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【検証:近未来交通地図】
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日本の玄関=成田なのか?(国際競争力は東京だけが持つ?/新千歳ハブの可能性) 〔続〕 投稿者---まえだ氏(2003/08/19 23:31:23) |
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ハブ空港とは何なのか?
投稿者---井原氏(2003/08/22 01:02:35)茨城の水戸在住の井原と申します。
まず、私自身の立場を、少々。
私は、首都圏在住という分類になるのでしょうが、近しい親族が北海道にいることなどから、地方、特に北海道の動向に少なからず関心を抱いております。
また、在住の茨城中部・北部は一応、首都圏ですが、新幹線がないことも相俟って、地方色もそれなりにある地域です。
首都圏在住者ではありますが、地方の利益という視野もそれなりに持っていると自分では思っております。ハブ空港とは何なのでしょうか?
ハブ・アンド・スポークの手法の発祥はアメリカのようですね。航空会社が安い着陸料の空港にハブ拠点(航空機の整備拠点も含む)を置き、ここを中心に多くの便を発着させるというものです。一定の時間帯になると様々な方向から航空便が飛来し、接続を取った後に再び様々な方向に飛んで行きます。ダラスのフォートワース空港が有名です。発着する機材は必ずしも大きくありません。便数を多く飛ばすことによる利便性の方を重視している事も特徴です。
それを国家戦略として、行なっているのがシンガポールでしょう。国家のプロジェクトとして、空港を整備し、チャンギ空港を中心に様々な方向に、ナショナルフラッグキャリアであるシンガポール航空が路線を有しています。余談ですが、航空サービスランキングを行なうと、シンガポール航空はランキングの上位に常に出てきます。民間も国家もそれだけ力を入れていることの証のように思われます。
東アジアとヨーロッパ方面との中間に存在するシンガポールは、海運主体の時代より中継地(中間貿易地)としての機能を強化することを国家戦略としてきました。もちろん、それによる経済機能の集積を狙っての事です。こうした事例から考えると、ハブ空港とは
- 空港の離着陸料が安い(少なくとも企業が戦略的に運営できる程度には)
- そこに拠点(整備拠点も含む)を置く航空会社が存在する
- 国内外様々な方向に数多くの便が飛んでいる
- 発着する航空便は接続を取り合う
という外形的な条件を有しており、そこには民間企業なり国家なりの一貫した戦略が背景にあります。
日本における空港・航空会社について、上記の外形的な条件を考えると
国所有の空港の離着陸料は、空港特別会計の中にある。地域の特性に応じた離着陸料を戦略的に設定できにくい状況である(戦略目標<多くの便の発着・運賃値下げによる来訪者の誘致>からすると相対的に高い事が多い)
以前の話ですが、北海道の観光客誘致のため、離着陸料の値下げが検討された事がありました。しかし、国所有の第二種空港(新千歳・函館など)は値下げに難色を示して、実現しなかったように憶えております。
ナショナルフラッグキャリアレベルの大手航空会社は多くの機能拠点を東京(羽田・成田)に置いている(整備拠点などの資産も含む)
国内の航空ダイヤを見るとそれが窺えます(下りの便は朝早くから運行し、上りの便は夜比較的遅くまで運行)
東京(羽田・成田)は人やモノの旺盛な流動に対して、現時点の発着容量に限界があり、拡張余地もあまりないので、数多くの便を様々な方向に飛ばすには制限(発着容量やそれに伴う許認可など)の厚いカベがある。個々の路線で見てみると、必ずしも多くの便数を飛ばしているわけではない
羽田が国内専用、成田が国際専用で成り立っているということにそれが窺えます。どなたかが書いておられるように、成田は自然発生的なハブと言えましょう。
上記 3.に記したように飛行機の発着に制限の厚いカベがある以上、接続は不十分なケースが多くなる。
羽田空港の国内便同士の接続は必ずしも考慮されておらず、旺盛な需要に対応して、たまたま様々な方向に航空便が発着しており、近しい時間帯で乗り継いでいるだけでしょう。このことも自然発生的なハブと言われる所以でしょうか。
確かに、東京の空港容量は限界に近づいているし、それゆえに不便な思いを利用者(特に東京圏以外の人々)にさせているのも事実です。利便性を損なえば、国益にもひびきます。
しかし、「東京では捌けない流動を、他の空港で捌けるのか?」というと、それも難しそうです。上記の外形的条件で再び記すと
- 離着陸料を地域や航空会社が戦略的に設定できない(新千歳や那覇など、利用の多い空港は比較的高い)
- 東京以外に拠点を置いている航空会社がない
- したがって、東京以外では多くの方向に航空便を発着できないし、
- また、航空便相互の接続も東京以外では取りにくい。
といった具合に、否定的な材料が揃ってしまいます。関空にハブ機能が育たない理由は、この辺にもあるのではないでしょうか。
従来のハブ空港の概念とはまた違った方法を編み出し、利便性を確保しなければ、東京に固執せざるを得なくなるでしょう。このことは国益を損なわないか、非常に心配です。
背景となるべき、国や航空会社の戦略もハッキリしません。
北海道(地方)に縁のある私には、この状況には口惜しいものがあります。航空会社や国の戦略がハッキリしなければ、地方空港の運営・活用方法もハッキリできないからです。否定的な話ばかりではイヤなので、新千歳をハブ拠点とする条件を考えますと
- 離着陸料を戦略的に(安く)設定し
- 新千歳に整備も含むハブ機能・資産の拠点を置く航空会社が存在し
- そうした航空会社が戦略的に様々な方向に数多くの便を飛ばし
- 航空便相互の接続・利便性を確保する
といった条件を整備する必要があろうかと思います。
小規模でこの命題(「東京以外でハブ拠点は運営できるか」)を証明するのには不十分ですが、天草空港とそれを拠点とする天草エアラインのケースもあります。機材は小さくてもいいから、新千歳を中心に十分な数の航空便を飛ばす会社があればと思ってしまいます。
エア・ドゥ(ADO、北海道国際航空)発足の際、創業者は北海道(新千歳)を中心に国内外に航空便を飛ばすことも構想していましたが、それも適わぬ話となりそうです。収益基盤を構築する前に、事実上、ANAの傘下となってしまいました。企業経営のあり方に問題はあったでしょうけれど、東京に拠点を置く国家や大手航空会社の思惑に引きずりまわされたことが大きかったと思います。
また、新千歳では、離着陸料も自主的に設定できないし、北米・ヨーロッパ線を受け入れる機能を充実させるための滑走路の整備(三千五百メートルに延伸)をする事もなかなかできないでいます。以上、まとまりませんが、これにて。
Re:ハブ空港とは何なのか?
投稿者---まえだ氏(2003/08/22 02:46:08)そうそう、まとまりませんが、1つだけ。
東京以外に拠点を置いている航空会社がない。
JALは千歳にも整備拠点があるようですよ。聞きかじりですが、政府専用機は千歳で整備しているようです。
違っていたらごめんなさい。蛇足かもしれませんが
投稿者---井原氏(2003/08/22 07:39:58)JALは千歳にも整備拠点があるようですよ。聞きかじりですが、政府専用機は千歳で整備しているようです。
そうですか。それは知りませんでした。
「拠点(整備を含む)」なので、整備以外となると日本の航空会社はどうなのでしょう?東京以外に拠点を置いているようには見えませんが……。整備拠点にしても東京以外に置いているのは少数だったり、一部分では?
アメリカだと、本社・本部的な機能は必ずしもニューヨークなどの大都市にあるわけではないようですし。何かありましたら、またご教授願います>皆様
ではまた。私も蛇足
投稿者---RAH氏(2003/08/23 00:07:16)私もKLM札幌線に触発されて新千歳ハブを妄想したことはありますが…
新千歳がハブになれない理由は皆さんの述べたとおりだと思いますが、ほかにも理由もあるんじゃないかな、とふと思いました。それは、 1. 冬の寒さが厳しすぎ、かつ積雪も多い 2. 冷戦時代の名残 です。
確かにシカゴも寒いですが、積雪は新千歳の方が多そうです。
(1月の平均気温/降水量 札幌:-4.1/110.7 シカゴ:-5.6/46.2 いずれも理科年表2002より)
雪が降れば機体も滑走路も除雪の必要があるし凍結防止にも手間がかかる。そんなところに離発着も駐機もしたくない、というのが本音だと思います(よほど客が乗らない限り)。現在も千歳は空自の基地がありますし冷戦時代は対ソ防空の最前線だったのはご存知のとおり。冷戦時代にそういうところへ、とりわけ米系航空会社が離発着や駐機をためらったのは考えられ、その影響を引きずっていることがひょっとしたらあるような気がします。
雑感つれづれ
投稿者---Tom氏(2003/08/23 07:24:02)Tomです。おはようございます。
便宜上、ここにレスつけていますが、今までの議論を通じての所感及び疑問点です。■ 新千歳の地政学的問題及び滑走路延長の件
新千歳に空自が隣接している件については、以前のような冷戦構造のさなかであればいろいろ問題はあったでしょうが、現在のようにロシアがG8のメンバーとなり、同盟国に近い立場に変わってきていますからこの点でのプライオリティは低下していると思います。
むしろ、北海道の場合地価が安いので滑走路の延伸は容易だと考えていたのですが、この点で何か問題がありましたっけ?
新千歳は「ハブにできるなら」北米の空港のように滑走路をあと2〜4本位簡単に整備できるのでは、と思います(空自との関係が問題ですが)。■ 拠点
ハブ空港を議論する場合の「拠点」とは単なる整備拠点を指すのではなく、運航上の拠点を指すのだと考えます。
その意味からすればJJ、ANAは東京、A-netは丘珠、JTAは那覇が拠点になると思います。■ 東京の問題点(主に乗継面)
ハブ空港の定義については井原さんの書かれていることでいいのではないかと思います。
で、羽田空港についての問題ですが、乗継の悪さが一部にみられる、これは事実です。
各々便数が多い路線同士の乗継であれば一時間程度の待ち合わせで乗継が可能ですが、これが一日2〜4便程度の便相互の乗継だと3時間位待つことはザラにあります(10年ほど前、転勤で富山にいた際、山形→羽田→富山の乗継にこの位の時間を要し、結果的にはJR利用と大差ない所要時間になった)。ただ、羽田を経由しての乗継需要を考慮した便設定をしなければならないほど需要がある路線ならば直行便を飛ばしたほうが早いと思われます。
機種は何も737以上でなければならぬ必然性はないわけですから、CRJでもF50でもいいわけなので。
でも、地方同士の需要はあまりそう多くないのも実情ではないかと
先にあげた富山の例で言うと、富山に本店のある北陸銀行が北海道内にも支店を多く展開しており、また明治以降道内に移住した人も多いためそれなりの需要があると判断され札幌−富山の開設を要請し実現したわけですが、その後便数は増えてはいません。
夏場は観光需要もあり搭乗率があがりますが、冬場はがらがら・・というのが実態(以前、東京出張の帰りに北斗星に乗りたくて土曜日に札幌経由で富山に帰ったこともありますが、見事にガラガラでした)。■ 札幌ハブでも乗り継ぎの問題は解消しない
これが、仮に「札幌ハブ」が成立した場合でも、便数が増えるかというといささか疑問です。
需要が多そうな九州対札幌もJASが開設した路線(熊本・大分・長崎・宮崎)は軒並み廃止になっています。
これらの地域からの対北海道の需要に加え海外(北米・欧州)への渡航需要がどれだけあるかで対札幌の便数設定が決まるのでしょうが、利便性確保に必要な最低限の便数(2便/日)を確保するのは夏の観光シーズン以外は難しいと思われます。
北海道は観光需要が多いので経済規模が劣っていても観光でもある程度の需要が確保できれば良いのですが、なかなかそうはいかないのは実績が示していると思います。■ その他
尚、九州地区について言えば、産業のそこそこの集積もありますし、板付空港の立地条件さえ考えなければ福岡は「九州のハブ」になる可能性があると思います。
勿論、成田・関空には比べるべくもありませんが、アジア諸国との交易増、半導体産業や自動車産業の集積と特に半導体産業のアジアとの交流などを考えればアジア便の拠点(アジア便の更なる増便)+現在はホノルル・ケアンズ線しかないアジア以外の便設定が検討されることもあり得ると思われます。
それには、例えば日産が主力拠点を九州に移すとか、半導体メーカーが生産だけでなく開発の中心拠点を九州に持っていく、などが必要とは思いますが、特に半導体などは産・官・学の共同体制を整えようとしていますし、そうなればシリコンバレーを後背地とするLAとの直行便位は現実性があるかと(767なら現状の滑走路でもOKでしょう)。
但し、九州についても人口及び経済の集積から「福岡」である必要があり、熊本や長崎ではないと思います。Re:雑感つれづれ
投稿者---まえだ氏(2003/08/23 13:42:36)まあ私もちょっとだけ。
千歳の積雪は気になる量ではないと思います。
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/yuuchi/c01/02.html
日本というのは日本海側と太平洋側では積雪量がえらい違いで(帯広、釧路はほとんど雪が積もりませんね)、「積雪が少なく(太平洋型の気候で)最も札幌に近い場所」という条件から千歳に空港が出来たという話があります。嘘か本当か知りませんが。
それで、私が下のリンクで気になったのが、北海道の交渉相手があくまで海外の航空会社なんですよね。
http://www.kirari.com/sangaku/report/hubreport030212.html
仮に千歳をハブ化しようと思うのなら、「東京の」航空会社を誘致したほうがハブ機能が充実するはずなのですが、東京の航空会社には相手にされないのか、海外の会社のほうが交渉相手になるんでしょうかね。上のリンクでアメリカの航空会社に提示されている条件というのは、ハブ機能を活かして本気で国内から集客するなら、不可能な数字じゃないと思うんですけどね。
やっぱり、東京の航空会社は政治で新規路線を判断し、欧米の会社は経済で判断しているのでしょうか。札幌アムス便は復帰しそうな感じですし、仮に北米線も開設されるということになれば、北海道から欧米方面への旅客は完全に外資に取られることになります。
本当に東京の航空会社が交渉する気さえ見せないのかどうかは、リンク先からは読めませんが、何か、東京の人たちが言う「国益」という言葉が非常に虚しく聞こえます。
あとは、Tomさんは、九州を過大評価しているんじゃないかな、というのが長崎に住む私の印象です。私は札幌を過大評価しているのかもしれませんが・・・。JASの九州各地から札幌路線にしても、私はそんなに需要がないだろうと思っていました。
これは九州という地域の事情もあるのでしょうが、福岡空港から長崎・佐世保・熊本などという都市に、直通の高速バスが1時間ヘッド以内で走っているという事実と、長崎・熊本空港の足の悪さが影響しているでしょうね。
成田のコストって・・・
投稿者---とも氏(2003/12/03 19:47:09)世界一高いと言われる成田の着陸料。
しかし、「実コストで見ればそんなことはない。」「いや成田・関空が突出して高いのは常識」という話はありましたが(過去ログでも度々出ますね)、どうも航空会社の主張のトリックが暴かれたようで(笑)
新東京(成田)国際空港公団は28日までに、英国の民間調査機関TRL(トランスポート・リサーチ・ラボラトリー)がまとめた「03年世界空港料金ランキング」で、成田空港は7番目にランクされたと発表した。航空機着陸料が世界一高い―とされてきただけに、汚名返上の公団は「成田の料金が世界に突出して高いわけでなく、悪名がいささかでも緩和されれば幸い」と話す。 03年版空港料金ランキング ナリタは7位「世界一高い」返上(千葉日報03/11/29)http://www.chibanippo.co.jp/… |
あら、やはりというところです。
海外旅行経験の豊富な方はお気づきでしたでしょうが、たとえばアメリカは出入国税だなんだと航空券を購入時に1万円近く徴収されます。
航空会社は支払いませんから航空会社からすれば成田が一番高い。でも、ユーザーが支払う実コストは実は違う。この辺をも含んだトータルコストにしなくては確かに比較として不適切でしょう。もちろんアジアの中では突出した価格ですから、その是正は必要でしょうが、むやみやたらに「高い着陸料」「高コスト」と批判されていた成田空港。なんだか正当な評価をしてあげないといけないような気すらします。
特に、空港論ですぐに出る「着陸料」「空港税」にしても、諸外国では当たり前に徴収される「国内線空港利用料」が日本には無い点なども考える必要がありましょう。
世界的に見て、日本が高コストなのは確か。でも、本当に言われるほど酷いのか?
検証していく必要がありそうです。まとまりませんが。では
時刻表と各国要覧データブックでできる非常におおざっぱな推量 投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2003/08/22 00:16:53) |
─Re:時刻表と各国要覧データブックでできる非常におおざっぱな推量 (以下次ページ) |
まえださん。こんばんわ。私のコメントにはお返事いただけませんでしたね。
やめようと思ったのですが、最後に1つだけ。
そうおっしゃらずに、もうしばらくお話ししましょう。いろいろ教えて下さい。
まず関空に対する評価ですが、北陸地方など守備範囲はかなり広いといえます。それと極端な話、千歳や福岡→関空→海外という形でのハブ&スポークも可能、いや現在でもそうなっています。
そう。可能なんです。時刻表を調べれば出てくるんですね。
まあ、つまる所、実際にそこに住んでいる人がどう行動しようと思うかなんですよね。もっと言えば、どう客に行動させようと旅行会社・航空会社がするか、です。理論的に可能かどうか、ではありません。
そう。太平洋を横断する大型の航空機を毎日一杯にするほどの旅客がそれぞれの都市からあるかどうかですね。これは理論ではありません。現実です。それを一番良く知っているのは航空会社なのでしょう。
あと、はっきりした数字を持ち出さないと水掛け論になるので、私のこの件に関する投稿はこれまでにしたいです。
そう言わずに、ちょっと調べてみましょう。せっかくのネットなのですから…。
関空の守備範囲ですが、私は関西圏と九州圏だけだと思っています。あとはいくら羽田成田が不便だといっても、東京に出るでしょう。私の感触だと、北陸でも中四国でも東京に出ます。あくまでも九州に住んでいる人間の感覚です。感覚には個人差がありますから、羽田成田乗換の苦痛度をどう考えるかにも差があるでしょうが、少なくとも羽田成田乗換を経験したことがない人よりはリアルな感覚だと思います。
まえださんは九州在住でしたね。
「時間距離」という言葉がありますね。ご存じですか?
上記の文章がそれを如実に表していますね。
長崎から関空まで1時間05分かかりますね。1日2往復です。羽田までは1時間35分です。1日12往復あります。
羽田から成田まではリムジンバスで約1時間15分です。20分おきに走っています。
成田に対して、長崎とおなじ距離にあるような都市には福岡と佐賀を除く九州の各県庁所在地があてはまるのですが、航空ダイヤはおおむね同じようなものですね。そして九州ですが、実際は関空利用の国内線が弱いため、時間帯にもよりますが、やはり東京に流れますね。こうして、関空の国際線利用者は関西在住者だけになり、関空の地盤沈下が起こったのだと私は解釈しています。
関空からニューヨーク行きは直行便がないのですね(NWのHPで検索したら、アムステルダム経由を提示してきた!!)。あれば、約12時間でニューヨークの空港へ着きますね。まあ、時刻表を見ますと、UAはハブであるシカゴ行き、NWもハブのデトロイト行き、JL=AAグループはこれもハブになるロサンゼルス行きが出ていますね。大阪(西日本?)からアメリカへ行くときは、日本側もアメリカ側も十分ハブアンドスポークが完成しているのですね。
さて、関東平野以外に住む人がニューヨークに行こうとした場合、どうするでしょう。現実にはかなりの人が成田に行っています。最近は成田直通の国内線も増えてきましたが、羽田成田の移動も結構残っています。
そうです。現実に関空を使おうとするなら、長崎〜関空〜アメリカのハブ空港〜ニューヨークとなるんですね。
これに対して、長崎〜羽田〜成田〜ニューヨークというのが現実の一般的な経路となっています。こっちの方が時間的には早いですね。長崎以外の全国各地の空港(羽田までは乗ればたいてい90分ぐらいで来れますよね)からも同じでしょう。ここで、札幌ニューヨーク線をJALかANAが運航したら、どうなるでしょうかね。私は、大阪の人や名古屋の人も結構札幌に流れると思うのですが、違いますかね。まあ、ここは感覚だから何ともいいようがありません。数字を出さないと水掛け論です。
関東圏3300万人+アルファを後背地とする成田とそれ以外をターゲットにするハブを考えてみましょう。
このあと、まえださんが出されるニューヨーク行きの旅客の発地の分析も必要ですが、国内でニューヨークへ行く人の多そうな都市はどこでしょう?
人がまとまって住んでいるのは、近畿圏中京圏ですか。大阪50km圏の人口は約1628万人、名古屋50km圏では875万人、ちなみに東京50km圏は3052万人です。日本の人口1億2600万人から東京圏の3000万人を引けば9600万人となります。この人口の割合だけで航空ダイヤを考えれば、成田以外のハブの可能性が出てくるのですが、お客さんの中身を考えれば、東京には各企業(世界的な企業も多いでしょう?)の本社機能が集中していますから、業務で日常的に外国へ出かける人がまとまっているわけですね。大阪にも東京と同じ割合でそのような企業が立地していれば、関空〜ニューヨーク線(人口を考えれば成田の半分の本数でいいのですが)も成り立つのでしょうけれども、現実には西日本各地〜関空〜アメリカのハブ〜アメリカ各都市という路線形態になっているわけです。ちなみに成田からは、ニューヨーク直行に加え、関空からも乗り入れているアメリカの各ハブ空港への路線もありますね。整理すると、
1) 現在の成田ニューヨーク線の、国内利用者の地域分布
2) かつての関西ニューヨーク線の、国内利用者の地域分布
の実数が出た上で、3) 成田と千歳のどちらを利用したいと思うか、の意向調査が必要になります。このあたりが揃わないと、ほんとうに札幌から北米線の可能性がないのか、関空より札幌のほうが立地優位性が高いか、はわからないでしょう。現状での日本〜アメリカ間の航空路線の構造として、
- 東京〜ニューヨーク直行
- 日本国内ハブ〜アメリカ国内ハブ(関空〜シカゴ、名古屋〜デトロイトなど)
- 日本国内主要空港〜アメリカ国内リゾート(札幌〜ホノルルなど)
という路線があるように見えます。
で、この3タイプの路線のうち、東京も日本国内ハブのひとつなのです。さらには、米系航空会社には「成田がハブである」と宣言している会社もありますから、こんどは航空会社の問題になってきます。関西の経済的な地盤沈下は日本国内の経済の大きな課題であることは共通認識であると思われます。その他の1,000kmレベルの大都市の経済情勢を考えれば、ハブ空港をつくることで経済効果が出るというなら、これを推進するような政策があってもいいかもしれません。
ところが、航空会社は民間企業ですから、お客がいるところからの路線に力を入れるわけです。その上、競争原理が働きますからお客の取り合いをするわけです。
東京〜ニューヨーク線はまさにその象徴といってもいいかもしれません。日米を代表する企業がダンピングやサービス競争に火花を散らす路線です。規制緩和の結果、参入退出の条件が緩くなりましたから、路線にこれが如実に現れることになったのです。
結果、関空からの路線はニューヨークではなく、シカゴやロサンゼルス、デトロイトといったアメリカ国内ハブへの路線になったわけで、アメリカ側が「ニューヨーク」でなくなったことをそんなに寂しく思わなくてもいいのではないかと思われます。
また逆に東京〜ニューヨーク線は供給過剰気味なのかもしれませんね。そこでダンピングで全国から旅客を集め、路線を維持しているというところでしょう。ですから、成田=羽田をアクセスや航空路線の設定で一体的に運用する工夫についてのいろいろな意見が、この掲示板では設置以来話題になっているのです。数字を出さない限りは意味のない議論なので(そもそも議論になっていないという感覚のほうが大きいです)、この辺でやめておきます。
数字の出た緻密な議論にするには、もう少し調べてからでしょうか。おおざっぱな考え方を発表しあうという意味では、とても勉強になりました。今後とも、いろいろ教えて下さい。
ありがとうございました。乱筆ご容赦。
Re:時刻表と各国要覧データブックでできる非常におおざっぱな推量
投稿者---まえだ氏(2003/08/22 01:09:01)まえださん。こんばんわ。私のコメントにはお返事いただけませんでしたね。
いや、すみません。
で、今さらながらコメントしますと、「もう少し自分の当初の考え方を貫かれてもいいんじゃないでしょうか?」という所ですかね?私も自称経済地理学専攻で博士課程まで進んだ人間ですから、立地論の基本的な考え方はわかっているつもりです。そして、その過程から学んだことは、「経済地理は地理専攻以外の人にはなかなか理解してもらえない」ということです。
で、
そう。太平洋を横断する大型の航空機を毎日一杯にするほどの旅客がそれぞれの都市からあるかどうかですね。これは理論ではありません。現実です。それを一番良く知っているのは航空会社なのでしょう。
はっきり言って、ここが疑問なのです。本当に一番良く知っているのは航空会社なのでしょうか?
人間、興味がわかないことについては真面目に考えようとしません。例えばの話ですが、この一連のスレッドでも、エル・アルコンさんが札幌ハブの可能性について真剣に考えて不可能だという結論を出したようには思えません。最初から札幌ハブなんて不可能だ、という仮定のもとに、不可能である理由を並べているようにしか感じられませんでした。
特に日本の航空会社は政府の許認可規制の中で生きてきましたから、経済合理性を追及するより政治決着を引き出すように思考していると、私は考えています。露骨に言えば、「国内ハブ空港を充実させること」より、「成田の発着枠を引き出す」ことに全能力を集中させているんじゃないか、他のことはあまり真面目に考えていないんじゃないか、ということです。
一般論ですが、日本の場合、政治学のほうが経済学より力を持っていると言われています。その経済学より数段力が落ちるのが地理学です。こうした社会土壌の中で、地理学的発想が政治学的発想に匹敵するような地位を、日本の航空会社が持っているのか相当疑問なのです。
これもよく言われることですが、欧米と日本では地理学の地位が偉い違いだという話があります。私は、この事実が航空会社の戦略にも現れているんじゃないかな、と思っています。
という訳で、コメントでした。
余計な話
投稿者---まえだ氏(2003/08/22 02:41:44)まあ、もう1つ余計な話です。
以下で書くことは、多分さいたま市民@西浦和さんには理解して頂けるでしょうが、他の人は感覚的にわかりにくいかもしれません。どうも地理学徒というのは他の人達とは違った発想があるみたいで、日本では圧倒的少数派なのですが、欧米ではそれなりの発言力を持っているのですから、そんな間違った発想ではないと思っています。
「理屈」というのはあくまで1つの事実を説明するためのものであって、「弁の立つ人」が「現場感覚」をもとに作るものです。
「一番もっともらしい理屈」で説明される事実が「真理」なのかというと、それは違うと思います。弁の立つ人が真理に近い現場感覚を経験しないと、その真理を説明する理屈が世に出ないからです。
さて、「成田の充実」と「新千歳ハブ化」のどちらが「真理」か、といえば、わからない、と言っておきます。しかし、「一番もっともらしい理屈」で説明されるのは「成田の充実」でしょう。
それは、「新千歳ハブ化」を適切に説明できる理屈は、「羽田成田乗り継ぎ」などの現場感覚を繰り返さないと生み出されないと思うからです。そして、日本では「弁の立つ人」は圧倒的に関東平野に偏在していますから、よりもっともらしい理屈は、「自宅から成田直行」という現場感覚から生み出される理屈の中から出てくると考えるからです。
で、何でこんなことを書いたかと言えば、「負け惜しみ」です(苦笑)。
Re:余計な話
投稿者---つた@地方人氏(2004/03/18 00:09:00)こんばんわ。通りがかりで、一通り見ました。私にも言わせてください。
まえださんの意見に私も全面賛成です。低コストでハブ空港をつくるには新千歳が最適と思います。
現在の空港能力でさえ十分余力があり、海上空港や過密な大都市圏立地と違い、発展後の拡張も低コストで可能。国内主要都市との間の国内空路も既にある。という理由です。一般的にだれもが札幌/北海道の経済規模を問題とされるようですが、そもそもハブ空港とは「乗り換え」に特化させた中継基地であり、「目的地」とは違います。札幌でダメなら現存するアメリカの中西部のハブ空港も成り立たないということになります。もちろん成功するには、成田直行便より、羽田―札幌―海外ルートのほうが便利、と思わせるほどのトランジットの「便の良さ」を追求し、需要を持ってくる必要はありますが。
何でも東京や大都市圏になければ、という発想には私も憤慨します。ハブ空港はむしろ田舎のほうがうまくいくはずです。成田&羽田、関空&伊丹(さらに神戸)のなんとも乗り換え不便な組み合わせは、キャパの限界に近い過密な大都市圏にあえて大国際空港を置くことにこだわった、中途半端な航空政策のたまものと思います。その結果、大阪においては国内線さえ分散しとても不便です。
そもそも日本はカリフォルニア州くらいの面積の土地にすぎず、航空機の登場で全土が日帰り交通圏なわけで、その「州」のはずれに(千歳に限らないが)巨大な「日本国際空港」をひとつ置いて、州内の大都市や各地方とは乗り換えで繋ぐという運用は、さほど非効率ではなく、不思議ではありません。それは成田でも羽田でも関空でもいいのですが、キャパは限界です。
千歳は新・旧(旧は空自千歳基地=元の共用千歳空港)あわせて滑走路4本の国内最大の空港で(管制は千歳基地と一括)、政府専用機が母港(千歳基地)としていることや貨物機の給油着陸や緊急着陸に対応しているように、そこそこの整備も可能で、ターミナルビルの増設用地が既にあり、24時間の運用も可能。空港内にホテルもあり、さらに季候の厳しい北海道にあって欠航を最低限に維持してきた、実績のある重要度の高い空港であることを考えると、総合的に見てかなり充分なハブの条件は整っているように思います。
しかし、それでもやはり新千歳がハブになれない理由は、やはり行政も航空各社も視野の狭い「国際線需要」に固執し、札幌の発着の需要をベースに「需要がなくダメだ」と思っているからだと思います。
そうこうするうち、いずれハブはソウルなどのアジアのどこかの国に取られると思います。
アジアの空の覇権
投稿者---THE-Q氏(2003/08/21 19:50:19)管理人様から投稿の許可をいただきました。
皆様にはご迷惑をおかけしました。重ねてお詫びします。さて、本題に戻らせていただきますが、正直、私も「ハブは成田良いのでは・・・」と迷ってたんですよ。
と、同時に ともさんのはっきりしない態度(少なくとも私にはそう見えた)にもイライラしてたんです。
でも、No.587あたりで私の考えは決まりました。
常識としての議論の前提 log434.html#13
このままでは、どの国も空の覇権争いから身を引くことは無く、結果として、アジア各国が空港に投資した金は、ほとんど無駄になります。
それを避ける為にも日本は、一度空の覇権争いから身を引き、ソウルあたりを集中的に支援。
それによって決定的な差をつけて、他の各国も覇権争いから身を引くように誘導するのが適当だと思います。
本来なら、他の国が身を引くべき所かもしれませんが、先進国でも利益を失うのが嫌なのに、途上国が引くことは決定的な差がつかない限り、絶対にありえないでしょう。
ちなみに、そうやって支援したにも関わらず成田がハブであり続けてしまっても それは仕方のないこと。
少なくとも、覇権争いから誰も身を引かない状態よりはずっとマシだと思います。時刻表と各国要覧データブックからできる非常におおざっぱな推量(データ編)
投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2003/08/23 14:04:26)みなさん。こんにちわ。暑い土曜日になりました。Qさん(と呼ばせていただきますね)、はじめまして。よろしくお願いいたします。
こちらの掲示板は、長文が許されていることもありまして、みなさんまとまった「論説」を書かれます。どうぞ、Q様におかれましても、所感をまとめられてご呈示いただければと存じます。勉強させていただきたく思いますので楽しみにしております。さて、本題に戻らせていただきますが、正直、私も「ハブは成田良いのでは・・・」と迷ってたんですよ。
と、同時に ともさんのはっきりしない態度(少なくとも私にはそう見えた)にもイライラしてたんです。
でも、No.587あたりで私の考えは決まりました。非常に言いづらいことを申し上げなければならないのですが、ハブ空港というものが何かをお分かりになっていないのではないでしょうか?
航空輸送において各国が競争関係にあるというのはあくまで宣伝上、サービス上でのもの、すなわち「質」の上での競争なのであって、この掲示板で皆さんが話し合っているのはこれをよりよいものにするための意見の交換なのです。この意見交換を通して参加者同士が楽しく学び会えればいいのだと私は考えています。良く知っている方の情報から一般利用者の私たちの知的興味が満たされ、また「こうなったらいいなあ」を組み合わせることで、それがこの掲示板を読んでいる(かもしれない)当事者の皆さんの業務へのヒントになればいいなあ。と思っているのです。
そこで、Qさんの書かれている以下の文について、私の考えを述べてみます。このままでは、どの国も空の覇権争いから身を引くことは無く、
結果として、アジア各国が空港に投資した金は、ほとんど無駄になります。Qさんは、「ナショナルフラッグ」と言う言葉をご存じですよね。各国を代表する航空会社のことです。本来は国旗を立てて走る商船会社の使っていた言葉だったかと思いますが、今は多くの旅客を輸送する航空会社に付けられる称号ですね。
かつては、この、国を代表して外国へ路線を持つ航空会社がそれぞれそう呼ばれていたのでした。日本なら日本航空、韓国なら大韓航空、香港ならキャセイパシフィック航空、今は変わってしまった会社では中国なら中国民航、イギリスならBOACでしたか。アメリカならパン=アメリカン航空でしょうか。航空企業の運営上、非常に高い技術維持の必要があり、そのために多くの国費を投入しなければならない状況があったわけでしたね。ですから、かつては、国際航空会社が各国で1社づつしかないという状況が当たり前だったのです。それにそれらの企業は国営企業であったり、株式会社の形態をとっていても、特殊会社の形態だったのです。日本航空はかつて半分の株を政府が持っていたのでしたね。さらに、現在でも小国の航空企業の多くは国営企業や特殊会社の形態をとっているのではないでしょうか。そしてそれらの企業は国を代表していますので、よっぽどのことがない限りは維持されるのでしょう。その国の信用にも関わります。そして、世界第2の経済力を持つ我が国への乗り入れは、その国家の威信にも関わることになるのでしょう。それを避ける為にも日本は、一度空の覇権争いから身を引き、ソウルあたりを集中的に支援。
それによって決定的な差をつけて、他の各国も覇権争いから身を引くように誘導するのが適当だと思います。私たちが考える「空の覇権」というのは、便利な路線網や、かゆいところに手の届く機内、空港、アクセスサービスの一番よい企業のスタイルが広まることでとなえられることになるのだと思っています。決してどこかの一企業が、競争に勝ち世界中の航空路線を運営する事だとは思ってはいません。それは恐ろしいことです。
本来なら、他の国が身を引くべき所かもしれませんが、先進国でも利益を失うのが嫌なのに、途上国が引くことは決定的な差がつかない限り、絶対にありえないでしょう。
さて、手元の「各国要覧データブック」によりますと、他のスレッドにも書きましたが、東アジア各国の人口は
中国 | シャンハイ | 約1,680万人 | 台湾 | 約2,200万人 | |
ペキン・テンシン | 約2,300万人 | 韓国 | ソウル大都市圏 | 約1,023万人 | |
ウーハン | 約400万人 | 日本 | 東京50km圏 | 約3,000万人 | |
チョンチン | 約3,090万人 | 大阪50km圏 | 約1,630万人 | ||
コワンチョウ | 約330万人 | 名古屋50km圏 | 約875万人 | ||
香港 | 約678万人 | 九州6県 | 約1,130万人 |
となりますね。それぞれハブ空港の後背地になる地域と考えれば、人口に応じた空港の規模が本当は必要になるのでしょう。そして、東アジアの場合、国家の国民に対する管理が徹底していますから、お金さえあれば、ほぼ誰でもいつでも外国へ行ける日本や韓国・台湾・香港と、戸籍や居住地によって行動の制限がある中国、実質鎖国状態の北朝鮮、経済復興の続くロシアといった国々が日本を囲んでいるのです。
規制緩和の進んだNAFTA3カ国やEU25カ国の地域とは基礎的な条件が違うのです。ちなみに、そうやって支援したにも関わらず成田がハブであり続けてしまっても それは仕方のないこと。
少なくとも、覇権争いから誰も身を引かない状態よりはずっとマシだと思います。「争いから身をひく」とはどういうことでしょう?よくわかりません。
世界の巨大航空会社の上位10社は<路線規模=のべ飛行距離>でAA・UA・DL・NW・CO・US・LH・BA・AF・JAの順で、<旅客数>でDL・UA・AA・NW・US・CO・NH・LH・AF・BAの順となります。国際空港の乗降客数の上位は、ロンドン(ヒースロー)・フランクフルト・パリ(CDJ)・香港・ロンドン(ガトウィック)・シンガポール・東京(成田)という順になるのです。
地球儀を見ていただければ、世界のどこら辺に人口が集中しているか、それも自由に飛行機に乗って旅行できる人たちがどこら辺に多いか、ということがお分かりになると思われます。これを結ぶ路線を考えたときに、どのような形が望ましい形なのか、考えていただけると思います。
とにかく、私たちの日本、関東平野は世界でもまれな人口集中地域で、経済活動が盛んな地域なのです。韓国など近隣各国の航空企業が自国の自社の拠点を整備することは大事なことです。また、長距離多頻度の路線やローカルの培養線を維持するために、他国の空港を拠点とする必要もあるでしょう。このような路線の拠点空港を「ハブ空港」というのですね。
ぜひ、Q様におかれましても、そのような認識を共通にお持ちいただき、対論にご参加いただければ幸いです。
今後ともいろいろ教えて下さい。メールにて改めてご挨拶させていただきます。
ありがとうございました。乱筆ご容赦。Re:時刻表と各国要覧データブックからできる非常におおざっぱな推量(データ編)
投稿者---THE-Q氏(2003/08/23 18:59:39)間違えてもらっては困ります。
「自国の利益を犠牲にしてまで、他の国の利用者のことを考えるはバカなことだ」
そう言ったのは私ではありません。本来ならば、私もアジア各国には世界中全体の利益を考えて行動して欲しいのです。
時刻表と各国要覧データブックからできる非常におおざっぱな推量(データ編その2)
投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2003/08/23 14:04:26)Qさん。みなさん。こんばんわ。
ああ、私が間違っていたようですか。では、間違いを直しましょう。誤解を解きましょう。「自国の利益を犠牲にしてまで、他の国の利用者のことを考えるはバカなことだ」
そう言ったのは私ではありません。そうでしたか。別のスレッドでの話でしたね。その方を責めるのはマナー違反ですよね。
では、私の考える「国益」についてお話ししましょう。
航空輸送においての国益とはなんでしょう?はっきり言って、一人でも多くの旅客や貨物を輸送し、航空企業が収入を得ることです。外国からの旅客や貨物を輸送すれば、それは外貨獲得に繋がり、まさに国の利益となるのです。
日本は長らく貿易黒字状態を続けてきました。今でもその構造はほぼ変わっていません。外国から安い原材料や労働力を得て、日本の企業が加工し、高い価値を付け諸外国へ販売するという構造ですね。「空洞化が進んでいるではないか」という反論がありますが、実は外国での日本企業の活動では日本が損する仕組みにはなっていないわけです。むしろ空洞化は、国内の二重構造を外国へ輸出した形になっているのではないでしょうか。
それが、受け入れた諸外国にとっては「国益」なのであって、日本にとっても「国益」だったと言えるでしょう。
話がずれましたが、日本とはこういう国であるという私の基本認識はこんなところです。さて、航空会社と国際空港の関係ですが、どの国も自国の首都の国際空港に国を代表する航空会社が拠点を置いているのですね。各国の航空会社の路線網は、その国の諸外国との関係を表すものであるのですね。
日本の航空会社は、もちろんアメリカやヨーロッパ、中国、東南アジア、オーストラリアへの路線を伸ばしているわけで、南アメリカ(一路線だけでしたか)やアフリカへの路線はほとんどありませんね。
韓国の航空会社は、欧米に加えて、中央アジアへの路線が特徴的ですね。韓国系の人たちが住んでいるからですね。
世界的に評価の高い、シンガポールの航空会社の路線は、インド洋を横断する路線が多いのですね。太平洋を横断する路線は日本へ寄ってから北米西海岸へ向かうのですね。
インドやタイの航空会社の路線はシンガポール同様インド洋を中心として展開しますが、アフリカ大陸東岸や中近東に密な路線網を張り巡らせています。出稼ぎの人たちがこれらの国へ出かけているからですね。
イギリスの航空会社やフランスの航空会社は、かつての植民地への路線が世界中に伸びているのですね。ロシアの航空会社の路線はほとんどすべての国へ伸びていますね。社会主義時代の名残ですね。
結局何が言いたいかというと、各国の各会社の路線網はそれなりに歴史や経済を表したもので、それは積み重ねられた「国益」を表すものですね。では、外国の空港で、それらの国々の飛行機はどのように振る舞うかと言えば、多くの場合、数時間で本国へ引き返していくのですね。ただ、いくつかの超大国の路線は、更に遠くの国へ行く場合(アメリカ〜東京〜東南アジア、フランス〜東京〜フレンチポリネシア)がありますから、機材の都合上、交換をしたり整備をする場所が無ければならないのですね。
はっきり言って、成田はいくつかの国の航空会社にとって、重要な整備、駐機地点になっているわけです。
成田空港はアメリカのいくつかの会社にとっては、アメリカから東南アジアへの路線の駐機整備の重責を担っておりますし、フランスやイギリスの航空会社にとっても、そういう地点の意味を持っています。やはり、東京というお客の多い大都市を抱えた国際空港ならではのことでしょう。これについては私より詳しい方もありますから補っていただければ幸いです。
また、アジアのいくつかの会社が、成田で行われる整備を日本の企業に委託しているという事もありますね。
諸外国の飛行機が成田で一旦着陸して更に遠くの目的地へ飛んでいくと言うことは、日本にとって利益の得られることではないでしょうか。その為になるべく大きな空港を作っておくのも政策として必要なことでしょう。懐の広さが求められるのですね。
中国や韓国の航空機が自国の大都市から諸外国へ直接飛んでいく路線をもっているのは当たり前ですが、その諸外国の一つとして「TOKYO」があっていいのではないでしょうか。そして、現在、それらの国と日本のとの間は経済的(これからは政治的にも)に密接な関係があるのですから、それぞれの国の航空機で一日に何往復もの便が行き来することは、お互いに利益の生まれることとなるのでしょう。これは、日本の「国益」に叶うことではないでしょうか。本来ならば、私もアジア各国には世界中全体の利益を考えて行動して欲しいのです。
日本人が考えているより実は、ずっとアジア各国の方が他の多くの国の利益を意識しているのかもしれません。その話は、交通論とは離れてしまうので、また機会があったらすることにしましょう。
蛇足になるかもしれませんが、東アジア各国の人口を以下に挙げておきましょう。誤解を解く材料になるかもしれません。
日本 | 12,600万人 | ベトナム | 7,813万人 |
中国 | 130,000万人 | マレーシア | 2,221万人 |
韓国 | 4,674万人 | タイ | 6,280万人 |
台湾 | 223万人 | インドネシア | 21,209万人 |
香港 | 678万人 | ||
北朝鮮 | 2,227万人 | アメリカ | 28,323万人 |
フィリピン | 7,565万人 | ロシア | 14,549万人 |
私の誤解は解けましたか?Qさんの言いたいことを私は理解できているでしょうか。教えていただければ幸いです。
乱筆ご容赦。ありがとうございました。
Re:時刻表と各国要覧データブックからできる非常におおざっぱな推量(データ編その2)
投稿者---THE-Q氏(2003/08/24 00:09:26)日本人が考えているより実は、ずっとアジア各国の方が他の多くの国の利益を意識しているのかもしれません。その話は、交通論とは離れてしまうので、また機会があったらすることにしましょう。
そういう訳にはいきません。
私が「日本は身を引いた方が良い」と言ってる根拠は「アジア各国の人々は自国の利益しか考えていない」という前提に基づいているのですから。
その前提が無いなら、成田を拡張すれば済んでしまう話なのです。
2004.10.23 Update | ||
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