ丘の建設ですと、フィーダー路線の合わせ技という意見にも納得ができます。
でも、もしフィーダー路線として考えるのならば、宮前平よりも溝の口を通るべきですし、元住吉ではなくて小杉か日吉をとるべきです。後細かい点ですが、
まず、横浜市営地下鉄での快速運転は追い越し可能駅が新羽だけであり意味がありません。
新羽で待避できれば、新横浜〜あざみ野の快速運転は可能でしょう。実感としてあざみ野方面からの乗客の半分は新横浜で下車しています。この間センター南のみの停車とすれば5分は短縮可能です。ちなみに川崎縦貫鉄道の計画図でも待避駅は野川もしくは宮前平のみです。
川崎市の軸について
尻手黒川道路が道路交通において川崎市北部の軸であることについては異論はありません。というか、これ以外にまともな道路がないです。でも、鉄道に同じ軸が必要かといえば、必然性はないと思います。現に、バス運行の軸は尻手黒川道路よりは溝の口〜蔵敷〜柿生のルートです。
***
結論ですが、川崎縦貫鉄道はとも様の述べるとおり、それなりの需要はあると思います。今の計画路線がベストだとは思いませんが、それなりに鉄道過疎地域もカバーしており、1期計画も元住吉〜新百合ヶ丘とあまり無理は感じません。
でも、建設の優先度が高いかというと話は別です。営団地下鉄における13号線のように、もうやるべきことが終わってから作るのならばわかるのですが、川崎市としては他にやるべきことがいっぱいあるでしょうというのが私の意見です。何かとも様の意見に対する強い反論のようになってしまいましたが、とも様の意見はいつも的確な資料に基づく論理的な意見として、いつも強く感服して拝見していることを付け加えさせていただきます。
長文乱文失礼致しました。
Re:川崎縦貫の実力はそんなに甘くは無いのでは?
投稿者---串間氏(2003/04/29 00:25:35)初めまして、串間といいます。今更という感じですが、地元の人間として発言したいこともありまして。なんとなくまとまらずに議論が収束しているきらいもありますので・・・。わがままですが素人なりにまとめたいと思います。
すでに計画が決定してしまったので今更遅いのですが、川崎縦貫鉄道で最もいけなかったのが、田園都市線と東横線との連絡駅の設定でした。
仮にこの連絡駅が日吉と鷺沼だったら・・・。多分反対する人はここまで多くはなかったでしょう。川崎縦貫鉄道で現在求められている効果は、川崎市北部の交通不便地域の救済と、南武線の混雑緩和にあると思いますし、それ自体を否定するつもりはありません。
しかし、現在南武線が結んでいる川崎−小杉−溝口−登戸という軸に対して、新百合ヶ丘−宮前平−元住吉では軸として弱すぎます。とも様は尻手黒川に軸があるとおっしゃられていますが、道路によって強制的に流れが決められているという疑念もあります。ここあたりはなんともいえませんが、南武線が形成した軸に対抗するのは容易ではないでしょう。
期待される新百合ヶ丘を含め北側から川崎への輸送に関しても、南部の開通が北部より遅れるということから、赤字でその後の建設が進まなくなる恐れすらありえます。川崎市の財政状況を考えると、計画自体が怪しい状況です。
交通不便地域についても、実際にバスは走っています。バスが定時で運行が難しいならば、道路を改善するのが優先されるべきですが、川崎市の場合圧倒的に道路が足りないというのが実状で、道路整備が追いつかないと思います。この点では、鉄道へのシフトは妥当性があると思われます。利用者についてですが、バス利用者は確実に転移するでしょう。東急沿線から多摩NTに対する輸送は非常に便利になるでしょうが、期待されるほどの輸送があるのかどうか。多摩NTがそれだけ求心力があるとすれば、そごう撤退はなかったのではないかと。
現実な方策として市が費用を出すのならば、稲田堤駅の移転という方法で京王との乗換の便が図られることを期待したいです。用地はあります。地元商店街が反対しそうですが。南武線の立体化については、現在工事が行われている南多摩(府中街道)、矢野口(鶴川街道)に加え、平間(ガス橋通り)で十分と考えます。一部の高架化された道路に負担が集中するきらいはありますが、世田谷通りを除けば集中による渋滞は起こっていません。ここ辺りを通過する住民は、混雑を回避するために考えを張り巡らせている(笑)ため、極端な渋滞は発生しないと考えます。長距離ユーザーは高速を使いますし。
やはり南武線が本来の力を発揮していない状況が問題です。7・8両化や登戸以北の10分ヘッド化、踏切の閉鎖時間を短くするなど、JRが少しやる気を出してくれるだけで、多くの問題は解決するのですが。
私の意見として。南武線が本来の役割を果たせるのならば、川崎縦貫鉄道は凍結されるべきと考えます。長々としてまとまりませんが、これで。
川崎市が市民にアンケートを実施
投稿者---串間氏(2003/04/29 02:26:56)自己レスご容赦。
私の発言の中で、現状の道路状況から川崎縦貫鉄道を肯定する考えと共に、南武線で何とかするべきという反対意見で終了させました。
しかし、反対する理由は決して南武線で十分だからだ、というだけではなりません。
それは川崎市の財源の問題です。川崎市の財政状況は、このままでは財政再建団体への転落、という深刻な事態に直面しています。バブル崩壊に伴い、多くの企業が臨海部から撤退し、急速に税収が落ち込んだ川崎市は、その急激な変化に対応できなかった結果が、現在の状況です。
本掲示板では採算が悪くても、必要ならば造るべきとの声が強いように感じますが、この鉄道の事業費の一部を川崎市が負担する以上、採算性は決して避けられない問題といえます。
なお、川崎市は市民1万人に対し、この地下鉄に対するアンケート調査を行うとの事です。今後の推移を見守りたいところです。
http://www.city.kawasaki.jp/16/16gyosys/home/kensyou/kensyou.htm
川崎市が川崎縦貫をつくろうとする本当の目的は川崎駅周辺等の活性化では?
投稿者---小田急電鉄だいすき氏(2003/04/29 03:45:43)利用者についてですが、・・・東急沿線から多摩NTに対する輸送は非常に便利になるでしょうが、期待されるほどの輸送があるのかどうか。多摩NTがそれだけ求心力があるとすれば、そごう撤退はなかったのではないかと。
川崎市がわざわざ税金を使って鉄道を建設して、市民が東京都である多摩ニュータウンへ行き、お金をおとすことなどを期待しているとは、とても思えません。
川崎市がこの鉄道に期待しているのは、ズバリ川崎駅及び市の臨海部活性化だと思います。
つまり、川崎市中・北部の住民や、あわよくば都民である多摩ニュータウンの住民も含めて、川崎駅周辺にきてもらい川崎区を活性化したい、というのが地下鉄建設計画の本当の目的ではないでしょうか?。しかし、まちに人を集めたければ、まちに魅力がなければなりません。
今の川崎駅周辺に、魅力があるのでしょうか・・・?。
関係ないかもしれませんが、マスコミによれば、川崎駅にちかい某有名デパートも撤退するみたいです。
まちを活性化したければ、地下鉄建設より、駅周辺再開発や新規デパートを呼び込むなどのことのほうが、先決だと思います。
立川が、駅周辺の再開発と新規大型デパート等の出店ラッシュなどで、ものすごく発展しているのは、皆様ご存知のことと思われます。
ちなみに、多摩センターの多摩そごうのあとには、現在、某有名デパートが出店しています。
余談ですが、多摩センには最近大きな○○タくんもできました。
川崎市は、地下鉄建設より先にやったほうがいいことが、たくさんあるように思います。
いちど、立川を見学してみては・・・。Re:川崎市が川崎縦貫をつくろうとする本当の目的は川崎駅周辺等の活性化では?
投稿者---串間氏(2003/04/29 02:26:56)串間です。レスありがとうございます。
川崎市が地下鉄建設に伴う再開発を目指していることは、新百合ヶ丘と川崎を見れば分かります。
川崎においては、駅西側の東芝工場跡に多くのビルを建てる予定ですし、新百合ヶ丘では貴重な緑地を削ってまで万福寺の開発に乗り出しています(小田急線に乗っている方は、新百合ヶ丘北側の緑地が丸裸にされたのはご存知と思います)。開発が依然進まない新川崎も期待できそうです。川崎市がそのことを考えているのは確かだと思います。しかし、開発されるといえども、新しい風を吹き込むのに地下鉄建設が必要なのか。横浜市営地下鉄のように、何もないところに都筑新都心を造るのに地下鉄整備は必要不可欠でした。もちろん、これらが成功したかは別の議論です。
新百合ヶ丘や新川崎、川崎は交通機関が便利になって、人が集まるのかといったら、多分そうでしょう(一応便利ですから)。しかし、北部が先行開業するというのが、非常に引っかかります。先行開業で不便だという印象がついてしまっては、川崎まで開業しても利用者が流れてこないかもしれません。川崎市がこの鉄道に期待しているのは、ズバリ川崎駅及び市の臨海部活性化だと思います。
仮にそうだとすると、川崎区へのLRT導入も一つの手でしょう。川崎区の臨海部への道路状況は比較的恵まれています。
私は、市民としてこれ以上借金が多くなってはたまらないので建設には反対です。意見がまとまりませんが、これで。
2004.11.14 Update | |||||
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